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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013603
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ドライブレコーダ制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240125BHJP
   G07C 5/08 20060101ALI20240125BHJP
   B60R 25/10 20130101ALI20240125BHJP
【FI】
B60R16/02 645C
G07C5/08
B60R25/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115812
(22)【出願日】2022-07-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月16日にオートバックスセブンに製品説明。 令和3年12月14日に製品をオートバックス合川バイパス店に納品、令和3年12月14日に製品をオートバックス福岡原店に納品、令和3年12月14日に製品をオートバックス倉敷店に納品、その他の187箇所に製品を納品(別紙納品先リスト参照)。 令和3年12月13日に自社ウェブサイト(駐車監視ユニット(PMU-T01)https://www.e-comtec.co.jp/0_recorder/pmu-t01/)に公開。 令和3年12月13日に自社ウェブサイト((取扱説明書)https://www.e-comtec.co.jp/manual/etc/pmut01.pdf)に公開。 令和3年12月13日に自社ウェブサイト((カタログ)https://www.e-comtec.co.jp/catalog/pmu_t01.pdf)に公開。
(71)【出願人】
【識別番号】391019681
【氏名又は名称】株式会社コムテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】夏目 工
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA10
3E138MB08
3E138MC20
(57)【要約】
【課題】電力供給のみでは録画動作を実行できないドライブレコーダであっても、車両が休止状態であるときに録画動作を実行させることができるドライブレコーダ制御装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、ドライブレコーダ制御装置であって、電力出力部と、指令出力部と、衝撃検出部と、録画制御部と、を備える。電力出力部は、ドライブレコーダと接続されて、ドライブレコーダに駆動電力を出力する。指令出力部は、ドライブレコーダと接続されて、模擬録画指令を出力する。録画制御部は、車両が休止状態であるときに、衝撃の大きさに基づいて車両の異常を検出した場合には、録画時間にわたり駆動電力および模擬録画指令を出力するように、電力出力部および指令出力部を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダと接続されて、前記ドライブレコーダに駆動電力を出力するように構成された電力出力部と、
前記ドライブレコーダと接続されて、模擬録画指令を出力するように構成された指令出力部であって、前記模擬録画指令は録画指令を模擬した指令であり、前記録画指令は前記ドライブレコーダを録画動作させるために車両から出力される指令である、指令出力部と、
前記車両に生じた衝撃の大きさを検出するように構成された衝撃検出部と、
前記車両が休止状態であるときに、前記衝撃の大きさに基づいて前記車両の異常を検出するように構成された録画制御部であって、前記異常を検出した場合には、予め定められた録画時間にわたり前記駆動電力および前記模擬録画指令を出力するように前記電力出力部および前記指令出力部を制御し、前記異常を検出しない場合には、前記駆動電力および前記模擬録画指令を出力しないように前記電力出力部および前記指令出力部を制御するように構成された録画制御部と、
を備えるドライブレコーダ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のドライブレコーダ制御装置であって、
前記指令出力部は、前記ドライブレコーダとの間で、所定の通信プロトコルに基づき通信するように構成されており、
前記通信プロトコルは、前記ドライブレコーダと前記車両との間での通信に用いられる通信プロトコルに対応しており、
前記録画指令は、イグニッションON信号または録画指令信号を含んでおり、
前記イグニッションON信号は、前記車両が稼働状態の場合に前記車両が出力する信号であって、予め定められた電圧値の信号であり、
前記録画指令信号は、前記通信プロトコルに基づき前記車両から前記ドライブレコーダに送信される信号である、
ドライブレコーダ制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のドライブレコーダ制御装置であって、
前記指令出力部は、前記車両から出力される信号に基づいて前記車両の種類を判定して、前記種類に対応する前記録画指令信号を模擬した前記模擬録画指令を出力するように構成されている、
ドライブレコーダ制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のドライブレコーダ制御装置であって、
前記録画制御部は、前記衝撃の大きさが判定閾値を上回る場合に、前記異常を検出したと判定するように構成されている、
ドライブレコーダ制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載のドライブレコーダ制御装置であって、
前記指令出力部は、前記車両と前記ドライブレコーダとの間でやりとりされる通信データに基づいて、前記通信プロトコルの種類を特定するように構成されている、
ドライブレコーダ制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載のドライブレコーダ制御装置であって、
前記録画制御部は、前記車両に備えられる車載電源装置が出力する電源電圧の大きさを検出し、前記電源電圧の大きさが予め定められた低電圧閾値よりも小さい場合には、前記駆動電力および前記模擬録画指令の出力を停止するように構成されている、
ドライブレコーダ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドライブレコーダ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたドライブレコーダは、車両から電力供給されると録画動作するように構成されている。ドライブレコーダは、車両の走行時に、車両の周囲を録画する。
ドライブレコーダは、例えば、車両から駆動電圧が供給されることに応じて、録画動作を開始する。これにより、ドライブレコーダは、車両のエンジン起動中に、録画動作を実行する。車両は、駆動電圧として、アクセサリ電圧(以下、ACC電圧ともいう)を出力するものがある。
【0003】
他方、車両が休止状態であるとき(例えば、駐車中)に、ACC電圧に代えてバッテリ電圧をドライブレコーダに供給する装置が提案されている(特許文献1)。この装置を用いることで、車両が休止状態であるときも、ドライブレコーダによる録画を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-119369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の装置は、ドライブレコーダに対して単に駆動電圧を供給する構成であるため、ドライブレコーダの種類によっては、車両が休止状態であるときに録画を実行できない場合がある。
【0006】
つまり、ドライブレコーダの中には、録画動作を実行するために、ドライブレコーダへの電力供給に加えて、さらに他の条件成立が必要となるように構成されたものがある。そのようなドライブレコーダに対して、上述の装置を適用した場合には、電力供給はできるものの、他の条件を成立させることができないため、車両が休止状態であるときに録画を実行できない。
【0007】
そこで、本開示の一局面は、電力供給のみでは録画動作を実行できないドライブレコーダであっても、車両が休止状態であるときに録画動作を実行させることができるドライブレコーダ制御装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、ドライブレコーダ制御装置であって、電力出力部と、指令出力部と、衝撃検出部と、録画制御部と、を備える。
電力出力部は、ドライブレコーダと接続されて、ドライブレコーダに駆動電力を出力するように構成されている。
【0009】
指令出力部は、ドライブレコーダと接続されて、模擬録画指令を出力するように構成されている。模擬録画指令は、録画指令を模擬した指令である。録画指令は、ドライブレコーダを録画動作させるために車両から出力される指令である。
【0010】
衝撃検出部は、車両に生じた衝撃の大きさを検出するように構成されている。
録画制御部は、車両が休止状態であるときに、衝撃の大きさに基づいて車両の異常を検出するように構成されている。録画制御部は、異常を検出した場合には、予め定められた録画時間にわたり駆動電力および模擬録画指令を出力するように、電力出力部および指令出力部を制御する。録画制御部は、異常を検出しない場合には、駆動電力および模擬録画指令を出力しないように、電力出力部および指令出力部を制御する。
【0011】
このドライブレコーダ制御装置は、車両が休止状態であるときに、車両の異常を検出した場合には、駆動電力および模擬録画指令を出力する。このドライブレコーダ制御装置は、駆動電力および模擬録画指令を受けることで録画動作を実行するドライブレコーダを、車両が休止状態であるときに録画動作させることができる。
【0012】
よって、ドライブレコーダ制御装置は、電力供給のみでは録画動作を実行できないドライブレコーダであっても、車両が休止状態であるときに録画動作を実行させることができる。
【0013】
上述のドライブレコーダ制御装置においては、指令出力部は、ドライブレコーダとの間で、所定の通信プロトコルに基づき通信するように構成されてもよい。前記通信プロトコルは、ドライブレコーダと車両との間での通信に用いられる通信プロトコルに対応してもよい。録画指令は、イグニッションON信号または録画指令信号を含んでもよい。イグニッションON信号は、車両が稼働状態の場合に車両が出力する信号であって、予め定められた電圧値の信号であってもよい。この場合の電圧値は、車載電源装置が出力する電源電圧の大きさよりも小さい電圧値であってもよい。録画指令信号は、前記通信プロトコルに基づき車両からドライブレコーダに送信される信号であってもよい。
【0014】
このようなドライブレコーダ制御装置は、特定の構成のドライブレコーダであっても、録画動作を実行させることができる。特定の構成のドライブレコーダは、例えば、駆動電力に加えて、イグニッションON信号または録画指令信号のいずれかを受けることで、録画動作を実行するように構成されてもよい。
【0015】
上述のドライブレコーダ制御装置においては、指令出力部は、車両から出力される信号に基づいて車両の種類を判定してもよい。指令出力部は、前記種類に対応する録画指令信号を模擬した模擬録画指令を出力するように構成されてもよい。このようなドライブレコーダ制御装置は、車両の種類に応じて適切な模擬録画指令を出力でき、複数種類の車両においてドライブレコーダの録画動作を実現できる。
【0016】
上述のドライブレコーダ制御装置においては、録画制御部は、衝撃の大きさが判定閾値を上回る場合に、異常を検出したと判定してもよい。これにより、車両の異常には該当しない微弱な衝撃が発生した場合には、録画制御部は異常を検出しないため、誤判定を抑制できる。
【0017】
判定閾値は、車両の異常時に生じる衝撃の大きさに応じて値が定められてもよい。例えば、車両の異常時に生じる衝撃の大きさのうち最小値が、判定閾値として設定されてもよい。また、録画制御部は、判定閾値を変更できるように構成されてもよい。例えば、使用者の操作によって判定閾値を変更できるように構成してもよい。
【0018】
上述のドライブレコーダ制御装置においては、指令出力部は、車両とドライブレコーダとの間でやりとりされる通信データに基づいて、通信プロトコルの種類を特定するように構成されてもよい。これにより、ドライブレコーダ制御装置は、車両の種類およびドライブレコーダの種類に応じた適切な通信プロトコルに基づいて、ドライブレコーダとの通信を実行できる。
【0019】
上述のドライブレコーダ制御装置においては、録画制御部は、車両に備えられる車載電源装置が出力する電源電圧の大きさを検出するように構成されてもよい。録画制御部は、前記電源電圧の大きさが予め定められた低電圧閾値よりも小さい場合には、前記駆動電力および前記模擬録画指令の出力を停止するように構成されてもよい。
【0020】
これにより、ドライブレコーダ制御装置は、電源電圧が低電圧である場合には、ドライブレコーダおよびドライブレコーダ制御装置での電力消費量を低減できるため、車両の車載電源装置からの放電量を低減し、車載電源装置が過放電状態になるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】車両およびドライブレコーダに接続されたドライブレコーダ制御装置の構成を表すブロック図である。
図2】ドライブレコーダ制御装置の制御部が実行する車両種別判定処理を表すフローチャートである。
図3】ドライブレコーダ制御装置の制御部が実行する状態監視処理を表すフローチャートである。
図4】ドライブレコーダ制御装置の制御部が実行する録画実行処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0023】
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
図1に示すように、第1実施形態のドライブレコーダ制御装置1は、車両31およびドライブレコーダ33のそれぞれに接続できるように構成されている。詳細には、ドライブレコーダ制御装置1は、車両31とドライブレコーダ33とを繋ぐ電力経路および通信経路のそれぞれに接続されている。
【0024】
ドライブレコーダ制御装置1は、車両31が休止状態である時(例えば、駐車時)に、ドライブレコーダ33を起動して録画動作を実行させることができるように構成されている。ドライブレコーダ制御装置1の詳細については、後述する。
【0025】
[1-2.車両]
車両31は、使用者によるキースイッチ操作に応じて、休止状態、アクセサリ動作状態、稼働状態のいずれかに切り替わるように構成されている。休止状態は、車両31のエンジンが停止しており、車両31のアクセサリ機器への電力供給が停止している状態である。アクセサリ動作状態は、車両31のエンジンが停止しており、車両31のアクセサリ機器への電力供給が実行されている状態である。稼働状態は、車両31のエンジンが起動しており、車両31のアクセサリ機器への電力供給が実行されている状態である。
【0026】
車両31は、稼働状態に移行することで、エンジンの動力を用いて、使用者の運転操作に応じて走行するように構成されている。稼働状態は、イグニッションON状態あるいはIG-ON状態ともいう。
【0027】
図1に示すように、車両31は、第1通信経路35と接続されている。第1通信経路35は、所定の通信プロトコルに基づいて各種情報を送受信するための通信経路である。第1通信経路35は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルに基づく通信経路であってもよい。CANは、登録商標である。車両31は、稼働状態である場合には、第1通信経路35を介して、ドライブレコーダ33に向けて録画指令信号Srを出力する。録画指令信号Srは、ドライブレコーダ33を録画動作させるために車両31から出力される指令信号である。録画指令信号Srは、本開示における録画指令の一例に相当する。
【0028】
車両31は、常時電源経路37と接続されている。常時電源経路37は、バッテリ電圧Vbを伝達するための電源経路である。車両31は、休止状態、アクセサリ動作状態、稼働状態のいずれの状態であっても、バッテリ電圧Vbを出力するように構成されている。バッテリ電圧Vbは、車両31に備えられる車載電源装置(図示省略。以下、車載バッテリともいう)が出力する電圧である。バッテリ電圧Vbの電圧値は、例えば、12[V]または24[V]であってもよい。
【0029】
車両31は、イグニッション電源経路39と接続されている。イグニッション電源経路39は、イグニッション電圧Vigを出力するための電源経路である。車両31は、稼働状態である場合に、イグニッション電圧Vigを出力するように構成されている。イグニッション電圧Vigは、車両31の車載バッテリにより生成される。イグニッション電圧Vigの電圧値は、バッテリ電圧Vbの電圧値と同じである。
【0030】
[1-3.ドライブレコーダ]
ドライブレコーダ33は、車両31が稼働状態である時に車両31の周囲を録画するために、車両31に設置されて使用される。ドライブレコーダ33は、例えば、車両31の車室(図示省略)内に設置される。
【0031】
ドライブレコーダ33は、図示しないカメラを備えている。ドライブレコーダ33は、ドライブレコーダ33の外部装置から、駆動電力および録画指令を受けることで、録画動作を実行するように構成されている。駆動電力は、ドライブレコーダ33を駆動するための電力である。録画指令は、ドライブレコーダ33を録画動作させるための指令である。
【0032】
ドライブレコーダ33は、ワイヤーハーネス41と接続されている。ワイヤーハーネス41は、第2通信経路43と、駆動電力経路45と、を備える。
第2通信経路43は、所定の通信プロトコルに基づいて各種情報を送受信するための通信経路である。第2通信経路43は、第1通信経路35と同じ通信プロトコルに基づく通信経路である。第2通信経路43は、ドライブレコーダ33と接続されている。第2通信経路43は、第1通信経路35と接続できるように構成されている。ドライブレコーダ33は、第1通信経路35および第2通信経路43を介して、車両31から録画指令信号Srを受信するように構成されている。
【0033】
駆動電力経路45は、ドライブレコーダ33に駆動電力を供給するための電力経路である。駆動電力経路45は、駆動電力に応じた電流を通電できるように、所定の電流容量を有する電線を備えて構成されている。駆動電力経路45は、ドライブレコーダ33と接続されている。駆動電力経路45は、イグニッション電源経路39と接続できるように構成されている。ドライブレコーダ33は、イグニッション電源経路39および駆動電力経路45を介して、車両31からイグニッション電圧Vigを受けるように構成されている。
【0034】
このように、ドライブレコーダ33は、車両31が稼働状態である場合に、イグニッション電圧Vigおよび録画指令信号Srを受けることで、録画動作を実行する。また、ドライブレコーダ33は、車両31が休止状態またはアクセサリ動作状態である場合には、車両31からのイグニッション電圧Vigおよび録画指令信号Srが入力されないため、車両31からの指令に基づく録画動作は実行しない。
【0035】
[1-4.ドライブレコーダ制御装置]
図1に示すように、ドライブレコーダ制御装置1は、制御部11、時間カウント部13、位置情報検出部15、衝撃検出部17、分岐通信経路19、電源切替部21、通信切替部23を備える。
【0036】
制御部11は、演算部11a(以下、CPU11aともいう)と、メモリ11bと、を備える。CPU11aは、コンピュータプログラムに従って各種の処理を実行することにより、ドライブレコーダ制御装置1の各部を制御するように構成されている。CPU11aは、メモリ11bからコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。
【0037】
メモリ11bは、CPU11aが実行するためのコンピュータプログラムを含む各種情報を記憶している。メモリ11bは、RAM、ROM、及びフラッシュメモリを備えてもよい。ROMは、コンピュータプログラムを記憶する。RAMは、コンピュータプログラムに従う処理実行時に作業領域として使用される。フラッシュメモリは、設定データや映像データ等の各種データを記憶するために使用される。
【0038】
時間カウント部13は、第1通信経路35を介して車両31から現在の時刻情報を受信するように構成されている。時刻情報は、年・月・日・時・分・秒の各情報を含んでいる。エンジンが起動して車両31が稼働状態である場合には、ドライブレコーダ制御装置1は、時間カウント部13が受信した時刻情報に基づき、制御部11が実行する各種の処理で利用される経過時間や現在時刻などの情報を判定するように構成されている。エンジンが停止して車両31が休止状態になると、時間カウント部13は、最後に受信した時刻情報を基準として経過時間をカウントすることで、ドライブレコーダ制御装置1の内部での経過時間や現在時刻などを判定するように構成されている。時間カウント部13は、例えば、車両31が休止状態であるときに後述の衝撃検出部17が衝撃を検出すると、そのときの現在時刻に関する情報を制御部11に通知する。
【0039】
位置情報検出部15は、ドライブレコーダ制御装置1の現在位置を記録するように構成されている。位置情報検出部15は、例えば、エンジンが起動して車両31が稼働状態である場合には、第1通信経路35を介してGPS衛星から受信した衛星信号に基づき、現在位置を記録するように構成される。なお、衛星信号は、現在位置に関する情報(以下、位置情報ともいう)を含んでいる。エンジンが停止して車両31が休止状態になると、位置情報検出部15は、最後に記録された現在位置の情報を保持する。位置情報検出部15は、例えば、車両31が休止状態であるときに後述の衝撃検出部17が衝撃を検出すると、最後に記録された現在位置の情報を制御部11に送信する。
【0040】
衝撃検出部17は、車両31に生じた衝撃の大きさを検出するように構成されている。詳細には、衝撃検出部17は、衝撃検出部17に生じた加速度G1を検出して、その検出結果が反映された検出信号を制御部11に送信するように構成されている。衝撃検出部17は、加速度センサを備えてもよい。制御部11は、衝撃検出部17から受信した加速度G1の検出信号に基づき、車両31の衝撃を検知する。
【0041】
分岐通信経路19は、所定の通信プロトコルに基づいて各種情報を送受信するための通信経路である。分岐通信経路19は、第2通信経路43と同じ通信プロトコルに基づく通信経路である。分岐通信経路19は、制御部11と通信切替部23とを接続している。分岐通信経路19は、通信切替部23を介して、第1通信経路35および第2通信経路43と接続できるように構成されている。
【0042】
電源切替部21は、駆動電力経路45を介してドライブレコーダ33と電気的に接続されている。電源切替部21は、常時電源経路37と、イグニッション電源経路39と、駆動電力経路45と、の接続状態を切り替えるように構成されている。電源切替部21は、制御部11からの電源切替信号S1に基づき、駆動電力経路45の接続先を、常時電源経路37またはイグニッション電源経路39に切り替えるように構成されている。
【0043】
つまり、電源切替部21は、ドライブレコーダ33と接続されて、ドライブレコーダ33に駆動電力としてのイグニッション電圧Vigまたはバッテリ電圧Vbを出力するように構成されている。
【0044】
なお、電源切替部21は、外部装置からの指令(換言すれば、制御部11からの電源切替信号S1)が入力されていない場合には、駆動電力経路45をイグニッション電源経路39に接続するように構成されている。
【0045】
通信切替部23は、第2通信経路43を介してドライブレコーダ33と接続されている。通信切替部23は、分岐通信経路19と、第1通信経路35と、第2通信経路43と、の接続状態を切り替えるように構成されている。詳細には、通信切替部23は、制御部11からの通信切替信号S2に基づき、分岐通信経路19、第1通信経路35、第2通信経路43の接続状態を、第1接続状態または第2接続状態に切り替えるように構成されている。
【0046】
第1接続状態は、分岐通信経路19、第1通信経路35、第2通信経路43のそれぞれが相互に接続された状態である。第1接続状態の場合、ドライブレコーダ制御装置1、車両31、ドライブレコーダ33は、それぞれが相互に信号を送受信できる。第2接続状態は、分岐通信経路19と第2通信経路43とが接続されているが、第1通信経路35が分岐通信経路19および第2通信経路43のいずれにも接続されていない状態である。第2接続状態の場合、ドライブレコーダ制御装置1とドライブレコーダ33とは相互に信号を送受信できるが、車両31は、ドライブレコーダ制御装置1およびドライブレコーダ33のいずれとも信号を送受信できない。
【0047】
つまり、通信切替部23は、制御部11からの通信切替信号S2に基づき、車両31、ドライブレコーダ33、ドライブレコーダ制御装置1の相互の接続状態を変更できるように構成されている。接続状態には、「車両31、ドライブレコーダ33、ドライブレコーダ制御装置1のそれぞれが相互に信号を送受信できる接続状態」が含まれる。接続状態には、「車両31とドライブレコーダ33との間では信号の送受信はできないが、ドライブレコーダ33とドライブレコーダ制御装置1との間では相互に信号を送受信できる接続状態」が含まれる。
【0048】
なお、通信切替部23は、外部装置からの指令(換言すれば、制御部11からの通信切替信号S2)が入力されていない場合には、分岐通信経路19、第1通信経路35、第2通信経路43の接続状態が第1接続状態となるように構成されている。
【0049】
このようなドライブレコーダ制御装置1は、車両31が休止状態である場合に、車両31に代わり、ドライブレコーダ33に対する電力供給と、ドライブレコーダ33への信号送信と、を実行できる。
【0050】
[1-5.車両種別判定処理]
ドライブレコーダ制御装置1は、制御部11が各種の処理を実行するように構成されている。制御部11は、少なくとも、車両種別判定処理、状態監視処理、録画実行処理を実行する。
【0051】
制御部11は、ドライブレコーダ制御装置1が車両31およびドライブレコーダ33と物理的に接続された後、初回起動時に1回だけ、車両種別判定処理を実行する。
図2に示すように、制御部11は、車両種別判定処理を開始すると、まずS110(Sはステップを表す)では、初回動作が完了したか判定し、肯定判定するとS120に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行することで待機する。初回動作の完了とは、ドライブレコーダ制御装置1への電源投入時におけるLEDおよびブザーの動作確認が完了したこと、を意味している。つまり、制御部11は、LEDおよびブザーの動作確認が完了した場合に肯定判定し、LEDおよびブザーの動作確認が未完了である場合には否定判定する。
【0052】
制御部11は、S120では、ドライブレコーダ制御装置1に備えられている全てのLED(図示省略)を消灯する。なお、ドライブレコーダ制御装置1は、使用者に対して情報を報知するための複数のLEDを備えている。複数のLEDは、点灯状態に応じて各種状態を報知するように構成されている。各種状態は、例えば、ドライブレコーダ制御装置1の起動状態あるいは休止状態、ドライブレコーダ制御装置1の異常の有無、車両31との通信状態、ドライブレコーダ33との通信状態、などが含まれる。
【0053】
制御部11は、S130では、車両31が稼働状態(換言すれば、IG-ON状態)であるか判定し、肯定判定するとS140に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行することで待機する。このとき、制御部11は、車両31がイグニッション電圧Vigを出力しているか否かに基づき、車両31が稼働状態であるのか判定してもよい。
【0054】
制御部11は、S140では、車両31の種類を判別する。このとき、制御部11は、車両31が第1通信経路35を介してドライブレコーダ33へ出力する信号の内容に基づいて、車両31の種類を判別してもよい。あるいは、制御部11から車両31に対して種別の問い合わせを行い、返信された内容に基づいて車両31の種類を判別してもよい。
【0055】
また、制御部11は、車両31とドライブレコーダ33との間でやりとりされる通信データに基づいて、通信プロトコルの種類を特定する。これにより、ドライブレコーダ制御装置1は、車両31の種類およびドライブレコーダ33の種類に応じた適切な通信プロトコルに基づいて、ドライブレコーダ33との通信を実行できる。
【0056】
このとき、制御部11は、この後、制御部11からドライブレコーダ33へ出力する信号に関して、車両31がドライブレコーダ33へ出力する信号を模擬した模擬信号となるように、信号形式を設定する。このように信号形式を設定することで、制御部11は、車両31に代わり、各種信号をドライブレコーダ33に出力できる。制御部11は、例えば、車両31の録画指令信号Srを模擬した模擬録画指令信号Sirを出力できる。このときの模擬録画指令信号Sirは、車両31の種類に対応する録画指令信号Srを模擬した指令信号である。
【0057】
制御部11は、S150では、車両31が稼働状態(換言すれば、IG-ON状態)であるか判定し、肯定判定するとS140に移行し、否定判定すると車両種別判定処理を終了する。S150での判定方法は、S130での判定方法と同様である。
【0058】
制御部11は、S160では、車両31とドライブレコーダ33との間で送受信される信号を受信する。このとき、制御部11は、信号を受信するのみであり、信号を送信することはしない。
【0059】
制御部11は、S160を終了すると、再びS150に移行する。
このように、制御部11は、ドライブレコーダ制御装置1が車両31およびドライブレコーダ33と物理的に接続された後、車両31が稼働状態になると、車両種別判定処理を実行することで、接続された車両31の種類を判別するように構成されている。その後、車両31が休止状態になると、制御部11は、車両種別判定処理を終了する。
【0060】
これにより、ドライブレコーダ制御装置1は、接続された車両31の種類に応じて適切な模擬録画指令信号Sirを出力できるとともに、車両31に代わりドライブレコーダ33の録画動作を実行させることができる。また、ドライブレコーダ制御装置1は、車両種別判定処理を実行することで、接続された車両31の種類に応じて模擬録画指令信号Sirの形式を変更できるため、複数種類の車両31のそれぞれにおいてドライブレコーダ33の録画動作を実現できる。
【0061】
[1-6.状態監視処理]
制御部11は、車両31が稼働状態から休止状態に移行すると、状態監視処理を実行する。
【0062】
図3に示すように、制御部11は、状態監視処理を開始すると、まずS210では、初期化動作を行う。初期化動作は、状態監視処理で使用する各種の変数および各種のフラグなどについて、それぞれ初期値および初期状態を設定する。
【0063】
制御部11は、S220では、車両31に異常が発生しているか判定する。このとき、制御部11は、衝撃検出部17で検出された加速度G1の大きさと、予め定められた判定閾値Gthと、を比較する。制御部11は、加速度G1の大きさが判定閾値Gthを上回る場合に、異常が発生したと判定し、衝撃検知フラグFaをセット状態に設定する。制御部11は、加速度G1の大きさが判定閾値Gthを上回らない場合に、異常が発生していないと判定し、衝撃検知フラグFaをリセット状態に設定する。
【0064】
判定閾値Gthは、車両31の異常時に生じる衝撃の大きさに応じて値が定められている。本実施形態では、判定閾値Gthは、車両31の異常時に生じる衝撃の大きさのうち最小値が設定されている。
【0065】
制御部11は、S230では、車両31のバッテリ電圧Vbが低電圧であるか監視し、バッテリ電圧Vbが低電圧でない場合には、次のステップに移行し、バッテリ電圧Vbが低電圧である場合には、状態監視処理を強制的に終了する。制御部11は、電圧判定処理で更新された低電圧フラグFbに基づき、バッテリ電圧Vbが低電圧であるか判定する。制御部11は、低電圧フラグFbがセット状態の場合には、バッテリ電圧Vbが低電圧であると判定し、低電圧フラグFbがリセット状態の場合には、バッテリ電圧Vbが低電圧ではないと判定する。
【0066】
なお、制御部11は、状態監視処理とは別に、電圧判定周期Tbごとに、電圧判定処理を繰り返し実行している。制御部11は、電圧判定処理では、まず、バッテリ電圧Vbの電圧値と、予め定められた低電圧閾値Vthと、を比較する。制御部11は、バッテリ電圧Vbの電圧値が低電圧閾値Vthを下回る場合に、低電圧連続回数Caを1加算し、バッテリ電圧Vbの電圧値が低電圧閾値Vthを下回らない場合に、低電圧連続回数Caに0を設定してリセットする。次に、制御部11は、低電圧連続回数Caと予め定められた緊急停止閾値Cthとを比較する。制御部11は、低電圧連続回数Caが緊急停止閾値Cthに達しない場合には、低電圧フラグFbをリセット状態に設定し、低電圧連続回数Caが緊急停止閾値Cthに達した場合には、低電圧フラグFbをセット状態に設定する。電圧判定周期Tbは、例えば、10[sec]であってもよい。緊急停止閾値Cthは、例えば、3回であってもよい。
【0067】
このように、制御部11は、バッテリ電圧Vbが低電圧である場合には、状態監視処理を強制的に終了することで、車両31の車載電源装置からの放電量を低減し、車載電源装置が過放電状態になるのを抑制できる。
【0068】
制御部11は、S240では、ドライブレコーダ制御装置1の温度を監視する。ドライブレコーダ制御装置1は、図示しない温度センサを備えている。制御部11は、温度センサが検出した検出温度Tcが、予め定められた正常範囲に含まれる場合には、温度正常と判定して、温度異常フラグFtをリセット状態に設定する。制御部11は、検出温度Tcが正常範囲を逸脱している場合には、温度異常であると判定して、温度異常フラグFtをセット状態に設定する。
【0069】
制御部11は、S250では、LEDの点灯状態が、状態監視処理の実行中であることを示す状態となるように、LEDを制御する。
制御部11は、S260では、車両31が稼働状態(IG-ON状態)であるのか確認して、稼働状態である場合には稼働状態フラグFigをセット状態に設定し、稼働状態でない場合には稼働状態フラグFigをリセット状態に設定する。
【0070】
制御部11は、S270では、各フラグの状態をチェックして、チェック結果に応じたステップに移行する。稼働状態フラグFigがセット状態の場合には、S280に移行する。衝撃検知フラグFaがセット状態の場合には、S290に移行する。その他の場合には、再びS220に移行する。
【0071】
制御部11は、S280では、制御部11をアイドル状態に移行する。アイドル状態は、処理を実行していない待機状態に相当する。制御部11は、S290では、録画実行処理を実行する。録画実行処理については、後述する。
【0072】
なお、制御部11は、S270において、衝撃検知フラグFaがリセット状態の場合には、「その他」と判断して、録画実行処理を実行しない。この結果、制御部11は、駆動電力経路45の接続先がイグニッション電源経路39となるように、電源切替部21を制御する状態を維持する。同様に、制御部11は、分岐通信経路19、第1通信経路35、第2通信経路43の接続状態が第1接続状態になるように、通信切替部23を制御する状態を維持する。
【0073】
このように、制御部11は、状態監視処理において、S220からS270までの処理を繰り返し実行しているときに、稼働状態フラグFigがセット状態になると、アイドル状態に移行し(S280)、状態監視処理を終了する。その後、制御部11は、車両31が稼働状態から休止状態に移行すると、再び、状態監視処理を実行する。
【0074】
また、制御部11は、状態監視処理において、S220からS270までの処理を繰り返し実行しているときに、衝撃検知フラグFaがセット状態になると、録画実行処理を実行し(S290)、状態監視処理を終了する。その後、制御部11は、録画実行処理が終了すると、再び、状態監視処理を実行する。
【0075】
さらに、制御部11は、状態監視処理の実行中に、バッテリ電圧Vbが低電圧である場合には、状態監視処理を強制的に終了する。
[1-7.録画実行処理]
制御部11は、状態監視処理でS280に移行すると、録画実行処理を実行する。
【0076】
図4に示すように、制御部11は、録画実行処理を開始すると、S410では、電源切替部21および通信切替部23をそれぞれ所定の状態に切り替える制御を実行する。制御部11は、駆動電力経路45の接続先が常時電源経路37となるように、電源切替部21を制御する。制御部11は、分岐通信経路19、第1通信経路35、第2通信経路43の接続状態が第2接続状態になるように、通信切替部23を制御する。
【0077】
この結果、ドライブレコーダ制御装置1は、ドライブレコーダ33にバッテリ電圧Vbを出力する。また、ドライブレコーダ制御装置1は、ドライブレコーダ33との間で信号の送受信が可能となる。
【0078】
制御部11は、S420では、時間カウント部13を利用して、経過時間Tpのカウントを開始する。このとき、制御部11は、電源切替部21および通信切替部23をそれぞれ所定の状態に制御した時点からの経過時間Tpを計測する。
【0079】
制御部11は、S430では、予め定められた録画時間Trが経過したか判定し、肯定判定するとS450に移行し、否定判定するとS440に移行する。制御部11は、経過時間Tpと録画時間Trとを比較して、録画時間Trが経過したか判定する。録画時間Trは、例えば、1[min]が設定されてもよい。
【0080】
制御部11は、S440では、録画指令信号Srを模擬した模擬録画指令信号Sirをドライブレコーダ33へ送信する。この結果、ドライブレコーダ33は、車両31からのイグニッション電圧Vigおよび録画指令信号Srの代わりに、ドライブレコーダ制御装置1からのバッテリ電圧Vbおよび模擬録画指令信号Sirを受ける状態となり、録画動作を実行する。これにより、休止状態の車両31において、ドライブレコーダ33による録画が可能となる。
【0081】
制御部11は、S450では、ドライブレコーダ33への模擬録画指令信号Sirの送信を停止する。この結果、ドライブレコーダ33は、録画動作を停止する。これにより、休止状態の車両31において、ドライブレコーダ33による録画時間Trにわたる録画動作が完了する。
【0082】
制御部11は、S460では、電源切替部21および通信切替部23をそれぞれ所定の状態に切り替える制御を実行する。制御部11は、駆動電力経路45の接続先がイグニッション電源経路39となるように、電源切替部21を制御する。制御部11は、分岐通信経路19、第1通信経路35、第2通信経路43の接続状態が第1接続状態になるように、通信切替部23を制御する。
【0083】
制御部11は、S460を完了すると、録画実行処理を終了する。つまり、制御部11は、録画実行処理を実行することで、録画時間Trにわたり、ドライブレコーダ33に録画動作を実行させる。
【0084】
録画実行処理が終了したあと、車両31が稼働状態になると、ドライブレコーダ33に対して車両31からのイグニッション電圧Vigが出力されるとともに、ドライブレコーダ33と車両31との間で信号の送受信が可能となる。
【0085】
[1-8.効果]
以上説明したように、ドライブレコーダ制御装置1において、制御部11は、車両31が休止状態であるときに、車両31に生じた衝撃の大きさに基づいて車両31の異常を検出するように構成されている。
【0086】
制御部11は、車両31の異常を検出した場合には(衝撃検知フラグFa:セット状態)、録画時間Trにわたりバッテリ電圧Vbおよび模擬録画指令信号Sirを出力するように、電源切替部21および通信切替部23を制御する(S290)。
【0087】
制御部11は、異常を検出しない場合には(衝撃検知フラグFa:リセット状態)、バッテリ電圧Vbおよび模擬録画指令信号Sirを出力しないように、電源切替部21および通信切替部23を制御する(S270で「その他」の判定)。
【0088】
つまり、ドライブレコーダ制御装置1は、車両31が休止状態であるときに、車両31の異常を検出した場合には、バッテリ電圧Vbおよび模擬録画指令信号Sirを出力する。ドライブレコーダ制御装置1は、イグニッション電圧Vigおよび録画指令信号Srを受けることで録画動作を実行するドライブレコーダ33を、車両31が休止状態であるときに録画動作させることができる。
【0089】
よって、ドライブレコーダ制御装置1は、電力供給のみでは録画動作を実行できないドライブレコーダ33であっても、車両31が休止状態であるときに録画動作を実行させることができる。
【0090】
次に、制御部11は、加速度G1の大きさが判定閾値Gthを上回る場合に、異常を検出したと判定している。これにより、車両31の異常には該当しない微弱な衝撃が発生した場合には、制御部11は異常を検出しないため、誤判定を抑制できる。
【0091】
次に、制御部11は、バッテリ電圧Vbの電圧値と低電圧閾値Vthとの比較判定を繰り返し実行し、低電圧連続回数Caが緊急停止閾値Cthに達した場合には、状態監視処理を強制的に終了する。これにより、ドライブレコーダ制御装置1は、車両31の車載電源装置からの放電量を低減し、車載電源装置が過放電状態になるのを抑制できる。
【0092】
次に、制御部11は、バッテリ電圧Vbの電圧値と低電圧閾値Vthとの比較判定を繰り返し実行し、低電圧連続回数Caが緊急停止閾値Cthに達した場合には、状態監視処理を強制的に終了する。つまり、制御部11は、バッテリ電圧Vbの電圧値の大きさが低電圧閾値Vthよりも小さい場合には、ドライブレコーダ33へのバッテリ電圧Vbおよび模擬録画指令信号Sirの出力を停止する。
【0093】
これにより、ドライブレコーダ制御装置1は、バッテリ電圧Vbが低電圧である場合には、ドライブレコーダ33およびドライブレコーダ制御装置1での電力消費量を低減できる。よって、ドライブレコーダ制御装置1によれば、バッテリ電圧Vbが低電圧である場合には、車両31の車載電源装置からの放電量を低減し、車載電源装置が過放電状態になるのを抑制できる。
【0094】
[1-9.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
制御部11は、本開示における録画制御部の一例に相当し、電源切替部21は、本開示における電力出力部の一例に相当し、制御部11および通信切替部23は、本開示における指令出力部の一例に相当する。バッテリ電圧Vbは、本開示における駆動電力の一例に相当し、模擬録画指令信号Sirは、本開示における模擬録画指令の一例に相当する。加速度G1の大きさは、本開示における衝撃の大きさの一例に相当する。
【0095】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0096】
(a)上記実施形態では、ドライブレコーダ33が、録画指令として録画指令信号Srを受けることで、録画動作を実行するように構成されているが、本開示のドライブレコーダ制御装置が制御するドライブレコーダは、このような構成に限られることはない。例えば、ドライブレコーダは、録画指令としてイグニッションON信号を受けることで、録画動作を実行するように構成であってもよい。イグニッションON信号は、車両が稼働状態の場合に車両が出力する信号であって、予め定められた電圧値の信号である。この場合の電圧値は、車載電源装置が出力するバッテリ電圧Vbの大きさよりも小さい電圧値であってもよい。
【0097】
ドライブレコーダ制御装置は、このようなドライブレコーダを制御する場合には、イグニッションON信号を模擬した模擬録画指令信号を出力するように構成してもよい。このように、ドライブレコーダ制御装置は、ドライブレコーダの録画指令の形式に応じた模擬録画指令を出力することで、複数種類のドライブレコーダを制御できるように構成してもよい。
【0098】
(b)上記実施形態では、制御部11がS220での判定に用いる判定閾値Gthは固定値であったが、本開示のドライブレコーダ制御装置は、このような構成に限られることはない。例えば、制御部11は、使用者の操作によって判定閾値Gthを変更できるように構成されてもよい。このようなドライブレコーダ制御装置によれば、使用者は判定閾値Gthを任意の値を設定することができるため、判定閾値Gthを使用環境に応じた値に変更することができる。
【0099】
(c)上記実施形態では、制御部11は、低電圧連続回数Caが緊急停止閾値Cthに達した場合、状態監視処理を強制的に終了するように構成されているが、本開示のドライブレコーダ制御装置は、このような構成に限られることはない。例えば、制御部11は、低電圧連続回数Caをカウントすることなく、バッテリ電圧Vbの電圧値が低電圧閾値Vthを下回る場合に、直ちに状態監視処理を強制的に終了するように構成されてもよい。つまり、制御部11は、バッテリ電圧Vbの電圧値が低電圧閾値Vthを下回る場合に、駆動電力および模擬録画指令の出力を停止するように構成されてもよい。
【0100】
これにより、ドライブレコーダ制御装置1は、バッテリ電圧Vbが低電圧である場合に、迅速に、ドライブレコーダ33およびドライブレコーダ制御装置1での電力消費量を低減できる。
【0101】
(d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0102】
1…ドライブレコーダ制御装置、11…制御部、11a…演算部(CPU)、11b…メモリ、13…時間カウント部、15…位置情報検出部、17…衝撃検出部、19…分岐通信経路、21…電源切替部、23…通信切替部、31…車両、33…ドライブレコーダ、35…第1通信経路、37…常時電源経路、39…イグニッション電源経路、43…第2通信経路、45…駆動電力経路。
図1
図2
図3
図4