(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136054
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240927BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047010
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌弘
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB03
5L049CC34
5L050CC34
5L055BB03
(57)【要約】
【課題】学校行事などの現金集金をキャッシュレス集金に切り換えることができるサービスを提供する。
【解決手段】集金を処理する情報処理システム1であって、1つ以上の口座使用枠を含み、集金用であって使用期限付きの仮口座の設定申請を集金元から受け付ける設定申請受付部と、設定申請に基づいて仮口座を設定する仮口座設定部と、1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに集金元によって採番された仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、集金先ごとに特定の仮口座番号、集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する集金情報構築部と、集金情報を集金先に送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集金を処理する情報処理システムであって、
1つ以上の口座使用枠を含み、集金用であって使用期限付きの仮口座の設定申請を集金元から受け付ける設定申請受付部と、
前記設定申請に基づいて前記仮口座を設定する仮口座設定部と、
前記1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに前記集金元によって採番された前記仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、前記集金先ごとに、前記特定の仮口座番号、前記集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する集金情報構築部と、
前記集金情報を前記集金先に送信する送信部と、を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記1つ以上の口座使用枠が複数の口座使用枠であり、前記複数の口座使用枠は、前記集金元に対し貸与可能である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記集金情報は、前記集金先ごとに付与された集金先コードを更に含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記特定の仮口座番号に係る前記仮口座は、所定条件が充たされた場合に、あらかじめ設定された送金先に残高が移動されることにより、閉鎖又は解放され、
前記所定条件は、前記使用期限若しくは前記入金期日が到来すること、又は残高が集金の予定合計額を達成することで充たされる、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記集金額は、法定通貨、暗号資産及び仮想ポイントのいずれか1つによって入金可能であり、前記集金額が暗号資産又は仮想ポイントで入金される場合、法定通貨への振替予約がなされ、
前記特定の仮口座番号に係る前記仮口座が閉鎖又は解放されると前記振替予約が確定し、暗号資産又は仮想ポイントに相当する法定通貨を前記集金先の実口座から引き落とすように前記集金元へ通知する振替通知部を更に備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記集金先が前記特定の仮口座番号に係る前記仮口座に前記集金額を入金した際、その時点における未集金者数に応じて、入金した前記集金先に対して集金ポイントを付与する集金ポイント付与部を更に備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
集金を処理する情報処理方法であって、
1つ以上の口座使用枠を含み、集金用であって使用期限付きの仮口座の設定申請を集金元から受け付ける受付ステップと、
前記設定申請に基づいて前記仮口座を設定する仮口座設定ステップと、
前記1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに前記集金元によって採番された前記仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、前記集金先ごとに、前記特定の仮口座番号、前記集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する集金情報構築ステップと、
前記集金情報を前記集金先に送信する送信ステップと、を備える、情報処理方法。
【請求項8】
集金を処理する情報処理プログラムであって、
請求項7に記載の各ステップをコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、少額でも実行可能なキャッシュレス決済が普及しているが、この決済は、法人-個人間、個人-個人間でのやりとりとなり、例えば、学校のイベントのクラス会やPTA活動、クラブ活動などにおいて、代表者又は幹事が、構成員の母集団から会費の集金にキャッシュレス決済を適用することは難しく、昔ながらの現金集金に頼っているのが現状である。現金集金の場合、代表者等が各家庭への集金額を連絡し、各家庭から現金を茶封筒にいれて、子供が学校やクラブに持参するのが一般的である。
【0003】
このような学校のイベントにおける集金については、例えば、学校において教材費や給食費等の徴収金管理に使用することができ、更に徴収計画の立案や徴収計画に基づく生徒個別の徴収月額の算出を容易に行える学校における徴収金管理システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来技術では、特定口座への入金をすることも可能であるが、その都度の口座設定や、誰がいくら入金したのかの管理も難しく、振込元も口座名義人だったり、振込名目もまちまちであったりするため、振込個人の特定が難しいという問題がある。より具体的にいうと、クラスやクラブ費用は、個人立替ではなく、公の集金であるため、個人口座の使用は適切ではなく、代表者等もその都度変わるので、特定の固定口座も作りにくい。さらに、集金の対象となる母集団は同じであるものの、子供の名前と親の名義を正確に対応させることは必ずしも簡単なことではなく、また、その都度「振込ましたので、確認お願いします」という処理となった場合、代表者等には、確認のために相応の負担が発生する。
【0006】
そこで、1つの観点では、本発明は、学校行事などの現金集金をキャッシュレス集金に切り換えることできるサービスを提供することを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの観点では、本発明は、集金を処理する情報処理システムであって、1つ以上の口座使用枠を含み、集金用であって使用期限付きの仮口座の設定申請を集金元から受け付ける設定申請受付部と、前記設定申請に基づいて前記仮口座を設定する仮口座設定部と、前記1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに前記集金元によって採番された前記仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、前記集金先ごとに、前記特定の仮口座番号、前記集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する集金情報構築部と、前記集金情報を前記集金先に送信する送信部と、を備える、情報処理システムを開示する。
【発明の効果】
【0008】
1つの観点では、本発明によれば、学校行事などの現金集金をキャッシュレス集金に切り換えることができるサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による情報処理システムの全体構成の概略図である。
【
図2】キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その1)である。
【
図3】キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その2)である。
【
図4】キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その3)である。
【
図5】キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その4)である。
【
図6】キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その5)である。
【
図7】情報処理システムの動作例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら各実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、一実施形態による情報処理システム1の全体構成の概略図である。
【0012】
情報処理システム1は、以下で説明するキャッシュレス集金サービスを実現するシステムである。キャッシュレス集金サービスは、情報処理システム1を利用するユーザ(後述するイベントへの参加者)が、例えばユーザ端末20から、ネットワーク30を介して、集金サーバ10において所望のサービスを安全に受けることができるサービスである。
【0013】
本実施形態が適用されうるサービス提供機関は、例えば、各種の銀行や保険会社などの金融機関のほか、郵便局を含んでよい。キャッシュレス集金サービスを利用して集金元となる団体としては、幼稚園、小学校、中学校などの各種の教育機関のほか、法人化されていない任意団体、非営利団体(NPO)などを含んでよい。例えば、各種の親睦会、サークル、同窓会などが含まれる。キャッシュレス集金サービスの一例は、後ほど
図2から
図6を参照して、サービス提供機関として銀行を、集金元として小学校を取り上げて説明するが、それぞれの集金元における特性に応じて、合理的な範囲で変形可能である。
【0014】
情報処理システム1は、
図1に示すように、集金サーバ10と、ユーザ端末20とを備えている。
図1において、集金サーバ10を1つ、ユーザ端末20を2つ、それぞれ図示しているが、情報処理システム1は、その具体的な用途において、必要に応じ、集金サーバ10を複数のサーバ装置によって、また、ユーザ端末20を1つ又は3つ以上の端末装置によって構成してもよい。
【0015】
集金サーバ10とユーザ端末20は、互いに、ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0016】
ネットワーク30は、例えば、携帯電話の無線通信網、インターネット、VPN(Virtual Private Network)、WAN(Wide Area Network)、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。
【0017】
ユーザ端末20は、例えばスマートフォンやタブレットであるが、ウェアラブル端末(例えばスマートウォッチ、リング等)、リモコン等であってもよい。また、ユーザ端末20は、携帯型端末である必要はなく、デスクトップタイプやノートタイプのパーソナルコンピュータ等のような固定型端末であってもよい。
【0018】
ユーザ端末20は、通信部21と、処理部22と、入力部23と、表示部24とを備える。通信部21は、ネットワーク30を介して各種通信を行う。処理部22は、ユーザ端末20で実現可能な各種機能を実現するものであり、後述するキャッシュレス集金サービスアプリに係るプログラムを実行することで、以下で説明する各種機能(ユーザ端末20側の機能)を実現する。入力部23は、キャッシュレス集金サービスの遂行に必要なユーザによる入力を受け付ける。表示部24は、処理された各種の情報が出力されるものである。入力部23と表示部24は、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってよく、共用のものとして構成してもよい。
【0019】
ユーザ端末20は、本実施形態に係るアプリケーション(以下、「キャッシュレス集金サービスアプリ」と称する)をインストールしている。以下で説明するユーザ端末20は、キャッシュレス集金サービスアプリが実行されることで実現される。キャッシュレス集金サービスアプリは、キャッシュレス集金サービス用のアプリであり、利用条件として、ユーザ情報(ユーザID)等の登録を必要とされてもよい。以下では、ユーザに対応付けられたユーザ端末20とは、同ユーザに係るユーザIDでログインされたキャッシュレス集金サービスアプリが動作するユーザ端末20を意味する。
【0020】
集金サーバ10は、本実施形態に係るキャッシュレス集金サービスの適用が可能なサービスを提供するサービス提供機関(銀行等)に設置される。集金サーバ10は、集金元の組織のすべてをカバーするように構成してもよいし、組織の構成に応じて、一定のエリア別や、所在位置別、学校であれば学年別又はクラス別に設けるようにしてもよい。集金サーバ10は、例えばサーバコンピュータにより形成される。集金サーバ10は、複数のサーバコンピュータにより実現されてもよい。例えば、集金サーバ10は、互いに異なる場所に配置された複数のサーバコンピュータが協働することで実現されてもよい。
【0021】
キャッシュレス集金サービスの適用が可能なイベントの種類は、任意であるが、好ましくは、所定の前提条件を満たすユーザのみが利用可能なイベントである。例えば、イベントには、小学校の場合、遠足、修学旅行などの校外活動、日常の授業、クラブ活動などが含まれ、それぞれに要する費用には、遠足や修学旅行の参加費、教材費や給食費、クラブ活動の経費などが含まれる。これらの費用は、学校徴収金と呼ばれ、県費及び国費以外の経費で、学校教育活動上必要となる経費として学校において児童生徒及び保護者から徴収する経費であり、児童生徒の個人負担の経費として、公費とともに学校教育活動を支えている。これらの費用は、一時金ベースのものであってもよいし、定期金ベースのものであってもよい。所定の前提条件は、任意であるが、例えば、当該の集金元を利用できる資格、集金元が提供するイベントを利用する資格を有することや、所定の禁止条件を満たさないこと等であってもよい。
【0022】
本実施形態では、前述のとおり、集金元は、各種の教育機関のほか、法人化されていない任意団体、非営利団体(NPO)を含みうるが、以下では、一例として、小学校を取り上げて説明する。また、後記するように、集金先は、集金元である小学校等が開催するイベントに参加する参加者を指しており、小学校のように生徒本人が参加者の場合には、集金先は、その保護者となる。ユーザ端末20には、集金サーバ10との関連において、集金元が使用するユーザ端末20、集金先が使用するユーザ端末20が含まれてよい。
【0023】
集金サーバ10は、キャッシュレス集金サービスに関連した認証を含む集金サービスを行うサーバである。なお、集金サーバ10は、キャッシュレス集金サービス以外のサービス(用途)で利用される認証を行うサーバと兼用であってもよい。
【0024】
ここで、本実施形態におけるキャッシュレス集金サービスについて、
図2から
図6を参照して説明する。
図2から
図6は、それぞれ、キャッシュレス集金サービスのイメージ図である。
【0025】
キャッシュレス集金サービスは、大きく分けて、サービス提供機関(銀行等)において、1つ以上の口座使用枠を含み、集金用であって使用期限付きの仮口座の設定申請を集金元(小学校等)から受け付ける段階、設定申請に基づいて仮口座を設定する段階、1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに集金元によって採番された仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、集金先(小学校のイベントへの参加者等)ごとに、特定の仮口座番号、集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する段階、及び、集金情報を集金先に送信する段階を主に含む。
【0026】
図2は、キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その1)として、1つ以上の口座使用枠を含み、集金用であって使用期限付きの仮口座の設定申請を集金元(小学校等)から受け付ける段階、及び、設定申請に基づいて仮口座を設定する段階を示している。ここでは、小学校(○○小学校)が銀行(BANK)から仮口座の使用枠を100個貸与された例を示している。仮口座の貸与にあたっては、仮口座番号に、利用責任者ID、使用期限、イベント名、参加人数、振込先口座番号などの仮口座データが紐付けられている。利用責任者とは、小学校などの集金元が行うイベントにおいて、当該仮口座に入金された残高を管理する管理責任者(代表者、出納責任者、会計責任者)を指す。
【0027】
なお、
図2では示されていないが、特定の仮口座番号には、集金情報として、集金額(1人あたりの集金額、それに参加人数を乗じた全体の集金額合計)、入金期日などを追加してもよい。入金期日は、仮口座の使用期限と同じ日であってもよいし、使用期限よりも所定の日数前の日(例えば、1週間前の日)であってもよい。
【0028】
ここで、仮口座について、説明する。仮口座は、別名、テンポラリ口座、臨時口座、一時口座などとも呼ばれ、集金用に一時的に使う使用期限付きの口座である(
図2から
図4では、「テンポラリ口座」と呼称している)。使用期限を設定したうえで利用を開始し、所定条件が充たされた場合に、あらかじめ設定された送金先(振込先口座番号)に残高が移動されることにより、閉鎖又は解放される。所定条件は、例えば、当該仮口座の使用期限又は当該集金の入金期日が到来したことや、目的が達せられたとき、すなわち、残高が集金の予定合計額を達成したことで充たされる。ここで、閉鎖とは、当該仮口座を使用不可の状態にすること、解放とは、当該仮口座を他の集金に使用可の状態にすることを指す。なお、仮口座は、通常の預金口座(普通預金口座、定期預金口座)とは異なり利息がつくものではなく、また、当座預金口座のように、小切手や手形による決済に用いられるものでもない。
【0029】
仮口座は、集金元である小学校の使用目的による希望に応じて、必要な数の口座使用枠を貸与される。
図2には、○○小学校側の100個に仮口座が貸与された例を示しているが、この数量はあくまで例示である。
【0030】
特定のイベントのために使用する特定の仮口座番号は、集金元である小学校が従来から用いている番号体系の中で空いている口座番号で管理してもよいが、新しい番号体系で管理してもよい。
図2では、仮口座であることを示す番号として「99」、○○小学校を示す番号として「123」、貸与された仮口座の連番の番号として「001~100」とした場合の例を示している。
【0031】
図3は、キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その2)として、1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに集金元によって採番された仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、集金先(小学校のイベントへの参加者等)ごとに、特定の仮口座番号、集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する段階であって、仮口座の空き状況を確認している状況を示している。特定の集金ごとに集金元によって採番された仮口座における特定の仮口座番号には、それぞれの仮口座データ欄に、入力されたデータが表示されている(
図3では、「***」、「XX」で表示している)。ここでは、仮口座暗号が「99123001~99123006」の6つの仮口座がすでに他のイベントに使用中の場合の例を示しており、貸与されている100個の仮口座の空き状況を確認した結果、現時点で空いている未使用の最若番の仮口座番号は、「99123007」であることを示す。
【0032】
図4は、キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その3)として、1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに集金元によって採番された仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、集金先(小学校のイベントへの参加者等)ごとに、特定の仮口座番号、集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する段階であって、特定のイベントの発生に基づき、仮口座番号に関連付けて構築された集金情報を特定のイベントの参加者へ提供する状況を示している。この段階で、特定のイベント用に採番された仮口座番号「99123007」に、具体的な利用責任者ID、使用期限、イベント名、参加人数、振込先口座番号などの仮口座データが紐付けられる。
【0033】
ここでは、例として、未使用の最若番の仮口座番号「99123007」を使って、以下の必要事項が入力されている。振込先口座番号は、例えば、イベントの実行にあたって必要となる交通費などの実費の振込先である。
・利用責任者ID:5年2組の担任先生のID「ABCDE」
・使用期限 :2023年4月20日
・イベント名 :5年2組「春の遠足」
・参加人数 :40人(5年2組の人数)
・振込先口座番号:A銀行B支店12345678(徴収後の振込先口座番号)
【0034】
そして、集金サーバ10は、このようにして作成された集金情報を、集金先である参加者のユーザ端末20に送信し、集金を開始する。なお、小学校のような場合、イベントである「春の遠足」に参加する本人は生徒であるが、参加費を入金する者はその保護者である。本明細書において、参加者というとき、前後の記載から合理的に判断して、「生徒本人」又は「保護者」のいずれかを指している。
【0035】
図5は、キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その4)として、特定のイベントの参加費について、参加者から仮口座番号への入金を受け付ける段階を示しており、ここでは、例として、参加者Aと参加者Zが入金した場合を示している。参加者は、振込人として、仮口座「99123007」に参加費を個々に振り込むが、入金された参加費と振込人としての参加者の照合が必要でないようなケースでは、仮口座「99123007」に振り込まれた参加費の残高を1人当たりの参加費によって除算することで、入金済/未入金の人数を把握することとなる。参加者(振込人)別の入金済/未入金は、利用責任者の責任で、振込の際の名義人を参加者リストと照合することとなる。
【0036】
一方、振込の際の名義人と参加者リストとの照合、すなわち、入金照合を効率的かつ正確に行う必要がある場合には、参加者(振込人)別に、集金先コードとして仮想口座番号を割り振ってもよい。
図5では、参加者(振込人)別の仮想口座番号として、「99123007-01~40」のように仮口座番号に枝番を付した例を示している。このようにして、参加者(振込人)別に仮想口座番号に入金することで、入金照合が集金サーバ10側で自動的に行われることとなり、利用責任者に係る負担を大幅に軽減できる。利用責任者は、自らのユーザ端末20を介して、この入金照合の結果を見ることができる。
【0037】
図6は、キャッシュレス集金サービスのイメージ図(その5)として、参加者から仮口座番号への入金を受け付ける段階において、参加者(振込人)からの入金状況を照合する態様の一例を示している。
図6は、
図5と同じく、参加者(振込人)別に仮想口座番号を割り振った場合の例を示しており、仮口座の使用期限である4月20日の5日前に入金状況を確認した場合の例を示す。ここでは、参加者人数40名のうち、例えば、Aさん、Mさん、Zさんのような入金済の参加者(振込人)が30名、Bさん、Nさん、Wさんのような未入金の参加者(振込人)が10名となっている。参加者(振込人)別の仮想口座番号を割り振っていると、前者の30名については、入金に伴う消込を容易に行うことができる。
図5では、消込した仮想口座番号を網掛け表示している。これによって、利用責任者は、入金済/未入金の区別を一目瞭然に把握することができる。
【0038】
前述のとおり、仮口座の使用期限又は集金の入金期日が到来したことや、残高が集金の予定合計額を達成したことで所定条件が充たされた場合に、あらかじめ設定された送金先(振込先口座番号)に残高が移動されることにより、仮口座は、閉鎖又は解放される。使用期限が到来して解放された仮口座は、他のイベントの集金に「使いまわし」が可能とされてもよく、その都度、仮口座を貸与したサービス提供機関(銀行等)側での管理は不要とする。
【0039】
仮口座を閉鎖又は解放した時点で未入金の参加者については、入金照合の結果を受け、個別に徴求する。
【0040】
なお、既知の被振込専用口座では、振込があると、その都度、指定されている振込先口座番号に振り込まれることが一般的であるが、本実施形態に係る情報処理システム1では、個々の参加者からの入金がある都度に仮口座から徴収後の振込先口座番号へ振り込むことはせず、前述のとおり、仮口座の使用期限が到来するなどの所定条件が充たされたときに、まとめて振り込むようにする。
【0041】
キャッシュレス集金サービスの基本的な態様は以上であるが、更に、次のように、構成してもよい。
【0042】
例えば、集金情報を集金サーバ10からユーザ端末20に送信するにあたって、仮口座番号、参加者及び参加費を紐づけて登録し、参加者別の二次元コード(例えば、「QRコード(登録商標)」)を作成し、各参加者にそれぞれの二次元コードを送信して連携するようにしてよい。また、
図5に示したように、参加者別に集金先コードとして仮想口座番号を付与した場合には、仮口座番号に代えて又は加えて、参加者別の仮想口座番号を紐づけてもよい。集金情報の連絡をユーザ端末20に受けた参加者は二次元コードを読み込み、仮口座へ入金することとなる。
【0043】
また、例えば、現実世界で使われている法定通貨に代えて、暗号資産や仮想ポイントによって入金可能としてもよく、法定通貨、暗号資産及び仮想ポイントのいずれか1つによって仮口座を運営してもよい。これは、法定通貨で運営した場合、仮口座に対して口座手数料が発生する可能性を考慮したものである。この場合、
図2から
図6までの集金管理を暗号資産又は仮想ポイントで実施した場合、使用期限の日の到来など、仮口座を閉鎖又は解放する所定条件が充たされた際に、暗号資産又は仮想ポイントを集計する。そして、仮口座を閉鎖又は解放する際に、確定した暗号資産又は仮想ポイントを入力として、参加者に事前に登録してもらった各々の実口座から引き落とすという、集金代行への仕組みへつなげてもよい。決済のタイミングとしては、即決決済(即時決済)とすることが好ましい。
【0044】
次に、
図1を再度参照して、
図2から
図6で説明した内容を補足しつつ、情報処理システム1を更に説明する。
【0045】
本実施形態では、
図1に示すように、集金サーバ10は、処理部12として、設定申請受付部121、仮口座設定部122、集金情報構築部123、送信部124、振替通知部125、集金ポイント付与部126を、記憶部13として、イベント情報記憶部131、集金情報記憶部132、参加者情報記憶部133を含む。なお、処理部12の各部は、サーバコンピュータのCPUがプログラムを実行することで、実現できる。また、記憶部13は、サーバコンピュータの記憶装置により実現できる。
【0046】
まず、記憶部13について説明する。イベント情報記憶部131は、集金元である小学校等の年間のイベント情報(遠足、修学旅行などの校外活動、日常の授業、クラブ活動など)についてのデータベースである。集金情報記憶部132は、イベント情報に関連付けられた個人負担の費用に係る集金情報(参加費、教材費や給食費、クラブ活動の経費などの実費についての集金額及び入金期日など)についえのデータベースである。参加者情報記憶部133は、イベント情報に関連付けられた参加者情報(生徒本人及び保護者の氏名など)についてのデータベースである。
図1では、これらの記憶部13がサービス提供機関(銀行等)の集金サーバ10に含まれる態様を示しているが、記憶部13は、集金元である小学校等に設けられた別個のサーバであってもよい。
【0047】
次に、処理部12について説明する。
【0048】
設定申請受付部121は、1つ以上の口座使用枠を含み、集金用であって使用期限付きの仮口座の設定申請を集金元から受け付ける。集金元(小学校等)は、自らの用途に応じて必要な数だけ口座使用枠の仮口座を設定するよう、集金元を代表する利用責任者のユーザ端末20から設定申請受付部121に設定申請する。前述したように、仮口座は、複数の使用目的に使用すること(使いまわし)が可能であることから、仮口座の口座使用枠の数は、使用頻度を勘案して1つの口座使用枠としてもよいし、同時に複数の使用目的に使用する場合には複数の口座使用枠としてもよい。
【0049】
利用責任者が自らのユーザ端末20にインストロールされたキャッシュレス集金サービスアプリに設けられた専用のユーザインターフェース(図示せず)を利用する場合、利用責任者は、自らの本人確認用の個人情報を、設定申請受付部121に送信できるようにしてよい。また、利用責任者は、自らの本人確認用の個人情報とともに、個別の集金情報を同時に送信してもよい。この場合には、設定申請受付部121は、利用責任者の本人確認用の個人情報と集金情報とを同時に受信でき、利用責任者の本人確認用の個人情報と集金情報との関連付けが容易となる。なお、仮口座の設定申請は、ユーザ端末20を通じてではなく、サービス提供機関(銀行等)と、集金元である小学校等との、別途契約等により行われてもよい。この場合には、利用責任者の本人確認用の個人情報と集金情報とを設定申請受付部121への入力により、各別に関連付ける。
【0050】
個人情報は、eKYC(electronic Know Your Customer)によるオンライン上での電子本人確認や、API(Application Programming Interface)による自己情報取得に基づいて、認証されてよい。APIとは、ソフトウェア同士が情報をやり取りする際に使用されるインターフェースのことであるが、本実施形態では、集金元の利用責任者や集金先の参加者の本人確認を伴うログイン処理及びログアウト処理において、用いてもよい。
【0051】
仮口座設定部122は、設定申請に基づいて仮口座を設定する。集金元(小学校等)より申請された1つ以上の口座使用枠の仮口座が設定されるが、
図2で示したように、例えば、100個の仮口座として、「99123001~99123100」のように連番の仮口座番号が割り振られる。これにより、100個の仮口座を同時に使用できるが、1つ1つの仮口座は「使いまわし」ができることから、仮口座の契約期間を通してみると、最低、のべ100個の仮口座を使用することができることとなる。
【0052】
仮口座は、口座使用枠ごとに仮口座番号が付与される。仮口座番号には、前述のとおり、利用責任者ID、使用期限、イベント名、参加人数、振込先口座番号などの仮口座データが紐付けられる。利用責任者は、集金元である小学校等において、統一的に、その代表者、出納責任者、会計責任者としてもよいし、当該仮口座ごとに、また、集金の都度に、指定されてもよい。例えば、利用責任者は、特定のイベントをあるクラスの「春の遠足」とした場合には、そのクラスの担任の教員/教諭などとしてよい。なお、利用責任者は、固有のIDを付与した上で、イベント情報記憶部131又は集金情報記憶部132にあらかじめ登録して記憶されていてもよい。この場合には、設定申請時に、登録された利用責任者の中から、特定のイベントごとに利用責任者が選択される。
【0053】
仮口座設定部122は、仮口座の設定にあたって、サービス提供機関(銀行等)から、集金元である小学校等に、設定申請のあった口座使用枠の数だけ仮口座を貸与可能である。補足すると、仮口座の属性は貸金庫に類似しており、仮口座では、その残高をサービス提供機関(銀行等)である銀行側では管理しないことによる。仮口座の残高は、集金元の利用責任者が管理する。
【0054】
仮口座設定部122は、集金先ごとに付与された集金先コードを更に含んでもよい。集金先コードは、任意に設定されてもよいが、仮口座番号との関連付けがなされていると、管理の便宜上、好ましい。例えば、
図5及び
図6を参照して前述したように、参加者(振込人)別の集金先コードは、仮口座番号に枝番を付加して、「99123007-01~40」のように仮想口座番号として付与されてよい。このようにして、参加者(振込人)別に仮想口座番号に入金されることにより、入金照合が集金サーバ10側で自動的かつ容易に実行することが可能となる。
【0055】
集金情報構築部123は、1つ以上の口座使用枠のうち、特定の集金ごとに集金元によって採番された仮口座における特定の仮口座番号において、1つ以上の集金先とそれぞれの集金額を紐づけて登録し、集金先ごとに、特定の仮口座番号、集金額及び入金期日を含む集金情報を構築する。
【0056】
集金情報構築部123は、集金元である小学校等から特定のイベントに基づく集金額及び入金期日を含む集金情報から入力されると、仮口座設定部122において紐付けられた仮口座データをもとに、集金情報を関連付ける。また、必要に応じて、仮口座データを更新する。
【0057】
なお、集金情報は、更新された仮口座データと一体として取り扱われてもよい。
【0058】
送信部124は、集金情報を集金先に送信する。集金情報を集金サーバ10からユーザ端末20に送信するにあたっては、前述のとおり、参加者別の二次元コード(例えば、「QRコード(登録商標)」)を作成し、各参加者にそれぞれの二次元コードを送信して連携するようにしてよい。
【0059】
また、前述したように、参加者別に集金先コードとして仮想口座番号を付与した場合には、仮口座番号に代えて又は加えて、二次元コードに参加者別の仮想口座番号を含めてもよい。集金情報の連絡をユーザ端末20に受けた参加者は二次元コードを読み込み、仮口座へ入金することとなる。
【0060】
この送信を受けて、参加者から入金が実行され、仮口座において、所定条件が充たされた場合に、あらかじめ設定された送金先(仮口座データのうちの振込先口座番号)に残高が移動されることにより、当該仮口座は閉鎖又は解放される。所定条件は、使用期限若しくは入金期日が到来すること、又は残高が集金の予定合計額を達成することで充たされる。
【0061】
なお、集金額は、法定通貨、暗号資産及び仮想ポイントのいずれか1つによって実行されてもよいが、集金額が暗号資産又は仮想ポイントで実行される場合、法定通貨への振替予約がなされ、振替通知部は、特定の仮口座番号に係る仮口座が閉鎖又は解放されると振替予約が確定し、暗号資産又は仮想ポイントに相当する法定通貨を集金先の実口座から引き落とすように集金元へ通知する。
【0062】
集金ポイント付与部126は、集金先が特定の仮口座番号に係る仮口座に集金額を入金した際、その時点における未集金者数に応じて、入金した集金先に対して集金ポイントを付与する。本実施形態に係る仮口座は、1つの集金についての処理が終了して解放された後、他の集金に「使いまわし」ができるようになっているが、集金ポイントの付与は、限りある仮口座を使用する回転率を少しでも高め、1つ1つの仮口座の有効活用に資するものである。
【0063】
集金ポイントの付与の態様は任意に設定してよい。例えば、
図4に示したように、集金の対象となる参加者が40人の場合、仮口座への入金順に、1番目に入金した参加者に39ポイント、2番目に入金した参加者に38ポイント、…(中略)…、40番目に入金した参加者に0ポイント、といったように集金ポイントを付与してもよい。入金期日又は使用期限の到来時に、例えば、
図6に示したように、入金した参加者が30人であった場合には、30番目に入金した参加者に10ポイントが付与され、そこでポイント付与は終了する。
【0064】
このほかにも、集金ポイントの付与については、例えば、参加者に入金期日又は使用期限の4週前に集金情報が送信された場合、第1週目に入金した参加者には共通して35ポイント、第2週目に入金した参加者には共通して25ポイント、第3週目に入金した参加者には共通して15ポイント、第4週目に入金した参加者には共通して5ポイントなどとしてもよい。
【0065】
このようにして、集金ポイントの付与は、参加者からの入金を促進することにより、速やかに集金を完了させるためのものである。このことによって入金期日を遵守させるためだけでなく、入金期日よりも前に集金を完了し当該仮口座を解放する効果が期待できる。このことは、仮口座の口座使用枠を集金元の小学校等の運営資源と捉え、必要な時に、その枯渇(口座使用枠の不足)が問題となるという事態を回避するものである。
【0066】
集金ポイントの還元について、説明する。本実施形態に係る集金ポイントは、一般の消費者をリピータとするために付与されるカードポイントや、企業内で行われるポイント制賞与とは、次の点で異なる。すなわち、カードポイントは、不特定多数の消費者に付与されるものであって消費者同士には相互間の関係は存在せず、また、ポイント制賞与は、企業内での成績が反映されるものであって人事評価に基づくものである。これに対し、本実施形態では、集金元である小学校等の参加者(生徒本人及び保護者)という特定多数を対象としており、参加者同士は、小学校、さらには、同じクラスという、濃厚な相互間の関係を有する一方で人事評価の対象となるものではない。
【0067】
そこで、本実施形態では、集金ポイントが学校徴収金の入金のタイミングにかかるものであることから、集金ポイントの還元にあたっては、参加者間で不平不満が生じることがないように考慮する。例えば、集金ポイントは、学校行事に参加する参加者全員の用益に資する物品や経費の一部に充当するように還元してよい。
【0068】
次に、
図7を参照して、情報処理システム1の動作例について説明する。
【0069】
図7は、情報処理システム1の動作例を示すタイミングチャートである。この動作例は、以下で説明する各ステップによって、サービス提供機関(銀行等)においてキャッシュレス集金サービスを処理する情報処理方法、及び、各ステップをコンピュータに実行させる情報処理プログラムとして、実現される。
【0070】
図7には、一のユーザ端末20と、一の集金サーバ10との間の主要な情報のやり取りが概略的に示されている。なお、ここでは、例として、前述した小学校における遠足をイベントとして想定して、一のユーザ端末20及び一の集金サーバ10が協働する場合が示されているが、ユーザ端末20及び集金サーバ10の組み合わせは、イベントの内容に応じて決まる。
【0071】
まず、ステップS100では、集金元の利用責任者は、仮口座を設定するため、自らのユーザ端末20上でキャッシュレス集金サービスアプリを起動する。
【0072】
ついで、ステップS102では、利用責任者は、仮口座の設定申請を集金サーバ10に送信し、集金サーバ10は、仮口座の設定申請を受け付ける(受付ステップ)。なお、すでに設定申請がなされ、仮口座が設定済みの場合は、ステップS102は、設定済みの仮口座使用枠のうち「空き」の状況にある仮口座番号を照会するステップとされてよい。
【0073】
ステップS104では、集金サーバ10は、ユーザ端末20からの設定申請に基づいて、仮口座の設定を、貸与として、行う(仮口座設定ステップ)。なお、すでに設定申請がなされ、仮口座が設定済みの場合は、ステップS104は、設定済みの仮口座使用枠のうち「空き」の状況にある仮口座番号を検索するステップとされてよい。
【0074】
ステップS106では、利用責任者は、特定のイベントに係る集金情報を生成し、自らの本人確認用の個人情報とともに、集金サーバ10に送信する。本人確認用の個人情報及び集金情報の生成方法は、前述したとおりであってよい。
【0075】
ステップS108では、集金サーバ10は、ユーザ端末20から本人確認用の個人情報及び集金情報を受信すると、個別サービスに係る情報IDをベースとして、受信した本人確認用の個人情報及び集金情報に基づいて、仮口座に係る集金情報を構築するとともに(集金情報構築ステップ)、特定のイベントへの参加者に送信する(送信ステップ)。
【0076】
ステップS110では、イベントの参加者は、構築された集金情報を受けて、仮口座に参加費を入金する。なお、ステップS110に対応して、集金サーバ10では、各参加者の入金に伴い、仮口座の残高が累積していく。利用責任者は、いつでも、残高の状況を確認できる。
【0077】
ステップS112では、集金サーバ10は、所定条件として、仮口座の使用期限若しくは参加費の入金期日が到来すること、又は、残高が集金の予定合計額を達成することが充たされると、当該仮口座は、あらかじめ設定された送金先に残高が移動されることにより、閉鎖又は解放される。
【0078】
なお、集金額は、法定通貨、暗号資産及び仮想ポイントのいずれか1つによって実行され、集金額が暗号資産又は仮想ポイントで実行される場合、法定通貨への振替予約がなされ、特定の仮口座番号に係る仮口座が閉鎖又は解放されると振替予約が確定し、暗号資産又は仮想ポイントに相当する法定通貨を集金先の実口座から引き落とすように集金元へ振替通知がなされる。
【0079】
ステップS114では、集金先が特定の仮口座番号に係る仮口座に集金額を入金した際、その時点における未集金者数に応じて、入金した集金先に対して集金ポイントを付与する。
【0080】
ステップS116では、集金サーバ10は、利用責任者及び参加者のユーザ端末20に、集金の完了通知を行う。この時点で未入金の参加者については、その旨を通知し、別途、参加費の請求を行う。完了通知が行われると、キャッシュレス集金サービスアプリは、終了する。
【0081】
以上、各実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施形態の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0082】
例えば、上述した実施形態では、主に、一例として、サービス提供機関(銀行等)に設けられた集金サーバ10として例示されているが、多様なサービスを提供するため、他の用途のサーバと一体的に設置可能である。例えば、集金サーバ10は、当該機関の会員制のサービス提供場所に設置され、サービス提供機関の受付け機能を実現してもよい。この場合、サービス提供機関は、会員制のサービス提供場所に設けられた集金サーバ10からの実行指令に応じて運営されてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、集金元の団体の例として小学校を挙げており、イベントへの参加者は生徒本人であり、その参加費の振込(入金)を行う振込人は保護者としている。これに対し、集金元が一般のサークルのように成年者によって構成される団体の場合には、参加者と振込人は原則として同一としてよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、処理部12及び記憶部13を1つの集金サーバ10に設けているが、サービス提供機関の現実の体制に会うように、処理部12及び記憶部13を分散して、また、処理部12の各部及び記憶部13の各部を分散して配置してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 情報処理システム
10 集金サーバ
12 処理部
121 設定申請受付部
122 仮口座設定部
123 集金情報構築部
124 送信部
125 振替通知部
126 集金ポイント付与部
13 記憶部
131 イベント情報記憶部
132 集金情報記憶部
133 参加者情報記憶部
20 ユーザ端末
21 通信部
22 処理部
23 入力部
24 表示部
30 ネットワーク