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特開2024-135992放熱シート及び放熱シートの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135992
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】放熱シート及び放熱シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20240927BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L23/36 D
H05K7/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046933
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】591124765
【氏名又は名称】ジオマテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】関口 菜摘
(72)【発明者】
【氏名】大津 良太
(72)【発明者】
【氏名】戸井 文子
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA11
5E322FA04
5F136BC07
5F136DA25
5F136FA53
5F136FA54
5F136FA63
5F136FA82
(57)【要約】
【課題】放熱シートと冷却器との界面にある空気を排除し、放熱特性を向上させた放熱シート及び放熱シートの製造方法を提供する。
【解決手段】放熱シート1は、熱源と冷却器との間に配置される。放熱シート1は、樹脂層2と、樹脂層2に含まれる熱伝導性フィラー3と、樹脂層2の表面2Aに設けられた熱伝導性薄膜4と、を備える。熱伝導性薄膜4は、樹脂層2と対向する対向面4Aと、対向面4Aの反対側の面である膜表面4Bと、を有する。熱伝導性薄膜4の膜表面4Bには、熱源と冷却器の界面の空気を除去する空間部5が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源と冷却器との間に配置される放熱シートであって、
樹脂層と、
前記樹脂層に含まれる熱伝導性フィラーと、
前記樹脂層の表面に設けられた熱伝導性薄膜と、を備え、
前記熱伝導性薄膜は、前記樹脂層と対向する対向面と、前記対向面の反対側の面である膜表面と、を有し、
前記熱伝導性薄膜の前記対向面及び前記膜表面のうち、少なくとも前記膜表面には、前記放熱シートと前記熱源又は前記冷却器との界面の空気を除去する空間部が形成されることを特徴とする放熱シート。
【請求項2】
前記樹脂層は、オイルブリード性を有し、
前記空間部は、前記対向面及び前記膜表面を貫通し、前記樹脂層から滲み出るオイルが通過する貫通孔又は貫通スリットであることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
【請求項3】
前記空間部は、前記対向面及び前記膜表面を貫通する略円形又は略楕円形の貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
【請求項4】
前記空間部は、前記対向面及び前記膜表面を貫通し、貫通する方向と直交する方向に延びる貫通スリットであることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
【請求項5】
熱源と冷却器との間に配置される放熱シートの製造方法であって、
樹脂層と熱伝導性フィラーとを含む基材シートを準備する基材準備工程と、
前記基材シートの表面に、熱伝導性薄膜を形成する成膜工程と、
前記熱伝導性薄膜に、前記放熱シートと前記熱源又は前記冷却器との界面の空気を除去する空間部を形成する空間部形成工程と、を含み、
前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜の前記樹脂層と対向する対向面と、前記対向面の反対側の面である膜表面のうち、少なくとも前記膜表面に前記空間部を形成することを特徴とする放熱シートの製造方法。
【請求項6】
前記樹脂層は、オイルブリード性を有し、
前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜の前記対向面及び前記膜表面を貫通し、前記樹脂層から滲み出るオイルが通過する貫通孔又は貫通スリットを形成することを特徴とする請求項5に記載の放熱シートの製造方法。
【請求項7】
前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜に前記対向面及び前記膜表面を貫通する略円形又は略楕円形の貫通孔を形成することを特徴とする請求項5に記載の放熱シートの製造方法。
【請求項8】
前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜の前記対向面及び前記膜表面を貫通し、貫通する方向と直交する方向に延びる貫通スリットを形成することを特徴とする請求項5に記載の放熱シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱シート及び放熱シートの製造方法に係り、特に熱源と冷却器との間に配置される放熱シート及び放熱シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化に伴い、部品から発生した熱の処理としては、熱を基板側からヒートシンクなどの冷却器へ伝えて放熱する基板放熱型が主流になってきている。放熱シートは、発熱源と冷却器の間に介在する伝熱部材で、サーマル・インターフェース・マテリアル(TIM)と呼ばれる放熱材料の一種である。発熱源や冷却器の表面には微少な凹凸があるため、直接組み付けると空気層が介在し放熱性能が低下してしまう。
【0003】
TIMを導入することで発熱源と冷却器界面への空気層の形成を抑制し、接触界面の熱抵抗を下げて放熱効率をあげることができる。ただし、TIMの介在は、熱の移動距離を長くするといった阻害要因にもなり得るため、TIM自身の熱伝導率を向上させることが重要であり、多くの取り組みがなされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、樹脂及び熱伝導性フィラーを含む多孔質シートの表面に、熱可塑性フッ素樹脂シートと金属箔を積層した高熱伝導シートが記載されている。特許文献1では、積層した多孔質シート、熱可塑性フッ素樹脂シート及び金属箔を加熱処理及び加圧処理によって一体化することで、接着力を高めた高熱伝導シートを製造している。
また、特許文献2には、熱伝導性を有するコア材料にシート状金属を積層した高熱伝導シートが記載されている。特許文献2では、可撓性を有する薄いシートを容易に形成するため、コア材料の両面に金属製の表面用シートプラズマ蒸着法等によって、高熱伝導シートを製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-164801号公報
【特許文献2】特表2004-500692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、放熱シートは、発熱源と冷却器の間との間に挟み込んだ際に、放熱シートと冷却器との界面には空気が存在している。この空気を排除するために、発熱源、放熱シート、及び冷却器を一体化した後に、圧力をかけて空気を排除する。
発熱源や冷却器の表面に形成された凹凸の微細な隙間に対して、弾力性のある樹脂シートを押し込むことで空気を押しつぶし、見かけ上は空気を排除することができる。しかしながら、高温環境下における樹脂シートはクリープ変形が生じ易いため、弾性力で空気を押しつぶす効果が、時間と共に低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、放熱シートと熱源又は冷却器との界面にある空気を排除し、放熱特性を向上させた放熱シート及び放熱シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の放熱シートによれば、熱源と冷却器との間に配置される放熱シートであって、樹脂層と、前記樹脂層に含まれる熱伝導性フィラーと、前記樹脂層の表面に設けられた熱伝導性薄膜と、を備え、前記熱伝導性薄膜は、前記樹脂層と対向する対向面と、前記対向面の反対側の面である膜表面と、を有し、前記熱伝導性薄膜の前記対向面及び前記膜表面のうち、少なくとも前記膜表面には、前記放熱シートと前記熱源又は前記冷却器との界面の空気を除去する空間部が形成されること、により解決される。
【0009】
このように、本発明の放熱シートは、放熱シートと熱源又は冷却器との界面にある空気を排除し、放熱特性を向上させることができる。
詳しく述べると、放熱シートは、樹脂層の表面に熱伝導性薄膜を設けて熱伝導率を高めつつ、熱伝導性薄膜に微小な空気の逃げ道として、膜表面に無数の微小な空間部を形成することで、放熱シートと熱源や冷却器との界面にある空気を除去する。
したがって、放熱シートに圧力がかかったときに、放熱シートと熱源や冷却器との界面にある空気が空間部に逃げることで、熱伝導性薄膜の膜表面が熱源や冷却器と直に接するため、放熱特性を向上させることができる。
【0010】
ここで、例えば、空気を除去するための空間部(孔や溝)を放熱シートの樹脂層に形成する場合には、樹脂層の体積が減少し、熱伝導効果が低下してしまう。そのため、本発明では、樹脂層の表面に絶縁性、熱伝導性に優れた薄膜を形成し、その熱伝導性薄膜に空気を除去するための空間を形成することで、放熱シートの放熱特性を向上させることができる。
また、熱伝導性薄膜に無数の微小な空間部を形成するため、熱伝導性薄膜よりも厚みのある樹脂層に孔や溝等の空間部を形成するよりも、容易に空間部を形成することができる。そのため、製造コストや作業工数を低減することができる。
【0011】
このとき、前記樹脂層は、オイルブリード性を有し、前記空間部は、前記対向面及び前記膜表面を貫通し、前記樹脂層から滲み出るオイルが通過する貫通孔又は貫通スリットであると良い。
上記構成によれば、例えばオイルブリードシリコーンゴムから形成される樹脂層は、シリコーンゴムの内部に存在するオイルがシート表面に徐々に滲み出す。放熱シートに圧力がかかったとき、滲み出したオイルが貫通孔又は貫通スリットを通過し、空気を除去することができる。
【0012】
このとき、前記空間部は、前記対向面及び前記膜表面を貫通する略円形又は略楕円形の貫通孔であると良い。
上記構成によれば、略円形又は略楕円形の貫通孔とすることで、放熱シートと熱源や冷却器との界面にある空気を逃がすことができ、樹脂層から滲み出るオイルを通過させることができる空間部を容易に形成することができ、製造コストや作業工数を低減することができる。
【0013】
このとき、前記空間部は、前記対向面及び前記膜表面を貫通し、貫通する方向と直交する方向に延びる貫通スリットであると良い。
上記構成によれば、貫通する方向と直交する方向に延びる貫通スリットとすることで、放熱シートと熱源や冷却器との界面にある空気を逃がすことができ、樹脂層から滲み出るオイルを通過させることができる空間部を容易に形成することができ、製造コストや作業工数を低減することができる。
【0014】
前記課題は、熱源と冷却器との間に配置される放熱シートの製造方法であって、樹脂層と熱伝導性フィラーとを含む基材シートを準備する基材準備工程と、前記基材シートの表面に、熱伝導性薄膜を形成する成膜工程と、前記熱伝導性薄膜に、前記放熱シートと前記熱源又は前記冷却器との界面の空気を除去する空間部を形成する空間部形成工程と、を含み、前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜の前記樹脂層と対向する対向面と、前記対向面の反対側の面である膜表面のうち、少なくとも前記膜表面に前記空間部を形成すること、により解決される。
このように、本発明の放熱シートの製造方法は、放熱シートと熱源又は冷却器との界面にある空気を排除し、放熱特性を向上させることができる。
【0015】
このとき、前記樹脂層は、オイルブリード性を有し、前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜の前記対向面及び前記膜表面を貫通し、前記樹脂層から滲み出るオイルが通過する貫通孔又は貫通スリットを形成すると良い。
上記構成によれば、例えばオイルブリードシリコーンゴムから形成される樹脂層は、シリコーンゴムの内部に存在するオイルがシート表面に徐々に滲み出す。放熱シートに圧力がかかったとき、滲み出したオイルが貫通孔又は貫通スリットを通過し、空気を除去することができる。
【0016】
このとき、前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜に前記対向面及び前記膜表面を貫通する略円形又は略楕円形の貫通孔を形成すると良い。
上記構成によれば、略円形又は略楕円形の貫通孔とすることで、放熱シートと熱源や冷却器との界面にある空気を逃がすことができ、樹脂層から滲み出るオイルを通過させることができる空間部を容易に形成することができ、製造コストや作業工数を低減することができる。
【0017】
このとき、前記空間部形成工程では、前記熱伝導性薄膜の前記対向面及び前記膜表面を貫通し、貫通する方向と直交する方向に延びる貫通スリットを形成すると良い。
上記構成によれば、貫通する方向と直交する方向に延びる貫通スリットとすることで、放熱シートと熱源や冷却器との界面にある空気を逃がすことができ、樹脂層から滲み出るオイルを通過させることができる空間部を容易に形成することができ、製造コストや作業工数を低減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の放熱シート及び放熱シートの製造方法によれば、放熱シートと熱源又は冷却器との界面にある空気を排除し、放熱特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る放熱シートを示す模式的断面図である。
図2A】放熱シートを示す模式的断面斜視図である。
図2B】変形例1の放熱シートを示す模式的断面斜視図である。
図2C】変形例2の放熱シートを示す模式的断面斜視図である。
図2D】変形例3の放熱シートを示す模式的断面斜視図である。
図3】放熱シートを示す模式的上面図である。
図4図3のIV-IVにおける模式的断面図である。
図5図3のV-Vにおける模式的部分断面図である。
図6A】空間部が膜表面に形成された状態を示す図である。
図6B】空間部が膜表面及び対向面に形成された状態を示す図である。
図6C】空間部が膜表面、対向面、及び樹脂層に形成された状態を示す図である。
図7】放熱シートの製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態という)に係る放熱シート及び放熱シートの製造方法について図1図7を参照して説明する。
【0021】
<放熱シート>
本実施形態の放熱シート1(機能性シート)は、ICチップ等の発熱源(熱源)とヒートシンク等の冷却器の間に配置され、一方の面を熱源に接触させ、他方の面を冷却器に接触させて使用される。
放熱シート1は、図1に示すように、樹脂層2と、樹脂層2に含まれる熱伝導性フィラー3と、樹脂層2の表面2Aに設けられた熱伝導性薄膜4と、熱伝導性薄膜4に形成された空間部5と、を有している。
【0022】
熱伝導性フィラー3の一部は、樹脂層2の表面2A及び裏面2Bから露出していても良い。樹脂層2の表面2Aから露出した熱伝導性フィラー3は、熱伝導性薄膜4に覆われている。
熱伝導性薄膜4は、樹脂層2と対向する対向面4Aと、対向面4Aの反対側の面である膜表面4Bと、を有する。熱伝導性薄膜4の対向面4A及び膜表面4Bのうち、少なくとも膜表面4Bには、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去する空間部5が形成される。
【0023】
本実施形態では、樹脂層2の片面(表面2A)に熱伝導性薄膜4を設けている。そして、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bが、熱源又は冷却器と対向する位置になるように、熱源と冷却器との間に配置される。
しかしこれに限らず、樹脂層2の両面(表面2A及び裏面2B)に熱伝導性薄膜4を設けても良い。この場合には、放熱シート1の両面における熱伝導性薄膜4の各膜表面4Bが、熱源及び冷却器とそれぞれ対向する位置になるように、熱源と冷却器との間に配置される。
【0024】
樹脂層2は、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂等を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のエチレン-αオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー、スチレン- ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。耐熱性及び絶縁性の点から、シロキサン結合による主骨格を持つ高分子化合物であるシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
【0025】
樹脂層2は、例えば、オイルブリード性を有するシリコーンゴム組成物であると好ましい。オイルブリードとは、シリコーンゴム組成物に含まれるシリコーンオイルが、時間経過と共にシリコーンゴム組成物の表面に滲み出すことをいう。
なお、樹脂層2は、無機フィラー及び樹脂を含む樹脂組成物を成形し、シート状にスライス加工することで形成される。
【0026】
熱伝導性フィラー3は、放熱シート1をICチップとヒートシンクとの間に配置した際の短絡等の電気トラブルを抑制するために、絶縁性フィラーを用いることが好ましい。
絶縁性を有する熱伝導性フィラー3の材質として、窒化ホウ素(BN)、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。また、放熱シート1の厚さ方向に配向させやすく、厚さ方向の熱伝導性を向上できる点から、六方晶窒化ホウ素(h-BN)であっても良い。
【0027】
熱伝導性フィラー3の形状は、例えば、球状、板状、膜状、円柱状、角柱状、楕円状、扁平形状、等が挙げられる。なお、熱伝導性フィラー3の形状は、放熱シート1の厚さ方向に長尺な形状、かつ、厚さ方向に配向させやすい形状である鱗片状であっても良い。鱗片状であると、高い熱伝導率を持ちつつ、比較的低いフィラー充填率とすることができる。
【0028】
放熱シート1における熱伝導性フィラー3の含有率は、20~80体積%以上であると好ましい。より好ましくは30~70体積%であり、さらに好ましくは40~60体積%である。熱伝導性フィラー3の含有量が20体積%未満では、充分な熱伝導性を確保することができない。一方、熱伝導性フィラー3の含有量が80体積%を超えると、放熱シート1を製造する際に加工が困難になる。
放熱シート1では、樹脂層2の表面2A又は裏面2Bにおける熱伝導性フィラー3の濃度(体積%)が、樹脂層2の内部における熱伝導性フィラー3の濃度(体積%)に対して、10体積%以上、より好ましくは20体積%以上増加している。
【0029】
熱伝導性薄膜4は、樹脂層2を形成する樹脂よりも熱伝導度の高い導電性材料で形成されている。熱伝導性薄膜4は、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素、酸化マグネシウム等の熱伝導性材料が挙げられる。
熱伝導性薄膜4の厚さは、熱伝導を妨げない厚さであればよく、10nm~100nmであると好ましく、50nm~70nmであるとより好ましい。
【0030】
空間部5は、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去するために設けられる孔やスリット等の空間である。言い換えると、空間部5は、熱伝導性薄膜4の対向面4A及び膜表面4Bの内、少なくとも膜表面4Bに形成された孔又はスリット等の空間である。
空間部5が放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となるため、放熱シート1を押さえて圧力をかけることで、容易に空気を除去することができる。
【0031】
空間部5は、図2Aに示すように、熱伝導性薄膜4の対向面4A及び膜表面4Bを放熱シート1の厚み方向に貫通する複数の略円形又は略楕円形の貫通孔5aである。
貫通孔5aが熱伝導性薄膜4に形成されることで、放熱シート1と熱源や冷却器との界面にある空気が貫通孔5aに逃げることによって、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bと熱源や冷却器とが直に接し、高い熱伝導効果を得ることができる。
【0032】
図2Aに示すように、貫通孔5aは、熱伝導性薄膜4を貫通して樹脂層2まで達している。オイルブリード性を有する樹脂層2の場合、樹脂層2から滲み出るオイルが貫通孔5aを通過して、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を追い出すことができる。このように、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去できるため、熱伝導性が下がることを抑制できる。
【0033】
貫通孔5aは、各種処理によって熱伝導性薄膜4に形成される。貫通孔5aを形成する各種処理として、例えば、直径0.1mm程度の針によって熱伝導性薄膜4に孔をあける穿孔処理、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bにプラズマを照射して孔をあけるプラズマ処理、成膜時にアーク放電をおこして膜物質の塊をスパッタして孔をあけるスパッタ処理等が挙げられる。
また他には、貫通孔5aを形成する処理として、マスクした状態で成膜をして孔を形成するマスク成膜処理、樹脂層2の表面2Aに露出し固着していない熱伝導性フィラー3を、成膜後に粘着テープで引き剥がして熱伝導性フィラー3を取り除くことで孔を形成する処理等が挙げられる。
【0034】
貫通孔5aの大きさは、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となる大きさ、又は樹脂層2から滲み出るオイルが通過できる大きさであれば良い。貫通孔5aの大きさ(孔径)は、10nm~0.2mmであると好ましい。例えば、マスク成膜処理によって貫通孔5aを形成する場合には、大きさが50μm程度の貫通孔5aを形成することができる。
オイルブリード性を有する樹脂層2は、表面2Aからオイルが滲み出る。そのため、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となる空間部5が、上述した大きさであれば、樹脂層2から滲み出るオイルが空間部5を通過できる。したがって、樹脂層2から滲み出るオイルが空間部5を通過して、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を追い出すことができる。
【0035】
ここで、空間部5の変形例1~変形例3について説明する。
変形例1の空間部5は、図2Bに示すように、放熱シート1の厚み方向において、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bから対向面4Aに向かって凹んで形成される複数の略円形又は略楕円形の凹部5bである。
凹部5bが熱伝導性薄膜4に形成されることで、凹部5bが放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となるため、放熱シート1を押さえて圧力をかけることで、容易に空気を除去することができる。
【0036】
凹部5bは、各種処理によって熱伝導性薄膜4に形成される。凹部5bを形成する各種処理として、例えば、針によって熱伝導性薄膜4に凹部を形成する穿孔処理、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bにプラズマを照射して凹部を形成するプラズマ処理、成膜時にアーク放電をおこして膜物質の塊をスパッタして凹部を形成するスパッタ処理等が挙げられる。
また他には、凹部5bを形成する処理として、陽極酸化処理によって、微細孔が形成された熱伝導性薄膜4を樹脂層2に形成しても良い。
【0037】
凹部5bの大きさは、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となる大きさであれば良い。凹部5bの大きさ(孔径)は、10nm~0.2mmであると好ましい。例えば、陽極酸化処理によって凹部5bを形成する場合には、大きさが10nm~20nm程度の凹部5bを形成することができる。
【0038】
変形例2の空間部5は、図2Cに示すように、熱伝導性薄膜4の対向面4A及び膜表面4Bを放熱シート1の厚み方向に貫通し、貫通する方向と直交する方向に延びる複数の貫通スリット5cである。
貫通スリット5cが熱伝導性薄膜4に形成されることで、貫通スリット5cが放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となるため、放熱シート1を押さえて圧力をかけることで、容易に空気を除去することができる。
【0039】
図2Cに示すように、貫通スリット5cは、熱伝導性薄膜4を貫通して樹脂層2まで達している。オイルブリード性を有する樹脂層2の場合、樹脂層2から滲み出るオイルが貫通スリット5cを通過して、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を追い出すことができる。このように、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去できるため、熱伝導性が下がることを抑制できる。
【0040】
貫通スリット5cは、各種処理によって熱伝導性薄膜4に形成される。貫通スリット5cを形成する各種処理として、例えば、放熱シート1と熱伝導性薄膜4の伸縮性の違いを利用して熱伝導性薄膜4に微細なクラックを形成する処理や、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bにプラズマを照射して溝を形成するプラズマ処理、成膜時にアーク放電をおこして膜物質の塊をスパッタして溝を形成するスパッタ処理等が挙げられる。
また他には、貫通スリット5cを形成する処理として、マスクした状態で成膜をして溝を形成するマスク成膜処理、樹脂層2の表面2Aに露出し固着していない熱伝導性フィラー3を、成膜後に粘着テープで引き剥がして熱伝導性フィラー3を取り除くことで溝を形成する処理等が挙げられる。
【0041】
貫通スリット5cの大きさは、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となる大きさ、又は樹脂層2から滲み出るオイルが通過できる大きさであれば良い。貫通スリット5cの大きさ(長さ)は、10nm~0.2mmであると好ましい。例えば、放熱シート1の四隅を保持して引き延ばすことにより、熱伝導性薄膜4に微細なクラックを形成する場合には、大きさが0.1mm程度の貫通スリット5cを形成することができる。
オイルブリード性を有する樹脂層2は、表面2Aからオイルが滲み出る。そのため、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となる空間部5が、上述した大きさであれば、樹脂層2から滲み出るオイルが空間部5を通過できる。したがって、樹脂層2から滲み出るオイルが空間部5を通過して、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を追い出すことができる。
【0042】
変形例3の空間部5は、図2Dに示すように、放熱シート1の厚み方向において、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bから対向面4Aに向かって凹んで形成され、厚み方向と直交する方向に延びる複数の溝部5dである。
溝部5dが熱伝導性薄膜4に形成されることで、溝部5dが放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となるため、放熱シート1を押さえて圧力をかけることで、容易に空気を除去することができる。
【0043】
溝部5dは、各種処理によって熱伝導性薄膜4に形成される。溝部5dを形成する各種処理として、例えば、放熱シート1と熱伝導性薄膜4の伸縮性の違いを利用して熱伝導性薄膜4に微細なクラックを形成する処理や、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bにプラズマを照射して溝を形成するプラズマ処理、成膜時にアーク放電をおこして膜物質の塊をスパッタして溝を形成するスパッタ処理等が挙げられる。
【0044】
溝部5dの大きさは、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となる大きさであれば良い。溝部5dの大きさ(長さ)は、10nm~0.2mmであると好ましい。例えば、放熱シート1の四隅を保持して引き延ばすことにより、熱伝導性薄膜4に微細なクラックを形成する場合には、大きさが0.1mm程度の溝部5dを形成することができる。
【0045】
図3図5は、変形例2と変形例3の空間部5が混在した状態の放熱シート1を示す、模式的上面図である。詳しく述べると、図4の空間部5は、熱伝導性薄膜4の膜表面4B側に亀裂が入り、対向面4A側が一部接続している状態を示している。すなわち、図4の空間部5は、上述した変形例3の溝部5dである。また、図5の空間部5は、熱伝導性薄膜4の対向面4A及び膜表面4Bを放熱シート1の厚み方向に貫通し、熱伝導性薄膜4が分離している状態を示している。すなわち、図5の空間部5は、上述した変形例2の貫通スリット5cである。
図3図5に示すように、放熱シート1の空間部5として、貫通スリット5cと溝部5dが混在して構成されても良く、貫通スリット5cのみで構成されても良く、溝部5dのみで構成されていても良い。またこれに限らず、放熱シート1の空間部5として、貫通孔5aや凹部5bが混在して構成されても良い。
【0046】
また、空間部5の貫通スリット5c及び溝部5dの溝深さについて、図6A図6Cを用いて説明する。なお、図6A図6Cでは、放熱シート1の四隅を保持して引き延ばすことにより、熱伝導性薄膜4に微細な貫通スリット5c及び溝部5dを形成した例で説明する。
図6Aは、空間部5が膜表面4Bに形成された状態を示す。例えば、空間部5は溝部5dであって、放熱シート1の厚み方向において、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bから対向面4Aに向かって膜厚の略半分の長さまで凹んで形成され、厚み方向と直交する方向に延びる。
【0047】
図6Bは、空間部5が膜表面4B及び対向面4Aに形成された状態を示す。例えば、空間部5は貫通スリット5cであって、熱伝導性薄膜4の対向面4A及び膜表面4Bを放熱シート1の厚み方向に貫通し、貫通する方向と直交する方向に延びる。
図6Cは、空間部5が膜表面4B、対向面4A、及び樹脂層2に形成された状態を示す。例えば、空間部5は、熱伝導性薄膜4の対向面4A及び膜表面4Bを放熱シート1の厚み方向に貫通し、さらに樹脂層2まで延びる溝である。
図6A図6Cのいずれの状態であっても、空間部5は、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となるため、放熱シート1を押さえて圧力をかけることで、容易に空気を除去することができる。
【0048】
<放熱シートの製造方法>
本実施形態の放熱シート1は、図7に示すように、以下の放熱シート1の製造方法によって形成される。具体的には、熱源と冷却器との間に配置される放熱シート1の製造方法は、樹脂層2と熱伝導性フィラー3とを含む基材シートを準備する基材準備工程(ステップS1)と、基材シートの表面2Aに、熱伝導性薄膜4を形成する成膜工程(ステップS2)と、熱伝導性薄膜4に、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去する空間部5を形成する空間部形成工程(ステップS3)と、を含む。
【0049】
空間部形成工程(ステップS3)では、熱伝導性薄膜4の樹脂層2と対向する対向面4Aと、対向面4Aの反対側の面である膜表面4Bのうち、少なくとも膜表面4Bに空間部5を形成する。
詳しく述べると、空間部5として、熱伝導性薄膜4に対向面4A及び膜表面4Bを放熱シート1の厚み方向に貫通する、略円形又は略楕円形の複数の貫通孔5a又は貫通スリット5cを形成する。貫通孔5a及び貫通スリット5cは、熱伝導性薄膜4を貫通して樹脂層2まで達するように形成される。
なお、空間部5は、放熱シート1の厚み方向において、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bから対向面4Aに向かって凹んで形成される略円形又は略楕円形の凹部5bであっても良く、放熱シート1の厚み方向において、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bから対向面4Aに向かって膜厚の略半分の長さまで凹んで形成され、厚み方向と直交する方向に延びる溝部5dであっても良い。
【0050】
空間部形成工程(ステップS3)では、上述したような各種処理によって、熱伝導性薄膜4に複数の空間部5を形成する。空間部5を形成する各種処理として、例えば、直径0.1mm程度の針によって熱伝導性薄膜4に孔をあける穿孔処理、熱伝導性薄膜4の膜表面4Bにプラズマを照射して孔や溝をあけるプラズマ処理、成膜時にアーク放電をおこして膜物質の塊をスパッタして孔や溝をあけるスパッタ処理等が挙げられる。
また、空間部5を形成する処理として、マスクした状態で成膜をして孔や溝を形成するマスク成膜処理、樹脂層2の表面2Aに露出し固着していない熱伝導性フィラー3を、成膜後に粘着テープで引き剥がして熱伝導性フィラー3を取り除くことで孔や溝を形成する処理でも良い。さらに、陽極酸化処理によって、微細孔が形成された熱伝導性薄膜4を樹脂層2に形成しても良く、放熱シート1と熱伝導性薄膜4の伸縮性の違いを利用して熱伝導性薄膜4に微細なクラックを形成する処理でも良い。
空間部5の大きさは、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気の逃げ道となる大きさであれば良く、さらに樹脂層2から滲み出るオイルが通過できる大きさであれば良い。
【0051】
上述した各種処理を行う、又は各種処理を組み合わせることによって、熱伝導性薄膜4に、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去する複数の空間部5を形成することができる。
なお、熱伝導性薄膜4を形成する成膜工程(ステップS2)と、熱伝導性薄膜4に、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去する空間部5を形成する空間部形成工程(ステップS3)が同時に行われても良い。
このように、熱伝導性薄膜4に空間部5を形成した放熱シート1とすることで、放熱シート1と熱源又は冷却器との界面の空気を除去することができ、熱伝導性が下がることを抑制できる。
【0052】
<利用分野>
本実施形態に係る機能性シートの一例である放熱シート1は、高周波、高電流での利用が今後広がっていく、パワー半導体用冷却材料として利用することができる。また、本実施形態に係る放熱シート1の利用分野としては、車用コントロールユニット、再生エネルギー用パワーユニット、高周波通信に関わるハイエンドサーバー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
上記の実施形態では、機能性シートとして放熱シートを例として説明をした。機能性シートは、放熱シートに限定されるものではなく、放熱シートの技術的思想は他の機能性シートにも応用可能である。
【0054】
本実施形態では、主として本発明に係る放熱シート及び放熱シートの製造方法について説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
1 放熱シート
2 樹脂層
2A 表面
2B 裏面
3 熱伝導性フィラー
4 熱伝導性薄膜
4A 対向面
4B 膜表面
5 空気除去部
5a 貫通孔
5b 凹部
5c 貫通スリット
5d 溝部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7