(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136073
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A63F7/02 301C
A63F7/02 332B
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047040
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸也
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BA02
2C088BA06
2C333AA11
2C333CA79
2C333DA00
(57)【要約】
【課題】 遊技媒体の管理負担を軽減することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 球汚れ判定手段770は、球抜き状態において、球抜きスイッチ702からの検出信号に基づいて球汚れ判定モードを実行し、アウトセンサ710からの検出信号に基づいて45個の遊技球が回収口104を通過するために要する時間を計測し、計測した時間に基づいて遊技球の汚れの蓄積度合を判定する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が内部で循環する遊技機であって、
遊技媒体が循環する循環経路と、
前記循環経路を移動する遊技媒体を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、遊技媒体が移動に要する時間を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づいて、遊技媒体に関する情報を報知する報知手段を備えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技球(遊技媒体)が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する遊技機(ぱちんこ遊技機)が知られている。この種の遊技機は、遊技領域において遊技球を検出する検出領域として始動入賞口を設け、始動入賞口に遊技球が進入したことを検出すると、特別抽選を行うとともに表示装置において図柄の変動表示を開始させ、特別抽選の結果が大当たりである場合に、図柄を特定の態様で停止表示させる。すると遊技状態を特別遊技状態に移行させ、特別遊技状態では複数回の大当たり遊技を実行し、各大当たり遊技では遊技領域に設けられている大入賞口を開状態に動作させ、大入賞口への遊技球の進入に応じて遊技球を払い出す。
【0003】
またこの種の遊技機では、遊技球の貸し出しや遊技球の払い出しを遊技者に対して物理的に行わずに、遊技者が所有する遊技球の数を数値データとして管理することにより、遊技機の内部で遊技球を循環させるいわゆる管理遊技機と呼ばれる遊技機が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、内部を遊技球が循環する遊技機では、遊技機の稼働が継続すると遊技球に汚れが蓄積するが、現状では遊技機の管理者等が遊技球の汚れの蓄積度合を目視で判断して対応する必要があり、遊技球の管理の容易化が望まれる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、管理が容易な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、遊技媒体が内部で循環する遊技機であって、遊技媒体が循環する循環経路と、前記循環経路を移動する遊技媒体を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、遊技媒体が移動に要する時間を計測する計測手段と、前記計測手段の計測結果に基づいて、遊技媒体に関する情報を報知する報知手段を備えることを特徴とする遊技機に関するものである。
【0008】
本発明では、循環経路を循環する遊技媒体が移動に要する時間を計測して遊技媒体に関する情報を報知することにより、遊技媒体の管理負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技機を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
【
図3】本発明の実施形態の遊技盤の外観構成を示す正面図である。
【
図4】本発明の実施形態の循環ユニットの斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態の循環ユニットの内部構造を示す分解図である。
【
図6】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図7】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【
図8】本発明の実施形態の遊技機で表示される画像の例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の遊技機で表示される画像の例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態の遊技機で表示される画像の例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態の遊技機で表示される画像の例を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態の遊技機の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態の遊技機の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態の遊技機の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態の遊技機の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態の遊技機の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】本発明の実施形態の遊技機の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0012】
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技機内を循環する遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行う管理遊技機であり、遊技機の外側面を形成する外枠2(枠体)と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6や各種の制御基板を遊技機の内部において保持する内枠7(開閉部)と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10を備えている。前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
【0013】
前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
【0014】
前枠10の下部の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン16(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン16を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0015】
演出ボタン16の左奥側には、遊技機で使用可能な遊技球の数である持ち球数を表示可能な持ち球数表示部17が設けられている。本実施形態の遊技機には、図示しない専用ユニットが隣接するように設けられ、専用ユニットに現金が投入されるか、1以上の持ち球数が記憶された専用カードが挿入された状態で、専用ユニットにおいて遊技球の貸し出し操作が行われると、遊技者に遊技球を貸し出すことに対応する貸し出しコマンドが専用ユニットから遊技機に送信され、貸し出しコマンドが遊技機で受信されると、持ち球数表示部17の持ち球数に値が加算される。
【0016】
持ち球数表示部17の手前側には、持ち球数を計数する計数ボタン18が設けられており、持ち球数表示部17の持ち球数が1以上である状態で計数ボタン18が操作されると、持ち球数を専用ユニットに転送することに対応する計数コマンドが遊技機から専用ユニットに送信され、送信された計数コマンドに対応する持ち球数が、持ち球数表示部17の持ち球数から減算されるとともに、専用ユニットの表示部の持ち球数に加算される。
【0017】
そして、持ち球数表示部17の持ち球数が0であり、専用ユニットの表示部の持ち球数が1以上である状態で、専用ユニットにおいて返却操作が行われると、専用ユニットの表示部の持ち球数が、専用カードに記憶されている持ち球数に加算されて、遊技者に専用カードが返却される。
【0018】
前枠10の下部の右側には、ハンドル20が設けられており、持ち球数表示部17の持ち球数が1以上である状態で、遊技者がハンドル20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技球が遊技領域4内に発射される。そして、1個の遊技球が発射されるごとに、持ち球数表示部17の持ち球数から1が減算される。なお本実施形態の発射装置は、遊技球を打つハンマーを動作させるモーターなどの駆動装置を内蔵しており、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0019】
内枠7および前枠10は、内枠7の左辺、前枠10の左辺および外枠2の左辺に沿った枠回転軸26を中心として外枠2に対して回転可能に取り付けられている。そしてハンドル20の右上方に設けられたシリンダー錠27に鍵を差し込んで一方向に回転させると、施錠が解除されて内枠7や前枠10を外枠2に対して開閉可能となっている。
【0020】
このように本実施形態の遊技機では、遊技球の貸し出しや払い出しが遊技者に対して物理的に行われず、持ち球数が遊技機において数値データとして管理されることにより、遊技者が遊技球に直接触れることなく遊技を行うことができるようになっており、従来の遊技機が備えていた遊技球を貯留可能な上皿や下皿を備えていない。
【0021】
図2は、
図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図2に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に案内する。
【0022】
遊技盤6の奥側には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ31(演出画像表示手段)が設けられており、遊技盤6の中央部には、液晶ディスプレイ31を遊技者が視認できるようにするための開口として遊技盤開口32が形成されている。また遊技盤6の中央部には、遊技盤開口32を囲むように装飾部33が形成されている。装飾部33は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の装飾部ランプ34が設けられている。
【0023】
遊技盤6の奥側であって液晶ディスプレイ31の手前側には、
図3に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の手前側でVの字を形成する演出物36(可動物)が設けられており、演出物36は、
図3に示すように液晶ディスプレイ31の表示領域の一部を覆い、遊技者から視認可能となる出現状態と、
図2に示すように液晶ディスプレイ31の下方に収納されて、遊技者から視認不能となる収納状態との間で動作(変位)可能に設けられている。
【0024】
本実施形態では、遊技盤開口32および装飾部33の手前側を遊技球が通過できないようになっており、遊技領域4に発射された遊技球は、遊技盤開口32の左側の遊技領域4か遊技盤開口32の右側の遊技領域4を落下するようになっている。遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0025】
装飾部33の左部には、遊技盤開口32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる左開口40が形成されており、この左開口40を通過した遊技球は装飾部33の内部に設けられている通路42を通過して、装飾部33の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0026】
ステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、第1始動入賞口46に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサ(検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されている。そして、第1始動入賞口46に進入した遊技球が検出されるごとに、持ち球数表示部17の持ち球数に3が加算されるとともに、乱数値を取得して大当たりまたは小当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0027】
また遊技盤開口32の左側の遊技領域4の下部には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2および第3一般入賞口47-3が設けられている。
【0028】
詳細には本実施形態では、第1一般入賞口47-1に進入した遊技球が通過する経路に、第1一般入賞口47-1に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサが設けられ、第1一般入賞口47-1に進入した遊技球が検出されるごとに、持ち球数表示部17の持ち球数に4が加算されるが、特別抽選は行われない。
【0029】
一方、第2一般入賞口47-2に進入した遊技球が通過する経路と、第3一般入賞口47-3に進入した遊技球が通過する経路は、内部で1つの経路にまとめられるように合流(接続)しており、合流した経路に、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサが設けられている。そして、第2一般入賞口47-1または第3一般入賞口47-2に進入した遊技球が検出されるごとに、持ち球数表示部17の持ち球数に3が加算されるが、特別抽選は行われない。
【0030】
遊技盤開口32の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を通過する遊技球が検出されるごとに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0031】
また遊技盤開口32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、第2始動入賞口50に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に進入した遊技球が検出されるごとに、持ち球数表示部17の持ち球数に1が加算されるとともに、乱数値を取得して大当たりまたは小当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0032】
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに持ち球数表示部17の持ち球数に加算される値と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに持ち球数表示部17の持ち球数に加算される値は、同一の値であっても異なる値であってもよい。
【0033】
また遊技盤開口32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の右下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第4一般入賞口47-4が設けられている。そして第4一般入賞口47-4は、第4一般入賞口47-4に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵し、第4一般入賞口47-4に1個の遊技球が進入するごとに、持ち球数表示部17の持ち球数に1が加算されるが、特別抽選は行われない。
【0034】
また遊技盤開口32の右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、大入賞口54に進入した遊技球を1個ずつ検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ閉塞部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、閉塞部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりまたは小当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に進入した遊技球が検出されるごとに、持ち球数表示部17の持ち球数に10が加算される。
【0035】
遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球が進入するアウト口62が設けられている。
【0036】
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、普通抽選の結果、特別抽選の結果、遊技状態など、遊技機の各種の情報を複数のランプ等の点灯および消灯により示す主制御表示部70が設けられている。
【0037】
そして遊技球の発射装置は、
図1で示したハンドル20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、ハンドル20の回転量が少ない場合には遊技盤開口32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、ハンドル20の回転量が多い場合には遊技盤開口32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0038】
従って遊技者は、遊技状況に応じてハンドル20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、左開口40と通路42とステージ44を通過して、第1始動入賞口46に進入するように、あるいは、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2、第3一般入賞口47-3に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように、あるいは第4一般入賞口47-4に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0039】
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第4一般入賞口47-4、第2始動入賞口50、大入賞口54に遊技球が進入することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2、第3一般入賞口47-3に遊技球が進入することがないようになっている。
【0040】
また、発射装置から発射されたが射出力が弱いため遊技領域4に到達せずに戻ってきた遊技球は、遊技盤6の下方に設けられた図示しないファール通路に進入して遊技機内部に回収される。ファール通路には、ファール通路を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサが設けられ、ファール通路を通過する遊技球が検出されるごとに、持ち球数表示部17の持ち球数に1が加算される。
【0041】
図4は、遊技機内で遊技球を循環させる循環ユニット100の外観を示す斜視図である。循環ユニット100は、
図1で示した内枠7において遊技盤6の下方に設けられており、循環ユニット100の上部には、第1始動入賞口46、第1一般入賞口47-1、第2一般入賞口47-2、第3一般入賞口47-3、第4一般入賞口47-4、第2始動入賞口50、大入賞口54、アウト口62に進入した遊技球、すなわち遊技領域4から回収された全ての遊技球が到達する第1通路102(循環経路)が設けられている。
【0042】
本実施形態では、循環ユニット100内で45個の遊技球を循環させることが推奨されており、循環ユニット100内に遊技球が入れられていない場合には、遊技機の管理者等が45個の遊技球を第1通路102に入れることにより、循環ユニット100内に遊技球を入れることができるようになっている。従って第1通路102は、同時に多くの遊技球を受け入れられるように、循環ユニット100に設けられている他の通路よりも幅が広く深さも深く形成されている。
【0043】
第1通路102の底部の左端には、第1通路102の遊技球を1個ずつ通過させる大きさに形成された回収口104が設けられており、第1通路102の底部は、回収口104に向かって下るように形成されている。回収口104には、回収口104を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサが設けられている。
【0044】
図5は、循環ユニット100の内部構造を示す分解図である。
図5に示すように、循環ユニット100の内部には、第1通路102から回収口104に進入した遊技球が1列で通過可能な第2通路106(循環経路)が設けられており、第2通路106は、循環ユニット100の内部を蛇行しながら下方に向かって伸びている。
【0045】
本実施形態では、循環ユニット100に遊技球が入れられていない状態で、遊技機の管理者等が45個の遊技球を第1通路102に入れると、回収口104を介して第2通路106に45個の遊技球が受け入れられる。
【0046】
第2通路106には、第2通路106に43個の遊技球が滞在している場合における43個目の遊技球の近傍に、第2通路106に滞在している遊技球の数が43個未満であることを検出するセンサが設けられている。また、第2通路106に47個の遊技球が滞在している場合における47個目の遊技球の近傍に、第2通路106に滞在している遊技球の数が47個以上であることを検出するセンサが設けられている。
【0047】
第2通路106の途中には、図示しないファール通路が接続されており、ファール通路を通過した遊技球は第2通路106を通過する遊技球に合流する。
【0048】
第2通路106の左方には、第2通路106を下ってきた遊技球を上方に送る揚送ユニット108が設けられており、揚送ユニット108は、螺旋状に突出部が形成された揚送スクリュー110と、揚送スクリュー110を回転させるモーターなどの駆動装置と、揚送スクリュー110の左側部分において遊技球が上下方向に1列で通過可能な揚送通路112(循環経路)を備えている。揚送通路112の下端には、第2通路106の下端が接続されており、第2通路106の下端から揚送通路112の下端に遊技球が1個ずつ受け入れられるようになっている。揚送スクリュー110は、螺旋状の突出部が揚送通路112に突出するように設けられており、揚送通路112の下端に受け入れられた遊技球は、モーターにより回転する揚送スクリュー110の螺旋状の突出部に押し上げられるようにして、揚送通路112の上端に送られる。
【0049】
揚送通路112の左方には、図示しないが、揚送通路112を通過する遊技球を研磨可能な研磨部材が設けられており、研磨部材は、揚送通路112を通過する遊技球と接触することにより遊技球を研磨する。
【0050】
揚送通路112の上端は、遊技球が1列で通過可能な第3通路114(循環経路)の上端に接続されており、第3通路114は、循環ユニット100の右中央部において発射装置への遊技球の供給を制御する整流器116に向かって下るように伸びている。
【0051】
整流器116は、第3通路114の下端から受け入れた遊技球の通過を遮断する遮断部材118と、遮断部材118を動作させるソレノイドなどの駆動装置を備えており、遮断部材118は、遊技球の通過を遮断する遮断状態と、遊技球を通過させる非遮断状態の間で動作する。整流器116には、遮断部材118が遮断状態である場合に3個の遊技球が滞在可能となっており、整流器116の入口には、整流器116に滞在している3個の遊技球のうちの3個目の遊技球を検出するセンサが設けられており、整流器116の出口には、整流器116の出口を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサが設けられている。
【0052】
整流器116の奥側下方には、図示しない発射装置が設けられており、
図1に示したハンドル20を回転させる操作が行われると、整流器116のソレノイドが作動して遮断部材118が非遮断状態となって整流器116から1個の遊技球が発射装置に送られる。すると遮断部材118が遮断状態となるとともに、発射装置のモーターが作動して発射装置のハンマーが回転することにより、発射装置に送られた1個の遊技球が発射される。
【0053】
第2通路106の下部には、遊技球を外部に排出するための排出通路120が第2通路106から分岐するように接続されている。第2通路106と排出通路120の分岐点には、第2通路106を通過する遊技球を、そのまま第2通路106の下端に誘導する非排出状態と、排出通路120に誘導する排出状態の間で動作する図示しない切替部材が設けられている。
【0054】
切替部材は、第2通路106の下部の前面に設けられている球抜きレバー122に接続されており、球抜きレバー122は、切替部材が非排出状態となる閉状態と、切替部材が排出状態となる開状態の間で動作する。従って、遊技機の管理者等が球抜きレバー122を操作することにより、切替部材が非排出状態と排出状態の間で切り替えられる。排出通路120に誘導された遊技球は、球抜きレバー122の右下方に設けられている排出口124から外部に排出される。
【0055】
なお、球抜きレバー122を開状態にすると、第2通路106と排出通路120の分岐点よりも上流側に滞在している遊技球が、排出通路120を通過して排出口124から排出されるが、第2通路106と排出通路120の分岐点よりも下流側から整流器116の間に滞在している遊技球は、そのままでは排出通路120に到達できずに残存する。そのため、第2通路106と排出通路120の分岐点よりも下流側から整流器116の間に滞在している遊技球は、発射装置により遊技領域4に発射して、第1通路102、第2通路106、排出通路120を通過させて排出口124から排出することにより、循環ユニット100内の全ての遊技球を排出することができるようになっている。
【0056】
2.機能ブロック
図6は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板500、副制御基板600、枠制御基板700を含む制御基板によって制御される。主制御基板500、副制御基板600、枠制御基板700等の各制御基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0057】
主制御基板500は、通過ゲートセンサ502、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ506、大入賞口センサ508、第1一般入賞口センサ510、第2一般入賞口センサ512、第3一般入賞口センサ514等の入力手段や、枠制御基板700からの情報に基づいて、遊技を進行させるための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、主制御表示装置520、普通役物駆動装置522、特別役物駆動装置524等の出力手段の制御や、副制御基板600や枠制御基板700への情報の送信等を行う。
【0058】
通過ゲートセンサ502は、通過ゲート48に設けられ、通過ゲート48を1個の遊技球が通過するごとに検出信号を出力する。
【0059】
第1始動入賞口センサ504は、第1始動入賞口46に設けられ、第1始動入賞口46に1個の遊技球が進入するごとに検出信号を出力する。
【0060】
第2始動入賞口センサ506は、第2始動入賞口50に設けられ、第2始動入賞口50に1個の遊技球が進入するごとに検出信号を出力する。
【0061】
大入賞口センサ508は、大入賞口54に設けられ、大入賞口54に1個の遊技球が進入するごとに検出信号を出力する。
【0062】
第1一般入賞口センサ510は、第1一般入賞口47-1に設けられ、第1一般入賞口47-1に1個の遊技球が進入するごとに検出信号を出力する。
【0063】
第2一般入賞口センサ512は、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3に進入した遊技球が通過する経路に設けられ、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3に1個の遊技球が進入するごとに検出信号を出力する。
【0064】
第3一般入賞口センサ514は、第4一般入賞口47-4に設けられ、第4一般入賞口47-4に1個の遊技球が進入するごとに検出信号を出力する。
【0065】
主制御表示装置520は、LED基板等により実現され、主制御表示部70において、普通抽選の結果に応じて普通図柄を変動表示してから停止表示したり、特別抽選の結果に応じて特別図柄を変動表示してから停止表示したり、遊技状態を表示したりする。
【0066】
普通役物駆動装置522は、普通役物52に設けられたソレノイド等により実現され、補助部材を縮小状態と拡大状態の間で動作させる。
【0067】
特別役物駆動装置524は、特別役物56に設けられたソレノイド等により実現され、閉塞部材を閉状態と開状態の間で動作させる。
【0068】
また主制御基板500は、乱数発生手段540、普通抽選手段542、普通表示制御手段543、普通遊技実行手段544、特別抽選手段546、特別表示制御手段548、特別遊技実行手段550、遊技状態制御手段552、主通信制御手段554、主制御メモリ570として機能する。
【0069】
乱数発生手段540は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0070】
普通抽選手段542は、通過ゲートセンサ502からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について普通当たりの当否等を決定する普通抽選を行う。
【0071】
普通表示制御手段543は、普通抽選の抽選結果に基づいて、主制御表示装置520における普通図柄の表示を制御する。詳細には普通表示制御手段543は、普通抽選において決定された普通図柄の変動パターンに応じた変動時間が経過するまで普通図柄を変動表示させ、普通抽選の結果に応じた態様で普通図柄を停止表示させることにより、普通抽選の結果を表示させる。
【0072】
普通遊技実行手段544は、普通抽選で普通当たりが当選すると普通遊技を実行し、普通遊技において普通役物52が所定条件下で拡大状態となるように普通役物駆動装置522を制御する。
【0073】
特別抽選手段546は、第1始動入賞口センサ504からの検出信号に基づいて、あるいは第2始動入賞口センサ506からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について大当たりまたは小当たりの当否を決定するとともに、大当たりまたは小当たりが当選した場合には、複数種類の大当たり図柄または小当たり図柄のうちいずれの図柄が当選したかを判定する特別抽選を行う。
【0074】
特別表示制御手段548は、特別抽選の抽選結果に基づいて、主制御表示装置520における特別図柄の表示を制御する。詳細には特別表示制御手段548は、特別抽選において決定された特別図柄の変動パターンに応じた変動時間が経過するまで特別図柄を変動表示させ、特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄を停止表示させることにより、特別抽選の結果を表示させる。
【0075】
特別遊技実行手段550は、特別抽選で大当たりまたは小当たりが当選すると、大当たり図柄または小当たり図柄の種類に応じて予め定められた回数の大当たり遊技または小当たり遊技(特別遊技)を実行し、大当たり遊技または小当たり遊技において、大当たり図柄または小当たり図柄の種類に応じて予め定められた態様で特別役物56が開状態となるように特別役物駆動装置524を制御する。
【0076】
遊技状態制御手段552は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態制御処理を行う。
【0077】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。
【0078】
特別遊技状態は、通常状態、確変状態、時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められた回数の大当たり遊技が実行されると終了する。そして大当たり図柄が確変図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると確変状態に移行され、大当たり図柄が通常図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態に移行される。
【0079】
確変状態は、通常状態よりも大当たりが当選する確率が高くなるように特別抽選が行われるとともに、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また確変状態では、特別図柄の変動時間および普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして確変状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が約1/50に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
【0080】
時短状態は、大当たりが当選する確率が通常状態と同一となるように特別抽選が行われるが、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また時短状態では、特別図柄の変動時間および普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして時短状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。
【0081】
主通信制御手段554は、副制御基板600および枠制御基板700に信号やコマンド(情報)を送信する制御を行う。本実施形態の遊技機では、主制御基板500と副制御基板600の間では、主制御基板500から副制御基板600への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板600からは主制御基板500へ信号やコマンドを送信することができないように通信接続されている。一方、主制御基板500と枠制御基板700の間では、双方向通信が可能となっている。
【0082】
例えば、第1始動入賞口センサ504からの検出信号に基づいて、第1始動入賞口46への入賞を示す入賞コマンドが枠制御基板700に送信され、第2始動入賞口センサ506からの検出信号に基づいて、第2始動入賞口50への入賞を示す入賞コマンドが枠制御基板700に送信され、大入賞口センサ508からの検出信号に基づいて、大入賞口54への入賞を示す入賞コマンドが枠制御基板700に送信され、第1一般入賞口センサ510からの検出信号に基づいて、第1一般入賞口47-1への入賞を示す入賞コマンドが枠制御基板700に送信され、第2一般入賞口センサ512からの検出信号に基づいて、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3への入賞を示す入賞コマンドが枠制御基板700に送信され、第3一般入賞口センサ514からの検出信号に基づいて、第4一般入賞口47-4への入賞を示す入賞コマンドが枠制御基板700に送信される。
【0083】
また主通信制御手段554(外部信号出力手段)は、遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータであるホールコンピュータ580や、遊技機に個別に接続され、遊技機の遊技履歴に関する情報を表示するデータカウンタ582などの外部装置584に対して出力される外部信号の出力状態を制御する処理を行う。具体的には主通信制御手段554は、ホールコンピュータ580やデータカウンタ582に対して、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であることを通知する図柄表示中信号の出力状態をオン状態とオフ状態の間で制御したり、特別遊技状態に設定されるごとに特別遊技状態に設定されていることを通知する特別遊技中信号の出力状態をオン状態とオフ状態の間で制御したりする。
【0084】
そして図柄表示中信号が出力されるごとに、ホールコンピュータ580やデータカウンタ582において、当該遊技機における特別抽選の回数を示す遊技回数が更新されて表示され、特別遊技中信号が出力されるごとに、ホールコンピュータ580やデータカウンタ582において、当該遊技機における特別遊技状態に設定された回数を示す大当たり回数が更新されて表示される。
【0085】
副制御基板600は、主制御基板500、枠制御基板700や、演出入力スイッチ602等の入力手段からの情報に基づいて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置620、音響装置622、可動物駆動装置624等の演出装置626の制御を行う。
【0086】
演出入力スイッチ602は、演出ボタン16に設けられ、演出ボタン16に対する操作を検出して検出信号を出力する。
【0087】
演出表示装置620は、前枠ランプ12、液晶ディスプレイ31、装飾部ランプ34等により実現され、光や画像などによる演出を出力する。
【0088】
音響装置622は、スピーカー14等により実現され、音や振動などによる演出を出力する。
【0089】
可動物駆動装置624は、演出物36を動作させるソレノイドやモーター等により実現され、演出物36を出現状態と収納状態の間で動作させる。
【0090】
また副制御基板600は、演出制御手段640と、副制御メモリ670として機能する。
【0091】
演出制御手段640は、主制御基板500から送信された信号やコマンド、演出入力スイッチ602からの検出信号や、副制御メモリ670に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置620を制御して前枠ランプ12、装飾部ランプ34を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ31に画像を表示させたり、音響装置622を制御してスピーカー14から音を出力させたり、可動物駆動装置624を駆動して演出物36などの可動物を動作させたりするなど、演出装置626を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を実行させる。
【0092】
例えば、第1始動入賞口46や第2始動入賞口50への遊技球の入賞、演出ボタン16に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、特別抽選演出処理、状態演出処理などを行う。
【0093】
特別抽選演出処理では、演出制御手段640は、主制御基板500から送信された信号やコマンドに基づいて、特別抽選を演出する特別変動演出を演出装置626に実行させる。本実施形態では演出制御手段640は、液晶ディスプレイ31において特別図柄画像を変動表示させた後に、特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄画像を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ31において実行する。
【0094】
ここで本実施形態では、特別変動演出の実行種別としてプレミアムリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無し等が用意されており、演出制御手段640は、特別抽選の結果に基づいて、特別変動演出の実行種別を複数の実行種別のいずれにするかを決定する。そして各実行種別の特別変動演出は、特別図柄画像や変動演出画像の表示パターンや、可動物の動作パターンが異なるとともに、特別抽選の結果に応じて選択される確率や、開始から終了までにかかる実行時間が異なっている。これにより各実行種別の特別変動演出は、各実行種別の特別変動演出が実行された場合における大当たりの当選に対する期待度や、確変図柄あるいは通常図柄の当選に対する期待度が異なるようになっている。
【0095】
また演出制御手段640は、特別変動演出として、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて可動物駆動装置624を制御して可動物を動作させる。詳細には本実施形態では、演出制御手段640は、ソレノイドやモーターなどの可動物駆動装置624を制御して、演出物36を収納状態から出現状態に移動させたり、出現状態から収納状態に復帰させたりする。
【0096】
状態演出処理では、演出制御手段640は、主制御基板500から送信された信号やコマンドに基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、可動物を動作させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する状態演出を実行する。
【0097】
例えば、現在の遊技状態が通常状態である場合には、演出制御手段640は、所定条件下で演出状態移行抽選を行い、演出状態を複数種類の演出状態のうちいずれの演出状態に設定するかを決定する。そして演出制御手段640は、設定されている演出状態に応じた通常状態画像を液晶ディスプレイ31に表示させる。また演出制御手段640は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が確変状態であることを示唆する確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が時短状態であることを示唆するとともに、特別抽選が行われた回数が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させ、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、消化したラウンド数や残りラウンド数を示す特別遊技状態画像を表示させる。
【0098】
また演出制御手段640は、予め定められたタイミングにおいて演出ボタン16に対する操作が行われたことに基づいて、特定の演出音をスピーカー14から出力したり、特定の演出画像を液晶ディスプレイ31に表示させたり、可動物を動作させたりする制御を行う。
【0099】
図7は、枠制御基板700の機能ブロック図である。枠制御基板700は、主制御基板500や、球抜きスイッチ702、整流器入口センサ704、整流器出口センサ706、ファール球センサ708、アウトセンサ710、循環球数過少センサ712、循環球数過多センサ714、計数スイッチ716、操作ボリューム718、タッチセンサ720、発射停止スイッチ722、開放センサ724等の入力手段や、専用ユニット制御基板800からの情報に基づいて、遊技球の発射や遊技機内での遊技球の循環の制御、持ち球数の管理(記憶)や表示等の制御を行うための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、持ち球数表示装置740、整流器駆動装置742、発射駆動装置744、揚送駆動装置746等の出力手段の制御や、専用ユニット制御基板800への情報の送信等を行う。
【0100】
球抜きスイッチ702は、枠制御基板700に設けられた図示しない球抜きボタンに設けられ、球抜きボタンに対する操作を検出して検出信号を出力する。なお球抜きボタンは、枠制御基板700に設けられているため、遊技機の管理者等が内枠7を外枠2に対して開いていた状態で操作可能となっている。
【0101】
整流器入口センサ704は、整流器116の入口に設けられ、整流器116の入口を1個の遊技球が通過するごとに検出信号を出力し、整流器116に3個の遊技球が滞在していることにより整流器116の入口に3個目の遊技球が滞在している状態では検出信号の出力を継続する。
【0102】
整流器出口センサ706は、整流器116の出口に設けられ、整流器116の出口を1個の遊技球が通過するごとに検出信号を出力する。
【0103】
ファール球センサ708は、ファール通路に設けられ、ファール通路を1個の遊技球が通過するごとに検出信号を出力する。
【0104】
アウトセンサ710は、回収口104に設けられ、回収口104を1個の遊技球が通過するごとに検出信号を出力する。
【0105】
循環球数過少センサ712は、第2通路106に設けられ、第2通路106に滞在している遊技球の数が43個以上である場合に検出信号を出力する。
【0106】
循環球数過多センサ714は、第2通路106に設けられ、第2通路106に滞在している遊技球の数が47個以上である場合に検出信号を出力する。
【0107】
計数スイッチ716は、計数ボタン18に設けられ、計数ボタン18に対する操作を検出して検出信号を出力する。
【0108】
操作ボリューム718は、ハンドル20に設けられ、ハンドル20の回転角度に応じた検出信号を出力する。
【0109】
タッチセンサ720は、ハンドル20に設けられ、ハンドル20に対する遊技者の接触を検出して検出信号を出力する。
【0110】
発射停止スイッチ722は、ハンドル20の発射停止ボタンに設けられ、発射停止ボタンに対する操作を検出して検出信号を出力する。
【0111】
開放センサ724は、内枠7に設けられ、内枠7および前枠10が外枠2に対して開かれていること、あるいは前枠10が内枠7および外枠2に対して開かれていることを検出して検出信号を出力する。
【0112】
持ち球数表示装置740は、LED基板等により実現され、持ち球数表示部17において持ち球数を表示する。
【0113】
整流器駆動装置742は、整流器116に設けられたソレノイド等により実現され、遮断部材118を遮断状態と非遮断状態の間で動作させる。
【0114】
発射駆動装置744は、発射装置に設けられたモーター等により実現され、発射装置のハンマーを動作させる。
【0115】
揚送駆動装置746は、揚送ユニット108に設けられたモーター等により実現され、揚送スクリュー110を動作させる。
【0116】
専用ユニット制御基板800は、専用ユニットに設けられ、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0117】
そして専用ユニット制御基板800は、タッチパネル、紙幣識別装置、カードリーダー等の入力手段や、枠制御基板700からの情報に基づいて、遊技球を貸し出したり持ち球数を返却したりするための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、専用ユニット表示装置、紙幣受取装置、カードライター等の出力手段の制御や、枠制御基板700への情報の送信等を行う。
【0118】
また枠制御基板700は、枠状態制御手段760、持ち球数管理手段762、発射制御手段764、循環制御手段766、循環球数判定手段768、球汚れ判定手段770、球交換日更新手段772、枠通信制御手段774、枠制御メモリ780として機能する。
【0119】
枠状態制御手段760は、枠制御基板700により管理される管理状態を、遊技機の電源が投入されてから主制御基板500および専用ユニット制御基板800との通信が可能となるまでの状態である起動準備状態と、主制御基板500および専用ユニット制御基板800との通信が可能な状態であって遊技を実行可能な状態である通常管理状態と、遊技を実行不可能な状態であって遊技機内の遊技球を外部に排出可能な状態である球抜き状態のいずれかに設定する。
【0120】
詳細には枠状態制御手段760は、遊技機の電源が投入された際に球抜きスイッチ702からの検出信号がOFF状態である場合、すなわち球抜きボタンが押下されない状態で遊技機の電源が投入される場合に、管理状態を起動準備状態に設定してから通常管理状態に設定し、遊技機の電源が投入された際に球抜きスイッチ702からの検出信号がON状態である場合、すなわち球抜きボタンが押下された状態で遊技機の電源が投入される場合に、管理状態を球抜き状態に設定する。なお、設定中の管理状態は電源が断たれるまで維持されるため、管理状態を変更する場合には、遊技機の電源を断ってから再投入する必要がある。
【0121】
持ち球数管理手段762は、通常管理状態において、主制御基板500や専用ユニット制御基板800からのコマンドに基づいて、枠制御メモリ780の持ち球数カウンタ782に記憶されている持ち球数に対応する値を更新し、持ち球数カウンタ782に記憶されている値に基づいて、持ち球数表示装置740に表示させる持ち球数を制御する。
【0122】
詳細には持ち球数管理手段762は、専用ユニット制御基板800から送信された貸し出しコマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782に記憶されている持ち球数に対応する値に、貸し球数に対応する値を加算する。本実施形態では、貸し出しコマンドを1回受信するごとに、125個の貸し球数に対応する125が持ち球数カウンタ782の値に加算される。
【0123】
また持ち球数管理手段762は、整流器出口センサ706からの検出信号に基づいて、発射装置から遊技球が1個発射されたとして、持ち球数カウンタ782の値から1を減算し、ファール球センサ708からの検出信号に基づいて、発射された遊技球が1個戻されたとして、持ち球数カウンタ782の値に1を加算する。
【0124】
また持ち球数管理手段762は、主制御基板500から送信された各入賞口に対応する入賞コマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782の値に各入賞口に対応する賞球数に対応する値を加算する。具体的には、第1始動入賞口46への入賞を示す入賞コマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782の値に3が加算され、第2始動入賞口50への入賞を示す入賞コマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782の値に1が加算され、大入賞口54への入賞を示す入賞コマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782の値に10が加算され、第1一般入賞口47-1への入賞を示す入賞コマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782の値に4が加算され、第2一般入賞口47-2または第3一般入賞口47-3への入賞を示す入賞コマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782の値に3が加算され、第4一般入賞口47-4への入賞を示す入賞コマンドに基づいて、持ち球数カウンタ782の値に1が加算される。
【0125】
また持ち球数管理手段762は、持ち球数カウンタ782の値が1以上である場合に、計数スイッチ716からの検出信号に基づいて、計数コマンドを専用ユニット制御基板800に送信し、持ち球数カウンタ782の値から計数コマンドに対応する値を減算する。本実施形態では、計数ボタン18の押下時間が2秒未満となる短押し操作が行われると、短押し操作に対応する計数コマンドが専用ユニット制御基板800に送信され、持ち球数カウンタ782の値から1が減算され、計数ボタン18の押下時間が2秒以上となる長押し操作が行われると、0.3秒ごとに長押し操作に対応する計数コマンドが専用ユニット制御基板800に送信され、持ち球数カウンタ782の値から250が減算される。
【0126】
発射制御手段764は、持ち球数カウンタ782の値、遊技球の発射を許可する主制御基板500からの発射許可信号、整流器入口センサ704、整流器出口センサ706、操作ボリューム718、タッチセンサ720、発射停止スイッチ722からの検出信号に基づいて、整流器駆動装置742および発射駆動装置744を制御する。
【0127】
詳細には、通常管理状態では、発射制御手段764は、持ち球数カウンタ782の値が1以上であり、主制御基板500からの発射許可信号がON状態であり、整流器入口センサ704の検出信号がON状態で2秒以上経過しており、すなわち整流器116に3個の遊技球が滞在しており、操作ボリューム718からの検出信号がON状態であり、タッチセンサ720からの検出信号がON状態であり、発射停止スイッチ722からの検出信号がOFF状態である場合に、1.65秒ごとに整流器116の遮断部材118が1個の遊技球を発射装置に送る動作を行うように整流器駆動装置742を制御し、1個の遊技球が発射装置に送られるとハンマーが遊技球を打つ動作を行うように発射駆動装置744を制御する。
【0128】
また通常管理状態では、発射制御手段764は、持ち球数カウンタ782の値が0であるか、主制御基板500からの発射許可信号がOFF状態であるか、整流器入口センサ704の検出信号がON状態で2秒以上経過していないか、すなわち整流器116に3個の遊技球が滞在していないか、整流器出口センサ706の検出信号がON状態であるか、操作ボリューム718からの検出信号がOFF状態であるか、タッチセンサ720からの検出信号がOFF状態であるか、発射停止スイッチ722からの検出信号がON状態である場合に、整流器116の遮断部材118が遊技球を発射装置に送る動作を行わないように整流器駆動装置742を制御し、発射装置のハンマーが遊技球を打つ動作を行わないように発射駆動装置744を制御する。
【0129】
一方、球抜き状態では通常管理状態とは異なり、発射制御手段764は、持ち球数カウンタ782の値が0であっても、主制御基板500からの発射許可信号がOFF状態であっても、整流器入口センサ704の検出信号がOFF状態であっても、整流器出口センサ706の検出信号がOFF状態であり、操作ボリューム718からの検出信号がON状態であり、タッチセンサ720からの検出信号がON状態であり、発射停止スイッチ722からの検出信号がOFF状態である場合に、1.65秒ごとに整流器116の遮断部材118が1個の遊技球を発射装置に送る動作を行うように整流器駆動装置742を制御し、1個の遊技球が発射装置に送られるとハンマーが遊技球を打つ動作を行うように発射駆動装置744を制御する。
【0130】
また球抜き状態では、発射制御手段764は、整流器出口センサ706の検出信号がON状態であるか、タッチセンサ720からの検出信号がOFF状態であるか、操作ボリューム718からの検出信号がOFF状態であるか、発射停止スイッチ722からの検出信号がON状態である場合に、整流器116の遮断部材118が遊技球を発射装置に送る動作を行わないように整流器駆動装置742を制御し、発射装置のハンマーが遊技球を打つ動作を行わないように発射駆動装置744を制御する。
【0131】
循環制御手段766は、持ち球数カウンタ782の値、主制御基板500からの発射許可信号、整流器入口センサ704、操作ボリューム718、タッチセンサ720、発射停止スイッチ722、開放センサ724からの検出信号に基づいて、揚送駆動装置746を制御する。
【0132】
詳細には、通常管理状態では、循環制御手段766は、持ち球数カウンタ782の値が1以上であり、主制御基板500からの発射許可信号がON状態であり、操作ボリューム718からの検出信号がON状態であり、タッチセンサ720からの検出信号がON状態であり、発射停止スイッチ722からの検出信号がOFF状態である場合に、揚送スクリュー110が第3通路114に遊技球を揚送する動作を行うように揚送駆動装置746を制御する。
【0133】
また通常管理状態では、循環制御手段766は、持ち球数カウンタ782の値が0であるか、主制御基板500からの発射許可信号がOFF状態であるか、操作ボリューム718からの検出信号がOFF状態であるか、タッチセンサ720からの検出信号がOFF状態であるか、発射停止スイッチ722からの検出信号がON状態である場合に、揚送スクリュー110が第3通路114に遊技球を揚送する動作を行わないように揚送駆動装置746を制御する。
【0134】
すなわち、発射装置が遊技球を発射することにともなって、揚送スクリュー110が第3通路114に遊技球を揚送する動作が行われる。
【0135】
また通常管理状態では、循環制御手段766は、開放センサ724がON状態で2秒以上経過した場合、すなわち内枠7および前枠10が外枠2に対して開放された状態で2秒以上経過した場合にも、揚送スクリュー110が第3通路114に遊技球を揚送する動作を行うように揚送駆動装置746を制御する。
【0136】
また通常管理状態では、循環制御手段766は、開放センサ724がON状態であっても、整流器入口センサ704の検出信号がON状態で2秒以上経過した場合、すなわち内枠7および前枠10が外枠2に対して開放されていても、整流器116に3個の遊技球が滞在している場合や、開放センサ724がOFF状態で2秒以上経過した場合、すなわち内枠7および前枠10が外枠2に対して閉じられた状態で2秒以上経過した場合には、揚送スクリュー110が第3通路114に遊技球を揚送する動作を行わないように揚送駆動装置746を制御する。
【0137】
一方、球抜き状態では通常管理状態とは異なり、循環制御手段766は、持ち球数カウンタ782の値が0であっても、主制御基板500からの発射許可信号がOFF状態であっても、操作ボリューム718からの検出信号がON状態であり、タッチセンサ720からの検出信号がON状態であり、発射停止スイッチ722からの検出信号がOFF状態である場合に、揚送スクリュー110が第3通路114に遊技球を揚送する動作を行うように揚送駆動装置746を制御する。
【0138】
また球抜き状態では、循環制御手段766は、操作ボリューム718からの検出信号がOFF状態であるか、タッチセンサ720からの検出信号がOFF状態であるか、発射停止スイッチ722からの検出信号がON状態である場合に、揚送スクリュー110が第3通路114に遊技球を揚送する動作を行わないように揚送駆動装置746を制御する。
【0139】
すなわち球抜き状態では、持ち球数カウンタ782の値が0であり、主制御基板500からの発射許可信号がOFF状態となるが、遊技機の管理者等がハンドル20に触れた状態でハンドル20を回転させる操作を行えば、整流器駆動装置742、発射駆動装置744、揚送駆動装置746が動作するようにしている。
【0140】
これにより球抜き状態では、上述した球抜きレバー122を開状態にしても残存する遊技球を遊技領域4に発射して、第1通路102、第2通路106、排出通路120を通過させて排出口124から排出することができるようにしている。
【0141】
循環球数判定手段768は、循環球数過少センサ712からの検出信号に基づいて、第2通路106に滞在している遊技球の数が少な過ぎるか否か判定し、遊技球の数が少な過ぎる場合に過少エラーを出力する。また循環球数判定手段768は、循環球数過多センサ714からの検出信号に基づいて、第2通路106に滞在している遊技球の数が多過ぎるか否か判定し、遊技球の数が多過ぎる場合に過多エラーを出力する。
【0142】
球汚れ判定手段770(計測手段)は、球抜き状態において、球抜きスイッチ702からの検出信号に基づいて球汚れ判定モードを実行し、アウトセンサ710からの検出信号に基づいて45個の遊技球が回収口104を通過するために要する時間(遊技媒体が移動に要する時間)を計測し、計測した時間に基づいて遊技球の汚れの蓄積度合を判定する。
【0143】
球交換日更新手段772は、球汚れ判定モードにおいて、球抜きスイッチ702からの検出信号に基づいて、枠制御メモリ780において遊技球を交換した日である球交換日を更新する。
【0144】
枠通信制御手段774は、主制御基板500や専用ユニット制御基板800に信号やコマンドを送信する制御を行う。本実施形態の遊技機では、枠制御基板700と専用ユニット制御基板800の間でも、双方向通信が可能となっているが、副制御基板600と枠制御基板700の間では、直接は通信接続されていない。
【0145】
3.本実施形態の手法
本実施形態の遊技機のように、内部を遊技球が循環する遊技機では、遊技機の稼働が継続すると遊技球に汚れが蓄積するため、遊技球のメンテナンスや交換が必要となる。しかし、遊技機が設置されている環境や、遊技機の稼動状況は様々であり、遊技機ごとに遊技球の汚れの蓄積度合に差が発生する。そのため、現状では遊技機の管理者等が遊技球の汚れの蓄積度合を目視で判断して対応する必要があり、遊技球の管理の容易化が望まれる。そこで、本実施形態の遊技機では、球抜き状態において遊技球の汚れを判定可能な球汚れ判定モードが実行可能となっている。
【0146】
図8(A)は、球抜き状態において液晶ディスプレイ31(報知手段)に表示される球抜き状態画像800を示す図である。
図8(A)に示すように、球抜き状態画像800では、球抜きの手順を示す球抜き手順表示802と、前回の遊技球を交換したタイミングを示す履歴表示804と、球抜きボタンを押下すると球汚れ判定モードが開始されることを示す開始操作表示806が表示される。
【0147】
遊技機の管理者等が球抜き手順表示802に従って、排出口124から排出される遊技球を収容する容器を排出口124にセットし、球抜きレバー122を開状態にすると、第2通路106と排出通路120の分岐点よりも上流側に滞在している遊技球が、排出通路120を通過して排出口124から排出されて容器に収容される。そして、ハンドル20を回転させる操作を行うと、第2通路106と排出通路120の分岐点から整流器116の間に残存している遊技球が遊技領域4に発射され、第1通路102、第2通路106、排出通路120を通過して排出口124から排出されることにより、循環ユニット100内の全ての遊技球が排出される。
【0148】
球抜き状態画像800の表示中に球抜きボタンが押下されると、球汚れ判定モードが開始され、
図8(B)に示す球汚れ判定モード画像808が表示される。球汚れ判定モード画像808では、球汚れ判定の手順を示す球汚れ判定手順表示810と、球抜きボタンを押下すると球汚れ判定モードが終了することを示す戻る操作表示812が表示される。球汚れ判定モード画像808の表示中に球抜きボタンが押下されると、球汚れ判定モードが終了され、球抜き状態画像800が表示される。
【0149】
遊技機の管理者等が球汚れ判定手順表示810に従って、遊技球が回収口104に進入しないように回収口104を塞ぐカバーを回収口104に取り付けてから、排出口124から排出させた全ての遊技球を第1通路102に入れた状態で、容器を排出口124にセットし、球抜きレバー122を開状態にしたままカバーを外すと、第1通路102の遊技球が1個ずつ回収口104に進入し、第2通路106、排出通路120を通過して排出口124から排出される。
【0150】
ここで、第1通路102に入れた遊技球に汚れが蓄積している場合には、第1通路102に滞留している遊技球同士の摩擦係数が大きくなるため、第1通路102の全ての遊技球が回収口104を通過するために要する時間が長くなる。
【0151】
そこで本実施形態では、アウトセンサ710からの検出信号に基づいて45個(所定数)の遊技球が回収口104を通過するために要する時間が計測され、計測された時間に基づいて遊技球の汚れの蓄積度合が判定される。
【0152】
詳細には、球汚れ判定モードが開始されてから1個目の遊技球をアウトセンサ710が検出すると、経過時間の計測(計時)が開始され、球汚れ判定モードが開始されてから45個目の遊技球をアウトセンサ710が検出すると、経過時間の計測が終了される。
【0153】
そして、計測した経過時間が所定時間を超えている場合には、
図9(A)に示す第1判定結果画像814が表示され、第1判定結果画像814では、遊技球の交換が必要であることを示す交換必要表示816(遊技媒体に関する情報)が表示される。
【0154】
一方、計測した経過時間が所定時間を超えていない場合には、
図9(B)に示す第2判定結果画像818が表示され、第2判定結果画像818では、遊技球の交換が不要であることを示す交換不要表示820(遊技媒体に関する情報)が表示される。
【0155】
また、第1判定結果画像814および第2判定結果画像818では、新たな遊技球に交換する場合には球抜きボタンの長押し操作を行うことを示す交換操作表示822と、新たな遊技球に交換しない場合には球抜きボタンの短押し操作を行うことを示す未交換操作表示824が表示される。
【0156】
第1判定結果画像814または第2判定結果画像818の表示中に球抜きボタンの長押し操作が行われると、球抜きボタンの長押し操作が行われた年月日が、遊技球を交換した年月日である球交換日として枠制御メモリ780に記憶されて、
図10(A)に示す第1判定終了画像826が表示される。第1判定終了画像826では、交換必要表示816と、第1通路102に新たな遊技球を入れる手順を示す交換手順表示828が表示される。
【0157】
遊技機の管理者等が交換手順表示828に従って、遊技球を第1通路102に入れることにより、第1判定終了画像826の表示中にアウトセンサ710が45個の遊技球を検出すると、球汚れ判定モードが終了され、球抜き状態画像800が表示されるが、この場合には、
図11に示すように、履歴表示804において前回の遊技球を交換したタイミングが、更新後の球交換日に基づいて更新されて表示される。
【0158】
一方、第1判定結果画像814または第2判定結果画像818の表示中に球抜きボタンの短押し操作が行われると、球交換日が更新されずに、
図10(B)に示す第2判定終了画像830が表示される。第2判定終了画像830では、交換不要表示820と、第1通路102に元の遊技球を入れる手順を示す復帰手順表示832が表示される。
【0159】
遊技機の管理者等が復帰手順表示832に従って、遊技球を第1通路102に入れることにより、第2判定終了画像830の表示中にアウトセンサ710が45個の遊技球を検出すると、球汚れ判定モードが終了され、球抜き状態画像800が表示されるが、この場合には、
図8(A)に示すように、履歴表示804において、前回の遊技球を交換したタイミングが更新されずに表示される。
【0160】
このように本実施形態では、球抜き状態において、前回の遊技球を交換したタイミングが表示されるため、遊技機の管理者等が球汚れ判定モードを実行するか否かを容易に判断することができる。また、球汚れ判定モードでは、交換必要表示816または交換不要表示820が表示されるため、遊技機の管理者等が遊技球を交換すべきか否かを容易に判断することができる。これにより本実施形態では、遊技球の管理の容易化を実現することができる。
【0161】
図12は、枠制御基板700で行われる電源投入時処理の流れを示すフローチャートである。電源投入時処理では、電源投入時に球抜きスイッチ702が押下されていると(ステップS100でY)、枠状態制御手段760が、管理状態を球抜き状態に設定し(ステップS102)、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に、液晶ディスプレイ31において球抜き状態画像800を表示させるための球抜き状態画像表示コマンドを送信し(ステップS104)、枠状態制御手段760が、枠制御基板700が管理する液晶ディスプレイ31の表示状態を球抜き状態画像表示中に設定する(ステップS106)。一方、電源投入時に球抜きスイッチ702が押下されていないと(ステップS100でN)、管理状態を通常管理状態に設定する(ステップS108)。
【0162】
図13は、枠制御基板700で行われる球抜き状態画像表示中処理の流れを示すフローチャートである。球抜き状態画像表示中処理では、球抜き状態画像表示中に球抜きスイッチ702が押されると(ステップS110でY)、球汚れ判定手段770が、球汚れ判定モードの実行を開始し(ステップS112)、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に、液晶ディスプレイ31において球汚れ判定モード画像808を表示させるための球汚れ判定モード画像表示コマンドを送信し(ステップS114)、枠状態制御手段760が、表示状態を球汚れ判定モード画像表示中に設定し(ステップS116)、球汚れ判定手段770が、球汚れ判定モードにおいてアウトセンサ710が検出した遊技球の数を示す枠制御メモリ780の球汚れ判定カウンタの値をリセットする(ステップS118)。
【0163】
図14は、枠制御基板700で行われる球汚れ判定モード画像表示中処理1の流れを示すフローチャートである。球汚れ判定モード画像表示中処理1では、球汚れ判定モード画像表示中に球抜きスイッチ702が押されると(ステップS120でY)、球汚れ判定手段770が、球汚れ判定モードの実行を終了し(ステップS122)、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に球抜き状態画像表示コマンドを送信し(ステップS124)、枠状態制御手段760が、表示状態を球抜き状態画像表示中に設定する(ステップS126)。
【0164】
図15は、枠制御基板700で行われる球汚れ判定モード画像表示中処理2の流れを示すフローチャートである。球汚れ判定モード画像表示中処理2では、球汚れ判定モード画像表示中にアウトセンサ710の検出信号がON状態になると(ステップS130でY)、球汚れ判定カウンタの値が0である場合に(ステップS132でY)、球汚れ判定手段770が、経過時間の計測を開始し(ステップS134)、球汚れ判定カウンタの値に1を加算する(ステップS136)。
【0165】
そして、球汚れ判定カウンタの値が45に達していない場合には(ステップS138でN)、ステップS130に戻り、アウトセンサ710の検出信号がON状態になったが(ステップS130でY)、球汚れ判定カウンタの値が0でない場合には(ステップS132でN)、球汚れ判定手段770が、経過時間の計測を継続したまま、球汚れ判定カウンタの値に1を加算する(ステップS136)。
【0166】
そして、球汚れ判定カウンタの値が45に達すると(ステップS138でY)、球汚れ判定手段770が、経過時間の計測を終了し(ステップS140)、計測した経過時間が所定時間を超えている場合には(ステップS142でY)、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に、液晶ディスプレイ31において第1判定結果画像814を表示させるための第1判定結果画像表示コマンドを送信する(ステップS144)。一方、計測した経過時間が所定時間を超えていない場合には(ステップS142でN)、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に、液晶ディスプレイ31において第2判定結果画像818を表示させるための第2判定結果画像表示コマンドを送信する(ステップS146)。すると枠状態制御手段760が、表示状態を判定結果画像表示中に設定し(ステップS148)、球汚れ判定手段770が、球汚れ判定カウンタの値をリセットする(ステップS150)。
【0167】
図16は、枠制御基板700で行われる判定結果画像表示中処理の流れを示すフローチャートである。判定結果画像表示中処理では、判定結果画像表示中に球抜きスイッチ702が長押しされると(ステップS160でY)、球交換日更新手段772が、枠制御メモリ780において球交換日を更新し(ステップS162)、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に、液晶ディスプレイ31において第1判定終了画像826を表示させるための第1判定終了画像表示コマンドを送信する(ステップS164)。すると枠状態制御手段760が、表示状態を判定終了画像表示中に設定する(ステップS166)。
【0168】
一方、判定結果画像表示中に球抜きスイッチ702が短押しされると(ステップS168でY)、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に、液晶ディスプレイ31において第2判定終了画像830を表示させるための第2判定終了画像表示コマンドを送信する(ステップS170)。すると枠状態制御手段760が、表示状態を判定終了画像表示中に設定する(ステップS166)。
【0169】
図17は、枠制御基板700で行われる判定終了画像表示中処理の流れを示すフローチャートである。判定終了画像表示中処理では、判定終了画像表示中にアウトセンサ710の検出信号がON状態になると(ステップS170でY)、球汚れ判定手段770が、球汚れ判定カウンタの値に1を加算し(ステップS172)、球汚れ判定カウンタの値が45に達すると(ステップS174でY)、球汚れ判定モードの実行を終了し(ステップS176)、球汚れ判定カウンタの値をリセットする(ステップS178)。すると、枠通信制御手段774が、主制御基板500を介して副制御基板600に、球抜き状態画像表示コマンドを送信し(ステップS180)、枠状態制御手段760が、表示状態を球抜き状態画像表示中に設定する(ステップS182)。
【0170】
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0171】
球抜き状態では、タッチセンサ720からの検出信号がOFF状態であっても、遊技球が発射されるようにしてもよい。
【0172】
また、電源投入時に球抜きスイッチ702が押下されていると、球汚れ判定モードの実行が開始され、球汚れ判定モード画像808が表示されるようにしてもよいし、電源投入時に枠制御基板700に設けられた他のスイッチが押下されていると、球汚れ判定モードの実行が開始され、球汚れ判定モード画像808が表示されるようにしてもよい。
【0173】
また、発射装置が発射した遊技球の数や、アウトセンサ710が検出した遊技球の数を遊技機の稼働履歴として記憶し、稼働履歴が所定値に達すると、球汚れ判定モードの実行が開始されるようにしてもよい。
【0174】
また、45個の遊技球が回収口104を通過するために要する時間が所定時間を超えている場合であって、かつ稼働履歴が所定値に達している場合に、交換必要表示816が表示されるが、45個の遊技球が回収口104を通過するために要する時間が所定時間を超えている場合であっても、稼働履歴が所定値に達していない場合には、交換不要表示820が表示されるようにしてもよい。
【0175】
また、遊技媒体に関する情報として、交換必要表示816や交換不要表示820に加えてまたは代えて、遊技球の交換が必要であることを示す交換必要ランプ(報知手段)または遊技球の交換が不要であることを示す交換不要ランプ(報知手段)が点灯されたり、遊技球の交換が必要であることを示す交換必要音声または遊技球の交換が不要であることを示す交換不要音声がスピーカー14(報知手段)から出力されたりするようにしてもよい。また、遊技媒体に関する情報として、遊技球が汚れていることを示す表示または遊技球が汚れていないことを示す表示が表示されたり、遊技球が汚れていることを示す音声または遊技球が汚れていないことを示す音声が出力されたりするようにしてもよい。
【0176】
また、履歴表示804において前回の遊技球を交換した年月日が表示されるようにしてもよいし、履歴表示804に加えてまたは代えて、記憶されている球交換日から所定期間が経過している場合に、汚れ判定モードの実行を促す表示が表示されるようにしてもよい。
【0177】
また、回収口104に遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)との間で動作可能な閉鎖部材が設けられ、閉鎖部材の動作がソレノイドなどの駆動装置により制御されるようにして、汚れ判定モードの実行が開始されると、閉鎖部材が閉状態となるようにしてもよい。
【0178】
また、汚れ判定モードでは、アウトセンサ710からの検出信号と循環球数過多センサ714からの検出信号に基づいて、45個の遊技球がアウトセンサ710から循環球数過多センサ714に到達するために要する時間を計測し、計測した時間に基づいて遊技球の汚れの蓄積度合を判定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0179】
2 外枠、4 遊技領域、6 遊技盤、7 内枠、8 ガラスユニット、10 前枠、
11 前枠開口、12 前枠ランプ、14 スピーカー、16 演出入力装置、
17 持ち球数表示部、18 計数ボタン、27 シリンダー錠