(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136154
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B60S 3/04 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B60S3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047159
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】徳永 良二
(72)【発明者】
【氏名】金丸 慎治
(72)【発明者】
【氏名】澤田 源一
(72)【発明者】
【氏名】森本 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026AA12
3D026AA19
3D026AA25
(57)【要約】
【課題】省スペース化を図りながら車両を良好に洗浄可能な洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置(1)は、洗浄装置本体(10)と、位置センサ(30)と、制御部と、を備えている。洗浄装置本体(10)は、一対の支柱(11)および水平部(12)を有する。水平部(12)は、洗浄液(L)を噴射するノズル(131,132,133)を有するとともに、凹部(14)に収容可能である。制御部は、水平部(12)の上下方向の位置および洗浄液(L)の噴射方向を制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象である車両の幅方向の両側に立設される一対の支柱、および前記支柱間に架設されるとともに昇降動作が可能な水平部が設けられた洗浄装置本体と、
前記車両の位置に関する位置情報を取得する位置センサと、
制御部と、を備え、
前記水平部は、前記車両に対して洗浄液を噴射するノズルを有するとともに、前記昇降動作によって、前記車両の走行面に設けられた凹部に収容可能であり、
前記制御部は、前記車両を洗浄する場合に、前記位置情報に基づいて、前記水平部の上下方向の位置および前記洗浄液の噴射方向を制御する、洗浄装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記支柱間を通過している間、前記水平部が前記凹部に収容された状態となるよう制御する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記車両が前記支柱間を通過している間、前記洗浄液が上方に噴射されるよう、前記噴射方向を制御する、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記車両の前部から後部に向かう方向を第1方向、前記第1方向の反対に向かう方向を第2方向とした場合、
前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記洗浄装置本体よりも前記第1方向または前記第2方向側に位置していると判断した場合、前記洗浄液が前記第1方向または前記第2方向に噴射されるよう、前記噴射方向を制御する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記車両の高さを検知する車高センサをさらに備え、
前記制御部は、前記車高センサから取得する高さ情報に基づいて、前記車両を洗浄するときの前記水平部の高さを制御する、請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記車両の前部から後部に向かう方向を第1方向、前記第1方向の反対に向かう方向を第2方向とした場合、
前記水平部は、前記第1方向に前記洗浄液を噴射する第1ノズル、前記第2方向に洗浄液を噴射する第2ノズル、および上方に向けて前記洗浄液を噴射する第3ノズルを備えており、
前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記洗浄液を噴射するノズルを切り替えることにより、前記洗浄液の噴射方向を制御する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記水平部は、長手軸を回転軸として回転可能に構成されており、前記制御部は、前記水平部を回転させることにより、前記洗浄液の噴射方向を制御する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記支柱間に架設されるとともに昇降動作が可能な第2水平部をさらに備え、
前記第2水平部は、前記車両に対して洗浄液を噴射するノズルを有しており、
前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記支柱間を通過する前に、前記第2水平部が前記車両よりも上方に移動するよう制御する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記支柱間を通過している間、前記洗浄液が下方に噴射されるよう、前記第2水平部から噴射される前記洗浄液の噴射方向を制御する、請求項8に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記支柱は、前記車両の側面を洗浄する側方ノズルを備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を洗浄する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラシレスによる洗車を行う洗浄装置がある。例えば、特許文献1には、車体に洗浄水をジェット噴射する洗浄ユニットと、洗浄ユニットを昇降する昇降装置とを備えた洗車装置について記載されている。特許文献1の洗車装置では、昇降装置により洗浄ユニットを複数回昇降させることで、車体の汚れを確実に落とすことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の洗車装置では、車両が本体フレーム内を通過することができるように、本体フレームの高さを車高よりも高くする必要があり、洗車装置を配置するために広いスペースを確保する必要があるという課題がある。
【0005】
本発明の一態様は、省スペース化を図りながら車両を良好に洗浄可能な洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る洗浄装置は、洗浄対象である車両の幅方向の両側に立設される一対の支柱、および前記支柱間に架設されるとともに昇降動作が可能な水平部が設けられた洗浄装置本体と、前記車両の位置に関する位置情報を取得する位置センサと、制御部と、を備えている。前記水平部は、前記車両に対して洗浄液を噴射するノズルを有するとともに、前記昇降動作によって、前記車両の走行面に設けられた凹部に収容可能である。前記制御部は、前記車両を洗浄する場合に、前記位置情報に基づいて、前記水平部の上下方向の位置および前記洗浄液の噴射方向を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、省スペース化を図りながら車両を良好に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る洗浄装置の概略正面図である。
【
図2】実施形態1に係る洗浄装置の概略側面図である。
【
図3】実施形態1に係る洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る洗浄装置の制御部による車両洗浄処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図4の車両前面洗浄処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1に係る洗浄装置による車両の前面洗浄時の様子を示す概略側面図である。
【
図7】
図4の車両側面及び下面洗浄処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1に係る洗浄装置による車両の側面洗浄時の様子を示す概略上面図である。
【
図9】実施形態1に係る洗浄装置による車両の下面洗浄時の様子を示す概略側面図である。
【
図10】
図4の車両後面洗浄処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態1に係る洗浄装置による車両の後面洗浄時の様子を示す概略側面図である。
【
図12】実施形態2に係る洗浄装置の制御部による車両側面及び上下面洗浄処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態2に係る洗浄装置の概略側面図である。
【
図14】実施形態3に係る洗浄装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1に係る洗浄装置1ついて、
図1~
図11を参照して説明する。
【0010】
[洗浄装置の構成]
図1は、洗浄装置1の概略正面図である。
図2は、洗浄装置1の概略側面図である。
図3は、洗浄装置1の構成を示すブロック図である。
図1~
図3に示すように、洗浄装置1は、洗浄装置本体10と、車高センサ20と、位置センサ30と、支持台40と、制御部50と、を備えている。なお、
図2では、車高センサ20を図示省略している。
【0011】
洗浄装置1は、例えば、ガソリンスタンド等に設置され、車両Xを洗浄する装置である。洗浄装置1は、洗浄装置1により洗浄可能な位置まで車両Xが走行して洗浄を行う自走式のものであるとする。なお、洗浄装置1が洗浄対象とする車両Xは、例えば、トラック、バス等の大型車両であってもよいし、ダンプカーやパッカー車等の特殊車両であってもよい。以下、説明の便宜上、
図1及び
図2の矢印に示されるように、洗浄装置1の上下方向、左右方向、及び前後方向を定義する。
【0012】
図1及び
図2に示すように、洗浄装置本体10は、一対の支柱11と、水平部12とを有している。一対の支柱11は、左右方向に所定の間隔をあけて、車両Xの走行面Rを走行する車両Xの幅方向の両側に立設されている。
【0013】
各支柱11の内側側面には、それぞれ側方ノズル15が設けられている。この場合、側方ノズル15は、各支柱11に4つずつ設けられている。各側方ノズル15は、走行面Rを走行する車両Xの側面に洗浄液Lを噴射することで、車両Xの側面を洗浄する。
【0014】
水平部12は、一対の支柱11間に架設されている。水平部12は、各支柱11に対して、
図1の白抜き矢印で示されるように、上下方向に昇降動作可能に支持されている。洗浄装置本体10は、水平部12を上下方向に沿って昇降移動させる駆動機構(図示省略)を備えている。制御部50は、駆動機構を介して、水平部12の昇降動作を制御することにより、車両Xの洗浄を良好に行う。
【0015】
ここで、車両Xの走行面Rにおける水平部12の真下には、矩形箱状の凹部14が設けられている。凹部14の上面には、開口部が形成されている。凹部14の開口部には、開口部を開閉するカバー16が取り付けられている。制御部50は、カバー16の開閉を制御する。水平部12は、走行面Rに設けられた凹部14に収容可能に構成されている。
【0016】
また、水平部12は、複数の第1ノズル131と、複数の第2ノズル132と、複数の第3ノズル133とを有している。この場合、第1ノズル131、第2ノズル132、及び第3ノズル133は、4つずつ設けられている。各第1ノズル131、各第2ノズル132、及び各第3ノズル133は、水平部12に固定されている。各第1ノズル131、各第2ノズル132、及び各第3ノズル133は、それぞれ左右方向に間隔をあけて並んで配置されている。第1ノズル131、第2ノズル132、及び第3ノズル133は、本開示に係る車両Xに対して洗浄液Lを噴射するノズルの一例である。
【0017】
各第1ノズル131、各第2ノズル132、各第3ノズル133、及び各側方ノズル15は、シャンプー等を含む洗浄液Lが貯留された図示しないタンクに接続され、当該タンクから洗浄液Lが供給されるようになっている。
【0018】
図2に示すように、第1ノズル131は、第1方向に洗浄液Lを噴射する。第1方向は、車両Xの前部から後部に向かう方向であり、後方に相当する。第2ノズル132は、第2方向に洗浄液Lを噴射する。第2方向は、第1方向と反対の方向であり、前方に相当する。第3ノズル133は、上方に向けて洗浄液Lを噴射する。なお、第1ノズル131、第2ノズル132、及び第3ノズル133の数は、適宜変更可能であるとする。
【0019】
図1に示すように、一対の支柱11には、車高センサ20が設けられている。車高センサ20は、車両Xの高さを検知するためのセンサである。車高センサ20は、例えば、複数の投光部20aと、複数の受光部20bとを有して構成されるエリアセンサである。複数の投光部20aは、一方の支柱11に上下方向に間隔をあけて配置され、他方の支柱11に向けて水平に光を出射する。複数の受光部20bは、他方の支柱11における各投光部20aに対応する位置に上下方向に間隔をあけて配置され、各投光部20aからの光を受光する。車高センサ20は、車両Xによって遮光される光軸の数に基づいて車両Xの高さを検知し、検知した車両Xの高さに関する高さ情報を、制御部50へ出力する。なお、車高センサ20の配置位置や配置個数は、適宜変更可能である。
【0020】
一方の支柱11の前方及び後方には、例えば、3つの支持台40が立設されていてもよい。各支持台40には、それぞれ位置センサ30が設けられている。3つの位置センサ30のうち最も前方に位置する位置センサ30は、洗浄装置本体10の前方に配置されている。洗浄装置本体10の後方には、2つの位置センサ30が前後方向に間隔をあけて配置されている。各位置センサ30は、車両Xの位置に関する位置情報を取得する。
【0021】
具体的には、位置センサ30は、例えば、投光部と、受光部とを有して構成される。位置センサ30は、投光部から車両Xにレーザー光を出射し、反射した光を受光部により受けることで、車両Xの位置を検知するセンサである。位置センサ30は、投光部からレーザー光を出射してから受光部により受光するまでの時間、及び受光した光の角度に基づいて、車両Xの位置を検知する。また、
図6に示す3つの位置センサ30のうち最も後方に位置する位置センサ30により、車両Xが前進していることを検知可能である。
【0022】
図3に示すように、制御部50は、車両位置推定部51と、昇降動作制御部52と、ノズル制御部53とを有している。制御部50は、洗浄装置本体10に内蔵されていてもよいし、洗浄装置本体10の外部に配置されていてもよい。
【0023】
制御部50は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成され、メモリに格納された制御プログラムをプロセッサ上で実行することで、各種の制御を行う。制御部50は、車高センサ20及び位置センサ30等の検知結果に基づいて、洗浄装置本体10の水平部12、第1ノズル131、第2ノズル132、第3ノズル133、及び側方ノズル15等の駆動を制御する。
【0024】
車両位置推定部51は、位置センサ30による検知結果に基づいて、車両Xの位置を推定する。例えば、車両位置推定部51は、位置センサ30による検知結果に基づいて、車両Xの前後方向における位置を推定する。昇降動作制御部52は、車高センサ20による検知結果に基づいて、水平部12の昇降動作を制御する。昇降動作制御部52は、車高センサ20から取得する車両Xの高さ情報に基づいて、水平部12の高さを制御することにより、車両Xの車高に応じた範囲において効率良く洗車を行う。
【0025】
ノズル制御部53は、位置センサ30から取得する車両Xの位置情報に基づいて、洗浄液Lを噴射するノズルを、第1ノズル131、第2ノズル132、及び第3ノズル133のいずれかに切り替えることにより、洗浄液Lの噴射方向を制御する。
【0026】
[制御部による車両洗浄処理の流れ]
次に、洗浄装置1の制御部50による車両洗浄処理の流れの一例について、
図4~
図11を参照して説明する。
図4は、洗浄装置1の制御部50による車両洗浄処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、実施形態1では、制御部50は、車両前面洗浄処理(S1)と、車両側面及び下面洗浄処理(S2)と、車両後面洗浄処理(S3)とを順に実行する。なお、
図4に示すフローチャートは一例であり、これに限定されない。
【0027】
まず、ユーザは、洗浄装置本体10に設けられた操作部(図示省略)を操作することにより、洗車条件の設定、洗車料金の支払い等を行う。洗車条件としては、車両の形状、洗車処理の方法、各種装備品の有無等が含まれる。洗車処理の方法には、水洗い、シャンプー洗い、ワックス・コーティングの有無等がある。本実施形態では、車両洗浄処理において、例えばシャンプー洗いを実施する場合について説明する。
【0028】
<車両前面洗浄処理>
図5は、
図4の車両前面洗浄処理S1の流れの一例を示すフローチャートである。
図6は、洗浄装置1による車両Xの前面洗浄時の様子を示す概略側面図である。なお、
図6では、車高センサ20を図示省略している。洗車条件の設定及び洗車料金の支払い等が完了すると、制御部50は、図示しない表示部又はスピーカ等を制御することにより、ユーザに対して、車両Xを洗浄装置1により洗車が開始可能な位置まで移動させるよう案内する。ユーザは、例えば洗浄装置本体10の後方側の所定位置に、車両Xを停車させる。
【0029】
続いて、
図5に示すように、制御部50は、位置センサ30により車両Xの位置情報を取得開始する(S11)と共に、車高センサ20により車両Xの高さ情報を取得開始する(S12)。このとき、ユーザは、洗浄装置1により洗車が開始可能な位置まで車両Xを移動させる。
【0030】
S12の後、制御部50は、位置センサ30により取得された車両Xの位置情報に基づいて、車両Xが洗浄装置本体10の前方側の所定位置に位置しているか否かを判定する(S13)。所定位置は、洗浄装置1により車両Xを適切に洗浄可能な位置である。
【0031】
制御部50は、車両位置推定部51により、車両Xが洗浄装置本体10よりも後方側の所定位置に位置していると判断した場合(S13:YES)、昇降動作制御部52により、第1ノズル131が車両Xの前面と対向する位置となるよう、水平部12の上下方向の位置を制御する。つまり、昇降動作制御部52は、位置センサ30により取得された車両Xの位置情報に基づいて、水平部12の上下方向の位置を制御する(S14)。また、昇降動作制御部52は、車高センサ20から取得する車両Xの高さ情報に基づいて、
図6の白抜きの矢印で示されるように、車両Xの高さに応じて水平部12の上下方向の位置を制御してもよい。S14において、昇降動作制御部52は、例えば、車両Xの前面における高さ方向の中央位置に、水平部12が位置するようにしてもよい。あるいは、昇降動作制御部52は、車高センサ20から取得する車両Xの高さ情報に基づいて、水平部12を車両Xの洗浄に適切な高さ範囲において、上下方向に往復動作させてもよい。
【0032】
S14の後、制御部50は、位置センサ30により取得された車両Xの位置情報に基づいて、噴射方向を制御する。具体的には、制御部50が、車両Xが洗浄装置本体10よりも第1方向側の所定位置に位置していると判断した場合、ノズル制御部53は、第1ノズル131から洗浄液Lを噴射させることにより、
図6に示すように、第1方向に洗浄液Lを噴射する(S15)。このとき、第2ノズル132および第3ノズル133からは洗浄液Lは噴射されない。つまり、制御部50は、洗浄液Lを噴射するノズルを第1ノズル131に切り替えることにより、洗浄液Lが第1方向に噴射されるよう、噴射方向を制御する。このようにして、洗浄液Lの周囲への飛水を低減しながら、車両Xの前面を良好に洗浄することができる。
【0033】
S15の後、制御部50は、車両Xの前面洗浄が終了したか否かを判断する(S16)。S16において、制御部50は、例えば、車両Xの前面洗浄が開始されてから所定時間が経過したか否かに基づいて、車両Xの前面洗浄が終了したか否かを判断する。所定時間は、車両Xの洗車条件等により予め設定されているものとする。制御部50は、車両Xの前面洗浄が終了したと判断した場合(S16:YES)、
図5に示す車両前面洗浄処理S1を終了する。
【0034】
<車両側面及び下面洗浄処理>
図4に戻り、S1の後、制御部50は、車両側面及び下面洗浄処理を実行する(S2)。ここで、
図7は、
図4の車両側面及び下面洗浄処理S2の流れの一例を示すフローチャートである。
図8は、洗浄装置1による車両Xの側面洗浄時の様子を示す概略上面図である。
図9は、洗浄装置1による車両Xの下面洗浄時の様子を示す概略側面図である。なお、
図9では、車高センサ20を図示省略している。
【0035】
図7のフローチャートにおいて、制御部50は、凹部14のカバー16を開放すると共に、昇降動作制御部52により、水平部12を下方へ移動させて、
図9に示すように、走行面Rに設けられた凹部14に水平部12を収容させる(S21)。
【0036】
そして、制御部50は、位置センサ30により取得される位置情報に基づいて、昇降動作制御部52により、車両Xが一対の支柱11間を通過している間、水平部12が凹部14に収容された状態となるよう、水平部12の上下方向の位置を制御する。
【0037】
S21の後、制御部50のノズル制御部53は、
図8に示すように、側方ノズル15から車両Xの両側面に洗浄液Lを噴射する(S22)ことにより、車両Xの側面洗浄を開始する。更に、ノズル制御部53は、位置センサ30により取得される位置情報に基づいて、車両Xが一対の支柱11間を通過している間、
図9に示すように、凹部14に収容された水平部12の第3ノズル133から上方に洗浄液Lを噴射する(S23)ことにより、車両Xの下面洗浄を開始する。
【0038】
S23の後、制御部50は、車両Xの側面及び下面洗浄が終了したか否かを判断する(S24)。S24において、制御部50は、例えば、位置センサ30の検知結果に基づいて、車両Xが一対の支柱11の間を通過完了したか否かを判定し、車両Xが一対の支柱11の間を通過完了した場合に、車両Xの側面及び下面洗浄が終了したと判断する。
【0039】
制御部50は、車両Xの側面及び下面洗浄が終了したと判断した場合(S24:YES)、
図7に示す車両側面及び下面洗浄処理S2を終了する。なお、S24における車両Xの側面及び下面洗浄が終了したか否かの判定は、車両Xの側面及び下面洗浄が開始されてから所定時間が経過したか否かによって判定されてもよい。このとき、ユーザは、洗浄装置本体10の前方の所定位置まで、車両Xを移動させた後に停車させる。
【0040】
<車両後面洗浄処理>
図4に戻り、S2の後、制御部50は、車両後面洗浄処理を実行する(S3)。ここで、
図10は、
図4の車両後面洗浄処理S3の流れを示すフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、制御部50は、昇降動作制御部52により、水平部12を凹部14から上方へ移動させる(S31)。水平部12が凹部14から抜け出すと、制御部50は、凹部14のカバー16を閉鎖させる。
【0041】
続いて、制御部50は、車両位置推定部51により、車両Xが洗浄装置本体10よりも前方側の所定位置に位置していると判断した場合、昇降動作制御部52により、第2ノズル132が車両Xの後面と対向する位置となるよう、水平部12の上下方向の位置を制御する。つまり、昇降動作制御部52は、位置センサ30により取得された車両Xの位置情報に基づいて、水平部12の上下方向の位置を制御する(S32)。また、昇降動作制御部52は、車高センサ20により取得された車両Xの高さ情報に基づいて、
図11の白抜きの矢印で示されるように、車両Xの高さに応じて水平部12の上下方向の位置を制御してもよい。S32において、昇降動作制御部52は、例えば、車両Xの前面における高さ方向の中央位置に、水平部12が位置するようにしてもよい。あるいは、昇降動作制御部52は、車高センサ20から取得する車両Xの高さ情報に基づいて、水平部12を車両Xの洗浄に適切な高さ範囲において、上下方向に往復動作させてもよい。なお、
図11では、車高センサ20を図示省略している。
【0042】
S32の後、制御部50は、位置センサ30により取得された車両Xの位置情報に基づいて、噴射方向を制御する。具体的には、制御部50は、車両Xが洗浄装置本体10よりも第2方向側の所定位置に位置していると判断した場合、ノズル制御部53により、第2ノズル132から洗浄液Lを噴射させることにより、
図11に示すように、第2方向に洗浄液Lを噴射する(S33)。このとき、第1ノズル131及び第3ノズル133からは洗浄液Lは噴射されない。つまり、制御部50は、洗浄液Lを噴射するノズルを第2ノズル132に切り替えることにより、洗浄液Lが第2方向に噴射されるよう、噴射方向を制御する。これにより、洗浄液Lの周囲への飛水を低減しながら、車両Xの後面を良好に洗浄することができる。
【0043】
S33の後、制御部50は、S16と同様にして、車両Xの後面洗浄が終了したか否かを判定し(S34)、車両Xの後面洗浄が終了したと判断した場合(S34:YES)、
図10に示す車両後面洗浄処理S3を終了する。このようにして、洗浄装置1による車両洗浄処理を完了する。
【0044】
なお、制御部50は、車両洗浄処理が終了すると、設定された洗車条件に従って、例えば、強風により洗浄液Lの水切りを行う水切り処理、純水を用いて車両Xの仕上げ洗浄を行う仕上げ洗浄処理、送風により車両Xを乾燥させる乾燥処理等を実行する。
【0045】
以上説明した実施形態1の洗浄装置1によれば、制御部50により、車両Xの位置情報に基づいて、洗浄液Lを噴射するノズルを第1ノズル131、第2ノズル132、及び第3ノズル133のいずれかに切り替えると共に、水平部12の上下方向の位置および洗浄液Lの噴射方向を制御することで、車両Xの周囲への飛水を低減しながら、車両Xの前面、後面、及び下面を適切に洗浄することができる。このようにして、簡易な構成で、省スペース化を図りながら、車両Xの洗浄を良好に行うことができる。
【0046】
特に、水平部12が走行面Rに設けられた凹部14に収容可能に構成されているので、制御部50により、車両Xが支柱11間を通過している間、
図9に示すように、水平部12を凹部14に収容された状態とし、第3ノズル133から洗浄液Lが上方に噴射されるように制御することで、洗浄液Lの周囲への飛水を防ぎながら、車両Xの下面をより確実に洗浄することができる。
【0047】
また、一対の支柱11にそれぞれ設けられた側方ノズル15によって、支柱11間を通過している車両Xの側面を良好に洗浄することができる。
【0048】
〔実施形態2〕
次に、本発明の実施形態2の洗浄装置1Aについて、
図12及び
図13を参照して説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0049】
[洗浄装置の構成]
図13は、洗浄装置1Aの概略側面図である。
図13に示すように、実施形態2の洗浄装置1Aでは、洗浄装置本体10Aは、第1水平部12Aに加えて、第2水平部12Bを備えている点が、実施形態1の洗浄装置1と異なる。
【0050】
洗浄装置本体10Aは、一対の支柱11と、第1水平部12Aと、第2水平部12Bとを有している。一対の支柱11は、左右方向に所定の間隔をあけて、走行面Rを走行する車両Xの幅方向の両側に立設されている。なお、一対の支柱11には、
図13では省略するが、
図1と同様に車高センサ20が配置されているものとする。
【0051】
第1水平部12Aは、支柱11間に架設され、支柱11の上下方向の中央部と凹部14との間で昇降動作が可能に構成されている。第1水平部12Aは、複数の第1ノズル131Aと、複数の第2ノズル132Aと、複数の第3ノズル133Aとを有している。各第1ノズル131A、各第2ノズル132A、及び各第3ノズル133Aは、それぞれ左右方向に並んで配置されている。
【0052】
第1ノズル131Aは、第1方向、即ち後方に洗浄液Lを噴射する。第2ノズル132Aは、第2方向、即ち前方に洗浄液Lを噴射する。第3ノズル133Aは、上方に洗浄液Lを噴射する。
【0053】
第2水平部12Bは、支柱11間に架設され、支柱11の上下方向の上部と中央部との間で昇降動作が可能に構成されている。第1水平部12Aは、複数の第1ノズル131Bと、複数の第2ノズル132Bと、複数の第4ノズル133Bとを有している。各第1ノズル131B、各第2ノズル132B、及び各第4ノズル133Bは、それぞれ左右方向に並んで配置されている。
【0054】
第1ノズル131Bは、第1方向、即ち後方に洗浄液Lを噴射する。第2ノズル132Bは、第2方向、即ち前方に洗浄液Lを噴射する。第4ノズル133Bは、下方に洗浄液Lを噴射する。
【0055】
[制御部による洗浄処理の流れ]
図12は、洗浄装置1Aの制御部50による車両側面及び上下面洗浄処理S2Aの流れの一例を示すフローチャートである。実施形態2の洗浄装置1Aでは、制御部50は、
図4の車両側面及び下面洗浄処理S2の代わりに、
図12に示す車両側面及び上下面洗浄処理S2Aを実行する。
【0056】
<車両側面及び下面洗浄処理>
図4の車両前面洗浄処理S1が終了し、車両Xが支柱11間に進入すると、制御部50は、
図12に示す車両側面及び上下面洗浄処理S2Aを行う。
図12に示すフローチャートにおいて、制御部50は、カバー16を開放させた後に、昇降動作制御部52により、第1水平部12Aを下方へ移動させて、第1水平部12Aを凹部14に収容させる(S41)。
【0057】
また、昇降動作制御部52は、車両が支柱間を通過する前に、第2水平部12Bを車両Xよりも上方へ移動させる(S42)。これにより、第2水平部12Bが車両Xの進行を妨げることを防止している。S42の後、制御部50のノズル制御部53は、側方ノズル15から車両Xの両側面に洗浄液Lを噴射する(S43)。
【0058】
S43の後、ノズル制御部53は、第1水平部12Aの第3ノズル133Aから上方に洗浄液Lを噴射する(S44)ことにより、車両Xの下面を洗浄する。更に、ノズル制御部53は、第2水平部12Bの第4ノズル133Bから下方に洗浄液Lを噴射する(S45)ことにより、車両Xの上面を洗浄する。
【0059】
S45の後、車両Xの側面及び上下面洗浄が終了したか否かを判断する(S46)。S46において、制御部50の車両位置推定部51は、例えば位置センサ30の検知結果に基づいて、車両Xが一対の支柱11の間を通過完了したか否かを判定し、車両Xが一対の支柱11の間を通過完了した場合に、車両Xの側面及び上下面洗浄が終了したと判断する。
【0060】
制御部50は、車両Xの側面及び上下面洗浄が終了したと判断した場合(S46:YES)、
図12に示す車両側面及び上下面洗浄処理S2Aを終了する。そして、制御部50は、
図4の車両後面洗浄処理S3を実行する。
【0061】
以上説明した実施形態2の洗浄装置1Aによれば、車両Xが支柱11間を通過している間に、側方ノズル15から車両Xの側面に洗浄液Lを噴射し(S43)、凹部14に収容された第3ノズル133Aから上方に洗浄液Lを噴射し(S44)、更に、第2水平部12Bの第4ノズル133Bから下方に洗浄液Lを噴射する(S45)ことにより、車両Xの側面及び上下面を同時に洗浄できる。これにより、車両Xの洗浄を迅速に行うことができる。
【0062】
〔実施形態3〕
次に、本発明の実施形態3の洗浄装置1Cについて、
図14を参照して説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0063】
図14は、実施形態3に係る洗浄装置1Cの概略側面図である。
図14に示すように、実施形態3の洗浄装置1Cでは、洗浄装置本体10Cの水平部12Cは、長手軸を回転軸として回転可能に構成されている。水平部12Cは、左右方向に間隔をあけて並べられた複数のノズル131Cを有している。なお、水平部12Cは、1つのノズル131Cを有していてもよい。
【0064】
制御部50は、水平部12Cを回転させることにより、洗浄液Lの噴射方向を制御する。具体的には、制御部50のノズル制御部53は、水平部12Cを回転させることで、ノズル131Cの噴射方向を第1方向と第2方向と上方向とに切り替える。なお、一対の支柱11には、
図14では省略するが、
図1と同様に車高センサ20が配置されているものとする。
【0065】
[制御部による車両洗浄処理の流れ]
<車両後面洗浄処理>
実施形態3の洗浄装置1Cでは、
図7に示す車両側面及び下面洗浄処理S2におけるS23の処理内容、及び
図10に示す車両後面洗浄処理S3におけるS33の処理内容が、実施形態1の洗浄装置1と異なる。
【0066】
図7のS23において、ノズル制御部53は、水平部12Cを回転させることにより、ノズル131Cの噴射方向が第1方向から上方向になるようにして、車両Xの下面に噴射液Lを噴射することにより、車両Xの下面洗浄を行う。
【0067】
また、
図10のS33において、ノズル制御部53は、水平部12Cを回転させることにより、ノズル131Cの噴射方向が第1方向から第2方向、即ち前方になるようにして、車両Xの後面に噴射液Lを噴射することにより、車両Xの後面洗浄を行う。
【0068】
以上説明した実施形態3の洗浄装置1Cにおいても、実施形態1の洗浄装置1と同様の効果を得ることができる。特に、水平部12Cが長手軸を回転軸として回転可能に構成されているので、制御部50により水平部12Cを回転させることで、洗浄液Lの噴射方向を自在に変更できる。これにより、車両Xの前面や後面に傾斜部がある場合であっても、傾斜部に応じて洗浄液Lの噴射方向を調節することで、より良好に車両Xの洗浄を行うことができる。
【0069】
〔その他の実施形態〕
上記した実施形態1では、水平部12は、複数の第1ノズル131と、複数の第2ノズル132と、複数の第3ノズル133とを有しているものとしたが、これに限定されない。例えば、水平部12は、第1ノズル131、第2ノズル132、及び第3ノズル133に加えて、下方に洗浄液Lを噴射する第4ノズルを有していてもよい。
【0070】
また、上記した実施形態1~3では、洗浄装置1,1A,1Cは、車高センサ20及び位置センサ30を有するものとしたが、これに限らず、他にも、例えば形状センサを有していてもよい。この形状センサは、光電センサや超音波センサ等からなり、車両Xの外面形状を検知する。制御部50は、形状センサによる検知結果に基づいて、水平部12の上下方向の位置や、第1ノズル131、第2ノズル132、及び第3ノズル133の噴射方向を制御することで、より適切に車両Xの洗浄を行うことが可能となる。
【0071】
また、上記した実施形態1では、各第1ノズル131、各第2ノズル132、及び各第3ノズル133は、水平部12に固定されているものとしたが、これに限らず、首振り動作可能な構成となっていてもよい。この場合、制御部50により、車両Xの位置情報に応じて、各第1ノズル131、各第2ノズル132、及び各第3ノズル133の首振り角度を調節することで、より高品質な洗浄が可能となる。
【0072】
〔まとめ〕
(1)本開示の態様1に係る洗浄装置は、洗浄対象である車両の幅方向の両側に立設される一対の支柱、および前記支柱間に架設されるとともに昇降動作が可能な水平部が設けられた洗浄装置本体と、前記車両の位置に関する位置情報を取得する位置センサと、制御部と、を備えている。前記水平部は、前記車両に対して洗浄液を噴射するノズルを有するとともに、前記昇降動作によって、前記車両の走行面に設けられた凹部に収容可能である。前記制御部は、前記車両を洗浄する場合に、前記位置情報に基づいて、前記水平部の上下方向の位置および前記洗浄液の噴射方向を制御する。
【0073】
上記構成によれば、ノズルを有する水平部が走行面に設けられた凹部に収容可能に構成されているので、凹部に収容された水平部のノズルから洗浄液を車両の下面に噴射することで、車両の下面の洗浄を行うことができる。更に、制御部により、車両の位置情報に基づいて、水平部の上下方向の位置および洗浄液の噴射方向を制御することで、車両の前面、後面、及び上面を適切に洗浄できる。このようにして、簡易な構成で、省スペース化を図りながら車両の洗浄を良好に行うことができる。
【0074】
(2)本開示の態様2に係る洗浄装置では、上記態様1において、前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記支柱間を通過している間、前記水平部が前記凹部に収容された状態となるよう制御する。
【0075】
上記構成によれば、制御部により、車両が支柱間を通過している間、水平部が凹部に収容された状態となるよう制御することで、洗浄液の周囲への飛水を防ぎながら、車両の下面を適切に洗浄することができる。
【0076】
(3)本開示の態様3に係る洗浄装置では、上記態様1または2において、前記制御部は、前記車両が前記支柱間を通過している間、前記洗浄液が上方に噴射されるよう、前記噴射方向を制御する。
【0077】
上記構成によれば、制御部により、車両が支柱間を通過している間、洗浄液が上方に噴射されるよう噴射方向が制御されるので、周囲への飛水を低減しながら、車両の下面を確実に洗浄することができる。
【0078】
(4)本開示の態様4に係る洗浄装置では、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記車両の前部から後部に向かう方向を第1方向、前記第1方向の反対に向かう方向を第2方向とした場合、前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記洗浄装置本体よりも前記第1方向または前記第2方向側に位置していると判断した場合、前記洗浄液が前記第1方向または前記第2方向に噴射されるよう、前記噴射方向を制御する。
【0079】
上記構成によれば、制御部により、車両の位置情報に基づいて、洗浄液の噴射方向を第1方向または前記第2方向に切り替えることで、洗浄液の周囲への飛水を低減しながら、車両の前面及び後面を良好に洗浄することができる。
【0080】
(5)本開示の態様5に係る洗浄装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記車両の高さを検知する車高センサをさらに備えている。前記制御部は、前記車高センサから取得する高さ情報に基づいて、前記車両を洗浄するときの前記水平部の高さを制御する。
【0081】
上記構成によれば、制御部により、車両の高さ情報に基づいて、水平部の高さを制御することで、洗浄液の周囲への飛水を低減しながら、車両を良好に洗浄することができる。
【0082】
(6)本開示の態様6に係る洗浄装置では、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記車両の前部から後部に向かう方向を第1方向、前記第1方向の反対に向かう方向を第2方向とした場合、前記水平部は、前記第1方向に前記洗浄液を噴射する第1ノズル、前記第2方向に洗浄液を噴射する第2ノズル、および上方に向けて前記洗浄液を噴射する第3ノズルを備えている。前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記洗浄液を噴射するノズルを切り替えることにより、前記洗浄液の噴射方向を制御する。
【0083】
上記構成によれば、制御部により、車両の位置情報に基づいて、洗浄液を噴射するノズルを第1ノズル、第2ノズル、及び第3ノズルのいずれかに切り替えることで、周囲への飛水を低減しながら、車両の前面、後面、及び下面を適切に洗浄することができる。
【0084】
(7)本開示の態様7に係る洗浄装置では、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記水平部は、長手軸を回転軸として回転可能に構成されている。前記制御部は、前記水平部を回転させることにより、前記洗浄液の噴射方向を制御する。
【0085】
上記構成によれば、水平部が長手軸を回転軸として回転可能に構成されているので、制御部により水平部を回転させることで、簡易な構成で洗浄液の噴射方向を変えることができる。
【0086】
(8)本開示の態様8に係る洗浄装置は、上記態様1から7のいずれかにおいて、前記支柱間に架設されるとともに昇降動作が可能な第2水平部をさらに備えている。前記第2水平部は、前記車両に対して洗浄液を噴射するノズルを有している。前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記支柱間を通過する前に、前記第2水平部が前記車両よりも上方に移動するよう制御する。
【0087】
上記構成によれば、制御部により、車両が支柱間を通過する前に、第2水平部を車両よりも上方に移動させることによって、第2水平部が車両の進行を妨げることを防ぐことができる。
【0088】
(9)本開示の態様9に係る洗浄装置では、上記態様1から8のいずれかにおいて、前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記車両が前記支柱間を通過している間、前記洗浄液が下方に噴射されるよう、前記第2水平部から噴射される前記洗浄液の噴射方向を制御する。
【0089】
上記構成によれば、制御部により、車両が支柱間を通過している間、第2水平部から洗浄液が下方に噴射されるように制御されるので、周囲への飛水を低減しながら車両の上面を適切に洗浄することができる。
【0090】
(10)本開示の態様10に係る洗浄装置では、上記態様1から9のいずれかにおいて、前記支柱は、前記車両の側面を洗浄する側方ノズルを備える。この構成によれば、支柱に設けられた側方ノズルにより、支柱間を通過している車両の側面を良好に洗浄することができる。
【0091】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1、1A、1C 洗浄装置
10、10A10C 洗浄装置本体
11 支柱
12、12C 水平部
12A 第1水平部
12B 第2水平部
14 凹部
15 側方ノズル
20 車高センサ
30 位置センサ
50 制御部
131、131A、131B 第1ノズル(ノズル)
132、132A、132B 第2ノズル(ノズル)
133、133A 第3ノズル
133B 第4ノズル
131C ノズル
L 洗浄液