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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136124
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20240927BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240927BHJP
【FI】
G01C21/36
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047110
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(72)【発明者】
【氏名】高畠 成友
【テーマコード(参考)】
2F129
3D344
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
2F129CC28
2F129DD40
2F129EE25
2F129EE26
2F129EE37
2F129EE38
2F129EE77
2F129EE78
2F129EE90
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF56
2F129FF60
2F129HH11
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH21
3D344AA19
3D344AA27
3D344AA30
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】利便性が向上する表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、地図の情報を表示する地図表示部21と、車両に配置され、少なくとも一つの発光スポット24A,24Bを表示する発光表示部22と、予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て周辺施設の存在する方向を示す発光スポット24A,24Bを、発光表示部22に表示させる車両ECUと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図の情報を表示する地図表示部と、
車両に配置され、少なくとも一つの発光スポットを表示する発光表示部と、
予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て前記周辺施設の存在する方向を示す前記発光スポットを、前記発光表示部に表示させる制御部と、を備える、
表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記車両から前記周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、所定距離以下の前記周辺施設に関する前記発光表示部での前記発光スポットの表示を中止させる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記車両から前記周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、前記周辺施設の情報を前記地図表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記周辺施設の数が閾値以上となった場合に、前記発光表示部での前記発光スポットの表示数を減らす、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記周辺施設の数が閾値以上となった場合に、前記発光表示部での前記発光スポットの表示領域を狭める、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記発光表示部は、車室内前方に配置され、前記車両の幅方向に長く形成される、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記発光表示部は、上面視で前記車両の乗員室を囲むように環状に形成される、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、運転者から見てリスク対象の存在する方向を示す発光スポットを発光表示部に表示させる情報提示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6319349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、リスク対象の表示なので、安全性を考慮すると運転者は常に表示に注視することになりかねない。そのため、利便性向上の面で改善の余地があった。
【0005】
本願は上記課題の解決のため、利便性が向上する表示装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の一態様に係る表示装置は、地図の情報を表示する地図表示部と、車両に配置され、少なくとも一つの発光スポットを表示する発光表示部と、予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て前記周辺施設の存在する方向を示す前記発光スポットを、前記発光表示部に表示させる制御部と、を備える。
本態様によれば、予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て周辺施設の存在する方向を示す発光スポットを発光表示部に表示させることで、乗員に周辺施設の存在する方向を容易に認識させることが可能となる。そのため、乗員は常に地図表示部を見なくて済む。したがって、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る表示装置を含む自車両の上面図。
図2】実施形態に係る表示装置を含むネットワークの一例を示すブロック図。
図3】実施形態に係る表示制御モードの一例を示す図。
図4】実施形態に係る制御フローの例(基本フロー)を示すフローチャート。
図5】実施形態に係る制御フローの他の例(表示数を減らす例)を示すフローチャート。
図6】実施形態に係る制御フローの他の例(表示領域を狭める例)を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を意味するのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も含むものとする。以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0010】
<表示装置>
図1及び図2を併せて参照し、表示装置10は、自車両1(以下単に「車両1」ともいう。)に搭載される。表示装置10は、地図表示部21及び発光表示部22を含む表示部20と、制御部である車両ECU30(Electric Control Unit)と、を備える。以下の説明では、図示のように互いに直交する方向を、前後方向及び左右方向と定義する。左右方向は、車両1の幅方向に相当する。以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ表示装置10が搭載される車両1における向きと同一とする。
【0011】
車両1は、車両1前部に配置された左右一対のヘッドライト2と、車両1後部に配置された左右一対のブレーキランプ3と、車室4内に配置された複数の座席5A~5Dと、運転席5Aの前方に配置されたステアリング6と、を備える。図の例では、複数の座席5A~5Dは、運転席5A及び助手席5Bを含む2つの前部座席5A,5Bと、2つの後部座席5C,5Dと、の合計4つである。なお、座席5A~5Dの数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
【0012】
<地図表示部>
地図表示部21は、地図の情報を表示する。例えば、地図表示部21は、車両1に配置されたディスプレイである。図の例では、地図表示部21は、車両1前部において車両1幅方向中央に配置されている。なお、地図表示部21は、車載でない通信機器(スマートフォン(スマホ)又はタブレット端末)等の表示部でもよい。例えば、地図の表示先は、ナビ画面でもよいし、手元のスマホ画面でもよい。例えば、地図表示部21の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0013】
<発光表示部>
図1から図3を併せて参照し、車両1に配置された発光表示部22は、少なくとも一つの発光スポット24A,24Bを表示する。発光表示部22は、車室4内前方に配置され、車両1の幅方向に長く形成される部分を含む。発光表示部22は、上面視で車両1の乗員室7を囲むように環状に形成される。乗員室7は、車室4のうち少なくとも座席5A~5Dを含む空間に相当する。
【0014】
図の例では、発光表示部22は、上面視で4つの座席5A~5Dと、ステアリング6と、を囲んでいる。発光表示部22は、上面視で矩形環状に形成される。発光表示部22のうち前側左右外側部は、上面視で、前方かつ左右外方に向かって湾曲するように丸みを帯びている。なお、発光表示部22の上面視形状は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
【0015】
例えば、発光表示部22には、複数の発光素子が上面視で環状の発光表示部22に沿って並べられている。発光表示部22は、複数の発光素子のうち少なくとも1つを発光させることにより、少なくとも一つの発光スポット24A,24Bを表示する。例えば、発光表示部22は、横長の照明、又は、長尺のディスプレイによって構成されてもよい。例えば、発光表示部22は、発光ダイオード(LED:Light-Emitting Diode)、帯状に形成された有機EL(Electro-Luminescence)等の自発光パネル、これらの組み合わせにより構成されてもよい。例えば、発光表示部22の構成態様は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
【0016】
<車両ECU>
車両ECU30は、自車両1の統合制御を行う。車両ECU30は、予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て前記周辺施設の存在する方向を示す発光スポット24A,24Bを、発光表示部22に表示させる。車両ECU30は、発光制御部31、判定部32、情報取得部33及び条件設定部34を含む。
【0017】
図示はしないが、車両ECU30は、演算部及び記憶部を備える。例えば、演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって構成される。例えば、記憶部は、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等を備える。なお、車両ECU30は、自車両1の駆動力、制動力及び操舵力等を制御することにより、運転者による運転操作の支援又は代行を行う運転支援機能部を含んでもよい。
【0018】
情報取得部33は、インターネット情報、携帯端末(情報機器)の情報等を取得する。インターネット情報には、情報サイト、掲示板、SNS(Social networking service)の情報等が含まれる。携帯端末(情報機器)の情報には、スマホ、タブレットの情報等が含まれる。情報取得部33は、自車両1に係る種々の情報を取得する。情報取得部33は、取得した情報を判定部32、条件設定部34及び発光制御部31へ出力する。
【0019】
判定部32は、情報取得部33から取得した情報に基づいて、予め設定された条件を満たす周辺施設があるか否かを判定する。判定部32は、周辺施設の情報を地図表示部21に表示する要否等を判断する表示要否判断部としても機能する。判定部32は、周辺施設の判定結果を情報取得部33へ出力する。
【0020】
条件設定部34は、周辺施設に関する種々の条件を設定する。設定する条件には、車両1に対する周辺施設の方角、車両1から周辺施設までの距離、表示する周辺施設の数等が含まれる。
【0021】
例えば、予め設定された条件を満たす周辺施設が人気スポットである場合、条件設定部34は、人気スポットの条件を、SNSの蓄積情報、投稿数、ランキング等により設定してもよい。なお、予め設定された条件を満たす周辺施設は、人気スポットに限らず、他の施設でもよい。
【0022】
例えば、条件の設定は、車両1で設定してもよいし、乗員が設定してもよい。例えば、条件の設定は、乗員が車両1に乗る前に設定してもよいし、乗員が車両1に乗った後に設定してもよい。例えば、予め設定された条件を満たす周辺施設が人気スポットである場合、人気スポットは、乗員が検索しなくてもよく、自動的に情報を取得してくれる設定をしてもよい。
【0023】
発光制御部31は、情報取得部33から取得した情報に基づいて、表示部に出力する指令信号を生成する。発光制御部31は、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示を制御する。発光制御部31は、表示部での複数の表示制御モードを、条件に応じて切り替えることが可能である。複数の表示制御モードには、地図表示部21での地図表示制御モード、発光表示部22での発光表示制御モード等が含まれる。
【0024】
<表示制御モード>
図3は、実施形態に係る表示制御モードの一例を示す図である。図の例では、予め設定された条件を満たす周辺施設として、左前方約500mに位置する行列のイタリアン(人気スポットの一例)、右前方約1.5kmに位置する新しい温泉施設(人気スポットの一例)を示している。
【0025】
<発光制御モード>
発光制御モードでは、判定部32による周辺施設の判定結果に基づいて、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示が変更される。例えば、発光制御モードでは、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示として、検索した周辺施設と運転者(図の例では、運転席5Aの中心)とを結ぶ線上の部位を光らせる。
【0026】
例えば、予め設定された条件を満たす周辺施設が上記イタリアンの場合、発光制御モードでは、発光表示部22での発光スポット24Aの表示として、発光表示部22において上記イタリアン(施設の場所)と運転者とを結ぶ線上の部位及びその近傍部位(運転席5Aに対して左前方の部位)を緑色に光らせる。運転者は、発光表示部22の一部(運転席5Aに対して左前方の部位)が緑色に光ることを視認することによって、左前方に上記イタリアンがあると認識することができる。
【0027】
例えば、予め設定された条件を満たす周辺施設が上記温泉施設の場合、発光制御モードでは、発光表示部22での発光スポット24Bの表示として、発光表示部22において上記温泉施設(施設の場所)と運転者とを結ぶ線上の部位及びその近傍部位(運転席5Aに対して右前方の部位)を赤色に光らせる。運転者は、発光表示部22の一部(運転席5Aに対して右前方の部位)が赤色に光ることを視認することによって、右前方に上記温泉施設があると認識することができる。
【0028】
なお、発光制御モードにおいて、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示としては、互いに異なる色を光らせることに限らず、互いに同じ色を光らせてもよい。例えば、発光制御モードにおいて、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0029】
<地図表示制御モード>
地図表示制御モードでは、判定部32による周辺施設の判定結果に基づいて、地図表示部21での周辺施設の情報の表示が変更される。例えば、地図表示制御モードでは、車両1から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、周辺施設の情報が地図表示部21に表示される。
【0030】
例えば、予め設定された条件を満たす周辺施設が上記イタリアンの場合、地図表示制御モードでは、車両1から上記イタリアン(施設の場所)までの距離が所定距離以下となった場合に、地図表示部21での周辺施設の情報の表示として、「左前方約500mに位置する行列のイタリアン」が地図表示部21に表示される。運転者は、地図表示部21を視認することによって、上記イタリアンの方角及び距離を把握することができる。
【0031】
例えば、予め設定された条件を満たす周辺施設が上記温泉施設の場合、地図表示制御モードでは、車両1から上記温泉施設(施設の場所)までの距離が所定距離以下となった場合に、地図表示部21での周辺施設の情報の表示として、「右前方約1.5kmに位置する新しい温泉施設」が地図表示部21に表示される。運転者は、地図表示部21を視認することによって、上記温泉施設の方角及び距離を把握することができる。
【0032】
図の例では、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示は、検索した周辺施設と運転者とを結ぶ線上の部位が光るが、これに限らない。例えば、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示は、地図表示部21に表示させてもよい。例えば、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
【0033】
例えば、乗員は、運転者であるが、運転者以外の乗員でもよい。図の例では、乗員の基準は、運転席5Aの中心であるが、これに限らない。例えば、基準位置は、車両1の真ん中でもよい。例えば、基準位置は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
【0034】
例えば、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示は、周辺施設が近い又は遠い場所で、発光スポット24A,24Bの発光色及び発光サイズを変更させてもよい。例えば、周辺施設が近くなるに従って、発光スポット24A,24Bの発光サイズを大きくしてもよい。例えば、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示は、周辺施設が近い又は遠い場所で、図形の表現の仕方を変化させてもよい。これにより、運転者が分かりやすい演出が可能となる。
【0035】
<制御フロー(基本フロー)>
図4は、実施形態に係る制御フローの例(基本フロー)を示すフローチャートである。
以下、制御フローの例(基本フロー)として、現在地の位置情報を取得してから表示装置10で発光表示を行う場合を挙げて説明する。
【0036】
ステップS1において、車両ECU30は、現在地の位置情報を取得する。例えば、車両ECU30は、ナビ等の既存GPS(Global Positioning System)、又は、携帯端末のGPS等から、自車両1が位置する現在地の位置情報を取得する。ステップS1の後、ステップS2に移行する。
【0037】
ステップS2において、車両ECU30は、周辺施設の情報を取得する。例えば、車両ECU30は、周辺施設の情報として、SNSの蓄積情報、投稿数、ランキング等から人気スポットに関する情報を取得する。ステップS2の後、ステップS3に移行する。
【0038】
ステップS3において、車両ECU30は、周辺施設が所定条件を満たすか判定する。例えば、車両ECU30は、取得した人気スポットに関する情報に基づいて、人気スポットが所定ランクを満たすか判定する。車両ECU30は、周辺施設が所定条件を満たす場合(ステップS3のYES)、ステップS4に移行する。車両ECU30は、周辺施設が所定条件を満たさない場合(ステップS3のNO)、制御フローを終了する。
【0039】
ステップS4において、車両ECU30は、表示装置10による発光表示を行う。例えば、車両ECU30は、発光表示制御モードから地図表示制御モードへ切り替えを行う。例えば、車両ECU30は、発光表示制御モードでは、運転者(乗員)から見て、所定条件を満たす周辺施設の存在する方向を示す発光スポット24A,24Bを発光表示部22に表示させる。例えば、車両ECU30は、地図表示制御モードでは、所定条件を満たす周辺施設の情報を地図表示部21に表示させる。
【0040】
例えば、車両ECU30は、車両1から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、所定距離以下の周辺施設に関する発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示を中止させる。例えば、所定距離が500mに設定されている場合、車両ECU30は、上記イタリアン(距離約500m)に関する発光表示部22での発光スポット24Aの表示を中止させる。例えば、所定距離が500mに設定されている場合、車両ECU30は、上記温泉施設(距離約1.5km)に関する発光表示部22での発光スポット24Bの表示を続けさせる。
【0041】
例えば、車両ECU30は、車両1から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、周辺施設の情報を地図表示部21に表示させる。例えば、所定距離が500mに設定されている場合、車両ECU30は、上記イタリアン(距離約500m)に関する情報「左前方約500mに位置する行列のイタリアン」を地図表示部21に表示させる。例えば、所定距離が500mに設定されている場合、車両ECU30は、上記温泉施設(距離約1.5km)に関する情報「右前方約1.5kmに位置する新しい温泉施設」は地図表示部21に表示させない。
【0042】
<制御フロー(表示数を減らす例)>
図5は、実施形態に係る制御フローの他の例(表示数を減らす例)を示すフローチャートである。以下、制御フローの例(表示数を減らす例)として、現在地の位置情報を取得してから表示数を減らして補正して発光表示を行う場合を挙げて説明する。
【0043】
図5のフローにおいてステップS11からS13は、図4のフローのステップS1からS3と同じであるため、詳細説明は省略する。車両ECU30は、周辺施設が所定条件を満たす場合(ステップS13のYES)、ステップS14に移行する。車両ECU30は、周辺施設が所定条件を満たさない場合(ステップS13のNO)、制御フローを終了する。
【0044】
ステップS14において、車両ECU30は、表示する周辺施設の数が閾値以上か判定する。車両ECU30は、表示する周辺施設の数が閾値以上である場合(ステップS14のYES)、ステップS15に移行する。車両ECU30は、表示する周辺施設の数が閾値以上でない場合(ステップS14のNO)、ステップS16に移行する。
【0045】
ステップS15において、車両ECU30は、表示数を減らして補正して発光表示を行う。例えば、車両ECU30は、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示数を減らす。例えば、車両ECU30は、発光表示部22での発光スポット24A,24Bとして、投稿時間が3時間以内のものを表示する。例えば、車両ECU30は、発光表示部22での発光スポット24A,24Bとして、設定件数投稿があったものを表示する。例えば、車両ECU30は、投稿数の多い場所(例えば東京等)である場合、表示閾値の変更により、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示数を減らす。
【0046】
ステップS16において、車両ECU30は、表示装置10による発光表示を行う。図5のフローにおいてステップS16以降は、図4のフローのステップS4以降と同じであるため、詳細説明は省略する。
【0047】
<制御フロー(表示領域を狭める例)>
図6は、実施形態に係る制御フローの他の例(表示領域を狭める例)を示すフローチャート。以下、制御フローの例(表示領域を狭める例)として、現在地の位置情報を取得してから表示領域を狭めて補正して発光表示を行う場合を挙げて説明する。
【0048】
図6のフローにおいてステップS21からS23は、図4のフローのステップS1からS3と同じであるため、詳細説明は省略する。車両ECU30は、周辺施設が所定条件を満たす場合(ステップS23のYES)、ステップS24に移行する。車両ECU30は、周辺施設が所定条件を満たさない場合(ステップS23のNO)、制御フローを終了する。
【0049】
ステップS24において、車両ECU30は、表示する周辺施設の数が閾値以上か判定する。車両ECU30は、表示する周辺施設の数が閾値以上である場合(ステップS24のYES)、ステップS25に移行する。車両ECU30は、表示する周辺施設の数が閾値以上でない場合(ステップS24のNO)、ステップS26に移行する。
【0050】
ステップS25において、車両ECU30は、表示領域を狭めて補正して発光表示を行う。例えば、車両ECU30は、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示領域を狭める。例えば、車両ECU30は、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示領域として、表示範囲を5km範囲から3km範囲に縮小して表示する。例えば、車両ECU30は、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示領域として、目的地までの経路に隣接している施設のみ表示する例えば、車両ECU30は、投稿数の多い場所(例えば東京等)である場合、表示閾値の変更により、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示領域を狭める。
【0051】
ステップS26において、車両ECU30は、表示装置10による発光表示を行う。図6のフローにおいてステップS26以降は、図4のフローのステップS4以降と同じであるため、詳細説明は省略する。
【0052】
<作用効果>
以上説明したように、上記実施形態の表示装置10は、地図の情報を表示する地図表示部21と、車両1に配置され、少なくとも一つの発光スポット24A,24Bを表示する発光表示部22と、予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て周辺施設の存在する方向を示す発光スポット24A,24Bを、発光表示部22に表示させる車両ECU30(制御部)と、を備える。
この構成によれば、予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て周辺施設の存在する方向を示す発光スポット24A,24Bを発光表示部22に表示させることで、乗員に周辺施設の存在する方向を容易に認識させることが可能となる。そのため、乗員は常に地図表示部21を見なくて済む。したがって、利便性が向上する。
例えば、予め設定された条件を満たす周辺施設が人気スポットである場合は、乗員に楽しみ、面白み等の感覚を与えることが可能となる。
【0053】
上記実施形態では、車両ECU30は、車両1から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、所定距離以下の周辺施設に関する発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示を中止させる。
この構成によれば、車両1から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、乗員は発光表示部22を見ることがなくなる。
例えば、従来技術のように運転者から見てリスク対象の存在する方向を示す発光スポットを発光表示部に表示させる場合は、安全性を考慮するとリスク対象は全て表示し続けることになる。これに対し本態様によれば、リスク対象の表示とは異なり、周辺施設に近づいたときは発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示を中止させることができる。そのため、発光表示部22の表示が煩雑になり過ぎて運転の安全性が低下することを抑制することができる。
【0054】
上記実施形態では、車両ECU30は、車両1から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、周辺施設の情報を地図表示部21に表示させる。
この構成によれば、車両1から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、乗員は地図表示部21を見ることで周辺施設の情報を把握することが可能となる。
例えば、周辺施設まで所定距離以上離れている場合は、乗員に宝探し、探検感覚を与えつつ誘導するが、周辺施設に近づいた場合は、周辺施設の具体的な場所を地図表示部21に表示させることで、周辺施設の近辺を徘徊させないようにすることができる(安全面・倫理面)。
【0055】
上記実施形態では、車両ECU30は、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示数を減らす。
この構成によれば、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部22の表示が煩雑になり過ぎて運転の安全性が低下することを抑制することができる。
【0056】
上記実施形態では、車両ECU30は、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部22での発光スポット24A,24Bの表示領域を狭める。
この構成によれば、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部22の表示が煩雑になり過ぎて運転の安全性が低下することを抑制することができる。
【0057】
上記実施形態では、発光表示部22は、車室4内前方に配置され、車両1の幅方向に長く形成される。
この構成によれば、乗員から見て周辺施設の存在する方向を示す発光スポット24A,24Bを、乗員の目が前方を向いている場合の視野の広範囲で発光表示部22に表示させることができる。
例えば、乗員は前方を見ながら発光スポット24A,24Bを把握することが可能となる。
【0058】
上記実施形態では、発光表示部22は、上面視で車両1の乗員室7を囲むように環状に形成される。
この構成によれば、乗員から見て周辺施設の存在する方向を示す発光スポット24A,24Bを、乗員の周囲のどの位置(360度の任意の位置)であっても発光表示部22に表示させることができる。
例えば、乗員は後ろを見ても発光スポット24A,24Bを把握することが可能となる。
【0059】
<変形例>
上記実施形態では、制御部は、車両から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、所定距離以下の周辺施設に関する発光表示部での発光スポットの表示を中止させる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、制御部は、車両から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、所定距離以下の周辺施設に関する発光表示部での発光スポットの表示を続けてもよい。例えば、所定距離以下の周辺施設に関する発光表示部での発光スポットの表示の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0060】
上記実施形態では、制御部は、車両から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、周辺施設の情報を地図表示部に表示させる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、制御部は、車両から周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、周辺施設の情報を発光表示部に表示させてもよい。例えば、周辺施設の情報を表示する対象は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0061】
上記実施形態では、制御部は、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部での発光スポットの表示数を減らす例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、制御部は、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部での発光スポットの表示数を所定以上に増やしてもよい。例えば、発光表示部での発光スポットの表示数の制御態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0062】
上記実施形態では、制御部は、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部での発光スポットの表示領域を狭める例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、制御部は、周辺施設の数が閾値以上となった場合に、発光表示部での発光スポットの表示領域を所定以上に広くしてもよい。例えば、発光表示部での発光スポットの表示領域の制御態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0063】
上記実施形態では、発光表示部は、車室内前方に配置され、車両の幅方向に長く形成される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、発光表示部は、車室内前方に複数配置されてもよい。例えば、発光表示部は、車両の幅方向に間隔をあけて複数配置されてもよい。例えば、発光表示部は、車室内左右側方又は車室内後方に配置されてもよい。例えば、発光表示部の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0064】
上記実施形態では、発光表示部は、上面視で車両の乗員室を囲むように環状に形成される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、発光表示部は、上面視で車両の乗員室を囲むように間隔をあけて複数配置されてもよい。発光表示部の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0065】
上記実施形態では、表示装置は、車両に配置された地図表示部及び発光表示部を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、地図表示部は、車載でないスマートフォン等の表示部でもよい。例えば、表示装置(表示システム)は、車載でない地図表示部と、車両に配置された発光表示部と、を備えてもよい。例えば、表示装置(表示システム)の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0066】
なお、本発明における表示装置及び表示システムの機能の全て又は一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより表示装置及び表示システムが行う処理の全て又は一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(又は表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM及びCD-ROM等の可搬媒体、並びにコンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワーク又は電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバ又はクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0067】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、又は、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)又は電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0068】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
【0069】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>地図の情報を表示する地図表示部と、
車両に配置され、少なくとも一つの発光スポットを表示する発光表示部と、
予め設定された条件を満たす周辺施設がある場合に、乗員から見て前記周辺施設の存在する方向を示す前記発光スポットを、前記発光表示部に表示させる制御部と、を備える、
表示装置。
<2>前記制御部は、前記車両から前記周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、所定距離以下の前記周辺施設に関する前記発光表示部での前記発光スポットの表示を中止させる、
<1>に記載の表示装置。
<3>前記制御部は、前記車両から前記周辺施設までの距離が所定距離以下となった場合に、前記周辺施設の情報を前記地図表示部に表示させる、
<1>又は<2>に記載の表示装置。
<4>前記制御部は、前記周辺施設の数が閾値以上となった場合に、前記発光表示部での前記発光スポットの表示数を減らす、
<1>から<3>の何れかに記載の表示装置。
<5>前記制御部は、前記周辺施設の数が閾値以上となった場合に、前記発光表示部での前記発光スポットの表示領域を狭める、
<1>から<4>の何れかに記載の表示装置。
<6>前記発光表示部は、車室内前方に配置され、前記車両の幅方向に長く形成される、
<1>から<5>の何れかに記載の表示装置。
<7>前記発光表示部は、上面視で前記車両の乗員室を囲むように環状に形成される、
<1>から<6>の何れかに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0070】
1 車両
4 車室
7 乗員室
10 表示装置
21 地図表示部
22 発光表示部
24A,24B 発光スポット
30 車両ECU(制御部)

図1
図2
図3
図4
図5
図6