(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136004
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ペット用ケージ
(51)【国際特許分類】
A01K 1/03 20060101AFI20240927BHJP
A01K 1/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A01K1/03 B
A01K1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046949
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】523107352
【氏名又は名称】合同会社NOBISON
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンヘ
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA20
2B101FC01
2B101FC04
2B101FC09
2B101FC11
(57)【要約】
【課題】ペットの排泄物を適切に処理することができ、使い勝手の良いペット用ケージを提供する。
【解決手段】ペット用ケージA1は、底面フェンス11と、底面フェンス11の周縁から上方(鉛直方向一方側z1)に起立し、平面視(鉛直方向z視)において底面フェンス11を囲む周面フェンス21と、底面フェンス11および周面フェンス21を支持しており、床面に載置される脚部12と、を備える。脚部12は、周面フェンス21に対して水平方向である第1方向一方側x1に張り出す第1張り出し部13と、周面フェンス21に対して第1方向他方側x2に張り出す第2張り出し部14と、を有する。第1張り出し部13の下端部131および第2張り出し部14の下端部141は、第1方向xにおいて周面フェンス21よりも第1方向xの外側に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面フェンスと、
前記底面フェンスの周縁から上方に起立し、平面視において前記底面フェンスを囲む周面フェンスと、
前記底面フェンスおよび前記周面フェンスを支持しており、床面に載置される脚部と、を備え、
前記脚部は、前記周面フェンスに対して水平方向である第1方向の一方側に張り出す第1張り出し部と、前記周面フェンスに対して前記第1方向の他方側に張り出す第2張り出し部と、を有し、
前記第1張り出し部の下端部および前記第2張り出し部の下端部は、前記第1方向において前記周面フェンスよりも前記第1方向の外側に位置する、ペット用ケージ。
【請求項2】
前記脚部および前記底面フェンスを含む第1本体部と、
前記周面フェンスを含む第2本体部と、を備え、
前記第2本体部は、前記第1本体部に対して分離可能に取り付けられる、請求項1に記載のペット用ケージ。
【請求項3】
床面に載置されるトレイをさらに備え、
前記トレイの前記第1方向の長さは、前記周面フェンスの前記第1方向の長さよりも大であり、且つ前記第1張り出し部の前記下端部と前記第2張り出し部の前記下端部との前記第1方向における間隔よりも小である、請求項1または2に記載のペット用ケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用ケージに関し、特にフクロモモンガなどの小動物を飼育するのに適したペット用ケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペットを飼育するためのペット用ケージが種々提案されている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に記載されたペット用ケージは、フェンスにより構成されたケージ部と、当該ケージ部の下方に配置されたトレイを備える。当該トレイは、ケージ部内で飼育するペットの排泄物を受け止めることができ、必要に応じてトレイ上にペットシーツなどを敷いて使用する。トレイは、ケージ部の下端につながる底枠によってスライド可能に支持されており、ペットの排泄物を処理する際には、トレイを底枠から引き出すことが可能とされている。
【0003】
しかしながら、上記従来のペット用ケージにおいては、トレイと当該トレイを支持する底枠との間にペットの排泄物が付着する場合がある。このような場合、底枠側に付着した排泄物が悪臭の原因となり、掃除するのも困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、ペットの排泄物を適切に処理することができ、使い勝手の良いペット用ケージを提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供されるペット用ケージは、底面フェンスと、前記底面フェンスの周縁から上方に起立し、平面視において前記底面フェンスを囲む周面フェンスと、前記底面フェンスおよび前記周面フェンスを支持しており、床面に載置される脚部と、を備え、前記脚部は、前記周面フェンスに対して水平方向である第1方向の一方側に張り出す第1張り出し部と、前記周面フェンスに対して前記第1方向の他方側に張り出す第2張り出し部と、を有し、前記第1張り出し部の下端部および前記第2張り出し部の下端部は、前記第1方向において前記周面フェンスよりも前記第1方向の外側に位置する。
【0008】
好ましい実施の形態においては、前記脚部および前記底面フェンスを含む第1本体部と、前記周面フェンスを含む第2本体部と、を備え、前記第2本体部は、前記第1本体部に対して分離可能に取り付けられる。
【0009】
好ましい実施の形態においては、床面に載置されるトレイをさらに備え、前記トレイの前記第1方向の長さは、前記周面フェンスの前記第1方向の長さよりも大であり、且つ前記第1張り出し部の前記下端部と前記第2張り出し部の前記下端部との前記第1方向における間隔よりも小である。
【0010】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るペット用ケージの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示すペット用ケージにおいて、第2本体部を第1本体部から分離した状態を示す斜視図である。
【
図5】第1本体部に対する第2本体部の取り付け構造を示す部分拡大断面図である。
【
図6】本発明に係るペット用ケージの他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。以下の説明における「第1」、「第2」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0013】
図1~
図5は、本発明に係るペット用ケージの一例を示す。本実施形態のペット用ケージA1は、第1本体部1、第2本体部2およびトレイ3を備えている。なお、
図1および
図4においては、トレイ3を省略している。ペット用ケージA1は、例えばフクロモモンガ、デグー、インコなどの小動物を飼育するのに使用される。但し、ペット用ケージA1において飼育するペットは特に限定されない。
【0014】
なお、ペット用ケージA1の説明において、
図1および
図2における図中上下方向を「鉛直方向z」と呼ぶ。
図1および
図2において鉛直方向zに対して直交する水平方向(図中左右方向)は、本発明の「第1方向」に相当し、「第1方向x」と呼ぶ。鉛直方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向を「第2方向y」と呼ぶ。また、ペット用ケージA1の説明においては、便宜上、
図1において図中上側を「鉛直方向一方側z1」と呼び、図中下側を「鉛直方向他方側z2」と呼ぶ。
図1、
図2等において、第1方向xの一方側(
図2における図中右側)は、本発明の「第1方向の一方側」に相当し、「第1方向一方側x1」と呼び、第1方向xの他方側(
図2における図中左側)は、本発明の「第1方向の他方側」に相当し、「第1方向他方側x2」と呼ぶ。
図1、
図3等において、第2方向yの一方側(
図3における図中下側)を「第2方向一方側y1」と呼び、第2方向yの他方側(
図3における図中上側)を「第2方向他方側y2」と呼ぶ。
【0015】
図1~
図4に示すように、本実施形態の第1本体部1は、底面フェンス11、脚部12およびフレーム19を含む。底面フェンス11は、線材により構成されている。当該線材は、底面フェンス11の周縁を規定するフレーム19に溶接等の適宜手段によって固定されている。本実施形態においては、
図4に示すように、底面フェンス11は、平面視(鉛直方向z視)において矩形状であり、フレーム19は、当該底面フェンス11を囲むように矩形枠状とされている。フレーム19は、例えばスチール製の角パイプにより構成されている。なお、底面フェンス11の平面視における形状は、図示した矩形状に限定されず、例えば矩形状以外の多角形状とすることが可能である。
【0016】
脚部12は、床面に載置されており、ペット用ケージA1の他の要素(底面フェンス11、および後述の第2本体部2)を支持する。脚部12は、第1張り出し部13および第2張り出し部14を有する。
【0017】
第1張り出し部13は、第1方向xにおいて、後述の周面フェンス21に対して第1方向一方側x1に張り出す部分である。本実施形態においては、
図1、
図4等に示すように、一対の第1張り出し部13が第2方向yに離れて配置される。第1張り出し部13は、フレーム19につながって第1方向一方側x1に延びる部分と、当該第1方向一方側x1の端部につながって鉛直方向他方側z2に延びる部分と、を有する。第1張り出し部13は、例えばスチール製の角パイプにより構成される。一対の第1張り出し部13の適所には、連結バー132が連結されている。連結バー132の両端部は、溶接等の適宜手段により一対の第1張り出し部13に固定されている。図示した例では、2本の連結バー132が設けられている。
【0018】
第2張り出し部14は、第1方向xにおいて、後述の周面フェンス21に対して第1方向他方側x2に張り出す部分である。本実施形態においては、
図1、
図4等に示すように、一対の第2張り出し部14が第2方向yに離れて配置される。第2張り出し部14は、フレーム19につながって第1方向他方側x2に延びる部分と、当該第1方向他方側x2の端部につながって鉛直方向他方側z2に延びる部分と、を有する。第2張り出し部14は、例えばスチール製の角パイプにより構成される。一対の第2張り出し部14の適所には、連結バー142が連結されている。連結バー142の両端部は、溶接等の適宜手段により一対の第2張り出し部14に固定されている。図示した例では、2本の連結バー142が設けられている。
【0019】
本実施形態においては、
図4等に示すように、フレーム19には、複数の凸部191が設けられている。図示した例では、第2方向一方側y1に位置するフレーム19および第2方向他方側y2に位置するフレーム19に、2つずつの凸部191が設けられている。各凸部191の形状は特に限定されないが、例えば横断面円形である。各フレーム19に設けられた2つの凸部191は、第1方向xにおいて離れて配置される。各凸部191は、溶接やネジ止めなどの適宜手段によってフレーム19に固定されている。なお、凸部191の数や配置は、図示した例に限定されない。
【0020】
図1~
図4に示すように、本実施形態の第2本体部2は、周面フェンス21、天面フェンス22およびフレーム29を含む。周面フェンス21および天面フェンス22はそれぞれ、線材により構成されている。当該線材は、周面フェンス21および天面フェンス22を規定するフレーム29に溶接等の適宜手段によって固定されている。詳細は後述するが、
図4に示すように、第2本体部2は、第1本体部1に対して分離可能に取り付けられる。
【0021】
周面フェンス21は、第1本体部1の底面フェンス11の周縁から上方(鉛直方向一方側z1)に起立するように配置されており、平面視(鉛直方向z視)において底面フェンス11を囲んでいる。本実施形態において、周面フェンス21は、底面フェンス11の形状(平面視矩形状)に対応させて平面視矩形状に配置されており、正面フェンス211、背面フェンス212および側面フェンス213,214を有する。
【0022】
正面フェンス211は、周面フェンス21のうち第2方向一方側y1に位置する部分である。正面フェンス211は、第2方向yに見て矩形状である。正面フェンス211には、開閉扉211Aが設けられている。開閉扉211Aは、周面フェンス21の適所に形成された開口を開放する状態と、当該開口を覆う状態とに切り替えることが可能である。図示した例では、正面フェンス211には、鉛直方向zに離れた位置に2つの開閉扉211Aが設けられている。
【0023】
背面フェンス212は、周面フェンス21のうち第2方向他方側y2に位置する部分である。背面フェンス212は、第2方向yに見て矩形状である。側面フェンス213は、周面フェンス21のうち第1方向一方側x1に位置する部分である。側面フェンス213は、第1方向xに見て矩形状である。上述の一対の第1張り出し部13は、第1方向xにおいて、この側面フェンス213に対して第1方向一方側x1に張り出している。側面フェンス214は、周面フェンス21のうち第1方向他方側x2に位置する部分である。側面フェンス214は、第1方向xに見て矩形状である。上述の一対の第2張り出し部14は、第1方向xにおいて、この側面フェンス214に対して第1方向他方側x2に張り出している。
【0024】
図1、
図2等に示すように、第1本体部1における第1張り出し部13の下端部131(鉛直方向他方側z2の端部)、および第2張り出し部14の下端部141(鉛直方向他方側z2の端部)は、第1方向xにおいて周面フェンス21(側面フェンス213,214)よりも第1方向xの外側に位置する。
【0025】
天面フェンス22は、周面フェンス21の上端(鉛直方向一方側z1の端部)に被さるように配置されている。本実施形態においては、天面フェンス22は、平面視(鉛直方向z視)において矩形状である。
【0026】
フレーム29は、正面フェンス211、背面フェンス212、側面フェンス213,214および天面フェンス22それぞれの周縁を規定するように配置されている。フレーム29は、例えばスチール製の角パイプやアングル材により構成されている。周面フェンス21(正面フェンス211、背面フェンス212および側面フェンス213,214)の下端を規定するフレーム29は、平面視において矩形状である。当該周面フェンス21の下端を規定するフレーム29は、
図1、
図4から理解されるように、平面視において、底面フェンス11の周縁を規定するフレーム19と重なる。
【0027】
本実施形態において、第2本体部2は、第1本体部1に対して分離可能に取り付けられている。本実施形態において、
図5に示すように、周面フェンス21の下端を規定するフレーム29の適所には、孔291が形成されている。孔291は、フレーム29を鉛直方向zに貫通している。孔291は、フレーム19に設けられた各凸部191に対応する位置に形成されている。孔291の内径は、凸部191の外径よりも大である。
図5(a)に示すように、フレーム29の孔291に凸部191が嵌入させて、周面フェンス21の下端を規定するフレーム29を底面フェンス11の周縁を規定するフレーム19の上に置くことにより、第2本体部2が第1本体部1に取り付けられる。このとき、第2本体部2は、第1本体部1に対して位置決めされた状態で取り付けられる。また、第2本体部2を第1本体部1から上方(鉛直方向一方側z1)に持ち上げることで、第2本体部2は、第1本体部1から容易に分離することができる。
図5(b)は、第2本体部2を第1本体部1から分離した状態を示している。
【0028】
第2本体部2が第1本体部1に取り付けられた状態において、第1本体部1の底面フェンス11、第2本体部2の周面フェンス21および天面フェンス22は、ペット用ケージA1のケージ部を構成している。このケージ部内においてペットを飼育する。
【0029】
図2、
図3に示すように、トレイ3は、床面に載置され、ケージ部内で飼育するペットの排泄物を回収するものである。図示した例では、トレイ3は、底板31と、当該底板31の周縁から起立する周壁部32とを有する。
【0030】
図2に示すように、トレイ3の第1方向xの長さL1は、周面フェンス21の第1方向xの長さL2よりも大である。また、トレイ3の第1方向xの長さL1は、第1張り出し部13の下端部131と第2張り出し部14の下端部141との第1方向xにおける間隔D1よりも小である。
図3に示すように、トレイ3の第2方向yの長さは、周面フェンス21の第2方向yの長さよりも大である。このようなトレイ3は、
図2、
図3から理解されるように、平面視(鉛直方向z視)において周面フェンス21のすべてと重なるように配置することができる。なお、必要に応じて、トレイ3上にペットシーツなどを敷いて使用する。ペットの排泄物を処理する際には、トレイ3を第2方向yにずらすことで当該トレイ3を容易に引き出すことができる。
【0031】
ペット用ケージA1の各部の寸法は特に限定されないが、以下に寸法の一例を記載する。第1本体部1については、第1方向xの寸法が58cm程度、第2方向yの寸法が40cm程度、高さ(鉛直方向zの寸法)が10cm程度である。底面フェンス11の周縁の第1方向xの長さは、45cm程度である。フレーム19、第1張り出し部13および第2張り出し部14を構成する角パイプの太さは1cm程度である。第2本体部2については、第1方向xの寸法が45cm程度、第2方向yの寸法が40cm程度、高さ(鉛直方向zの寸法)が85cm程度である。フレーム29を構成する角パイプの太さは1cm程度である。トレイ3については、第1方向xの長さL1が52cm程度、第2方向yの長さが52cm程度、高さ(鉛直方向zの寸法)が3cm程度である。
【0032】
次に、ペット用ケージA1の作用について説明する。
【0033】
本実施形態のペット用ケージA1は、底面フェンス11、脚部12および周面フェンス21を備える。周面フェンス21は、底面フェンス11の周縁から上方(鉛直方向一方側z1)に起立しており、平面視(鉛直方向z視)において底面フェンス11を囲んでいる。脚部12は、底面フェンス11および周面フェンス21を支持しており、床面に載置される。脚部12は、第1張り出し部13および第2張り出し部14を有する。第1張り出し部13は、水平方向である第1方向xにおいて、周面フェンス21に対して第1方向一方側x1に張り出しており、第2張り出し部14は、第1方向xにおいて、周面フェンス21に対して第1方向他方側x2に張り出している。第1張り出し部13の下端部131および第2張り出し部14の下端部141は、周面フェンス21よりも第1方向xの外側に位置する。
【0034】
このような構成によれば、周面フェンス21に対して第1方向xの両側に張り出す第1張り出し部13および第2張り出し部14の間のスペースにトレイ3を配置することができる。トレイ3については、
図2、
図3等を参照して説明したように、平面視において周面フェンス21のすべてと重なるように配置することができ、これにより、ペット用ケージA1のケージ部内で飼育するペットの排泄物を適切に回収することができる。また、飼育するペットによっては、周面フェンス21に捕まりながら排泄する場合がある。このような場合においても、上述のように平面視において周面フェンス21のすべてと重なるようにトレイ3を配置することで、ペットの排泄物を確実に受け止めることができる。
【0035】
トレイ3は、第1張り出し部13および第2張り出し部14の間のスペースに配置するだけでよい。したがって、例えば従来構造のようにトレイが底枠に支持される場合と比べて閉鎖された構造がなく、排泄物による悪臭が籠もることはない。
【0036】
本実施形態のペット用ケージA1は、第1本体部1および第2本体部2を備える。第1本体部1は、底面フェンス11および脚部12を含んで構成される。第2本体部2は、周面フェンス21を含んで構成されており、第1本体部1に対して分離可能に取り付けられる。このような構成によれば、第2本体部2を第1本体部1から分離することで、底面フェンス11に付着したペットの排泄物を容易に拭き取ることができる。したがって、ペットの排泄物の処理に伴う掃除を容易に行うことができ、使い勝手が良好である。
【0037】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係るペット用ケージの各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0038】
上記実施形態においては、第1張り出し部13および第2張り出し部14は、第1方向xに延びる部分と鉛直方向zに延びる部分とよって構成されていたが、第1張り出し部13および第2張り出し部14の形状や構造はこれに限定されない。第1張り出し部13および第2張り出し部14は、第1方向xおよび鉛直方向zに対して交差する方向に延びる部分を有する構成でもよい。
図6は、本発明に係るペット用ケージの他の例を示している。同図に示したペット用ケージA2において、第1張り出し部13および第2張り出し部14はそれぞれ、第1方向xに延びる部分と、鉛直方向zに延びる部分と、第1方向xおよび鉛直方向zの双方に交差する部分と、を有する。また、第1張り出し部13および第2張り出し部14は、湾曲形状であってもよい。
【0039】
上記実施形態では、第2方向yに離れた一対の第1張り出し部13に連結バー132の両端が連結固定される構成としたが、これに限定されない。例えば第1張り出し部13および第2張り出し部14(脚部12)を、それぞれ第2方向yに所定幅を有する1枚の薄鋼板により構成し当該薄鋼板を適宜屈曲させた構成としてもよい。
【0040】
上記実施形態において、周面フェンス21は、平面視(鉛直方向z視)において矩形状に配置された構成であるが、本発明の周面フェンスは上記構成に限定されない。周面フェンスの平面視における配置形状は、例えば六角形などの多角形状、あるいは円形状や楕円形状など種々変更が可能である。底面フェンスおよび天面フェンスの平面視形状については、周面フェンスの平面視における配置形状に対応させればよい。
【0041】
上記実施形態では、第2本体部2が第1本体部1に分離可能に取り付ける構造として、第1本体部1のフレーム19に凸部191を設け、第2本体部2のフレーム29において当該凸部191に対応する孔291を形成する構成を採用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、フレーム19(第1本体部1)およびフレーム29(第2本体部2)を重ね合わせた状態において、これらフレーム19およびフレーム29をクランプする構造、あるいはレバーで挟む構造など、様々な構成を採用することができる。
【0042】
上記実施形態のペット用ケージA1においては、互いに分離可能な第1本体部1および第2本体部2により構成したが、本発明はこれに限定されない。本発明のペット用ケージは、底面フェンス、周面フェンスおよび天面フェンスで構成されたケージ部と、脚部とが、分離不能に一体的に組み付けられてもよい。
【0043】
上記実施形態のペット用ケージA1はトレイ3を備える構成であったが、本発明はこれに限定されず、トレイ3を具備しない構成としてもよい。トレイを具備しない構成の場合、第1張り出し部および第2張り出し部の間のスペースにペットシーツを敷いて使用すればよい。
【符号の説明】
【0044】
A1,A2:ペット用ケージ
1 :第1本体部
11 :底面フェンス
12 :脚部
13 :第1張り出し部
131 :(第1張り出し部の)下端部
14 :第2張り出し部
141 :(第2張り出し部の)下端部
132,142:連結バー
19 :フレーム
2 :第2本体部
21 :周面フェンス
211 :正面フェンス
211A:開閉扉
212 :背面フェンス
213,214:側面フェンス
22 :天面フェンス
29 :フレーム
3 :トレイ
31 :底板
32 :周壁部
L1 :(トレイの第1方向の)長さ
L2 :(周面フェンスの第1方向の)長さ
D1 :(第1張り出し部の下端部と第2張り出し部の下端部との第1方向の)間隔
x :第1方向
x1 :第1方向一方側
x2 :第1方向他方側
y :第2方向
y1 :第2方向一方側
y2 :第2方向他方側
z :鉛直方向
z1 :鉛直方向一方側
z2 :鉛直方向他方側