(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136119
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】仕切部材
(51)【国際特許分類】
A47B 88/975 20170101AFI20240927BHJP
【FI】
A47B88/975
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047104
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 久士
(72)【発明者】
【氏名】高久 秀之
(72)【発明者】
【氏名】千品 喜嗣
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 篤樹
(72)【発明者】
【氏名】澤田 健行
(72)【発明者】
【氏名】東出 竜輔
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 はるか
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA03
3B160AB04
3B160AB22
(57)【要約】
【課題】収納空間の湿度を調整する技術を提供する。
【解決手段】仕切部材が、キャビネットにおいて画定される収納空間を分割する第1仕切部と、前記第1仕切部を支持する支持部と、を備えてもよい。前記第1仕切部は、少なくとも一部が多孔質材料で作製される第1面材を含んでもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットにおいて画定される収納空間を分割する第1仕切部と、
前記第1仕切部を支持する支持部と、を備え、
前記第1仕切部は、少なくとも一部が多孔質材料で作製される第1面材を含む、仕切部材。
【請求項2】
前記第1仕切部の周端縁を覆うカバーをさらに備える、請求項1に記載の仕切部材。
【請求項3】
前記支持部は、前記カバーと一体に形成されており、前記第1仕切部から離れる方向に延びている、請求項2に記載の仕切部材。
【請求項4】
前記第1仕切部は、平板形状を有しており、
前記仕切部材は、前記第1仕切部に対して傾斜して配置される平板形状を有する第2仕切部をさらに備え、
前記第2仕切部は、少なくとも一部が多孔質材料で作製される第2面材を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の仕切部材。
【請求項5】
前記支持部は、前記第1仕切部に取り付けられて、前記第1仕切部を支持する前記第2仕切部を含む、請求項4に記載の仕切部材。
【請求項6】
前記第2仕切部に取り付けられており、前記第1仕切部に対して移動可能に上端縁に取り付けられる取付部をさらに備える、請求項5に記載の仕切部材。
【請求項7】
前記第1仕切部は、第1意匠面と前記第1意匠面と反対側の第1裏面とを有する平板形状の前記第1面材と、第2意匠面と前記第2意匠面と反対側の第2裏面とを有する平板形状の第2面材と、を含み、
前記第2面材は、少なくとも一部が多孔質材料で作製され、
前記第1面材及び前記第2面材は、前記第1裏面と前記第2裏面とが互いに向き合って重ね合わせられており、
前記第1意匠面と前記第2意匠面とは、前記第1仕切部の表裏面として露出している、請求項1から3のいずれか一項に記載の仕切部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、仕切部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キッチン用フロアキャビネットに配置される仕切り部が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャビネットに配置される収納空間に収納される収納物は、収納物に適した湿度で保管されることが望ましい。本明細書は、収納空間の湿度を調整する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示の技術の第1の態様では、仕切部材が、キャビネットにおいて画定される収納空間を分割する第1仕切部と、前記第1仕切部を支持する支持部と、を備えてもよい。前記第1仕切部は、少なくとも一部が多孔質材料で作製される第1面材を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】引き出しに配置された第1実施形態の仕切部材の平面図である。
【
図3】
図2のIII-III線で切断した第1実施形態の仕切部材の断面図である。
【
図4】第1実施形態の仕切部材の構成を示す斜視図である。
【
図5】引き出しに配置された第2実施形態の仕切部材の平面図である。
【
図6】
図5のVI-VI線で切断した第2実施形態の仕切部材の断面図である。
【
図8】第1カバーユニットの変形例を示す部分端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
図1から
図4を参照して、仕切部材20を説明する。
図1に示されるように、仕切部材20は、キッチン設備2のキャビネット10内に配置可能である。キッチン設備2は、キャビネット10の他に、シンク6と、コンロ8と、天板4とを備える。キャビネット10は、天板4の下端に配置されている。天板4には、シンク6と、コンロ8と、が配置されている。仕切部材20は、キッチン設備2だけでなく、洗面台のキャビネット、押し入れ、収納棚等の様々なキャビネットに配置することができる。
【0008】
キャビネット10は、直方体形状を有する。キャビネット10は、本体11と、複数の引き出し12と、を備える。本体11は、天板4、シンク6及びコンロ8を支持する枠体である。複数の引き出し12のそれぞれは、本体11に対して、手前奥方向に移動可能に支持されている。引き出し12は、底板14と、前板15と、一対の側板16、16、背板17と、を備える。底板14は、四角形状を有する。底板14の周端縁には、前板15と、一対の側板16、16と、背板17と、が底板14を囲んで配置されている。底板14と前板15と一対の側板16、16と背板17とによって、上端が開口された収納空間Sが画定されている。
【0009】
図2及び
図3に示されるように、仕切部材20は、底板14上に配置される。仕切部材20は、第1仕切部22と、一対の第1支持部23、24と、第1カバーユニット25と、を備える。
【0010】
(第1仕切部22の構成)
第1仕切部22は、四角形の平板形状を有する。第1仕切部22は、底板14の上端面14aに対して、垂直に立ち上げられている状態で配置される。第1仕切部22は、収納空間Sを、底板14の上端面14aに並ぶ第1空間S1と第2空間S2とに分割する。第1仕切部22は、第1面材30と、第2面材32と、を備える。
【0011】
(面材30、32の構成)
第1面材30は、四角形の平板形状を有する。第1面材30は、第1意匠面30aと第1裏面30bとを有する。第1意匠面30aは、第1面材30の表面に配置される。第1意匠面30aは、使用者に視認される面である。第1裏面30bは、第1面材30において、第1意匠面30aの反対側に位置する。第2面材32は、四角形の平板形状を有する。第2面材32は、第1面材30と同様の構成を有する。第2面材32は、第1意匠面30aと同様の第2意匠面32aと、第1裏面30bと同様の第2裏面32bとを有する。第1面材30と第2面材32とは、互いに重ね合わせられている。第1面材30の第1裏面30bと、第2面材32の第2裏面32bとが互いに向き合っている。第1面材30の第1裏面30bと、第2面材32の第2裏面32bとは、例えば接着剤によって接合されている。第1面材30の第1意匠面30aと第2面材32の第2意匠面32aとは、第1仕切部22の表裏面として露出している。
【0012】
各面材30、32は、多孔質材料で作製されている。例えば、各面材30、32は、セラミックス系、珪藻土系、鉱物含有ケイ酸カルシウム系、ケイ酸カルシウム系、炭化処理された炭素含有物質系(例えば活性炭、石炭、木炭等)等で作製された面材である。具体的には、各面材30、32は、調湿性能、脱臭性能、有害物質の吸着性能、及び、優れた水拭き性能等を有する面材である。「水拭き性能」は、水や汚れを面材30、32の内部に通しにくく、水拭きで拭き取り可能な性能を指す。各面材30、32は、例えば建材である。より具体的には、各面材30、32は、調湿建材である。各面材30、32は、JIS規格(JIS A 1470-1)で定められた調湿建材の基準を満たすものである。各面材30、32は、多数の微細な孔を有する多孔質材料で作製されている。各面材30、32の微細な孔の孔径は、約1nm以上10nm以下の範囲である。各面材30、32の孔は、水蒸気の粒子径(約0.4nm)よりも大きいサイズである。蒸気は、面材30、32の孔内に浸入して、面材30、32に吸着される。面材30、32の孔よりも大きい水及び汚れは、孔内に侵入されずに、面材30、32の表面に残存する。各面材30、32の表面に付着した水及び汚れは、容易に除去され得る。
【0013】
例えば、各面材30、32は、セラミックタイル建材である。各面材30、32は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも一方と、揮発性有機化合物(VOC)吸着用の炭素含有物質とを含む原料を加熱して、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも一方を脱水させた後に、焼成して得られる建材である。炭素含有物質は、活性炭、木炭、食品炭及び胡桃の殻からなる群から選択される少なくとも一種を含む。各意匠面30a、32aは、各面材30、32の表面に設けられたガラス層によって、形成されている。ガラス層は、具体的には、各面材30、32の表面に釉薬を施すことによって形成されている。各面材30、32は、例えば特開2015-120121号公報に記載の方法によって製造することができる。
【0014】
(第1カバーユニット25の構成)
図3及び
図4に示されるように、第1カバーユニット25は、第1仕切部22の周端縁22eを全長に亘って覆う。第1カバーユニット25は、一対の第1カバー部26、27と、一対の第2カバー部28、29とを備える。第1カバー部26は、第1仕切部22の上端縁22aに配置されている。第1カバー部27は、第1仕切部22の下端縁22bに配置されている。第2カバー部28は、第1仕切部22の一方の側端縁に配置されている。第2カバー部29は、第1仕切部22の他方の側端縁に配置されている。第2カバー部28は、上下端縁22a、22bが一対の第1カバー部26、27で覆われた第1仕切部22の一方の側端縁を覆っている。第2カバー部29は、上下端縁22a、22bが一対の第1カバー部26、27で覆われた第1仕切部22の他方の側端縁を覆っている。
【0015】
上記の構成では、第1カバーユニット25は、一対の第1カバー部26、27と一対の第2カバー部28、29とによって、第1仕切部22の周端縁22eを覆う。これにより、面材30、32の周端縁が露出されることを回避することができる。面材30、32では、意匠面30a、32a以外の面には、表面加工がされていない。面材30、32では、意匠面30a、32a以外の面が使用者に視認されることを意図して作製されていない。この構成によると、第1カバーユニット25が第1仕切部22の周端縁22eを覆うことによって、第1仕切部22の意匠性を向上することができる。
【0016】
面材30、32は、セラミック材料から作製されている。面材30、32は、多孔質材料で作製されている。面材30、32は、脆い。第1カバーユニット25は、欠け易い面材30、32の周端縁を保護することができる。第1カバー部26は、第1仕切部22の周端縁22eに沿って延びる方向に垂直な断面、即ち
図3で示される断面で見た場合に、上端縁22aから下方に屈曲して、第1意匠面30aと第2意匠面32a上まで延びている。第1カバー部26は、特に欠け易い面材30、32の周端縁の角部を保護することができる。第1カバー部27、第2カバー部28、29は、同様に、面材30、32の周端縁の角部を覆うことによって、保護することができる。第1カバーユニット25は、例えば繊維強化樹脂等の耐衝撃性に優れた材料で形成されている。変形例では、第1カバーユニット25は、例えばアルミニウム等の金属で形成されていてもよい。
【0017】
(第1支持部23、24の構成)
一対の第1支持部23、24は、第1仕切部22を支持する。一対の第1支持部23、24は、第1仕切部22が収納空間Sにおいて自立するために配置されている。第1支持部23は、第1仕切部22の一方の側端縁に配置されている。第1支持部23は、第2カバー部28の下端部に配置されている。第1支持部23は、第2カバー部28の下端から、第1仕切部22の第1意匠面30aに対して垂直方向に延びる平面形状を有する。第1支持部23の下端23aは、第1支持部23の平面形状に対して第1支持部24に向かう方向に直角に折り曲げられている。第1支持部23は、引き出し12の底板14の上端面14aに配置される。第1支持部23は、第2カバー部28と一体に形成される。例えば、第1支持部23と第2カバー部28とが樹脂で作製される場合、第1支持部23及び第2カバー部28は、樹脂成形によって一体的に作成される。例えば、第1支持部23と第2カバー部28とが金属で作製される場合、第1支持部23及び第2カバー部28とは、一枚の板状を加工することによって一体的に作成される。第1支持部23及び第2カバー部28とは、アルミ押出成形によって作成されてもよい。別の変形例では、第1支持部23は、第2カバー部28とは別体で形成されてもよい。
【0018】
第1支持部24は、第1仕切部22の他方の側端縁に配置されている。第1支持部24は、第2カバー部29の下端部に配置されている。第1支持部24は、第2カバー部29の下端から、第1支持部23と平行に延びている。第1支持部24は、第1支持部23と同様の構成を有する。第1支持部24の下端24aは、第1支持部24の平面形状に対して第1支持部23に向かう方向に直角に折り曲げられている。第1支持部24は、引き出し12の底板14の上端面14aに配置される。第1支持部24と第2カバー部29とは、第1支持部23と第2カバー部28と同様に一体に形成される。
【0019】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態の構成では、多孔質材料で作製される第1仕切部22によって引き出し12の収納空間Sが分割される。第1仕切部22は、無数の微細な孔によって、水蒸気の吸収及び放出を行う。具体的には、収納空間Sの湿度が高い場合、第1仕切部22は、水蒸気を吸収することによって、湿度を低下させることができる。収納空間Sの湿度が低い場合、第1仕切部22は、水蒸気を放出することによって、湿度を上昇させることができる。仕切部材20が配置された引き出し12は、例えば乾物等、保管に適した湿度の許容範囲が狭い収納物を収納するのに適している。例えば、乾物を、仕切部材20を配置した引き出し12内で保存することによって、乾物の状態及び風味を保持したまま保存することが可能になる。仕切部材20は、第1支持部23、24によって安定に自立する。使用者は、使用用途及び使用環境などに応じて、仕切部材20を、底板14上の任意の位置に配置することができる。
【0020】
(対応関係)
第1支持部23、24は、本明細書が開示する技術の「支持部」の一例である。
【0021】
(第2実施形態)
図5から
図7を参照して、仕切部材120を説明する。
図5に示されるように、仕切部材120は、底板14上に配置される。仕切部材120は、第1実施形態の仕切部材20に加えて、第2仕切部34と、一対の第2支持部35、36と、第2カバーユニット37と、取付部42とを備える。
【0022】
(第2仕切部34の構成)
第2仕切部34は、四角形の平板形状を有する。第2仕切部34は、底板14の上端面14aに対して、垂直に立ち上げられている状態で配置される。第2仕切部34は、第1仕切部22に対して直角に配置される。変形例では、第2仕切部34は、第1仕切部22に対して、90度以外の角度で配置されてもよい。具体的には、第2仕切部34は、第1仕切部22に対して約90度より大きく、約120度以下の範囲の角度で傾斜していてもよい。第2仕切部34は、第1仕切部22が分割した収納空間S1を、底板14の上端面14aに並ぶ第3空間S3と、第4空間S4とに分割する。第2仕切部34は、第3面材44と、第4面材(図示省略)と、を備える。
【0023】
(第3面材44、第4面材)
図6及び
図7に示されるように、第3面材44及び第4面材は、第1面材30と同様の構成を有する。第3面材44は、第1意匠面30aと同様の第3意匠面44aと、第1裏面30bと同様の第3裏面とを有する。第4面材は、第1意匠面30aと同様の第4意匠面と、第1裏面30bと同様の第4裏面とを有する。第3面材44の裏面と第4面材とは、第1面材30と第2面材32と同様に、互いに重ね合わせられている。第3面材44の第3裏面と、第4面材の第4裏面とが互いに向き合っている。第3面材44の意匠面44aと第4面材の意匠面とは、第2仕切部34の表裏面として露出している。第3面材44及び第4面材は、第1面材30と同様の多孔質材料で作製される面材である。
【0024】
(第2カバーユニット37の構成)
第2カバーユニット37は、第2仕切部34の周端縁34eを全長に亘って覆う。第2カバーユニット37は、第3カバー部38と、第4カバー部40とを備える。第3カバー部38は、第2仕切部34において、上端縁34aから一方の側端縁34cを越えて、下端縁34bまでの範囲に亘って配置されている。第4カバー部40は、第2仕切部34の他方の側端縁34dに配置されている。第4カバー部40は、上下端縁34a、34bが第3カバー部38で覆われた第2仕切部34の他方の側端縁34dを覆っている。第3カバー部38の下端部は、底板14の上端面14aに配置される。第3カバー部38の下端面は、第1仕切部22の第1支持部23、24の下端面と同一平面上に位置する。第3カバー部38の下端部は、収納空間Sにおいて第2仕切部34を支持する「支持部」として機能する。第2カバーユニット37は、例えば繊維強化樹脂等のといった耐衝撃性に優れた材料で形成されている。変形例では、第2カバーユニット37は、例えばアルミニウム等のといった金属で形成されていてもよい。
【0025】
(第2支持部35、36の構成)
一対の第2支持部35、36は、第2仕切部34を支持する。
図7に示されるように、第2支持部35、36は、第2仕切部34が倒れることを抑制するために配置されている。第2支持部35、36は、第4カバー部40の下端部に配置される。第2支持部36は、第2仕切部34の第3意匠面44aに対して垂直方向に延びている。第2支持部35は、第4カバー部40を挟んで第2支持部36の反対側に配置される。第2支持部35は、第2支持部36と同様の構成を有する。第2支持部35、36は、引き出し12の底板14の上端面14aに配置されている。第2支持部35、36は、第4カバー部40を介して第2仕切部34を支持する。第2支持部35、36は、第4カバー部40と一体に形成される。
【0026】
(取付部42の構成)
取付部42は、第2仕切部34の上端部に配置される。取付部42は、第2仕切部34に第4カバー部40を介して取り付けられている。取付部42は、第4カバー部40と一体に形成されている。変形例では、取付部42は、第4カバー部40と別体で形成されていてもよい。取付部42は、上縁部42aと、垂直部42bとを有する。上縁部42aは、第3カバー部38と平行に配置される平板形状を有する。上縁部42aは、第4カバー部40の上端から、第2仕切部34と反対方向に延びている。上縁部42aは、第1仕切部22の上端縁よりも上方に配置される。上縁部42aには、第4カバー部40と反対側の端縁に、垂直部42bが連結されている。垂直部42bは、上縁部42aの下端から下方に向かって、上縁部42aに対して垂直に延びている。垂直部42bは、平板形状を有する。垂直部42bは、第4カバー部40と間隔を空けて、平行に配置されている。垂直部42bは、上縁部42aの下方に第1仕切部22が配置される場合に、第1カバー部26に接触する位置まで延びている。
【0027】
取付部42は、第4カバー部40と垂直部42bとの間に、第1仕切部22が配置されることによって、第1仕切部22に対して移動可能に取り付けられる。取付部42によって、第2仕切部34が第1仕切部22に対して移動可能に取り付けられる。第2仕切部34は、第1仕切部22に取り付けられ、第1仕切部22を支持する「支持部」として機能する。
【0028】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の構成では、多孔質材料で作製される複数の仕切部22、34を組み合わせることで、使用者は、使用用途及び使用環境などに応じて、仕切部材120による調湿可能な収納空間Sを、底板14上の任意の位置配置することができる。
【0029】
(対応関係)
第2支持部35、36、第3カバー部38の下端部は、第2仕切部34の「支持部」の一例であり、第2仕切部34は、第1仕切部22の「支持部」の一例である。
【0030】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明した。これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0031】
(変形例1)各面材30、32、44は、多孔質材料で作製されている。各面材30、32、44の全体が多孔質材料で作製されている必要はない。各面材30、32、44の少なくとも一部が多孔質材料で作製されていてもよい。
【0032】
(変形例2)第1カバーユニット25は、第1仕切部22の周端縁22eに沿って延びる方向に垂直な断面で見た場合に、第1仕切部22の周端縁22eから屈曲して、第1意匠面30aと第2意匠面32aとのそれぞれの端部に亘って延びている。
図8に示されるように、第1カバーユニット125(例えば第1カバー部126)は、第1仕切部22の周端縁22eにおいて屈曲していなくてよい。第1カバーユニット125は、第1意匠面30aと第2意匠面32aとの間に延びる周端縁22eのみに配置されていてもよい。
【0033】
(変形例3)
図9に示されるように、仕切部材220は、第1仕切部22と、カバーユニット225と、を備えてもよい。カバーユニット225は、第1仕切部22の周端縁の全長に亘って覆ってもよい。カバーユニット225は、カバー部226と、カバー部228とを備えてもよい。カバー部226は、第1仕切部22の上端縁と、上端縁の両側に配置される側端縁とに配置されており、カバー部228は、第1仕切部22の下端縁22bに配置されてもよい。カバー部228は、平板形状を有してもよい。カバー部228は、第1仕切部22の下端縁22bから、第1仕切部22の表裏面のそれぞれに対して垂直方向に延びていてもよい。カバー部228は、第1仕切部22を支持してもよい。カバー部228は、「カバー」と「支持部」とが一体に形成された共通部材であってよい。本変形例では、カバー部228が「支持部」の一例である。
【0034】
(変形例4)キャビネット10は、手前奥方向に移動可能な収納空間(例えば引き出し12)を有していなくてもよい。キャビネットは、非可動な収納空間(例えば本棚及びパントリー等の収納棚)を有してもよい。変形例3の仕切部材220は、非可動な収納空間に採用されてもよい。
【0035】
(変形例5)
図10に示されるように、仕切部材320は、仕切部322と、カバー325と、を備えてもよい。仕切部322は、二つの面材を有していなくてもよい。仕切部322は、第1面材30を有してもよい。カバー325は、仕切部322の上下端縁322a、322bと、第1面材30の裏面30bとに配置されていてもよい。第1面材30の裏面30bは、カバー325によって覆われるために、使用者に露出されることを防止してもよい。カバー325と第1面材30との裏面30bとは、例えば接着剤によって接合されていてよい。カバー325の下端部325aは、仕切部322の意匠面30aに対して垂直方向に延びていてもよい。カバー325の下端部325aは、仕切部322を支持してもよい。カバー325は、「カバー」と「支持部」とが一体に形成された共通部材であってよい。本変形例では、仕切部322が、「第1仕切部」の一例であり、カバー325の下端部325aが「支持部」の一例である。カバー325は、板材を曲げることによって作成されてもよく、アルミ押出成形によって作成されてもよい。別の変形例では、カバー325は、意匠面30a及び裏面30bの両側のそれぞれに対して、垂直な方向に延びていてもよい。
【0036】
(変形例6)
図11に示されるように、仕切部材420は、仕切部322と、カバーユニット425とを備えてもよい。カバーユニット425は、仕切部322の周縁を全長に亘って覆ってもよい。カバーユニット425は、カバー部426と、一対のカバー部428とを有していてもよい。カバー部426は、仕切部322の上下端縁322a、322bと、第1面材30の裏面30bとに配置されていてもよい。一対のカバー部428のそれぞれは、仕切部322の両側端縁322cのそれぞれに配置されてもよい。カバー部426は、下端部において、意匠面30a及び裏面30bの両側のそれぞれに対して垂直方向に延びる、一対の第1部分426a及び第2部分426bを有していてもよい。第2部分426bは、一対の第1部分426aの間に配置されていてもよい。第1部分426aと第2部分426bとは、裏面30bに重なって配置されるカバー部426の平坦部分に対して、折り曲げることによって、作成されていていてもよい。第1部分426aと第2部分426bとは、仕切部322を支持してもよい。カバー部426は、「カバー」と「支持部」とが一体に形成された共通部材であってよく、本変形例では、カバー部426の下端部が「支持部」の一例である。カバー部426は、一枚の板状を板金加工することによって一体的に作成されてもよい。
【0037】
(変形例7)
図12に示されるように、仕切部材520は、第2仕切部34と、第2カバーユニット37と、取付部542を備えていてもよい。仕切部材520は、第1仕切部を備えていなくてもよい。取付部542は、第2カバーユニット37を介して第2仕切部34に取り付けられてもよい。取付部542は、第2仕切部34の上端縁から表裏面の両側のそれぞれに対して垂直方向に延びていてもよい。取付部542は、
図5に示す引き出し12の前板15、一対の側板16、16、及び背板17のいずれかの上端縁に取り付けられてもよい。取付部542は、第2仕切部34を支持してもよい。取付部542は、「支持部」の一例である。
【0038】
(変形例8)取付部542は、上記した構成に限定されず、
図13に示されるように、第2仕切部34の表裏面の一方の面に対して垂直方向に延びてもよい。
【0039】
(変形例9)
図14に示されるように、仕切部材620は、第1仕切部22と、第1カバー625と、三つの第2仕切部34A、34B、34Cと、三つの第2カバー637A、637B、637Cと、三つの取付部642A、642B、642Cとを備えてもよい。第1カバー625は、第1仕切部22の周端縁を全長に亘って覆ってもよい。各第2仕切部34A、34B、34Cは、第2仕切部34と同様に構成されてもよい。第2カバー637A、637B、637Cのそれぞれは、第2仕切部34A、34B、34Cのそれぞれの周端縁を全長に亘って覆ってもよい。取付部642A、642B、642Cのそれぞれは、第2仕切部34A、34B、34Cのそれぞれに取り付けられてもよい。第2仕切部34Aは、取付部642Aによって第2仕切部34Bの上端縁に取り付けられてもよい。第2仕切部34Bは、取付部642によって第2仕切部34Cの上端縁に取り付けられてもよい。第2仕切部34Cは、取付部642Cによって第1仕切部22の上端縁に取り付けられてもよい。これにより、四方が仕切部22、34A、34B、34Cで閉じられた仕切部材620が形成されてもよい。使用者は、使用用途及び使用環境などに応じて、仕切部材620による調湿可能な収納空間を、底板14上の任意の位置に配置することができる。本変形例では、第1カバー625の下端部と、三つの第2カバー637A、637B、637Cの各下端部とが、「支持部」の一例である。
【0040】
(変形例10)仕切部材620の第2仕切部の数は、三つに限定されず、二つ又は四つ以上でもよい。
図15に示されるように、仕切部材が二つの第2仕切部34A、34Bを備える場合、三方が仕切部22、34A、34Bで閉じられた仕切部材が形成されてもよい。
【0041】
(変形例11)仕切部材720は、
図16に示されるトレー形状を有してもよい。仕切部材720は、収納空間を縦方向に分割する複数の縦仕切部722、724、726、728と、収納空間を横方向分割する複数の横仕切部730、732、734、736と、複数の仕切部722、724、726、728、730、732、734、736を支持する底部738と、を備えてもよい。仕切部材720の全体が、多孔質材料で作製されていてもよい。本変形例では、縦仕切部722が「第1仕切部」の一例であり、横仕切部732が「第2仕切部」の一例であり、底部738は、「支持部」の一例である。
【0042】
本明細書、及び図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書及び図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0043】
以下、本明細書に開示される技術の態様を列挙する。第1の態様では、仕切部材が、キャビネットにおいて画定される収納空間を分割する第1仕切部と、前記第1仕切部を支持する支持部と、を備えてもよい。前記第1仕切部は、少なくとも一部が多孔質材料で作製される第1面材を含んでもよい。
【0044】
第2の態様では、上記第1の態様において、前記仕切部材が、前記第1仕切部の周端縁を覆うカバーをさらに備えてもよい。
【0045】
第3の態様では、上記第2の態様において、前記支持部は、前記カバーと一体に形成されており、前記第1仕切部から離れる方向に延びてもよい。
【0046】
第4の態様では、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記第1仕切部は、平板形状を有してもよい。前記仕切部材は、前記第1仕切部に対して傾斜して配置される平板形状を有する第2仕切部をさらに備えてもよい。前記第2仕切部は、少なくとも一部が多孔質材料で作製される第2面材を有してもよい。
【0047】
第5の態様では、上記第4の態様において、前記支持部は、前記第1仕切部に取り付けられて、前記第1仕切部を支持する前記第2仕切部を含んでもよい。
【0048】
第6の態様では、上記第5の態様において、前記仕切部材が、前記第2仕切部に取り付けられており、前記第1仕切部に対して移動可能に上端縁に取り付けられる取付部をさらに備えてもよい。
【0049】
第7の態様では、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記第1仕切部は、第1意匠面と前記第1意匠面と反対側の第1裏面とを有する平板形状の前記第1面材と、第2意匠面と前記第2意匠面と反対側の第2裏面とを有する平板形状の第2面材と、を含んでもよい。前記第2面材は、少なくとも一部が多孔質材料で作製されてもよい。前記第1面材及び前記第2面材は、前記第1裏面と前記第2裏面とが互いに向き合って重ね合わせられていてもよい。前記第1意匠面と前記第2意匠面とは、前記第1仕切部の表裏面として露出していてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10:キャビネット、 12:引き出し、 20、120:仕切部材、 22:第1仕切部、 22e:周端縁、 23、24:第1支持部、 25:第1カバーユニット、 26、27:第1カバー部、28、29:第2カバー部、 30、32、44:面材、 30a、32a、44a:意匠面、 30b、32b:裏面、 34:第2仕切部、 34e:周端縁、 35、36:第2支持部、 37:第2カバーユニット、 38:第3カバー部、 40:第4カバー部、 42:取付部