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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136065
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】支持台
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/16 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A47J47/16 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047024
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】523107444
【氏名又は名称】株式会社サンワコラボ
(71)【出願人】
【識別番号】599042669
【氏名又は名称】林 勝郎
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】林 勝郎
【テーマコード(参考)】
4B066
【Fターム(参考)】
4B066EE42
(57)【要約】
【課題】
仮置きされた包丁の衛生性を向上させながら、包丁を安全かつ簡単に保持することができる支持台を提供することを目的とする。
【解決手段】
上記課題を解決する本願発明は、包丁Kを支持する支持台Xであって、間隙に包丁Kの刃部K1を差し込んで支持するばねである支持部1と、包丁Kが支持部1に支持された際に少なくとも3面で包丁Kを取り囲むケース2と、を備え、ケース2は、支持部1を中空に保持する保持部21を有する支持台である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包丁を支持する支持台であって、
間隙に前記包丁の刃部を差し込んで支持するばねである支持部と、上方向に立ち上がる部材を有するケースと、を備え、
前記ケースは、前記支持部を中空に保持する保持部を有する支持台。
【請求項2】
前記保持部は、相対する保持面を有し、
前記保持面はその間で前記支持部を保持する請求項1に記載の支持台。
【請求項3】
前記保持面には、相対する面それぞれに保持突起が設けられ、
前記保持突起は、前記支持部の端部と篏合する請求項2に記載の支持台。
【請求項4】
前記支持部は、隣接するばねの線材である複数の巻部を有し、
前記巻部の外周面には、隣接する前記巻部の内周面側に向けて傾斜する傾斜部が設けられている請求項1に記載の支持台。
【請求項5】
前記ケースは、前記支持部よりも高い位置で前記包丁の把持部を載置する載置部を有する請求項1に記載の支持台。
【請求項6】
前記載置部は、前記保持部の一端でかけ渡すように設けられる板材であって、
前記保持部の他端部には、前記載置部に相対する刃先保護部が設けられる請求項5に記載の支持台。
【請求項7】
前記保持部は、前記支持部よりも低い位置において前記刃部を支持する、副支持部を有する請求項1~6の何れかに記載の支持台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料理に用いる包丁を保持するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、調理中に使用する包丁を一時的に不使用とする場合には、まな板の上に置く。一方、包丁をこのように置くと、何かの拍子に床に落ちてしまうことがあり危険であり、衛生上好ましくない。また、従来から棚の側面に包丁を挿入して格納する方法があるが、これによると背の低い子供の手の届く範囲に包丁を置くこととなり危険である。これに対処するために、特許文献1では、ばねの間に包丁を支持できる台によって、包丁を仮置きできる装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-240744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の仮置き装置では、バネが台座に接触し、さらに溶接等がなされているため取り外しが難しく、掃除がしにくく衛生性を保ちにくいという課題がある。また、包丁を確実に保持するためには保持位置を見定める必要があり、さらに包丁の一部が台座からはみ出してしまうため、取り扱いにも不便で危険な部分があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、仮置きされた包丁の衛生性を向上させながら、包丁を安全かつ簡単に保持することができる支持台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本願発明は、包丁を支持する支持台であって、間隙に前記包丁の刃部を差し込んで支持するばねである支持部と、上方に向けて立ち上がる部材を有するケースと、を備え、前記ケースは、前記支持部を中空に保持する保持部を有する支持台である。
中空支持によって、仮置きされた包丁の衛生性を向上させながら、立ち上がる部材が刃部の少なくとも一面を覆うように位置することで包丁を安全かつ簡単に保持することができる。
【0007】
本発明の好ましい形態では、前記保持部は、相対する保持面を有し、前記保持面はその間で前記支持部を保持する。
このような構成によって、支持部が縮まった状態で保持できるようになるため、支持部が変形しにくくなり、安定性が高まる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記保持面には、相対する面それぞれに保持突起が設けられ、前記保持突起は、前記支持部の端部と篏合する。
このような構成によって、支持部の保持性能を向上することができるとともに、篏合させることによって、取り外しもしやすく衛生的にすることができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記支持部は、隣接するばねの線材である複数の巻部を有し、前記巻部の外周面には、隣接する前記巻部の内周面側に向けて傾斜する傾斜部が設けられている。
このような構成によって、傾斜によって巻部の間の間隙に包丁が誘導され、包丁を支持部に挿入しやすくなり、取り扱い性能が向上する。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記ケースは、前記支持部よりも高い位置で前記包丁の把持部を載置する載置部を有する。
このような構成によって、包丁の刃を斜め下に向けて支持しやすくなるため、安全性を高めることができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記載置部は、前記保持部の一端部をかけ渡すように設けられる板材であって、前記保持部の他端部には、前記載置部に相対する刃先保護部が設けられる。
このような構成によって、包丁を乱雑に置いても刃先がケースから飛び出すことがなくなるため、安全性をより高めることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記保持部は、前記支持部よりも低い位置において前記刃部を支持する、副支持部を有する。
このような構成によって、包丁の刃が支持部と副支持部の二点で支持されるようになるため、刃が地面に接触することを防ぎ、より衛生性を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
上記課題を解決する本発明は、仮置きされた包丁の衛生性を向上させながら、包丁を安全かつ簡単に保持する支持台を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る、支持台の不使用時及び使用時の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る、支持部の説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る、支持部の端部を説明する図である。
図4】本発明の実施形態に係る、所定位置からみた支持台の図である。
図5】本発明の実施形態の変更例に係る、載置部の断面図である。
図6】本発明の実施形態の変更例に係る、保持部の説明図である。
図7】本発明の実施形態の変更例に係る、支持台の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る支持台Xについて説明する。説明は、実施形態の構成、実施の方法、他の実施例の順に詳述する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
【0016】
≪第一の実施形態≫
本発明は、包丁Kを支持するための支持台Xである。図1に示すように支持台Xは、包丁Kを支持する支持部1と、包丁K及び支持部1を格納するためのケース2と、包丁Kを支持するための他の部分である副支持部3と、を備えている。
【0017】
包丁Kは、食品を切断する金属製の刃である刃部K1と、刃部K1と接続し、把持可能な部分である把持手K2と、を有する。刃部K1の刃渡りは、少なくともケース2の一端から支持部1までの距離よりも長く、ケース2の最大長さよりも短い。より具体的には5cm~20cm程度の種々の長さが想定され、一般的な万能包丁の他にも、果物ナイフ、出刃包丁、菜切包丁等の種々の包丁を利用することが想定される。
【0018】
支持部1は、図2に示すように、巻ばね部材(スプリング)であり、隣接する複数の巻部11が連なって設けられることによって形成されている。支持部1は、2つの巻部11の間隙に包丁Kを挟み込んで水平方向の移動を制限することが可能であり、さらに巻部11の最下部に刃部K1が当接支持されることで包丁Kを支持できる。
実施形態においては、支持部1には押しばねが使用されており、自然長から圧縮された状態でケース2に格納される。実施形態においては、支持部1はばね径30mm~50mm、線型は2mm~4mm、巻部11の巻き数は10回~30回、自然長が80mm~120mm、巻き角度が2°~6°程度のスプリング部材であって、15mm~40mm程度圧縮されて用いられることを想定しているが、これに限られない。
【0019】
巻部11は本明細書において、支持部1を形成する線材のうち、らせん一周分巻かれている線材の一部分を表す。支持部1を構成する巻部11のうち、少なくとも一部には、隣接する巻部11の内周面側に向けて傾斜する傾斜部12が設けられている。そして、隣り合う巻部11にそれぞれ傾斜部12によって、包丁Kを巻部11の間に誘導する切り込み部13が形成される。
包丁Kが、保持されている状態において、巻部11と隣接する巻部11の間隔は、1mm~3mm程度が想定される。
【0020】
傾斜部12は、図2(a)に示すように、巻部11の頂端部から隣接する巻部11の内周面側に向けて設けられる傾斜であって、その傾斜角度は巻部11が形成する面に対して20°~60°程度であり、好ましくは30°~50°の範囲である。
傾斜部12ないし傾斜部12によって形成される切り込み部13は、その傾斜によって上面から差し込まれた刃部K1を巻部11の間に誘導することで、使用感を向上させることができる。
【0021】
実施形態では、図2(b)~図2(e)に示すように、支持部1を形成する線材の断面形状を、傾斜が設けられている異形線材とすることで傾斜部12を設けている。
異形線材の例としては、図2(b)に示すようなひし形や、図2(c)に示すようなティアドロップ形状、図2(d)に示すような三角形状、図2(e)に示すように三角形において、外周側を向く角を面取りし、内周側を向く面に丸め加工を施した形状等、種々の形状が考えられる。
傾斜部12は、巻部11の断面における両側面方向に設けられており、傾斜部12同士が交わる頂端部が面取りされる構成が、安全性が高く好ましいが、当該部分が角となる構成であっても包丁を挿入しやすくなるためよい。
また、実施形態において切り込み部13はV字状となるが、傾斜の態様によってU字状になっていても、逆U字状となる構成であってもよい。
【0022】
なお、傾斜部12は、巻部11のうち、少なくともケース2に格納されたときに実際に刃部K1が当接しうる範囲に設けられているだけでもよい。すなわち、巻部11一周のうち傾斜部12が設けられている領域は、半周分の範囲としてもよく、より実際的には1/4周分~1/6周分の範囲に設ける構成としてよい。
【0023】
図3(a)は、端部が処理された支持部1の説明図であり、図3(b)は、支持部1を保持突起212に取り付けた状態を表す平面視の説明図である。
支持部1において巻部11は、図3(a)に示すように、一端の巻部11が形成する面と他端の巻部11が形成する面が互いに平行になるように線材が切断される。
これにより、図3(b)に示すように、ケースに格納した際に、端部がばねを保持する面に過不足なく密着し、保持性能を高めることができる。
【0024】
ケース2は、支持部1を保持するための保持部21と、包丁を載置するための載置部22と、刃先を保護する刃先保護部23と、を備えており、これらの部材が上方に向けて立ち上がり、端部同士で接続されることによって底面が挿通する箱型に形成されている。ケース2は、ABS、PS等の樹脂で設けられており、各部が一体成形されていても、各部が組み立てられて設けられていてもよい。
図4は、ケース2の6面図であって、図4(a)は底面図、図4(b)は平面図、図4c)は左右対称な側面図、図4(d)は正面図、図4(e)は背面図を表している。
【0025】
保持部21は、支持部1を所定位置で保持するための部材であって、実際に支持部1を保持する保持面211と、保持面211から突出し、支持部1を掛けることで保持する保持突起212と、保持部21同士の間隔を保持するための下面台213とを有する。
保持部21は、相対して設けられている板状の部材であって、包丁Kを支持した際に包丁Kの側面を挟むように配設されている。保持部21において、保持突起212が設けられている領域においては、包丁Kを適切に支持するために他の部位と比べて底面からの高さが高くなるように設けられている。
【0026】
保持面211は、2つの保持部21が有する、相対して設けられている面であって、お互いに平行になるように設けられている。保持面211同士の間隔は少なくとも支持部1の自然長よりも狭く、これによって支持部1が格納された際に保持面211に垂直抗力が働くようにして強力に保持し、包丁が載置されたときに支持部1を変形しにくくして取り扱い性能を高める。
【0027】
保持突起212は、保持面211のそれぞれと一体に設けられており、その周面において支持部1の端部を係止可能に設けられている。
また、保持突起212は、好ましくは刃先保護部23よりも載置部22に近い位置に設けられる。好ましくは、保持突起212から載置部22までの距離と、保持突起212から刃先保護部23までの距離は、1:2程度であり、より好ましくは、保持突起212から載置部22までの距離は60mm~100mmである。
好ましくは、保持突起212の外周面の形状は、支持部1の内周面の形状と略同一形状となるようにして、篏合可能に設けられている。より具体的に言えば、保持突起212は円柱状の部材であって、その外径は、支持部1の内径と略同一として篏合可能に設けられている。また、保持突起212の高さは、少なくとも巻部11のひと巻分の高さよりも高く、好ましくはふた巻分の高さよりも高い。以上によって支持部1の保持性能を高め、乱雑に扱っても外れにくい安全性の高い支持台を提供できる。
【0028】
保持突起212は、保持面211上に相対して設けられていてもよいが、図3(b)のように、支持部1の傾斜に対応する分相対する位置からずらして設けられていてもよい。この際のズレの方向は、好ましくは水平方向であり、より好ましくは取り付けられた際に刃先が向かう方向である。上視した際に、支持部1の上部が載置部22に対して垂直に設けられることとなり、包丁Kを取り付けた際に把持手K2が載置部本体221に垂直に載置されるようになるため、多くの包丁Kを見栄えよく収納でき、取り扱い性能も高まる。
【0029】
なお、保持突起212の外周面には、支持部1の線材を嵌め込むことができる溝D(図示せず)が設けられていてもよい。このとき、溝Dは、支持部1の線材と外形状が略同一であり、巻部11の巻き角度や幅に対応している。
【0030】
下面台213は、保持部211同士をかけ渡す板状部材であって、ケース2の底面又は底面付近に設けられている。また、下面台213は、保持突起212の直下に設けられていることによって、支持部1が地面に直接接触することを防ぎ、また支持部1の弾性力によるケース2の変形を防ぐ。
【0031】
載置部22は、把持手K2を載置するための部位であって、保持部21の端部同士をかけ渡すように設けられる板状部材である。実施形態において、載置部22は、実際に把持手K2を載置する載置部本体221を有する。
【0032】
載置部本体221は、載置部22の上端に設けられる部材であって、他の部分よりも幅広に設けられている。その上端は支持部1の下端よりも高い位置において設けられていることで、包丁Kを下向きに傾斜した状態で載置できるようにし安全性を高めている。
また、載置部本体221は、底面と平行な方向に突出する部分を有している。実施形態においては側面視逆U字状となっており、ここを摘まむことで引き出し操作等の取り扱いを容易にできるようにしている。
なお、載置部本体221には、ケース2の他の部分に比べて把持手K2に対する静止摩擦力の強いゴム等の部材を用いることが好ましい。
【0033】
刃先保護部23は、刃先の奥行方向への移動を制限して安全性を高める部材である。実施形態においては、刃先保護部23は保持部21の端部同士をかけ渡す板状部材であり、その幅は載置部22と略同一になるように設けられており、これにより平面視でケース2が長方形状となっている。一方、板の幅を載置部22の幅よりも狭くすることによって、コンパクトな構成としてもよい。
実施形態においては、刃先保護部23の上端部が、保持部21の上面の一部を覆うように張り出すことによって、刃先が上に向けて飛び出すことを防止している。
【0034】
副支持部3は、保持部21の間隔を維持するとともに、刃部K1が地面に接触することを防止するために設けられている部材であり、刃部K1を支持する副下面31を有する。
副下面31は、ケース2の底面または底面付近において保持面211同士を架け渡すように設けられている棒状の部材である。実施形態においては、副下面31は、下面台213よりも刃先保護部23に近い側に設けられており、これにより刃先と地面との接触を防いでいる。
好ましくは、副下面31は、支持部1の底面に最も近い部位と、刃先保護部23の下端とを結ぶ直線よりも上側に副下面31の上端が位置するように設けられる。これによって刃先保護部23と副下面31との間の空隙で刃先と地面との接触を防ぐことができる。
なお、副支持部3を保持部の一部とし、支持部1の端部を固定できる構造としてもよい。
【0035】
以下、本発明の支持部1の製造方法について詳述する。本発明は、支持部1を製造する製造者によって製造される。
【0036】
まず、製造者は、図2(b)~(e)に示したような断面形状を有する線材を用意する。その後、傾斜部12が外周側を向くように円柱部材に巻き付けることによって、傾斜部12を有するばねを成形する。最後に、支持部1の両端が平行になるようにばねを切断し、支持部1を製造する。
【0037】
他の製造方法として、まず製造者は通常の円形断面の形状を有する線材によって、両端の巻部11が平行になるように切断した通常の押しばねを製造する。
その後製造者は、押しばねを圧縮して巻部11同士を密着させる。そして、ばねを取り付けたときに実際に刃が入り込む部位にグランダー等を用いて切削加工を行い、傾斜部12を形成する。
【0038】
以下、図1~4を用いて、本発明の実施の方法について詳述する。本発明は、包丁Kを支持台Xに支持する目的をもつ使用者によって実施される。また、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、順番は前後してもよい。
【0039】
まず、使用者は、支持部1をケース2に取り付ける。使用者は、ばねの長さを自然長から縮め、2つの保持突起212の間隔よりも短い状態とする。そして、支持部1の両端を保持突起212に嵌め込んで保持する。
【0040】
次に、使用者は、支持部1に包丁を挿入して支持する。使用者は、傾斜部12がある位置に刃部K1を挿入して包丁Kを支持する。
このとき、把持手K2を載置部22に載置することによればさらに安定性・安全性を高めることができる。
また、刃先保護部23および副下面31があることによって、乱雑に包丁Kを差し込んだ場合でも安定性を確保することができる。
【0041】
使用者は前述の使用方法と逆の動作を行うことによって、包丁Kを取り外すことや、支持部1を取り外すこともできる。ここにおいて、支持部1の取り外しが容易であることによって、衛生性が保たれる。
【0042】
以下に、図5図7を用いて本発明の変更例について記載する。実施形態の構成と下記の変更例は自由に組み合わせることが可能であり、組み合わせにあたって、本発明の課題を阻害しない範囲で各部の長さや幅を変更してもよい。
【0043】
《載置部が可動である変更例》
図5に示す変更例においては、刃部K1と把持手K2の高さの異なる種々の包丁Kに対応できるように、載置部22の高さを変更できるようにしている。
変更例において、載置部22は全体として箱状の部材であって、上端を含み上下方向に移動可能な載置部本体221と、載置部本体221を上下方向に摺動可能となるように差し込む載置嵌め込み部222と、載置部本体221と載置嵌め込み部222との位置を固定する載置ピン223とを含む。
【0044】
載置部本体221は、載置嵌め込み部222の内側に摺動する板状の部分と、実際に把持手K2が載置される部分を有しており、板状の部分には、載置ピン223を貫入可能な孔が上下方向において等間隔に複数設けられている。
【0045】
載置嵌め込み部222は、上部が開口する箱型の部材であって、載置ピン223を貫入可能な孔が、載置部本体221と同時に貫入可能となるように、少なくとも上部に設けられている。ここにおいて、当該孔の延長線と載置部本体221の一部が干渉しない位置に設けられる。また、載置嵌め込み部222の下端には、内部に通じる水抜き用の孔が設けられている。
【0046】
載置ピン223は、少なくとも載置嵌め込み部222の厚み以上の長さを有し、載置部本体221に貫入可能な孔と、載置嵌め込み部222に設けられた孔に同時に貫入可能な貫入部分が設けられている。
【0047】
変更例における載置部22は、使用者が載置ピン223を抜いた状態で載置部本体221を上下動させ、適切な位置で載置ピン223を孔に貫入することによって、載置部本体221を所定の位置で固定できるようにしている。
【0048】
《ばねが傾斜する変更例》
図6に示す変更例においては、刃部K1を支持部1により挿入しやすくできるように、支持部1が傾斜を付けて設けられている。
変更例において、保持面211に設けられている保持突起212は、それぞれの端面が上部方向に向くように傾斜を付けて設けられており、支持部1の端部の巻部11は、傾斜した保持突起212に取り付けられて上に凸の形状に保持される。
この際、保持突起212の下側面には、支持部1の保持面211への移動を阻止する突起部214が設けられていてもよい。
【0049】
これにより、保持突起212に支持された支持部1の間隔は、下端部において距離が短くなり、上端部において距離が長くなる構成となる。このため、隣接する巻部11の間隔は、図6に示すように、上面が広く、下面が狭くなる構成となる。これによって、上方においては包丁Kを挿入しやすくなるとともに、下方では保持性能が高まる。さらに傾斜させた状態で容易に嵌め込むことができるため、支持部1の脱着も容易にできる。
【0050】
《副支持部にばねを用いる変更例》
図7に示す変更例においては、副支持部3として、支持部1と同様にばねを用いることで、包丁Kの保持性能をさらに高めている。
変更例において、副支持部3は、保持面211同士を結合して間隔を維持する副下面31と、ばね部材である副支持部本体32と、副支持部を維持する副保持突起33とが設けられる。
【0051】
副下面31は、実施形態と同様の構成であって、保持面211同士を架け渡す棒状の部材で、副支持部本体32によるケース2の変形を防いでいる。
【0052】
副支持部本体32は、自然長が保持面211の間隔よりも長い押しばねであって、圧縮された状態で、保持面211の間に保持される。その径は、支持部1と略同一か小さくなるように設けられており、その下端は支持部1の下端よりも低い位置に設けられることによって、包丁Kが斜め下を向くように支持する。
【0053】
副保持突起33は、保持突起212と同様に、保持面211から対向するように設けられている突起部分であって、副支持部本体32の外形と略同様の内形となるように設けられることによって、副支持部本体32を篏合して保持する。実施形態において、副保持突起33は円柱形状であり、その下端の高さは保持突起212の高さよりも低い位置に位置するようにしている。
【0054】
変更例に係る支持台Xを使用する使用者は、刃部K1を支持部1と副支持部本体32に同時に挿入するようにして支持する。これによって、支持されている包丁Kの保持性能をより高めて安全性を高めることができる。
【0055】
なお、保持部21の保持の方法は、篏合に限られない。例えば保持面211の両側に、ばねである支持部1を吊り下げて保持するフック部材を設けることで保持してもよい。
【符号の説明】
【0056】
X 支持台
1 支持部
11 巻部
12 傾斜部
13 切り込み部
2 ケース
21 保持部
211 保持面
212 保持突起
213 下面台
22 載置部
221 載置部本体
222 載置嵌め込み部
223 載置ピン
23 刃先保護部
3 副支持部
31 副下面
32 副支持部本体
33 副保持突起
K 包丁
K1 刃部
K2 把持手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7