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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136133
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ラジアルフォイル軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 27/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
F16C27/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047122
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 文博
(72)【発明者】
【氏名】篠田 史也
(72)【発明者】
【氏名】中根 健太
【テーマコード(参考)】
3J012
【Fターム(参考)】
3J012AB01
3J012BB01
3J012CB03
3J012DB05
3J012EB10
3J012GB10
(57)【要約】
【課題】トップフォイルの端部において回転軸との摺動面圧を低減させて、耐久性の向上を実現可能なラジアルフォイル軸受を提供する。
【解決手段】軸受ハウジング41の支持内面41aは、軸心方向の少なくとも一方の端部に、支持内面41aの周方向に延びる拡径部411を有する。バンプフォイル42は、軸心方向の中央を含むフォイル中央部421と、周方向に延びるスリット424を介してフォイル中央部421と軸心方向に分離されたフォイル端部422と、周方向の一方の端部で軸心方向に延びてフォイル中央部421とフォイル端部422とを連結する連結部423とを有する。フォイル端部422は、拡径部411の在る軸心方向の端部に、拡径部411の軸心方向長さの範囲内で設けられ、フォイル端部422がトップフォイル43を支持する支持力は、フォイル中央部421がトップフォイル43を支持する支持力よりも小さくされている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を支持するラジアルフォイル軸受であって、
前記回転軸を挿通させる挿通孔を形成する円柱状の支持内面を有する軸受ハウジングと、
前記挿通孔に挿通される前記回転軸と前記支持内面との間に配置されるトップフォイルと、
複数の山部と複数の谷部とが前記支持内面の周方向に交互に並ぶ波板形状を有し、前記支持内面に支持されるとともに前記トップフォイルを弾性的に支持するバンプフォイルと、を備え、
前記支持内面は、前記支持内面の軸心方向の少なくとも一方の端部に、前記支持内面の周方向に延びる拡径部を有し、
前記バンプフォイルは、前記バンプフォイルにおける前記軸心方向の中央を含むフォイル中央部と、前記周方向に延びるスリットを介して前記フォイル中央部と前記軸心方向に分離されたフォイル端部と、前記バンプフォイルにおける前記周方向の一方の端部で前記軸心方向に延びて前記フォイル中央部と前記フォイル端部とを連結する連結部と、を有し、
前記フォイル端部は、前記拡径部の在る前記軸心方向の少なくとも一方の前記端部に、前記拡径部の軸心方向長さの範囲内で設けられ、
前記フォイル端部が前記トップフォイルを支持する支持力は、前記フォイル中央部が前記トップフォイルを支持する支持力よりも小さいことを特徴とするラジアルフォイル軸受。
【請求項2】
前記バンプフォイルに外力が作用していない自然状態において、前記フォイル端部における前記波板形状と前記フォイル中央部における前記波板形状とは同一である請求項1記載のラジアルフォイル軸受。
【請求項3】
前記バンプフォイルに外力が作用していない自然状態において、前記フォイル端部における前記山部の高さは、前記フォイル中央部における前記山部の高さよりも低い請求項1記載のラジアルフォイル軸受。
【請求項4】
前記拡径部に弾性部材が配置され、前記フォイル端部は前記弾性部材を介して前記拡径部に支持される請求項1乃至3のいずれか1項記載のラジアルフォイル軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラジアルフォイル軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来のラジアルフォイル軸受が開示されている。このラジアルフォイル軸受は、軸受ハウジングと、バンプフォイルと、トップフォイルとを備えており、回転軸を支持する。
【0003】
軸受ハウジングは、挿通孔を形成する円柱状の支持内面を有している。挿通孔には、回転軸が挿通される。トップフォイルは、挿通孔に挿通される回転軸と支持内面との間に配置される。バンプフォイルは、複数の山部と複数の谷部とが支持内面の周方向に交互に並ぶ波板形状を有している。バンプフォイルは、軸受ハウジングの支持内面に支持されるとともに、トップフォイルを弾性的に支持する。
【0004】
ラジアルフォイル軸受では、回転軸が所定回転数以下で回転する低速回転時に、相対回転する回転軸がトップフォイルによって接触状態で支持される。回転軸が高速回転して所定回転数を超えれば、回転軸とトップファイルとの間の隙間に生じる流体膜によって、回転軸が非接触状態で支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-287583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ラジアルフォイル軸受においては、高速回転している回転軸が外乱等により傾いた場合、トップフォイルにおける支持内面の軸心方向の端部に回転軸が当接することがある。低速回転時にトップフォイルにより接触状態で支持された回転軸が傾いた場合は、トップフォイルの端部と回転軸とが高い面圧で摺動する。特に、低速回転時の高い面圧での摺動が繰り返されると、トップフォイルの端部で摩耗や焼付きが発生して、トップフォイルの耐久性が低下する。
【0007】
上記特許文献1に開示の技術では、その対策として、回転軸におけるトップフォイルと対向する部分に、軸心方向の両端部が中央部よりも外径の小さい凸部を設けている。これにより、回転軸が傾いた場合であっても、トップフォイルの端部と回転軸とが高い面圧で摺動することを抑えている。
【0008】
しかし、上記従来の技術では、回転軸の外周面に凸形状部品を装着して上記凸部を設けているため、追加の別部品が必要であり、その分材料費が高くなる。一方、回転軸の外周面に上記凸部を一体に形成しようとすると、特に高強度チタン合金等の難削材の場合、加工が困難となる。
【0009】
このため、ラジアルフォイル軸受の構造の工夫により、トップフォイルの端部において、傾いた回転軸との摺動面圧を低減させ得るようにすることが望まれる。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、トップフォイルの端部において回転軸との摺動面圧を低減させて、耐久性の向上を実現可能なラジアルフォイル軸受を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のラジアルフォイル軸受は、回転軸を支持するラジアルフォイル軸受であって、
前記回転軸を挿通させる挿通孔を形成する円柱状の支持内面を有する軸受ハウジングと、
前記挿通孔に挿通される前記回転軸と前記支持内面との間に配置されるトップフォイルと、
複数の山部と複数の谷部とが前記支持内面の周方向に交互に並ぶ波板形状を有し、前記支持内面に支持されるとともに前記トップフォイルを弾性的に支持するバンプフォイルと、を備え、
前記支持内面は、前記支持内面の軸心方向の少なくとも一方の端部に、前記支持内面の周方向に延びる拡径部を有し、
前記バンプフォイルは、前記バンプフォイルにおける前記軸心方向の中央を含むフォイル中央部と、前記周方向に延びるスリットを介して前記フォイル中央部と前記軸心方向に分離されたフォイル端部と、前記バンプフォイルにおける前記周方向の一方の端部で前記軸心方向に延びて前記フォイル中央部と前記フォイル端部とを連結する連結部と、を有し、
前記フォイル端部は、前記拡径部の在る前記軸心方向の少なくとも一方の前記端部に、前記拡径部の軸心方向長さの範囲内で設けられ、
前記フォイル端部が前記トップフォイルを支持する支持力は、前記フォイル中央部が前記トップフォイルを支持する支持力よりも小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明のラジアルフォイル軸受における軸受ハウジングは、支持内面の軸心方向の端部に拡径部を有している。また、バンプフォイルには、拡径部の範囲内にフォイル端部が設けられている。このフォイル端部は、スリットによりフォイル中央部と軸心方向に分離されている。このため、フォイル端部は、フォイル中央部とは独立して動くことができる。しかも、拡径部により、支持内面の径方向においてフォイル端部の動き得る空間が広がっている。そして、フォイル端部がトップフォイルを支持する支持力は、フォイル中央部がトップフォイルを支持する支持力よりも小さくされている。その結果、トップフォイルの端部において、回転軸との摺動面圧を低減させることができる。
【0013】
したがって、本発明のラジアルフォイル軸受によれば、トップフォイルの端部において回転軸との摺動面圧を低減させて、耐久性の向上を実現できる。
【0014】
バンプフォイルに外力が作用していない自然状態において、フォイル端部における波板形状とフォイル中央部における波板形状とは同一であることが好ましい。
【0015】
この場合、フォイル端部における波板形状とフォイル中央部における波板形状とが同一であるので、例えば1度のプレス加工により、フォイル端部の波板形状とフォイル中央部の波板形状とを同時に形成することができる。このため、バンプフォイルの製造が容易になる。
【0016】
バンプフォイルに外力が作用していない自然状態において、フォイル端部における山部の高さは、フォイル中央部における山部の高さよりも低いことが好ましい。
【0017】
この場合、波板形状の山部が低い分だけ、拡径部において、フォイル端部が支持内面の径方向に動き得る空間を拡大させ得る。このため、トップフォイルの端部において、バンプフォイルによるトップフォイルの支持力をより低下させて、摺動面圧をより低減させることができる。
【0018】
拡径部に弾性部材が配置され、フォイル端部は弾性部材を介して拡径部に支持されることが好ましい。
【0019】
この場合、フォイル端部を弾性部材により弾性的に支持することができる。このため、回転軸等で発生する振動をフォイル端部を介して弾性部材で減衰させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のラジアルフォイル軸受によれば、トップフォイルの端部において回転軸との摺動面圧を低減させて、耐久性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は実施例1のラジアルフォイル軸受を適用したターボ式圧縮機の断面図である。
図2図2は実施例1のラジアルフォイル軸受を適用したターボ式圧縮機の一部を拡大して示す断面図である。
図3図3は実施例1のラジアルフォイル軸受を適用したターボ式圧縮機の一部を拡大して示す断面図である。
図4図4は実施例1のラジアルフォイル軸受に係り、軸受ハウジング及びバンプフォイルを簡略化して示す斜視図である。
図5図5は実施例1のラジアルフォイル軸受に係り、軸受ハウジング及びバンプフォイルを簡略化して部分的に示す斜視図である。
図6図6は実施例1のラジアルフォイル軸受の作動を説明する断面図である。
図7図7は実施例1のラジアルフォイル軸受の作動を説明する断面図である。
図8図8は実施例2のラジアルフォイル軸受に係り、軸受ハウジング及びバンプフォイルを簡略化して部分的に示す斜視図である。
図9図9は実施例3のラジアルフォイル軸受に係り、軸受ハウジング及びバンプフォイルを簡略化して部分的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施例1~3について図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(実施例1)
実施例1のラジアルフォイルフォイル軸受をターボ式圧縮機10に適用した。ターボ式圧縮機10は、燃料電池システムが搭載された燃料電池車に搭載されている。燃料電池システムは、酸素及び水素を車載用燃料電池に供給して発電させる。ターボ式圧縮機10は、車載用燃料電池に供給される酸素を含む空気を圧縮する。
【0024】
図1に示すように、ターボ式圧縮機10はハウジング11を備えている。ハウジング11は金属材料製であり、例えばアルミニウム合金製である。ハウジング11は、モータハウジング12と、コンプレッサハウジング13と、タービンハウジング14と、第1プレート15と、第2プレート16と、第3プレート17とを有している。
【0025】
モータハウジング12は、板状の端壁12aと、周壁12bとを有している。周壁12bは、端壁12aの外周部から筒状に延びている。第1プレート15は、モータハウジング12の周壁12bの開口側の端部に連結され、周壁12bの開口を閉塞している。
【0026】
モータハウジング12の端壁12aの内面121a、周壁12bの内周面121b、及び第1プレート15におけるモータハウジング12側の端面15aによってモータ室S1が区画されている。モータ室S1内には、電動モータ18が収容されている。
【0027】
第1プレート15は第1軸受保持部20を有している。第1軸受保持部20は、第1プレート15の端面15aの中央部から電動モータ18に向けて突出している。第1軸受保持部20は円筒状である。
【0028】
第1プレート15におけるモータハウジング12とは反対側の端面15bには、底面15dを有する凹部15cが形成されている。凹部15cは円孔状である。第1軸受保持部20の筒内は、第1プレート15を貫通して凹部15cの底面15dに開口している。凹部15cの軸心と第1軸受保持部20の軸心とは一致している。
【0029】
モータハウジング12は第2軸受保持部22を有している。第2軸受保持部22は、モータハウジング12の端壁12aの内面121aの中央部から電動モータ18に向けて突出している。第2軸受保持部22は円筒状である。第2軸受保持部22の筒内は、モータハウジング12の端壁12aを貫通して端壁12aの外面122aに開口している。第1軸受保持部20の軸心と第2軸受保持部22の軸心とは一致している。
【0030】
図2に示すように、第2プレート16は、第1プレート15の端面15bに連結されている。第2プレート16の中央部にはシャフト挿通孔16aが形成されている。シャフト挿通孔16aは凹部15c内に連通している。シャフト挿通孔16aの軸心は、凹部15cの軸心及び第1軸受保持部20の軸心と一致している。第2プレート16における第1プレート15側の端面16bと第1プレート15の凹部15cとによって、スラスト軸受収容室S2が区画されている。
【0031】
コンプレッサハウジング13は、空気が吸入される円孔状の吸入口13aを有する筒状である。コンプレッサハウジング13は、第2プレート16における第1プレート15とは反対側の端面16cに連結されている。コンプレッサハウジング13の吸入口13aの軸心と、第2プレート16のシャフト挿通孔16aの軸心と、第1軸受保持部20の軸心とは一致している。吸入口13aは、コンプレッサハウジング13における第2プレート16とは反対側の端面に開口している。
【0032】
コンプレッサハウジング13と第2プレート16の端面16cとの間には、第1羽根車室13bと、吐出室13cと、ディフューザ流路13dとが形成されている。第1羽根車室13bは吸入口13aに連通している。吐出室13cは、第1羽根車室13bの周囲で吸入口13aの軸心周りに延びている。ディフューザ流路13dは、第1羽根車室13bと吐出室13cとを連通している。第1羽根車室13bは、第2プレート16のシャフト挿通孔16aに連通している。
【0033】
図3に示すように、第3プレート17は、モータハウジング12の端壁12aの外面122aに連結されている。第3プレート17の中央部にはシャフト挿通孔17aが形成されている。シャフト挿通孔17aは、第2軸受保持部22の筒内に連通している。シャフト挿通孔17aの軸心は第2軸受保持部22の軸心と一致している。
【0034】
タービンハウジング14は、空気を吐出する円孔状の吐出口14aを有する筒状である。タービンハウジング14は、第3プレート17におけるモータハウジング12とは反対側の端面17bに連結されている。タービンハウジング14の吐出口14aの軸心と、第3プレート17のシャフト挿通孔17aの軸心と、第2軸受保持部22の軸心とは一致している。吐出口14aは、タービンハウジング14における第3プレート17とは反対側の端面に開口している。
【0035】
タービンハウジング14と第3プレート17の端面17bとの間には、第2羽根車室14bと、吸入室14cと、連通流路14dとが形成されている。第2羽根車室14bは吐出口14aに連通している。吸入室14cは、第2羽根車室14bの周囲で吐出口14aの軸心周りに延びている。連通流路14dは、第2羽根車室14bと吸入室14cとを連通している。第2羽根車室14bは、第3プレート17のシャフト挿通孔17aに連通している。
【0036】
図1に示すように、ハウジング11内には回転軸24が収容されている。回転軸24は、軸本体24aと、第1支持部24bと、第2支持部24cと、スラストカラーとしての第3支持部24dとを有している。軸本体24aは、コンプレッサハウジング13側の端部である第1端部24eと、タービンハウジング14側の端部である第2端部24fとを有している。第1支持部24bは、軸本体24aの外周面240aにおける第1端部24e寄りの部位に設けられるとともに第1軸受保持部20の筒内に配置されている。第1支持部24bは、軸本体24aに一体的に形成されるとともに軸本体24aの外周面240aから環状に突出している。
【0037】
第2支持部24cは、軸本体24aの外周面240aにおける第2端部24f寄りの部位に設けられるとともに第2軸受保持部22の筒内に配置されている。第2支持部24cは、円筒状をなし、軸本体24aの外周面240aから環状に突出した状態で、軸本体24aの外周面240aに固定されている。第2支持部24cは、軸本体24aと一体的に回転可能である。
【0038】
第3支持部24dはスラスト軸受収容室S2に配置されている。第3支持部24dは、円板状をなし、軸本体24aの外周面240aから径方向に延在して環状に突出した状態で、軸本体24aの外周面240aに固定されている。第3支持部24dは、軸本体24aと一体的に回転可能である。第3支持部24dは、電動モータ18に対して回転軸24の軸心方向で離隔した位置に配置されている。
【0039】
軸本体24aの第1端部24eには、作動体としての第1羽根車25が連結されている。第1羽根車25は、回転軸24における第3支持部24dよりも第1端部24e寄りに配置されている。第1羽根車25は第1羽根車室13bに収容されている。軸本体24aの第2端部24fには、第2羽根車26が連結されている。第2羽根車26は、回転軸24における第2支持部24cよりも第2端部24f寄りに配置されている。第2羽根車26は第2羽根車室14bに収容されている。ハウジング11は、第1羽根車25、第2羽根車26及び回転軸24を収容している。
【0040】
第2プレート16のシャフト挿通孔16aと回転軸24との間には、第1シール部材27が設けられている。第1シール部材27は、第1羽根車室13bからモータ室S1に向かう空気の洩れを抑制する。第3プレート17のシャフト挿通孔17aと回転軸24との間には、第2シール部材28が設けられている。第2シール部材28は、第2羽根車室14bからモータ室S1に向かう空気の洩れを抑制する。第1シール部材27及び第2シール部材28は、例えばシールリングである。
【0041】
電動モータ18は、筒状のロータ51及び筒状のステータ52を備えている。ロータ51は回転軸24に固定されている。ステータ52はハウジング11に固定されている。ロータ51は、ステータ52の径方向内側に配置されるとともに回転軸24と一体的に回転する。ロータ51は、回転軸24に止着された円筒状のロータコア51aと、ロータコア51aに設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ステータ52は、ロータ51を取り囲んでいる。ステータ52は、モータハウジング12の周壁12bの内周面121bに固定された円筒状のステータコア53と、ステータコア53に巻回されたコイル54と、を有している。回転軸24は、図示しないバッテリからコイル54に電流が流れることによって、ロータ51と一体的に回転する。
【0042】
燃料電池システムにおいては、吐出室13cと燃料電池スタックとが供給配管により接続されている。また、燃料電池スタックと吸入室14cとが吐出配管により接続されている。なお、供給配管、燃料電池スタック及び吐出配管の図示は省略する。
【0043】
回転軸24がロータ51と一体的に回転すると、第1羽根車25及び第2羽根車26が回転軸24と一体的に回転する。すると、吸入口13aから吸入された空気が第1羽根車室13b内で第1羽根車25によって圧縮されるとともにディフューザ流路13dを通過して吐出室13cから吐出される。吐出室13cから吐出された空気は、供給配管を介して燃料電池スタックに供給される。燃料電池スタックに供給された空気は、燃料電池スタックを発電するために使用された後、燃料電池スタックの排気として吐出配管へ吐出される。燃料電池スタックの排気は、吐出配管を介して吸入室14cに吸入される。吸入室14cに吸入された燃料電池スタックの排気は、連通流路14dを通じて第2羽根車室14bに吐出される。第2羽根車室14bに吐出される燃料電池スタックの排気により第2羽根車26が回転する。回転軸24は、電動モータ18の駆動による回転に加え、燃料電池スタックの排気により回転する第2羽根車26の回転によっても回転する。よって、作動体としての第1羽根車25は回転軸24と一体的に回転するとともに、外部流体としての空気を圧送する。第2羽根車室14bに吐出された燃料電池スタックの排気は、吐出口14aから外部へ吐出される。
【0044】
ターボ式圧縮機10は、一対のスラストフォイル軸受30、30と、一対のラジアルフォイル軸受40、40とを有している。一対のスラストフォイル軸受30、30は、回転軸24をハウジング11に対して回転可能に回転軸24の軸心方向に支持する。一対のラジアルフォイル軸受40、40は、回転軸24をハウジング11に対して回転可能に回転軸24の軸心方向に直交する方向に支持する。
【0045】
一方のラジアルフォイル軸受40は第1軸受保持部20内に配置されており、他方のラジアルフォイル軸受40は第2軸受保持部22内に配置されている。第1軸受保持部20内において、回転軸24の第1支持部24bが一方のラジアルフォイル軸受40に回転可能に支持される。第2軸受保持部22内において、回転軸24の第2支持部24cが他方のラジアルフォイル軸受40に回転可能に支持される。
【0046】
一対のラジアルフォイル軸受40、40は基本的に同様の構成を有するため、一方のラジアルフォイル軸受40の構成についてのみ説明し、他方のラジアルフォイル軸受40の構成についての説明を省略する。
【0047】
図6及び図7に示すように、ラジアルフォイル軸受40は、軸受ハウジング41と、バンプフォイル42と、トップフォイル43とを備えている。ここに、一方のラジアルフォイル軸受40においては第1軸受保持部20が軸受ハウジング41を構成し、他方のラジアルフォイル軸受40においては第2軸受保持部22が軸受ハウジング41を構成する。なお、図6及び図7は、軸受ハウジング41の後述する支持内面41aにおける拡径部411の部位で切断した断面図である。
【0048】
図4及び図5に示すように、軸受ハウジング41は、円柱状の支持内面41aを有している。支持内面41aは、回転軸24を挿通させる挿通孔41bを形成する。支持内面41aの軸心方向、周方向、径方向は、回転軸24の軸心方向、周方向、径方向にそれぞれ一致する。なお、図4図7においては、軸受ハウジング41の外形状を簡略化しており、実際の外形状とは異なっている。また、図4図5においては、トップフォイル43の図示を省略している。また、図5では、軸受ハウジング41の一部と1個のバンプフォイル42とを示している。
【0049】
支持内面41aの軸心方向の両端部には一対の拡径部411、411が設けられている。拡径部411は、軸受ハウジング41の支持内面41aに切削加工を施すことにより形成した。各拡径部411は、支持内面41aにおける拡径部411以外の一般部412よりも内径が大きくされている。拡径部411は、支持内面41aの周方向の全体に延びて環状に設けられている。拡径部411の幅、すなわち支持内面41aの軸心方向における拡径部411の幅は、拡径部411と一般部412との境界の位置が、バンプフォイル42における後述するスリット424の位置と一致するように設定されている。
【0050】
軸受ハウジング41内において、支持内面41aの周方向に3個のバンプフォイル42が等間隔で配置されている。3個のバンプフォイル42はいずれも同一の構成を有するため、一つのバンプフォイル42についてのみ説明し、他の二つのバンプフォイル42の説明を省略する。
【0051】
図4及び図5に示すように、バンプフォイル42は、略円弧状をなしており、ステンレス鋼などの金属製の弾性薄板よりなる。バンプフォイル42は、支持内面41aの軸心方向において、支持内面41aの長さとほぼ同等の幅を有している。バンプフォイル42は、複数の山部42aと複数の谷部42bとが支持内面41aの周方向に交互に並ぶ波板形状を有している。各山部42aは支持内面41aの径方向に内方に突出しており、トップフォイル43に当接してトップフォイル43を弾性的に支持しうる。
【0052】
また、バンプフォイル42は、フォイル中央部421と、一対のフォイル端部422、422と、連結部423とを有している。フォイル中央部421は、バンプフォイル42における支持内面41aの軸心方向の中央を含む領域に形成されている。支持内面41aの軸心方向において、フォイル中央部421の長さはバンプフォイル42の長さの半分以上とされている。
【0053】
各フォイル端部422は、支持内面41aの周方向に延びるスリット424を介してフォイル中央部421と支持内面41aの軸心方向に分離されている。各スリット424は、バンプフォイル42における連結部423以外の部位全体にわたって支持内面41aの周方向に延びている。
【0054】
フォイル中央部421と、各フォイル端部422とは、同一の波板形状を有している。すなわち、山部42aの高さ及びピッチは、フォイル中央部421とフォイル端部422とで同一である。支持内面41aの軸心方向において、フォイル端部422の長さは、フォイル中央部421の長さよりも短い。フォイル端部422における弾性復元力は、支持内面41aの軸心方向における長さが短い分だけ、フォイル中央部421における弾性復元力も小さい。すなわち、フォイル端部422がトップフォイル43を弾性的に支持する支持力は、フォイル中央部421がトップフォイル43を弾性的に支持する支持力よりも小さい。
【0055】
連結部423は、バンプフォイル42における支持内面41aの周方向の一方の端部で、フォイル中央部421と、各フォイル端部422とを一体的に連結している。連結部423は、支持内面41aの軸心方向においてバンプフォイル42の全体に延びている。各スリット424は、連結部423からバンプフォイル42における支持内面41aの周方向の他方の端部まで延びている。
【0056】
バンプフォイル42は、次のように製造した。まず、金属板をプレス加工して、一対のスリット424を形成した。そして、再びプレス加工して、フォイル中央部421の波板形状とフォイル端部422の波板形状とを同時に形成した。
【0057】
バンプフォイル42は、例えば連結部423が支持内面41aに溶接されることで軸受ハウジング41に固定されている。詳しくは、支持内面41aにおける一般部412の部分に連結部423が溶接されている。これにより、バンプフォイル42においては、連結部423が固定端とされ、支持内面41aの周方向における連結部423とは反対側の端部が自由端42cとされている。バンプフォイル42は、外力が作用していない自然状態で、フォイル中央部421における各谷部42bが支持内面41aにおける一般部412に支持されている。すなわち、外力が作用していない自然状態において、フォイル端部422における各谷部42bは支持内面41aにおける拡径部411に支持されておらず、各谷部42bは拡径部411から浮いている。
【0058】
トップフォイル43は、略円筒状をなしており、ステンレス鋼などの金属製の弾性薄板を所定形状に成形して形成されている。トップフォイル43の表面であって、回転軸24との摺動面となる回転軸24側の表面が軸受面43cとなる。この軸受面43cには、コーティング層(図示せず)が形成されている。コーティング層は、例えば樹脂コーティングや金属メッキにより形成することができる。
【0059】
トップフォイル43では、回転軸24の周方向の一方側の端部が径方向外側へ折り曲げられて軸受ハウジング41に溶接により固定されている。すなわち、トップフォイル43は、周方向の一方側の端部が固定端43aとされ、周方向の他方側の端部が自由端43bとされている。
【0060】
一対のスラストフォイル軸受30、30は、スラスト軸受収容室S2に配置されている。一対のスラストフォイル軸受30、30は、スラストカラーとしての第3支持部24dを挟み込むように配置されている。一対のスラストフォイル軸受30、30は、第3支持部24dに対して、回転軸24の軸心方向で対向している。一方のスラストフォイル軸受30は、第3支持部24dに対して、軸本体24aの第1端部24e側に配置されている。他方のスラストフォイル軸受30は、第3支持部24dに対して、軸本体24aの第2端部24f側に配置されている。
【0061】
一対のスラストフォイル軸受30、30は基本的に同様の構成を有するため、一方のスラストフォイル軸受30の構成についてのみ説明し、他方のスラストフォイル軸受30の構成についての説明を省略する。
【0062】
スラストフォイル軸受30は、スラスト軸受ハウジングと、スラスト軸受ハウジングに取り付けられた6個のスラストバンプフォイル32と、各スラストバンプフォイル32にそれぞれ対応する位置にスラスト軸受ハウジングに取り付けられた6個のスラストトップフォイル33と、を備えている。スラストバンプフォイル32及びスラストトップフォイル33の外形状は、いずれも平面視で略扇状をなしている。スラストバンプフォイル32及びスラストトップフォイル33は、ステンレス鋼などの金属製の弾性薄板を所定形状に成形して形成されている。
【0063】
スラスト軸受ハウジングは第2プレート16の一部によって構成されている。すなわち、スラスト軸受ハウジングは、第2プレート16の端面16bのうちスラスト軸受収容室S2を区画する部分における第2プレート16によって構成されている。スラスト軸受ハウジングは、第3支持部24dと回転軸24の軸心方向に対向している。スラスト軸受ハウジングには、回転軸24が挿通される挿通孔が形成されている。なお、他方のスラストフォイル軸受30におけるスラスト軸受ハウジングは、スラスト軸受収容室S2を区画する凹部15cの部分における第1プレート15によって構成されている。
【0064】
6個のスラストバンプフォイル32は、スラスト軸受ハウジングの第3支持部24d側の端面に、回転軸24の周方向に等間隔に配置されつつ、挿通孔の周囲に並べて取り付けられている。各スラストバンプフォイル32は、周方向の一方側の端部において、溶接によってスラスト軸受ハウジングに固定されている。すなわち、スラストバンプフォイル32の周方向の一方側の端部が固定端とされ、周方向の他方側の端部が自由端とされている。なお、スラストバンプフォイル32は、周方向の他方側の端部が固定端とされ、周方向の一方側の端部が自由端とされてもよい。
【0065】
スラストバンプフォイル32は、山部と谷部とが回転軸24の周方向に交互に並ぶ波板形状とされている。各山部は第3支持部24d側に突出し、スラストトップフォイル33に当接してスラストトップフォイル33を弾性的に支持しうる。
【0066】
6個のスラストトップフォイル33は、スラスト軸受ハウジングの第3支持部24d側の端面に、各スラストバンプフォイル32と対応するように回転軸24の周方向に等間隔に配置されつつ、挿通孔の周囲に並べて取り付けられている。各スラストトップフォイル33は、周方向の他方側の端部がスラスト軸受ハウジングに向けて折り曲げられており、その先端部が溶接によってスラスト軸受ハウジングに固定されている。すなわち、スラストトップフォイル33の周方向の他方側の端部が固定端とされ、周方向の一方側の端部が自由端とされている。
【0067】
ラジアルフォイル軸受40、40においては、回転軸24の回転数が、ラジアルフォイル軸受40により回転軸24における第1支持部24b、第2支持部24cが浮上する浮上回転数に達するまでは、トップフォイル43の軸受面43cと第1支持部24b、第2支持部24cとが接触した状態で回転軸24を支持する。
【0068】
図6に示すように、回転軸24の回転数が浮上回転数に達すると、第1支持部24b、第2支持部24cとトップフォイル43との間に生じる流体膜圧力によって、第1支持部24b、第2支持部24cがラジアルフォイル軸受40に対して浮上する。これにより、ラジアルフォイル軸受40は、第1支持部24b、第2支持部24cと非接触の状態で回転軸24を支持する。
【0069】
ここで、回転軸24が傾いておらず、正常に回転している状態では、図6に示すように、フォイル端部422における各谷部42bは、拡径部411に支持されておらず、拡径部411から浮いている。
【0070】
一対のスラストフォイル軸受30、30においても、同様に、回転軸24の回転数が、スラストフォイル軸受30により第3支持部24dが浮上する浮上回転数に達するまでは、スラストトップフォイル33と第3支持部24dとが接触した状態で回転軸24を支持する。回転軸24の回転数が浮上回転数に達すると、第3支持部24dとスラストトップフォイル33との間に生じる流体膜圧力によって、第3支持部24dがスラストフォイル軸受30に対して浮上する。これにより、スラストフォイル軸受30は、第3支持部24dと非接触の状態で回転軸24を支持する。
【0071】
このターボ式圧縮機10におけるラジアルフォイル軸受40では、軸受ハウジング41の支持内面41aにおける支持内面41aの軸心方向の両端部に拡径部411、411が設けられている。また、バンプフォイル42には、各拡径部411の範囲内にそれぞれフォイル端部422が設けられている。各フォイル端部422は、スリット424によりフォイル中央部421と軸心方向に分離されている。このため、各フォイル端部422は、フォイル中央部421とは独立して動くことができる。
【0072】
しかも、外力が作用していない自然状態で、各フォイル端部422における谷部42bは、拡径部411に支持されておらず、拡径部411から浮いている。これにより、拡径部411において、各フォイル端部422の動き得る空間が支持内面41aの径方向に広がっている。
【0073】
また、支持内面41aの軸心方向において、各フォイル端部422の幅は、フォイル中央部421の幅の半分以下とされている。これにより、フォイル端部422がトップフォイル43を弾性的に支持する支持力は、フォイル中央部421がトップフォイル43を弾性的に支持する支持力よりも小さくされている。その結果、支持内面41aの軸心方向の端部において、トップフォイル43と回転軸24との摺動面圧を低減させることができる。
【0074】
図7に示すように、外乱等により回転軸24が傾くと、支持内面41aの軸心方向の端部において、回転軸24がトップフォイル43に当接する。そして、回転軸24が当接したトップフォイル43によりフォイル端部422が支持内面41aの径方向の外方に押される。これにより、フォイル端部422における谷部42bが拡径部411に当接して、支持される。この際、フォイル端部422がトップフォイル43を支持する支持力は小さくされ、トップフォイル43と回転軸24との摺動面圧が低減されている。このため、トップフォイル43の軸受面43cに形成されたコーティング層の摩耗やトップフォイル43自体の摩耗を抑えることができるとともに、焼付きを抑えることができる。その結果、トップフォイル43の耐久性が向上する。
【0075】
したがって、このラジアルフォイル軸受40によれば、トップフォイル43の端部において回転軸24との摺動面圧を低減させて、耐久性の向上を実現できる。
【0076】
特に、このラジアルフォイル軸受40では、フォイル端部422における波板形状とフォイル中央部421における波板形状とが同一である。このため、1度のプレス加工により、フォイル端部422の波板形状とフォイル中央部421の波板形状とを同時に形成することができる。その結果、バンプフォイル42の製造が容易になる。
【0077】
また、軸受ハウジング41は、例えばアルミニウム合金製であるため、支持内面41aに切削加工により拡径部を形成しても、その切削加工が困難になることがない。
【0078】
(実施例2)
図8に示すように、実施例2のラジアルフォイル軸受40Aでは、実施例1のラジアルフォイル軸受40において、バンプフォイル42におけるフォイル端部422の形状を変更している。
【0079】
すなわち、実施例2のラジアルフォイル軸受40Aでは、バンプフォイル42Aにおけるフォイル端部422Aの山部42aの高さが、フォイル中央部421の山部42aの高さよりも低くされている。
【0080】
このため、このラジアルフォイル軸受40Aでは、山部42aの高さが低い分だけ、拡径部411において、フォイル端部422Aの動き得る空間が支持内面41aの径方向に広くなる。このため、支持内面41aの軸心方向の端部において、バンプフォイル42Aによるトップフォイルの支持力をより低下させて、摺動面圧をより低減させることができる。
【0081】
その他の構成及び作用効果は実施例1と同様である。
【0082】
(実施例3)
図9に示すように、実施例3のラジアルフォイル軸受40Bでは、実施例1のラジアルフォイル軸受40において、各拡径部411にゴムリング44をそれぞれ配置している。ゴムリング44は、本発明における「弾性部材」の一例である。
【0083】
ゴムリング44は、支持内面41aの周方向において、拡径部411の全体に設けられている。これにより、バンプフォイル42に外力が作用していない自然状態で、フォイル端部422の谷部42bがゴムリング44に当接している。
【0084】
実施例3のラジアルフォイル軸受40Bでは、フォイル端部422がゴムリング44により弾性的に支持される。このため、回転軸24等で発生する振動をフォイル端部422を介してゴムリング44で減衰させることができる。
【0085】
その他の構成及び作用効果は実施例1と同様である。
【0086】
以上において、本発明を実施例1~3に即して説明したが、本発明は上記実施例1~3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0087】
例えば、上記実施例1~3のラジアルフォイル軸受40、40A、40Bでは、支持内面41aの軸心方向の両端部に一対の拡径部411及び一対のフォイル端部422を設けているが、本発明はこれに限らず、支持内面41aの軸心方向の一端部に1個の拡径部411及び1個のフォイル端部422を設けてもよい。
【0088】
また、上記実施例1~3のラジアルフォイル軸受40、40A、40Bでは、拡径部411と一般部412との境界の位置と、バンプフォイル42のスリット424の位置とを一致させているが、本発明はこれに限られず、バンプフォイル42におけるスリット424の位置が拡径部411にあればよく、すなわち、拡径部411の軸心方向の長さの範囲内に、バンプフォイル42のフォイル端部422があればよい。
【0089】
上記実施例1、2のラジアルフォイル軸受40、40Aでは、外力が作用していない自然状態において、フォイル端部422における各谷部42bは支持内面41aにおける拡径部411に支持されておらず、各谷部42bは拡径部411から浮いているが、本発明はこれに限らず、フォイル端部422における各谷部42bを拡径部411に当接させて、各谷部42bを拡径部411に支持させてもよい。
【0090】
上記実施例1~3のラジアルフォイル軸受40、40A、40Bにおいて、山部42aのピッチを、フォイル端部422とフォイル中央部421とで異ならせてもよい。
【0091】
上記実施例3のラジアルフォイル軸受40Bでは、弾性部材としてゴムリング44を採用するが、本発明はこれに限らず、弾性部材として例えば樹脂製の発泡体を採用してもよい。
【0092】
上記実施例1~3のラジアルフォイル軸受40、40A、40Bでは、支持内面41aの周方向に等間隔に配置するバンプフォイル42の数を3個としたが、バンプフォイル42の数はこれに限らず、2個でも4個以上でもよい。また、周方向のほぼ全体に延びる1個のバンプフォイルとしてもよい、
【0093】
上記実施例1~3では、一方のラジアルフォイル軸受40、40A、40Bにおいてはハウジング11を構成する第1プレート15の第1軸受保持部20を軸受ハウジング41とし、また、他方のラジアルフォイル軸受40、40A、40Bにおいてはハウジング11を構成するモータハウジング12の第2軸受保持部22を軸受ハウジング41としたが、これに限られない。ラジアルフォイル軸受40、40A、40Bの軸受ハウジング41は、ハウジング11の構成部材とは別部材によって構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、燃料電池システムに用いられる空気圧縮機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0095】
24…回転軸
40、40A、40B…ラジアルフォイル軸受
41…軸受ハウジング
41a…支持内面
41b…挿通孔
411…拡径部
42、42A…バンプフォイル
42a…山部
42b…谷部
421…フォイル中央部
422、422A…フォイル端部
423…連結部
424…スリット
43…トップフォイル
44…弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9