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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136023
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】設計装置及び連携装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20240927BHJP
   H04W 16/22 20090101ALI20240927BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20240927BHJP
   H04B 17/309 20150101ALI20240927BHJP
   H04B 17/373 20150101ALI20240927BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W16/18 110
H04W16/22
H04W16/26
H04B17/309
H04B17/373
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046972
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】中村 光貴
(72)【発明者】
【氏名】須山 聡
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】 無線電力伝送と無線信号伝送との間の干渉を適切に抑制することを可能とする設計装置及び連携装置を提供する。
【解決手段】 設計装置は、電力伝送波及び信号伝送波の少なくともいずれか1つを出力する無線伝送局の設置を予定するエリアの環境情報を収集する収集部と、前記環境情報に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する推定部と、前記推定部によって推定された干渉に基づいて、前記無線伝送局の位置を設計する設計部と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力伝送波及び信号伝送波の少なくともいずれか1つを出力する無線伝送局の設置を予定するエリアの環境情報を収集する収集部と、
前記環境情報に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された干渉に基づいて、前記無線伝送局の位置を設計する設計部と、を備える、設計装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記無線伝送局が設置されると想定される位置及び前記電力伝送波の受電及び前記信号伝送波の受信を実行する端末が配置されると想定される位置に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する、請求項1に記載の設計装置。
【請求項3】
前記収集部は、前記環境情報として、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の少なくともいずれか1つを中継する中継装置の位置情報を収集する、請求項1に記載の設計装置。
【請求項4】
前記設計部は、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉及び前記環境情報に基づいて、前記中継装置の位置を設計する、請求項3に記載の設計装置。
【請求項5】
電力伝送波を出力する無線送電局及び信号伝送波を出力する無線基地局が設置されるエリアの環境情報を収集する収集部と、
前記環境情報に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された干渉に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の少なくともいずれか1つの伝送方式、周波数及び時間の少なくともいずれか1つを決定する連携部を備える、連携装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線電装局に関する設計装置及び連携装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力伝送を無線で行う技術(無線電力伝送)が知られている。無線電力伝送としては、電流を電磁波に変換することによって電力伝送を実行する方式が知られている。電磁波としては、マイクロ波(電波)又はレーザ光を用いることが可能である。
【0003】
例えば、ドローン等の小飛行体に電力伝送を無線で行う電力送信装置(以下、無線送電局)を選択する技術が提案されている。無線送電局としては無線基地局が用いられるケースも想定される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-191038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、無線電力伝送が実行されるエリアにおいて、無線基地局と端末との間の無線信号伝送が実行されるエリアが重複するケースが想定され、無線電力伝送で用いる周波数と無線信号伝送で用いる周波数とが近接する場合には、無線電力伝送と無線信号伝送との間で干渉が生じる可能性がある。
【0006】
従って、無線送電局の設置を予定する場合において、無線送電局の設置を予定するエリアにおいて無線電力伝送と無線信号伝送との間の干渉を考慮しながら、無線送電局の位置などの設計を検討する必要がある。同様に、無線送電局及び無線基地局が既に設置されたエリアにおいても、無線電力伝送と無線信号伝送との間の干渉を考慮する必要がある。
【0007】
そこで、本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、無線電力伝送と無線信号伝送との間の干渉を適切に抑制することを可能とする設計装置及び連携装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の一態様は、電力伝送波及び信号伝送波の少なくともいずれか1つを出力する無線伝送局の設置を予定するエリアの環境情報を収集する収集部と、前記環境情報に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する推定部と、前記推定部によって推定された干渉に基づいて、前記無線伝送局の位置を設計する設計部と、を備える、設計装置である。
【0009】
開示の一態様は、電力伝送波を出力する無線送電局及び信号伝送波を出力する無線基地局が設置されるエリアの環境情報を収集する収集部と、前記環境情報に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する推定部と、前記推定部によって推定された干渉に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の少なくともいずれか1つの伝送方式、周波数及び時間の少なくともいずれか1つを決定する連携部を備える、連携装置である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、無線電力伝送と無線信号伝送との間の干渉を適切に抑制することを可能とする設計装置及び連携装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る無線伝送システム10を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る設計装置400を示す図である。
図3図3は、変更例1に係る設計装置400を示す図である。
図4図4は、変更例2に係る連携装置500を示す図である。
図5図5は、設計装置400及び連携装置500のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0013】
[実施形態]
(1)無線伝送システム
図1は、実施形態に係る無線伝送システム10を示す図である。無線伝送システム10は、実施形態を説明するための前提となるシステムである。図1に示すように、無線伝送システム10は、無線伝送局100と、端末200と、中継装置300と、を有する。
【0014】
無線伝送局100は、電力伝送を無線で行う無線送電局であってもよい。無線伝送局は、マイクロ波(電波)又はレーザ光などの電力伝送波を出力する。特に限定されるものではないが、電力伝送波の周波数は、2.4GHzであってもよく、5.8GHzであってもよい。
【0015】
無線伝送局100は、信号伝送を無線で行う無線基地局であってもよい。無線基地局は、信号伝送波を出力する。信号伝送波の周波数帯は、410MHz~7.125GHz(FR1)、24.25GHz~52.6GHz(FR2-1)、52.6GHz~71GHz(FR2-2)などを含んでもよい。信号伝送波の周波数帯は、5GHz-7GHz帯又は60GHz帯等のアンライセンスバンドを含んでもよい。信号伝送を無線で行う方式は、LTE、5G New Radio(NR)に従った方式であってもよい。信号伝送を無線で行う方式は、3rd Generation Partnership Project(3GPP(登録商標))において標準化されるBeyond 5G、5G Evolution又は6Gと呼ばれる方式であってもよい。
【0016】
図1では、無線伝送局100A及び無線伝送局100Bが例示されている。特に限定されるものではないが、無線伝送局100Aは、屋外の伝送局であり、無線伝送局100Bは、屋内の伝送局であってもよい。特に限定されるものではないが、無線伝送局100Aは、電力伝送波を直接的に端末200に出力してもよい。無線伝送局100Aは、信号伝送波を直接的に端末200に送信してもよい。無線伝送局100Aは、信号伝送波を直接的に端末200から受信してもよい。無線伝送局100Bは、電力伝送波を直接的又は間接的に端末200に出力してもよい。無線伝送局100Bは、信号伝送波を直接的又は間接的に端末200に送信してもよい。無線伝送局100Bは、信号伝送波を直接的又は間接的に端末200から受信してもよい。間接的とは、中継装置300によって中継されることを意味してもよい。
【0017】
実施形態では、無線送電局及び無線基地局が1つの局(無線伝送局100)に設けられるケースが例示さているが、無線送電局及び無線基地局は別々の局であってもよい。
【0018】
実施形態では、無線伝送局100は、電力伝送波及び信号伝送波の少なくともいずれか1つを出力する無線伝送局の一例である。
【0019】
端末200は、電力伝送波を受信する受電端末であってもよい。受電端末は、無線伝送局100(無線送電局)から電力伝送波を受信してもよく、中継装置300によって中継される電力伝送波を受信してもよい。
【0020】
端末200は、信号伝送波を受信する受信端末であってもよい。受信端末は、無線伝送局100(無線基地局)から無線信号波を受信してもよく、中継装置300によって中継される信号伝送波を受信してもよい。端末200は、信号伝送波を送信する送信端末であってもよい。送信端末は、無線伝送局100(無線基地局)に信号伝送波を直接的に送信してもよく、中継装置300を経由して無線伝送局100(無線基地局)に信号伝送波を間接的に送信してもよい。
【0021】
端末200は、携帯電話などの移動端末200Aを含んでもよく、センサなどの固定端末200Bを含んでもよい。
【0022】
中継装置300は、無線伝送局100(無線送電局)から出力される電力伝送波を中継してもよい。中継装置300は、無線伝送局100(無線基地局)から出力される信号伝送波を中継してもよい。例えば、中継装置300は、電力伝送波(及び信号伝送波)を反射する反射面を有してもよい。反射面は、電力伝送波(及び信号伝送波)を反射するか透過するか切り替え可能に構成されてもよい。反射面は、電力伝送波及び信号伝送波)を反射する方向を切り替え可能に構成される。反射面は、RIS(Reconfigurable Intelligent Surface)と称されてもよい。
【0023】
実施形態では、中継装置300は、電力伝送波及び信号伝送波の少なくともいずれか1つを中継する中継装置の一例である。
【0024】
(2)設計装置
図2は、実施形態に係る設計装置400を示す図である。図2に示すように、設計装置400は、収集部410と、推定部420と、設計部430と、を有する。
【0025】
実施形態では、上述した中継装置300を含まない無線伝送システム10を想定して、無線伝送局100(特に、無線送電局)の設計について説明する。
【0026】
収集部410は、無線伝送局100の設置を予定するエリアの環境情報を収集する。環境情報は、センサ情報及びエリア情報を含んでもよい。環境情報の収集は、環境情報の入力によって実行されてもよく、環境情報の受信によって実行されてもよい。
【0027】
センサ情報は、エリアに設置されるセンサによって取得される情報である。センサは、カメラ、温度計、湿度計などを含んでもよい。センサ情報は、建物又は樹木などの遮蔽物に関する情報を含んでもよい。センサ情報は、電力伝送波及び信号伝送波に影響する温度又は湿度などの情報を含んでもよい。
【0028】
エリア情報は、エリアに該当する建物又は地図に関する情報である。エリア情報は、建物又は樹木などの遮蔽物に関する情報を含んでもよい。エリア情報は、エリアの地形に関する情報を含んでもよい。
【0029】
特に限定されるものではないが、センサ情報は、エリア情報と重複する情報を含んでもよい。センサ情報は、エリア情報よりも優先されてもよい。
【0030】
実施形態では、収集部410は、電力伝送波を出力する無線送電局の設置を予定するエリアの環境情報を収集する収集部の一例である。
【0031】
推定部420は、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。干渉の推定方法としては、以下に示すオプションが考えられる。
【0032】
オプション1では、推定部420は、環境情報に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。推定部420は、環境情報(例えば、遮蔽物に関する情報)に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の見通し範囲を特定し、特定された見通し範囲で干渉を推定してもよい。推定部420は、環境情報に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の減衰を特定し、特定された減衰を考慮して干渉を推定してもよい。
【0033】
オプション2では、推定部420は、無線伝送局100が設置されると想定される位置(以下、想定局位置)及び端末200が設置されると想定される位置(以下、想定端末位置)に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。干渉は、想定局位置及び想定端末位置の少なくともいずれか1つの変更毎に推定されてもよい。
【0034】
オプション3では、推定部420は、エリアで想定される電力伝送波の強度及び信号伝送波の強度に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。干渉は、電力伝送波の想定強度及び信号伝送波の想定強度の少なくともいずれか1つの変更毎に推定されてもよい。
【0035】
オプション4では、推定部420は、エリアで想定される電力伝送波の周波数及び信号伝送波の周波数に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。干渉は、電力伝送波の想定周波数及び信号伝送波の想定周波数の少なくともいずれか1つの変更毎に推定されてもよい。
【0036】
なお、オプション1~オプション4の中から選択された2以上のオプションが組み合われてもよい。
【0037】
実施形態では、推定部420は、環境情報に基づいて、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を推定する推定部の一例である。
【0038】
設計部430は、無線伝送局100の位置を設計する。設計部430は、無線送電局の位置を設計してもよく、無線基地局の位置を設計してもよい。設計部430は、無線送電局及び無線基地局の双方の位置を設計してもよい。無線伝送局100の位置の設計方法としては、以下に示すオプションが考えられる。
【0039】
オプション1では、設計部430は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、無線伝送局100の位置を設計する。例えば、設計部430は、推定部420によって推定された干渉を最小化するように、無線伝送局100の位置を設計する。
【0040】
オプション2では、設計部430は、環境情報に基づいて、無線伝送局100の位置を設計する。例えば、設計部430は、電力伝送波及び信号伝送波の見通し範囲が最大化されるように、無線伝送局100の位置を設計する。設計部430は、電力伝送波及び信号伝送波の減衰が最小化されるように、無線伝送局100の位置を設計する。
【0041】
なお、オプション1~オプション2の中から選択された2以上のオプションが組み合われてもよい。
【0042】
実施形態では、設計部430は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、無線伝送局100の位置を設計する設計部の一例である。
【0043】
(3)作用及び効果
実施形態では、設計装置400は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、無線伝送局100の位置を設計する。このような構成によれば、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を考慮しながら、無線伝送局100の位置を適切に設計することができる。
【0044】
(4)変更例1
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0045】
図3は、変更例1に係る設計装置400を示す図である。図3では、図2と同様の構成について同様の符号を付している。従って、図2と同様の構成の詳細については省略する。
【0046】
変更例1では、上述した中継装置300を含む無線伝送システム10を想定して、無線伝送局100(特に、無線送電局)及び中継装置300の設計について説明する。
【0047】
図3に示すように、収集部410は、環境情報として、無線伝送局100の設置を予定するエリアに存在する中継装置300の位置情報(中継装置情報)を収集する。
【0048】
推定部420は、上述した実施形態の動作に加えて、エリアに存在する中継装置300の位置情報に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。すなわち、推定部420は、中継装置300で中継(反射)される電力伝送波及び信号伝送波を考慮して、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。
【0049】
推定部420は、中継装置300が設置されると想定される位置(以下、想定装置位置)及び端末200が設置されると想定される位置(想定端末位置)に基づいて、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定してもよい。干渉は、想定装置位置及び想定端末位置の少なくともいずれか1つの変更毎に推定されてもよい。
【0050】
設計部430は、上述した実施形態の動作(すなわち、無線伝送局100の位置の設計)に加えて、中継装置300の位置を設計してもよい。
【0051】
オプション1では、設計部430は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、中継装置300の位置を設計する。例えば、設計部430は、推定部420によって推定された干渉を最小化するように、中継装置300の位置を設計する。
【0052】
オプション2では、設計部430は、環境情報に基づいて、中継装置300の位置を設計する。例えば、設計部430は、電力伝送波及び信号伝送波の見通し範囲が最大化されるように、中継装置300の位置を設計する。設計部430は、電力伝送波及び信号伝送波の減衰が最小化されるように、中継装置300の位置を設計する。
【0053】
なお、オプション1~オプション2の中から選択された2以上のオプションが組み合われてもよい。
【0054】
変更例1において、設計部430は、無線伝送局100の位置を設計してもよく、中継装置300の位置を設計してもよい。設計部430は、無線伝送局100及び中継装置300の双方の位置を設計してもよい。中継装置300の位置の設計は、新たに設置される中継装置300の位置の設計を含んでもよく、エリアに存在する既存の中継装置300の位置の設計(位置の変更/再設計)を含んでもよい。
【0055】
変更例1では、設計装置400は、エリアに存在する中継装置300の位置情報(中継装置情報)に基づいて、推定部420によって推定された干渉が推定され。推定された干渉に基づいて、無線伝送局100の位置を設計する。このような構成によれば、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を考慮しながら、無線伝送局100の位置を適切に設計することができる。
【0056】
変更例1では、設計装置400は、エリアに存在する中継装置300の位置情報(中継装置情報)に基づいて、推定部420によって推定された干渉が推定され。推定された干渉に基づいて、中継装置300の位置を設計する。このような構成によれば、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を考慮しながら、中継装置300の位置を適切に設計することができる。
【0057】
(5)変更例2
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0058】
変更例2では、上述した中継装置300を含む無線伝送システム10を想定して、1以上の無線伝送局100の連携について説明する。
【0059】
図4は、変更例2に係る連携装置500を示す図である。図4に示すように、連携装置500は、収集部510と、推定部520と、連携部530と、を有する。
【0060】
収集部510は、収集部410と同様に、環境情報を収集する。ここで、無線伝送局100の設置を予定するエリアは、1以上の無線伝送局100の連携が想定されるエリアと読み替えられてもよい。
【0061】
収集部510は、環境情報として、中継装置300の位置情報(中継装置情報)に加えて、無線伝送局100の位置情報(伝送局情報)を収集してもよい。
【0062】
変更例2では、収集部510は、電力伝送波を出力する無線送電局及び信号伝送波を出力する無線基地局が設置されるエリアの環境情報を収集する収集部の一例である。
【0063】
推定部520は、推定部420と同様に、電力伝送波及び信号伝送波の干渉を推定する。ここで、無線伝送局100が設置されると想定される位置は、無線伝送局100が実際に設置される位置と読み替えられてもよい。中継装置300が設置されると想定される位置は、中継装置300が実際に設置される位置と読み替えられてもよい。エリアで想定される電力伝送波の強度は、エリアで実際に運用される電力伝送波の強度と読み替えられてもよい。エリアで想定される信号伝送波の強度は、エリアで実際に運用される信号伝送波の強度と読み替えられてもよい。
【0064】
変更例2では、推定部420は、環境情報に基づいて、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を推定する推定部の一例である。
【0065】
連携部530は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、信号伝送波と電力伝送波との間の連携を実行する。連携方法としては、以下に示すオプションが考えられる。
【0066】
オプション1では、連携部530は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、信号伝送波及び電力伝送波の少なくともいずれか1つの伝送方式を決定してもよい。例えば、連携部530は、推定部420によって推定された干渉が閾値よりも大きい場合には、電力伝送波の伝送方式をマイクロ波(電波)からレーザ光に変更してもよく、電力伝送波の伝送方式をレーザ光からマイクロ波(電波)に変更してもよい。連携部530は、決定された伝送方式を無線伝送局100(無線送電局)に指示する。
【0067】
オプション2では、連携部530は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、信号伝送波及び電力伝送波の少なくともいずれか1つの周波数を決定してもよい。例えば、連携部530は、推定部420によって推定された干渉が閾値よりも大きい場合には、信号伝送波の周波数から離すように電力伝送波の周波数を決定してもよい。連携部530は、決定された周波数を無線伝送局100(無線送電局)に指示する。或いは、連携部530は、推定部420によって推定された干渉が閾値よりも大きい場合には、電力伝送波の周波数から離すように信号伝送波の周波数を決定してもよい。連携部530は、決定された周波数を無線伝送局100(無線基地局)に指示する。
【0068】
オプション3では、連携部530は、推定部420によって推定された干渉に基づいて、信号伝送波及び電力伝送波の少なくともいずれか1つの時間を決定してもよい。例えば、連携部530は、推定部420によって推定された干渉が閾値よりも大きい場合には、信号伝送波の時間と重複しないように電力伝送波の時間を決定してもよい。連携部530は、決定された時間を無線伝送局100(無線送電局)に指示する。或いは、連携部530は、推定部420によって推定された干渉が閾値よりも大きい場合には、電力伝送波の時間と重複しないように信号伝送波の時間を決定してもよい。連携部530は、決定された時間を無線伝送局100(無線基地局)に指示する。
【0069】
なお、オプション1~オプション3の中から選択された2以上のオプションが組み合われてもよい。
【0070】
変更例2では、連携部530は、推定部520によって推定された干渉に基づいて、信号伝送波及び電力伝送波の少なくともいずれか1つの伝送方式、周波数及び時間の少なくともいずれか1つを決定する連携部の一例である。
【0071】
変更例2では、連携装置500は、推定部520によって推定された干渉に基づいて、信号伝送波と電力伝送波との間の連携を実行する。このような構成によれば、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を適切に抑制することができる。
【0072】
(6)その他の実施形態
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0073】
上述した開示では特に触れていないが、設計装置400は、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を仮想的に推定してもよい。すなわち、設計装置400の動作は、無線伝送局10の設置を予定するエリアにおいて、無線伝送局10の位置をシミュレーションする動作であると考えてもよい。
【0074】
上述した開示では特に触れていないが、連携装置500は、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を実際に推定してもよい。すなわち、連携装置500の動作は、無線伝送局10が実際に設置されたエリアにおいて、無線伝送局10を運用する動作であると考えてもよい。
【0075】
上述した開示では特に触れていないが、設計装置400は、信号伝送波及び電力伝送波の干渉を仮想的に推定してもよい。すなわち、設計装置400の動作は、無線通信システム10のシミュレーションであると考えてもよい。
【0076】
上述した設計装置400及び連携装置500(当該装置)は、上述した開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図5は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0077】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0078】
当該装置の各機能ブロック(図2図4を参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、又は当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0079】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0080】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0081】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0082】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0083】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0084】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0085】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0086】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0087】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0088】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0089】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0090】
(付記)
上述した開示は、以下のように表現されてもよい。
【0091】
第1の特徴は、電力伝送波及び信号伝送波の少なくともいずれか1つを出力する無線伝送局の設置を予定するエリアの環境情報を収集する収集部と、前記環境情報に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する推定部と、前記推定部によって推定された干渉に基づいて、前記無線伝送局の位置を設計する設計部と、を備える、設計装置である。
【0092】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記推定部は、前記無線伝送局が設置されると想定される位置及び前記電力伝送波の受電及び前記信号伝送波の受信を実行する端末が配置されると想定される位置に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する、設計装置である。
【0093】
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、前記収集部は、前記環境情報として、前記電力伝送波を中継する中継装置の位置情報を収集する、設計装置である。
【0094】
第4の特徴は、第3の特徴において、前記設計部は、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉及び前記環境情報に基づいて、前記中継装置の位置を設計する、設計装置である。
【0095】
第5の特徴は、電力伝送波を出力する無線送電局及び信号伝送波を出力する無線基地局が設置されるエリアの環境情報を収集する収集部と、前記環境情報に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の干渉を推定する推定部と、前記推定部によって推定された干渉に基づいて、前記信号伝送波及び前記電力伝送波の少なくともいずれか1つの伝送方式、周波数及び時間の少なくともいずれか1つを決定する連携部を備える、連携装置である。
【符号の説明】
【0096】
10 無線伝送システム
100 無線伝送局
100A 無線伝送局
100B 無線伝送局
200 端末
300 中継装置
400 設計装置
410 収集部
420 推定部
430 設計部
500 連携装置
510 収集部
520 推定部
530 連携部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5