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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136068
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
H10B12/00 671A
H10B12/00 621C
【審査請求】未請求
【請求項の数】35
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047031
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100121843
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 賢郎
(72)【発明者】
【氏名】秋田 貴誉
(72)【発明者】
【氏名】野田 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岡部 かすみ
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD03
5F083AD06
5F083AD56
5F083AD57
5F083GA06
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083JA60
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083ZA01
(57)【要約】
【課題】品質の良い半導体装置を製造することが可能な半導体装置及び半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の中に形成され、第1方向に延伸し、第1端及び第2端を有する酸化物半導体と、第1金属原子を含む第1金属膜と、前記第1金属膜と前記第1端との間に形成され、金属酸化物を含む第1導電膜と、を含む第1電極と、前記酸化物半導体の前記第2端に接する第2電極と、前記酸化物半導体の前記第1端と前記第2端との間に絶縁膜を介して対向するゲート電極と、前記第1方向と交わる第2方向に前記第1電極から離れて形成される第1構造体であって、少なくとも前記第1金属原子を含み、かつ、前記金属酸化物を含まない前記第1構造体と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の中に形成され、第1方向に延伸し、第1端及び第2端を有する酸化物半導体と、
第1金属原子を含む第1金属膜と、前記第1金属膜と前記第1端との間に形成され、金属酸化物を含む第1導電膜と、を含む第1電極と、
前記酸化物半導体の前記第2端に接する第2電極と、
前記酸化物半導体の前記第1端と前記第2端との間に絶縁膜を介して対向するゲート電極と、
前記第1方向と交わる第2方向に前記第1電極から離れて形成される第1構造体であって、少なくとも前記第1金属原子を含み、かつ、前記金属酸化物を含まない前記第1構造体と、を備える、
半導体装置。
【請求項2】
前記半導体装置は、
前記第1構造体を包囲する第2絶縁層をさらに備える、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1方向に沿って前記酸化物半導体を見たときに、前記第1構造体の面積は、前記第1電極の面積より大きい、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1構造体は、前記第1金属膜と同一の組成の第2金属膜を含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1絶縁層は、前記第1端と前記第1導電膜との接触面と連続する第1面を有し、
前記第1金属膜は、第1厚さを有し、かつ、前記第1面から離れて設けられ、
前記第2金属膜は、前記第1厚さを有し、かつ、前記第1面に接して設けられる、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体装置は、
前記第1絶縁層との間に前記第1金属膜及び前記第2金属膜が設けられるように形成され、前記第1金属膜に接する信号線をさらに備える、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1方向に沿って前記酸化物半導体を見たときに、複数の前記酸化物半導体が第1エリアに2次元配列され、前記第1エリアの外縁に沿って位置する第2エリアに複数の前記第1構造体が2次元配列される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体装置は、
前記第1金属原子を含む第3金属膜と、前記第3金属膜と前記第1絶縁層との間に形成され、前記金属酸化物を含む第2導電膜と、を含み、前記第2エリアに設けられる複数のダミー電極をさらに備え、
前記第1方向に沿って前記酸化物半導体を見たときに、前記複数の前記第1構造体は、前記第2エリアの外縁に沿って設けられる、
請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1構造体は、
前記第1方向に沿って前記第1絶縁層を見たときに、前記第2金属膜と重なり、前記第1絶縁層を貫通する孔部をさらに含む、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記金属酸化物は、インジウム及び錫を金属元素として含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1方向は、前記第2方向に垂直である、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の中に形成され、第1端及び第2端を有し、前記第2端から前記第1端へ向かう第1方向に延伸する酸化物半導体と、
前記酸化物半導体に対する前記第1方向に形成される第1電極であって、
前記酸化物半導体の前記第1端に接し、前記第1方向と交わる第2方向に第1側面を有する第1部分と、
前記第1部分に対する前記第1方向に設けられ、前記第2方向に第2側面を有する第2部分と、を含む第1電極と、
前記酸化物半導体の前記第2端に接する第2電極と、
前記酸化物半導体の前記第1端と前記第2端との間に絶縁膜を介して対向するゲート電極と、
第1膜と、を備え、
前記第1部分は、インジウム及び錫を金属元素として含み、前記第1方向の反対方向に設けられる第1金属酸化物電極部を少なくとも含み、
前記第2部分は、タングステンを含有し、前記第1方向に設けられるパッドを少なくとも含み、
前記第1方向及び前記第2方向により定まる平面と平行な断面において、前記第1側面は、前記第2側面より前記第2方向に位置し、
前記第1膜は、前記第2側面を覆う、
半導体装置。
【請求項13】
前記第2部分は、チタン及び窒素を含む第1バリアメタル部を前記パッドに対する前記第1方向の反対方向にさらに含む、
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2部分における前記第1バリアメタル部と前記第1部分における前記第1金属酸化物電極部とは、接する、
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1バリアメタル部は、前記第2部分の一部であって、前記パッドより前記第1方向の反対方向に位置するものと、前記第1部分の一部であって、前記第1金属酸化物電極部より前記第1方向に位置するものと、にわたって設けられる、
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記半導体装置は、
前記第1電極に対して、前記第2方向の反対方向に設けられる第2絶縁層と、
前記第1電極及び前記第2絶縁層に対する前記第1方向に設けられる信号線と、をさらに備え、
前記第1膜は、前記信号線の前記第2方向の側面をさらに覆う、
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記半導体装置は、
前記信号線の前記第2方向の反対方向の側面を覆う第2膜をさらに備える、
請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記信号線は、前記第1方向及び前記第2方向と交わる第3方向に延伸し、
前記ゲート電極は、前記第2方向に延伸し、
前記半導体装置は、
前記第2方向に繰り返し設けられる2つ以上の前記信号線と、
前記第3方向に繰り返し設けられる2つ以上の前記ゲート電極と、
前記第1電極、前記酸化物半導体、前記第2電極、前記第2絶縁層、前記第1膜及び前記第2膜の組であって、前記信号線ごと及び前記ゲート電極ごとに設けられる2つ以上の前記組と、を備え、
連続する2つの前記組のうちの前記第2方向の反対方向の前記組である第1組に含まれる前記第1膜と、前記連続する2つの前記組のうちの前記第2方向の前記組である第2組に含まれる前記第2膜と、は対向する、
請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1組と前記第2組との間には、エアギャップが設けられる、
請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記半導体装置は、
前記エアギャップに対する前記第1方向に設けられる第3絶縁層をさらに備える、
請求項19に記載の半導体装置。
【請求項21】
前記半導体装置は、
前記エアギャップに対する前記第1方向の反対方向に設けられる第4絶縁層をさらに備える、
請求項19に記載の半導体装置。
【請求項22】
前記半導体装置は、
前記第1組と前記第2組との間に設けられる第4絶縁層をさらに備える、
請求項18に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記第2絶縁層は、
前記第2方向の反対方向に第3側面を有する第3部分と、
前記第3部分に対する前記第1方向に設けられ、前記第2方向の反対方向に第4側面を有する第4部分と、を含み、
前記断面において、前記第3側面は、前記第4側面より前記第2方向の反対方向に位置し、
前記第2膜は、前記第4側面をさらに覆う、
請求項18に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記第3部分の前記第3側面の少なくとも一部と、前記第1部分の前記第1側面の少なくとも一部とは、接する、
請求項23に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記第3部分の前記第3側面の全部と、前記第1部分の前記第1側面の全部とは、接する、
請求項23に記載の半導体装置。
【請求項26】
前記第3部分の前記第3側面における前記第1方向の反対方向の一部と、前記第1部分の前記第1側面の全部とは、接する、
請求項23に記載の半導体装置。
【請求項27】
前記半導体装置は、
第3膜をさらに備え、
前記第3膜は、前記第3側面における前記第1方向の一部を覆う、
請求項26に記載の半導体装置。
【請求項28】
前記第3部分の前記第3側面における全部と、前記第1部分の前記第1側面における前記第1方向の反対方向の一部とは、接する、
請求項23に記載の半導体装置。
【請求項29】
前記半導体装置は、
第4膜をさらに備え、
前記第4膜は、前記第1側面における前記第1方向の一部を覆う、
請求項28に記載の半導体装置。
【請求項30】
前記第1組における前記第1電極と、前記第2組における前記第2絶縁層とは、離れており、
前記第2膜は、前記第2絶縁層における前記第2方向の反対方向の側面をさらに覆う、
請求項18に記載の半導体装置。
【請求項31】
前記半導体装置は、
第4膜をさらに備え、
前記第4膜は、前記第1側面を覆う、
請求項30に記載の半導体装置。
【請求項32】
前記第1絶縁層には、前記第1組の前記第1部分と前記第2組の前記第2絶縁層との間において前記第1方向に開口する凹部が形成され、
前記第2膜は、前記第2絶縁層における前記第2方向の反対方向の側面の全部から前記凹部の前記第2方向の一部をさらに覆う、
請求項30に記載の半導体装置。
【請求項33】
前記第1絶縁層には、前記第1組の前記第1部分と前記第2組の前記第2絶縁層との間において前記第1方向に開口する凹部が形成され、
前記半導体装置は、
前記第4膜は、前記凹部の前記第2方向の反対方向の一部をさらに覆う、
請求項31に記載の半導体装置。
【請求項34】
前記膜は、窒化ケイ素又は酸化アルミニウムによって形成される、
請求項12、17、27、29又は31に記載の半導体装置。
【請求項35】
請求項1又は12に記載の前記半導体装置と、
前記第1電極又は前記第2電極に接続される第1キャパシタ電極と、
前記第1キャパシタ電極と対向する第2キャパシタ電極と、
前記第1キャパシタ電極と前記第2キャパシタ電極との間に設けられる誘電膜と、を備える、
半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置及び半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の中には、インジウム及び錫を含む金属酸化物を電極に用いるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開US2022/0285350号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属酸化物が電極に用いられる半導体素子の製造プロセスにおいて、品質の良い半導体装置を製造する技術が求められる。
【0005】
本開示は、品質の良い半導体装置を製造することが可能な半導体装置及び半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る半導体装置は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の中に形成され、第1方向に延伸し、第1端及び第2端を有する酸化物半導体と、第1金属原子を含む第1金属膜と、前記第1金属膜と前記第1端との間に形成され、金属酸化物を含む第1導電膜と、を含む第1電極と、前記酸化物半導体の前記第2端に接する第2電極と、前記酸化物半導体の前記第1端と前記第2端との間に絶縁膜を介して対向するゲート電極と、前記第1方向と交わる第2方向に前記第1電極から離れて形成される第1構造体であって、少なくとも前記第1金属原子を含み、かつ、前記金属酸化物を含まない前記第1構造体と、を備える。
【0007】
本開示に係る半導体装置は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の中に形成され、第1端及び第2端を有し、前記第2端から前記第1端へ向かう第1方向に延伸する酸化物半導体と、前記酸化物半導体に対する前記第1方向に形成される第1電極であって、前記酸化物半導体の前記第1端に接し、前記第1方向と交わる第2方向に第1側面を有する第1部分と、前記第1部分に対する前記第1方向に設けられ、前記第2方向に第2側面を有する第2部分と、を含む第1電極と、前記酸化物半導体の前記第2端に接する第2電極と、前記酸化物半導体の前記第1端と前記第2端との間に絶縁膜を介して対向するゲート電極と、第1膜と、を備え、前記第1部分は、インジウム及び錫を金属元素として含み、前記第1方向の反対方向に設けられる第1金属酸化物電極部を少なくとも含み、前記第2部分は、タングステンを含有し、前記第1方向に設けられるパッドを少なくとも含み、前記第1方向及び前記第2方向により定まる平面と平行な断面において、前記第1側面は、前記第2側面より前記第2方向に位置し、前記第1膜は、前記第2側面を覆う。
【0008】
本開示に係る半導体記憶装置は、前記半導体装置と、前記第1電極又は前記第2電極に接続される第1キャパシタ電極と、前記第1キャパシタ電極と対向する第2キャパシタ電極と、前記第1キャパシタ電極と前記第2キャパシタ電極との間に設けられる誘電膜と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るメモリセルアレイの回路構成例を説明するための回路図である。
図2】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図3】第1実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図4】第1実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための平面模式図であり、上方から見た平面面を示す。
図5】第1実施形態に係る凸部Peri部マークの第1変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図6】第1実施形態に係る凸部Peri部マークの第2変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図7】第1実施形態に係る凸部Peri部マークの第3変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図8】第1実施形態に係る凸部Peri部マークの第4変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図9】第1実施形態に係るダミーLPアレイ部の第1変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図10】第1実施形態に係るダミーLPアレイ部の第2変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図11】第1実施形態に係るダミーLPアレイ部の第3変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図12】第1実施形態に係るダミーLPアレイ部の第4変形例の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図13】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図14】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図15】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図16】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図17】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図18】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図19】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図20】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図21】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図22】第1実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図23】比較例に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、ZX面に平行な断面図を示す。
図24】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第1例の半半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図25】第2実施形態第1例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図26】第2実施形態第1例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図27】第2実施形態第1例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図28】第2実施形態第1例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図29】第2実施形態第1例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図30】第2実施形態第1例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図31】第2実施形態第1例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図32】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第2例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図33】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第3例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図34】第2実施形態第3例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図35】第2実施形態第3例の半導体装置の製造プロセスを示す模式図である。
図36】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第4例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図37】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第5例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図38】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第6例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図39】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第7例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図40】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第8例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図41】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第9例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図42】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第10例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
図43】第2実施形態に係る半導体装置の構造例を説明するための断面模式図であり、第2実施形態第11例の半導体装置のYZ面に平行な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0011】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成について説明する。各図面には、X軸、Y軸及びZ軸を示すことがある。X軸、Y軸及びZ軸は、右手系の3次元の直交座標を形成する。以下、X軸の矢印方向をX軸+方向、矢印とは逆方向をX軸-方向と呼ぶことがあり、その他の軸についても同様である。なお、Z軸+方向及びZ軸-方向を、それぞれ「上方」及び「下方」と呼ぶこともある。また、X軸、Y軸又はZ軸にそれぞれ直交する面を、YZ面、ZX面又はXY面と呼ぶことがある。また、Z軸方向を「上下方向」と呼ぶことがある。「上方」、「下方」及び「上下方向」は、あくまで図面内での相対的位置関係を示す用語であり、鉛直方向を基準とした向きを定める用語ではない。
【0012】
本明細書において「接続」とは物理的な接続だけでなく電気的な接続も含み、特に指定する場合を除き、直接接続だけでなく間接接続も含む。
【0013】
第1実施形態に係る半導体記憶装置101は、OS-RAM(Oxide Semiconductor-Random Access Memory)であって、メモリセルアレイを備える。
【0014】
図1に示すように、メモリセルアレイは、複数のメモリセルMCと、複数のワード線WLと、複数のビット線BLと、を含む。
【0015】
図1には、複数のワード線WLの一例として、ワード線WL、ワード線WLn+1及びワード線WLn+2が示される(ここで、nは正の整数である)。また、図1には、ビット線BLの一例として、ビット線BL、ビット線BLm+1及びビット線BLm+2が示される(ここで、mは正の整数である)。なお、複数のメモリセルMCの個数は、図1に示す個数に限定されない。
【0016】
複数のメモリセルMCは、例えばマトリクス状に配列されることにより、メモリセルアレイを形成する。メモリセルMCは、電界効果トランジスタ(FET)であるメモリトランジスタMTRと、メモリキャパシタMCPと、を含む。
【0017】
行方向に沿って設けられる一連のメモリセルMCは、自己の属する行(例えば第n行)に対応するワード線WL(例えばワード線WL)に接続される。列方向に沿って設けられる一連のメモリセルMCは、自己の属する列(例えば第m+2列)に対応するビット線BL(例えばビット線BLm+2)に接続される。
【0018】
詳細には、メモリセルMCに含まれるメモリトランジスタMTRのゲートは、当該メモリセルMCの属する行に対応するワード線WLに接続される。メモリトランジスタMTRのソース又はドレインの一方は、当該メモリセルMCの属する列に対応するビット線BLに接続される。
【0019】
メモリセルMCに含まれるメモリキャパシタMCPの一方の電極は、当該メモリセルMCに含まれるメモリトランジスタMTRのソース又はドレインの他方に接続される。メモリセルMCの他方の電極は、特定の電位を供給する電源線(図示しない)に接続される。
【0020】
メモリセルMCは、対応するワード線WLの電位に基づくメモリトランジスタMTRのスイッチングにより、対応するビット線BLを流れる電流によるメモリキャパシタMCPへの電荷の蓄積によってデータを保持可能に構成される。
【0021】
図2に示すように、半導体記憶装置101は、半導体基板10と、回路11と、キャパシタ20と、半導体装置30と、導電体33と、絶縁層34、35、45及び63と、を備える。
【0022】
キャパシタ20は、導電体21と、絶縁膜22(「誘電膜」の一例)と、導電体23と、キャパシタ電極24(「第1キャパシタ電極」の一例)及びキャパシタ電極25(「第2キャパシタ電極」の一例)と、を含む。
【0023】
半導体装置30は、電界効果トランジスタ40(「半導体素子」の一例)と、電界効果トランジスタ40の上方に設けられる上部電極50(「第1電極」の一例)と、電界効果トランジスタ40の下方に設けられる下部電極32(「第2電極」の一例)と、を含む。
【0024】
電界効果トランジスタ40は、チャネルに相当する酸化物半導体層70(「酸化物半導体」の一例)と、ゲート絶縁膜43と、導電層42(「ゲート電極」の一例)と、を含む。
【0025】
酸化物半導体層70は、絶縁層45(「第1絶縁層」の一例)の中に形成され、上端70a(「第1端」の一例)及び下端70b(「第2端」の一例)を有する。酸化物半導体層70は、下端70bから上端70aへ向かうZ軸+方向(「第1方向」の一例)に延伸する柱状体である。酸化物半導体層70は、電界効果トランジスタ40のチャネルを形成し、酸化物半導体層70は、アモルファス構造を有する。
【0026】
導電層42は、電界効果トランジスタ40のゲート電極として機能し、酸化物半導体層70の上端70aと下端70bとの間にゲート絶縁膜43を介して対向する。
【0027】
ゲート絶縁膜43は、例えばシリコンと窒素とを含有するシリコン窒化膜(Si)である。
【0028】
上部電極50は、酸化物半導体層70に対するZ軸+方向に形成される。上部電極50は、金属酸化物層50a(「第1導電膜」及び「第1金属酸化物電極部」の一例)と、バリアメタル層50b(「第1バリアメタル部」の一例)と、金属膜50c(「第1金属膜」及び「パッド」の一例)と、を含む。
【0029】
金属膜50cは、タングステン(W)(「第1金属原子」の一例)を含む。金属酸化物層50aは、金属膜50cと酸化物半導体層70の上端70a(「第1端」の一例)との間に形成され、金属酸化物を含む。金属酸化物は、例えば、インジウム及び錫を金属元素として含む。本実施形態では、金属酸化物層50aは、インジウム-錫-酸化物(ITO)によって形成される。
【0030】
バリアメタル層50bは、チタン及び窒素を含み、金属酸化物層50aと金属膜50cとの間に形成される。本実施形態では、バリアメタル層50bは、例えば窒化チタン(TiN)によって形成される。
【0031】
下部電極32は、酸化物半導体層70の下端70b(「第2端」の一例)に接する。下部電極32は、例えば、インジウム-錫-酸化物(ITO)などの金属酸化物を含むITO層によって形成される。
【0032】
回路11は、半導体記憶装置101の複数のメモリセルMCすなわちキャパシタ20及び電界効果トランジスタ40のうち、所定のメモリセルMCを選択するためのデコーダ、ビット線BLに接続されるセンスアンプ、SRAMから構成されるレジスタなどの周辺回路を構成する。回路11は、CMOSプロセスで形成されたPチャネル型電界効果トランジスタ(Pch-FET)及びNチャネル型電界効果トランジスタ(Nch-FET)の電界効果トランジスタを有するCMOS回路を含んでよい。
【0033】
回路11の電界効果トランジスタは、例えば単結晶シリコン基板などの半導体基板10を用いて形成可能である。Pch-FET及びNch-FETは、半導体基板10にチャネル領域とソース領域とドレイン領域とを有し、半導体基板10の表面に近接した領域において半導体基板10の表面と略平行なX軸方向又はY軸方向にキャリアを流すためのチャネルを有する、いわゆる、横型の電界効果トランジスタである。なお、半導体基板10はP型乃至N型の導電型を有していてもよい。なお、図2は、便宜のため、回路11の電界効果トランジスタの一例を図示する。
【0034】
キャパシタ20は、メモリセルMCに含まれるメモリキャパシタMCPである(図1参照)。図2には、4つのキャパシタ20を図示しているが、キャパシタ20の個数は、4つに限定されない。
【0035】
本実施形態では、キャパシタ20は、半導体基板10の上方に設けられる。キャパシタ20におけるキャパシタ電極24は、導電体21及び下部電極32に接続される。キャパシタ電極25は、キャパシタ電極24と対向する。絶縁膜22は、キャパシタ電極24とキャパシタ電極25との間に設けられる。
【0036】
キャパシタ20は、ピラー型キャパシタなどの3次元キャパシタである。なお、本実施形態のキャパシタとして、電荷を蓄積可能な構成を備える他のキャパシタを採用してもよい。
【0037】
導電体21は、下部電極32の下方の端面に当接し、当該端部から下方に延びる形状を有する。キャパシタ電極24は、下部電極32及び導電体21を覆うように形成される。絶縁膜22は、キャパシタ電極24を覆うように形成される。キャパシタ電極25は、絶縁膜22の下方の一部を包囲し、導電体23の上方の端面と当接する下端を有する。
【0038】
導電体21は、アモルファスシリコンなどの材料を含んでよい。絶縁膜22は、酸化ハフニウムなどの材料を含んでよい。導電体23並びにキャパシタ電極24及び25は、タングステン(W)及び窒化チタン(TiN)などの材料を含んでよい。
【0039】
導電体33は、回路11と半導体装置30とを電気的に接続する配線を含む。導電体33は、ビア配線を含んでよく、例えば図2に示されるようにZ軸方向に延伸し、ワード線WLと半導体基板10上に設けられる回路11とを接続するビア配線を有する。導電体33は、例えば銅を含む。
【0040】
絶縁層34は、複数のキャパシタ20間に設けられる。絶縁層34は、例えばシリコンと酸素とを含有するシリコン酸化膜である。
【0041】
絶縁層35は、絶縁層34の上方に設けられる。絶縁層35は、例えばシリコンと窒素とを含有するシリコン窒化膜である。
【0042】
半導体装置30は、キャパシタ20の上方に設けられる。半導体装置30における電界効果トランジスタ40は、メモリセルMCのメモリトランジスタMTRに相当する(図1参照)。
【0043】
半導体装置30では、電界効果トランジスタ40は、下部電極32の上方に設けられる。詳細には、電界効果トランジスタ40の酸化物半導体層70は、下部電極32に対して半導体基板10から離れる方向すなわち上方に位置する。
【0044】
上部電極50は、酸化物半導体層70に対して半導体基板10から離れる方向すなわち上方に位置する。このような構成を備えることにより、電界効果トランジスタ40は、半導体基板10の表面に略垂直なZ軸方向(上下方向)に延伸するチャネルを有する、いわゆる、縦型のトランジスタである。
【0045】
また、酸化物半導体層70は、酸素欠損がドナーとなる半導体であり、金属元素として、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、ガリウム(Ga)と、を含む。詳細には、酸化物半導体層70は、インジウム、ガリウム及び亜鉛の酸化物すなわちIGZO(InGaZnO)である。なお、酸化物半導体層70は、他の種類の酸化物半導体であってもよい。
【0046】
図3には、ZX面に平行な断面70ZXであって、酸化物半導体層70に含まれる断面70ZXで見たときの半導体装置30の断面図が示される。
【0047】
図3に示すように、本実施形態では、半導体装置30は、ダミー電極151(「第1構造体」の一例)及び152並びにマーク電極161(「第1構造体」の一例)をさらに備える。
【0048】
組401は、キャパシタ20、下部電極32、酸化物半導体層70及び上部電極50を含む。組401は、LP(ランディングパッド)アレイ部201に設けられる。ダミー電極151及びダミー電極152は、ダミーLPアレイ部211に設けられる。マーク電極161は、凸部Peri部マーク221に設けられる。
【0049】
絶縁層45は、酸化物半導体層70の上端70aと金属酸化物層50aとの接触面と連続する主面45a(「第1面」の一例)を上方に有する。主面45aは、XY面に略平行である。
【0050】
導電層51は、ビット線BL(図1参照)に相当し、X軸と平行な延伸軸に沿って延びる。導電層42は、ワード線WL(図1参照)に相当し、Y軸と平行な延伸軸に沿って延びる。
【0051】
半導体装置30では、2つ以上の導電層42が、X軸方向に繰り返し設けられる。2つ以上の導電層51が、Y軸方向に繰り返し設けられる。
【0052】
ダミー電極151(「第1構造体」の一例)及びマーク電極161(「第1構造体」の一例)は、Z軸+方向と交わる第2方向例えばX軸-方向に上部電極50から離れて形成される。
【0053】
ダミー電極151及びマーク電極161は、少なくともタングステンを含み、かつ、金属酸化物を含まない。
【0054】
詳細には、ダミー電極151は、金属膜50c(以下、第2金属膜151aと称することがある。)と、ハードマスク層61と、を含む。マーク電極161は、金属膜50c(以下、第2金属膜161aと称することがある。)と、ハードマスク層61と、を含む。
【0055】
つまり、ダミー電極151及びマーク電極161では、上部電極50と異なり、金属酸化物層50aが設けられない。
【0056】
ダミー電極152は、金属酸化物を含み、主面45aに接する金属酸化物層50a(以下、第2導電膜152bと称することがある。)と、金属酸化物層50aの上方に形成され、タングステンを含む金属膜50c(以下、第3金属膜152aと称することがある。)と、金属酸化物層50aと金属膜50cとの間に設けられるバリアメタル層50bと、を含む。
【0057】
第2金属膜151a及び161a並びに第3金属膜152aは、上部電極50に含まれる金属膜50cと同一の組成を有する。詳細には、第2金属膜151a及び161a並びに第3金属膜152aと、上部電極50における金属膜50cとは、製造時において同時に膜形成される。このため、第2金属膜151a及び161a並びに第3金属膜152aと、上部電極50における金属膜50cとは、同じ組成を有する。
【0058】
また、第2金属膜151a及び161a並びに第3金属膜152aは、上部電極50における金属膜50cの厚さ(「第1厚さ」の一例)と同じ厚さを有する。
【0059】
また、第2金属膜151a及び161aは、主面45aに接して設けられる。一方、上部電極50における金属膜50c及び第3金属膜152aは、主面45aから離れて設けられる。具体的には、上部電極50における金属膜50c及び第3金属膜152aは、バリアメタル層50b及び金属酸化物層50aを介して主面45aに接続される。
【0060】
導電層51(「信号線」の一例)は、絶縁層45との間に金属膜50c、バリアメタル層50b及び第2金属膜151aが設けられるように形成され、上部電極50における金属膜50cに接する。
【0061】
本実施形態では、導電層51は、ダミー電極151及び152並びに上部電極50の上方に形成される。ダミー電極152における第3金属膜152a及び上部電極50における金属膜50cは、導電層51に接する。ダミー電極151における第2金属膜151aは、ハードマスク層61を通じて導電層51に接続される。
【0062】
絶縁層63(「第2絶縁層」の一例)は、絶縁層45の上方に形成される。絶縁層63と、絶縁層63の上方に設けられる絶縁層64とは、マーク電極161を包囲する。絶縁層63及び64は、例えば、二酸化ケイ素などの酸化物絶縁体によって形成される。マーク電極161は、例えば、製造工程において、マスクなどと、半導体装置30のウェハーとの相対的な位置を合わせるために用いられる。
【0063】
図4は、上下方向に沿って絶縁層45の主面45aを平面視したときの半導体装置30の平面図の一例を示す図である。
【0064】
図3及び図4に示すように、上下方向に沿って主面45aを平面視したときに、複数の組401がエリアA1(「第1エリア」の一例)に2次元配列される。エリアA1は、例えば、外縁E1によって囲まれる範囲である。
【0065】
エリアA2(「第2エリア」の一例)は、エリアA1の外縁E1に沿って位置する。エリアA2は、エリアA2の外縁E2で囲まれる範囲であって、エリアA1の外縁E1の外側の範囲である。
【0066】
エリアA2には、複数のダミー電極151及び複数のダミー電極152が2次元配列される。
【0067】
上下方向に沿って主面45aを平面視したときに、複数のダミー電極151は、エリアA2の外縁E2に沿って設けられる。詳細には、複数のダミー電極151は、エリアA2の外縁E2のすぐ内側に一重に設けられる。なお、複数のダミー電極151は、エリアA2の外縁E2のすぐ内側に二重以上に設けられてもよい。
【0068】
複数のダミー電極151と複数の組401との間には、複数のダミー電極152が二重に設けられる。なお、複数のダミー電極152は、一重に設けられてもよいし、三重以上に設けられてもよい。
【0069】
上下方向に沿って主面45aを平面視したときに、マーク電極161の面積は、上部電極50、ダミー電極151及びダミー電極152の各々の面積より大きい。
【0070】
図5には、凸部Peri部マーク221の第1変形例のZX面に平行な断面図が示される。図5に示すように、凸部Peri部マーク221の第1変形例は、上下方向に絶縁層45を見たときに、第2金属膜161aと重なり、絶縁層45を貫通する孔部71を含む。
【0071】
詳細には、第2金属膜161aの下方には、孔部71、下部電極32、導電層42、ゲート絶縁膜43及びキャパシタ20が形成される。
【0072】
孔部71は、例えば、電界効果トランジスタ40において酸化物半導体層70が形成されるスルーホールと同様の形状を有する。
【0073】
ハードマスク層61及び第2金属膜161aは、孔部71の中心軸に近いほど下方に向かって突出する形状を有する。
【0074】
図6には、凸部Peri部マーク221の第2変形例のZX面に平行な断面図が示される。図6に示すように、凸部Peri部マーク221の第2変形例は、ハードマスク層61及び第2金属膜161aは、複数の孔部71にわたって設けられる点で、図5に示す凸部Peri部マーク221の第1変形例と異なる。
【0075】
図7には、凸部Peri部マーク221の第3変形例のZX面に平行な断面図が示される。図7に示すように、凸部Peri部マーク221の第3変形例は、第2金属膜161aの下方に導電層42が形成されない点で、図5に示す凸部Peri部マーク221の第1変形例と異なる。
【0076】
図8には、凸部Peri部マーク221の第4変形例のZX面に平行な断面図が示される。図8に示すように、凸部Peri部マーク221の第4変形例は、第2金属膜161aの下方に導電層42が形成されない点で、図6に示す凸部Peri部マーク221の第2変形例と異なる。
【0077】
図9には、ダミーLPアレイ部211の第1変形例のZX面に平行な断面図が示される。図9に示すように、ダミーLPアレイ部211の第1変形例は、上下方向に絶縁層45を見たときに、第2金属膜151aと重なり、絶縁層45を貫通する孔部72を含む。
【0078】
詳細には、第2金属膜151aの下方には、孔部72、下部電極32、導電層42、ゲート絶縁膜43及びキャパシタ20が形成される。
【0079】
孔部72は、例えば、電界効果トランジスタ40において酸化物半導体層70が形成されるスルーホールと同様の形状を有する。
【0080】
ハードマスク層61及び第2金属膜151aは、孔部72の中心軸に近いほど下方に向かって突出する形状を有する。
【0081】
図10には、ダミーLPアレイ部211の第2変形例のZX面に平行な断面図が示される。図10に示すように、ダミーLPアレイ部211の第2変形例は、第2金属膜151aの下方に下部電極32及びキャパシタ20が形成されない点で、図9に示すダミーLPアレイ部211の第1変形例と異なる。
【0082】
図11には、ダミーLPアレイ部211の第3変形例のZX面に平行な断面図が示される。図11に示すように、ダミーLPアレイ部211の第3変形例は、第2金属膜151aの下方に導電層42が形成されない点で、図9に示すダミーLPアレイ部211の第1変形例と異なる。
【0083】
図12には、ダミーLPアレイ部211の第4変形例のZX面に平行な断面図が示される。図12に示すように、ダミーLPアレイ部211の第4変形例は、第2金属膜151aの下方に下部電極32及びキャパシタ20が形成されない点で、図11に示すダミーLPアレイ部211の第3変形例と異なる。
【0084】
[半導体装置の製造方法]
以下、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例として半導体装置30の製造方法について説明する。
【0085】
まず、図13に示すように、絶縁層45に形成されたスルーホールに酸化物半導体層70が形成される。
【0086】
次に、図14に示すように、絶縁層45の主面45aに金属酸化物層50aが形成される。そして、金属酸化物層50aの上方の面にバリアメタル層50bが形成される。
【0087】
次に、図15に示すように、バリアメタル層50bの上方の面において、上部電極50及びダミー電極152を形成しようとする領域にハードマスク層65が形成される。
【0088】
次に、図16に示すように、ハードマスク層65が形成されていない領域において、金属酸化物層50a及びバリアメタル層50bがエッチングによって除去される。
【0089】
次に、図17に示すように、ハードマスク層65が除去される。
【0090】
次に、図18に示すように、露出している主面45a及びバリアメタル層50bの上方の面に金属膜50cが形成される。
【0091】
次に、図19に示すように、金属膜50cの上方の面において、上部電極50、ダミー電極151、ダミー電極152及びマーク電極161を形成しようとする領域にハードマスク層61が形成される。
【0092】
次に、図20に示すように、ハードマスク層61が形成されていない領域において、金属酸化物層50a、バリアメタル層50b及び金属膜50cが反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)によって除去される。
【0093】
次に、図21に示すように、半導体装置30の上方において、ハードマスク層61が覆われるように絶縁層63が形成される。
【0094】
次に、図22に示すように、絶縁層63の上方の面が化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)されることによってダミー電極152における金属膜50cすなわち第3金属膜152a及び上部電極50における金属膜50cが露出する。
【0095】
次に、図3に示すように、LPアレイ部201及びダミーLPアレイ部211にわたって導電層51が形成される。また、凸部Peri部マーク221では、絶縁層64が形成される。
【0096】
(効果)
図23に示すように、金属酸化物層50aが除去されるとき(図20参照)、金属酸化物層50a、バリアメタル層50b、金属膜50c及びハードマスク層61によって形成されるピラー52の周囲にITO加工時の残渣物91が付着することがある。
【0097】
この残渣物91によって、ピラー52間が閉塞することがあるため、好ましくない。このようなピラー52間の閉塞は、2次元配列された複数のピラー52が設けられる領域の外縁に近いピラー52において顕著に発生する。
【0098】
これに対して、本実施形態では、図3及び図4に示すように、エリアA2の外縁E2の近傍には、金属酸化物層50aを含むダミー電極152ではなく、金属酸化物層50aを含まないダミー電極151が設けられる。
【0099】
このような構成により、金属酸化物層50aが除去されるときに(図20参照)、ダミー電極151の周囲に付着する残渣物91の量を減ずることができる。これにより、ダミー電極151とダミー電極151との間及びダミー電極151とダミー電極152との間における残渣物91による閉塞を抑制することができる。
【0100】
また、金属酸化物層50aの除去はドライ条件で行われるが(図20参照)、仮に面積の大きい凸部Peri部マーク221に金属酸化物層50aが含まれる場合、残渣物91によるチャンバー内の汚染が課題となる。
【0101】
これに対して、本実施形態では、図3及び図4に示すように、凸部Peri部マーク221におけるマーク電極161には、金属酸化物層50aが含まれない。
【0102】
このような構成により、図20に示すように金属酸化物層50a、バリアメタル層50b及び金属膜50cが反応性イオンエッチングによって除去される場合において、凸部Peri部マーク221から発生する残渣物91の量を減ずることができる。これにより、残渣物91によるチャンバー内の汚染を抑制することができる。したがって、品質の良い半導体装置30を製造することができる。
【0103】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る半導体装置30について説明する。第2実施形態以降では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0104】
図24に示すように、第1実施形態では、ZX面に平行な断面70ZXで見たときの半導体装置30について説明したが、第2実施形態では、YZ面に平行な断面70YZであって、酸化物半導体層70に含まれる断面70YZで見たときの半導体装置30について説明する。
【0105】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第1例(以下、第2実施形態第1例と称することがある。)について説明する。
【0106】
(第2実施形態第1例)
上部電極50は、Z軸-方向すなわち下方の部分311(「第1部分」の一例)と、Z軸+方向すなわち上方の部分312(「第2部分」の一例)と、を含む。
【0107】
部分311は、酸化物半導体層70の上端70aに接し、Y軸+方向(「第2方向」の一例)に側面311a(「第1側面」の一例)を有する。
【0108】
部分311は、インジウム及び錫を金属元素として含み、自己の下方に設けられる金属酸化物層50a(「第1金属酸化物電極部」の一例)を少なくとも含む。第2実施形態第1例では、インジウム-錫-酸化物(ITO)によって形成される金属酸化物層50aが部分311の全部に含まれる。
【0109】
部分312は、部分311に対する上方に設けられ、Y軸+方向に側面312a(「第2側面」の一例)を有する。部分312は、タングステンを含有し、自己の上方に設けられる金属膜50c(「パッド」の一例)を少なくとも含む。
【0110】
第2実施形態第1例では、部分312は、金属膜50cと、金属膜50cの下方に設けられ、チタン及び窒素を含むバリアメタル層50b(「第1バリアメタル部」の一例)と、を含む。
【0111】
第2実施形態第1例では、部分311における金属酸化物層50aの上方の面と、部分312におけるバリアメタル層50bの下方の面とは、接する。
【0112】
本実施形態では、断面70YZにおいて、部分311のY軸-方向の側面と、部分312のY軸-方向の側面とは滑らかに連続している。そして、断面70YZにおいて、部分311のY軸+方向の側面311aは、部分312のY軸+方向の側面312aよりY軸+方向に位置する。つまり、部分311のY軸方向の幅は、部分312のY軸方向の幅より大きい。
【0113】
絶縁層63(「第2絶縁層」の一例)は、上部電極50に対してY軸-方向に設けられ、かつ、絶縁層45の上方に設けられる。絶縁層63は、下方の部分313(「第3部分」の一例)と、上方の部分314(「第4部分」の一例)とを含む。
【0114】
部分313は、絶縁層45の主面45aに接し、Y軸-方向に側面313a(「第3側面」の一例)を有する。
【0115】
部分314は、部分313の上方に設けられ、Y軸-方向に側面314a(「第4側面」の一例)を有する。後述するように、層状の絶縁層63がエッチングされることによって部分313及び314が形成されるので、部分313及び314は、一体となっている。
【0116】
本実施形態では、断面70YZにおいて、部分313のY軸+方向の側面及び部分314のY軸+方向の側面は、上部電極50のY軸-方向の側面と接し、かつ、滑らかに連続している。そして、断面70YZにおいて、部分313のY軸-方向の側面313aは、部分314のY軸-方向の側面314aよりY軸-方向に位置する。つまり、部分313のY軸方向の幅は、部分314のY軸方向の幅より大きい。
【0117】
導電層51は、上部電極50及び絶縁層63の上方に設けられる。導電層51は、X軸+方向(「第3方向」の一例)に沿って延伸する。半導体装置30には、2つ以上の導電層51が設けられる。2つ以上の導電層51は、Y軸方向に一定の間隔で繰り返し設けられる。導電層51の上方には、絶縁層66a及び66bが設けられる。
【0118】
導電層42は、Y軸+方向に延伸する。半導体装置30には、2つ以上の導電層42が設けられる。2つ以上の導電層42は、X軸+方向に一定の間隔で繰り返し設けられる。
【0119】
ライナー膜301(「第1膜」の一例)は、側面312aと、導電層51のY軸+方向の側面51aと、絶縁層66a及び66bのY軸+方向の側面と、を覆う。
【0120】
ライナー膜302(「第2膜」の一例)は、側面314aと、導電層51のY軸-方向の側面51bと、絶縁層66a及び66bのY軸-方向の側面と、を覆う。
【0121】
ライナー膜301及び302は、窒化ケイ素又は酸化アルミニウムによって形成され、酸素の透過を抑制する機能を有する。
【0122】
組401は、上部電極50、酸化物半導体層70、下部電極32、絶縁層63、66a及び66b並びにライナー膜301及び302を含む。半導体装置30には、2つ以上の組401が設けられる。2つ以上の組401は、導電層51ごと及び導電層42ごとに設けられる。
【0123】
以下、連続する2つの組401のうち、Y軸-方向の組401を組401a(「第1組」の一例)と称することがある。また、当該連続する2つの組401のうち、Y軸+方向の組401を組401b(「第2組」の一例)と称することがある。
【0124】
第2実施形態第1例では、組401aにおける部分311の側面311aの全部と、組401bにおける部分313の側面313aの全部と、は、接する。
【0125】
組401aと組401bとの間は、上方が開口し、下方が底面となるBL-LP溝部321が形成される。
【0126】
組401aに含まれるライナー膜301と、組401bに含まれるライナー膜302と、は対向する。
【0127】
組401a及び401bにそれぞれ含まれるライナー膜301及び302は、BL-LP溝部321の側面となっている。
【0128】
組401aと組401bとの間には、エアギャップ321aが設けられる。エアギャップ321aに対する上方には、絶縁層322(「第3絶縁層」の一例)が設けられる。絶縁層322は、例えば、ケイ素の酸化物といった絶縁体によって形成される。
【0129】
絶縁層322によってエアギャップ321aの上方は閉塞される。これにより、化学機械研磨に対する機械的強度を向上させるとともに、成膜時に膜の材料がエアギャップ321aに入り込むことを抑制することができる。
【0130】
BL-LP溝部321の底面では、上部電極50における金属酸化物層50aの一部と絶縁層63における部分313の一部とが露出している。
【0131】
[半導体装置の製造方法]
以下、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例として第2実施形態第1例の半導体装置30の製造方法について説明する。
【0132】
まず、図25に示すように、絶縁層45の主面45aの上方に上部電極50及び絶縁層63が形成される。上部電極50の上方には、金属膜50cすなわちランディングパッドが露出している。
【0133】
次に、図26に示すように、上部電極50及び絶縁層63の上方の面に導電層51が形成される。そして、導電層51の上方の面に絶縁層66a及び66bがこの順に形成される。
【0134】
次に、図27に示すように、絶縁層66bの上方の面に、BL線を形成するためのハードマスク層81が形成される。ハードマスク層81は、X軸方向に延び、2つ以上設けられる。2つ以上のハードマスク層81は、Y軸方向に繰り返し設けられる。連続する2つのハードマスク層81の間は露出している。
【0135】
次に、図28に示すように、半導体装置30をエッチング処理することによって、ハードマスク層81間の露出している部分にBL-LP溝部321が形成される。これにより、上部電極50の一部が除去されて部分311及び312が形成される。絶縁層63の一部が除去されて部分313及び314が形成される。
【0136】
次に、図29に示すように、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法又はPE(Plasma-enhanced)-CVD法などによって、ハードマスク層81の上方の面及びBL-LP溝部321の内面にライナー膜300が形成される。
【0137】
次に、図30に示すように、半導体装置30をエッチング処理することによって、ハードマスク層81とライナー膜300の一部とが除去される。これにより、ライナー膜301及び302が形成されるとともに、BL-LP溝部321の底において、上部電極50における金属酸化物層50aの一部と絶縁層63における部分313の一部とが露出する。
【0138】
次に、図31に示すように、PE-CVD法若しくはLP(Low-Pressure)-CVD法又は塗布による製膜によって半導体装置30の上方に絶縁層322が形成される。これにより、BL-LP溝部321の上方が絶縁層322によって塞がれ、組401aのライナー膜301と組401bのライナー膜302との間がエアギャップ321aとなる。
【0139】
次に、図24に示すように、絶縁層322の上方が化学機械研磨されることによって、第2実施形態第1例の半導体装置30が完成する。
【0140】
(効果)
電界効果トランジスタ40の電気特性の向上を目的として、電界効果トランジスタ40が形成された後、酸素還流下で熱処理が行われ、金属酸化物層50aを通じて酸化物半導体層70に酸素が供給されることがある。
【0141】
仮に、ライナー膜301及び302が形成されない場合、タングステンを含む金属膜50c及び導電層51が異常酸化することがある。また、このとき、金属膜50c及び導電層51が膨張し、半導体装置30が機械的に変形することがある。
【0142】
これに対して、本実施形態では、図24に示すように、金属膜50c及び導電層51が露出して酸素と反応しないように、酸素の透過を抑制する機能を有するライナー膜301及び302によって金属膜50c及び導電層51が覆われる。
【0143】
これにより、金属膜50c及び導電層51と酸素とが接触する機会を減ずることができるので、金属膜50c及び導電層51の異常酸化を抑制することができる。また、金属膜50c及び導電層51の膨張を抑制し、ひいては半導体装置30が機械的に変形することを抑制することができる。したがって、品質の良い半導体装置30を製造することができる。
【0144】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第2例(以下、第2実施形態第2例と称することがある。)について説明する。
【0145】
(第2実施形態第2例)
図32に示すように、第2実施形態第2例の半導体装置30は、BL-LP溝部321の内部にエアギャップ321aが形成されない点で、図24に示す第2実施形態第1例の半導体装置30と異なる。
【0146】
絶縁層323(「第4絶縁層」の一例)は、組401aと組401bとの間に設けられる。詳細には、BL-LP溝部321の内部は、絶縁層323によって充填されている。絶縁層323は、酸化ケイ素といった酸素透過性の絶縁体によって形成される。絶縁層323が酸素を透過させる能力は、ライナー膜301及び302が酸素を透過させる能力より大きい。
【0147】
[第2実施形態第2例の半導体装置30の製造方法]
第2実施形態第2例の半導体装置30の製造方法は、半導体装置30の上方に絶縁層322が形成される代わりに(図31参照)、PE-CVD法又はLP-CVD法によって絶縁層323がBL-LP溝部321の内部にデポジションされる。
【0148】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第3例(以下、第2実施形態第3例と称することがある。)について説明する。
【0149】
(第2実施形態第3例)
図33に示すように、第2実施形態第3例の半導体装置30は、BL-LP溝部321の内部において、エアギャップ321aを残しつつ絶縁層323がさらに形成される点で、図24に示す第2実施形態第1例の半導体装置30と異なる。
【0150】
絶縁層323(「第4絶縁層」の一例)は、エアギャップ321aに対する下方に設けられる。詳細には、絶縁層323は、組401aと組401bとの間におけるBL-LP溝部321の底において、ライナー膜301及び302、上部電極50における金属酸化物層50aの一部並びに絶縁層63における部分313の一部と接するように形成される。
【0151】
[第2実施形態第3例の半導体装置30の製造方法]
図30に示すように、半導体装置30がエッチング処理されることによってハードマスク層81とライナー膜300の一部とが除去された後、図34に示すように、PE-CVD法又はLP-CVD法によって絶縁層323がBL-LP溝部321の底に形成される。
【0152】
次に、図35に示すように、PE-CVD法若しくはLP-CVD法又は塗布による製膜によって半導体装置30の上方に絶縁層322が形成される。これにより、BL-LP溝部321の上方が絶縁層322によって塞がれ、組401aのライナー膜301と組401bのライナー膜302と絶縁層322と絶縁層323とで囲まれる空間がエアギャップ321aとなる。
【0153】
次に、図33に示すように、絶縁層322の上方が化学機械研磨されることによって、第2実施形態第3例の半導体装置30が完成する。
【0154】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第4例(以下、第2実施形態第4例と称することがある。)について説明する。
【0155】
(第2実施形態第4例)
図36に示すように、第2実施形態第4例の半導体装置30は、組401aにおける部分311の側面311aの全部と、組401bにおける部分313の側面313aの全部とが接しない点で、図24に示す第2実施形態第1例の半導体装置30と異なる。
【0156】
第2実施形態第4例の半導体装置30では、組401aにおける部分311の側面311aの下方の一部と、組401bにおける部分313の側面313aの全部とは、接する。これにより、上部電極50における部分311の上方と、絶縁層63における部分314の下方との間に、凹部321bが形成される。
【0157】
金属膜50cに対するエッチングレートより絶縁層63に対するエッチングレートが大きいプロセス条件を設定することによって、第2実施形態第4例の半導体装置30を容易に製造することができる。
【0158】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第5例(以下、第2実施形態第5例と称することがある。)について説明する。
【0159】
(第2実施形態第5例)
図37に示すように、第2実施形態第5例の半導体装置30は、凹部321bのY軸-方向の側面にライナー膜304が設けられる点で、図36に示す第2実施形態第4例の半導体装置30と異なる。
【0160】
第2実施形態第5例の半導体装置30は、図36に示す第2実施形態第4例の半導体装置30と比べて、側面311aにおける上方の一部を覆うライナー膜304(「第4膜」の一例)をさらに備える。ライナー膜304は、窒化ケイ素又は酸化アルミニウムによって形成され、酸素の透過を抑制する機能を有する。
【0161】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第6例(以下、第2実施形態第6例と称することがある。)について説明する。
【0162】
(第2実施形態第6例)
図38に示すように、第2実施形態第6例の半導体装置30は、絶縁層63のY軸-方向の側面が滑らかであり、絶縁層45にまで凹部45bが到達している点で、図36に示す第2実施形態第4例の半導体装置30と異なる。
【0163】
第2実施形態第6例の半導体装置30では、組401aにおける上部電極50と、組401bにおける絶縁層63とは、離れている。
【0164】
絶縁層45には、組401aの部分311と組401bの絶縁層63との間において上方に開口する凹部45bが形成される。
【0165】
ライナー膜302は、凹部45bのY軸+方向の一部と、絶縁層63におけるY軸-方向の側面63aと、導電層51のY軸-方向の側面51bと、絶縁層66a及び66bのY軸-方向の側面と、を覆う。
【0166】
金属膜50cに対するエッチングレートより絶縁層63に対するエッチングレートが大きいプロセス条件を設定することによって、第2実施形態第6例の半導体装置30を容易に製造することができる。
【0167】
凹部45bの底面及びY軸-方向の一部は、絶縁層45が露出している。このように露出している絶縁層45を通じて酸化物半導体層70に酸素を供給することができる。また、部分311における金属酸化物層50aのY軸+方向の側面も露出しているので、当該側面を通じて酸化物半導体層70に酸素を供給することができる。
【0168】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第7例(以下、第2実施形態第7例と称することがある。)について説明する。
【0169】
(第2実施形態第7例)
図39に示すように、第2実施形態第7例の半導体装置30は、凹部45bのY軸-方向の側面にライナー膜304が設けられる点で、図38に示す第2実施形態第6例の半導体装置30と異なる。
【0170】
第2実施形態第7例の半導体装置30は、図38に示す第2実施形態第6例の半導体装置30と比べて、上部電極50における部分311の側面311aの全部と、凹部45bのY軸-方向の一部とを覆うライナー膜304(「第4膜」の一例)をさらに備える。
【0171】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第8例(以下、第2実施形態第8例と称することがある。)について説明する。
【0172】
(第2実施形態第8例)
図40に示すように、第2実施形態第8例の半導体装置30は、組401aにおける部分311の側面311aの全部と、組401bにおける部分313の側面313aの全部とが接しない点点で、図24に示す第2実施形態第1例の半導体装置30と異なる。
【0173】
第2実施形態第8例の半導体装置30では、組401aにおける部分311の側面311aの全部と、組401bにおける部分313の側面313aの下方の一部とは、接する。
絶縁層63に対するエッチングレートより金属膜50cに対するエッチングレートが大きいプロセス条件を設定することによって、第2実施形態第8例の半導体装置30を容易に製造することができる。
【0174】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第9例(以下、第2実施形態第9例と称することがある。)について説明する。
【0175】
(第2実施形態第9例)
図41に示すように、第2実施形態第9例の半導体装置30は、絶縁層63における部分313の側面313aの上方にライナー膜303が設けられる点で、図40に示す第2実施形態第8例の半導体装置30と異なる。
【0176】
第2実施形態第9例の半導体装置30は、図40に示す第2実施形態第8例の半導体装置30と比べて、側面313aにおける上方の一部を覆うライナー膜303(「第3膜」の一例)をさらに備える。ライナー膜303は、窒化ケイ素又は酸化アルミニウムによって形成され、酸素の透過を抑制する機能を有する。
【0177】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第10例(以下、第2実施形態第10例と称することがある。)について説明する。
【0178】
(第2実施形態第10例)
図42に示すように、第2実施形態第10例の半導体装置30は、上部電極50におけるバリアメタル層50bが部分311及び312にわたって設けられる点で、図38に示す第2実施形態第6例の半導体装置30と異なる。
【0179】
第2実施形態第10例の半導体装置30では、バリアメタル層50bは、部分312の一部であって、金属膜50c下方に位置する当該一部である部分312Lと、部分311の一部であって、金属酸化物層50aより上方に位置する当該一部である部分311Uと、にわたって設けられる。
【0180】
部分311Uにおけるバリアメタル層50bの上方の面のY軸-方向の一部及びY軸-方向の側面は、露出する。
【0181】
部分311における金属酸化物層50aの上方の面はバリアメタル層50bによって覆われるが、部分311における金属酸化物層50aのY軸+方向の側面は露出している。また、凹部45bの底面及びY軸-方向の一部は、絶縁層45が露出している。このように露出している金属酸化物層50aのY軸+方向の側面及び絶縁層45を通じて酸化物半導体層70に酸素を供給することができる。
【0182】
以下、第2実施形態に係る半導体装置30の第11例(以下、第2実施形態第11例と称することがある。)について説明する。
【0183】
(第2実施形態第11例)
図43に示すように、第2実施形態第11例の半導体装置30は、上部電極50におけるバリアメタル層50bが部分311及び312にわたって設けられる点で、図39に示す第2実施形態第7例の半導体装置30と異なる。
【0184】
第2実施形態第11例の半導体装置30では、バリアメタル層50bは、部分312の一部であって、金属膜50c下方に位置する当該一部である部分312Lと、部分311の一部であって、金属酸化物層50aより上方に位置する当該一部である部分311Uと、にわたって設けられる。
【0185】
部分311Uにおけるバリアメタル層50bの上方の面のY軸-方向の一部は、露出する。部分311Uにおけるバリアメタル層50bのY軸-方向の側面は、ライナー膜304によって覆われる。
【0186】
部分311における金属酸化物層50aの上方の面が部分311Uにおけるバリアメタル層50bによって覆われ、かつ、部分311における金属酸化物層50aのY軸+方向の面がライナー膜304によって覆われる。このため、金属酸化物層50aを通じて酸化物半導体層70に酸素を供給することが困難である。
【0187】
一方、凹部45bの底面は、絶縁層45が露出している。このように露出している絶縁層45を通じて酸化物半導体層70に酸素を供給することができる。
【0188】
なお、第2実施形態第4例~第11例の半導体装置30では、BL-LP溝部321の内部にエアギャップ321a及び絶縁層322が設けられる構成について説明したが、これに限定するものではない。図32に示すように、BL-LP溝部321の内部が絶縁層323によって充填される構成であってもよいし、図33に示すように、絶縁層323がBL-LP溝部321の底に形成される構成であってもよい。
【0189】
(a)実施形態では、電界効果トランジスタ40がOS-RAMに用いられる構成について説明したが、これに限定するものではない。電界効果トランジスタ40は、OS-RAM以外の半導体装置に適用することも可能である。
【0190】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0191】
10…半導体基板
11…回路
20…キャパシタ
21、23、33…導電体
22…絶縁膜
24、25…キャパシタ電極
30…半導体装置
32…下部電極
34、35…絶縁層
40…電界効果トランジスタ
42…導電層
43…ゲート絶縁膜
45…絶縁層
45a…主面
45b…凹部
50…上部電極
50a…金属酸化物層
50b…バリアメタル層
50c…金属膜
51…導電層
51a、51b…側面
52…ピラー
61…ハードマスク層
63…絶縁層
63a…側面
64…絶縁層
65…ハードマスク層
66a、66b…絶縁層
70…酸化物半導体層
70a…上端
70b…下端
70YZ、70ZX…断面
71、72…孔部
81…ハードマスク層
82…絶縁層
91…残渣物
101…半導体記憶装置
151、152…ダミー電極
151a…第2金属膜
152a…第3金属膜
152b…第2導電膜
161…マーク電極
161a…第2金属膜
201…LPアレイ部
211…ダミーLPアレイ部
221…凸部Peri部マーク
300、301、302、303、304…ライナー膜
311、311U、312、312L、313、314…部分
311a、312a、313a、314a…側面
321…BL-LP溝部
321a…エアギャップ
321b…凹部
322323…絶縁層
401、401a、401b…組
A1、A2…エリア
E1、E2…外縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43