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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013599
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】梱包材および枠体の梱包構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240125BHJP
   B65D 85/20 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
B65D85/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115804
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(71)【出願人】
【識別番号】522290112
【氏名又は名称】カネパッケージ タイランド カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】石野 亮
(72)【発明者】
【氏名】パッサコーン プンタ
(72)【発明者】
【氏名】松本 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】ナタポン トンラート
(72)【発明者】
【氏名】スカンヤ ユッタクライ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ニパ ロブリガド
(72)【発明者】
【氏名】甲斐田 敬恒
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 菜生
【テーマコード(参考)】
3E066
3E068
【Fターム(参考)】
3E066AA08
3E066BA06
3E066CA04
3E066HA04
3E066JA01
3E066KA05
3E066NA29
3E068AA30
3E068AC02
3E068BB03
3E068BB11
3E068BB16
3E068CC04
3E068CD01
3E068CE02
3E068DD14
(57)【要約】
【課題】輸送時の資源エネルギー消費の抑制と製品の損傷防止とを両立させる梱包材および枠体の梱包構造を提供する。
【解決手段】梱包材1は、第1被包装物および第2被包装物の第1方向の両端部を保持する一対の保持部材3と、前記被包装物および前記一対の保持部材の外側を囲む外箱2と、を備え、前記保持部材は、前記第1方向の端部に配置される横壁37と、前記横壁の両端部から前記第1方向に沿って延び、前記第1被包装物および前記第2被包装物の各側面を覆う一対の側壁35と、前記側壁および前記横壁の少なくとも一方から突出して形成され、前記一対の側壁同士の間に配置される保持部と、を備え、前記保持部材は、前記第1被包装物と前記第2被包装物との間に前記保持部が配置されて前記前記第1被包装物と前記第2被包装物との距離を保持可能に構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1被包装物および第2被包装物の第1方向の両端部を保持する一対の保持部材と、
前記第1被包装物、前記第2被包装物および前記一対の保持部材の外側を囲む外箱と、を備え、
前記保持部材は、
前記第1方向の端部に配置される横壁と、
前記横壁の両端部から前記第1方向に沿って延び、前記第1被包装物および前記第2被包装物の各側面を覆う一対の側壁と、
前記側壁および前記横壁の少なくとも一方から突出して形成され、前記一対の側壁同士の間に配置される保持部と、を備え、
前記保持部材は、前記第1被包装物と前記第2被包装物との間に前記保持部が配置されて前記第1被包装物と前記第2被包装物との距離を保持可能に構成された、梱包材。
【請求項2】
前記保持部材は、前記側壁における前記保持部が配置される内面と反対側の外面の前記第1方向の全長にわたって、前記第1方向に延びる保持スリットを備え、
前記保持部材と前記外箱との間に、前記第1被包装物および前記第2被包装物に加えて、前記外面に対向配置される第3被包装物および第4被包装物を配置可能であり、
前記第3被包装物および前記第4被包装物に備えるリムを前記保持スリットに係合させることによって前記第3被包装物および前記第4被包装物を保持可能に構成された、請求項1に記載の梱包材。
【請求項3】
前記保持部材が一枚の台紙を組み立てて形成されている
請求項1または請求項2に記載の梱包材。
【請求項4】
前記第1被包装物および前記第2被包装物の少なくともいずれか一方における前記側壁が配置されていない露出面に配置される補助保護部材を備え、
前記補助保護部材が一枚の台紙を折り畳むことにより形成されている請求項1に記載の梱包材。
【請求項5】
前記一対の保持部材の間に設けられる中間保持部材を備え、
前記中間保持部材は、
前記第1方向に沿う中間側壁と、
前記中間側壁の内面から前記第1方向と直交する方向に突出して形成された中間保持部と、
前記中間側壁の前記内面と反対側の外面の前記第1方向の全長にわたって、前記第1方向に延びる中間保持スリットと、を備え、
前記中間保持部材は、前記中間保持スリットで前記第3被包装物および前記第4被包装物の前記リムを係合することによって、前記第3被包装物および前記第4被包装物を保持可能に構成された
請求項2に記載の梱包材。
【請求項6】
建具の枠体を構成する4つの枠部品のうちの第1枠部品および第2枠部品の長手方向の両端部を保持する一対の保持部材と、
前記4つの枠部品および前記一対の保持部材の外側を囲む外箱と、を備え、
前記保持部材は、
前記長手方向の端部に配置される横壁と、
前記横壁の両端部から前記長手方向に沿って延び、前記第1枠部品および前記第2枠部品の各側面を覆う一対の側壁と、
前記側壁および前記横壁の少なくとも一方から突出して形成され、前記一対の側壁同士の間に配置される保持部と、
前記一対の側壁の外面の前記長手方向の全長にわたって、前記長手方向に延びる保持スリット、を備え、
前記保持部材は、前記第1枠部品と前記第2枠部品との間に前記保持部が配置されて前記第1枠部品と前記第2枠部品との距離を保持し、
4つの枠部品のうちの第3枠部品および第4枠部品に備えるリムを前記保持スリットに係合させることによって前記第3枠部品および前記第4枠部品を保持する
前記一対の保持部材で保持された前記4つの枠部品を前記外箱で梱包する枠体の梱包構造。
【請求項7】
前記一対の保持部材の間に設けられる中間保持部材を備え、
前記中間保持部材は、
前記長手方向に沿う中間側壁と、
前記中間側壁の内面から前記長手方向と直交する方向に突出して形成された中間保持部と、
前記中間側壁の前記内面と反対側の外面の前記長手方向の全長にわたって、前記長手方向に延びる中間保持スリットと、を備え、
前記中間保持部材は、前記中間保持スリットで前記第3枠部品および前記枠部品の前記リムを係合することによって、前記第3枠部品および前記第4枠部品を保持する
請求項6に記載の枠体の梱包構造。
【請求項8】
前記4つの枠部品のうち、前記第1枠部品および前記第2枠部品より前記第3枠部品および前記第4枠部品の長さが短く、
前記第3枠部品および前記第4枠部品は、前記長手方向における前記リムの一端が前記一対の保持部材の前記保持スリットにより係合されて保持され、前記リムの他端が前記中間保持部材の前記中間保持スリットに係合されて保持される
請求項7に記載の枠体の梱包構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包材および枠体の梱包構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、住宅等の設備に利用される建具等の製品は、工場で製造され、部品に分解された状態で倉庫や施工現場に輸送される。輸送時、振動や衝撃によって部品が損傷することを防ぐために、緩衝材や梱包材を用いる場合がある。従来、包装用の緩衝材としては、発泡プラスチック、エアパッキン等、プラスチック製の緩衝材が多用されている。しかし、環境保全の観点から、脱プラスチック化が望まれており、プラスチック製の緩衝材の使用削減が望まれている。例えば、特許文献1には、上蓋フラップ等で収容部に間仕切りを設け、異なるサイズの収容物品に対応し、緩衝材を使用せずに物品の移動を抑制する輸送用梱包箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-152447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の輸送用梱包箱は、間仕切りを設けるため、外箱と間仕切りとの間に隙間が生じる。製品の大量かつ長距離輸送時、このような隙間によって荷物全体の容積が増加し、輸送に必要なエネルギーの増加および輸送コストの増加につながる。特許文献1の輸送用梱包箱は、複数のサイズの物品に対応するため、収容部は直方体形状である。建具の部品は単純な矩形等ではなく凹凸が多い特殊形状であるため、収容部内に置くだけでは自立できず、かつ収容部と部品との間に隙間が生じ輸送時に収容部内で移動する。輸送時の揺れなどに伴い、収容部内で部品が移動すると、部品に擦り傷が生じるおそれがある。
【0005】
このような課題に鑑み、本開示は、輸送時の資源エネルギー消費の抑制と製品の損傷防止とを両立させる梱包材および枠体の梱包構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る梱包材は、第1被包装物および第2被包装物の第1方向の両端部を保持する一対の保持部材と、前記被包装物および前記一対の保持部材の外側を囲む外箱と、を備え、前記保持部材は、前記第1方向の端部に配置される横壁と、前記横壁の両端部から前記第1方向に沿って延び、前記第1被包装物および前記第2被包装物の各側面を覆う一対の側壁と、前記側壁および前記横壁の少なくとも一方から突出して形成され、前記一対の側壁同士の間に配置される保持部と、を備え、前記保持部材は、前記第1被包装物と前記第2被包装物との間に前記保持部が配置されて前記前記第1被包装物と前記第2被包装物との距離を保持可能に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る梱包材の斜視図である。
図2】第1実施形態の保持部材の斜視図である。
図3図2の矢印A方向から見た側面図である。
図4図2の矢印B方向から見た側面図である。
図5】第1実施形態の保持部材の上面図である。
図6】第1実施形態の保持部材の展開図である。
図7】第1実施形態の保持部材の斜視図である。
図8図1のC8-C8線断面図である。
図9】第1実施形態の上保護材の斜視図である。
図10】第1実施形態の上保護材の展開図である。
図11】第1実施形態に係る梱包材の他の使用例の斜視図である。
図12図11の矢印C方向から見た側面図である。
図13】第2実施形態の梱包材の斜視図である。
図14】第2実施形態の中間保持部材の斜視図である。
図15】第2実施形態の梱包材の斜視図である。
図16図15の矢印D方向から見た側面図である。
図17図16のC17-C17線断面図である。
図18】中間保持部材の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図1図11を参照して、第1実施形態に係る梱包材について説明する。本開示の梱包材1は、例えば、長尺な複数の被包装物を一つにまとめて梱包する梱包材である。梱包材1は、一対の保持部材3を含む。被包装物は、例えば、サッシ等の建具の四周に設けられる枠部品である。具体的には、梱包材1は、枠部材を構成する上枠101、下枠102、および一対の縦枠103,104を分解した状態で梱包する。上枠101、下枠102、および一対の縦枠103,104の長手方向を揃えた状態で、長手方向の両端部を一対の保持部材3で保持する。梱包材1では、一対の保持部材3で保持された枠部品の周囲を外箱2で包んで梱包する。以下の説明において、上枠101、下枠102、および一対の縦枠103,104を分解した部品を枠部品と称する場合がある。上枠101および下枠102は、第1被包装物および第2被包装物の一例である。一対の縦枠103,104は、第3被包装物および第4被包装物の一例である。上枠101および下枠102は、第1枠部品および第2枠部品の一例である。一対の縦枠103,104は、第3枠部品および第4枠部品の一例である。
【0009】
以下の説明において、梱包状態の枠部品の上枠101、下枠102、および一対の縦枠103,104の長手方向に沿う方向をX方向と称する。X方向に直交し、梱包時の天地方向をZ方向と称する。X方向およびZ方向に直交し、上枠101、下枠102、および一対の縦枠103,104の短手方向をY方向と称する。Y方向は、枠部品が矩形に組み立てられたときに建具の見込み方向に沿う方向である。Y方向は第1方向に対応する。X方向は第2方向に対応する。
【0010】
図8の断面図を参照して各枠部品の概要を説明する。本例では、Z方向の下側に上枠101を配置し、上側に下枠102を配置し、上枠101および下枠102のY方向の外方に縦枠103,104を配置する。上枠101は、上対向部105と、複数のレール部113と、固定片131と、アングル141とを備える。上対向部105は、建物の開口の上面に対向配置される部位である。レール部113は、上対向部105から下方に突出する。レール部113は、不図示のサッシを保持する部位である。固定片131は、上対向部105から上方に突出している板状部である。アングル141は、上対向部105の室内側に配置される端部に設けられている。下枠102は、下対向部121と、ホロー部122と、内側板部107と、固定片132と、レール部120と、アングル142とを備える。下対向部121は、建物の開口の下面に対向配置される部位である。ホロー部122と、内側板部107は下対向部121の下部に設けられている。ホロー部122と、内側板部107とは設置時の室内外方向であるY方向に並んで配置されている。レール部120は、ホロー部122および内側板部107の上面から上方に突出している。図示例では、2つのレール部120が平行に延びて形成されている。アングル142は、内側板部107の上端部に設けられている。縦枠103,104は、側板部138と、固定片133,134と、アングル143,144とを備える。側板部138は、建物の開口の縦面に対向配置される部位である。アングル143,144は、側板部138の室内側に配置される端部に設けられている。固定片133,134は、側板部138に略直交する方向に突出している。各固定片131,132,133,134は、建物の開口に固定される部位である。各固定片131,132,133,134は被包装物または枠部品のリムに対応する。図示例の枠部品は一例であり、形状は図示例に限定されない。梱包材1は公知の枠部品の梱包に適用できる。
【0011】
外箱2は、枠部品等の被包装物の外側を包む段ボール紙である。外箱2は、下面22、一対の側面23、第1上面24、第2上面25、およびフラップ26が一枚の台紙で構成されている。下面22、一対の側面23、第1上面24および第2上面25で被包装物の側方を覆い、フラップ26でY方向の両端部を塞ぎ、箱状に形成される。本実施形態では、長尺な枠部品を梱包する例であるため、下面22、一対の側面23、第1上面24および第2上面25は、長方形状を有する。
【0012】
保持部材3は、枠部品等の被包装物の端部に配置し、被包装物を保持する部材である。図2から図5に示すように、保持部材3は、一対の側壁35と、横壁37と、保持部30a,30bと、を備える。横壁37は、枠部品のX方向の端部に対向配置される。横壁37のY方向の両端部から一対の側壁35が連続して設けられている。横壁37は、一対の側壁35のX方向の端部間を接続している。一対の側壁35は、Y方向に沿って配置され、互いに平行に延びる。保持部30a,30bは例えば、立方体形状を有する。
【0013】
保持部30a,30bは、図3および図4に示すように、各側壁35の内面からY方向に突出している。保持部30a,30bは、各側壁35の内面から突出して一対設けられている。保持部30a,30bは、一対の側壁35同士の間に配置される。以後の説明において、一対の保持部30a,30bを第1保持部30a、第2保持部30bと称する場合がある。各保持部30a,30bは、上枠101と下枠102との隙間の大きさに対応する大きさを有する。詳細は後述するが、保持部30a,30bは、上枠101と下枠102とのZ方向の距離を保持可能に構成されている。
【0014】
図2および図5に示すように、横壁37と側壁35との接続部分におけるZ方向の中間位置に凹部36が形成されている。凹部36は、横壁37と側壁35との角部に対して、逆方向に窪むように略直角に折り曲げられて形成されている。凹部36は、横壁37および側壁35に対する保持部30a,30bの位置を保持する。
【0015】
保持部材3は、保持スリット34を備える。保持スリット34は、一対の側壁35のX方向の全長にわたって形成されている。保持スリット34は、側壁35の外面に開口している。保持スリット34は、側壁のZ方向の中間位置に形成されている。図2および図7に示すように、保持スリット34は、保持部30a,30bのX方向の内端面39にも形成されている。
【0016】
図6は、保持部材3の台紙を展開した状態を示している。図6に示すように、保持部材3は、一枚の台紙からなる。保持部材3の台紙は、第1保持部30a、側壁35、横壁37、側壁35、第2保持部30bの各部が連続して直列に並んで設けられている。保持スリット34および凹部36に対応する位置に切り込み線34,362が形成されている。保持部30a,30bの端部には、台紙の長手方向に突出する爪38が形成されている。爪38は、突出端に向かって幅が広がる台形に形成されている。凹部36の曲折部位には、挿入口361が開口している。台紙を各縦折れ線92,93,94および横折れ線91に沿って折り畳んで組み立てることによって、図2に示すような立体形状の保持部材3が形成される。具体的には、各保持部30a,30bの横折れ線91を折り曲げて矩形の筒状に組み立てた後、各縦折れ線92,93を折る。このとき、凹部36の切り込み線362に沿う位置の縦折れ線94を縦折れ線92,93と逆方向に折って凹部36を形成する。爪38を折れ線95で折って挿入口361に挿入すると、保持部30a,30bが凹部36に係合される。爪38が台形であるため、爪38を挿入口361に挿入すると、爪38が挿入口361に係止される。この結果、接着剤等を用いることなく、保持部材3が一枚の台紙から形成される。
【0017】
梱包材1は、さらに、上保護材4を含んでもよい。上保護材4は、梱包材1の必須の構成ではない。図8に示すように、上保護材4は、下枠102の上部に配置される。上保護材4は、側壁35によって覆われていない露出面に配置される。上保護材4は、レール部120の上端部を保護するとともに、外箱2内での枠部品の位置ずれを防止する。上保護材4は、カバー41と、挿入部42とを有する。カバー41および挿入部42は、略平板形状であり、厚さ方向に重なっている。挿入部42は、下枠102のレール部120間に挿入される部位である。カバー41は、挿入部42より面積が大きい。カバー41は、レール部120の上端部を覆う。上保護材4は、補助保護部材の一例である。
【0018】
図9は、上保護材4を挿入部42側から見た斜視図である。上保護材4は、一枚の台紙を折り畳んで組み立てられている。上保護材4は、接着剤等を用いることなく組み立てられている。図10は、上保護材4の台紙を展開した状態を示している。図10に示すように、挿入部42と、2つのカバー41と、挿入部42とが直列配置されている。2つのカバー41の中間位置に切り込み線451が設けられている。切り込み線451は、矩形の3辺が切り込まれている。挿入部42の端部には、矩形の切り欠き部44が形成されている。2つのカバー41の中間部分に二本の折れ線471が形成されている。2本の折れ線471に沿って台紙を折り曲げると、2枚のカバー41が重なり、切り込み線451は折れ曲がらずに残る。切り込み線451によって折れ曲がらずに残った部分が係止片45である。次に、折れ線461に沿って台紙を折り曲げると、挿入部42同士が重なる。このとき、2か所の切り欠き部44同士が重なる。切り欠き部44が重なった位置に係止片45を折り曲げて挿入すると係止片45が切り欠き部44内に係止され、上保護材4が組み立てられる。
【0019】
外箱2、保持部材3、および上保護材4は、例えば、段ボール紙で形成されている。保持部材3および上保護材4は、接着剤等を用いることなく容易に組み立てられる。保持部材3および上保護材4は、予め組み立ててもよいし、梱包時に組み立ててもよい。
【0020】
次に、枠体の梱包構造および梱包方法について説明する。展開された外箱2の下面22の上に上枠101のレール部113を当接し、固定片131がZ方向の上方に位置するように、上枠101を載せる。次に、一対の保持部材3を載せる。具体的には、上対向部105上に各保持部30a,30bを載せる。このとき、上枠101のアングル141は、側壁35の切り欠き部352と下面22との間に配置される。保持部30a,30bの各下面31に下枠102の上部106が当接し、上枠101が保持される。次に、下枠102を保持部30a,30b上に載せる。具体的には、ホロー部122の下端108を第1保持部30aの上面32に乗せ、内側板部107の下端107aを第2保持部30bの上面32に載せる。この状態で、上枠101の固定片131および下枠102の固定片132が、第1保持部30aと第2保持部30bとの間のY方向の隙間に配置される。各固定片131,132は保持部30a,30bの対向面33の間に配置される。一対の側壁35の内面同士の距離は、上枠101および下枠102の短手方向、図8のX方向の長さに略等しい。そのため、保持部30a,30bの下方に上枠101が保持され、保持部30a,30bの上方に下枠102が保持される。図7に示すように、下枠102のアングル142は、側壁35の切り欠き部351上に配置される。上枠101および下枠102の2つの枠部品の長手方向の両端部で上述の作業を行う。この結果、上枠101および下枠102の2つの枠部品の長手方向の両端部が保持部材3で保持される。アングル142が切り欠き部351内に配置されるため、長手方向Xの位置が規制され、下枠102が保持される。
【0021】
次に、縦枠103,104を保持部材3に取り付ける。側壁35の外面に、縦枠103,104の固定片134を近付けて保持スリット34内に固定片133,134を挿入する。図8に示すように、固定片133,134が保持スリット34に係合されて、側板部138が側壁35の外面に対向配置した状態で保持される。縦枠103,104の各アングル143,144は外箱2の下面22に接触する。
【0022】
次に、上保護材4を下枠102の挿入部42を2つのレール部120間に挿入し、カバー41でレール部120の上端を覆う。次に、外箱2の側面23で縦枠103,104の側面を覆い、第1上面24および第2上面25で下枠102および上保護材4を覆い、フラップ26で4つの枠部品および一対の保持部材3を覆う。外箱2を封止して梱包が完了する。この状態で、縦枠103,104は、保持部材3と外箱2との間に配置される。
【0023】
本実施形態に係る梱包材1および枠体の梱包構造によれば、保持部材3および外箱2で枠体を構成する4つの枠部品をコンパクトに梱包できる。4つの枠部材は、それぞれ凹凸部分が多い形状であるが、梱包後の容積を小さく収納できる。この結果、輸送時の容積を抑えることができ、輸送時のエネルギー消費を抑えるとともに、輸送コストを抑えることができる。
【0024】
本実施形態に係る梱包材1および枠体の梱包構造によれば、段ボール紙等の台紙のみで保持部材3および上保護材4を形成できる。この結果、脱プラスチック化を図ることができる。保持部材3および上保護材4を容易に組み立てられるという効果も奏する。
【0025】
本実施形態に係る梱包材1および枠体の梱包構造によれば、保持スリット34に固定片133,134を係合させて保持するため、簡易な構造で4つの枠部材を容易に梱包できる。本実施形態に係る梱包材1および枠体の梱包構造によれば、4つの枠部材の各固定片131,132,133,134を梱包材1の中心部分に集約して配置し、保持できる。このため、凹凸が多い枠部材であっても、外形が立方体形状の梱包材1にコンパクトに収容でき、容積を抑えられる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態について、図11および図12を用いて説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。第1実施形態では、4つの枠部品の長さが概ね等しい場合の梱包材1の使用例を示したが、梱包材1は、枠部品の長さが異なる場合にも使用できる。例えば、縦長のサッシ枠の場合、上枠101および下枠102の長さより、縦枠103,104の長さが長い。この場合も、図11に示すように、梱包材1を用いて枠部品を省スペースかつ互いの接触を避けた状態で梱包できる。
【0027】
梱包材1は、さらに、上保護材4および下保護材5を含む例を示す。上保護材4および下保護材5は、梱包材1の必須の構成ではない。
【0028】
縦枠103,104は上枠101および下枠102が保持部材3で保持された位置よりも長手方向に突出している。図11に示すように、縦枠103,104の長手方向であるX方向の両端部と外箱2の下面22との間にZ方向の隙間が生じる。この隙間に下保護材5を配置することによって、輸送時の外力によって縦枠103,104の位置ずれを防止する。つまり、下保護材5を設けることによって、縦枠103,104が損傷することを防ぐとともに、保持部材3による枠部品の保持状態を保つことができる。
【0029】
本実施形態に係る梱包材1および枠体の梱包構造によれば、第1実施形態と同様に、保持部材3および外箱2で枠体を構成する4つの枠部品をコンパクトに梱包できる。4つの枠部材は、それぞれ凹凸部分が多い形状であるが、梱包後の容積を小さく収納できる。この結果、輸送時の容積を抑えることができ、輸送時のエネルギー消費を抑えるとともに、輸送コストを抑えることができる。すなわち、梱包材1は、4つの枠部品の長手方向の長さが略等しい場合に限らず、縦横比が異なる枠体の梱包にも使用できる。
【0030】
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態について図13から図18を用いて説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。本実施形態では、上枠101および下枠102に比べて縦枠103,104が短い枠体の梱包構造の例である。第1実施形態および第2実施形態では、一対の保持部材3で4つの枠部品を保持したが、保持部材3の側壁35の外面に対向配置する枠部品が短い場合、一対の保持部材3で4つの枠部品を保持できない場合がある。この場合、中間保持部材6を用いる。
【0031】
中間保持部材6は、X方向における一対の保持部材3の間に設けられる。中間保持部材6は、中間側壁65と、中間保持部60a,60bと、中間保持スリット64とを備える。中間側壁65は、長手方向であるX方向に沿って延びる平板部である。中間保持部60a,60bは、中間側壁65の内面からX方向と直交するY方向に突出して形成されている。中間保持部60a,60bは、保持部材3の保持部30a,30bと同形の直方体形状を有する。中間保持スリット64は、中間側壁65の内面と反対側の外面のX方向の全長にわたって延びている。中間側壁65のZ方向の縁端部には、切り欠き651が形成されている。切り欠き651は、中間保持部材6の種類を識別するための目印である。つまり、中間保持部材6は、Y方向に離れて配置する2つの部品である点で、保持部材3と相違する。中間保持部60a,60bの大きさが異なる場合、切り欠き部651によって、2つの中間保持部材6を容易に識別できる。
【0032】
中間保持部材6は一枚の台紙を折り曲げて組み立てられるように構成されている。図18に示すように、中間保持部材6の台紙は、中間保持部60aまたは60bと、中間側壁65とが連続して直列に並んで設けられている。中間保持スリット64に対応する位置に切り込み線64が形成されている。中間保持部60a,60bのX方向両端部の横壁69の一方の端部には保持部材3と同様に爪68が形成されている。中間保持部60a,60bのフラップ97と、中間保持部60a,60bの境界の折れ線93と重なる部分には、挿入口661が開口している。折れ線91を折り曲げて中間保持部60aを矩形に組立、その後、各折れ線93を折り曲げる。爪68を挿入口661に挿入すると、中間保持部材6を組み立てることができる。中間保持部材6も、保持部材3と同様に、接着剤等を用いることなく一枚の台紙で容易に組み立てることができる。
【0033】
中間保持部材6は、保持部材3と同様に段ボール紙で形成されている。中間保持部材6は、上述の台紙を組み立てることによって、接着剤等を用いることなく保形できる。そのため、樹脂材料使用を減らし、環境負荷を抑えることができる。
【0034】
図15から図17を用いて、本実施形態に係る梱包材1および枠体の梱包構造を説明する。4つの枠部品は、長さの関係が第一実施形態と異なり、その他は同一の構成である例を示す。縦枠103,104の一端部を保持部材3の端部近傍に配置し、縦枠103,104の他端部は、一対の保持部材3のX方向の中間部に配置する。そのため、図16に示すように、縦枠103,104の他端部の位置に、中間保持部材6を配置する。中間保持部材6は、第一実施形態と同様に、上枠101および下枠102のX方向の両端部を保持部材3で保持する際に配置する。図17に示すように、中間保持部60aの下面61が上枠101の上部に当接する。下枠102を中間保持部60a,60bの上面62に載せる。次に、縦枠103,104を配置する。縦枠103,104のX方向の一端部の固定片133,134を第一実施形態と同様に保持部材3の保持スリット34に挿入する。縦枠103,104の他端部は、一対の保持部材3のX方向の中間部に位置する。縦枠103,104の固定片133,134の他端部を中間保持スリット64に挿入して係合させる。
【0035】
第一実施形態と同様に、上保護材4を下枠102の露出しているレール部120間に配置し、外箱2で周囲を包んで梱包を完了させる。
【0036】
本実施形態に係る梱包材1および枠体の梱包構造によれば、枠体の縦横寸法が異なり、上枠101および下枠102よりも縦枠103,104が短い場合でも、第一実施形態と同様に、枠体をコンパクトに梱包できる。
【0037】
上記実施形態では、保持部30a,30bの下方に上枠101を配置し、保持部30a,30bの上方に下枠102を配置する例を示したが、枠部品の配置はこの例に限定されない。例えば、保持部30a,30bの下方に下枠102を配置し、保持部30a,30bの上方に上枠101を配置してもよい。
【0038】
上記実施形態では、保持部材3、上保護材4、中間保持部材6がそれぞれ一枚の台紙で形成される。梱包材1を構成する各部品3,4,6が一枚の台紙から形成できることにより、梱包材1を構成する台紙の数を抑えられ、容易に組み立てられる。上述の台紙を組み立てることによって、接着剤等を用いることなく保形できる。そのため、樹脂材料の使用を抑え、環境負荷低減に寄与する。
【0039】
外箱2、保持部材3、上保護材4、下保護材5、および中間保持部材6は、段ボール紙で形成することによって、樹脂材料の使用を減らし、環境負荷を抑えることができる。外箱2、保持部材3、上保護材4、下保護材5、および中間保持部材6は、上記段ボール紙の他、植物由来の材料からなる包装紙等であってもよい。
【0040】
上記実施形態では、第1保持部30aの大きさと第2保持部30bの大きさとが異なる例を示したが、保持部の大きさは、被包装物の形状に応じて適宜設定可能であり、第1保持部および第2保持部が同じ大きさであってもよい。
【0041】
上記実施形態では、保持部30a,30bと横壁37との間に凹部36を設けた例を示したが、凹部36は必須の構成ではない。例えば、凹部36を設けず、保持部が横壁37に固定または近接配置される例であってもよい。
【0042】
上記実施形態では、梱包材1に上保護材4を備える例を示したが、上保護材4は必須の構成ではない。例えば、上保護材4に代えて、保持部材3の横壁37または側壁35と連続して形成され枠部品を上方から覆うフラップが設けられていてもよい。
【0043】
上記実施形態では、保持部材3、上保護材4、中間保持部材6がそれぞれ一枚の台紙で形成される例を示したが、被包装物をコンパクトに梱包するという目的において、梱包材1を構成する各部品3,4,6が一枚の台紙から形成できる構成は必須の構成ではない。例えば、梱包材1を構成する各部品3,4,6をそれぞれ複数の台紙を用いて予め組立てたものを用いてもよい。
【0044】
上記実施形態では、保持部30a,30bが横壁37および一対の側壁35と連続して形成された例を示したが、保持部は、一対の側壁35の間で位置が固定可能であればよく、保持部の構成はこの例に限定されない。例えば、横壁37と連続し、横壁37から突出して形成されていてもよい。例えば、一対の側壁35と連続し側壁35から突出して形成され、横壁37と連続しない保持部であってもよい。
【0045】
上記実施形態では、保持部材3に保持スリットが設けられる例を示したが、例えば、2つの部材のみを包装する場合は、保持スリットを備えなくてもよい。この場合、梱包材1は、例えば、保持部材3のZ方向の両側に2つの部品を配置し、保持部材3および2つの部品の外周部に外箱2を当接させた状態で、外箱2で包む。
【0046】
上記実施形態では、一枚の台紙で構成された外箱2で、個別に枠部品を包装する例を示したが、外箱2の構成はこれに限定されない。外箱2は、一対の保持部材3で保持された枠部品の周囲を覆う構成であればよい。例えば、一対の保持部材3で保持された枠部品の外寸法に応じて複数の仕切が形成された複数の収容室を備え、複数の枠部品を各収容室に収容する外箱であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1・・・梱包材、2・・・外箱、3・・・保持部材,4・・・上保護材(補助保護部材),6・・・中間保持部材、5・・・下保護材(補助保護部材)、6・・・中間保持部材、30a,30b・・・保持部、34・・・保持スリット、35・・・側壁、37・・・横壁、60a,60b・・・中間保持部、64・・・中間保持スリット、65・・・中間側壁、101・・・上枠(枠部品)、102・・・下枠(枠部品)、103,104・・・縦枠(枠部品)、131,132,133,134・・・固定片(リム)
図1
図2
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