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  • 特開-鋳物の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136134
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】鋳物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22F 1/04 20060101AFI20240927BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20240927BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
C22F1/04 Z
F27D17/00 101G
C22F1/00 602
C22F1/00 611
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 692B
C22F1/00 693A
C22F1/00 693B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047123
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊達 亮介
(72)【発明者】
【氏名】棗田 浩和
(72)【発明者】
【氏名】松橋 慶帆
【テーマコード(参考)】
4K056
【Fターム(参考)】
4K056AA09
4K056CA04
4K056DA03
4K056DA33
(57)【要約】
【課題】加熱炉を用いることなく、時効処理することによって、製造コストを低減するとともに、二酸化炭素の排出量を低減できる鋳物の製造方法を提供すること。
【解決手段】鋳物の製造方法は、鋳造により、鋳物中間体10を製造する鋳造工程S1と、鋳物中間体10を時効処理して、鋳物11を製造する時効処理工程S2とを備える。時効処理工程S2は、鋳造工程S1後の熱を保温して、鋳物中間体10を保温する保温工程S3と、保温工程S3後に、放冷により、鋳物中間体10を冷却する冷却工程S4と、冷却工程後に、保温工程S3の熱により、鋳物中間体10を加熱する加熱工程S5とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造により、鋳物中間体を製造する鋳造工程と、
前記鋳物中間体を時効処理して、鋳物を製造する時効処理工程とを備え、
前記時効処理工程は、
前記鋳造工程後の熱を保温して、前記鋳物中間体を保温する保温工程と、
前記保温工程後に、放冷により、前記鋳物中間体を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後に、前記保温工程の熱により、前記鋳物中間体を加熱する加熱工程とを備える、鋳物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金製の自動車用部品には、溶解したアルミニウム合金を鋳型内で冷却して製造される鋳物部品がある(ダイカスト部品を含む)。これらの鋳物部品は、合金系によって永久成長と呼ばれる経時変寸の現象がある事がしられており、部品使用中に寸法精度が悪化することによって種々の問題を生じることがある。この経時変寸現象を抑制する方法としては、鋳造後の鋳物を加熱(人工時効処理)し、寸法変化を強制的に進行させた後に機械加工や部品組み付けを行うことが一般的である。
【0003】
具体的には、析出硬化型の鋳造用アルミニウム合金からなる鋳物をT5と呼ばれる人工時効処理を施すことで、寸法安定性が増す。
【0004】
また、鋳物の製造方法として、析出硬化型の鋳造用アルミニウム合金からなる鋳物を溶体化処理し、次いで、時効処理するアルミニウム合金鋳物の熱処理方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-37211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、上記熱処理方法では、時効処理において、加熱炉を使用するため、製造コストが向上するとともに、加熱装置で燃料や電気を用いるため、二酸化炭素の排出量が増加するという不具合がある。
【0007】
本発明は、加熱炉を用いることなく、時効処理することによって、製造コストを低減するとともに、二酸化炭素の排出量を低減できる鋳物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、鋳造により、鋳物中間体を製造する鋳造工程と、前記鋳物中間体を時効処理して、鋳物を製造する時効処理工程とを備え、前記時効処理工程は、前記鋳造工程後の熱を保温して、前記鋳物中間体を保温する保温工程と、前記保温工程後に、放冷により、前記鋳物中間体を冷却する冷却工程と、前記冷却工程後に、前記保温工程の熱により、前記鋳物中間体を加熱する加熱工程とを備える、鋳物の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の鋳物の製造方法によれば、時効処理工程において、保温工程では、鋳造工程後の熱によって、鋳物中間体を保温し、加熱工程では、保温工程の熱によって、鋳物中間体を加熱する。つまり、この鋳物の製造方法によれば、電気や燃料を消費する加熱炉を用いることなく、時効処理できる。そのため、製造コストを低減するとともに、二酸化炭素の排出量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の鋳物の製造方法に供する鋳物製造装置の斜視図である。
図2図2A図2Dは、本発明の鋳物の製造方法の一実施形態を示す斜視図である。図2Aは、鋳造工程を示す。図2Bは、保温工程を示す。図2Cは、冷却工程を示す。図2Dは、加熱工程を示す。
図3図3は、各工程における鋳物中間体10の温度変化の相対的な関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<鋳物製造装置>
図1を参照して、本発明の鋳物の製造方法に供する鋳物製造装置の一実施形態を詳述する。
【0012】
鋳物製造装置1は、鋳造装置2と、搬送装置3と、保温炉4と、冷却スペース5と、ストレージスペース6と、制御部7とを備える。鋳物製造装置1は、複数の鋳物11およびその鋳物11の製造に供する鋳物中間体10を、順番に製造できる。図1では、連続して製造される鋳物11および鋳物中間体10を図示する。
【0013】
[鋳造装置]
鋳造装置2は、溶融した金属を、金型に充填した後、脱型して、鋳物中間体10を製造して、搬送装置3に搬送する鋳造機である。このような鋳造機として、具体的には、吸引鋳造機、遠心鋳造機および加圧鋳造機が挙げられる。
【0014】
[搬送装置]
搬送装置3は、ベルトコンベヤー20と、ベルトコンベヤー20に接続されたモーター(図示せず)とを備える。
【0015】
ベルトコンベヤー20は、モーター(図示せず)の駆動によって、鋳物中間体10および鋳物11を、鋳造装置2からストレージスペース6に向けて搬送する。
【0016】
ベルトコンベヤー20の搬送方向における上流側端部は、鋳造装置2に接続されている。ベルトコンベヤー20の搬送方向における下流側端部は、ストレージスペース6に接続されている。
【0017】
ベルトコンベヤー20は、鋳造装置2から、保温炉4の第1保温部30(後述)を通過し、冷却スペース5を通過後、再び、保温炉4の第2保温部31を通過して、ストレージスペース6に至る経路を有する。ベルトコンベヤー20の経路は、第1領域20aと、第2領域20bと、第3領域20cと、第4領域20dと、第5領域20eとに区画される。
【0018】
第1領域20aは、鋳造装置2の出口から第1トンネル32(後述)の入口に至る経路である。第1領域20aの搬送方向における上流側端部は、鋳造装置2に接続されている。第1領域20aの搬送方向における下流側端部は、第2領域20bの搬送方向における上流側端部と連続する。
【0019】
第2領域20bは、第1トンネル32(後述)の入口から出口に至る経路である。第2領域20bの搬送方向における上流側端部は、第1領域20aの搬送方向における下流側端部と連続する。第2領域20bの搬送方向における下流側端部は、第3領域20cの搬送方向における上流側端部と連続する。
【0020】
第3領域20cは、第1トンネル32(後述)の出口から、冷却スペース5を通過して、再び、第2トンネル33の入口に至る循環経路である。第3領域20cは、平面視C字形状を有する。第3領域20cの搬送方向における上流側端部は、第2領域20bの搬送方向における下流側端部と連続する。第3領域20cの搬送方向における下流側端部は、第4領域20dの搬送方向における上流側端部と連続する。
【0021】
第4領域20dは、第2トンネル33(後述)の入口から出口に至る経路である。第4領域20dの搬送方向における上流側端部は、第3領域20cの搬送方向における下流側端部と連続する。第4領域20dの搬送方向における下流側端部は、第5領域20eの搬送方向における上流側端部と連続する。
【0022】
第5領域20eは、第2トンネル33(後述)の出口からストレージスペース6に至る経路である。第5領域20eの搬送方向における上流側端部は、第4領域20dの搬送方向における下流側端部と連続する。第5領域20eの搬送方向における下流側端部は、ストレージスペース6に接続されている。
【0023】
[保温炉]
保温炉4は、後述する鋳造工程後の鋳物中間体10の熱を保温して、鋳物中間体10を保温する。また、保温炉4は、後述する保温工程における次順の鋳物中間体10´の熱を用いて、鋳物中間体10を加熱する。保温炉4は、公知の断熱材料から構成されている。また、保温炉4には、加熱装置を備えない。そのため、保温炉4は、加熱装置を備える加熱炉とは区別される。
【0024】
保温炉4は、ベルトコンベヤー20の搬送方向途中に介在する。
【0025】
保温炉4は、互いに熱を伝達可能な第1保温部30および第2保温部31を上下方向に備える。
【0026】
第1保温部30は、上下方向において、第2保温部31に対して下側に配置される。第1保温部30は、トンネル形状を有する。具体的には、第1保温部30には、ベルトコンベヤー20の搬送方向に沿って貫通する第1トンネル32が設けられている。そして、ベルトコンベヤー20(具体的には、第2領域20b)は、第1トンネル32を通過する。これにより、ベルトコンベヤー20は、第1保温部30を通過して、鋳物中間体10を搬送可能としている。
【0027】
第2保温部31は、上下方向において、第1保温部30に対して上側に配置される。第2保温部31は、トンネル形状を有する。具体的には、第2保温部31には、ベルトコンベヤー20の搬送方向に沿って貫通する第2トンネル33が設けられている。そして、ベルトコンベヤー20(具体的には、第4領域20d)は、第2トンネル33を通過する。これにより、ベルトコンベヤー20は、第2保温部31を通過して、鋳物中間体10を搬送可能としている。
【0028】
[冷却スペース]
冷却スペース5は、後述する冷却工程において、鋳物中間体10を冷却するためのスペースである。冷却スペース5は、第3領域20とスペースを共有する。
【0029】
[ストレージスペース]
ストレージスペース6は、鋳物製造装置1によって製造された鋳物11を留めておくためのスペースである。
【0030】
[制御部]
制御部7は、鋳物製造装置1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、演算処理部およびメモリなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。制御部7は、図1において破線で示すように、鋳造装置2および搬送装置3に接続されている。これにより、制御部7は、鋳造装置2および搬送装置3を適宜制御している。
【0031】
<鋳物の製造方法>
図2A図2Dを参照して、本発明の鋳物の製造方法の一実施形態を詳述する。なお、図2A図2Dでは、説明のため、連続して搬送される鋳物中間体10および鋳物11の図示を省略し、各工程における鋳物中間体10のみを図示する。また、図3を参照して、各工程における鋳物中間体10の温度変化の相対的な関係を詳述する。
【0032】
この方法では、鋳物製造装置1を用いて、複数の鋳物11を、順番に製造する。
【0033】
鋳物の製造方法は、鋳造により、鋳物中間体10を製造する鋳造工程S1と、鋳物中間体10を時効処理して、鋳物11を製造する時効処理工程S2とを備える。
【0034】
[鋳造工程]
図2Aに示すように、鋳造工程S1では、鋳造により、鋳物中間体10を製造する。
【0035】
鋳造により、鋳物中間体10を製造するには、制御部7は、鋳造装置2を制御する。
【0036】
鋳造装置2は、まず、溶融した金属を準備する。
【0037】
金属としては、例えば、時効硬化性のアルミニウム合金が挙げられる。時効硬化性のアルミニウム合金として、例えば、ADC12材、AC4B材が挙げられる。
【0038】
溶融した金属を準備するには、金属を加熱する。加熱温度は、金属の融点以上であって、例えば、600℃以上、また、例えば、800℃以下である。
【0039】
そして、鋳造装置2は、溶融した金属を、金型に充填し、その後、脱型する。これにより、鋳物中間体10を製造する。このとき、鋳物中間体10(鋳造装置2内の鋳物中間体10)の温度は、上記溶融金属の凝固点と加熱温度と同程度である(図3のS1)。
【0040】
その後、制御部7は、搬送装置3(ベルトコンベヤー20)を駆動して、この鋳物中間体10を、鋳造装置2から、ベルトコンベヤー20における第1領域20aに搬送する。このとき、鋳物中間体10は放冷され、鋳物中間体10(第1領域20aにおける鋳物中間体10)の温度が徐々に低下する(図3のS10)。
【0041】
[時効処理工程]
時効処理工程S2は、鋳造工程S1後の熱を保温して、鋳物中間体10を保温する保温工程S3と、保温工程S3後に、放冷により、鋳物中間体10を冷却する冷却工程S4と、冷却工程S4後に、保温工程S3の熱により、鋳物中間体10を加熱する加熱工程S5とを備える。
【0042】
(保温工程)
保温工程S3では、鋳造工程S1後の鋳物中間体10を保温する。
【0043】
鋳造工程S1後の鋳物中間体10を保温するには、図2Bに示すように、制御部7は、ベルトコンベヤー20によって、鋳物中間体10を、第1保温部30内(第2領域20b)に搬送する。このとき、第1保温部30によって、鋳造工程S1後の熱の少なくとも一部が保温される。このような熱により、鋳物中間体10の時効処理を実施する。保温工程S3における温度(第2領域20bにおける鋳物中間体10の温度)は、鋳造工程S1における温度よりも低く、例えば、250℃以上、好ましくは、300℃以上、また、例えば、500℃以下である(図3のS3)。保温工程S3の時間は、例えば、10分以上、好ましくは、20分以上、また、例えば、120分以下である。なお、保温工程S3の時間は、鋳物中間体10が、第1保温部30を通過する時間に等しい。
【0044】
(冷却工程)
冷却工程S4では、放冷により、鋳物中間体10を冷却する。
【0045】
放冷により、鋳物中間体10を冷却するには、図2Cに示すように、制御部7は、ベルトコンベヤー20によって、鋳物中間体10を、第3領域20c(冷却スペース5)まで搬送する。冷却スペース5において、鋳物中間体10が放冷され、冷却される。冷却工程S4における温度(第3領域20cにおける鋳物中間体10の温度)は、保温工程S3における温度よりも低く、例えば、20℃以上、また、例えば、50℃以下、好ましくは、30℃以下である(図3のS4)。冷却工程S4の時間は、例えば、60分以上、好ましくは、90分以上、また、例えば、240分以下、好ましくは、180分以下である。
【0046】
(加熱工程)
加熱工程S5では、保温工程S3の熱により、鋳物中間体10を加熱する。
【0047】
保温工程S3の熱により、鋳物中間体10を加熱するには、図2Dに示すように、制御部7は、ベルトコンベヤー20によって、鋳物中間体10を、第2保温部31内(第4領域20d)まで搬送する。併せて、制御部7は、ベルトコンベヤー20によって、次順の鋳物中間体10´を、第1保温部30内(第2領域20b)まで搬送する。これにより、鋳物中間体10´の保温工程S3の熱が、第2保温部31内に伝達される。その結果、鋳物中間体10´の保温工程S3の熱により、鋳物中間体10を加熱できる。これにより、鋳物中間体10を時効処理して、鋳物を製造する。加熱工程S5における温度(第4領域20dにおける鋳物中間体10の温度)は、保温工程S3における温度よりも低く、例えば、100℃以上、好ましくは、200℃以上、また、例えば、300℃未満である(図3のS5)。加熱工程S5の時間は、例えば、10分以上、また、例えば、120分以下である。加熱工程S5の時間は、鋳物中間体10が、第2保温部31を通過する時間に等しい。
【0048】
そして、制御部7は、搬送装置3(ベルトコンベヤー20)を駆動して、鋳物11を、第5領域20eまで搬送する。このとき、鋳物11は放冷されて、鋳物11(第5領域20eにおける鋳物1)の温度が、徐々に低下する(図3のS11)。
【0049】
その後、制御部7は、ベルトコンベヤー20によって、鋳物11をストレージスペース6に搬送する。
【0050】
<作用効果>
鋳物の製造方法によれば、保温工程S3では、第1保温部30によって、鋳造工程S1後の熱を保温し、その熱によって、鋳物中間体10を保温する。また、加熱工程S5では、鋳物中間体10´の保温工程S3の熱を、第2保温部31内に伝達させ、その熱によって、鋳物中間体10を加熱する。そのため、保温炉4(第1保温部30および第2保温部31)が加熱装置を備えなくても(換言すれば、加熱炉で再加熱しなくても)、時効処理できる。そのため、製造コストを低減するとともに、再加熱による二酸化炭素の排出量を低減できる。
【0051】
<変形例>
変形例において、一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
【0052】
一実施形態では、加熱工程S5では、次順の鋳物中間体10´の保温工程S3の熱により、鋳物中間体10を加熱するが、次順以降の鋳物中間体10の保温工程S3の熱により、鋳物中間体10を加熱することもできる。また、加熱工程S5まで、次順の鋳物中間体10´を、第1保温部30内(第2領域20b)まで搬送せず、自身の保温工程S3の熱(すなわち、自身の保温工程S3において、第1保温部30内に保温された熱)により、鋳物中間体10を加熱することもできる。
【0053】
また、鋳物製造装置1を用いて、複数の鋳物11を、順番に製造する場合において、1番目の鋳物11を製造する際には、保温工程S3において、第1保温部30によって、1番目の鋳物中間体10における鋳造工程S1後の熱を保温し、その熱によって、1番目の鋳物中間体10を保温する。また、加熱工程S5では、2番目の鋳物中間体10´の保温工程S3の熱を、第2保温部31内に伝達させ、その熱によって、1番目の鋳物中間体10を加熱する。
【0054】
また、最後の鋳物11を製造する際には、保温工程S3において、第1保温部30によって、最後の鋳物中間体10における鋳造工程S1後の熱を保温し、その熱によって、最後の鋳物中間体10を保温する。また、加熱工程S5では、最後の鋳物中間体10の保温工程S3の熱を、第2保温部31内に伝達させ、その熱によって、最後の鋳物中間体10を加熱する。
【0055】
また、一実施形態では、ベルトコンベヤー20によって、鋳物中間体10および鋳物11を搬送するが、これに限定されず、例えば、自律搬送ロボットによって、鋳物中間体10および鋳物11を搬送することもできる。このような場合には、搬送装置3は、自律搬送ロボットを備える。
【0056】
また、一実施形態では、保温炉4は、第1保温部30および第2保温部31を上下方向に備えるが。第1保温部30および第2保温部31が、互いに熱を伝達可能であれば、これらの位置は限定されず、例えば、保温炉4は、第1保温部30および第2保温部31を左右方向に備えることもできる。
【符号の説明】
【0057】
10 鋳物中間体
11 鋳物
S1 鋳造工程
S2 時効処理工程
S3 保温工程
S4 冷却工程
S5 加熱工程
図1
図2
図3