(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013616
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】コンステレーションシステム、衛星装置、通信方法、地上局、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 7/185 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H04B7/185
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115838
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昭吾
【テーマコード(参考)】
5K072
【Fターム(参考)】
5K072AA29
5K072BB02
5K072BB13
5K072BB22
5K072BB24
5K072DD03
5K072DD04
5K072EE04
5K072GG02
5K072GG05
5K072GG14
(57)【要約】
【課題】衛星装置と地上局との通信における即応性を向上させる。
【解決手段】コンステレーションシステム(100)は、複数の衛星装置(1A~1N)を備え、各衛星装置は、コマンドデータを複数の衛星装置(1A~1N)間においてリレーし、衛星情報を複数の衛星装置(1A~1N)においてリレーし、地上局と通信可能な衛星装置において、コマンドデータを受信し、衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛星装置を備え、
各衛星装置は、
衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、
地上局との通信を行う地上局通信手段と、
衛星情報を生成する情報生成手段と、を備え、
前記衛星間通信手段は、
何れかの衛星装置において前記地上局から受信したコマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーし、
各衛星装置が生成した前記衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーし、
前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な衛星装置において、
前記地上局から前記コマンドデータを受信し、
各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、
コンステレーションシステム。
【請求項2】
前記地上局と通信可能な衛星装置が備える衛星間通信手段は、当該衛星装置にリレーされた前記衛星情報を他の衛星装置にリレーせず、
前記地上局と通信可能な衛星装置以外の衛星装置が備える衛星間通信手段は、当該衛星装置にリレーされた前記コマンドデータを、前記地上局と通信可能な衛星装置にリレーしない、
請求項1に記載のコンステレーションシステム。
【請求項3】
前記各衛星装置は、前記複数の衛星装置のそれぞれの軌道を示す軌道情報を参照して、
前記地上局と通信可能な衛星装置において受信したコマンドデータを、当該地上局と通信可能な衛星装置にリレーするか否か、および
リレーされた衛星情報を他の衛星装置にリレーするか否か、
を判定する判定手段をさらに備える
請求項2に記載のコンステレーションシステム。
【請求項4】
前記衛星情報には、テレメトリデータおよびミッションデータの少なくとも何れかが含まれる、
請求項1~3の何れか1項に記載のコンステレーションシステム。
【請求項5】
前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づく前記データを前記地上局に送信する衛星装置は、前記地上局と通信可能であり、かつ、前記複数の衛星装置のうち前記地上局から最も距離が近い衛星装置である
請求項1~3の何れか1項に記載のコンステレーションシステム。
【請求項6】
複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置であって、
衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、
地上局との通信を行う地上局通信手段と、
衛星情報を生成する情報生成手段と、を備え、
前記衛星間通信手段は、
前記地上局通信手段が前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、
他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、
前記情報生成手段が生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、
他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、
前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な場合に、
前記地上局から前記コマンドデータを受信し、
各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、
衛星装置。
【請求項7】
前記衛星間通信手段は、
前記地上局と通信可能な場合、当該衛星装置にリレーされた前記衛星情報を他の衛星装置にリレーせず、
前記地上局と通信可能でない場合、当該衛星装置にリレーされた前記コマンドデータを、前記地上局と通信可能な衛星装置にリレーしない、
請求項6に記載の衛星装置。
【請求項8】
コンステレーションシステムが備える複数の衛星装置の各衛星装置が、
衛星装置間の通信を行うことと、
地上局との通信を行うことと、
衛星情報を生成することと、を含み、
前記地上局と通信を行うことにおいて、
前記地上局からコマンドデータを受信し、
前記衛星装置間の通信を行うことにおいて、
前記地上局と通信を行うことにおいて前記地上局から受信した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーし、
前記衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した前記衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーし、
前記地上局と通信を行うことにおいて、
前記衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、
通信方法。
【請求項9】
複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置が、
衛星装置間の通信を行うことと、
地上局との通信を行うことと、
衛星情報を生成することと、を含み、
前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局との通信を行うことにおいて、
前記地上局からコマンドデータを受信し、
前記衛星装置間の通信を行うことにおいて、
前記地上局との通信を行うことにおいて前記地上局から前記コマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、
各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信し、
前記地上局と通信可能ではない場合に、
他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、
前記衛星情報を生成することにおいて生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、
他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーする、
通信方法。
【請求項10】
コンピュータを複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置として機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、
地上局との通信を行う地上局通信手段と、
衛星情報を生成する情報生成手段と、として機能させ、
前記衛星間通信手段は、
前記地上局通信手段が前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、
他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、
前記情報生成手段が生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、
他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、
前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な場合に、
前記地上局から前記コマンドデータを受信し、
各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、
プログラム。
【請求項11】
複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局であって、
前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信する送信処理部と、
前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信する受信処理部と、
を備える地上局。
【請求項12】
複数の送受信設備を備え、前記複数の送受信設備のうちの1以上の送受信設備が送受信対象となる衛星装置を切り替えている間は、前記1以上の送受信設備以外の送受信設備を介して、前記地上局と通信可能な衛星装置との通信を行う、
請求項11に記載の地上局。
【請求項13】
複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局が、
前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信することと、
前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信することと、
を含む通信方法。
【請求項14】
コンピュータを、複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局として機能させるプログラムであって、
前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信する送信処理部と、
前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信する受信処理部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンステレーションシステム、衛星装置、通信方法、地上局、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の衛星によって形成されたコンステレーションに関連する技術が開示されている。
【0003】
特許文献1には、多数の衛星でコンステレーションを構成し、各々の衛星が、地球側に存在する多数の端末装置と、軌道側に存在する他の衛星と通信するLEO(Low Earth Orbit)衛星システムが開示されている。特許文献1に記載のLEO衛星システムでは、多数の衛星が協調して、地球側の各管理領域を交代しながら地球側に存在する特定の端末装置および複数の端末装置群を見守る構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/175696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のLEO衛星システムでは、衛星は、管理領域に存在する端末装置としか、通信することができないという問題がある。換言すると、地球側に存在する端末装置からは、当該端末装置が存在する管理領域に対応する衛星としか、通信することができない。そのため、地球側に存在する端末装置が、所定の衛星にデータを送信したり、当該所定の衛星からデータを受信したりする場合、即座にデータを送受信することができないので、衛星と地上の装置との通信における即応性が低いという問題があった。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、衛星装置と地上局との通信における即応性を向上させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るコンステレーションシステムは、複数の衛星装置を備え、各衛星装置は、衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、地上局との通信を行う地上局通信手段と、衛星情報を生成する情報生成手段と、を備え、前記衛星間通信手段は、何れかの衛星装置において前記地上局から受信したコマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーし、各衛星装置が生成した前記衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な衛星装置において、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する。
【0008】
本発明の一態様に係る衛星装置は、複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置であって、衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、地上局との通信を行う地上局通信手段と、衛星情報を生成する情報生成手段と、を備え、前記衛星間通信手段は、前記地上局通信手段が前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記情報生成手段が生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する。
【0009】
本発明の一態様に係る通信方法は、コンステレーションシステムが備える複数の衛星装置の各衛星装置が、衛星装置間の通信を行うことと、地上局との通信を行うことと、衛星情報を生成することと、を含み、前記地上局と通信を行うことにおいて、前記地上局からコマンドデータを受信し、前記衛星装置間の通信を行うことにおいて、前記地上局と通信を行うことにおいて前記地上局から受信した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーし、前記衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した前記衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーし、前記地上局と通信を行うことにおいて、前記衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する。
【0010】
本発明の一態様に係る通信方法は、複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置が、衛星装置間の通信を行うことと、地上局との通信を行うことと、衛星情報を生成することと、を含み、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局との通信を行うことにおいて、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、前記衛星装置間の通信を行うことにおいて、前記地上局との通信を行うことにおいて前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信し、前記地上局と通信可能ではない場合に、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記衛星情報を生成することにおいて生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーする。
【0011】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置として機能させるプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、地上局との通信を行う地上局通信手段と、衛星情報を生成する情報生成手段と、として機能させ、前記衛星間通信手段は、前記地上局通信手段が前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記情報生成手段が生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する。
【0012】
本発明の一態様に係る地上局は、複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局であって、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信する送信処理部と、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信する受信処理部と、を備える。
【0013】
本発明の一態様に係る通信方法は、複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局が、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信することと、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信することと、を含む。
【0014】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局として機能させるプログラムであって、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信する送信処理部と、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信する受信処理部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、衛星装置と地上局との通信における即応性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の例示的実施形態1に係るコンステレーションシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態1に係る通信方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態1に係る衛星装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態1に係る通信方法の流れを示すフロー図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態1に係る地上局の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の例示的実施形態1に係る通信方法の流れを示すフロー図である。
【
図7】本発明の例示的実施形態2に係るコンステレーションシステムの概要図である。
【
図8】本発明の例示的実施形態2に係るコンステレーションシステムの構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の例示的実施形態2に係るコンステレーションシステムにおけるコマンドデータの流れを示す図である。
【
図10】本発明の例示的実施形態2に係るコンステレーションシステムにおけるテレメトリデータの流れを示す図である。
【
図11】本発明の例示的実施形態3に係る地上局およびコンステレーションシステムの構成を示すブロック図である。
【
図12】本発明の例示的実施形態3に係る地上局とコンステレーションシステムとの間のデータの流れを示す図である。
【
図13】本発明の各例示的実施形態に係る衛星装置および地上局のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0018】
(コンステレーションシステム100の構成)
本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100の構成を示すブロック図である。
【0019】
コンステレーションシステム100は、
図1に示すように、複数の衛星装置1A~衛星装置1Nを備えている。コンステレーションシステム100が備える衛星装置の数は特に限定されない。
【0020】
コンステレーションシステム100では、各衛星装置は地球上に設置された通信可能な地上局と通信することができる。また、コンステレーションシステム100では、各衛星装置間において通信することができる。そのため、コンステレーションシステム100は、コンステレーションシステム100が備える複数の衛星装置を1つの大きな衛星装置として扱うことができるシステムである。
【0021】
コンステレーションシステム100が備える各衛星装置は、
図1に示すように、衛星間通信部101、地上局通信部102、および情報生成部103を備えている。衛星間通信部101、地上局通信部102、および情報生成部103は、それぞれ本例示的実施形態において、衛星間通信手段、地上局通信手段、および情報生成手段を実現する構成である。
【0022】
衛星間通信部101は、衛星装置間の通信を行う。一例として、衛星間通信部101は、何れかの衛星装置において地上局から受信したコマンドデータを複数の衛星装置間においてリレーする。また、衛星間通信部101は、各衛星装置が生成した衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーする。
【0023】
ここで、「コマンドデータ」とは、地上局が送信するデータであり、衛星装置を制御するための制御信号である。また、「衛星情報」とは、各衛星装置に関連した情報である。一例として、衛星情報には、各衛星装置のステータスおよび制御信号に対する応答を示すテレメトリデータ、ならびに各衛星装置が観測したミッションデータの少なくとも何れかが含まれる。
【0024】
また、「リレーする」とは、地上局または他の衛星装置から受信したデータを、当該他の衛星装置とは異なる衛星装置に送信することを指す。以下において、「リレーする」を、「中継する」とも表現する。
【0025】
地上局通信部102は、地上局との通信を行う。一例として、地上局通信部102は、地上局と通信可能な衛星装置において、地上局からコマンドデータを受信する。また、地上局通信部102は、地上局と通信可能な衛星装置において、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【0026】
ここで、「衛星情報に基づくデータ」とは、リレーされた衛星情報そのものであってもよいし、リレーされた衛星情報の一部であってもよし、リレーされた衛星情報を加工したデータであってもよい。一例として、リレーされた衛星情報に、当該衛星情報を受信した衛星装置における衛生情報を合成したデータが挙げられる。
【0027】
情報生成部103は、衛星情報を生成する。
【0028】
以上のように、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100においては、各衛星装置は、衛星装置間の通信を行う衛星間通信部101、地上局との通信を行う地上局通信部102、および衛星情報を生成する情報生成部103を備える構成が採用されている。
【0029】
そして、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100においては、衛星間通信部101は、何れかの衛星装置において地上局から受信したコマンドデータを複数の衛星装置間においてリレーし、各衛星装置が生成した衛星情報を複数の衛星装置間においてリレーする。また、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100においては、地上局通信部102は、地上局と通信可能な衛星装置において、地上局からコマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【0030】
このため、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100によれば、地上局から受信したコマンドデータを地上局と通信可能な衛星装置が受信し、受信されたコマンドデータは衛星装置間においてリレーされる。また、各衛星装置が生成した衛星情報は、各衛星装置間においてリレーされ、地上局と通信可能な衛星装置において地上局に送信される。したがって、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100は、複数の衛星装置を1つの大きな衛星として扱うことができるので、衛星装置と地上局との通信における即応性を向上させることができるという効果が得られる。
【0031】
(通信方法S100の流れ)
本例示的実施形態に係る通信方法S100の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、本例示的実施形態に係る通信方法S100の流れを示すフロー図である。
【0032】
(ステップS101)
ステップS101において、地上局と通信可能な衛星装置における地上局通信部102は、地上局と通信を行うことにおいて、地上局から前記コマンドデータを受信する。
【0033】
(ステップS102)
ステップS102において、衛星間通信部101は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、ステップS101において受信したコマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーする。
【0034】
(ステップS103)
ステップS103において、衛星間通信部101は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーする。
【0035】
(ステップS104)
ステップS104において、地上局と通信可能な衛星装置における地上局通信部102は、地上局と通信を行うことにおいて、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。地上局通信部102は、衛星情報に基づくデータとして、リレーされた衛星情報全てを地上局に送信してもよいし、リレーされた衛星情報の一部を地上局に送信してもよいし、リレーされた衛星情報に統計処理等の加工を行ってから地上局に送信してもよい。
【0036】
以上のように、本例示的実施形態に係る通信方法S100においては、衛星装置間の通信を行うことと、地上局との通信を行うことと、衛星情報を生成することと、が含まれている。
【0037】
そして、本例示的実施形態に係る通信方法S100においては、地上局と通信可能な衛星装置における地上局通信部102は、地上局と通信を行うことにおいて、地上局から前記コマンドデータを受信する。また、本例示的実施形態に係る通信方法S100においては、衛星間通信部101は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、何れかの衛星装置において地上局から受信したコマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーする。また、本例示的実施形態に係る通信方法S100においては、衛星間通信部101は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーする。また、本例示的実施形態に係る通信方法S100においては、地上局と通信可能な衛星装置における地上局通信部102は、地上局と通信を行うことにおいて、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【0038】
このため、本例示的実施形態に係る通信方法S100によれば、上述したコンステレーションシステム100と同様の効果が得られる。
【0039】
(衛星装置1の構成)
本例示的実施形態に係る衛星装置1の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、本例示的実施形態に係る衛星装置1の構成を示すブロック図である。
【0040】
衛星装置1は、複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置である。衛星装置1は、
図3に示すように、衛星間通信部11、地上局通信部12、および情報生成部13を備えている。衛星間通信部11、地上局通信部12、および情報生成部13は、それぞれ本例示的実施形態において、衛星間通信手段、地上局通信手段、および情報生成手段を実現する構成である。
【0041】
衛星間通信部11は、衛星装置間の通信を行う。一例として、衛星間通信部11は、後述する地上局通信部12が地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、コマンドデータを他の衛星装置に送信する。また、衛星間通信部11は、他の衛星装置において地上局から受信したコマンドデータを衛星装置間においてリレーする。また、衛星間通信部11は、後述する情報生成部13が生成した衛星情報を他の衛星装置に送信する。また、衛星間通信部11は、他の衛星装置が生成した衛星情報を衛星装置間においてリレーする。
【0042】
地上局通信部12は、地上局との通信を行う。一例として、地上局通信部12は、地上局と通信可能な場合に、地上局から前記コマンドデータを受信する。また、地上局通信部12は、地上局と通信可能な場合に、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【0043】
情報生成部13は、衛星情報を生成する。
【0044】
以上のように、本例示的実施形態に係る衛星装置1においては、衛星装置間の通信を行う衛星間通信部11、地上局との通信を行う地上局通信部12、および衛星情報を生成する情報生成部13を備える構成が採用されている。
【0045】
そして、本例示的実施形態に係る衛星装置1においては、衛星間通信部11は、地上局通信部12が地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、コマンドデータを他の衛星装置に送信し、他の衛星装置において地上局から受信したコマンドデータを衛星装置間においてリレーし、情報生成部13が生成した衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した衛星情報を衛星装置間においてリレーする。また、地上局通信部12は、地上局と通信可能な場合に、地上局からコマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【0046】
このため、本例示的実施形態に係る衛星装置1によれば、上述したコンステレーションシステム100と同様の効果が得られる。
【0047】
(通信方法S1の流れ)
本例示的実施形態に係る通信方法S1の流れについて、
図4を参照して説明する。
図4は、本例示的実施形態に係る通信方法S1の流れを示すフロー図である。
【0048】
(ステップS11)
ステップS11において、地上局通信部12は、地上局と通信可能か否かを判定する。
【0049】
(ステップS12)
ステップS11において、地上局と通信可能と判定された場合(ステップS11:YES)、ステップS12において、地上局通信部12は、地上局との通信を行うことにおいて、地上局からコマンドデータを受信する。
【0050】
(ステップS13)
ステップS13において、衛星間通信部11は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、地上局通信部12が地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、コマンドデータを他の衛星装置に送信する。
【0051】
(ステップS14)
ステップS14において、地上局通信部12は、地上局との通信を行うことにおいて、衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【0052】
(ステップS15)
一方、ステップS11において、地上局と通信可能ではないと判定された場合(ステップS11:NO)、ステップS15において、衛星間通信部11は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、何れかの衛星装置において地上局から受信したコマンドデータを複数の衛星装置間においてリレーする。
【0053】
(ステップS16)
ステップS16において、衛星間通信部11は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、衛星情報を生成することにおいて生成した衛星情報を他の衛星装置に送信する。
【0054】
(ステップS17)
ステップS17において、衛星間通信部11は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、他の衛星装置が生成した衛星情報を衛星装置間においてリレーする。
【0055】
以上のように、本例示的実施形態に係る通信方法S1においては、衛星装置間の通信を行うことと、地上局との通信を行うことと、衛星情報を生成することと、が含まれている。
【0056】
そして、本例示的実施形態に係る通信方法S1においては、地上局と通信可能な場合に、地上局通信部12は、地上局との通信を行うことにおいて、地上局からコマンドデータを受信し、衛星間通信部11は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、地上局通信部12が地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、コマンドデータを他の衛星装置に送信し、地上局通信部12は、地上局との通信を行うことにおいて、衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局に送信する。
【0057】
また、本例示的実施形態に係る通信方法S1においては、地上局と通信可能ではない場合に、衛星間通信部11は、衛星装置間の通信を行うことにおいて、何れかの衛星装置において地上局から受信したコマンドデータを複数の衛星装置間においてリレーし、衛星装置間の通信を行うことにおいて、衛星情報を生成することにおいて生成した衛星情報を他の衛星装置に送信し、衛星装置間の通信を行うことにおいて、他の衛星装置が生成した衛星情報を衛星装置間においてリレーする。
【0058】
このため、本例示的実施形態に係る通信方法S1によれば、上述したコンステレーションシステム100と同様の効果が得られる。
【0059】
(地上局4の構成)
本例示的実施形態に係る地上局4の構成について、
図5を参照して説明する。
図5は、本例示的実施形態に係る地上局4の構成を示すブロック図である。
【0060】
地上局4は、複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う。また、地上局4は、
図5に示すように、送信処理部41および受信処理部42を備えている。送信処理部41および受信処理部42は、それぞれ本例示的実施形態において、送信処理手段および受信処理手段を実現する構成である。
【0061】
送信処理部41は、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化したコマンドデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置に送信する。
【0062】
ここで、コマンドデータは、制御対象の衛星装置に応じた形式でコンステレーションシステムに送信される。一例として、コマンドデータがCDMA(Code Division Multiple Access)によるコード多重方式であれば、制御対象の衛星装置に応じてコードが異なり、コマンドデータが周波数多重方式であれば、制御対象の衛星装置に応じて周波数が異なる。また、コマンドデータcmdは、一般的な無線技術における多重化方式(例えば、TDMA(Time Division Multiple Access))によって多重化されてもよい。
【0063】
受信処理部42は、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置から受信する。
【0064】
以上のように、本例示的実施形態に係る地上局4は、複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局4であり、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化したコマンドデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置に送信する送信処理部41と、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置から受信する受信処理部42と、を備える構成が採用されている。
【0065】
このため、本例示的実施形態に係る地上局4によれば、コンステレーションシステムが備える複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置に多重化されたコマンドデータを送信し、コンステレーションシステムが備える複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置から多重化したデータを受信する。したがって、本例示的実施形態に係る地上局4によれば、衛星装置と地上局との通信における即応性を向上させることができるという効果が得られる。
【0066】
(通信方法S4の流れ)
本例示的実施形態に係る通信方法S4の流れについて、
図6を参照して説明する。
図6は、本例示的実施形態に係る通信方法S4の流れを示すフロー図である。
【0067】
(ステップS41)
ステップS41において、送信処理部41は、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化したコマンドデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置に送信する。
【0068】
(ステップS42)
ステップS42において、受信処理部42は、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置から受信する。
【0069】
以上のように、本例示的実施形態に係る通信方法S4においては、送信処理部41が、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化したコマンドデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置に送信することと、受信処理部42が、複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを複数の衛星装置のうちの地上局4と通信可能な衛星装置から受信することと、を含む構成が採用されている。
【0070】
このため、本例示的実施形態に係る通信方法S4によれば、上述した地上局4と同様の効果が得られる。
【0071】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0072】
(コンステレーションシステム100Aの概要)
本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aの概要について、
図7を参照して説明する。
図7は、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aの概要図である。
【0073】
コンステレーションシステム100Aは、
図7に示すように、複数の衛星装置1A~衛星装置1Dを備えている。コンステレーションシステム100Aが備える衛星装置の数は特に限定されない。
【0074】
また、複数の衛星装置1A~衛星装置1Dは、軌道ob上を動いている。複数の衛星装置1A~衛星装置1Dそれぞれの軌道も特に限定されない。コンステレーションシステム100Aにおける複数の衛星装置1A~衛星装置1Dそれぞれの軌道については、例えば、衛星装置の軌道に応じて、衛星装置の姿勢の情報を参照したり、衛星装置間の中継方式を追加したりすることにより、どのような軌道にも対応可能である。
【0075】
コンステレーションシステム100Aでは、複数の衛星装置1A~衛星装置1Dの何れかが地球ea上に設置された地上局esとデータの送受信を行う。そして、複数の衛星装置1A~衛星装置1D間において、当該データをリレーする。地上局esと複数の衛星装置1A~衛星装置1D間、および複数の衛星装置1A~衛星装置1D間では、一例として、RF(Radio Frequency)にてデータをリレーする。RFにてデータをリレーすることにより、コンステレーションシステム100Aでは、データをパケットおよびデパケットする場合に比べて、高速にデータをリレーすることができる。他の例として、地上局esと複数の衛星装置1A~衛星装置1D間、および複数の衛星装置1A~衛星装置1D間では、空間内を伝播するレーザー光を用いた光空間通信が行われる構成であってもよい。
【0076】
一例として、コンステレーションシステム100Aでは、地上局esから送信されたコマンドデータcmdを、コンステレーションシステム100Aが備える何れかの衛星装置が受信する。そして、コマンドデータcmdは、コンステレーションシステム100Aが備える複数の衛星装置間においてリレーされる。
【0077】
コマンドデータcmdは、制御対象の衛星装置に応じた形式で、地上局esから送信される。一例として、コマンドデータcmdがCDMAによるコード多重方式であれば、制御対象の衛星装置に応じてコードが異なり、コマンドデータcmdが周波数多重方式であれば、制御対象の衛星装置に応じて周波数が異なる。また、コマンドデータcmdは、一般的な無線技術における多重化方式(例えば、TDMA)によって多重化されてもよい。
【0078】
図7に示すコンステレーションシステム100Aでは、一例として、地球ea上に設置された地上局esから送信されたコマンドデータcmdを衛星装置1Aが受信している。衛星装置1Aは、受信したコマンドデータcmdを衛星装置1Bにリレーし、衛星装置1Bはコマンドデータcmdを衛星装置1Cにリレーし、衛星装置1Cはコマンドデータcmdを衛星装置1Dにリレーしている。複数の衛星装置1A~衛星装置1Dは、それぞれ、コマンドデータcmdを受信すると、自装置を制御するコマンドデータを抽出して実行する。
【0079】
また、コンステレーションシステム100Aでは、地上局esと通信可能な衛星装置以外の衛星装置は、当該衛星装置にリレーされたコマンドデータcmdを、地上局esと通信可能な衛星装置にリレーしない。
図7では、地上局esと通信可能な衛星装置1A以外の衛星装置1B~衛星装置1Dは、衛星装置1B~衛星装置1Dにおいてリレーされたコマンドデータcmdを、地上局esと通信可能な衛星装置1Aにリレーしない。
【0080】
また、コンステレーションシステム100Aでは、各衛星装置が生成した衛星情報が複数の衛星装置1A~衛星装置1D間においてリレーされ、コンステレーションシステム100Aが備える何れかの衛星装置が当該衛星情報を地上局esに送信する。衛星情報については、上述した通りである。
図7では、衛星情報として、テレメトリデータtlm、およびミッションデータmdが記載されている。
【0081】
衛星情報は、生成した衛星装置に応じた形式でリレーされる。一例として、衛星情報がCDMAによるコード多重方式によって生成された場合、生成した衛星装置に応じてコードが異なり、衛星情報が周波数多重方式によって生成された場合、生成した衛星装置に応じて周波数が異なる。また、衛星情報は、一般的な無線技術における多重化方式(例えば、TDMA)によって多重化されてもよい。
【0082】
図7に示すコンステレーションシステム100Aでは、一例として、衛星装置1Bは衛星情報を衛星装置1Cに送信し、衛星装置1Cは衛星情報を衛星装置1Dにリレーし、衛星装置1Dは衛星情報を衛星装置1Aにリレーし、衛星装置1Aは地上局esに衛星情報を送信している。
【0083】
また、コンステレーションシステム100Aでは、地上局esと通信可能な衛星装置は、当該衛星装置にリレーされた衛星情報を他の衛星装置にリレーしない。
図7では、地上局esと通信可能な衛星装置1Aは、衛星装置1Aにリレーされた衛星情報を、他の衛星装置1B~衛星装置1Dにリレーしない。
【0084】
コンステレーションシステム100Aにおけるコマンドデータcmd、および衛星情報の流れの詳細については、参照する図面を替えて後述する。
【0085】
ここで、地上局esからコマンドデータcmdを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局esに送信する衛星装置は、地上局esと通信可能であり、かつ、コンステレーションシステム100Aが備える複数の衛星装置のうち地上局esから最も距離が近い衛星装置であってもよい。当該構成により、コンステレーションシステム100Aでは、衛星装置と地上局との通信における即応性を向上させることができる。
【0086】
(コンステレーションシステム100Aの構成)
本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aの構成について、
図8を参照して説明する。
図8は、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aの構成を示すブロック図である。
【0087】
コンステレーションシステム100Aは、
図8にも示すように、複数の衛星装置1A~衛星装置1Dを備えている。衛星装置1B~衛星装置1Dは、衛星装置1Aと同様の機能を備えているため、以下では衛星装置1Aの機能について説明する。
【0088】
(衛星装置1A)
衛星装置1Aは、
図8に示すように、制御部10A、第1のアンテナ31A、第2のアンテナ32A、および記憶部33Aを備えている。
【0089】
第1のアンテナ31Aは、地上局esと通信するためのアンテナである。
【0090】
第2のアンテナ32Aは、衛星装置間の通信を行うためのアンテナである。
【0091】
記憶部33Aは、データを格納する記憶装置である。記憶部33Aに格納されているデータの一例として、衛星情報(テレメトリデータtlmおよびミッションデータmd)、および複数の衛星装置1A~衛星装置1Dのそれぞれの軌道を示す軌道情報が挙げられる。
【0092】
(制御部10A)
制御部10Aは、衛星装置1Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部10Aは、
図8に示すように、衛星間通信部11A、地上局通信部12A、情報生成部13A、実行部14A、および判定部15Aとしても機能する。衛星間通信部11A、地上局通信部12A、情報生成部13A、および判定部15Aは、それぞれ本例示的実施形態において、衛星間通信手段、地上局通信手段、情報生成手段、および判定手段を実現する構成である。
【0093】
衛星間通信部11Aは、衛星装置間の通信を行う。一例として、衛星間通信部11Aは、後述する地上局通信部12Aが地上局esからコマンドデータcmdを受信したことに応じて、コマンドデータcmdを他の衛星装置に送信する。また、衛星間通信部11Aは、他の衛星装置において地上局esから受信したコマンドデータcmdを衛星装置間においてリレーする。また、衛星間通信部11Aは、受信したコマンドデータcmdを多重化方式に基づいて検波および復調処理を行い、復調したコマンドデータcmdを実行部14Aに供給する。
【0094】
また、衛星装置1Aが地上局esと通信可能ではない場合、衛星装置1Aが備える衛星間通信部11Aは、衛星装置1Aにリレーされたコマンドデータcmdを、地上局esと通信可能な衛星装置にリレーしない。一例として、後述する判定部15Aの判定結果が、コマンドデータcmdをリレーしないであった場合、衛星間通信部11Aはコマンドデータcmdをリレーしない。
【0095】
また、衛星間通信部11Aは、後述する情報生成部13Aが生成した衛星情報を他の衛星装置に送信する。また、衛星間通信部11Aは、他の衛星装置が生成した衛星情報を衛星装置間においてリレーする。衛星間通信部11Aは、衛星情報を送信する場合、衛星情報に対して変調処理および信号増幅処理を行い、送信する。また、衛星間通信部11Aは、情報生成部13Aが生成した衛星情報と、他の衛星装置が生成した衛星情報とを合成し、衛星情報に基づくデータとして送信してもよい。
【0096】
また、衛星装置1Aが地上局esと通信可能な場合、衛星装置1Aが備える衛星間通信部11Aは、衛星装置1Aにリレーされた衛星情報を他の衛星装置にリレーしない。一例として、後述する判定部15Aの判定結果が、衛星情報をリレーしないであった場合、衛星間通信部11Aは衛星情報を他の衛星装置2B~衛星装置2Dにリレーしない。
【0097】
地上局通信部12Aは、地上局esとの通信を行う。一例として、地上局通信部12Aは、地上局からコマンドデータcmdを受信する。地上局通信部12Aは、受信したコマンドデータcmdを、多重化方式に基づいて検波および復調処理を行い、復調したコマンドデータcmdを実行部14Aに供給する。
【0098】
また、地上局通信部12Aは、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを地上局esに送信する。地上局通信部12Aは、衛星情報を送信する場合、衛星情報に対して変調処理および信号増幅処理を行い、送信する。
【0099】
情報生成部13Aは、衛星情報および衛星情報に基づくデータを生成する。一例として、情報生成部13Aは、記憶部33Aに格納されている衛星情報を取得し、衛星情報を生成する。他の例として、情報生成部13Aは、衛星間通信部11Aが受信した衛星情報に、記憶部33Aに格納されている衛星情報を合成したデータを生成し、衛星情報に基づくデータを生成する。
【0100】
実行部14Aは、コマンドデータcmdが示す制御を実行する。一例として、実行部14Aは、地上局通信部12Aから供給された、復調されたコマンドデータcmdが示す制御を実行する。他の例として、実行部14Aは、衛星間通信部11Aから供給された、復調されたコマンドデータcmdが示す制御を実行する。
【0101】
判定部15Aは、データを送信するか否か、およびデータを送信する場合のデータの送信先を判定する。一例として、判定部15Aは、記憶部33Aに格納されている軌道情報を参照して、コマンドデータcmdを複数の衛星装置1A~衛星装置1D間にリレーするか否かを判定する。また、判定部15Aは、記憶部33Aに格納されている軌道情報を参照して、衛星情報を複数の衛星装置1A~衛星装置1D間においてリレーするか否かを判定する。当該構成により、判定部15Aは、好適な衛星装置にコマンドデータcmdおよび衛星情報をリレーすることができる。
【0102】
判定部15Aがデータの送信先を判定する処理の一例として、軌道情報を参照し、最も距離的に近い衛星装置をデータの送信先として決定する構成が挙げられる。
【0103】
(コマンドデータcmdの流れ)
コンステレーションシステム100Aにおけるコマンドデータcmdの流れについて、
図9を参照して説明する。
図9は、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aにおけるコマンドデータcmdの流れを示す図である。以下では、
図7に示したように、衛星装置1Aと地上局esとが通信する場合について説明する。また、衛星装置1Cにおけるコマンドデータcmdの流れは衛星装置1Bと同じであるため、
図9では衛星装置1Cは省略する。
【0104】
(衛星装置1Aが実行する処理)
衛星装置1Aの地上局通信部12Aは、地上局esからコマンドデータcmdを受信する。地上局通信部12Aは、受信したコマンドデータcmdを、多重化方式に基づいて検波および復調処理を行い、復調したコマンドデータcmdを実行部14Aに供給する。
【0105】
実行部14Aは、地上局通信部12Aから供給されたコマンドデータcmdが示す制御を実行する。
【0106】
また、地上局通信部12Aがコマンドデータcmdを受信すると、判定部15Aは、記憶部33Aに格納されている軌道情報を参照して、コマンドデータcmdを他の衛星装置間にリレーするか否かを判定する。
【0107】
一例として、判定部15Aがコマンドデータcmdを衛星装置1Bにリレーすると判定した場合、地上局通信部12Aは、コマンドデータcmdを衛星間通信部11Aに供給する。そして、衛星間通信部11Aは、判定結果に基づき、地上局通信部12Aから供給されたコマンドデータcmdを衛星装置1Bにリレーする。
【0108】
(衛星装置1Bが実行する処理)
衛星装置1Aからコマンドデータcmdがリレーされると、衛星装置1Bの衛星間通信部11Bは、コマンドデータcmdを受信する。衛星間通信部11Bは、受信したコマンドデータcmdを、多重化方式に基づいて検波および復調処理を行い、復調したコマンドデータcmdを実行部14Bに供給する。
【0109】
実行部14Bは、衛星間通信部11Bから供給されたコマンドデータcmdが示す制御を実行する。
【0110】
また、衛星間通信部11Bがコマンドデータcmdを受信すると、判定部15Bは、記憶部33Bに格納されている軌道情報を参照して、コマンドデータcmdを他の衛星装置間にリレーするか否かを判定する。
【0111】
一例として、判定部15Bがコマンドデータcmdを衛星装置1Cにリレーすると判定した場合、衛星間通信部11Aは、判定結果に基づき、コマンドデータcmdを衛星装置1Cにリレーする。
【0112】
(衛星装置1Cが実行する処理)
衛星装置1Bからコマンドデータcmdがリレーされると、衛星装置1Cは、上述したように、衛星装置1Bと同様の処理を実行する。すなわち、衛星装置1Cでは、実行部14Cがコマンドデータcmdが示す制御を実行し、判定部15Cによる判定結果に基づいてコマンドデータcmdを衛星装置1Dにリレーする。
【0113】
(衛星装置1Dが実行する処理)
衛星装置1Cからコマンドデータcmdがリレーされると、衛星装置1Dの衛星間通信部11Dは、コマンドデータcmdを受信する。衛星間通信部11Dは、受信したコマンドデータcmdを、多重化方式に基づいて検波および復調処理を行い、復調したコマンドデータcmdを実行部14Dに供給する。
【0114】
実行部14Dは、衛星間通信部11Dから供給されたコマンドデータcmdが示す制御を実行する。
【0115】
また、衛星間通信部11Dがコマンドデータcmdを受信すると、判定部15Dは、記憶部33Dに格納されている軌道情報を参照して、コマンドデータcmdを他の衛星装置間にリレーするか否かを判定する。
【0116】
一例として、判定部15Dがコマンドデータcmdを他の衛星装置間においてリレーしないと判定した場合、衛星間通信部11Dは、コマンドデータcmdを他の衛星装置間においてリレーすることを停止する。そして、衛星装置1Dは処理を終了する。
【0117】
(テレメトリデータtlmの流れ)
コンステレーションシステム100Aにおけるテレメトリデータtlmの流れについて、
図10を参照して説明する。
図10は、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aにおけるテレメトリデータtlmの流れを示す図である。以下では、
図7に示したように、衛星装置1Aと地上局esとが通信する場合について説明する。また、衛星装置1Cにおけるテレメトリデータtlmの流れは衛星装置1Dと同じであるため、
図10では衛星装置1Cは省略する。
【0118】
(衛星装置1Bが実行する処理)
衛星装置1Bの情報生成部13Bは、テレメトリデータtlmの生成をする指示を受け付けると、記憶部33Bからテレメトリデータtlmを取得することにより、テレメトリデータtlmを生成する。
【0119】
次に、情報生成部13Bがテレメトリデータtlmの生成をする指示を受け付けると、判定部15Bは、テレメトリデータtlmを複数の衛星装置間においてリレーするか否かを判定する。
【0120】
一例として、判定部15Bがテレメトリデータtlmを衛星装置1Cにリレーすると判定した場合、情報生成部13Bは、生成したテレメトリデータtlmを衛星間通信部11Bに供給する。そして、衛星間通信部11Bは、判定結果に基づき、情報生成部13Bから供給されたテレメトリデータtlmに対して変調処理および信号増幅処理を行い、衛星装置1Cに送信する。
【0121】
(衛星装置1Cが実行する処理)
衛星装置1Bからテレメトリデータtlmが送信されると、衛星装置1Cは、上述したように、衛星装置1Dと同様の処理を実行する。後述するように、衛星装置1Cは、情報生成部13Cが生成したテレメトリデータtlmと、衛星装置1Bから送信されたテレメトリデータtlmとが合成する。そして、衛星装置1Cは、判定部15Cによる判定結果に基づいて、合成したテレメトリデータtlmに対して変調処理および信号増幅処理を行い、衛星装置1Dに送信する。
【0122】
(衛星装置1Dが実行する処理)
衛星装置1Cからテレメトリデータtlmが送信されると、衛星装置1Dの衛星間通信部11Dは、テレメトリデータtlmを受信する。
【0123】
衛星間通信部11Dがテレメトリデータtlmを受信すると、情報生成部13Dは、記憶部33Dからテレメトリデータtlmを取得することにより、テレメトリデータtlmを生成する。
【0124】
次に、衛星間通信部11Dがテレメトリデータtlmを受信すると、判定部15Dは、テレメトリデータtlmを複数の衛星装置間においてリレーするか否かを判定する。
【0125】
一例として、判定部15Dがテレメトリデータtlmを衛星装置1Aにリレーすると判定した場合、情報生成部13Dは、生成したテレメトリデータtlmを衛星間通信部11Dに供給する。そして、衛星間通信部11Dは、判定結果に基づき、情報生成部13Dから供給されたテレメトリデータtlmと、衛星装置1Cから送信されたテレメトリデータtlmとを合成し、衛星装置1Aにリレーする。
【0126】
(衛星装置1Aが実行する処理)
衛星装置1Dからテレメトリデータtlmが送信されると、衛星装置1Aの衛星間通信部11Aは、テレメトリデータを受信する。
【0127】
衛星間通信部11Aがテレメトリデータtlmを受信すると、情報生成部13Aは、記憶部33Aからテレメトリデータtlmを取得することにより、テレメトリデータtlmを生成する。
【0128】
次に、衛星間通信部11Aがテレメトリデータtlmを受信すると、判定部15Aは、テレメトリデータtlmを複数の衛星装置間においてリレーするか否かを判定する。
【0129】
一例として、判定部15Aがテレメトリデータtlmを複数の衛星装置間においてリレーしないと判定した場合、情報生成部13Aは、生成したテレメトリデータtlmを地上局通信部12Aに供給する。また、衛星間通信部11Aは、衛星装置1Dから受信したテレメトリデータtlmを地上局通信部12Aに供給する。
【0130】
地上局通信部12Aは、情報生成部13Aから供給されたテレメトリデータtlmと、衛星間通信部11Aから供給されたテレメトリデータtlmとを合成し、地上局esに送信する。
【0131】
(ミッションデータmdの流れ)
コンステレーションシステム100Aにおけるミッションデータmdの流れは、上述したテレメトリデータtlmの流れと同じである。すなわち、上述したテレメトリデータtlmの流れの説明におけるテレメトリデータtlmを、ミッションデータmdに置き換えたものであるため、詳細な説明は省略する。
【0132】
以上のように、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aにおける衛星装置1A~衛星装置1Dのそれぞれは、地上局esと通信可能な場合、リレーされた衛星情報を他の衛星装置にリレーしない。また、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aにおける衛星装置1A~衛星装置1Dのそれぞれは、地上局esと通信可能ではない場合、リレーされたコマンドデータcmdを、地上局esと通信可能な衛星装置にリレーしない。
【0133】
このため、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aによれば、コマンドデータcmdおよび衛星情報が複数の衛星装置間においてループされることを防ぐことができる。
【0134】
また、本例示的実施形態に係るコンステレーションシステム100Aでは、衛星装置1Aが地上局esと通信を行い、衛星装置1A~衛星装置1Dにおいてデータがリレーされる。このため、衛星装置1A~衛星装置1Dが地球の自転速度と合わせて周回する静止衛星ではなかった場合でも、静止衛星のように、衛星装置1A~衛星装置1Dは、地上局esから送信されたコマンドデータcmdを受信したり、生成したテレメトリデータtlmおよびミッションデータmdを地上局esに送信したりすることができる。
【0135】
〔例示的実施形態3〕
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上述した例示的実施形態にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0136】
(地上局4Aの概要)
本例示的実施形態に係る地上局4Aおよびコンステレーションシステム100Bの概要について、
図11を参照して説明する。
図11は、本例示的実施形態に係る地上局4Aおよびコンステレーションシステム100Bの構成を示すブロック図である。
【0137】
地上局4Aは、複数の衛星装置1A~衛星装置1Dを備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステム100Bとデータを送受信する装置である。コンステレーションシステム100Bが備える衛星装置の数は特に限定されない。
【0138】
地上局4Aは、複数の衛星装置1A~衛星装置1Dから制御対象となる衛星装置を選択する。一例として、地上局4Aの管理者が、操作によって制御対象となる衛星装置を選択する。そして、地上局4Aは、制御対象となる衛星装置に応じた形式でコマンドを多重化したコマンドデータcmdを、通信可能な衛星装置であって、コンステレーションシステム100Bが備える衛星装置に送信する。多重化の形式については、上述した通りである。
【0139】
コンステレーションシステム100Bでは、地上局4Aから受信したコマンドデータcmdは、複数の衛星装置1A~衛星装置1D間においてリレーされる。複数の衛星装置1A~衛星装置1Dはそれぞれ、コマンドデータcmdを受信すると、自装置を制御するコマンドを抽出して実行する。
【0140】
また、コンステレーションシステム100Bでは、衛星装置1A~衛星装置1Dのうちの1以上の衛星装置によって衛星情報が生成される。衛星情報は、生成した衛星装置によって多重化され、多重化されたデータが、複数の衛星装置1A~衛星装置1D間においてリレーされる。そして、地上局4Aは、リレーされたデータを、通信可能な衛星装置から受信する。
【0141】
また、地上局4Aは、複数の送受信設備46を備え、複数の送受信設備46のうちの1以上の送受信設備が送受信対象となる衛星装置を切り替えている間は、1以上の送受信設備以外の送受信設備を介して、地上局4Aと通信可能な衛星装置との通信を行う。当該構成の一例については後述する。
【0142】
(地上局4Aの構成)
地上局4Aは、
図11に示すように、制御部40と、複数の送受信設備46(送受信設備46Aおよび送受信設備46B)とを備えている。地上局4Aが備える送受信設備46の数は特に限定されない。
【0143】
送受信設備46は、データを送受信するアンテナを備えている。一例として、送受信設備46は、多重化したコマンドデータcmdに対して送信処理(信号の変調、増幅処理)を行い、送信する。コマンドデータcmdは、送受信設備46において多重化されてもよいし、後述する制御部40において多重化されてもよい。
【0144】
他の例として、送受信設備46は、衛星情報が多重化されたデータを受信する。そして、送受信設備46は、受信したデータの受信処理(信号増幅、復調)を行う。送受信設備46は、受信処理を行った衛星情報を、後述する制御部40に出力する。
【0145】
(制御部40)
制御部40は、地上局4Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部40は、
図11に示すように、送信処理部41、受信処理部42、および管理部43としても機能する。送信処理部41、および受信処理部42は、それぞれ本例示的実施形態において、送信処理手段、および受信処理手段を実現する構成である。
【0146】
送信処理部41は、送受信設備46を介して、衛星装置1A~衛星装置1Dのうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化したコマンドデータcmdを、衛星装置1A~衛星装置1Dのうちの地上局4Aと通信可能な衛星装置に送信する。
【0147】
上述したように、コマンドデータcmdは、送受信設備46が生成してもよいし、送信処理部41が生成してもよい。送信処理部41が生成する場合の一例として、コマンドデータベースと称する、コマンドデータcmdを作成するための源泉情報を使用する構成が挙げられる。この場合、送信処理部41は、複数の衛星装置の機器が共通であれば、コマンドデータcmdのヘッダにある衛星識別ID以外を共通化してもよい(ただし、機器ごとに特性がことなるものは除く)。
【0148】
受信処理部42は、送受信設備46を介して、衛星装置1A~衛星装置1Dのうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを、衛星装置1A~衛星装置1Dのうちの地上局4Aと通信可能な衛星装置から受信する。
【0149】
管理部43は、受信処理部42が受信したデータを管理する。管理部43が衛星情報を管理する方式の一例として、データを処理する方式および容量が格納されたデータベースを使用する方式が挙げられる。この場合、管理部43は、複数の衛星装置の機器が共通であれば、データのヘッダにある衛星識別ID以外を共通化してもよい(ただし、機器ごとに特性がことなるものは除く)。
【0150】
(コマンドデータcmdの流れ)
地上局4Aとコンステレーションシステム100Bとの間のコマンドデータcmdの流れの一例について、
図12を参照して説明する。
図12は、本例示的実施形態に係る地上局4Aとコンステレーションシステム100Bとの間のデータの流れを示す図である。
【0151】
まず、地上局4Aの送信処理部41は、衛星装置1A~衛星装置1Dのうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化したコマンドデータcmdを、送受信設備46Aを介して衛星装置1Aに送信する。
【0152】
次に、送信処理部41は、コマンドデータcmdを、送受信設備46Aを介して衛星装置1Cに送信する。ここで、送信処理部41は、送受信設備46Aが送受信対象となる衛星装置を衛星装置1Aから衛星装置1Cに切り替えている間に、コマンドデータcmdを送受信設備46Bを介して衛星装置1Bに送信する。換言すると、送信処理部41は、送受信設備46Aが送信対象となる衛星装置を衛星装置1Aから衛星装置1Bに切り替えている間は、送受信設備46Bを介して、地上局4Aと通信可能な衛星装置1Bとの通信を行う。
【0153】
(テレメトリデータtlmの流れ)
地上局4Aとコンステレーションシステム100Bとの間のテレメトリデータtlmの流れの一例について、
図12を参照して説明する。
【0154】
まず、地上局4Aの受信処理部42は、送受信設備46Aを介して、衛星装置1Aからテレメトリデータtlmを受信する。
【0155】
次に、受信処理部42は、送受信設備46Aを介して、衛星装置1Cからテレメトリデータtlmを受信する。ここで、受信処理部42は、送受信設備46Aが受信対象となる衛星装置を衛星装置1Aから衛星装置1Cに切り替えている間に、テレメトリデータtlmを送受信設備46Bを介して衛星装置1Bから受信する。換言すると、受信処理部42は、送受信設備46Aが受信対象となる衛星装置を衛星装置1Aから衛星装置1Bに切り替えている間は、送受信設備46Bを介して、地上局4Aと通信可能な衛星装置1Bとの通信を行う。そして、管理部43は、受信したテレメトリデータtlmを管理する。
【0156】
なお、管理部43は、送受信設備46Aが受信したテレメトリデータtlmと、送受信設備46Bが受信したテレメトリデータtlmとが重複する場合、重複する部分を削除する処理を行う。
【0157】
(ミッションデータmdの流れ)
本例示的実施系におけるミッションデータmdの流れは、上述したテレメトリデータtlmの流れと同じである。すなわち、上述したテレメトリデータtlmの流れの説明におけるテレメトリデータtlmを、ミッションデータmdに置き換えたものであるため、詳細な説明は省略する。
【0158】
以上のように、本例示的実施形態に係る地上局4Aによれば、複数の送受信設備46Aおよび送受信設備46Bを介して、コンステレーションシステム100Bが備える複数の衛星装置1A~衛星装置1Dのうちの地上局4Aと通信可能な衛星装置に多重化されたコマンドデータcmdを送信する。また、本例示的実施形態に係る地上局4Aによれば、複数の送受信設備46Aおよび送受信設備46Bを介して、コンステレーションシステム100Bが備える複数の衛星装置1A~1Dのうちの地上局4Aと通信可能な衛星装置から多重化したデータを受信する。
【0159】
したがって、本例示的実施形態に係る地上局4Aによれば、複数の送受信設備46Aおよび送受信設備46Bを介して、コンステレーションシステム100Bと通信するので、地上局の数を削減することができる。また、本例示的実施形態に係る地上局4Aによれば、複数の衛星装置1A~1Dの制御、監視、およびミッションデータmdの受信などの管理を統合して行うことができる。また、本例示的実施形態に係る地上局4Aによれば、衛星装置1A~1Dとの通信における即応性を向上させることができるという効果が得られる。
【0160】
また、本例示的実施形態に係る地上局4Aによれば、送受信設備46Aが指向する衛星を切り替えている期間に、送受信設備46Bを介してデータを送受信する構成を採用している。そのため、本例示的実施形態に係る地上局4Aによれば、衛星装置1A~1Dとの通信における即応性をさらに向上させることができるという効果が得られる。
【0161】
〔ソフトウェアによる実現例〕
衛星装置1、1A~1D、地上局4、4Aの一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0162】
後者の場合、衛星装置1、1A~1D、地上局4、4Aは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図13に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを衛星装置1、1A~1D、地上局4、4Aとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、衛星装置1、1A~1D、地上局4、4Aの各機能が実現される。
【0163】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0164】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0165】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0166】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0167】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0168】
(付記1)
複数の衛星装置を備え、各衛星装置は、衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、地上局との通信を行う地上局通信手段と、衛星情報を生成する情報生成手段と、を備え、前記衛星間通信手段は、何れかの衛星装置において前記地上局から受信したコマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーし、各衛星装置が生成した前記衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な衛星装置において、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、コンステレーションシステム。
【0169】
(付記2)
前記地上局と通信可能な衛星装置が備える衛星間通信手段は、当該衛星装置にリレーされた前記衛星情報を他の衛星装置にリレーせず、前記地上局と通信可能な衛星装置以外の衛星装置が備える衛星間通信手段は、当該衛星装置にリレーされた前記コマンドデータを、前記地上局と通信可能な衛星装置にリレーしない、付記1に記載のコンステレーションシステム。
【0170】
(付記3)
前記各衛星装置は、前記複数の衛星装置のそれぞれの軌道を示す軌道情報を参照して、前記地上局と通信可能な衛星装置において受信したコマンドデータを、当該地上局と通信可能な衛星装置にリレーするか否か、およびリレーされた衛星情報を他の衛星装置にリレーするか否か、を判定する判定手段をさらに備える付記2に記載のコンステレーションシステム。
【0171】
(付記4)
前記衛星情報には、テレメトリデータおよびミッションデータの少なくとも何れかが含まれる、付記1~3の何れかに記載のコンステレーションシステム。
【0172】
(付記5)
前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づく前記データを前記地上局に送信する衛星装置は、前記地上局と通信可能であり、かつ、前記複数の衛星装置のうち前記地上局から最も距離が近い衛星装置である付記1~4の何れかに記載のコンステレーションシステム。
【0173】
(付記6)
複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置であって、衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、地上局との通信を行う地上局通信手段と、衛星情報を生成する情報生成手段と、を備え、前記衛星間通信手段は、前記地上局通信手段が前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記情報生成手段が生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、衛星装置。
【0174】
(付記7)
前記衛星間通信手段は、前記地上局と通信可能な場合、当該衛星装置にリレーされた前記衛星情報を他の衛星装置にリレーせず、前記地上局と通信可能でない場合、当該衛星装置にリレーされた前記コマンドデータを、前記地上局と通信可能な衛星装置にリレーしない、付記6に記載の衛星装置。
【0175】
(付記8)
コンステレーションシステムが備える複数の衛星装置の各衛星装置が、衛星装置間の通信を行うことと、地上局との通信を行うことと、衛星情報を生成することと、を含み、前記地上局と通信を行うことにおいて、前記地上局からコマンドデータを受信し、前記衛星装置間の通信を行うことにおいて、前記地上局と通信を行うことにおいて前記地上局から受信した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置間においてリレーし、前記衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した前記衛星情報を前記複数の衛星装置間においてリレーし、前記地上局と通信を行うことにおいて、前記衛星情報を生成することにおいて各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、通信方法。
【0176】
(付記9)
複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置が、衛星装置間の通信を行うことと、地上局との通信を行うことと、衛星情報を生成することと、を含み、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局との通信を行うことにおいて、前記地上局からコマンドデータを受信し、前記衛星装置間の通信を行うことにおいて、前記地上局との通信を行うことにおいて前記地上局から前記コマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信し、前記地上局と通信可能ではない場合に、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記衛星情報を生成することにおいて生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーする、通信方法。
【0177】
(付記10)
コンピュータを複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置として機能させるプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、衛星装置間の通信を行う衛星間通信手段と、地上局との通信を行う地上局通信手段と、衛星情報を生成する情報生成手段と、として機能させ、前記衛星間通信手段は、前記地上局通信手段が前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記情報生成手段が生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信手段は、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、プログラム。
【0178】
(付記11)
複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局であって、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信する送信処理部と、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信する受信処理部と、を備える地上局。
【0179】
(付記12)
複数の送受信設備を備え、前記複数の送受信設備のうちの1以上の送受信設備が送受信対象となる衛星装置を切り替えている間は、前記1以上の送受信設備以外の送受信設備を介して、前記地上局と通信可能な衛星装置との通信を行う、付記11に記載の地上局。
【0180】
(付記13)
複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局が、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信することと、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信することと、を含む通信方法。
【0181】
(付記14)
コンピュータを、複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局として機能させるプログラムであって、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信する送信処理部と、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信する受信処理部と、として機能させるプログラム。
【0182】
(付記15)
コンステレーションシステムが備える複数の衛星装置の各衛星装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、衛星装置間の通信を行う衛星間通信処理と、地上局との通信を行う地上局通信処理と、衛星情報を生成する情報生成処理とを実行し、前記衛星間通信処理では、前記地上局通信処理において前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記情報生成処理において生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信処理では、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステム。
【0183】
なお、このコンステレーションシステムは、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記衛星間通信処理と、前記地上局通信処理と、前記情報生成処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0184】
(付記12)
複数の衛星装置を備えるコンステレーションシステムが備える衛星装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、衛星装置間の通信を行う衛星間通信処理と、地上局との通信を行う地上局通信処理と、衛星情報を生成する情報生成処理と、を実行し、前記衛星間通信処理では、前記地上局通信処理において前記地上局からコマンドデータを受信したことに応じて、前記コマンドデータを他の衛星装置に送信し、他の衛星装置において前記地上局から受信した前記コマンドデータを衛星装置間においてリレーし、前記情報生成処理において生成した前記衛星情報を他の衛星装置に送信し、他の衛星装置が生成した前記衛星情報を衛星装置間においてリレーし、前記地上局通信処理は、前記地上局と通信可能な場合に、前記地上局から前記コマンドデータを受信し、各衛星装置が生成した衛星情報に基づくデータを前記地上局に送信する、衛星装置。
【0185】
なお、この衛星装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記衛星間通信処理と、前記地上局通信処理と、前記情報生成処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0186】
複数の衛星装置を備え、当該衛星装置間においてコマンドデータおよび衛星情報をリレーするコンステレーションシステムと通信を行う地上局は、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置に対するコマンドを多重化した前記コマンドデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置に送信する送信処理と、前記複数の衛星装置のうちの1以上の衛星装置が生成した衛星情報を多重化したデータを前記複数の衛星装置のうちの前記地上局と通信可能な衛星装置から受信する受信処理と、を実行する。
【0187】
なお、この地上局は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記送信処理と、前記受信処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0188】
1,1A,1B,1C,1D,1N 衛星装置
4,4A 地上局
11,11A,11B,11C,11D,101 衛星間通信部
12,12A,102 地上局通信部
13,13A,13B,13C,13D,103 情報生成部
15A,15B,15C,15D 判定部
41 送信処理部
42 受信処理部
100,100A,100B コンステレーションシステム