(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136000
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240927BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L29/78 657D
H01L29/78 655B
H01L29/78 655D
H01L29/78 653A
H01L29/78 652M
H01L29/78 655G
H01L29/78 652T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046945
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】吉川 大輝
(57)【要約】
【課題】ダイオードをより高速に動作させることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る半導体装置は、第1電極と、第2電極と、第1領域と、第2領域と、を備える。第2電極は、第1電極に向けて突出したコンタクト部を含む。第1領域は、第1導電形の第1半導体領域と、第2導電形の第2半導体領域と、第1導電形の第3半導体領域と、ゲート電極と、第1導電形の第4半導体領域と、第2導電形の第5半導体領域と、を含む。第3半導体領域は、第1部分及び第2部分を含む。第4半導体領域は、第1方向において、第3半導体領域とコンタクト部との間に設けられている。第4半導体領域は、第3方向において、第1部分と並ぶ。第5半導体領域は、第3半導体領域の上に設けられ、第2方向においてコンタクト部と接している。第5半導体領域は、第3方向において第2部分と並ぶ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極に向けて突出したコンタクト部を含み、前記第1電極から離れた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極の一部の上に設けられた第1領域であって、
第1導電形の第1半導体領域と、
一部が前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の前記一部の上に設けられ、第1部分及び第2部分を含む第1導電形の第3半導体領域と、
前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向に垂直な第2方向において、ゲート絶縁層を介して前記第3半導体領域と対面するゲート電極と、
前記第1方向において前記第3半導体領域と前記コンタクト部との間に設けられ、前記第3半導体領域よりも高い第1導電形の不純物濃度を有し、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において前記第1部分と並ぶ第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第2方向において前記コンタクト部と接し、前記第3方向において前記第2部分と並ぶ第2導電形の第5半導体領域と、
を含む前記第1領域と、
前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極の別の一部の上に設けられた第2領域であって、
前記第2半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する第2導電形の第6半導体領域と、
前記第6半導体領域の上に設けられた前記第2半導体領域の別の一部と、
前記第2半導体領域の前記別の一部の上に設けられた第1導電形の第7半導体領域と、
を含む前記第2領域と、
を備えた半導体装置。
【請求項2】
前記第4半導体領域の少なくとも一部の前記第3方向における位置は、前記第5半導体領域の少なくとも一部の前記第3方向における位置と同じである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第4半導体領域の前記第3方向における長さは、前記第5半導体領域の前記第3方向における長さよりも長い、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1部分と前記第4半導体領域は、前記第3方向において交互に設けられ、
前記第2部分と前記第5半導体領域は、前記第3方向において交互に設けられた、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項5】
隣り合う前記第4半導体領域同士の間の前記第3方向における距離は、前記隣り合う第4半導体領域の1つの前記第3方向における長さよりも長く、
隣り合う前記第5半導体領域同士の間の前記第3方向における距離は、前記隣り合う第5半導体領域の1つの前記第3方向における長さよりも長い、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
複数の前記第1部分及び複数の前記第4半導体領域は、前記第1方向において前記コンタクト部と接し、
複数の前記第2部分及び複数の前記第5半導体領域は、前記第2方向において前記コンタクト部と接する、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記コンタクト部は、前記第3方向において複数設けられ、
複数の前記コンタクト部は、それぞれ、複数の前記第4半導体領域の上に設けられた、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第3半導体領域は、第1サブ領域と、前記第3方向において前記第1サブ領域と並ぶ第2サブ領域と、を含み、
前記第4半導体領域及び前記第5半導体領域は、前記第1サブ領域の上に設けられ、
前記第1部分及び前記第2部分は、前記第2サブ領域に設けられ、
前記第2サブ領域の第1導電形の不純物濃度は、前記第1サブ領域の第1導電形の不純物濃度よりも低い、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換等に用いられる半導体装置として、Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)に、ダイオードを内蔵させたReverse Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor(RC-IGBT)がある。この半導体装置について、ダイオードをより高速に動作できる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ダイオードをより高速に動作させることが可能な半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、第1電極と、第2電極と、第1領域と、第2領域と、を備える。前記第2電極は、前記第1電極に向けて突出したコンタクト部を含み、前記第1電極から離れている。前記第1領域は、前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極の一部の上に設けられている。前記第1領域は、第1導電形の第1半導体領域と、第2導電形の第2半導体領域と、第1導電形の第3半導体領域と、ゲート電極と、第1導電形の第4半導体領域と、第2導電形の第5半導体領域と、を含む。前記第2半導体領域の一部は、前記第1半導体領域の上に設けられている。前記第3半導体領域は、前記第2半導体領域の前記一部の上に設けられ、第1部分及び第2部分を含む。前記ゲート電極は、前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向に垂直な第2方向において、ゲート絶縁層を介して前記第3半導体領域と対面している。前記第4半導体領域は、前記第1方向において、前記第3半導体領域と前記コンタクト部との間に設けられている。前記第4半導体領域は、前記第3半導体領域よりも高い第1導電形の不純物濃度を有する。前記第4半導体領域は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において、前記第1部分と並ぶ。前記第5半導体領域は、前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第2方向において前記コンタクト部と接している。前記第5半導体領域は、前記第3方向において前記第2部分と並ぶ。前記第2領域は、前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極の別の一部の上に設けられている。前記第2領域は、第2導電形の第6半導体領域と、前記第2半導体領域の別の一部と、第1導電形の第7半導体領域と、を含む。前記第6半導体領域は、前記第2半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する。前記第2半導体領域の前記別の一部は、前記第6半導体領域の上に設けられている。前記第7半導体領域は、前記第2半導体領域の前記別の一部の上に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【
図5】
図5は、参考例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態の第1変形例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態の第2変形例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。
【
図10】
図10は、実施形態の第3変形例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。
【
図13】
図13は、実施形態の第4変形例に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
【
図14】
図14は、実施形態の第5変形例に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下の説明において、n+、n、n-及びp+、pの表記は、各導電形における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわち、n+はnよりもn形の不純物濃度が相対的に高く、n-はnよりもn形の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、p+はpよりもp形の不純物濃度が相対的に高く、p-はpよりもp形の不純物濃度が相対的に低いことを示す。
以下で説明する各実施形態について、各半導体領域のp形とn形を反転させて各実施形態を実施してもよい。
【0008】
図1は、実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図2は、
図1の部分Aの拡大平面図である。
図3は、
図2のA1-A2断面図である。
図4は、
図2のB1-B2断面図である。なお、
図2では、絶縁層25及びエミッタ電極32が省略されている。
実施形態に係る半導体装置は、RC-IGBTである。
図1~
図4に示すように、実施形態に係る半導体装置100は、p
+形(第1導電形)コレクタ領域1(第1半導体領域)、n
-形(第2導電形)ベース領域2(第2半導体領域)、p形ベース領域3(第3半導体領域)、p
+形コンタクト領域4(第4半導体領域)、n
+形エミッタ領域5(第5半導体領域)、n
+形カソード領域6(第6半導体領域)、p形アノード領域7(第7半導体領域)、p
+形アノード領域8、ゲート電極20、導電部21、絶縁層25、コレクタ電極31(第1電極)、エミッタ電極32(第2電極)、及びゲートパッド33を備える。
【0009】
実施形態の説明では、XYZ直交座標系を用いる。コレクタ電極31からエミッタ電極32に向かう方向をZ方向(第1方向)とする。Z方向に対して垂直であり、相互に直交する二方向をX方向(第2方向)及びY方向(第3方向)とする。また、説明のために、コレクタ電極31からエミッタ電極32に向かう方向を「上」と言い、その反対方向を「下」と言う。これらの方向は、コレクタ電極31とエミッタ電極32の相対的な位置関係に基づき、重力の方向とは無関係である。
【0010】
図1に示すように、半導体装置100の上面には、エミッタ電極32及びゲートパッド33が設けられている。エミッタ電極32及びゲートパッド33は、互いに離れている。例えば、Y方向において、複数のエミッタ電極32が設けられている。各エミッタ電極32の周りには、ゲート配線33aが設けられている。ゲート配線33aの一部は、エミッタ電極32同士の間をY方向に延びている。ゲート配線33aは、ゲートパッド33と電気的に接続されている。
【0011】
図1及び
図2に示すように、半導体装置100は、IGBT領域R1(第1領域)及びダイオード領域R2(第2領域)を有する。
図1に示す例では、IGBT領域R1及びダイオード領域R2のそれぞれは、X方向及びY方向において複数設けられている。X方向において、IGBT領域R1とダイオード領域R2が交互に設けられている。
【0012】
図3及び
図4に示すように、半導体装置100の下面には、コレクタ電極31が設けられている。コレクタ電極31とエミッタ電極32は互いに離れており、複数のIGBT領域R1及び複数のダイオード領域R2はコレクタ電極31とエミッタ電極32との間に位置する。
【0013】
図2~
図4に示すように、各IGBT領域R1には、p
+形コレクタ領域1、n
-形ベース領域2の一部、p形ベース領域3、p
+形コンタクト領域4、n
+形エミッタ領域5、及びゲート電極20が設けられている。
【0014】
p+形コレクタ領域1は、コレクタ電極31の一部の上に設けられ、コレクタ電極31と電気的に接続されている。n-形ベース領域2の一部は、p+形コレクタ領域1の上に設けられている。p形ベース領域3は、n-形ベース領域2の当該一部の上に設けられ、p+形コレクタ領域1の上に位置する。
【0015】
図4に示すように、p形ベース領域3は、第1部分3a及び第2部分3bを含む。エミッタ電極32は、コレクタ電極31に向けて突出したコンタクト部32aを含む。第1部分3aは、Z方向においてコンタクト部32aと接している。第2部分3bは、第1部分3aよりも上方に位置し、X方向においてコンタクト部32aと接している。
【0016】
図3に示すように、p
+形コンタクト領域4は、Z方向においてp形ベース領域3とコンタクト部32aとの間に設けられ、コンタクト部32aと接している。
図2に示すように、p
+形コンタクト領域4は、Y方向において第1部分3aと並んでいる。p
+形コンタクト領域4のp形不純物濃度は、p形ベース領域3のp形不純物濃度よりも高い。
【0017】
図3に示すように、n
+形エミッタ領域5は、p形ベース領域3の上に設けられている。n
+形エミッタ領域5は、p
+形コンタクト領域4よりも上方に位置し、X方向においてコンタクト部32aと接している。
図2に示すように、n
+形エミッタ領域5は、Y方向において第2部分3bと並んでいる。
【0018】
ゲート電極20は、X方向において、ゲート絶縁層20aを介してp形ベース領域3と対面する。図示した例では、ゲート電極20は、さらに、ゲート絶縁層20aを介してn-形ベース領域2及びn+形エミッタ領域5とも対面している。
【0019】
エミッタ電極32は、p形ベース領域3、p+形コンタクト領域4、及びn+形エミッタ領域5と電気的に接続されている。ゲート電極20とエミッタ電極32との間には絶縁層25が設けられ、ゲート電極20とエミッタ電極32は互いに電気的に分離されている。
【0020】
図2~
図4に示すように、1つのIGBT領域R1において、p形ベース領域3、ゲート電極20、及びコンタクト部32aのそれぞれは、X方向において複数設けられている。複数のp形ベース領域3、複数のゲート電極20、及び複数のコンタクト部32aのそれぞれは、ストライプ状に設けられており、Y方向に延びている。ゲート電極20のY方向における端部は、ゲート配線33aと電気的に接続されている。ゲート電極20は、ゲート配線33aを介して、ゲートパッド33と電気的に接続されている。
【0021】
図2に示すように、p
+形コンタクト領域4及びn
+形エミッタ領域5のそれぞれは、1つのp形ベース領域3の上において、Y方向に複数設けられている。p
+形コンタクト領域4と第1部分3aは、Y方向において交互に設けられている。n
+形エミッタ領域5と第2部分3bは、Y方向において交互に設けられている。
【0022】
各ダイオード領域R2には、n+形カソード領域6、n-形ベース領域2の別の一部、p形アノード領域7、p+形アノード領域8、及び導電部21が設けられている。n+形カソード領域6は、コレクタ電極31の別の一部の上に設けられ、コレクタ電極31と電気的に接続されている。n-形ベース領域2の別の一部は、n+形カソード領域6の上に設けられている。p形アノード領域7は、n-形ベース領域2の当該別の一部の上に設けられ、n+形カソード領域6の上に位置する。
【0023】
導電部21は、X方向において、絶縁層21aを介してp形アノード領域7と対面する。p+形アノード領域8は、p形アノード領域7の上に設けられている。p+形アノード領域8のp形不純物濃度は、p形アノード領域7のp形不純物濃度よりも高い。p形アノード領域7、p+形アノード領域8、及び導電部21は、エミッタ電極32と電気的に接続されている。
【0024】
図2~
図4に示すように、エミッタ電極32は、コレクタ電極31に向けて突出したコンタクト部32bを含んでも良い。p形アノード領域7の一部は、X方向においてコンタクト部32bと並ぶ。p
+形アノード領域8は、Z方向において、p形アノード領域7とエミッタ電極32との間に設けられている。
【0025】
1つのダイオード領域R2において、p形アノード領域7、p+形アノード領域8、及び導電部21のそれぞれは、X方向において複数設けられている。複数のp形アノード領域7、複数のp+形アノード領域8、及び複数の導電部21のそれぞれは、ストライプ状に設けられており、Y方向に延びている。
【0026】
半導体装置100の動作について説明する。
エミッタ電極32に対してコレクタ電極31に正の電圧が印加された状態で、ゲート電極20に閾値以上の電圧が印加される。これにより、p形ベース領域3にチャネル(反転層)が形成される。電子が、チャネルを通ってn+形エミッタ領域5からn-形ベース領域2に流れ、正孔が、p+形コレクタ領域1からn-形ベース領域2へ流れる。n-形ベース領域2に蓄積されるキャリア密度が増大し、電導度変調が生じる。これにより、n-形ベース領域2の電気抵抗が大きく低下し、IGBT領域R1がオン状態となる。その後、ゲート電極20に印加される電圧が閾値よりも低くなると、p形ベース領域3におけるチャネルが消滅し、IGBT領域R1がオフ状態に切り替わる。
【0027】
IGBT領域R1がオフ状態に切り替わった後、n-形ベース領域2に蓄積されていた電子は、p+形コレクタ領域1を通ってコレクタ電極31へ排出される。正孔は、p形ベース領域3を通ってエミッタ電極32へ排出される。
【0028】
例えば、複数の半導体装置100によって、ブリッジ回路が構成される。1つの半導体装置100がオン状態からオフ状態に切り替わると、ブリッジ回路のインダクタンス成分により、別の半導体装置100のエミッタ電極32に誘導起電力が加わる。これにより、当該別の半導体装置100において、ダイオード領域R2が動作する。p形アノード領域7からn-形ベース領域2へ正孔が流れ、n+形カソード領域6からn-形ベース領域2へ電子が流れる。ダイオード領域R2は、フリーホイールダイオード(FWD)として機能する。
【0029】
図3及び
図4に示すように、p
+形コレクタ領域1とn
-形ベース領域2との間、及びn
+形カソード領域6とn
-形ベース領域2との間に、n形バッファ領域9が設けられても良い。n形バッファ領域9のn形不純物濃度は、n
+形カソード領域6のn形不純物濃度よりも低く、n
-形ベース領域2のn形不純物濃度よりも高い。n形バッファ領域9を設けることで、n
-形ベース領域2における空乏層の広がりを、n形バッファ領域9でより確実に抑えることができる。
【0030】
IGBT領域R1において、複数のゲート電極20の一部が、導電部21に置き換えられても良い。一部のゲート電極20を導電部21に置き換えることで、IGBT領域R1がオン状態のときに、n-形ベース領域2に蓄積されるキャリアの密度を高め、半導体装置100の電気抵抗をより低減できる。
【0031】
半導体装置100の各構成要素の材料の一例を説明する。
p+形コレクタ領域1、n-形ベース領域2、p形ベース領域3、p+形コンタクト領域4、n+形エミッタ領域5、n+形カソード領域6、p形アノード領域7、p+形アノード領域8、及びn形バッファ領域9は、半導体材料として、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、またはガリウムヒ素を含む。半導体材料としてシリコンが用いられる場合、n形不純物として、ヒ素、リン、またはアンチモンを用いることができる。p形不純物として、ボロンを用いることができる。
【0032】
ゲート電極20及び導電部21は、ポリシリコンなどの導電材料を含む。ゲート絶縁層20a、絶縁層21a、絶縁層25は、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコンなどの絶縁材料を含む。コレクタ電極31、エミッタ電極32、ゲートパッド33、及びゲート配線33aは、チタン、アルミニウムなどの金属を含む。
【0033】
図5は、参考例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。
図5に示した参考例に係る半導体装置100rでは、IGBT領域R1において、1つのp形ベース領域3の上に、ストライプ状に延びるp
+形コンタクト領域4rが設けられている。
【0034】
実施形態の利点を説明する。
半導体装置100rは、p+形コレクタ領域1、n-形ベース領域2、p形ベース領域3、及びn+形エミッタ領域5からなる寄生サイリスタを含む。IGBT領域R1がオフ状態に切り替わった際、p形ベース領域3には、正孔が流れる。正孔の流れによってp形ベース領域3の電位が上昇すると、寄生サイリスタが動作しうる。寄生サイリスタが動作すると、半導体装置100rに大電流が流れ、半導体装置100rが破壊される。
【0035】
半導体装置100rでは、寄生サイリスタの動作を抑制するために、コンタクト部32aの下に、p+形コンタクト領域4rが設けられている。p+形コンタクト領域4rのp形不純物濃度は、p形ベース領域3のp形不純物濃度よりも高い。p形ベース領域3に正孔が流れた際、正孔が、p+形コンタクト領域4rを通してエミッタ電極32へ排出され易くなる。これにより、寄生サイリスタの動作を抑制できる。換言すると、半導体装置100rのラッチアップ耐量を向上できる。
【0036】
一方、IGBT領域R1は、n-形ベース領域2とp形ベース領域3からなる寄生ダイオードも含む。ダイオード領域R2がオン状態のとき、IGBT領域R1の寄生ダイオードが動作し、エミッタ電極32からn-形ベース領域2へ正孔が流れうる。特に、p+形コンタクト領域4rが設けられる場合、p+形コンタクト領域4rとエミッタ電極32との間の電気抵抗が低いため、より多くの正孔がn-形ベース領域2へ流れる。これにより、n-形ベース領域2に蓄積されるキャリアが増加する。ダイオード領域R2がオフ状態に切り替わったとき、n-形ベース領域2に蓄積されたキャリアの排出に、より長い時間を要する。この結果、ダイオード領域R2のオン状態からオフ状態への切り替わりが遅くなり、ダイオード領域R2の動作速度が低下する。ダイオード領域R2の動作時における半導体装置100のスイッチング損失が増大する。
【0037】
この課題について、実施形態に係る半導体装置100では、p+形コンタクト領域4が、p形ベース領域3の第1部分3aとY方向において並ぶ。すなわち、参考例に係る半導体装置100rと実施形態に係る半導体装置100とを比較した場合、p+形コンタクト領域4のY方向における長さは、p+形コンタクト領域4rのY方向における長さよりも短い。p+形コンタクト領域4rの一部が、p形ベース領域3の第1部分3aと置き換えられている。Y方向における長さがより短いp+形コンタクト領域4が設けられることで、ダイオード領域R2がオン状態のときに、寄生ダイオードによってn-形ベース領域2へ流れる正孔の量を減少させることができる。ダイオード領域R2の動作をより高速化でき、半導体装置100のスイッチング損失を低減できる。
【0038】
また、p+形コンタクト領域4は、n+形エミッタ領域5よりも下方に位置する。このため、n+形エミッタ領域5に向けて流れる正孔が、n+形エミッタ領域5近傍の領域に到達する前に、p+形コンタクト領域4へ移動する。n+形エミッタ領域5近傍の領域における電位の上昇を抑制できるため、ラッチアップ耐量の低下も抑制できる。
【0039】
実施形態に係る半導体装置100によれば、ラッチアップ耐量の低下を抑制しつつ、ダイオード領域R2をより高速に動作させることができる。
【0040】
p
+形コンタクト領域4の少なくとも一部のY方向における位置は、n
+形エミッタ領域5の少なくとも一部のY方向における位置と同じであることが好ましい。すなわち、
図2に示すように、p
+形コンタクト領域4及びn
+形エミッタ領域5を平面視した場合に、p
+形コンタクト領域4の少なくとも一部とn
+形エミッタ領域5の少なくとも一部が、X方向において互いに隣り合っている。この構成によれば、n
+形エミッタ領域5に向けて流れる正孔が、よりp
+形コンタクト領域4へ移動して排出され易くなる。n
+形エミッタ領域5近傍の領域における電位の上昇をより確実に抑え、半導体装置100のラッチアップ耐量を向上できる。
【0041】
例えば
図2に示すように、隣り合うp
+形コンタクト領域4同士の間のY方向における距離D1は、p
+形コンタクト領域4のY方向における長さL1よりも長い。また、隣り合うn
+形エミッタ領域5同士の間のY方向における距離D2は、n
+形エミッタ領域5のY方向における長さL2よりも長い。間隔を空けてn
+形エミッタ領域5が設けられることで、半導体装置100の飽和電流密度を低下させることができる。また、n
+形エミッタ領域5の配置に応じて、間隔を空けてp
+形コンタクト領域4を設けることで、p
+形コンタクト領域4を通した正孔の注入を抑制し、ダイオード領域R2をより高速に動作させることができる。
【0042】
p形ベース領域3とp+形コンタクト領域4との間の境界は、例えば、p形ベース領域3のp形不純物濃度とp+形コンタクト領域4のp形不純物濃度とにより特定される。まず、ゲート電極20同士の間の領域におけるp形不純物濃度の分布を測定する。p形不純物濃度の分布から、p形ベース領域3及びp+形コンタクト領域4の大まかな位置を求める。すなわち、p形不純物濃度が相対的に低い領域をp形ベース領域3とする。p形不純物濃度が相対的に高い領域をp+形コンタクト領域4とする。次に、n-形ベース領域2及びp+形コンタクト領域4から離れた領域におけるp形ベース領域3のp形不純物濃度を求める。次に、p+形コンタクト領域4における最大のp形不純物濃度を求める。p形ベース領域3とp+形コンタクト領域4との間において、2つのp形不純物濃度の中間値を有する点の集合が、p形ベース領域3とp+形コンタクト領域4との間の境界である。
【0043】
(第1変形例)
図6は、実施形態の第1変形例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。なお、
図6では、絶縁層25及びエミッタ電極32が省略されている。
図6に示す第1変形例に係る半導体装置110では、p
+形コンタクト領域4のY方向における長さL4が、n
+形エミッタ領域5のY方向における長さL5よりも長い。第1変形例に係る半導体装置110によれば、半導体装置100に比べて、n
+形エミッタ領域5近傍に流れる正孔を効果的に低減でき、ラッチアップ耐量をさらに高めることができる。
【0044】
例えば、p+形コンタクト領域4は、Y方向における端部4a及び端部4bを含む。n+形エミッタ領域5は、Y方向における端部5a及び端部5bを含む。ラッチアップ耐量の向上のために、端部5aのY方向における位置P1及び端部5bのY方向における位置P2は、端部4aのY方向における位置P3と、端部4bのY方向における位置P4と、の間にあることが好ましい。
【0045】
(第2変形例)
図7は、実施形態の第2変形例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。
図8は、
図7のA1-A2断面図である。
図9は、
図7のB1-B2断面図である。なお、
図7では、絶縁層25が省略されている。エミッタ電極32のコンタクト部32a及びコンタクト部32bが破線で示され、エミッタ電極32の他の部分は省略されている。
半導体装置100及び110では、コンタクト部32aがY方向に延びている。これに対して、
図7に示す第2変形例に係る半導体装置120では、1つのp形ベース領域3の上において、Y方向に複数のコンタクト部32aが設けられている。
【0046】
図7及び
図8に示すように、複数のコンタクト部32aは、それぞれ、複数のp
+形コンタクト領域4の上に設けられている。
図9に示すように、コンタクト部32aは、第1部分3aの上には設けられていない。このため、第1部分3aと第2部分3bは、コンタクト部32aとは接していない。
【0047】
例えば、コンタクト部32bは、Y方向に延びている。又は、コンタクト部32bは、コンタクト部32aと同様に、Y方向において複数設けられても良い。その場合、p+形アノード領域8も、Y方向において複数設けられる。複数のコンタクト部32bは、それぞれ、複数のp+形アノード領域8の上に位置する。
【0048】
第2変形例に係る半導体装置120によれば、半導体装置100又は110と比べて、p形ベース領域3とコンタクト部32aとの間の接触面積が小さくなる。例えば、IGBT領域R1がオン状態のときに、p形ベース領域3からエミッタ電極32への正孔の排出を抑えることができる。これにより、n-形ベース領域2に蓄積されるキャリアの密度を、より高めることができる。IGBT領域R1がオン状態のときの半導体装置120の電気抵抗を、より低減できる。
【0049】
(第3変形例)
図10は、実施形態の第3変形例に係る半導体装置の一部を示す平面図である。
図11は、
図10のA1-A2断面図である。
図12は、
図10のB1-B2断面図である。なお、
図10では、絶縁層25及びエミッタ電極が省略されている。
図10~
図12に示す第3変形例に係る半導体装置130では、p形ベース領域3が、高濃度領域3H(第1サブ領域)及び低濃度領域3L(第2サブ領域)を含む。低濃度領域3Lは、Y方向において高濃度領域3Hと並んでいる。低濃度領域3Lのp形不純物濃度は、高濃度領域3Hのp形不純物濃度よりも低い。
【0050】
p+形コンタクト領域4とn+形エミッタ領域5は、高濃度領域3Hの上に設けられている。第1部分3aと第2部分3bは、低濃度領域3Lに設けられている。すなわち、p形ベース領域3において、p+形コンタクト領域4及びn+形エミッタ領域5から離れた領域のp形不純物濃度が、p+形コンタクト領域4とn+形エミッタ領域5近傍の領域のp形不純物濃度よりも低い。
【0051】
ダイオード領域R2の動作時に、エミッタ電極32からp+形コンタクト領域4へ流れた正孔は、Z方向だけでなく、X方向及びY方向にも広がりながらn-形ベース領域2へ移動する。p形ベース領域3におけるp形不純物濃度が低いほど、正孔に対する抵抗が増加する。低濃度領域3Lのp形不純物濃度が低い場合、p+形コンタクト領域4からp形ベース領域3へ流れる正孔に対する抵抗を高めることができる。また、低濃度領域3Lは、p+形コンタクト領域4とn+形エミッタ領域5から離れている。このため、低濃度領域3Lのp形不純物濃度が低い場合でも、ラッチアップへの影響は小さい。
【0052】
例えば、低濃度領域3Lのp形不純物濃度は、高濃度領域3Hのp形不純物濃度の0.5倍未満である。低濃度領域3Lのp形不純物濃度は、高濃度領域3Hのp形不純物濃度の0.1倍未満であることが好ましい。最も好ましくは、低濃度領域3Lのp形不純物濃度は、高濃度領域3Hのp形不純物濃度の0.01倍未満である。
【0053】
第3変形例に係る半導体装置130によれば、半導体装置100に比べて、p+形コンタクト領域4を通した正孔の注入を抑制し、ダイオード領域R2をさらに高速に動作させることができる。
【0054】
(第4変形例)
図13は、実施形態の第4変形例に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
図13に示す第4変形例に係る半導体装置140のように、p
+形アノード領域8が、p
+形コンタクト領域4よりも上方に位置しても良い。コンタクト部32bの下面は、p形アノード領域7の上面及びp
+形アノード領域8の上面と同じ位置に存在している。
【0055】
(第5変形例)
図14は、実施形態の第5変形例に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
図14に示す第5変形例に係る半導体装置150のように、ダイオード領域R2において、導電部21が省略されても良い。また、ダイオード領域R2において、エミッタ電極32は、コンタクト部32bを含んでいなくても良い。ダイオード領域R2において、エミッタ電極32の下面は、p形アノード領域7の上面及びp
+形アノード領域8の上面と同じ位置に存在している。
【0056】
上述した半導体装置100~150において、p形アノード領域7のp形不純物濃度が、p形ベース領域3のp形不純物濃度と異なっていても良い。例えば、p形アノード領域7のp形不純物濃度は、p形ベース領域3のp形不純物濃度よりも低い。これにより、ダイオード領域R2が動作したときに、エミッタ電極32からn-形ベース領域2に流れる正孔の量を減少させることができる。
【0057】
p形アノード領域7のZ方向における長さが、p形ベース領域3のZ方向における長さと異なっていても良い。例えば、n-形ベース領域2とp形アノード領域7とのpn接合面は、n-形ベース領域2とp形ベース領域3とのpn接合面よりも下方に位置する。
【0058】
IGBT領域R1の表面構造とダイオード領域R2の表面構造をそれぞれ最適化することで、半導体装置100~150の特性をより高めることができる。
【0059】
また、IGBT領域R1のサイズ及びダイオード領域R2のサイズは、図示した例に限らず、適宜変更可能である。より幅(X方向における長さ)の狭いIGBT領域R1と、より幅の狭いダイオード領域R2と、がX方向において交互に設けられていても良い。
【0060】
本発明の実施形態は、以下の構成を含む。
(構成1)
第1電極と、
前記第1電極に向けて突出したコンタクト部を含み、前記第1電極から離れた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極の一部の上に設けられた第1領域であって、
第1導電形の第1半導体領域と、
一部が前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の前記一部の上に設けられ、第1部分及び第2部分を含む第1導電形の第3半導体領域と、
前記第1電極から前記第2電極に向かう第1方向に垂直な第2方向において、ゲート絶縁層を介して前記第3半導体領域と対面するゲート電極と、
前記第1方向において前記第3半導体領域と前記コンタクト部との間に設けられ、前記第3半導体領域よりも高い第1導電形の不純物濃度を有し、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において前記第1部分と並ぶ第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第2方向において前記コンタクト部と接し、前記第3方向において前記第2部分と並ぶ第2導電形の第5半導体領域と、
を含む前記第1領域と、
前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極の別の一部の上に設けられた第2領域であって、
前記第2半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する第2導電形の第6半導体領域と、
前記第6半導体領域の上に設けられた前記第2半導体領域の別の一部と、
前記第2半導体領域の前記別の一部の上に設けられた第1導電形の第7半導体領域と、
を含む前記第2領域と、
を備えた半導体装置。
(構成2)
前記第4半導体領域の少なくとも一部の前記第3方向における位置は、前記第5半導体領域の少なくとも一部の前記第3方向における位置と同じである、構成1に記載の半導体装置。
(構成3)
前記第4半導体領域の前記第3方向における長さは、前記第5半導体領域の前記第3方向における長さよりも長い、構成1又は2に記載の半導体装置。
(構成4)
前記第1部分と前記第4半導体領域は、前記第3方向において交互に設けられ、
前記第2部分と前記第5半導体領域は、前記第3方向において交互に設けられた、構成1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成5)
隣り合う前記第4半導体領域同士の間の前記第3方向における距離は、前記隣り合う第4半導体領域の1つの前記第3方向における長さよりも長く、
隣り合う前記第5半導体領域同士の間の前記第3方向における距離は、前記隣り合う第5半導体領域の1つの前記第3方向における長さよりも長い、構成4に記載の半導体装置。
(構成6)
複数の前記第1部分及び複数の前記第4半導体領域は、前記第1方向において前記コンタクト部と接し、
複数の前記第2部分及び複数の前記第5半導体領域は、前記第2方向において前記コンタクト部と接する、構成4又は5に記載の半導体装置。
(構成7)
前記コンタクト部は、前記第3方向において複数設けられ、
複数の前記コンタクト部は、それぞれ、複数の前記第4半導体領域の上に設けられた、構成4又は5に記載の半導体装置。
(構成8)
前記第3半導体領域は、第1サブ領域と、前記第3方向において前記第1サブ領域と並ぶ第2サブ領域と、を含み、
前記第4半導体領域及び前記第5半導体領域は、前記第1サブ領域の上に設けられ、
前記第1部分及び前記第2部分は、前記第2サブ領域に設けられ、
前記第2サブ領域の第1導電形の不純物濃度は、前記第1サブ領域の第1導電形の不純物濃度よりも低い、構成1~7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0061】
以上で説明した各実施形態によれば、半導体装置のダイオード領域を、より高速に動作させることが可能である。
【0062】
各実施形態における、各半導体領域の間の不純物濃度の相対的な高低については、例えば、走査型静電容量顕微鏡(SCM)を用いて確認することが可能である。なお、各半導体領域におけるキャリア濃度は、各半導体領域において活性化している不純物濃度と等しいものとみなすことができる。従って、各半導体領域の間のキャリア濃度の相対的な高低についても、SCMを用いて確認することができる。また、各半導体領域における不純物濃度については、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS)により測定することが可能である。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0064】
1:p+形コレクタ領域、 2:n-形ベース領域、 3:p形ベース領域、 3H:高濃度領域、 3L:低濃度領域、 3a:第1部分、 3b:第2部分、 4,4r:p+形コンタクト領域、 4a:端部、 4b:端部、 5:n+形エミッタ領域、 5a:端部、 5b:端部、 6:n+形カソード領域、 7:p形アノード領域、 8:p+形アノード領域、 9:n形バッファ領域、 20:ゲート電極、 20a:ゲート絶縁層、 21:導電部、 21a:絶縁層、 25:絶縁層、 31:コレクタ電極、 32:エミッタ電極、 32a:コンタクト部、 32b:コンタクト部、 33:ゲートパッド、 33a:ゲート配線、 100,100r,110~150:半導体装置、 R1:IGBT領域、 R2:ダイオード領域