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特開2024-136144光ファイバ増幅器及び希土類元素添加マルチコア光ファイバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136144
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】光ファイバ増幅器及び希土類元素添加マルチコア光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20240927BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20240927BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01S3/10 D
G02B6/036
G02B6/02 376B
G02B6/02 461
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047138
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大塚 節文
【テーマコード(参考)】
2H250
5F172
【Fターム(参考)】
2H250AB05
2H250AB07
2H250AB10
2H250AB20
2H250AC64
2H250AC66
2H250AC83
2H250AC93
2H250AC94
2H250AC95
2H250AC96
2H250AD08
2H250AD15
2H250AD29
2H250AD32
2H250AH33
5F172AF03
5F172AM01
5F172AM04
5F172AM08
5F172BB18
5F172BB19
5F172BB27
(57)【要約】
【課題】本開示は、電力効率が高く、雑音指数の低い光ファイバ増幅器を提供する。
【解決手段】信号光を導波するコアの中心を含む第1領域と、前記第1領域を囲む第2領域と、前記第2領域を囲む第3領域と、で構成され、前記第2領域に希土類元素が添加される第1希土類元素添加光ファイバと、前記第1希土類元素添加光ファイバの信号出力側に設けられ、信号光を導波するコアの中心を含む第4領域と、前記第4領域を囲む第6領域と、前記第6領域を囲む第6領域と、で構成され、前記第4領域に希土類元素が添加される第2希土類元素添加光ファイバと、を備える光ファイバ増幅器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光を導波するコアの中心を含む第1領域と、
前記第1領域を囲む第2領域と、
前記第2領域を囲む第3領域と、で構成され、
前記第2領域に希土類元素が添加される第1希土類元素添加光ファイバと、
前記第1希土類元素添加光ファイバの信号出力側に設けられ、
信号光を導波するコアの中心を含む第4領域と、
前記第4領域を囲む第5領域と、
前記第5領域を囲む第6領域と、で構成され、
前記第4領域に希土類元素が添加される第2希土類元素添加光ファイバと、
を備える、
光ファイバ増幅器。
【請求項2】
前記第1希土類元素添加光ファイバの前記第1領域における希土類元素の濃度は、前記第2領域における希土類元素の濃度以下である、
請求項1に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項3】
前記第1希土類元素添加光ファイバの前記第1領域における希土類元素の濃度が、前記第2領域における希土類元素の濃度の10%以下である、
請求項2に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項4】
前記第2希土類元素添加光ファイバの前記第5領域における希土類元素の濃度は、前記第4領域における希土類元素の濃度以下である、
請求項1に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項5】
前記第2希土類元素添加光ファイバの前記第5領域における希土類元素の濃度が、前記第4領域における希土類元素の濃度の10%以下である、
請求項4に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項6】
前記第1希土類元素添加光ファイバの前記第1領域が、前記第1領域に含まれるコアの中心を中心とする円形領域であり、
前記第2希土類元素添加光ファイバの前記第4領域が、前記第4領域に含まれるコアの中心を中心とする円形領域であり、
前記第1領域の直径が、前記第4領域の直径より大きい、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項7】
前記第1希土類元素添加光ファイバ及び前記第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれは、動作波長においてシングルモード条件を満たす、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項8】
前記第1希土類元素添加光ファイバの動作波長におけるモードフィールド径と、
前記第2希土類元素添加光ファイバの動作波長におけるモードフィールド径が、
相対誤差15%以下で一致する、
請求項7に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項9】
前記第1希土類元素添加光ファイバ及び前記第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれがマルチコア光ファイバである、
請求項1から請求項5にいずれか一項に記載の光ファイバ増幅器。
【請求項10】
信号光を導波する複数のコアを含み、
前記複数のコアのそれぞれは、前記コアの中心を含む第1領域と、前記第1領域を囲む第2領域を、有し、
すべての前記第2領域を囲む第3領域を更に有し、
前記第1領域における希土類元素の濃度は、前記第2領域における希土類元素の濃度より低い、
希土類元素添加マルチコア光ファイバ。
【請求項11】
前記希土類元素添加マルチコア光ファイバの前記第1領域における希土類元素の濃度が、前記第2領域における希土類元素の濃度の20%以下である、
請求項10に記載の希土類元素添加マルチコア光ファイバ。
【請求項12】
前記第1希土類元素添加光ファイバが請求項11に記載の希土類元素添加マルチコア光ファイバである、
請求項9に記載の光ファイバ増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイバ増幅器及び希土類元素添加マルチコア光ファイバに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1及び非特許文献2のそれぞれには、クラッド励起方式のマルチコア光ファイバ増幅器においてコアあたりの励起光パワーを低減する方法として、励起光を閉じ込める第1クラッドにおけるコア密度を高くする方法が記載されている。
【0003】
特許文献1及び非特許文献3のそれぞれには、希土類添加光ファイバにおいて、希土類をリング状に添加する希土類添加マルチコア光ファイバ増幅器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6288835号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】S. Takasaka et al., "EDF Length Dependence of Amplification Characteristics of Cladding Pumped 19-Core EDFA", 2018 Optical Fiber Communications Conference and Exposition (OFC), San Diego, CA, USA, 2018, pp. 1-3.
【非特許文献2】M. Wada, T. Sakamoto, S. Aozasa, R. Imada, T. Yamamoto and K. Nakajima, "Full C-Band and Power Efficient Coupled-Multi-Core Fiber Amplifier", 2020 Optical Fiber Communications Conference and Exhibition (OFC), San Diego, CA, USA, 2020, pp. 1-3.
【非特許文献3】S. LaRochelle, C. Matte-Breton, C. Kelly and R. J. Essiambre, "Cladding-pumped multicore amplifiers with ring doping", 2021 Optical Fiber Communications Conference and Exhibition (OFC), San Francisco, CA, USA, 2021, pp. 1-3.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光ファイバ増幅器において、電力効率を高めるとともに、雑音指数を低減することが求められている。
【0007】
本開示は、電力効率が高く、雑音指数の低い光ファイバ増幅器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、信号光を導波するコアの中心を含む第1領域と、前記第1領域を囲む第2領域と、前記第2領域を囲む第3領域と、で構成され、前記第2領域に希土類元素が添加される第1希土類元素添加光ファイバと、前記第1希土類元素添加光ファイバの信号出力側に設けられ、信号光を導波するコアの中心を含む第4領域と、前記第4領域を囲む第5領域と、前記第5領域を囲む第6領域と、で構成され、前記第4領域に希土類元素が添加される第2希土類元素添加光ファイバと、を備える光ファイバ増幅器である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の光ファイバ増幅器によれば、電力効率を高くするとともに、雑音指数を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器の概略を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器の動作結果について説明する図である。
図5図5は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器の動作結果について説明する図である。
図6図6は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の概略を示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図8図8は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第1希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図10図10は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第2希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図11図11は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の概略を示す図である。
図12図12は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図13図13は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図14図14は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第1希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
図15図15は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第2希土類元素添加光ファイバの概略構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0012】
(1)本開示の光ファイバ増幅器は、第1希土類元素添加光ファイバと、第2希土類元素添加光ファイバと、を備える。第1希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、第2領域を囲む第3領域と、で構成され、第2領域に希土類元素が添加される。第2希土類元素添加光ファイバは、第1希土類元素添加光ファイバの信号出力側に設けられる。第2希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第4領域と、第4領域を囲む第5領域と、第5領域を囲む第6領域と、で構成され、第4領域に希土類元素が添加される。
【0013】
本開示の光ファイバ増幅器によれば、最初に第1希土類元素添加光ファイバにより信号光を増幅した後に、第2希土類元素添加光ファイバにより更に信号光を増幅することにより、電力効率を向上させ、雑音指数を低下させることができる。
【0014】
(2)上記(1)において、第1希土類元素添加光ファイバの第1領域における希土類元素の濃度は、第2領域における希土類元素の濃度以下であってもよい。光ファイバ増幅器が信号光を増幅する際に、第1領域における影響を抑制できるからである。
【0015】
(3)上記(1)または上記(2)において、第1希土類元素添加光ファイバの第1領域における希土類元素の濃度が、第2領域における希土類元素の濃度の10%以下であってもよい。光ファイバ増幅器が信号光を増幅する際に、第1領域における影響を抑制できるからである。
【0016】
(4)上記(1)から上記(3)のいずれかにおいて、第2希土類元素添加光ファイバの第5領域における希土類元素の濃度は、第4領域における希土類元素の濃度以下であってもよい。光ファイバ増幅器が信号光を増幅する際に、第5領域における影響を抑制できるからである。
【0017】
(5)上記(1)から上記(4)のいずれかにおいて、第2希土類元素添加光ファイバの第4領域における希土類元素の濃度が、第5領域における希土類元素の濃度の10%以下であってもよい。光ファイバ増幅器が信号光を増幅する際に、第5領域における影響を抑制できるからである。
【0018】
(6)上記(1)から上記(5)のいずれかにおいて、第1希土類元素添加光ファイバの第1領域が、第1領域に含まれるコアの中心を中心とする円形領域であってもよい。また、第2希土類元素添加光ファイバの第4領域が、第4領域に含まれるコアの中心を中心とする円形領域であってもよい。そして、第1領域の直径が、第4領域の直径より大きくてもよい。光ファイバ増幅器が信号光を増幅する際に、第1希土類元素添加光ファイバと第2希土類元素添加光ファイバとにおいて異なる領域において、光を増幅できるからである。
【0019】
(7)上記(1)から上記(6)のいずれかにおいて、第1希土類元素添加光ファイバ及び第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれは、動作波長においてシングルモード条件を満たすようにしてもよい。動作波長においてシングルモード条件を満たすことにより、光ファイバ増幅器を長距離光通信に使用できるからである。
【0020】
(8)上記(1)から上記(7)のいずれかにおいて、第1希土類元素添加光ファイバの動作波長におけるモードフィールド径と、第2希土類元素添加光ファイバの動作波長におけるモードフィールド径が、相対誤差15%以下で一致するようにしてもよい。第1希土類元素添加光ファイバの動作波長におけるモードフィールド径と、第2希土類元素添加光ファイバの動作波長におけるモードフィールド径が、相対誤差15%以下で一致することにより、接続損失を低減できるからである。
【0021】
(9)上記(1)から上記(8)のいずれかにおいて、第1希土類元素添加光ファイバ及び第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれがマルチコア光ファイバであってもよい。第1希土類元素添加光ファイバ及び第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれがマルチコア光ファイバであることにより、光ファイバ増幅器が、マルチコア光ファイバから入力される光を増幅できるからである。
【0022】
(10)本開示の希土類元素添加マルチコア光ファイバは、信号光を導波する複数のコアを含み、複数のコアのそれぞれは、コアの中心を含む第1領域と、第1領域を囲む第2領域を、有する。また、本開示の希土類元素添加マルチコア光ファイバは、すべての第2領域を囲む第3領域を更に有する。そして、本開示の希土類元素添加マルチコア光ファイバは、第1領域における希土類元素の濃度は、第2領域における希土類元素の濃度より低い。
【0023】
本開示の希土類元素添加マルチコア光ファイバによれば、電力効率を向上させ、雑音指数を低下させることができる。
【0024】
(11)上記(10)において、希土類元素添加マルチコア光ファイバの第1領域における希土類元素の濃度が、第2領域における希土類元素の濃度の20%以下であってもよい。希土類元素添加マルチコア光ファイバの第1領域における希土類元素の濃度を、第2領域における希土類元素の濃度の20%以下にすることにより、第1領域の影響を抑制できるからである。
【0025】
(12)上記(9)において、第1希土類元素添加光ファイバが上記(10)または上記(11)のいずれかに記載の希土類元素添加マルチコア光ファイバであってもよい。
【0026】
上記(12)に開示の光ファイバ増幅器によれば、電力効率を向上させ、雑音指数を低下させることができる。
【0027】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の光ファイバ増幅器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0028】
各実施形態に係る明細書および図面の記載に関して、実質的に同一のまたは対応する機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0029】
以下に実施形態について説明するが、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0030】
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器について説明する。第1実施形態に係る光ファイバ増幅器は、第1希土類元素添加光ファイバと、第1希土類元素添加光ファイバの信号出力側に設けられる第2希土類元素添加光ファイバと、を備える。第1実施形態に係る光ファイバ増幅器において、第2希土類元素添加光ファイバの長手方向に直交する断面における希土類元素の濃度分布が、第1希土類元素添加光ファイバの長手方向に直交する断面における希土類元素の濃度分布と異なる。第1実施形態に係る光ファイバ増幅器は、第1希土類元素添加光ファイバおよび第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれに、シングルコアの光ファイバを用いる。例えば、光ファイバ増幅器を長距離光通信用に用いる場合、第1希土類元素添加光ファイバおよび第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれは、動作波長においてシングルモード条件を満たすようにしてもよい。
【0031】
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器について、具体的な例を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器1の概略を示す図である。光ファイバ増幅器1において、第1希土類元素添加光ファイバ及び第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれとして、エルビウム(Er)を添加したエルビウム添加光ファイバ(Erbium-Doped optical Fiber:EDF)を用いる。
【0032】
光ファイバ増幅器1は、信号光Lsを増幅して信号光Laとして出力する。光ファイバ増幅器1は、励起光源10と、光合波器20と、光アイソレータ30と、EDF50と、EDF60と、を備える。EDF50及びEDF60は、光合波器20と光アイソレータ30との間に設けられる。EDF60は、EDF50における出力に設けられる。
【0033】
EDF50の動作波長におけるモードフィールド径と、EDF60の動作波長におけるモードフィールド径とは、相対誤差15%以下で一致する。EDF50の動作波長におけるモードフィールド径と、EDF60の動作波長におけるモードフィールド径とを、相対誤差15%以下で一致させることにより、接続損失を0.1dB以下に抑制できる。
【0034】
光ファイバ増幅器1により増幅される信号光Lsは、光合波器20に入力される。励起光源10は、ポンプ・デリバリー・ファイバ40を介して光合波器20に接続される。励起光源10から出力された励起光Leは、光合波器20において信号光Lsと合波される。光合波器20は、信号光Lsと励起光Leとを合波した合波光Lc1を、EDF50に出力する。EDF50は、入力された合波光Lc1に含まれる信号光Lsを増幅する。そして、EDF50は、EDF60に合波光Lc2を出力する。また、EDF60は、入力された合波光Lc2に含まれる信号光Lsを増幅する。そして、EDF60は、光アイソレータ30に合波光Lc3を出力する。光アイソレータ30を通った合波光Lc3は、信号光Laとして出力される。
【0035】
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバについて説明する。第1希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、第2領域を囲む第3領域と、で構成される。そして、第1希土類元素添加光ファイバは、第2領域に希土類元素が添加される。第1領域及び第2領域の両方に希土類元素が添加されてもよい。
【0036】
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図2は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器1におけるEDF50の概略構造を示す図であり、EDF50の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0037】
EDF50は、コア51と、クラッド52と、を有する。また、クラッド52は、第1クラッド52aと、第2クラッド52bと、を有する。EDF50は、コア51と第1クラッド52aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド52aと第2クラッド52bからなる励起光Leの導波構造により構成される。EDF50は、第1クラッド52aにおいて、コア51と中心が一致する2つの同心円で区切られた環状領域にエルビウムが添加されている。図2において、エルビウムが添加されているエルビウム添加領域53を、ドット模様を付して示す。
【0038】
EDF50のように、環状にエルビウムが添加された領域を含むEDFを、エルビウム環状添加光ファイバという場合がある。
【0039】
コア51は、ゲルマニウム及びアルミニウムが共添加された石英ガラスにより形成される。コア51は、石英ガラスにゲルマニウム及びアルミニウムが共添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.9%高くなっている。コア51の直径D1は、例えば、8.9μmである。
【0040】
第1クラッド52aは、アルミニウムが添加された石英ガラスにより形成される。第1クラッド52aは、石英ガラスにアルミニウムが添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.5%高くなっている。第1クラッド52aの直径D2aは、例えば、50μmである。
【0041】
第2クラッド52bは、フッ素が添加された石英ガラスにより形成される。第2クラッド52bは、石英ガラスにフッ素が添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.7%低くなっている。第2クラッド52bの直径D2bは、例えば、125μmである。
【0042】
エルビウムが添加されるエルビウム添加領域53の内径D3aは、例えば、14.2μmである。エルビウム添加領域53の外径D3bは、例えば、17.7μmである。また、エルビウムが添加されるエルビウム添加領域53には、エルビウムが原子数濃度で5×1024-3程度添加される。
【0043】
添加されるエルビウム添加領域53の内径D3aは、コア51の直径D1を基準にすると、0.4×D1以上1.8×D1以下であり、好ましくは、0.8×D1以上1.4×D1以下である。また、添加されるエルビウム添加領域53の外径D3bは、コア51の直径D1を基準にすると、0.8×D1以上3.0×D1以下であり、好ましくは、1.0×D1以上2.0×D1以下である。
【0044】
EDF50において、環状であるエルビウム添加領域53の内径より内側の領域を第1領域R1という。また、エルビウム添加領域53を第2領域R2という。さらに、環状であるエルビウム添加領域53の外周より外側の領域を第3領域R3という。
【0045】
上記の例においては、第2領域R2に希土類元素が添加されているが、第2領域R2と共に第1領域R1にも希土類元素が添加されていてもよい。例えば、第1領域R1における希土類元素であるエルビウムの濃度は、第2領域における希土類元素であるエルビウムの濃度以下であってもよい。第1領域R1における希土類元素であるエルビウムの濃度を、第2領域における希土類元素であるエルビウムの濃度以下とすることにより、第1領域R1において信号が増幅されることによって最終的な出力において雑音指数が高くなることを抑制できる。
【0046】
さらに、第1領域R1における希土類元素であるエルビウムの濃度は、第2領域における希土類元素であるエルビウムの濃度の10%以下としてもよい。第1領域R1における希土類元素であるエルビウムの濃度を第2領域における希土類元素であるエルビウムの濃度の20%以下、より好ましくは10%以下にすることにより、第1領域R1における影響を抑制できる。
【0047】
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバについて説明する。第2希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第4領域と、第4領域を囲む第5領域と、第5領域を囲む第6領域と、で構成される。そして、第2希土類元素添加光ファイバは、第4領域に希土類元素が添加される。第4領域及び第5領域の両方に希土類元素が添加されてもよい。
【0048】
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図3は、第1実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器1におけるEDF60の概略構造を示す図であり、EDF60の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0049】
EDF60は、コア61と、クラッド62と、を有する。また、クラッド62は、第1クラッド62aと、第2クラッド62bと、を有する。EDF60は、コア61と第1クラッド62aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド62aと第2クラッド62bからなる励起光Leの導波構造により構成される。EDF60は、コア61において、コア61の中心と中心が一致する円形領域にエルビウムが添加されている。図3において、エルビウムが添加されているエルビウム添加領域63を、ドット模様を付して示す。
【0050】
EDF60のように、円形にエルビウムが添加された領域を含むEDFを、エルビウム円形添加光ファイバという場合がある。
【0051】
コア61は、ゲルマニウム及びアルミニウムが共添加された石英ガラスにより形成される。コア61は、石英ガラスにゲルマニウム及びアルミニウムが共添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.9%高くなっている。コア61の直径D1は、例えば、8.9μmである。
【0052】
第1クラッド62aは、アルミニウムが添加された石英ガラスにより形成される。第1クラッド62aは、石英ガラスにアルミニウムが添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.5%高くなっている。第1クラッド62aの直径D2aは、例えば、50μmである。
【0053】
第2クラッド62bは、フッ素が添加された石英ガラスにより形成される。第2クラッド62bは、石英ガラスにフッ素が添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.7%低くなっている。第2クラッド62bの直径D2bは、例えば、125μmである。
【0054】
エルビウムが添加されるエルビウム添加領域63の直径D3cは、例えば、3.4μmである。また、エルビウムが添加されるエルビウム添加領域63には、エルビウムが原子数濃度で5×1024-3程度添加される。
【0055】
添加されるエルビウム添加領域63の直径D3cは、コア61の直径D1を基準にすると、例えば、0.2×D1以上1.0×D1以下であり、好ましくは、0.4×D1以上0.6×D1以下である。
【0056】
EDF60において、エルビウム添加領域63を第4領域R4という。また、エルビウム添加領域63の外側であって、第2クラッド62bの内側を第5領域R5という。さらに、第2クラッド62bの領域を第6領域R6という。
【0057】
光ファイバ増幅器1において、第1領域R1は、コア51の中心Cを中心とする円形領域である。なお、コアの中心を中心とする円形領域という場合、円形領域の中心が、コアの中心に厳密に一致する場合に限らない。例えば、円形領域中心の位置と、コア中心の位置が一致していなくても、標準的な製造公差内にある場合も、コアの中心を中心とする円形領域、という場合に含まれる。言い換えると、円形領域の中心が、コアの中心近傍にある場合も、コアの中心を中心とする円形領域、という場合に含まれる。また、光ファイバ増幅器1において、第4領域R4は、コア61の中心Cを中心とする円形領域である。
【0058】
第1領域R1と第4領域R4とがコア51又はコア61に対して同心円状になっている。第1領域R1と第4領域R4とがコア51又はコア61に対して同心円状になることにより、均一に光を増幅できる。
【0059】
さらに、第1領域R1の半径(内径D3a/2)は、第4領域R4の半径(直径D3c/2)より大きい。第1領域R1の半径(内径D3a/2)を第4領域R4の半径(直径D3c/2)より大きくすることにより、第1希土類元素添加光ファイバにおいて光を増幅させる領域と、第2希土類元素添加光ファイバとにおいて増幅させる領域とを異ならせることができる。
【0060】
上記の例においては、第4領域R4に希土類元素が添加されているが、第4領域R4と共に第5領域R5にも希土類元素が添加されていてもよい。例えば、第5領域R5における希土類元素であるエルビウムの濃度は、第4領域における希土類元素であるエルビウムの濃度以下であってもよい。第5領域R5における希土類元素であるエルビウムの濃度を第4領域R4における希土類元素であるエルビウムの濃度以下にすることにより、エルビウムが添加されている領域に対する増幅率を高くできる。
【0061】
さらに、第5領域R5における希土類元素であるエルビウムの濃度は、第4領域R4における希土類元素であるエルビウムの20%以下、好ましくは10%以下としてもよい。第5領域R5における希土類元素であるエルビウムの濃度を第4領域R4における希土類元素であるエルビウムの10%以下にすることにより、第5領域R5における影響を抑制できる。
【0062】
<評価結果>
エルビウム添加領域の形状を変えたEDFとその組み合わせにおける雑音指数と励起光パワーの関係について、シミュレーションにより算出した結果を、図4に示す。図4の横軸は雑音指数、縦軸は励起光パワーを示す。エルビウムをコア中心から円形に添加し、添加径をコア径の0.4倍から3.0倍まで変化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を黒丸(「●」)により示す。エルビウムをコア中心から環状に添加し、添加外径をコア径の3.0倍に固定し、添加内径を0.4倍から1.6倍まで変化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を白丸(「○」)により示す。
【0063】
入力側にエルビウム環状添加光ファイバ(内径1.6倍、外径3.0倍)の出力側にエルビウム円形添加光ファイバ(添加径0.4倍)を接続し、後者を2mから30mまで変化し、前者の長さを最適化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を二重丸(「◎」)により示す。また、入力側にエルビウム円形添加光ファイバ(添加径0.4倍)の出力側にエルビウム環状添加光ファイバ(内径1.6倍、外径3.0倍)を接続し、後者を2mから30mまで変化し、前者の長さを最適化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を三角形(「△」)により示す。
【0064】
図4に示す結果より、エルビウム円形添加光ファイバ単独の場合(「●」)及び環状添加光ファイバ単独の場合(「○」)には雑音指数と励起光パワーがトレードオフ関係にあることがわかる。これに対し、入力側を環状添加光ファイバ、出力側を円形添加光ファイバとして接続した場合(「◎」)にも雑音指数と励起光パワーのトレードオフ関係は存在するが、単独の場合に対し、雑音指数と励起光パワーの両方が改善する条件が存在する。なお、入力側を円形添加光ファイバ、出力側を環状添加ファイバとすると励起光パワーは改善するが、雑音指数は大幅に劣化する。
【0065】
長手方向と直交する断面内でのエルビウム添加領域の形状を変えたEDFとその組み合わせにおける雑音指数と励起光パワーの関係について、シミュレーションにより算出した結果を、図5に示す。図5の横軸は雑音指数、縦軸は励起光パワーを示す。エルビウムをコア中心から円形に添加し、添加径をコア径の0.4倍から3.0倍まで変化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を黒丸(「●」)により示す。エルビウムをコア中心から環状に添加し、添加外径をコア径の3.0倍に固定し、添加内径を0.4倍から1.6倍まで変化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を白丸(「○」)により示す。入力側にエルビウム環状添加光ファイバ(内径1.0倍、外径1.2倍)の出力側にエルビウム円形添加光ファイバ(添加径0.4倍)を接続し、後者を2mから30mまで変化し、前者の長さを最適化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を二重丸(「◎」)により示す。入力側にエルビウム円形添加光ファイバ(添加径0.4倍)の出力側にエルビウム環状添加光ファイバ(内径1.0倍、外径1.2倍)を接続し、後者を2mから26mまで変化し、前者の長さを最適化した場合の雑音指数と励起光パワーの関係を三角形(「△」)により示す。
【0066】
図5に示す結果より、入力側を環状添加光ファイバ、出力側を円形添加光ファイバとして接続した場合(「◎」)にも雑音指数と励起光パワーのトレードオフ関係は存在するが、単独の場合に対し、雑音指数と励起光パワーの両方が改善する条件が存在する。
【0067】
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器によれば、先に、環状添加光ファイバにより増幅して、その後に円形添加光ファイバにより増幅することにより、電力効率を高くするとともに、雑音指数を低下させることができる。
【0068】
第1実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器1は、希土類元素としてエルビウムが添加された希土類元素添加光ファイバを備えるが、添加される希土類元素はエルビウムに限らない。希土類元素添加光ファイバに添加される希土類元素は、例えば、イッテルビウム(Yb)、ネオジム(Nd)又はツリウム(Tm)でもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0069】
≪第2実施形態≫
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器について説明する。第2実施形態に係る光ファイバ増幅器は、第1希土類元素添加光ファイバおよび第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれに、マルチコア光ファイバを用いる。
【0070】
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器について、具体的な例を用いて説明する。図6は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器2の概略を示す図である。光ファイバ増幅器2は、4コア光ファイバ増幅器である。光ファイバ増幅器2において、第1希土類元素添加光ファイバ及び第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれとして、エルビウム(Er)を添加したEDFを用いる。
【0071】
光ファイバ増幅器2は、信号光Lsを増幅して信号光Laとして出力する。光ファイバ増幅器2は、励起光源10と、光合波器120と、光アイソレータ130と、EDF150と、EDF160と、を備える。EDF150及びEDF160は、光合波器120と光アイソレータ130との間に設けられる。EDF160は、EDF150における出力に設けられる。
【0072】
光ファイバ増幅器2により増幅される信号光Lsは、光合波器120に入力される。励起光源10は、ポンプ・デリバリー・ファイバ140を介して光合波器120に接続される。励起光源10から出力された励起光Leは、光合波器120において信号光Lsと合波される。光合波器120は、信号光Lsと励起光Leとを合波した合波光Lc1を、EDF150に出力する。EDF150は、入力された合波光Lc1に含まれる信号光Lsを増幅する。そして、EDF150は、EDF160に合波光Lc2を出力する。また、EDF160は、入力された合波光Lc2に含まれる信号光Lsを増幅する。そして、EDF160は、光アイソレータ130に合波光Lc3を出力する。光アイソレータ130を通った合波光Lc3は、信号光Laとして出力される。
【0073】
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバについて説明する。第1希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、第2領域を囲む第3領域と、で構成される。そして、第1希土類元素添加光ファイバは、第2領域に希土類元素が添加される。第1領域及び第2領域の両方に希土類元素が添加されてもよい。
【0074】
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図7は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器2におけるEDF150の概略構造を示す図であり、EDF150の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0075】
EDF150は、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dと、クラッド152と、を有する。また、クラッド152は、第1クラッド152aと、第2クラッド152bと、を有する。EDF150は、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれと第1クラッド152aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド152aと第2クラッド152bからなる励起光Leの導波構造により構成される。EDF150は、第1クラッド152aにおいて、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dの近傍を除いてエルビウムが添加されている。図7において、エルビウムが添加されているエルビウム添加領域153を、ドット模様を付して示す。
【0076】
コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれは、ゲルマニウム及びアルミニウムが共添加された石英ガラスにより形成される。コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれは、石英ガラスにゲルマニウム及びアルミニウムが共添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.9%高くなっている。コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれの直径D11は、例えば、8.9μmである。
【0077】
コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれは、例えば、25μm間隔の正方格子状に配置する。
【0078】
第1クラッド152aは、アルミニウムが添加された石英ガラスにより形成される。第1クラッド152aは、石英ガラスにアルミニウムが添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.5%高くなっている。第1クラッド152aの直径D12aは、例えば、50μmである。
【0079】
第2クラッド152bは、フッ素が添加された石英ガラスにより形成される。第2クラッド152bは、石英ガラスにフッ素が添加されることにより、屈折率が純石英ガラスに対し0.7%低くなっている。第2クラッド152bの直径D12bは、例えば、125μmである。
【0080】
エルビウムが添加されるエルビウム添加領域153は、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれの外側の一部を除く第1クラッド152aに形成される。エルビウム添加領域153は、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれの中心Cから内径D13a離れた外側に設けられる。エルビウム添加領域153の外径D13bは、第1クラッド152aの直径D12aと等しい。エルビウム添加領域153の外径D13bは、例えば、50μmである。また、エルビウムが添加されるエルビウム添加領域153には、エルビウムが原子数濃度で5×1024-3程度添加される。
【0081】
添加されるエルビウム添加領域153の内径D13aは、コア151a等の直径D11を基準にすると、0.4×D11以上1.8×D11以下であり、好ましくは、0.8×D11以上1.4×D11以下である。また、添加されるエルビウム添加領域153の外径D13bは、コア151a等の直径D11を基準にすると、0.8×D11以上5.0×D11以下であり、好ましくは、1.0×D11以上2.0×D11以下である。なお、コア151a等の中心から半径(直径D11の半分)の3倍以上離れると、信号光の光電場が非常に弱くなる。したがって、コア151a等の中心から半径(直径D11の半分)の3倍以下の範囲に、エルビウムを添加するようにしてもよい。
【0082】
EDF150において、環状であるエルビウム添加領域153より内側の領域を第1領域R1という。また、エルビウム添加領域153を第2領域R2という。さらに、エルビウム添加領域53の外側の領域を第3領域R3という。
【0083】
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバについて説明する。第2希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第4領域と、第4領域を囲む第5領域と、第5領域を囲む第6領域と、で構成される。そして、第2希土類元素添加光ファイバは、第4領域に希土類元素が添加される。第4領域及び第5領域の両方に希土類元素が添加されてもよい。
【0084】
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図8は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器2におけるEDF160の概略構造を示す図であり、EDF160の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0085】
EDF160は、コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dと、クラッド162と、を有する。また、クラッド162は、第1クラッド162aと、第2クラッド162bと、を有する。EDF160は、コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれと第1クラッド162aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド162aと第2クラッド162bからなる励起光Leの導波構造により構成される。EDF160は、コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれにおいて、コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれと中心が一致する円形にエルビウムが添加されている。図8において、エルビウムが添加されているエルビウム添加領域163a、エルビウム添加領域163b、エルビウム添加領域163c及びエルビウム添加領域163dを、ドット模様を付して示す。
【0086】
コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれは、ゲルマニウム及びアルミニウムが共添加された石英ガラスにより形成される。コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれは、石英ガラスにゲルマニウム及びアルミニウムが共添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.9%高くなっている。コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれの直径D11は、例えば、8.9μmである。
【0087】
コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれは、例えば、25μm間隔の正方格子状に配置する。
【0088】
第1クラッド162aは、アルミニウムが添加された石英ガラスにより形成される。第1クラッド162aは、石英ガラスにアルミニウムが添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.5%高くなっている。第1クラッド62aの直径D12aは、例えば、50μmである。
【0089】
第2クラッド162bは、フッ素が添加された石英ガラスにより形成される。第2クラッド162bは、石英ガラスにフッ素が添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.7%低くなっている。第2クラッド162bの直径D12bは、例えば、125μmである。
【0090】
エルビウムが添加されるエルビウム添加領域163a、エルビウム添加領域163b、エルビウム添加領域163c及びエルビウム添加領域163dのそれぞれの直径D13cは、例えば、3.4μmである。また、エルビウム添加領域163a、エルビウム添加領域163b、エルビウム添加領域163c及びエルビウム添加領域163dのそれぞれには、エルビウムが原子数濃度で5×1024-3程度添加される。
【0091】
添加されるエルビウム添加領域163a等の直径D13cは、コア161a等の直径D11を基準にすると、0.2×D11以上1.0×D11以下であり、好ましくは、0.4×D11以上0.6×D11以下である。
【0092】
EDF160において、エルビウム添加領域163a、エルビウム添加領域163b、エルビウム添加領域163c及びエルビウム添加領域163dのそれぞれを第4領域R4という。また、エルビウム添加領域163a、エルビウム添加領域163b、エルビウム添加領域163c及びエルビウム添加領域163dのそれぞれの外側であって、第2クラッド162bの内側を第5領域R5という。さらに、第2クラッド162bの領域を第6領域R6という。
【0093】
<変形例>
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例について、光ファイバ増幅器2の変形例を用いて説明する。
【0094】
光ファイバ増幅器2の変形例は、光ファイバ増幅器2におけるEDF150に換えて、EDF350を備える。また、光ファイバ増幅器2の変形例は、光ファイバ増幅器2におけるEDF160に換えて、EDF360を備える。
【0095】
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第1希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図9は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例におけるEDF350の概略構造を示す図であり、EDF350の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0096】
EDF350は、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dと、クラッド352と、を有する。また、クラッド352は、第1クラッド352aと、第2クラッド352bと、を有する。EDF350は、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dのそれぞれと第1クラッド352aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド352aと第2クラッド352bからなる励起光Leの導波構造により構成される。
【0097】
EDF350は、第1クラッド352aにおいて、コア151a、コア151b、コア151c及びコア151dの近傍を除いてエルビウムが添加されている。図9において、エルビウムが添加されているエルビウム添加領域353を、ドット模様を付して示す。第1クラッド352aは、正方形状の形状を有する。第1クラッド352aの一辺の長さは、例えば、40μmである。
【0098】
第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第2希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図10は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例におけるEDF360の概略構造を示す図であり、EDF360の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0099】
EDF360は、コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dと、クラッド362と、を有する。また、クラッド362は、第1クラッド362aと、第2クラッド362bと、を有する。EDF360は、コア161a、コア161b、コア161c及びコア161dのそれぞれと第1クラッド362aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド362aと第2クラッド362bからなる励起光Leの導波構造により構成される。
【0100】
第1クラッド362aは、正方形状の形状を有する。第1クラッド362aの一辺の長さは、例えば、40μmである。
【0101】
≪第3実施形態≫
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器について説明する。第3実施形態に係る光ファイバ増幅器は、第1希土類元素添加光ファイバおよび第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれに、マルチコア光ファイバを用いる。
【0102】
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器について、具体的な例を用いて説明する。図11は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器3の概略を示す図である。光ファイバ増幅器3は、7コア光ファイバ増幅器である。光ファイバ増幅器3において、第1希土類元素添加光ファイバ及び第2希土類元素添加光ファイバのそれぞれとして、エルビウム(Er)を添加したEDFを用いる。
【0103】
光ファイバ増幅器3は、信号光Lsを増幅して信号光Laとして出力する。光ファイバ増幅器3は、励起光源10と、光合波器220と、光アイソレータ230と、EDF250と、EDF260と、を備える。EDF250及びEDF260は、光合波器220と光アイソレータ230との間に設けられる。EDF260は、EDF250における出力に設けられる。
【0104】
光ファイバ増幅器3により増幅される信号光Lsは、光合波器220に入力される。励起光源10は、ポンプ・デリバリー・ファイバ240を介して光合波器220に接続される。励起光源10から出力された励起光Leは、光合波器220において信号光Lsと合波される。光合波器220は、信号光Lsと励起光Leとを合波した合波光Lc1を、EDF250に出力する。EDF250は、入力された合波光Lc1に含まれる信号光Lsを増幅する。そして、EDF250は、EDF260に合波光Lc2を出力する。また、EDF260は、入力された合波光Lc2に含まれる信号光Lsを増幅する。そして、EDF260は、光アイソレータ230に合波光Lc3を出力する。光アイソレータ230を通った合波光Lc3は、信号光Laとして出力される。
【0105】
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバについて説明する。第1希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、第2領域を囲む第3領域と、で構成される。そして、第1希土類元素添加光ファイバは、第2領域に希土類元素が添加される。第1領域及び第2領域の両方に希土類元素が添加されてもよい。また、第1希土類元素添加光ファイバにおける複数のコアのそれぞれは、コアの中心を含む第1領域と、第1領域を囲む第2領域を、有する。また、第1希土類元素添加光ファイバは、すべての第2領域を囲む第3領域を更に有する。そして、第1希土類元素添加光ファイバにおける複数のコアのそれぞれは、第2領域に希土類元素が添加される。第1領域及び第2領域の両方に希土類元素が添加されてもよい。
【0106】
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器における第1希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図12は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器3におけるEDF250の概略構造を示す図であり、EDF250の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0107】
EDF250は、コア251a、コア251b、コア251c、コア251d、コア251e、コア251f及びコア251gと、クラッド252と、を有する。以下、コア251a、コア251b、コア251c、コア251d、コア251e、コア251f及びコア251gをコア251a等という。また、クラッド252は、第1クラッド252aと、第2クラッド252bと、を有する。EDF250は、コア251a等のそれぞれと第1クラッド252aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド252aと第2クラッド252bからなる励起光Leの導波構造により構成される。
【0108】
コア251a等のそれぞれは、例えば、25μm間隔の六方最密格子状に配置する。
【0109】
EDF250は、コア251aにおいて、環状にエルビウムが添加されている。コア251aは、エルビウム添加領域253aを有する。同様に、コア251b、コア251c、コア251d、コア251e、コア251f、コア251gは、それぞれエルビウム添加領域253b、エルビウム添加領域253c、エルビウム添加領域253d、エルビウム添加領域253e、エルビウム添加領域253f、エルビウム添加領域253gを有する。図12において、エルビウムが添加されているエルビウム添加領域253a等を、ドット模様を付して示す。
【0110】
コア251a等のそれぞれは、ゲルマニウム及びアルミニウムが共添加された石英ガラスにより形成される。コア251a等のそれぞれは、石英ガラスにゲルマニウム及びアルミニウムが共添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.9%高くなっている。コア251a等のそれぞれの直径D21は、例えば、8.9μmである。
【0111】
第1クラッド252aは、アルミニウムが添加された石英ガラスにより形成される。第1クラッド252aは、石英ガラスにアルミニウムが添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.5%高くなっている。第1クラッド252aの直径D22aは、例えば、80μmである。
【0112】
第2クラッド252bは、フッ素が添加された石英ガラスにより形成される。第2クラッド252bは、石英ガラスにフッ素が添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.7%低くなっている。第2クラッド252bの直径D22bは、例えば、125μmである。
【0113】
コア251aにおけるエルビウム添加領域253aの内径D23aは、例えば、7.0μmである。また、コア251aにおけるエルビウム添加領域253aの外径D23bは、コア251aにおける直径D21等しい。コア251aにおけるエルビウム添加領域253aの外径D23bは、例えば、8.9μmである。エルビウムが添加されるエルビウム添加領域253aには、エルビウムが原子数濃度で4×1024-3程度添加される。エルビウム添加領域253b等においても同様である。
【0114】
添加されるエルビウム添加領域253a等の内径D23aは、コア251a等の直径D21を基準にすると、0.4×D21以上1.8×D21以下であり、好ましくは、0.8×D21以上1.4×D21以下である。また、添加されるエルビウム添加領域253a等の外径D23bは、コア251a等の直径D21を基準にすると、0.8×D21以上5.0×D21以下であり、好ましくは、1.0×D21以上2.0×D21以下である。
【0115】
EDF250において、環状であるエルビウム添加領域253a等より内側の領域を第1領域R1という。また、エルビウム添加領域253a等を第2領域R2という。さらに、エルビウム添加領域253a等の外側の領域を第3領域R3という。
【0116】
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバについて説明する。第2希土類元素添加光ファイバは、信号光を導波するコアの中心を含む第4領域と、第4領域を囲む第5領域と、第5領域を囲む第6領域と、で構成される。そして、第2希土類元素添加光ファイバは、第4領域に希土類元素が添加される。第4領域及び第5領域の両方に希土類元素が添加されてもよい。
【0117】
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器における第2希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図13は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の一例である光ファイバ増幅器3におけるEDF260の概略構造を示す図であり、EDF260の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0118】
EDF260は、コア261a、コア261b、コア261c、コア261d、コア261e、コア261f及びコア261gと、クラッド262と、を有する。以下、コア261a、コア261b、コア261c、コア261d、コア261e、コア261f及びコア261gをコア261a等という。また、クラッド262は、第1クラッド262aと、第2クラッド262bと、を有する。EDF260は、コア261a等のそれぞれと第1クラッド262aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド262aと第2クラッド262bからなる励起光Leの導波構造により構成される。
【0119】
EDF260は、コア261aにおいて、円状にエルビウムが添加されている。コア261aは、エルビウム添加領域263aを有する。同様に、コア261b、コア261c、コア261d、コア261e、コア261f、コア261gは、それぞれエルビウム添加領域263b、エルビウム添加領域263c、エルビウム添加領域263d、エルビウム添加領域263e、エルビウム添加領域263f、エルビウム添加領域263gを有する。図13において、エルビウムが添加されているエルビウム添加領域263a等を、ドット模様を付して示す。
【0120】
コア261a等のそれぞれは、ゲルマニウム及びアルミニウムが共添加された石英ガラスにより形成される。コア261a等のそれぞれは、石英ガラスにゲルマニウム及びアルミニウムが共添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.9%高くなっている。コア261a等のそれぞれの直径D21は、例えば、8.9μmである。
【0121】
コア261a等のそれぞれは、例えば、25μm間隔の六方最密格子状に配置する。
【0122】
第1クラッド262aは、アルミニウムが添加された石英ガラスにより形成される。第1クラッド262aは、石英ガラスにアルミニウムが添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.5%高くなっている。第1クラッド262aの直径D22aは、例えば、80μmである。
【0123】
第2クラッド262bは、フッ素が添加された石英ガラスにより形成される。第2クラッド262bは、石英ガラスにフッ素が添加されることにより、純石英ガラスに対し屈折率が0.7%低くなっている。第2クラッド262bの直径D22bは、例えば、125μmである。
【0124】
エルビウムが添加されるエルビウム添加領域263aの直径D23cは、例えば、3.4μmである。また、エルビウム添加領域263aには、エルビウムが原子数濃度で4×1024-3程度添加される。エルビウム添加領域263b等においても同様である。
【0125】
添加されるエルビウム添加領域263a等の直径D23cは、コア261a等の直径D21を基準にすると、0.2×D21以上1.0×D21以下であり、好ましくは、0.4×D21以上0.6×D21以下である。
【0126】
EDF260において、エルビウム添加領域263a等を第4領域R4という。また、エルビウム添加領域263a等の外側であって、第2クラッド62bの内側を第5領域R5という。さらに、第2クラッド62bの領域を第6領域R6という。
【0127】
<変形例>
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例について、光ファイバ増幅器3の変形例を用いて説明する。
【0128】
光ファイバ増幅器3の変形例は、光ファイバ増幅器3におけるEDF250に換えて、EDF450を備える。また、光ファイバ増幅器3の変形例は、光ファイバ増幅器3におけるEDF260に換えて、EDF460を備える。
【0129】
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第1希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図14は、第2実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例におけるEDF450の概略構造を示す図であり、EDF450の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0130】
EDF450は、コア251a、コア251b、コア251c、コア251d、コア251e、コア251f及びコア251gと、クラッド452と、を有する。また、クラッド452は、第1クラッド452aと、第2クラッド452bと、を有する。EDF450は、コア251a等のそれぞれと第1クラッド452aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド452aと第2クラッド452bからなる励起光Leの導波構造により構成される。
【0131】
第1クラッド452aは、中心角が180度より大きい弧(優弧)452a1と弦452a2に囲まれる断面形状を有する。弧452a1の直径は、例えば、80μmである。弦452a2の長さは、例えば、40μmである。
【0132】
第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例における第2希土類元素添加光ファイバについて、具体的な例を用いて説明する。図15は、第3実施形態に係る光ファイバ増幅器の変形例におけるEDF460の概略構造を示す図であり、EDF460の長手方向に直交する平面での断面図である。
【0133】
EDF460は、コア261a、コア261b、コア261c、コア261d、コア261e、コア261f及びコア261gと、クラッド462と、を有する。また、クラッド462は、第1クラッド462aと、第2クラッド462bと、を有する。EDF460は、コア261a等のそれぞれと第1クラッド462aからなる信号光Lsの導波構造と、第1クラッド462aと第2クラッド462bからなる励起光Leの導波構造により構成される。
【0134】
第1クラッド462aは、中心角が180度より大きい弧(優弧)462a1と弦462a2に囲まれる断面形状を有する。弧462a1の直径は、例えば、80μmである。弦462a2の長さは、例えば、40μmである。
【0135】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
1、2、3 光ファイバ増幅器
10 励起光源
20、120、220 光合波器
30、130、230 光アイソレータ
40、140、240 ポンプ・デリバリー・ファイバ
50、150、250、350、450 EDF
51、151a、151b、151c、151d コア
52、152、252、352、452 クラッド
52a、152a、252a、352a、452a 第1クラッド
52b、152b、252b、352b、452b 第2クラッド
53、153、253a、253b、253c、253d、253e、253f、253g エルビウム添加領域
50、160、260、360、460 EDF
61、161a、161b、161c、161d、261a、261b、261c、261d、261e、261f、261g コア
62、162、262、362、462 クラッド
62a、162a、262a、362a、462a 第1クラッド
62b、162b、262b、362b、462b 第2クラッド
63、163a、163b、163c、163d、263a、263b、263c、263d、263e、263f、263g、363 エルビウム添加領域
452a1、462a1 弧
452a2、462a2 弦
D1、D2a、D2b、D11、D12a、D12b、D21、D22a、D22b 直径
D3a、D13a、D23a 内径
D3b、D13b、D23b 外径
D3c、D23c 直径
La 信号光
Lc1 合波光
Lc2 合波光
Lc3 合波光
Le 励起光
Ls 信号光
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 第3領域
R4 第4領域
R5 第5領域
R6 第6領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15