(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136056
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240927BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20240927BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L29/78 657D
H01L29/91 C
H01L29/86 301F
H01L29/91 K
H01L29/78 652Q
H01L29/78 655G
H01L29/78 653A
H01L29/78 652M
H01L29/78 655B
H01L29/78 655D
H01L29/78 652T
H01L29/86 301D
H01L29/91 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047012
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】南川 和生
(72)【発明者】
【氏名】吉川 大輝
(72)【発明者】
【氏名】中村 和敏
(57)【要約】
【課題】スイッチング損失を低減可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る半導体装置は、第1電極と、第1導電形の第1半導体領域と、第2導電形の第2半導体領域と、第2導電形の第3半導体領域と、第2電極と、を備える。第3半導体領域は、第2半導体領域の上に設けられ、第2半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する。第2電極は、第3半導体領域の上に設けられている。第2電極は、第1部分と、第2部分と、を含む。第1部分は、第2半導体領域中に設けられている。第2部分は、第1部分の上に位置する。第2部分は、第1電極から第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向において、第3半導体領域と接する。第1部分の第2方向における長さは、第2部分の第2方向における長さよりも長い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の上に設けられ、前記第2半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する、第2導電形の第3半導体領域と、
前記第3半導体領域の上に設けられた第2電極であって、
前記第2半導体領域中に設けられた第1部分と、
前記第1部分の上に位置し、前記第1電極から前記第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向において前記第3半導体領域と接する第2部分と、
を含み、前記第1部分の前記第2方向における長さが前記第2部分の前記第2方向における長さよりも長い、前記第2電極と、
を備えた、半導体装置。
【請求項2】
第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の上に設けられた第2電極であって、
前記第2半導体領域中に設けられた第1部分と、
前記第1部分の上に位置する第2部分と、
を含み、前記第1電極から前記第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向における前記第1部分の長さが前記第2方向における前記第2部分の長さよりも長く、前記第1部分と前記第2半導体領域との間にショットキー接合が形成された、前記第2電極と、
を備えた、半導体装置。
【請求項3】
第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域の上に設けられ、1.0×1016atoms/cm3以上1.0×1018atoms/cm3以下の第2導電形の不純物濃度を有する第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の上に設けられた第2電極であって、
前記第2半導体領域と接する第1部分と、
前記第1部分の上に位置する第2部分と、
を含み、前記第1電極から前記第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向における前記第1部分の長さが前記第2方向における前記第2部分の長さよりも長い、前記第2電極と、
を備えた、半導体装置。
【請求項4】
前記第2方向において、絶縁層を介して前記第2半導体領域と対面する導電部をさらに備え、
前記導電部は、前記第2電極と電気的に接続されている、請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1電極の一部と前記第1半導体領域の一部との間に設けられた第2導電形の第4半導体領域と、
前記第1半導体領域の前記一部の上に設けられた第2導電形の第5半導体領域と、
前記第5半導体領域の上に設けられた第1導電形の第6半導体領域と、
前記第2方向において、ゲート絶縁層を介して前記第5半導体領域と対面するゲート電極と、をさらに備えた、請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2電極は、前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分をさらに含み、
前記第3部分は、前記第1方向において前記第2半導体領域と接し、
前記第2方向における前記第3部分の長さは、前記第2方向における前記第2部分の長さと同じである、請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1部分はボイドを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイオード、Reverse Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor(RC-IGBT)などの半導体装置は、電力変換等の用途に用いられる。これらの半導体装置について、スイッチング損失は小さいことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、スイッチング損失を低減可能な半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、第1電極と、第1導電形の第1半導体領域と、第2導電形の第2半導体領域と、第2導電形の第3半導体領域と、第2電極と、を備える。前記第1半導体領域は、前記第1電極の上に設けられている。前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域の上に設けられている。前記第3半導体領域は、前記第2半導体領域の上に設けられ、前記第2半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する。前記第2電極は、前記第3半導体領域の上に設けられている。前記第2電極は、第1部分と、第2部分と、を含む。前記第1部分は、前記第2半導体領域中に設けられている。前記第2部分は、前記第1部分の上に位置する。前記第2部分は、前記第1電極から前記第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向において、前記第3半導体領域と接する。前記第1部分の前記第2方向における長さは、前記第2部分の前記第2方向における長さよりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を示す斜視断面図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置の一部を示す斜視断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置の一部を示す斜視断面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置の一部を示す斜視断面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置の一部を示す斜視断面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
以下の説明において、n+、n、n-及びp+、pの表記は、各導電形における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわち、n+はnよりもn形の不純物濃度が相対的に高く、n-はnよりもn形の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、p+はpよりもp形の不純物濃度が相対的に高く、p-はpよりもp形の不純物濃度が相対的に低いことを示す。各半導体領域のp形とn形を反転させて各実施形態を実施してもよい。
【0009】
また、実施形態の説明では、XYZ直交座標系を用いる。第1電極から第1半導体領域に向かう方向をZ方向(第1方向)とする。Z方向に対して垂直であり、相互に直交する2方向をX方向(第2方向)及びY方向(第3方向)とする。また、説明のために、第1電極から第1半導体領域に向かう方向を「上」と言い、その反対方向を「下」と言う。これらの方向は、第1電極と第1半導体領域との相対的な位置関係に基づき、重力の方向とは無関係である。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を示す斜視断面図である。
第1実施形態に係る半導体装置は、ダイオードである。第1実施形態に係る半導体装置100は、
図1に示すように、n
-形カソード領域101(第1半導体領域の一例)、p形アノード領域102(第2半導体領域の一例)、p
+形アノード領域103(第3半導体領域の一例)、n
+形カソード領域104、カソード電極111(第1電極の一例)、及びアノード電極112(第2電極の一例)を備える。
【0011】
カソード電極111は、半導体装置100の下面に設けられている。n+形カソード領域104は、カソード電極111の上に設けられ、カソード電極111と電気的に接続されている。n-形カソード領域101は、n+形カソード領域104の上に設けられている。n-形カソード領域101のn形不純物濃度は、n+形カソード領域104のn形不純物濃度よりも低い。
【0012】
p形アノード領域102は、n-形カソード領域101の上に設けられている。n-形カソード領域101とp形アノード領域102との間には、pn接合が形成されている。p+形アノード領域103は、p形アノード領域102の上に設けられている。p+形アノード領域103のp形不純物濃度は、p形アノード領域102のp形不純物濃度よりも高い。
【0013】
アノード電極112は、p形アノード領域102及びp+形アノード領域103の上に設けられている。アノード電極112は、カソード電極111に向けて突出した部分を含む。当該突出した部分は、第1部分112a及び第2部分112bを含む。第1部分112aは、p形アノード領域102中に設けられ、p形アノード領域102と接している。第2部分112bは、p形アノード領域102の上に設けられ、X方向においてp+形アノード領域103と並ぶ。第1部分112aの長さL1は、第2部分112bの長さL2よりも長い。第1部分112a及び第2部分112bのそれぞれは、X方向において複数設けられている。例えば、複数の第1部分112a及び複数の第2部分112bのそれぞれは、Y方向に延びている。
【0014】
各構成要素の材料の一例を説明する。
n-形カソード領域101、p形アノード領域102、p+形アノード領域103、及びn+形カソード領域104は、半導体材料として、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、またはガリウムヒ素を含む。半導体材料としてシリコンが用いられる場合、n形不純物として、ヒ素、リン、またはアンチモンを用いることができる。p形不純物として、ボロンを用いることができる。カソード電極111及びアノード電極112は、チタン、アルミニウムなどの金属を含む。
【0015】
例えば、n-形カソード領域101のn形不純物濃度は、1.0×1013atoms/cm3以上1.0×1015atoms/cm3以下である。p形アノード領域102のp形不純物濃度は、1.0×1016atoms/cm3以上1.0×1018atoms/cm3以下である。p+形アノード領域103のp形不純物濃度は、1.0×1018atoms/cm3よりも大きく5.0×1021atoms/cm3以下である。n+形カソード領域104のn形不純物濃度は、1.0×1018atoms/cm3以上1.0×1021atoms/cm3以下である。
【0016】
図2(a)、
図2(b)、
図3(a)、
図3(b)、及び
図4は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、n
+形半導体層104x及びn
-形半導体層101xを含む半導体基板を用意する。n
-形半導体層101xは、n
+形半導体層104xの上に設けられている。n
-形半導体層101xの表面にp形不純物をイオン注入し、p形半導体領域102xを形成する。
図2(a)に示すように、p形半導体領域102xの表面にp形不純物をイオン注入し、p
+形半導体領域103xを形成する。
【0017】
p形半導体領域102x及びp
+形半導体領域103xの上に、フォトリソグラフィ法によりマスクMを形成する。マスクMは、複数の開口を有する。マスクMを用いて、反応性イオンエッチング(RIE)により、p形半導体領域102xの一部及びp
+形半導体領域103xの一部を除去する。これにより、
図2(b)に示すように、p
+形半導体領域103xを貫通する開口OP1が形成される。
【0018】
マスクMの表面及び開口OP1の内面に沿って、保護膜Pを形成する。異方性エッチングにより、マスクMの上面及び開口OP1の底面に形成された保護膜Pを除去する。これにより、
図3(a)に示すように、開口OP1の側壁にのみ保護膜Pが残される。
【0019】
開口OP1を通して、等方性イオンエッチングにより、p形半導体領域102xの一部を除去する。
図3(b)に示すように、開口OP1の底部からp形半導体領域102xが等方的にエッチングされる。開口OP1の下に、より幅の広い開口OP2が形成される。
【0020】
マスクM及び保護膜Pを除去する。化学気相堆積(CVD)により、金属層112x及び金属層112yを形成する。金属層112xは、チタンを含む。金属層112yは、タングステンを含む。金属層112x及び金属層112yにより、開口OP1及び開口OP2が埋め込まれる。
図4(a)に示すように、金属層112x及び金属層112yの上に、スパッタリングにより、金属層112zを形成する。金属層112zは、アルミニウムを含む。
【0021】
n
+形半導体層104xが所定の厚さになるまで、n
+形半導体層104xの裏面を研削する。
図4(b)に示すように、スパッタリングにより、研削した裏面に金属層111xを形成する。以上により、第1実施形態に係る半導体装置100が製造される。
【0022】
半導体装置100の動作を説明する。
カソード電極111に対してアノード電極112に正の電圧が印加されると、n-形カソード領域101とp形アノード領域102との間に順方向電圧が加わる。これにより、半導体装置100がオン状態となり、アノード電極112から111へ電流が流れる。このとき、アノード電極112から101へ正孔が注入され、カソード電極111から101へ電子が注入される。
【0023】
その後、アノード電極112に対してカソード電極111に正の電圧が印加されると、アノード電極112からカソード電極111への電流が停止する。半導体装置100が、オン状態からオフ状態へ切り替わる。このとき、n-形カソード領域101に蓄積されていた電子及び正孔は、それぞれ、カソード電極111及びアノード電極112へ排出される。
【0024】
第1実施形態の利点を説明する。
半導体装置100がオン状態のときにn-形カソード領域101に蓄積されるキャリアが少ないほど、半導体装置100がオフ状態へ切り替わったときにn-形カソード領域101から排出されるキャリアが少なくなる。すなわち、半導体装置100のスイッチングがより高速化し、半導体装置100のスイッチング損失が低減する。半導体装置100では、n-形カソード領域101に蓄積されるキャリアを低減するために、アノード電極112が第1部分112aを含む。第1部分112aは、p形アノード領域102中に設けられている。p形アノード領域102のp形不純物濃度は、p+形アノード領域103のp形不純物濃度よりも低い。p形アノード領域102と第1部分112aとの間で、ショットキー接合が形成される。半導体装置100がオン状態のとき、第1部分112aからp形アノード領域102には、正孔が注入され難い。一方、p形アノード領域102から第1部分112aには、電子が排出される。このため、n-形カソード領域101に蓄積されるキャリアを減少させることができる。
【0025】
特に、第1部分112aの長さL1は、第2部分112bの長さL2よりも長い。このため、p形アノード領域102と第1部分112aとの接触面積をより大きくできる。接触面積が大きくなることで、p形アノード領域102から第1部分112aへ排出される電子の量を増加させることができる。n-形カソード領域101に蓄積される電子が減少することで、n-形カソード領域101へ注入される正孔も減少する。第1実施形態によれば、半導体装置100がオン状態のときにn-形カソード領域101に蓄積されるキャリアを減少させ、半導体装置100のスイッチング損失を低減できる。
【0026】
p形アノード領域102のp形不純物濃度は、1.0×1016atoms/cm3以上1.0×1018atoms/cm3以下であることが好ましい。この濃度範囲であれば、p形アノード領域102と第1部分112aとの間で、良好にショットキー接合が形成される。
【0027】
図1に示す例では、アノード電極112が、第3部分112cをさらに含む。第3部分112cは、第1部分112aと第2部分112bとの間に位置する。第3部分112cは、X方向において、p形アノード領域102と接する。第3部分112cのX方向における長さは、第2部分112bのX方向における長さL2と同じである。
【0028】
又は、アノード電極112は、第3部分112cを含んでいなくても良い。カソード電極111に向けて突出した部分のうち、より幅の広い部分がp+形アノード領域103と接しても良い。ただし、この場合、第3部分112cが設けられる場合に比べて、p+形アノード領域103とアノード電極112との接触面積が大きくなる。これにより、アノード電極112からp+形アノード領域103への正孔の注入が増大する。従って、n-形カソード領域101に蓄積されるキャリアを減少させるためには、アノード電極112が第3部分112cを含むことが好ましい。
【0029】
図5~
図8は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置の一部を示す斜視断面図である。
【0030】
図5に示す半導体装置100aでは、p
+形アノード領域103は、p形アノード領域102の一部の上に設けられている。p形アノード領域102の別の一部は、X方向において、p
+形アノード領域103と並んでいる。
【0031】
p+形アノード領域103は、X方向において複数設けられている。1つの第2部分112bが、一対のp+形アノード領域103の間に設けられ、それらのp+形アノード領域103と接している。例えば、各p+形アノード領域103は、第1部分112a及び第2部分112bに沿って、Y方向に延びている。
【0032】
p+形アノード領域103のX-Y面における面積が小さいと、半導体装置100aがオン状態のときに、n-形カソード領域101へ流れるキャリアが減少する。n-形カソード領域101に蓄積されるキャリアも減少する。これにより、半導体装置100aのスイッチング損失を低減できる。
【0033】
図6に示す半導体装置100bでは、第2部分112bが、X方向においてp
+形アノード領域103と並んでいるものの、p
+形アノード領域103から離れている。例えば、p
+形アノード領域103及び第2部分112bは、X方向において交互に設けられている。第2部分112bとp
+形アノード領域103との間には、p形アノード領域102の一部が設けられている。
【0034】
第2部分112bがp+形アノード領域103から離れている場合、p+形アノード領域103とアノード電極112との接触面積をより小さくできる。p+形アノード領域103とアノード電極112との接触面積が小さいほど、半導体装置100bがオン状態のときに、アノード電極112からp+形アノード領域103への正孔の注入を抑制できる。これにより、n-形カソード領域101に蓄積されるキャリアをより減少させることができる。半導体装置100bによれば、半導体装置100aに比べて、スイッチング損失をさらに低減できる。
【0035】
図7に示す半導体装置100cは、導電部121をさらに備える。導電部121は、X方向において、絶縁層121aを介してp形アノード領域102と対面している。導電部121は、アノード電極112と電気的に接続されている。導電部121はX方向において複数設けられ、各導電部121はY方向に延びている。
【0036】
図8に示す半導体装置100dでは、第1部分112aにボイドVが存在する。例えば、ボイドVは、第1部分112aのX-Z面における略中央に位置し、第2部分112bの直下に存在する。
【0037】
複数の第1部分112aのそれぞれにボイドVが存在しても良い。複数の第1部分112aの一部にのみボイドVが存在しても良い。ボイドVは、
図8に示すように、Y方向に沿って延びていても良い。Y方向において、互いに離れた複数のボイドVが存在しても良い。
【0038】
半導体装置100dを製造する際、上面側で圧縮応力が発生する。圧縮応力が過度に強いと、半導体領域にクラックが生じる。この結果、例えば、半導体装置100dのリーク電流が増加する。ボイドVが設けられる場合、ボイドVの少なくとも一部が圧縮応力に応じて変形する。これにより、半導体装置100dの上面側で発生する圧縮応力を低減できる。クラックの発生を抑制し、半導体装置100dのリーク電流を低減できる。
【0039】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図10は、
図9の部分Aの拡大平面図である。
図11は、
図10のB1-B2断面図である。
図10は、
図11のC1-C2断面に相当する。
第2実施形態に係る半導体装置は、RC-IGBTである。第2実施形態に係る半導体装置200は、
図1に示すように、n
-形(第1導電形)ベース領域201(第1半導体領域の一例)、p形(第2導電形)アノード領域202(第2半導体領域の一例)、p
+形アノード領域203(第3半導体領域の一例)、p
+形コレクタ領域204(第4半導体領域の一例)、p形ベース領域205(第5半導体領域の一例)、n
+形エミッタ領域206(第6半導体領域の一例)、p
+形コンタクト領域207、n
+形カソード領域208、コレクタ電極211(第1電極の一例)、エミッタ電極212(第2電極の一例)、ゲートパッド213、ゲート電極221、導電部222、及び絶縁層225を備える。
【0040】
図9に示すように、半導体装置200の上面には、エミッタ電極212及びゲートパッド213が設けられている。エミッタ電極212及びゲートパッド213は、互いに離れている。例えば、Y方向において、複数のエミッタ電極212が設けられている。各エミッタ電極212の周りには、ゲート配線213aが設けられている。ゲート配線213aの一部は、エミッタ電極212同士の間をY方向に延びている。ゲート配線213aは、ゲートパッド213と電気的に接続されている。
【0041】
図9及び
図10に示すように、半導体装置200は、ダイオード領域R1及びIGBT領域R2を有する。
図9に示す例では、ダイオード領域R1及びIGBT領域R2のそれぞれは、X方向及びY方向において複数設けられている。X方向において、ダイオード領域R1とIGBT領域R2が交互に設けられている。
【0042】
図11に示すように、半導体装置200の下面には、コレクタ電極211が設けられている。コレクタ電極211とエミッタ電極212は互いに離れており、複数のダイオード領域R1及び複数のIGBT領域R2はコレクタ電極211とエミッタ電極212との間に位置する。
【0043】
各ダイオード領域R1には、n-形ベース領域201の一部、p形アノード領域202、p+形アノード領域203、n+形カソード領域208、及び導電部222が設けられている。
【0044】
n+形カソード領域208は、コレクタ電極211の一部の上に設けられ、コレクタ電極211と電気的に接続されている。n-形ベース領域201の一部は、n+形カソード領域208の上に設けられている。p形アノード領域202は、n-形ベース領域201の当該一部の上に設けられ、n+形カソード領域208の上に位置する。
【0045】
導電部222は、X方向において、絶縁層222aを介してp形アノード領域202と対面する。p+形アノード領域203は、p形アノード領域202の上に設けられている。p+形アノード領域203のp形不純物濃度は、p形アノード領域202のp形不純物濃度よりも高い。p形アノード領域202、p+形アノード領域203、及び導電部222は、エミッタ電極212と電気的に接続されている。
【0046】
半導体装置200におけるエミッタ電極212は、半導体装置100におけるアノード電極112と同様に、第1部分212a及び第2部分212bを含む。第1部分212aは、p形アノード領域202中に設けられている。第1部分212aはp形アノード領域202と接し、p形アノード領域202と第1部分212aとの間にはショットキー接合が形成されている。第2部分212bは、第1部分212aの上に設けられ、X方向においてp+形アノード領域203と並んでいる。第2部分212bは、p+形アノード領域203と接している。第1部分212aのX方向における長さL1は、第2部分212bのX方向における長さL2よりも長い。
【0047】
エミッタ電極212は、第3部分212cをさらに含んでも良い。第3部分212cは、第1部分212aと第2部分212bとの間に位置する。第3部分212cは、X方向において、p形アノード領域202と接する。第3部分212cのX方向における長さは、第2部分212bのX方向における長さL2と同じである。
【0048】
1つのダイオード領域R1において、p形アノード領域202、p+形アノード領域203、第1部分212a、第2部分212b、及び導電部222のそれぞれは、X方向において複数設けられている。複数のp形アノード領域202、複数のp+形アノード領域203、複数の第1部分212a、複数の第2部分212b、及び複数の導電部222のそれぞれは、ストライプ状に設けられており、Y方向に延びている。
【0049】
各IGBT領域R2には、n-形ベース領域201の別の一部、p+形コレクタ領域204、p形ベース領域205、n+形エミッタ領域206、p+形コンタクト領域207、及びゲート電極221が設けられている。
【0050】
p+形コレクタ領域204は、コレクタ電極211の別の一部の上に設けられ、コレクタ電極211と電気的に接続されている。n-形ベース領域201の別の一部は、p+形コレクタ領域204の上に設けられている。p形ベース領域205は、n-形ベース領域201の当該別の一部の上に設けられ、p+形コレクタ領域204の上に位置する。
【0051】
エミッタ電極212は、コレクタ電極211に向けて突出した第4部分212dをさらに含む。n+形エミッタ領域206は、p形ベース領域205の上に設けられ、X方向において第4部分212dに接している。p+形コンタクト領域207は、Z方向においてp形ベース領域205と第4部分212dとの間に設けられ、n+形エミッタ領域206よりも下方に位置している。p+形コンタクト領域207のp形不純物濃度は、p形ベース領域205のp形不純物濃度よりも高い。
【0052】
ゲート電極221は、X方向において、ゲート絶縁層221aを介してp形ベース領域205と対面する。図示した例では、ゲート電極221は、さらに、ゲート絶縁層221aを介してn-形ベース領域201及びn+形エミッタ領域206とも対面している。
【0053】
エミッタ電極212は、p形ベース領域205、n+形エミッタ領域206、及びp+形コンタクト領域207と電気的に接続されている。エミッタ電極212とゲート電極221との間には絶縁層225が設けられ、エミッタ電極212とゲート電極221は互いに電気的に分離されている。
【0054】
1つのIGBT領域R2において、p形ベース領域205、n+形エミッタ領域206、p+形コンタクト領域207、第4部分212d、及びゲート電極221のそれぞれは、X方向において複数設けられている。複数のp形ベース領域205、複数のn+形エミッタ領域206、複数のp+形コンタクト領域207、複数の第4部分212d、及び複数のゲート電極221のそれぞれは、ストライプ状に設けられており、Y方向に延びている。ゲート電極221のY方向における端部は、ゲート配線213aと電気的に接続されている。ゲート電極221は、ゲート配線213aを介して、ゲートパッド213と電気的に接続されている。
【0055】
半導体装置200の動作について説明する。
エミッタ電極212に対してコレクタ電極211に正の電圧が印加された状態で、ゲート電極221に閾値以上の電圧が印加される。これにより、p形ベース領域205にチャネル(反転層)が形成される。電子が、チャネルを通ってn+形エミッタ領域206からn-形ベース領域201に流れ、正孔が、p+形コレクタ領域204からn-形ベース領域201へ流れる。n-形ベース領域201に蓄積されるキャリア密度が増大し、電導度変調が生じる。これにより、n-形ベース領域201の電気抵抗が大きく低下し、IGBT領域R2がオン状態となる。その後、ゲート電極221に印加される電圧が閾値よりも低くなると、p形ベース領域205におけるチャネルが消滅し、IGBT領域R2がオフ状態に切り替わる。
【0056】
IGBT領域R2がオフ状態に切り替わった後、n-形ベース領域201に蓄積されていた電子は、p+形コレクタ領域204を通ってコレクタ電極211へ排出される。正孔は、p形ベース領域205を通ってエミッタ電極212へ排出される。
【0057】
例えば、半導体装置200が設けられた回路において誘導起電力が発生し、コレクタ電極211に対してエミッタ電極212に正の電圧が印加されると、ダイオード領域R1が動作する。p形アノード領域202からn-形ベース領域201へ正孔が流れ、n+形カソード領域208からn-形ベース領域201へ電子が流れる。ダイオード領域R1は、フリーホイールダイオード(FWD)として機能する。
【0058】
図11に示すように、p
+形コレクタ領域204とn
-形ベース領域201との間、及びn
+形カソード領域208とn
-形ベース領域201との間に、n形バッファ領域209が設けられても良い。n形バッファ領域209のn形不純物濃度は、n
+形カソード領域208のn形不純物濃度よりも低く、n
-形ベース領域201のn形不純物濃度よりも高い。n形バッファ領域209を設けることで、n
-形ベース領域201における空乏層の広がりを、n形バッファ領域209でより確実に抑えることができる。
【0059】
IGBT領域R2において、複数のゲート電極221の一部が、導電部222に置き換えられても良い。一部のゲート電極221を導電部222に置き換えることで、IGBT領域R2がオン状態のときに、n-形ベース領域201に蓄積されるキャリアの密度を高め、半導体装置200の電気抵抗をより低減できる。また、ダイオード領域R1において、導電部222を省略することも可能である。
【0060】
半導体装置200の各構成要素の材料の一例を説明する。
n-形ベース領域201、p形アノード領域202、p+形アノード領域203、p+形コレクタ領域204、p形ベース領域205、n+形エミッタ領域206、p+形コンタクト領域207、n+形カソード領域208、及びn形バッファ領域209は、半導体材料として、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、またはガリウムヒ素を含む。半導体材料としてシリコンが用いられる場合、n形不純物として、ヒ素、リン、またはアンチモンを用いることができる。p形不純物として、ボロンを用いることができる。
【0061】
コレクタ電極211、エミッタ電極212、ゲートパッド213、及びゲート配線213aは、チタン、タングステン、又はアルミニウムなどの金属を含む。ゲート電極221及び導電部222は、ポリシリコンなどの導電材料を含む。ゲート絶縁層221a、絶縁層222a、絶縁層225は、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコンなどの絶縁材料を含む。
【0062】
例えば、n-形ベース領域201のn形不純物濃度は、1.0×1013atoms/cm3以上1.0×1015atoms/cm3以下である。p形アノード領域202及びp形ベース領域205のそれぞれのp形不純物濃度は、1.0×1016atoms/cm3以上1.0×1018atoms/cm3以下である。p+形アノード領域203のp形不純物濃度は、1.0×1018atoms/cm3よりも大きく5.0×1021atoms/cm3以下である。p+形コレクタ領域204及びp+形コンタクト領域207のそれぞれのp形不純物濃度は、1.0×1018atoms/cm3よりも大きく1.0×1021atoms/cm3以下である。n+形エミッタ領域206及びn+形カソード領域208のそれぞれのn形不純物濃度は、1.0×1018atoms/cm3以上1.0×1021atoms/cm3以下である。n形バッファ領域209のn形不純物濃度は、1.0×1014atoms/cm3以上1.0×1018atoms/cm3以下である。
【0063】
第2実施形態の利点を説明する。
第2実施形態に係る半導体装置200では、エミッタ電極212が、第1部分212aと第2部分212bを含む。第1部分212a及び第2部分212bは、ダイオード領域R1に設けられている。p形アノード領域202のp形不純物濃度はp+形アノード領域203のp形不純物濃度よりも低く、p形アノード領域202と第1部分212aとの間でショットキー接合が形成される。第1部分212aからp形アノード領域202への正孔の注入が抑制され、p形アノード領域202から第1部分212aには電子が排出されることで、IGBT領域R2がオン状態のときにn-形ベース領域201に蓄積されるキャリアを減少させることができる。特に、第1部分212aの長さL1が第2部分212bの長さL2よりも長いため、n-形ベース領域201に蓄積されるキャリアをさらに減少させることができる。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、半導体装置200のスイッチング損失を低減できる。
【0064】
また、半導体装置200は、IGBT領域R2を含む。IGBT領域R2には、n-形ベース領域201及びp形ベース領域205からなる寄生ダイオードが存在する。ダイオード領域R1がオン状態のとき、正孔が、IGBT領域R2の寄生ダイオードを通してn-形ベース領域201に注入される。このため、RC-IGBTの半導体装置200では、設計された値よりも多くのキャリアがn-形ベース領域201に蓄積され易く、スイッチング損失の課題が顕著となり易い。半導体装置200に第1部分212a及び第2部分212bが設けられることで、n-形ベース領域201におけるキャリア密度を効果的に低減でき、半導体装置200のスイッチング損失を低減できる。
【0065】
図8に示す半導体装置100dと同様に、第1部分212aには、ボイドVが存在しても良い。半導体装置200では、表面側にゲート絶縁層221a、絶縁層222a、絶縁層225などが存在する。これらの絶縁層が酸化材料を含む場合、圧縮応力がより大きくなる。このため、ゲート絶縁層221a、絶縁層222a、絶縁層225などの周囲では、半導体領域にクラックがより発生し易い。第1部分212aにボイドVが存在する場合、圧縮応力を低減でき、半導体装置200におけるクラックによるリーク電流を低減できる。
【0066】
半導体装置200において、ダイオード領域R1における導電部222が省略されても良い。ただし、ダイオード領域R1に導電部222を設け、IGBT領域R2にゲート電極221を設けることで、半導体装置200を製造する際に、処理の均一性及び安定性を向上させることができる。例えば、ゲート電極221ごとの深さ、形状などの差を小さくし、半導体装置200の特性のばらつきを抑制し、歩留まりを向上できる。また、ダイオード領域R1の上面側の構造と、IGBT領域R2の上面側の構造と、の差による電流の集中が発生することを抑制できる。
【0067】
本発明の実施形態は、以下の構成を含む。
(構成1)
第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の上に設けられ、前記第2半導体領域よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する、第2導電形の第3半導体領域と、
前記第3半導体領域の上に設けられた第2電極であって、
前記第2半導体領域中に設けられた第1部分と、
前記第1部分の上に位置し、前記第1電極から前記第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向において前記第3半導体領域と接する第2部分と、
を含み、前記第1部分の前記第2方向における長さが前記第2部分の前記第2方向における長さよりも長い、前記第2電極と、
を備えた、半導体装置。
(構成2)
第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の上に設けられた第2電極であって、
前記第2半導体領域中に設けられた第1部分と、
前記第1部分の上に位置する第2部分と、
を含み、前記第1電極から前記第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向における前記第1部分の長さが前記第2方向における前記第2部分の長さよりも長く、前記第1部分と前記第2半導体領域との間にショットキー接合が形成された、前記第2電極と、
を備えた、半導体装置。
(構成3)
第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域の上に設けられ、1.0×1016atoms/cm3以上1.0×1018atoms/cm3以下の第2導電形の不純物濃度を有する第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の上に設けられた第2電極であって、
前記第2半導体領域と接する第1部分と、
前記第1部分の上に位置する第2部分と、
を含み、前記第1電極から前記第1半導体領域に向かう第1方向に垂直な第2方向における前記第1部分の長さが前記第2方向における前記第2部分の長さよりも長い、前記第2電極と、
を備えた、半導体装置。
(構成4)
前記第2方向において、絶縁層を介して前記第2半導体領域と対面する導電部をさらに備え、
前記導電部は、前記第2電極と電気的に接続されている、構成1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成5)
前記第1電極の一部と前記第1半導体領域の一部との間に設けられた第2導電形の第4半導体領域と、
前記第1半導体領域の前記一部の上に設けられた第2導電形の第5半導体領域と、
前記第5半導体領域の上に設けられた第1導電形の第6半導体領域と、
前記第2方向において、ゲート絶縁層を介して前記第5半導体領域と対面するゲート電極と、をさらに備えた、構成1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成6)
前記第2電極は、前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分をさらに含み、
前記第3部分は、前記第1方向において前記第2半導体領域と接し、
前記第2方向における前記第3部分の長さは、前記第2方向における前記第2部分の長さと同じである、構成1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成7)
前記第1部分はボイドを含む、構成1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0068】
以上で説明した各実施形態によれば、スイッチング損失を低減可能な半導体装置が提供される。
【0069】
各実施形態における、各半導体領域の間の不純物濃度の相対的な高低については、例えば、走査型静電容量顕微鏡(SCM)を用いて確認することが可能である。なお、各半導体領域におけるキャリア濃度は、各半導体領域において活性化している不純物濃度と等しいものとみなすことができる。従って、各半導体領域の間のキャリア濃度の相対的な高低についても、SCMを用いて確認することができる。また、各半導体領域における不純物濃度については、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS)により測定することが可能である。
【0070】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0071】
100,100a~100d:半導体装置、 101:n-形カソード領域、 101x:n-形半導体層、 102:p形アノード領域、 102x:p形半導体領域、 103:p+形アノード領域、 103x:p+形半導体領域、 104:n+形カソード領域、 104x:n+形半導体層、 111:カソード電極、 111x:金属層、 112:アノード電極、 112a:第1部分、 112b:第2部分、 112c:第3部分、 112x~112z:金属層、 121:導電部、 121a:絶縁層、 200:半導体装置、 201:n-形ベース領域、 202:p形アノード領域、 203:p+形アノード領域、 204:p+形コレクタ領域、 205:p形ベース領域、 206:n+形エミッタ領域、 207:p+形コンタクト領域、 208:n+形カソード領域、 209:n形バッファ領域、 211:コレクタ電極、 212:エミッタ電極、 212a:第1部分、 212b:第2部分、 212c:第3部分、 212d:第4部分、 213:ゲートパッド、 213a:ゲート配線、 221:ゲート電極、 221a:ゲート絶縁層、 222:導電部、 222a,225:絶縁層、 M:マスク、 OP1,OP2:開口、 P:保護膜、 R1:ダイオード領域、 R2:IGBT領域、 V:ボイド