(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136116
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】シンク、シンクユニット及びキッチンユニット
(51)【国際特許分類】
E03C 1/18 20060101AFI20240927BHJP
A47B 77/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E03C1/18
A47B77/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047101
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高久 秀之
(72)【発明者】
【氏名】千品 喜嗣
(72)【発明者】
【氏名】川原 明里彩
【テーマコード(参考)】
2D061
3B260
【Fターム(参考)】
2D061BA04
2D061BB00
2D061BC03
2D061BC13
3B260FA00
3B260FA03
(57)【要約】
【課題】シンクで使用される用品を支持可能なシンクの形状を簡素にすることができる技術を提供する。
【解決手段】シンクは、非磁性材料で作製されているシンク本体と、前記シンク本体に配置される磁性体と、を備えてもよい。前記シンク本体は、排水口を有する底壁と、前記底壁を囲む周壁と、を備えてもよい。前記磁性体は、前記周壁の使用者と対向する正面部分に配置されてもよい。前記正面部分における前記磁性体の左端縁から右端縁までの距離は、前記正面部分の左端縁から右端縁までの距離と略等しくてもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性材料で作製されているシンク本体と、
前記シンク本体に配置される磁性体と、を備え、
前記シンク本体は、排水口を有する底壁と、前記底壁を囲む周壁と、を備え、
前記磁性体は、前記周壁の使用者と対向する正面部分に配置されており、
前記正面部分における前記磁性体の左端縁から右端縁までの距離は、前記正面部分の左端縁から右端縁までの距離と略等しい、
シンク。
【請求項2】
前記磁性体は、前記正面部分の裏面に配置される板形状を有する、請求項1に記載のシンク。
【請求項3】
前記磁性体は、前記正面部分の上下方向における中央位置よりも上方に配置されている、請求項2に記載のシンク。
【請求項4】
前記磁性体は、前記周壁に内包されている、請求項1に記載のシンク。
【請求項5】
前記周壁は、前記正面部分において、左右方向の略全長に亘って延びる平面形状の主部分と、前記主部分の左右方向の両端縁のそれぞれにおいて湾曲する端縁部分と、を有しており、
前記磁性体は、左右方向において前記主部分の前記両端縁の範囲内に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のシンク。
【請求項6】
前記請求項1から4のいずれか一項に記載のシンクと、
前記シンクの前記周壁に取り付けられて、前記シンクで利用される用品を支持する支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記磁性体との間で発生する磁力によって前記磁性体に引き付けられる、シンクユニット。
【請求項7】
前記支持部材は、
前記磁性体に引き付けられることによって、前記周壁に取り付けられる取付部と、
前記取付部から前記周壁の前記取付部が配置される面と反対側に突出しており、前記用品を収容する収容部と、
前記取付部から上方に延びて、前記周壁の上端縁の上方から前記上端縁に引っ掛かる引掛部と、を備える、請求項6に記載のシンクユニット。
【請求項8】
前記請求項1から4のいずれか一項に記載のシンクと、
前記シンクが配置される天板と、
前記天板を支持する台と、を備え、
前記台は、前記シンクの前記周壁の外側を覆う、キッチンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、シンク、シンクユニット及びキッチンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キッチンシンクが開示されている。キッチンシンクでは、キッチンシンクにかご部材を配置するために、キッチンシンクの壁面に吊り下げピンが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
清掃のしやすさのために、シンクは、簡素な形状であることが好ましい。本明細書では、シンクで使用される用品を支持可能なシンクの形状を簡素にすることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示の技術の第1の態様では、シンクが、非磁性材料で作製されているシンク本体と、前記シンク本体に配置される磁性体と、を備えてもよい。前記シンク本体は、排水口を有する底壁と、前記底壁を囲む周壁と、を備えてもよい。前記磁性体は、前記周壁の使用者と対向する正面部分に配置されてもよい。前記正面部分における前記磁性体の左端縁から右端縁のまでの距離は、前記正面部分の前記左端縁から右端縁までの距離と略等しくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】キッチンユニットの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II線におけるシンクユニットの端面図である。
【
図3】
図2のIII-III線におけるシンクの断面図である。
【
図10】シンクホルダの変形例を示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示されるように、キッチンユニット2は、天板4と、台6と、水栓8と、シンクユニット10とを備える。天板4は、台6の上端に支持されている。天板4は、平板部材である。天板4の上端には開口が形成されている。シンクユニット10は、天板4の開口内に配置される。天板4は、使用者が料理等の作業を行うためのキッチンカウンタとして機能する。水栓8は、天板4に配置されている。使用者は、キッチンユニット2のシンクユニット10の手前側の作業位置に立って、野菜や食器等の洗浄作業等を行う。本実施例では、説明を簡単にするために、シンクユニット10の作業位置に立ち、シンクユニット10に向いた使用者の視点に基づいて、上下方向、左右方向及び手前奥方向が規定されている。
【0008】
(シンクユニット10の構成)
シンクユニット10は、シンク12と、複数のシンクホルダ22、23とを備える。シンク12は、シンク本体14と、磁性体16とを備える。
【0009】
(シンク本体14の構成)
シンク本体14は、底壁17と、周壁18を備える。底壁17は、上方から見て四角形状を有する。底壁17は、排水口17aを有する。周壁18は、四角形状の筒状を有する。周壁18は、底壁17を取り囲んでいる。周壁18の上端縁18aは、天板4に引っ掛けられる。周壁18の外側は、台6に覆われている。水栓8からシンク12に供給された水は、底壁17の排水口17aから排出される。
【0010】
図3に示されるように、周壁18は、正面部分FPを有する。正面部分FPとは、使用者Uが作業位置に立っている状態で、周壁18における使用者Uと対向する部分を指す。言い換えると、正面部分FPは、周壁18の奥側の面全体である。正面部分FPは、周壁18のうち、手前方向に向いている面であり、左右両端に位置する湾曲部分も含む。正面部分FPには、周壁18の手前側部分は含まれない。
【0011】
周壁18は、正面部分FPにおいて、主部分18bと、二つの端縁部分18c、18cと、を有する。主部分18bは、左右方向の全長に亘って延びる平面形状を有する。二つの端縁部分18c、18cのうちの一方は、奥側の主部分18bの左端縁18b1から左側に進むのに従って手前側に湾曲している。端縁部分18c、18cのうちの他方は、奥側の主部分18bの右端縁18b2から右側に進むのに従って手前側に湾曲している。周壁18は、正面部分FPの左右両側の各々において、手前側に延びる平面形状を有する主部分18bを有する。
【0012】
シンク本体14は、非磁性体材料で作製されている。シンク本体14を作製する非磁性体材料が、樹脂材料である。具体的には、シンク本体14を作製する非磁性体材料は、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂は、例えばアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(即ちABS樹脂)である。シンク本体14は、成形型に溶融樹脂を注入して凝固させることによって形成される。変形例では、シンク本体14を作製する非磁性体材料は、金属材料であってもよい。例えば、シンク本体14は、SUS304等の非磁性のステンレス鋼で作製されてもよい。
【0013】
(磁性体16の構成)
図2及び
図3に示されるように、磁性体16は、シンク本体14の正面部分FPに配置される。磁性体16は、磁性材料で作製される。磁性材料は、例えば鉄である。磁性体16は、四角形状の板状部材である。磁性体16は、正面部分FPの裏面18dに配置される。磁性体16は、周壁18に沿って断続的に延びている。
【0014】
磁性体16は、周壁18の正面部分FPの左右方向において、主部分18bの左端縁18b1と右端縁18b2との間の範囲内に配置されている。磁性体16は、左右方向において、左右の端縁部分18c、18cには配置されていない。即ち、正面部分FPに配置される磁性体16の左端縁16aから右端縁16bまでの距離は、正面部分FPの左端縁FP1(即ち左の端縁部分18cの左端縁)から右端縁FP2(即ち右の端縁部分18cの右端縁)までの距離と略等しい。2つの距離が「略等しい」ということは、磁性体16の左端縁16aから右端縁16bまでの距離が、正面部分FPの左端縁FP1から右端縁FP2までの距離の7割以上の大きさであることを意味する。具体的には、磁性体16は、周壁18の正面部分FPの左右方向の略全長に亘って延びている。正面部分FPの左右方向の略全長は、正面部分FPの左右方向、即ち正面部分FPに沿った方向における全長のうちの8割以上を占める範囲を意味する。変形例では、磁性体16は、左右の端縁部分18c、18cにも配置されていてもよい。磁性体16は、正面部分FPの左右方向の全長に亘って配置されていてもよい。磁性体16は、周壁18の左右両側の各々の主部分18b、18bに配置されている。磁性体16は、周壁18の手前側部分には配置されていない。変形例では、磁性体16が周壁18の左右両側の各主部分18b、18bに配置されていなくてもよい。別の変形例では、磁性体16は、周壁18の周縁の全長(即ち奥側部分、左右側部分、及び手前側部分)に亘って配置されていてもよい。
【0015】
図2に示されるように、磁性体16は、正面部分FPの上下方向における中央位置よりも上方に配置されている。変形例では、磁性体16は、正面部分FPにおいて、周壁18の下端縁18eから上端縁18aまで配置されていてもよい。
【0016】
(シンクホルダ22、23の構成)
複数のシンクホルダ22、23は、シンク12内に配置される。複数のシンクホルダ22、23は、シンク12の周壁18に取り付けられる。複数のシンクホルダ22、23は、シンク12で利用される用品(以降、シンク用品と称する)を支持する支持部材である。シンク用品には、食器用洗剤容器24、スポンジ25等が挙げられる(
図1参照)。シンクホルダ22は、非磁性体材料で作製される。具体的には、シンクホルダ22は、樹脂材料で作製される。
【0017】
図2及び
図4に示されるように、シンクホルダ22は、取付部26と、収容部30と、を備える。取付部26は、磁性体16に引き付けられることによって、シンク12の周壁18に取り付けられる。取付部26は、板形状を有する。取付部26は、取付本体部27と、ホルダ磁性体28と、を有する。取付本体部27は、板形状を有する。取付本体部27は、周壁18との対向面に凹部27aが形成されている。ホルダ磁性体28は、取付本体部27の凹部27a内に配置される。ホルダ磁性体28は、板形状を有する磁石である。
【0018】
収容部30は、取付部26から、周壁18における取付部26が配置される面(即ち周壁18の主部分18b)と反対側に突出している。シンクホルダ22の収容部30は、底板32と、側板34と、を有する。シンクホルダ22の収容部30の側板34は、取付部26と共に、底板32を取り囲む。シンクホルダ22の収容部30の底板32には、水切り用の複数の水抜け穴32aが形成されている。シンクホルダ23は、シンクホルダ22と同様の取付部と収容部とを有する。シンクホルダ23の取付部と収容部との寸法は、シンクホルダ22の取付部26と収容部30との寸法と異なっていてもよい。
【0019】
(実施形態の効果)
本実施形態の構成では、シンク12の周壁18の正面部分FPにおいて、シンクホルダ22等の磁力で引き付けられる用品が、磁力によって簡単に取り付けられる。従って、シンク12自体の形状も簡素に形成することができ、シンク12内の清掃がしやすい。
【0020】
本実施形態では、磁性体16をシンク12の正面部分FPの裏面18dに配置することによって、シンク12の作製が可能である。従って、シンク12の作製が容易である。この場合、例えば非磁性体材料で作製された既製のシンク本体14に対しても本技術を適用できる。
【0021】
本実施形態では、磁性体16は、正面部分FPの上下方向における中央位置よりも上方に配置されている。例えばシンクホルダ22は、周壁18の上方に配置でき、シンク12の底壁17とシンクホルダ22との間の空間を確保できる。これにより、シンクホルダ22が、底壁17上を流れる汚水等によって汚れにくい。シンクホルダ22の下側に死角が形成されないので、清掃がしやすい。磁性体16が、正面部分FPにおいて、周壁18の下端縁18eから上端縁18aまで配置される場合には、シンクホルダ22を周壁18の下方に配置できる。シンクホルダ22に、例えば洗剤容器等の上下方向に長いシンク用品を配置しても、シンク用品がシンク12よりも上方に突出しにくい。
【0022】
本実施形態では、台6は、シンク12の周壁18の外側を覆っている。従って、周壁18に配置された磁性体16は、使用者に視認されない。磁性体16と台6との間の間隔によって、例えば磁石等は、キッチンユニット2の外側から周壁18に対して磁力によって引き付けられにくい。
【0023】
シンクホルダ22、23は、本明細書が開示する技術の「支持部材」の一例である。
【0024】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明した。これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0025】
(変形例1)磁性体16は、本実施形態の鉄に限定されない。磁性体16が、他の強磁性体であってもよい。他の強磁性体は、例えばコバルト、ニッケル等の金属、及び、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の合金のいずれかであってよい。あるいは、
図5に示されるように、磁性体16が、磁石であってもよい。磁性体16が磁石である場合、ホルダ磁性体28は、例えば鉄等の強磁性体であってよい。
【0026】
(変形例2)磁性体16は、シンク本体14の裏面18dに配置されていなくてもよい。
図6に示されるように、板形状の磁性体16が、シンク本体14に内包されていてもよい。具体的には周壁18の内部に配置されていてもよい。磁性体16は、鉄であってよい。鉄に代えて、磁性体16は、磁石であってもよい。本変形例では、磁性体16のインサート成形によって、シンク12が成形されてもよい。磁性体16は、複数の平板形状の磁性体が左右方向に断続的に配置されていてもよい。この場合、磁性体16の右端縁は、複数の磁性体のうち、最も右側に位置する磁性体の右端縁であってもよい。同様に、磁性体16の左端縁は、複数の磁性体のうち、最も左側に位置する磁性体の左端縁であってもよい。板形状の磁性体16に代えて、
図7に示されるように、磁性体16は、粉末状であってもよい。この場合、磁性体16は、鉄粉であってもよい。本変形例では、成形前の樹脂に磁性体16を混ぜてから、シンク12を樹脂成形してもよい。この場合、正面部分FPには、略均一に鉄粉が含まれていることから、磁性体16の右端縁は、正面部分FPの右端縁に一致し、磁性体16の左端縁は、正面部分FPの左端縁に一致する。
【0027】
(変形例3)シンクホルダ22は、
図4に示される実施形態に加えて、
図8に示される引掛部36をさらに備えてもよい。引掛部36は、周壁18の上端縁18aの上方から上端縁18aに対して引っ掛かってもよい。これにより、シンクホルダ22の上方からの耐荷重が向上する。シンクホルダ22に収容するシンク用品が、例えば、
図1に示されるような上から押すポンプ式の食器用洗剤容器24であっても、使用者のポンプの押し下げ時にシンクホルダ22がずり下がらず、作業性が良い。
【0028】
(変形例4)シンクホルダ22は、
図9に示されるように、本体部38と、ピン部40と、
図4の実施形態と同様のホルダ磁性体28と、を備えてもよい。この場合、ホルダ磁性体28は、本体部38に配置されていてもよい。ピン部40は、細長いピン形状を有してもよく、本体部38から周壁18の本体部38が配置される面と反対側に突出していてよい。例えばスポンジ25にピン部40が差し込まれることによって、シンクホルダ22は、例えばスポンジ25を支持することができる。
【0029】
(変形例5)シンクホルダ22は、
図10に示されるように、ホルダ磁性体28のみを備えるものであってもよい。この場合、シンクホルダ22が支持するスポンジ125には、ホルダ磁性体28を挿入するスリット125aが形成されていてよい。
【0030】
(変形例6)
図11に示されるように、シンク本体14では、正面部分FPは、平面形状の主部分18bに対して奥側に窪んだ窪み部分18rを有していてもよい。具体的には、窪み部分18rは、平面形状の第2の主部分18gと、二つの端縁部分18h、18hを有してもよい。左側の端縁部分18hは、第2の主部分18gと主部分18bとを連結してもよい。右側の端縁部分18hは、第2の主部分18gと主部分18bとを連結してもよい。端縁部分18hは、湾曲面であってもよい。正面部分FPの窪み部分18rにおいて、磁性体16は、端縁部分18h、18hの間の範囲に配置されていてよい。本変形例では、正面部分FPの左右方向において、磁性体16は、実施形態の端縁部分18c、18cに加えて、窪み部分18rの左右の端縁部分18h、18hに配置されていない。窪み部分18rの左右の端縁部分18h、18hの左右方向の距離は、正面部分FPの全体に対して比較的小さい。磁性体16の左端縁16aから右端縁16bまでの距離は、正面部分FPの左端縁FP1から右端縁FP2までの距離の7割以上の大きさであってもよい。この場合、正面部分FPにおける磁性体16の左端縁16aから右端縁16bまでの距離は、正面部分FPの左端縁FP1から右端縁FP2までの距離と略等しいということができる。
【0031】
(変形例7)周壁18の窪み部分18rは、左右の端縁部分18h、18hの両方を有していなくてもよい。窪み部分18rは、第2の主部分18gの左右のいずれか一方に端縁部分18hを有していてもよい。例えば、第2の主部分18gの左端縁は、窪み部分18rの端縁部分18hを介して主部分18bと連結されてもよい。第2の主部分18gの右端縁は、周壁18の右側の端縁部分18cに連結されてもよい。
【0032】
(変形例8)シンク本体14の周壁は四角形状の筒状を有していなくてもよい。周壁は、左右方向に延びる平面形状を有する他の多角形状の筒状を有してもよい。周壁は、左右方向において、平面形状を有しておらず、例えば円弧面等の湾曲面形状を有してもよい。正面部分は、手前方向に向いている面、即ち、周壁の内面のうち、垂直方向のベクトルが手前方向の成分を含む面全体を指す。例えば、周壁が円筒形状を有する場合、円筒形状の中心よりも奥側に位置する半円弧面部分が、「正面部分」の一例である。半円弧面部分に配置された磁性体の左端縁から右端縁までの距離が、半円弧面部分の左端縁から右端縁までの距離(即ち円筒形状の直径)の7割以上の大きさであれば、両者の距離がほぼ等しいということができる
【0033】
(変形例9)シンク12は、本実施形態で例示するキッチンユニット2以外の他の水回り設備に設けられていてもよい。シンク12は、洗面台又は浴槽等に設けられていてもよい。
【0034】
本明細書、及び図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書及び図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0035】
以下に、本明細書に開示の技術の態様を列挙する。第1の態様では、シンクが、非磁性材料で作製されているシンク本体と、前記シンク本体に配置される磁性体と、を備えてもよい。前記シンク本体は、排水口を有する底壁と、前記底壁を囲む周壁と、を備えてもよい。前記磁性体は、前記周壁の使用者と対向する正面部分に配置されてもよい。前記正面部分における前記磁性体の左端縁から右端縁のまでの距離は、前記正面部分の前記左端縁から右端縁までの距離と略等しくてもよい。
【0036】
第2の態様では、上記第1の態様において、前記磁性体が、前記正面部分の裏面に配置される板形状を有してもよい。
【0037】
第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、前記磁性体が、前記正面部分の上下方向における中央位置よりも上方に配置されてもよい。
【0038】
第4の態様では、上記第1の態様において、前記磁性体が、前記周壁に内包されてもよい。
【0039】
第5の態様では、上記第1から第4の態様において、前記周壁が、前記正面部分において、左右方向の略全長に亘って延びる平面形状の主部分と、前記主部分の左右方向の両端縁のそれぞれにおいて湾曲する端縁部分と、を有してもよい。前記磁性体は、左右方向において前記主部分の前記両端縁の範囲内に配置されてもよい。
【0040】
第6の態様では、シンクユニットが、上記第1から第5の態様のいずれか一つのシンクと、前記シンクの前記周壁に取り付けられて、前記シンクで利用される用品を支持する支持部材と、を備えてもよい。前記支持部材は、前記磁性体との間で発生する磁力によって前記磁性体に引き付けられてもよい。
【0041】
第7の態様では、上記第6態様において、支持部材が、前記磁性体に引き付けられることによって、前記周壁に取り付けられる取付部と、前記取付部から前記周壁の前記取付部が配置される面と反対側に突出しており、前記用品を収容する収容部と、前記取付部から上方に延びて、前記周壁の上端縁の上方から前記上端縁に引っ掛かる引掛部と、を備えてもよい。
【0042】
第8の態様では、キッチンユニットが、第1から第5の態様のいずれか一つのシンクと、前記シンクが配置される天板と、前記天板を支持する台と、を備えてもよい。前記台は、前記シンクの前記周壁の外側を覆ってもよい。
【符号の説明】
【0043】
2:キッチンユニット、4:天板、6:台、10:シンクユニット、12:シンク、14:シンク本体、16a:磁性体の左端縁、16b:磁性体の右端縁、17:底壁、17a:排水口、18:周壁、18a:上端縁、18b:主部分、18b1:主部分の左端縁、18b2:主部分の右端縁、18c:端縁部分、18d:裏面、20:磁性体、22、23:シンクホルダ、26:取付部、30:収容部、36:引掛部、FP:正面部分、FP1:正面部分の左端縁、FP2:正面部分の右端縁