(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136185
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】制御装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240927BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240927BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240927BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240927BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240927BHJP
【FI】
H05B47/105
H04W84/10 110
H05B47/19
H05B45/20
H05B47/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047211
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 敦士
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 一郎
【テーマコード(参考)】
3K273
5K067
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273PA02
3K273QA29
3K273QA39
3K273RA16
3K273SA19
3K273SA34
3K273SA35
3K273SA60
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA54
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA17
3K273UA29
5K067AA34
5K067EE02
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】接続するデバイスを短時間で容易に選択すること。
【解決手段】制御装置は、点灯部を備えるデバイスから、デバイスの製品情報または点灯部の点灯能力を示す情報を含む報知情報を受信する受信部と、受信した報知情報に基づいて、製品情報ごとの受信順位または点灯能力ごとの受信順位を特定する順位特定部と、特定した受信順位に基づいて、点灯部の点灯状態を示す点灯情報を決定する決定部と、決定した点灯情報を前記デバイスに送信する送信部と、点灯情報を含むデバイス名を表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯部を備えるデバイスから、前記デバイスの製品情報または前記点灯部の点灯能力を示す情報を含む報知情報を受信する受信部と、
前記受信した報知情報に基づいて、前記製品情報ごとの受信順位または前記点灯能力ごとの受信順位を特定する順位特定部と、
前記特定した受信順位に基づいて、前記点灯部の点灯状態を示す点灯情報を決定する決定部と、
前記決定した点灯情報を前記デバイスに送信する送信部と、
前記点灯情報を含むデバイス名を表示装置に表示させる表示制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記製品情報または前記点灯能力ごとに前記受信順位と点灯パターンとが関連付けられた点灯パターンテーブルを参照して点灯情報を決定し、
前記点灯パターンテーブルにおいて、前記受信順位が高い点灯パターンの時間は、前記受信順位が低い点灯パターンの時間よりも短い、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記製品情報または前記点灯能力ごとに前記受信順位と前記点灯部の色とが関連付けられた点灯パターンテーブルを参照して点灯情報を決定し、
前記点灯パターンテーブルにおいて、第1の受信順位に対応する色と、第1の受信順位の次の受信順位に対応する色との差である第1の色差が、第1の受信順位よりも低い第2の受信順位に対応する色と、第2の受信順位の次の受信順位に対応する色との差である第2の色差よりも大きい、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記受信部は、前記点灯能力を示す情報である、前記点灯部で使用可能な色を識別するキーと当該色の名称とが関連付けられた情報、を含む前記報知情報を受信し、
前記順位特定部は、前記報知情報に含まれる前記キーの数ごとに受信順位を特定し、
前記決定部は、前記キーの数ごとに受信順位と点灯パターンとが関連付けられた点灯パターンテーブルを参照し、前記点灯パターンにおいて前記キーが記載された箇所を当該キーに対応する色の名称で置換して点灯情報を決定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
点灯部を備えるデバイスから、前記デバイスの製品情報または前記点灯部の点灯能力を示す情報を含む報知情報を受信するステップと、
前記受信した報知情報に基づいて、前記製品情報ごとの受信順位または前記点灯能力ごとの受信順位を特定するステップと、
前記特定した受信順位に基づいて、前記点灯部の点灯状態を示す点灯情報を決定するステップと、
前記決定した点灯情報を前記デバイスに送信するステップと、
前記点灯情報を含むデバイス名を表示装置に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、近距離無線通信で通信を行う通信機器を識別することのできる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、検索される側のデバイスは自機の固有番号(MACアドレス)を検索する側のデバイスに送信し、自機の固有番号に応じた点灯パターンで点灯する。検索する側のデバイスは検索される側のデバイスの固有番号を受信し、それに応じた点灯パターンで点灯する。このため、ユーザは2つのデバイスの点灯パターンを見比べることにより、通信を行うデバイスを識別することができる。しかしながら、多数のデバイスを識別するために点灯パターンを増やした場合、ユーザは検索する側および検索される側の点灯パターンを見比べてデバイスを識別する必要があるため、時間を要してしまうこともある。すなわち、特許文献1に記載の技術では、ユーザが接続するデバイスを短時間で容易に選択することは十分考慮されていない。
【0005】
本発明は、接続するデバイスを短時間で容易に選択することのできる制御装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の制御装置は、点灯部を備えるデバイスから、前記デバイスの製品情報または前記点灯部の点灯能力を示す情報を含む報知情報を受信する受信部と、前記受信した報知情報に基づいて、前記製品情報ごとの受信順位または前記点灯能力ごとの受信順位を特定する順位特定部と、前記特定した受信順位に基づいて、前記点灯部の点灯状態を示す点灯情報を決定する決定部と、前記決定した点灯情報を前記デバイスに送信する送信部と、前記点灯情報を含むデバイス名を表示装置に表示させる表示制御部と、備える。
【0007】
本発明のプログラムは、点灯部を備えるデバイスから、前記デバイスの製品情報または前記点灯部の点灯能力を示す情報を含む報知情報を受信するステップと、前記受信した報知情報に基づいて、前記製品情報ごとの受信順位または前記点灯能力ごとの受信順位を特定するステップと、前記特定した受信順位に基づいて、前記点灯部の点灯状態を示す点灯情報を決定するステップと、前記決定した点灯情報を前記デバイスに送信するステップと、前記点灯情報を含むデバイス名を表示装置に表示させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接続するデバイスを短時間で容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る無線通信ステムの構成例を説明するための図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るデバイス構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る点灯制御方法を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、比較例に係るペアリング候補リストの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るペアリング候補リストの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るデバイスの処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る記憶部に記憶される変換テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る変換テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る点灯制御方法を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係る点灯パターンテーブルの別の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る点灯パターンテーブルの更に別の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態に係る端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第4実施形態に係るキーの数が「1」である場合に対応する点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態に係るキーの数が「2」である場合に対応する点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第4実施形態の変形例に係る点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
<第1実施形態>
(無線システム)
図1を用いて、第1実施形態に係る無線通信システムの全体の構成例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る無線通信ステムの構成例を説明するための図である。
【0012】
図1に示すように、無線通信システム1000は、端末装置1と、デバイス2aと、デバイス2bと、デバイス2cと、を含む。
図1に示す例では、デバイスが3つある場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。デバイス数は、1つ以上の任意の数であってよい。デバイス2aからデバイス2cを区別しない場合には、デバイス2と総称することもある。端末装置1と、デバイス2との間は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線を用いた通信がなされる。
【0013】
端末装置1は、親機とも呼ばれる。第1実施形態では、例えば、端末装置1は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PC(Personal Computer)、業務用無線機器、車載機器等が例示されるが、これらに限定されない。端末装置1は、携帯可能な装置(移動可能な装置)であってもよいし、携帯不可能な装置(移動不可能な装置)であってもよい。
【0014】
デバイス2は、周辺デバイスまたは子機とも呼ばれる。第1実施形態では、例えば、デバイス2は、ヘッドセット、スピーカ、マイク、プリンター、コピー機、家電製品等が例示されるが、これらに限定されない。また、端末装置1の接続対象となるデバイス2は、複数の種類であってもよい。例えば、端末装置1の周辺にヘッドセット、スピーカ、プリンター等の複数の種類のデバイス2が存在していてもよい。
【0015】
親機と、子機とは、異なる種類のデバイスであってもよいし、同じ種類のデバイスであってもよい。例えば、親機と、子機とは、共にスマートフォンであってもよい。
【0016】
無線通信システム1000においては、端末装置1を使用するユーザは、デバイス2aからデバイス2cのうち、端末装置1と近距離無線通信により接続するデバイス2を短時間で容易に選択することができる。
【0017】
(デバイス)
図2を用いて、第1実施形態に係るデバイスの構成例について説明する。
図2は、第1実施形態に係るデバイス2の構成例を示すブロック図であり、デバイス2がヘッドセットである場合の構成例を示す。
【0018】
図2に示すように、デバイス2は、制御部10と、電源部20と、近距離通信部30と、点灯部40と、乱数発生部50と、イヤホン60と、マイク70と、操作部80と、記憶部90と、を含む。
【0019】
制御部10は、デバイス2の動作を統括的に制御する。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の情報処理装置で構成されており、さらに半導体メモリ等を含んでいてもよい。制御部10は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部10は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0020】
電源部20は、例えば、図示しない電池等から得られる電力を、制御部10を含むデバイス2の各部へ供給する。
【0021】
近距離通信部30は、近距離無線で他のデバイスと通信を行う。近距離通信部30は、例えば、近距離無線で端末装置1との間で、各種の情報の送受信を行う。近距離通信部30は、例えば、Bluetooth、無線LAN等の通信インターフェースで実現される。
【0022】
点灯部40は、所定の点灯パターンまたは表示色で点灯する。点灯部40は、発光部41と、表示部42とを含む。もちろん、点灯部40は点灯機能だけでなく消灯機能(必要のないときに消灯する、所定時間だけ消灯する等)を備えている。すなわち、点灯部40は、端末装置1のユーザが視覚的に認識可能な状態(刺激)、すなわち光刺激を発生できればよい。
【0023】
発光部41は、デバイス2の動作状態に応じて発光する。例えば、発光部41は、少なくとも1つのLED(Light Emitting Diode)で構成されている。第1実施形態において発光部41は、赤色と青色の2色で発光可能であるものとするが、色の数は2色に限らず、任意であってよい。
【0024】
表示部42は、デバイス2の動作状態に応じて色や文字等を出力する。例えば、表示部42は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等で構成されている。なお、第1実施形態では、表示部42を省略することも可能である。
【0025】
乱数発生部50は、所定の範囲の乱数を出力する。乱数発生部50が出力する乱数は、乱数値またはランダム値とも呼ばれる。乱数発生部50が出力する乱数については、後述する。
【0026】
イヤホン60は、各種の音声を出力する。イヤホン60は、例えば、近距離通信部30が近距離無線通信経由で端末装置1から取得した音声や報知音等を出力する。
【0027】
マイク70は、各種の音声を検出する。マイク70は、例えば、デバイス2の使用者等の音声を収音し、近距離通信部30がそれを端末装置1に対して送信する。なお上述したように、
図2はデバイス2としてヘッドセットを用いる場合の構成例であるため、その他の種類のデバイスを用いる場合は、イヤホン60およびマイク70は省略することも可能である。また逆に、デバイス2の種類に応じて、
図2に示されていない処理部を適宜追加してもよい。
【0028】
操作部80は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部80は、例えば、スイッチ、ボタン、タッチパネル等で構成されている。操作部80は、デバイス2の電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチを含む。
【0029】
記憶部90は、制御部10での処理に利用される各種のデータや各種のプログラムを保存する。例えば、記憶部90はRAM、ROM等の半導体メモリで構成されている。また、デバイス2の電源を切っても必要なデータが保持されるように、記憶部90の少なくとも一部は不揮発性メモリで構成されている。
【0030】
記憶部90には、ペアリングモード時に発光部41の点灯パターンを決定するための変換テーブル91と、点灯パターン決定プログラム92が記憶されている。また、
図2では省略しているが、記憶部90にはデバイス2を機能させるためのその他のプログラムも記憶されている。例えば、制御部10は、記憶部90から各種のプログラムを読み出して実行することにより、デバイス2の各種の機能を実行する。
【0031】
(点灯制御方法)
図3を用いて、第1実施形態に係る点灯制御方法について説明する。
図3は、第1実施形態に係る点灯制御方法を示すシーケンス図である。
【0032】
第1実施形態では、端末装置1とデバイス2の間のデータ通信に先立って、まず両者のペアリング処理を行う。なお、説明を簡潔にするため、
図3に示す例では、2つのデバイス2(デバイス2a、デバイス2b)を用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。デバイス2の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0033】
端末装置1は、ユーザによりデバイス2の検索を開始する操作が入力されると、デバイス2を近距離無線通信により検索するための検索モードを開始する(ステップS10)。
【0034】
デバイス2aは、ペアリング処理を行うためのペアリングモードを開始する操作が操作部80に入力されると、ペアリングモードを開始する(ステップS20)。ペアリングモードを開始する操作は、例えば、電源スイッチをオンにする操作であるが、これに限定されない。
【0035】
デバイス2bは、ペアリング処理を行うためのペアリングモードを開始する操作が操作部80に入力されると、ペアリングモードを開始する(ステップS30)。
【0036】
ペアリングモードを開始したデバイス2aは、ランダムに決定したパターンで発光部41を点灯する(ステップS40)。ここでは、デバイス2aは、例えば、発光部41を赤色で点灯するものとする。
【0037】
ペアリングモードを開始したデバイス2bは、ランダムに決定したパターンで発光部41を点灯する(ステップS50)。ここでは、デバイス2bは、例えば、発光部41を青色で点灯するものとする。
【0038】
デバイス2aは、デバイス名と点灯パターンとを紐づけた情報(関連付けた情報)を端末装置1に通知する(ステップS60)。ここでは、デバイス2aは、「ABC_red」を通知する。ここで、「ABC」は、デバイス2aのメーカー名、機種名、型番などを示す文字列である。「red」は、「赤色点灯」という点灯パターンを表す。すなわち、「ABC_red」は、デバイス2aの発光部41が赤色に発光していることを表す。
【0039】
デバイス2bは、デバイス名と点灯パターンとを紐づけた情報を端末装置1に通知する(ステップS70)。ここでは、デバイス2bは、「ABC_blue」を通知する。すなわち、「ABC_blue」は、デバイス2bの発光部41が青色に発光していることを表す。
【0040】
端末装置1は、デバイス名と点灯パターンとが関連付けられた情報を受信すると、ディスプレイ等の表示装置または自身の表示部に、デバイス名のリストを表示する。デバイス名のリストは、ペアリング候補リストとも呼ばれる。ここで、ペアリング候補リストについて説明する。
図4は、比較例に係るペアリング候補リストの一例を示す図である。
図5は、第1実施形態に係るペアリング候補リストの一例を示す図である。
【0041】
図4に示す比較例に係るペアリング候補リストでは、検出されたデバイスのデバイス名が上から順に表示される。ペアリング候補リストは、1つ以上のデバイス名で構成されるリストである。
図4に示す例では、「ABC」、「DEF」、「GHI」の3種類のデバイスが含まれており、中でも「ABC」のデバイスは3台含まれている。
図4に示す比較例では、例えば、デバイス名が「ABC」であるデバイス2a、デバイス2b、デバイス2cのうち、デバイス2aとペアリングしたい場合、デバイス2bおよびデバイス2cと区別がつかない課題がある。
【0042】
一方、
図5に示す第1実施形態におけるペアリング候補リストでは、デバイス2aのデバイス名が「ABC_red」、デバイス2bのデバイス名が「ABC_blue」、デバイス2cのデバイス名が「ABC_red1_blue3」と表示される。このため、ユーザは、
図5に示すペアリング候補リストを参照することで、デバイス2a、デバイス2b、デバイス2cを容易に区別することができる。そのため、第1実施形態では、ユーザは所望のデバイス2を短時間で容易に選択することができる。なお、
図5に示すように、発光部41の点灯色は単色でなくてもよく、例えば
図5に示す「ABC_red1_blue3」のように、赤色を1秒点灯させた後に青色を3秒点灯させる等、点灯させる色や時間を組み合わせることも可能である。特に、複数色を組み合わせた場合、従来技術では端末装置1の点灯パターンと、デバイス2aの点灯パターンとを見比べるため判別に時間を要する。一方、第1実施形態では、ペアリング候補リストとデバイス2aの点灯パターンとを見比べればよく、ペアリングの時間短縮につながる。
【0043】
具体的には、
図5に示す例では、「ABC_red」、「ABC_blue」等の文字列を含むペアリング候補リストが端末装置1の表示部に表示される。ユーザは、端末装置1に表示されたペアリング候補リストと、デバイス2の発光部41とを見比べて、ペアリングするデバイスを選択する。例えば、ユーザがデバイス2aを選択したい場合、デバイス2aの発光部41が「赤色」であることを認識し、ペアリング候補リストの中から「赤色」すなわち「red」をデバイス名に含む「ABC_red」をペアリング対象(接続対象)として選択する操作を行えばよい。なお、
図5の「DEF」および「GHI」は、第1実施形態に係るデバイス2とは異なるデバイスであり、点灯部40を備えないデバイスあるいは点灯パターンを端末装置1に通知する機能をもたないデバイスである。このため、これらのデバイスのデバイス名には、点灯パターンを示す情報が含まれていない。
図5に示すように端末装置1は、第1実施形態に係るデバイス2と、それ以外のデバイスの両方を含むペアリング候補リストを表示することも可能である。すなわち、端末装置1にデバイス名を通知し、接続対象となるデバイスはデバイス2に限定されず、端末装置1の周辺にデバイス2とそれ以外のデバイスが混在していてもよい。
【0044】
端末装置1は、ユーザにより入力されたペアリング(接続)するデバイス2を選択する操作を検出する(ステップS80)。ここでは、ユーザがペアリング候補リストの中の「ABC_red」、デバイス2aを選択したものとする。すなわち端末装置1は、選択されたデバイス2aに対してペアリング要求を送信する(ステップS90)。
【0045】
デバイス2aは、端末装置1からペアリング要求を受信すると、端末装置1とペアリング処理を行う(ステップS100)。デバイス2aは、端末装置1とペアリング処理を行うと、発光部41を消灯する(ステップS110)。
【0046】
ペアリング要求を受信していないデバイス2bは、所定時間経過後、発光部41を消灯する(ステップS120)。そして、
図3の処理を終了する。
【0047】
(デバイスの処理)
図6を用いて、第1実施形態に係るデバイスの処理手順について説明する。
図6は、第1実施形態に係るデバイスの処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
制御部10は、近距離通信を開始する操作が操作部80に入力されたり、電源部20から電源オン通知を受信したりすると、近距離通信部30を起動する(ステップS200)。
【0049】
制御部10は、ペアリングモードを開始する操作が操作部80に入力されたり、電源部20から電源オン通知を受信したりすると、近距離通信部30に対してペアリングモードを開始させる(ステップS210)。なお、ステップS200およびステップS210をまとめて1つのステップとしてもよい。
【0050】
制御部10は、ペアリングモードを開始後、記憶部90に保持されているペアリングモード情報を読み出して、ペアリングモード情報がランダムなパターンで発光部41を点灯させるランダムモードであるか否かを判定する(ステップS220)。ペアリングモード情報がランダムモードでない場合とは、発光部41をあらかじめ決められた固定的なパターンで点灯させる通常モードである。ユーザは、操作部80を操作して、自分の好みに応じて、あらかじめペアリングモードを設定してもよい。制御部10は、ユーザが操作部80に入力した情報をペアリングモード情報として記憶部90に記憶させておくとよい。
【0051】
ペアリングモード情報がランダムモードであると判定された場合(ステップS220;Yes)、制御部10は、点灯パターン決定プログラム92を実行して、乱数発生部50から取得した乱数値に基づいて発光部41の点灯パターンを決定し(ステップS230)、デバイス名を決定する(ステップS240)。ステップS230およびステップS240の詳細については、後述する。
【0052】
ペアリングモード情報がランダムモードと判定されない場合、すなわちペアリングモード情報が通常モードの場合(ステップS220;No)、制御部10は、記憶部90から通常モード用のデータを読み出して、あらかじめ決められた発光部41の点灯パターンおよびデバイス名を決定(使用)する(ステップS250)。
【0053】
制御部10は、ステップS230またはステップS250で決定した点灯パターンで発光部41を点灯させる(ステップS260)。制御部10は、近距離通信部30を制御して、ステップS240またはステップS250で決定したデバイス名を端末装置1に通知させる(ステップS270)。
【0054】
制御部10は、発光部41の点灯を開始後、ペアリング要求を受信したか否かを確認する(ステップS280)。ペアリング要求を受信したと判定された場合(ステップS280;Yes)、制御部10は、近距離通信部30に対してペアリング処理を実行させる(ステップS290)。そして、制御部10は、発光部41を制御して、発光部41を消灯させる(ステップS300)。
【0055】
ペアリング要求を受信していないと判定された場合(ステップS280;No)、制御部10は、発光部41の点灯を開始してから所定時間経過したか否かを判定する(ステップS310)。所定時間経過してないと判定された場合(ステップS310;No)、制御部10は、再度、ステップS280の処理を実行する。
【0056】
所定時間経過していると判定された場合(ステップS310;Yes)、制御部10は、発光部41を制御して、発光部41を消灯させる(ステップS300)。
【0057】
ここで、ステップS230およびステップS240の処理の詳細について説明する。S230およびS240において、制御部10は、乱数発生部50から乱数値を取得し、その乱数と記憶部90に記憶された変換テーブル91とに基づいて、点灯パターンおよびデバイス名を決定する。
【0058】
乱数発生部50は、所定の範囲の乱数値を出力する。第1実施形態では、乱数発生部50は、0から8までの整数をランダムに出力するものとするが、これに限定されない。
【0059】
図7は、第1実施形態に係る記憶部90に記憶される変換テーブル91の一例を示す図である。
図7に示すように、変換テーブル91は、「乱数値」と、「点灯パターン」と、「デバイス名」といった項目を含む。変換テーブル91は、乱数発生部50が出力する可能性がある乱数値ごとに、点灯パターンとデバイス名とを関連付けて格納する。例えば、乱数値「1」に対して、点灯パターン「赤色3秒、青色1秒 点灯」と、デバイス名「ABC_red3_blue1」が対応する。この場合、「ABC」はデバイス2(自装置)のメーカー名、製品名、機種名、型番などの製品情報である。「red3_blue1」は「発光部41が赤色で3秒点灯した後、青色で1秒点灯する」という点灯パターンを示す情報である。このようにデバイス名は、点灯パターンの色や点灯時間を簡潔に表す文字列を含む。このためユーザは、デバイス名を見て、点灯パターンを短時間で把握することができる。
【0060】
制御部10は、変換テーブル91を参照して、乱数値に相当する点灯パターンおよびデバイス名を取得し、決定する。なお、ペアリングモード情報が通常モードの場合には、変換テーブル91の中の所定の乱数値に該当する点灯パターンおよびデバイス名を固定的に使用してもよいし、変換テーブル91とは別に記憶部90に記憶された点灯パターンおよびデバイス名を使用してもよい。
【0061】
上述のとおり、第1実施形態によれば、デバイス2が自装置の点灯パターンを示すデバイス名を端末装置1に通知し、端末装置1はそのデバイス名のリストを表示するため、ユーザは接続対象のデバイスを短時間で容易に選択することができる。また、各デバイス2は、乱数を用いて点灯パターンを決定し、製品情報と点灯パターン情報を含むデバイス名を端末装置1に通知するため、複数のデバイスが同じデバイス名になる可能性を低減することができる。すなわち、第1実施形態によれば、接続候補のデバイスを示すリストの中に重複するデバイス名が存在するために、ユーザが混乱し、接続対象のデバイスを容易に選択できない可能性を低減することができる。
【0062】
<第1実施形態の第1変形例>
第1実施形態の第1変形例について説明する。第1実施形態では、
図3示す例において、デバイス2bは発光部41を点灯させた後、所定期間経過後に消灯するものとして説明したが、本開示はこれに限定されない。
【0063】
第1実施形態の第1変形例では、例えば、端末装置1は、ステップS90でデバイス2aに対してペアリング要求を送信する際に、デバイス2bに対して発光部41を消灯させるための、点灯終了情報を送信してもよい。これにより、端末装置1とペアリング処理を行わないデバイス2の発光部41の点灯を速やかに終了させることができるので、不必要な電力消費を抑制することができる。
【0064】
<第1実施形態の第2変形例>
第1実施形態の第2変形例について説明する。第1実施形態では、デバイス2aとデバイス2bとが異なる発光色で点灯するものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。第1実施形態の変形例では、デバイス2aと、デバイス2bとは、単色かつ同一色で発光するものであってもよい。
【0065】
具体的には、第1実施形態の第2変形例では、
図3に示すステップS40において、デバイス2aは、赤色で1秒間点灯し、
図3に示すステップS50において、デバイス2bは、赤色で3秒間点灯する等としてよい。この場合、デバイス2aは、
図3に示すステップS60において、「ABC_red1」を端末装置1に送信し、デバイス2bは、
図3に示すステップS70において、「ABC_red3」を送信する。これにより、ユーザの端末装置1の表示部において、デバイス2aは「ABC_red1」と表示され、デバイス2bは「ABC_red3」と表示されることになる。これにより、デバイス2aとデバイス2bとが単色かつ同一色で発光するものであっても、ユーザは、デバイス2aと、デバイス2bとを短時間で容易に判別することができる。すなわち、デバイス2の発光部41が単色の点灯機能しか持たない場合であっても、点灯時間、消灯時間、点滅の周期などの時間情報をランダムに設定すればよい。また、デバイス2の発光部41が点灯、消灯するだけでなく、発光強度(光の強さ)を変更する機能をもつ場合には、その情報をデバイス名に含めてもよい。例えば、デバイス2の発光部41が、「強」、「中」、「弱」の3段階で点灯可能な場合、それぞれの発光強度を示す「high」、「mid」、「low」をデバイス名に含めてもよい。このようなデバイス名を用いれば、デバイス2の発光部41が単色の点灯機能しか持たない場合であっても、ユーザは複数のデバイス2を短時間で容易に判別することができる。また更に、デバイス2の点灯、消灯、点滅などの時間情報と、発光強度とを組み合わせたデバイス名を用いてもよい。
【0066】
<第1実施形態の第3変形例>
第1実施形態の第3変形例について説明する。第1実施形態の第3変形例では、デバイス2において、発光部41が設けられている位置の情報をデバイス名に含めてもよい。
【0067】
例えば、デバイス2が比較的大きい製品である場合には、発光部41が異なる位置に複数設けられていることが想定され得る。例えば、デバイス2において、発光部41が前面(front)、左側方(left side)、右側方(right side)、背面(back)などに設けられているものとする。この場合、デバイス2は、例えば、
図3に示すステップS60等において、発光部41が設けられている位置に応じて、「ABC_red1_front」、「ABC_red1_left side」、「ABC_red1_right side」、「ABC_red1_back」を端末装置1に送送信してもよい。これにより、ユーザの端末装置1の表示部には、ABC_red1_front」等が表示されることになる。これにより、ユーザは、発光している発光部41が設けられている位置を把握することで、所望のデバイス2を容易に判別することができるようになる。もちろん、デバイス2の点灯色や点灯時間は任意であり、「red1」以外の点灯パターンを用いることができる。また、発光部41の位置を示す情報と、発光色を示す情報と、発光・消灯・点滅の時間情報を示す情報と、発光強度を示す情報とを任意に組み合わせてデバイス名に含めてもよい。
【0068】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。第1実施形態では、乱数に基づいて発光部41の点灯パターンを決定し、点灯パターンの情報を文字列で示すデバイス名を決定したが、第2実施形態では、乱数に基づいて表示部42の表示色を決定し、表示色の情報を文字列で示すデバイス名を決定する。
【0069】
第2実施形態に係る表示部42は、例えば、フルカラーのLCD等で構成されており、入力されるR、G、B信号に応じた色を画面の所定領域に表示できる。例えば、表示部42は、RGB各々8ビット、つまりR=0~255、G=0~255、B=0~255の範囲の信号を受け付け、理論上1677万色の色を画面の所定領域に表示可能である。
【0070】
すなわち、第2実施形態における点灯パターンは、表示部42の所定領域を点灯させて表示する表示色を示すものであり、点灯パターンは発光部41の点灯に限定されるものではない。このため、第2実施形態においては、発光部41は省略されてもよい。
【0071】
図8は、第2実施形態に係る変換テーブルの一例を示す図である。
図8に示すように、変換テーブル91Aは、「乱数値」と、「点灯パターン(RGBの信号レベル)」と、「デバイス名」といった項目を含む。変換テーブル91Aは、乱数値と、点灯パターンとしてRGB各々の信号レベルと、デバイス名とを関連付けたデータである。
図8に示す例では、乱数値は0~29の範囲の整数であるが、これに限定されるものではない。RGBの信号レベルは、制御部10が表示部42に対して指定する信号レベルであり、これにより表示部42の所定領域に表示される色(表示色)が決定される。また、デバイス名は、上述したように「ABC」といった製品情報の他に、「black」,「red」、「aqua」といった表示色に対応する色名の情報を含む。つまり、
図8に示す例において変換テーブル91Aは、30個の乱数値に対応した、30種類の表示色の情報を含んでいる。
【0072】
なお、変換テーブル91Aで使用する表示色は、人間が見て違いを識別し易い色であることが好ましい。このため、例えば、L*u*v*、あるいはL*a*b*などの均等色空間(表色系)において、表示色同士の距離がほぼ一定になるように表示色の組み合わせを決めることが好ましい。
【0073】
第2実施形態では、
図6に示すステップS230において、制御部10は、
図8に示す変換テーブル91Aを参照し、乱数値に対応するRGB値を取得する。また、制御部10は、
図6に示すステップS240において、
図8に示す変換テーブル91Aを参照し、乱数値に対応するデバイス名を取得する。そして、制御部10は、
図6に示すステップS260に対応するステップS260Bにおいて、取得したRGB値を表示部42に指定し、表示部42の所定領域(第1領域)に特定の表示色を表示させる。第1領域は任意の領域であってよいが、例えば、表示部42の右上部分の所定の大きさの矩形(四角形)を第1領域としてもよい。また制御部10は、表示部42の全体に特定の表示色を表示させてもよい。つまり、表示部42の所定領域は、表示部42の全体を含む概念である。
【0074】
なお、制御部10は、表示部42の第1領域とは異なる領域(第2領域)に、デバイス名(例えば、「ABC_aqua」といった文字列)を表示させてもよい。第2領域に表示されるデバイス名の表示色は、第1領域の表示色(例えば、aqua色)と同じであってもよいし、それとは別の色(例えば、常に黒色)であってもよい。制御部10は、
図6に示すステップS270においては、第1実施形態と同様に、近距離通信部30を制御して、ステップS240で決定したデバイス名を端末装置1に通知する。
【0075】
上述のとおり、第2実施形態によれば、多くの種類の色を表示可能な表示部42に、デバイス名に該当する色を表示するため、ユーザは非常に短時間で点灯パターンを認識することができる。このため、第2実施形態は、接続候補のデバイスが多い場合であっても、ユーザはさらに短時間で接続対象のデバイスを特定でき、デバイス選択操作を容易に行うことができる。
【0076】
<第2実施形態の第1変形例>
第2実施形態の第1変形例について説明する。第2実施形態の第1変形例では、
図3に示すステップS60およびステップS70において、デバイス2は、端末装置1に対して、デバイス名に加えて、特定した表示色のRGB値を通知してもよい。そして、
図3に示すS80において、端末装置1は、受信したRGB値に基づいて、ペアリング候補リストにおける表示色を設定してもよい。例えば、「ABC_blue」といったデバイス名を「R=0、G=0、B=255」の「青色」で表示し、「ABC_yellow」といったデバイス名を「R=255、G=255、B=0」の「黄色」で表示してもよい。また、端末装置1の表示部はデバイス名を固定的な色(例えば、常に黒色)で表示し、その横の領域(アイコン等)に受信したRGB値に基づく色を表示してもよい。
【0077】
第2実施形態の第1変形例によれば、ユーザはさらに短時間で接続対象のデバイスを特定でき、デバイス選択操作を容易に行うことができる。
【0078】
<第2実施形態の第2変形例>
第2実施形態の第2変形例について説明する。第2実施形態では、表示部42の所定領域に特定の表示色を表示させるものして説明したが、本発明は、これに限定されない。
【0079】
第2実施形態の第2変形例では、表示部42の所定領域(矩形領域など)に特定の表示色を表示させるのではなく、表示部42に特定の表示色で文字列を表示させてもよい。例えば、制御部10は、与えられた乱数値が「1」である場合には、「ABC_red」といったデバイス名を示す文字列を赤色で表示部42に表示させてよい。
【0080】
第2実施形態の第2変形例によれば、表示部42の表示領域に乱数値に対応した表示色の文字列を表示させるため、ユーザは短時間で接続対象のデバイスを特定でき、デバイス選択操作を容易に行うことができる。もちろん、特定の表示色でデバイス名を表示することと、所定領域に特定の表示色を表示することを併用してもよい(同時に行ってもよい)。
【0081】
<第2実施形態の第3変形例>
第2実施形態の第3変形例について説明する。第2実施形態では、表示部42に表示される表示色は1色であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0082】
第2実施形態の第3変形例では、例えば、表示部42の表示領域を第1領域と第2領域との2つの領域に分けて、第1領域(例えば、表示部42の左側の領域)と第2領域(例えば、表示部42の右側の領域)とで異なる表示色を表示させてもよい。例えば、制御部10は、表示部42の第1領域を赤色で表示させ、第2領域を青色で表示させてもよい。この場合、デバイス名は、「ABC_red_blue」、あるいは「ABC_left=red_right=blue」等とすればよい。すなわち、デバイス名に表示色だけでなく、表示領域の位置や表示領域の形状を示す情報を含めてもよい。
【0083】
第2実施形態の第3変形例によれば、表示部42の異なる領域に異なる表示色を表示させることで、ユーザは接続対象のデバイスを特定することが容易になり、デバイス選択操作を容易に行うことができる。
【0084】
<第2実施形態の第4変形例>
第2実施形態の第4変形例について説明する。第2実施形態では、表示部42に表示される表示色(表示状態)は時間的に変化しない静止画であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0085】
第2実施形態の第4変形例では、表示部42の所定領域の表示状態や表示色が時間的に変化する。すなわち、表示部42の所定領域の表示状態や表示色がアニメーションあるいは動画のように時間的に変化する。これは、第1実施形態において発光部41の発光状態や発光色が時間的に変化することと同様である。例えば、制御部10は、表示部42の所定領域を緑色で1秒間表示させ、その後に同じ所定領域を黄色で2秒間表示させてもよい。この場合、デバイス名は、「ABC_green1_yellow2」とすればよい。また例えば、制御部10は、表示部42の所定領域を緑色で1秒間表示させ、その後に表示部42を2秒間消灯し(黒色を表示し)、その後に同じ所定領域を黄色で3秒間表示させてもよい。この場合、デバイス名は、「ABC_green1_blank2_yellow3」などとすればよい。すなわち、デバイス名に表示色だけでなく、表示時間や消灯時間や点滅の周期を示す情報である時間情報を含めてもよい。また更に、第2実施形態の第3変形例と第4変形例を組み合わせて、デバイス名に所定領域の位置や形状を示す情報と、表示時間や消灯時間を示す時間情報の両方を含めてもよい。
【0086】
第2実施形態の第4変形例によれば、表示部42の表示状態や表示色を時間的に変化させることができるため、表示部42で表示可能な表示色の種類が限られている場合であっても、あるいはユーザが容易に表示色の違いを判別できるように使用する表示色の種類を限定する場合であっても、ユーザは接続対象のデバイスを特定することが容易になり、デバイス選択操作を容易に行うことができる。
【0087】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。第1実施形態および第2実施形態では、デバイス2(周辺デバイス、子機)が自装置の点灯パターンを決定した。第3実施形態では、端末装置1(親機)がデバイスの点灯パターンを決定する。第3実施形態に係る端末装置1は、デバイス2の点灯パターンを制御するため、「制御装置」と呼ばれることもある。
【0088】
(端末装置)
図9を用いて、第3実施形態に係る端末装置(制御装置)の構成例について説明する。
図9は、第3実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【0089】
図9に示すように、端末装置1は、制御部100と、電源部110と、近距離通信部120と、遠距離通信部130と、表示部140と、操作部150と、音声出力部160と、音声入力部170と、記憶部180と、を含む。上述したように、例えば端末装置1は、スマートフォンである。
【0090】
制御部100は、端末装置1の動作を統括的に制御する。制御部100は、例えば、CPUやMPU等の情報処理装置(コンピュータ)で構成されており、さらに半導体メモリ等を含んでいてもよい。制御部10は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部100は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0091】
制御部100は、順位特定部101と、決定部102と、表示制御部103と、を備える。順位特定部101と、決定部102と、表示制御部103との詳細は、後述する。
【0092】
電源部110は、例えば、バッテリ等であり、端末装置1の各部に電源を供給する。
【0093】
近距離通信部120は、例えば、Bluetooth、無線LAN等を用いて、比較的近距離に位置するデバイス2と通信を行う。近距離通信部120は、近距離無線によりデバイス2から各種の情報(データ)を受信する受信部121と、近距離無線通信によりデバイス2に対して各種の情報(データ)を送信する送信部122と、を備える。
【0094】
遠距離通信部130は、例えば、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)等の携帯電話回線、または業務用無線などを用いて、比較的遠距離に位置する他の端末装置1やサーバ等と通信を行う。遠距離通信部130は、例えば、インターネット網を介して、他の端末装置1やサーバ等と通信を行ってもよい。
【0095】
表示部140は、各種の情報を表示する。表示部140は、例えば、LCDおよび有機ELディスプレイ等で構成されている。
【0096】
操作部150は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部150は、例えば、スイッチ、ボタン、タッチパネル等を含む。なお、操作部150がタッチパネルである場合には、表示部140と操作部150とを一体的に構成してもよい。
【0097】
音声出力部160は、スピーカ、イヤホン等で構成されている。音声出力部160は、遠距離通信部130による音声通話の音声を出力する。音声出力部160は、各種の報知音や警告音を出力してもよい。
【0098】
音声入力部170は、マイク等で構成されている。音声入力部170は、ユーザの音声を収音して遠距離通信部130で実行される音声通話に用いる。また音声入力部170がユーザの音声を収音し、制御部100がユーザの音声を音声認識して、音声コマンドとして端末装置1を操作するようにしてもよい。
【0099】
記憶部180は、RAM、ROM等の半導体メモリで構成されており、各種のデータやプログラムを記憶する。後述するように、記憶部180は、点灯パターンテーブル181を記憶している。端末装置1の電源を切っても必要なデータやプログラムが保持されるように、記憶部180の少なくとも一部は不揮発性のメモリで構成される。制御部100が、記憶部180に記憶されたプログラムを読みだして実行する構成により、端末装置1の各種機能を実行してもよい。なお、制御部100は複数のCPU等(コンピュータ)で構成されていてもよいし、あるいは端末装置1が複数の制御部100を備えていてもよい。その場合、複数のCPUあるいは複数の制御部100がそれぞれ記憶部180に格納されたプログラムを読み出して端末装置の各種機能を実行する構成としてもよい。このような構成の場合、それぞれのCPU(コンピュータ)が異なる機能(異なるプログラム)を実行してもよいし、1つの機能を複数のCPUに割り当てて並列処理的に実行してもよい。すなわち、複数のコンピュータに複数のプログラムを実行させることにより、端末装置1の各種機能を実行(実現)してもよい。
【0100】
なお、端末装置1において、遠距離通信部130と、音声出力部160と、音声入力部170とを省略してもよい。
【0101】
(点灯制御方法)
図10を用いて、第3実施形態に係る点灯制御方法について説明する。
図10は、第3実施形態に係る点灯制御方法を示すシーケンス図である。本実施形態に係るデバイス2は、
図2に示すデバイス2と同様な構成である。
【0102】
なお、
図10に示す例では、デバイス2として、2つのデバイス2(デバイス2a、デバイス2b)を用いて説明するが、デバイス2の数は1以上の任意の数であってもよい。また端末装置の周囲に存在するデバイス2として異なる種類の装置や異なる製品が混在していてもよい。
【0103】
端末装置1は、デバイスの存在を検索する検索モードを開始する(ステップS400)。具体的には、検索モードは、ユーザが、端末装置1の操作部150に対して所定の操作を行うことにより開始される。
【0104】
デバイス2aは、報知モード(アドバタイズモード)を開始する(ステップS410)。デバイス2bは、報知モードを開始する(ステップS420)。報知モードは、それぞれのデバイス2が電源オンとなったタイミング、またはユーザから所定の操作を受け付けたタイミングで開始される。すなわち、デバイス2aおよびデバイス2bは、それぞれのタイミングで報知モードを開始する。従って、ステップS400とステップS410とステップS420の時間的な順序は任意である。例えば、ステップS420がステップS410よりも先に実行されてもよい。
【0105】
デバイス2aは、報知モードが開始されると、デバイス2aの近距離通信部30は、自装置の識別情報(MACアドレス、ブルートゥース(登録商標)アドレスなど)と、自装置の製品情報を含む報知情報を周囲に対して定期的に(所定の周期で)送信(アドバタイズ)する(ステップS430)。デバイス2bは、報知モードが開始されると、デバイス2bの近距離通信部30は、自装置の識別情報と、自装置の製品情報を含む報知情報を周囲に対して定期的に(所定の周期で)送信する(ステップS440)。なお、製品情報とは、デバイスのメーカー名、製品名、機種名、製品の型番、製品の種類(タイプ)などを示すテキスト情報である。製品情報は、これらを全て含む必要はなく、少なくとも1つを含めばよい。また、製品の種類とは、例えば、「ヘッドセット」、「イヤホン」、「スピーカ」、「マイク」といったデバイスのタイプやカテゴリを示す情報である。説明を簡潔にするため、以下では製品情報として製品名を用いるが、製品情報は、製品名に限らず、製品の種類を示す情報であってもよい。
【0106】
端末装置1は、報知情報を受信する。
図10に示す例において端末装置1は、最初にデバイス2aの報知情報を受信し、次にデバイス2bの報知情報を受信する。
【0107】
端末装置1は、報知情報を受信した順に、デバイス2ごとに点灯パターンを決定する。
図10に示す例では、端末装置1は、最初にデバイス2aの報知情報を受信しているため、1番目にデバイス2aの点灯パターンを決定する(ステップS450)。ステップS450の処理の詳細については後述する。端末装置1は、デバイス2aのデバイス名を決定し、それをペアリング候補リストに登録(追加)し、ペアリング候補リストを表示部140に表示する(ステップS460)。デバイス名は、製品情報と点灯パターンを示す情報とを組み合わせた情報であり、文字列である。例えば、デバイス2aの製品名が「ABC」であり、点灯パターンが赤色LEDの点灯を示す「red」である場合、デバイス2aに対応するデバイス名(ペアリング用のデバイス名)は「ABC_red」となる。
図10に示す例では、デバイス2aのデバイス名が最初にペアリング候補リストに登録されるため、ステップS460の時点では、「ABC_red」のみが端末装置1の表示部140に表示されている状態となる。なお、端末装置1の制御部100は、デバイス2の報知情報に含まれる識別情報と、ステップS460で決定したデバイス名とを関連付けて記憶部180に記憶し管理する。
【0108】
端末装置1は、ステップS450で決定した点灯パターンを示す情報をデバイス2aに送信する(ステップS470)。点灯パターンを示す情報は、点灯指示情報と呼ばれる。端末装置1は、例えば、赤色LEDの点灯を示す「red」という文字列を点灯指示情報としてデバイス2aに送信する。ただし、点灯指示情報は文字列に限らず、数値であってもスクリプトであってもよい。
【0109】
デバイス2aは、点灯指示情報を受信すると、それに従って点灯モードを開始する(ステップS480)。具体的には、デバイス2aは、点灯指示情報に従って、発光部41の点灯色、点灯時間、消灯時間などを制御する。デバイス2aは、例えば、点灯指示情報が「red」である場合、発光部41を赤色に点灯させる。
【0110】
端末装置1は、2番目に報知情報を受信したデバイス2bに対して点灯パターンを決定する(ステップS490)。端末装置1は、デバイス2bのデバイス名を決定し、ペアリング候補リストに登録(追加)し、ペアリング候補リストを表示部140に表示する(ステップS500)。例えば、デバイス2bの製品名が「ABC」であり、点灯パターンが青色LEDの点灯を示す「blue」である場合、デバイス2bに対応するデバイス名は「ABC_blue」となる。この時点でペアリング候補リストには、「ABC_red」と「ABC_blue」の2つの項目(2つのペアリング候補デバイス)が表示されている状態となる。
【0111】
端末装置1は、ステップS490で決定した点灯指示情報をデバイス2bに送信する(ステップS510)。端末装置1は、例えば、青色LEDの点灯を示す「blue」という文字列を点灯指示情報としてデバイス2bに送信する。
【0112】
デバイス2bは、点灯指示情報を受信すると、それに従って点灯モードを開始する(ステップS520)。デバイス2bは、例えば、点灯指示情報が「blue」である場合、発光部41を青色に点灯させる。
【0113】
なお、端末装置1は、検索モードを開始した時点、または最初に報知情報を受信した時点から所定時間経過後に、ペアリング候補リストの登録(追加)を打ち切る処理を行ってもよい。例えば、端末装置1は、検索モードを開始した時点または最初に報知情報を受信した時点から1分間以内に受信した報知情報のみをペアリング候補リストに登録し、それ以降は報知情報を受信しない等の処理を行ってもよい。またその際に、端末装置1は、ペアリング候補リストの作成が完了した旨を示すメッセージやアイコンを表示部140に表示してもよい。
【0114】
端末装置1のユーザは、表示部140のペアリング候補リストと、各デバイスの発光部41の点灯パターンとを見比べて、ペアリング候補リストの中から接続したいデバイスを選択する操作(デバイス選択操作)を行う。制御部100は操作部150を介してユーザのデバイス選択操作を検出する(ステップS530)。例えば、ユーザがデバイス2aを選択する場合、デバイス2aの発光部41が「赤色」であることを認識し、ペアリング候補リストの中から「赤色」すなわち「red」をデバイス名に含む「ABC_red」を選択する操作を行うと、制御部100は操作部150を介して、デバイス2aが選択されたことを検出する。
【0115】
端末装置1は、操作部150に入力されたデバイス選択操作を検出すると、選択されたデバイス2aに対してペアリング要求を送信する(ステップS540)。
【0116】
デバイス2aは、端末装置1からペアリング要求を受信すると、端末装置1との間でペアリング処理を実行する(ステップS550)。ペアリング処理が完了すると、端末装置1と、デバイス2aとの間で通信が開始される。
【0117】
ペアリング処理が完了すると、端末装置1は、点灯指示情報を送信したすべてのデバイスに対して、点灯終了情報を送信する(ステップS560,ステップS570)。点灯終了情報を受信したデバイス2aおよびデバイス2bは、点灯モードを終了する(ステップS580,ステップS590)。具体的には、デバイス2aおよびデバイス2bは、発光部41を消灯する。
【0118】
(端末装置の処理)
図11を用いて、第3実施形態に係る端末装置の処理の流れについて説明する。
図11は、第3実施形態に係る端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0119】
近距離通信部120の受信部121は、デバイス2から送信された報知情報を受信する(ステップS600)。
【0120】
制御部100の順位特定部101は、報知情報を解析して、デバイスの識別情報と製品情報(例えば、製品名)を抽出し、製品名ごとに報知情報を受信した順番(受信順位)を特定する(ステップS610)。例えば、順位特定部101は、検索モードを開始してから、製品名が「ABC」である報知情報を最初に受信した場合には、受信順位は「1」と特定し、同じ製品名の報知情報を2回目に受信した場合には、受信順位は「2」と特定する。その後に、異なる製品名、例えば「DEF」の報知情報を受信した場合には、順位特定部101は、「DEF」の報知情報の受信順位は「1」と特定する。また製品名が「DEF」の報知情報を受信した後に、再び製品名が「ABC」である報知情報を受信した場合には、その報知情報の受信順位を「3」と特定する。すなわち、ステップS610において、順位特定部101は、デバイスの製品名と、製品名ごとの受信順位を特定する。
【0121】
制御部100の決定部102は、記憶部180に記憶された点灯パターンテーブル181を参照し、ステップS610で特定された製品名および受信順位に基づいて、点灯パターンを決定する(ステップS620)。言い換えれば、決定部102は、デバイス2の点灯部40の点灯状態を示す点灯情報を、点灯パターンテーブル181を参照して決定する。以下に、その詳細を説明する。なお、ステップS620における制御部100は、記憶部180から点灯パターンテーブル181のデータを取得するため、「取得部」としての機能をもつ。
【0122】
具体的には、記憶部180には、製品ごとに点灯パターンテーブル181が記憶されている。つまり、記憶部180には、製品名に対応した複数の点灯パターンテーブル181が記憶されている。各々の点灯パターンテーブル181は、受信順位と、点灯パターンと、点灯パターンを示す文字列(点灯パターン文字列)とが関連付けられたテーブル(データ)である。なお、点灯パターンと点灯パターン文字列は、同じ意味の情報を異なる表現形式で表したもので、相互に変換可能であるため、いずれか一方を省略することも可能である。また、上記の点灯パターン(狭義の点灯パターン)と点灯パターン文字列と合わせて広義の「点灯パターン」と呼ぶこともできる。すなわち、実施形態3に係る点灯パターンテーブル181は、製品情報ごとに、受信順位と、広義の点灯パターンとが関連付けられたテーブル(データ)である。また、狭義の点灯パターンおよび点灯パターン文字列は、点灯情報の一種である。このため、点灯パターンテーブル181は、製品情報ごとに受信順位と点灯情報とが関連付けられたテーブル(データ)であり、製品情報ごとに受信順位と点灯情報との組み合わせを複数格納するテーブル(データ)であるともいえる。以下では、特定の製品に対応する点灯パターンテーブルに、181A、181B、181Cなどの符号を付け、製品を区別せずに総称として用いる場合の点灯パターンテーブルに181という符号を付けている。
図12は、第3実施形態に係る点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
図12は、製品名が「AAA」の点灯パターンテーブル181Aを示している。上述したように、点灯パターンテーブル181Aは、「受信順位」と、「点灯パターン」と、「点灯パターン文字列」といった項目を含む。
図12において、製品名は「AAA」であり、この製品は1つ(単色)のLEDしか備えていないため、点灯パターンは単色のLEDで実現できるパターンに限定されている。すなわち、点灯パターンテーブル181は、デバイスの点灯能力に応じて設定されている。点灯能力は、表示能力あるいは表現能力と呼ばれることもある。
【0123】
決定部102は、記憶部180を参照して、
図11に示すステップS610で特定した製品名に該当する点灯パターンテーブル181を特定する。決定部102は、特定したテーブルにおいて、ステップS610で特定した受信順位に該当する点灯パターンおよび点灯パターン文字列を取得する。
【0124】
図12に示す例において、受信順位「1」の点灯パターンは「点滅」である。「点滅」は、短時間の点灯と、短時間の消灯を繰り返す点灯パターンである。例えば、この短時間を「0.2」~「0.5」秒程度に設定すればよい。このような「点滅」は、ユーザが瞬時に(例えば、1秒未満で)認識することが可能である。このため、「点滅」はユーザが最も早く(短時間で)認識できる点灯パターンである。この点灯パターンの点灯パターン文字列は、「点滅」を意味する「blink」である。
【0125】
受信順位「2」の点灯パターンは「点灯」である。ユーザは比較的短時間(例えば、1秒程度)デバイス2の発光部41を観察することにより、点滅パターンではなく点灯パターンであることを認識できる。受信順位「3」以降の点灯パターンは、認識するのに1秒より長い時間を要するため、「点灯」は、ユーザが2番目に早く(短時間で)認識できるパターンである。この点灯パターンの点灯パターン文字列は、「点灯」を意味する「on」である。
【0126】
受信順位「3」の点灯パターンは、「点灯1秒、消灯1秒の繰り返し」である。この点灯パターンはパターンの長さが2秒であるため、ユーザが認識するために2秒以上の時間を要する。また、受信順位「4」以降の点灯パターンよりもパターンの長さが短い。このため、受信順位「3」の点灯パターンは、ユーザが3番目に早く(短時間で)認識できるパターンである。この点灯パターンの点灯パターン文字列は、「on1_off1」であり、「on」の後の数字「1」は点灯時間が1秒であることを示し、offの後の数字「1」は消灯時間が1秒であることを示す。
【0127】
受信順位「4」以降の点灯パターンについても同様である。すなわち、点灯パターンテーブルにおいては、受信順位が高い(早い)ほど、長さが短いパターンが設定されており、受信順位が高いほど、ユーザが認識に要する時間が短いパターンが用いられる。または、受信順位が低い(遅い)ほど、ユーザが認識に要する時間が長いパターンが用いられるともいえる。なお、端末装置の周辺に存在する可能性のある同一の製品名のデバイスの数(最大数)を想定して、受信順位の数(最大数)を決定し、点灯パターンテーブルを作成しておけばよい。もちろん、製品の性質(特性)に応じて、製品名ごとに受信順位の最大数を設定してもよい。一般的には、1つの端末装置の周辺に存在する同一の製品名のデバイスの数が「10」ないし「20」を超える可能性は非常に低いので、その程度を見込んで受信順位の最大数を決定すればよい。
【0128】
図13は、第3実施形態に係る点灯パターンテーブルの別の一例を示す図である。
図13は、製品名が「ABC」の点灯パターンテーブル181Bを示す。点灯パターンテーブル181Bは、「受信順位」と、「点灯パターン」と、「点灯パターン文字列」といった項目を含む。
図13において、製品名は「ABC」であり、この製品は赤色と青色に2つのLEDを備えているため、点灯パターンは2色のLEDで実現(表現)できるパターンで構成されている。
【0129】
点灯パターンテーブル181Bにおいて、受信順位「1」~「3」は、色の異なる「点滅」パターンである。上述したように、「点滅」は、短時間の点灯と、短時間の消灯を繰り返す点灯パターンであり、例えば、この短時間を「0.2」~「0.5」秒程度に設定すればよい。このため、ユーザは瞬時に(例えば、1秒未満で)これらのパターンを認識することが可能である。すなわち、受信順位「1」~「3」の点灯パターンは、いずれもユーザが最も早く(短時間で)認識できるパターンである。これらの点灯パターンの点灯パターン文字列は、色名の後に「点滅」を意味する「blink」をつけたものである。
【0130】
受信順位「4」~「6」は、色の異なる「点灯」パターンであるため、ユーザは比較的短時間(1秒程度)でこれらのパターンを認識することが可能である。受信順位「4」~「6」の点灯パターンは、受信順位「1」~「3」の点灯パターンよりも認識に時間を要するが、受信順位「7」以降のパターンよりも早く認識可能なパターンである。すなわち、受信順位「4」~「6」の点灯パターンは、いずれもユーザが2番目に早く認識できるパターンである。これらの点灯パターン文字列は、色名の後に「点灯」を意味する「on」をつけたものである。
【0131】
受信順位「7」~「9」は、特定の色の「点灯」1秒と、消灯1秒を組み合わせた点灯パターンであり、点灯パターンの長さは2秒である。このため、ユーザがこれらの点灯パターンを認識するのに2秒以上を要する。受信順位「7」~「9」の点灯パターンは、受信順位「4」~「6」の点灯パターンよりも認識に時間を要するが、受信順位「10」以降の点灯パターンよりも早く認識可能な点灯パターンである。すなわち、受信順位「7」~「9」の点灯パターンは、いずれもユーザが3番目に早く認識できる点灯パターンである。これらの点灯パターンの文字列は、「点灯」する色名の後に点灯時間(秒数)を示す数字を付け、消灯を意味する「off」の後に消灯時間(秒数)を示す数字を付けたものである。例えば、点灯パターン文字列「red&blue1_off1」は、赤色と青色の両方を1秒間点灯した後、1秒間消灯するパターンを示す。
【0132】
順位「10」以降の点灯パターンは、1パターンの長さが3秒以上のものである。例えば、順位「10」の点灯パターンは、「赤色1秒点灯、青色1秒点灯、消灯1秒の繰り返し」であり、その長さは3秒である。この場合、点灯パターン文字列は「red1_blue1_off1」となる。
【0133】
すなわち、
図13に示す点灯パターンテーブル181Bにおいても、
図12に示す点灯パターンテーブル181Aと同様に、受信順位が高い(早い)ほど、長さが短いパターンが設定されており、受信順位が高いほど、ユーザが認識に要する時間が短いパターンが用いられる。あるいは、受信順位が低い(遅い)ほど、ユーザが認識に要する時間が長いパターンが用いられるともいえる。
【0134】
図13に示す点灯パターンテーブル181Bに対応する製品「ABC」は、
図12に対応する製品「AAA」に比べて、デバイスの点灯能力(表示能力)が高いため、より短い時間で多くのパターンを表現することができる。すなわち、点灯能力(表示能力)の高いデバイスを用いることにより、ユーザが所望のデバイスを特定するのに要する時間を短縮することができる。
【0135】
図14は、第3実施形態に係る点灯パターンテーブルの更に別の一例を示す図である。
図14は、製品名が「DEF」の点灯パターンテーブル181Cを示す。点灯パターンテーブル181Cは、「受信順位」と、「点灯パターン(RGBの信号レベル)」と、「点灯パターン文字列」といった項目を含む。
図14において、製品名は「DEF」であり、この製品はフルカラーの表示部42(LCD等)を備えているものとする。この製品は、非常の多くの色数を表示できるため、
図12の点灯パターンテーブル181Aおよび
図13の点灯パターンテーブル181Bとは異なり、
図14の点灯パターンテーブル181Cでは、「点滅」や「消灯」といった点灯状態(表示状態)の時間的な変化を用いておらず、全て「点灯」状態を示す。
【0136】
点灯パターンテーブル181Cは、点灯パターンとして、デバイス2の表示部42に入力されるR、G、B信号の大きさを8ビット(0~255)で表した数値を用いている。また点灯パターン文字列として、表示部42で表示される色名を用いている。点灯パターンテーブル181Cでは、点灯(表示)の定常的(静的)な状態を用いているため、受信順位によらずパターンの長さは全て同じであるが、受信順位が高いほど、ユーザが判別し易い色を用いている。例えば
図14に示す例において、受信順位が高い場合の表示色である「赤」(red)、「緑」(green)、「青」(blue)、「黄」(yellow)といった色は、非常に基本的な色(原色)であり、ユーザが非常に短時間で容易に判別できる。一方、受信順位が相対的に低い場合の色、例えば受信順位が「n」の表示色である「苔色」(moss)と、受信順位が「n+1」の「クローバー色」(clover)は、同系色の微妙な色であるため、ユーザが判別するのに時間を要する。もちろん、
図14における色名はあくまでも一例である。
【0137】
図14のように、点灯パターンとして表示色を用いる場合は、点灯パターンテーブルを表示色テーブルと呼ぶこともある。すなわち、表示色テーブルにおいては、第1の受信順位(例えば受信順位「1」)に対応する色と、第1の受信順位の次の受信順位(例えば「2」)に対応する色との色差である第1の色差が、第1の受信順位よりも低い第2の受信順位(例えば「n」、n>1)に対応する色と、第2の受信順位の次の受信順位(例えば「n+1」)に対応する色との色差である第2の色差よりも大きい。
【0138】
表示色テーブルにおいては、L*u*v*、またはL*a*b*などの均等色空間において、受信順位が高い(早い)ほど複数の表示色間の差(色差)が大きくなり、受信順位が低い(遅い)ほど複数の表示色間の差(色差)が小さくなるように設定することが好ましい。つまり、受信順位が高いほどユーザ(人間)が異なる表示色の違いを短時間で認識できるようにし、受信順位が低くなるにつれて異なる表示色の認識に時間を要するように設定すればよい。
【0139】
このように、点灯パターンテーブル181Aから点灯パターンテーブル181Cにおいては、すなわち点灯パターンテーブル181においては、受信順位が高いほど、ユーザが認識に要する時間が短いパターンが設定されている。または、受信順位が低いほど、ユーザが認識に要する時間が長いパターンが設定されているともいえる。
【0140】
図14の点灯パターンテーブル181Cに対応する製品「DEF」は、
図13に対応する製品「ABC」に比べても更に、デバイスの点灯能力(表示能力)が高いため、より短い時間で多くのパターンを表現することができる。すなわち、点灯能力(表示能力)の高いデバイスを用いることにより、ユーザが所望のデバイスを特定するのに要する時間を短縮することができる。
【0141】
図11のフローチャートの説明に戻る。決定部102は、記憶部180に記憶されている点灯パターンテーブル181を参照し、ステップS620で決定された点灯パターンに基づいて、デバイス名を決定する(ステップS630)。具体的には、決定部102は、報知情報に含まれる製品名に、点灯パターンテーブルの点灯パターン文字列を付加した文字列をデバイス名とする。例えば、製品名が「ABC」であり、
図13において受信順位「2」に対応する「青色点滅」パターンが決定された場合、決定部102は、その点灯パターン文字列「blue_blink」を用いて、デバイス名を「ABC_blue_blink」と決定する。
【0142】
制御部100は、ステップS630で決定したデバイス名をペアリング候補リストに追加する(ステップS640)。具体的には、制御部100の表示制御部103は、表示部140に表示されたペアリング候補リストの表示を更新する。つまり、制御部100の表示制御部103は、点灯情報を含むデバイス名を表示部140に表示させる。これにより、端末装置1のユーザは、最新の状態のペアリング候補リストを閲覧することができる。なお、制御部100の表示制御部103は、外部の表示装置に点灯情報を含むデバイス名を表示させてもよい。例えば、制御部100の表示制御部103は、表示部140への表示に代えてあるいは加えて、端末装置1に接続された外部のディスプレイにペアリング候補リストを表示してもよい。
【0143】
近距離通信部120の送信部122は、制御部100の制御に従って、報知情報を送信したデバイス2に対して点灯指示情報を送信する(ステップS650)。点灯指示情報には、ステップS610で取得したデバイスの識別情報と、ステップS620で決定された点灯パターンを示す情報が含まれる。点灯パターンを示す情報としては、点灯パターンテーブル181の点灯パターンを用いてもよいし、点灯パターン文字列を用いてもよい。例えば、点灯パターンを示す情報として、「青色点滅」を用いてもよいし、「blue_blink」を用いてもよいし、その他のコマンドを用いてもよい。あるいは、近距離通信部120の送信部122は、点灯パターンを示す情報としてステップS630で決定したデバイス名をデバイス2に対して送信してもよい。デバイス2は、デバイス名を受信した場合、自装置が送信した製品名に該当する部分を除外して、点灯パターンの情報を抽出することができる。つまり、点灯指示情報は、デバイス2が解釈できる情報であればよい。上述で説明したように、デバイス2は、点灯指示情報を受信すると、それに含まれるデバイス識別情報が自装置の識別情報と一致した場合に、点灯指示情報に従って点灯動作(点灯モード)を開始する。
【0144】
制御部100は、操作部150において、デバイス選択操作がなされたか否かを判定する(ステップS660)。ユーザは、点灯モードが開始されたデバイスと、表示部140に表示されたペアリング候補リストとを見比べて、ペアリング候補リストの中に所望のデバイスがあれば、操作部150を操作してそれを選択する。所望のデバイスがない場合には、ユーザは、ペアリング候補リストに新たなデバイスが追加されるのを待てばよい。デバイス選択操作がなされた場合(ステップS660;Yes)、ステップS670に進む。一方、デバイス選択操作がなされていない場合(ステップS660;No)、ステップS600に戻り、処理を繰り返す。
【0145】
ステップS660でYesと判定された場合、制御部100および近距離通信部120の送信部122は、ステップS660で選択されたデバイスに対して、ペアリング処理を実行する(ステップS670)。
【0146】
近距離通信部120の送信部122は、制御部100の制御に従って、ステップS650で点灯指示情報を送信したデバイス2のそれぞれに対して、点灯終了情報を送信する(ステップS680)。デバイス2は、点灯終了情報を受信すると、点灯モードを終了する。つまり、デバイス2は、点灯モードによる発光部41の発光や表示部42の表示を終了する。
【0147】
上述のとおり、第3実施形態によれば、端末装置1が周辺のデバイスに対して、他のデバイス2と重複しない点灯パターンを指示するため、ユーザが所望のデバイスを短時間で容易に認識できる。つまり、第3実施形態は、複数のデバイスが同じ点灯パターンになり、ユーザが各々のデバイスを認識できない状況(混乱する状況)を防止することができる。
【0148】
また、第3実施形態によれば、端末装置1が早く報知情報を受信したデバイスほど、ユーザが短時間で認識可能なパターンで点灯(表示)する。このため、端末装置の周辺のデバイスの数が少ない場合には、ユーザは非常に短時間で容易に所望のデバイスを認識できる。一方、端末装置の周辺のデバイスの数が多くなった場合であっても、各々のデバイスは異なる点灯パターンで点灯(表示)するため、ある程度の時間がかかる場合があっても、ユーザは所望のデバイスを確実に認識できる。
【0149】
<第3実施形態の変形例>
第3実施形態の変形例について説明する。第3実施形態では、端末装置1の記憶部180が点灯パターンテーブル181を記憶しているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0150】
第3実施形態の変形例では、例えば、端末装置1からアクセス可能なサーバに点灯パターンテーブル181を記憶し、端末装置1はサーバから必要なデータを取得してもよい。具体的には、端末装置1の遠距離通信部130が、サーバに対して製品情報(製品名)と受信順位とを送信し、その応答(レスポンス)として、遠距離通信部130がサーバから点灯パターンを示す情報と点灯パターン文字列を受信(取得)してもよい。このような構成にすれば、端末装置1の記憶部180に点灯パターンテーブル181を記憶する必要がないため、点灯パターンテーブル181の追加、変更が容易となり、端末装置1は多くの種類のデバイスに容易に対応することができる。このような構成の場合、遠距離通信部130および制御部100は、外部から点灯パターンテーブル181を取得するため、「取得部」として機能する。また、点灯パターンテーブル181をインターネットの検索エンジンで検索可能にしておき、端末装置1が「製品名 点灯パターンテーブル」といったキーワードで検索してデータを取得できるようにしてもよい。このような構成にすれば、デバイスのメーカーごとにサーバを配置するなど、サーバを分散させて配置することが容易となり、端末装置1は、多くの種類のデバイスに容易に対応することができる。
【0151】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。第3実施形態では、端末装置またはサーバにおいて、製品ごとに点灯パターンテーブル181を記憶しているため、ペアリング対象の製品の数が増えると、点灯パターンテーブルの追加、更新等の管理が煩雑になる可能性がある。そこで、第4実施形態では、製品ごとの点灯パターンテーブルを用いずに、デバイスの点灯能力ごとの点灯パターンテーブルを用いて処理を行う。以下では、第3実施形態と同一の点については、適宜説明を省略し、第3実施形態との差異を中心に説明する。なお第4実施形態に係る端末装置も、デバイスの点灯パターンを制御するため、「制御装置」と呼ばれることがある
【0152】
(端末装置の処理)
図15を用いて、第4実施形態に係る端末装置の処理の流れについて説明する。
図15は、第4実施形態に係る端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0153】
ステップS700、およびステップS730からステップS780の処理は、ぞれぞれ、
図11に示すステップS600、およびステップS630からステップS680の処理と同様なので、説明を省略する。
【0154】
第4実施形態では、
図10に示すステップS430およびステップS440等でデバイス2が端末装置1に対して送信する報知情報、すなわち
図11に示すステップS600で端末装置1が受信する報知情報には、デバイス2の識別情報と製品情報の他に、デバイスの点灯能力あるいは表示能力を示す情報が含まれている。この情報を、点灯能力情報と呼ぶ。すなわち、第4実施形態では、デバイス2は、発光部41または表示部42で用いることが可能な色の情報を点灯能力情報として報知情報に含めている。
【0155】
例えば、「赤色」のLEDのみを備えるデバイス2は、点灯能力情報に「%1=red」という文字列を含める。ここで「%1」は使用可能な1番目の色を示す「キー」である。「red」は1番目のキーの値、つまり1番目のキーに対応する色名(色の名称)である。つまり、「%1=red」という情報は、1番目のキーの値(バリュー)が「red」であることを示す情報である。
【0156】
すなわち、点灯能力情報は「%キー番号=値」というように、キーと値とを1つ以上組み合わせた情報である。キーと値との組み合わせをパラメータと呼ぶこともある。また「赤色」と「青色」の2色のLEDを備えるデバイスは、点灯能力情報に「%1=red,%2=blue」という文字列を含める。ここで「%2」は使用可能な2番目の色という意味である。もちろん、3種類以上の色を使用可能なデバイスは、「%3」以降のキーを用いて点灯能力情報を作成する。また、キーは番号に限らず、任意の記号であってもよい。例えば、「%A」、「%B」、「%C」などのキーを用いてもよい。
【0157】
順位特定部101は、報知情報を解析して、デバイスの識別情報と、製品情報と、点灯能力情報を抽出し、点灯能力情報ごとに報知情報を受信した順番(受信順位)を特定する(ステップS710)。例えば、1番目に「%1=red,%2=blue」を含む報知情報を受信し、2番目に「%1=red」を含む報知情報を受信した場合、2番目の報知情報の受信順位は「1」となる。また3番目に「%1=red,%2=blue」を含む報知情報を受信した場合、3番目の報知情報の受信順位は「2」となる。ただし、順位特定部101は、「%1=blue,%2=red」のように、キーの番号のみが異なる点灯能力情報を受信した場合には、キーの順番を区別せずに、「%1=red,%2=blue」と同じとみなして、受信順位を特定する。このため、製品が同じであれば、同一の点灯能力情報になるが、異なる製品であっても、同一の点灯能力情報になる場合がある。
【0158】
決定部102は、記憶部180に記憶された点灯パターンテーブル181を参照し、ステップS710で抽出した点灯能力情報および特定した受信順位に基づいて、点灯パターンを決定する(ステップS720)。ここでは、まず、決定部102は、点灯能力情報に含まれるキーの数を特定する。例えば、点灯能力情報が「%1=red」の場合、キーの数は「1」であり、点灯能力情報が「%1=red,%2=blue」の場合、キーの数は「2」である。第4実施形態における記憶部180は、点灯能力情報に含まれるキーの数に対応する点灯パターンテーブル181を記憶する。第4実施形態に係る点灯パターンテーブル181は、点灯能力(例えば、キーの数)ごとに、受信順位と、広義の点灯パターンとが関連付けられたテーブル(データ)である。また、点灯パターンテーブル181は、点灯能力ごとに受信順位と点灯情報とが関連付けられたテーブル(データ)であり、点灯能力ごとに受信順位と点灯情報との組み合わせを複数格納するテーブル(データ)であるともいえる。以下では、特定の点灯能力に対応する点灯パターンテーブルに、181D、181E、181Fなどの符号を付け、点灯能力を区別せずに総称として用いる場合の点灯パターンテーブルに181という符号を付けている。
【0159】
図16は、キーの数が「1」である場合の点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
図16に示すように、点灯パターンテーブル181Dは、「受信順位」と、「点灯パターン」と、「点灯パターン文字列」といった項目を含む。点灯パターンテーブル181Dに対応するデバイス2は、1つの色の発光または表示を行う能力しかないため、
図12に示す点灯パターンテーブル181Aと同様のパターンが点灯パターンテーブル181Dに設定されている。ただし、点灯パターンテーブル181Dにおいて、点灯パターン文字列の「<%1>」は、該当箇所を第1キーに対応する値で置換する処理を示す。
【0160】
例えば、点灯能力情報が「%1=red」である場合、決定部102は、受信順位「1」の点灯パターン文字列である「<%1>_blink」を「red_blink」と置換する。このように置換処理された点灯パターン文字列は、
図11に示すステップS630において使用される。決定部102は、点灯能力情報に含まれる色が何色であっても(「red」でも「green」でも「blue」)、キーの数が「1」であれば、すべて
図16に示す1つのテーブルを用いて点灯パターン文字列を決定できる。このため、第4実施形態によれば、多くの種類のデバイスに容易に対応できる。
【0161】
図17は、第4実施形態に係るキーの数が「2」である場合に対応する点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
図17に示すように、点灯パターンテーブル181Eは、「受信順位」と、「点灯パターン」と、「点灯パターン文字列」といった項目を含む。
図17に示す例では、点灯パターンテーブル181Eにおいて、
図13の点灯パターンテーブル181Bと同様の点灯パターンが設定されている。ただし、決定部102は、点灯パターン文字列の「<%1>」を第1キーに対応する値で置換し、「<%2>」を第2キーに対応する値で置換する。例えば、点灯能力情報が「%1=red,%2=blue」の場合、受信順位「3」の点灯パターン文字列である「<%1>&<%2>_blink」は、「red&blue_blink」となる。
【0162】
第4実施形態に係る点灯パターンテーブル181Dおよび点灯パターンテーブル181Eも、第3実施形態と同様に、受信順位高い(早い)ほど、長さが短いパターンが設定されており、受信順位が高いほど、ユーザが認識に要する時間が短いパターンが用いられている。
【0163】
なお、ステップS710において、順位特定部101は、受信した点灯能力情報を短縮(編集)して用いてもよい。例えば、順位特定部101は、「%1」から「%10」までの10個のキーを含む点灯能力情報を受信した場合、そのうちの「%5」までのキーを有効とし、「%6」以降のキーを無視してもよい。すなわち、受信した点灯能力情報のうちの一部の能力を利用して点灯パターンを決定してもよい。このような処理により、記憶部180に記憶されている点灯パターンテーブル181D等のキーの数の上限(例えば、「5」)を超えた点灯能力情報を受信した場合であっても、支障なく処理を行うことができ、より多くの種類のデバイスに容易に対応できる。
【0164】
また、第3実施形態で述べたのと同様に、端末装置1からアクセス可能なサーバに点灯パターンテーブル181D等を記憶し、端末装置1はサーバから必要なデータを取得してもよい。端末装置1の遠距離通信部130は、サーバに対して点灯能力情報と受信順位とを送信し、その応答として、遠距離通信部130がサーバから点灯パターンを示す情報と点灯パターン文字列(置換処理後の文字列)を受信(取得)してもよい。このような構成の場合、遠距離通信部130および制御部100は、外部から点灯パターンテーブル181を取得するため、「取得部」として機能する。このような構成にすれば、端末装置1に点灯パターンテーブルを記憶する必要がないため、点灯パターンテーブルの追加、変更がさらに容易となり、端末装置はより多くの種類のデバイスに容易に対応することができる。
【0165】
また、第4実施形態では、点灯パターンテーブルをインターネットの検索エンジンで検索可能にしておき、端末装置1が「キーの数:2 点灯パターンテーブル」といったキーワードで検索してデータを取得できるようにしてもよい。このような構成にすれば、サーバを分散させて配置することが容易となり、端末装置はより多くの種類のデバイスに容易に対応することができる。
【0166】
また、第4実施形態では、デバイス2の発光部41の色に限らず、デバイス2の表示部42の色を点灯能力情報(表示能力情報)として用いてもよい。例えば、デバイス2の表示部の所定領域に20種類の色を表示可能である場合、デバイス2は、「<%1=red>」から「<%20=LemonYellow>」などまでの20個のパラメータを含む点灯能力情報を送信してもよい。デバイスの発光部の色あるいはデバイス2の表示部42の色を区別せずに、どちらも点灯色あるいは表示色と呼ぶこともある。
【0167】
上述のとおり、第4実施形態によれば、点灯能力情報に応じた点灯パターンテーブルを用いるため、点灯パターンテーブルの追加、更新等の管理の煩雑さを低減できる。これは、点灯能力情報に応じた点灯パターンテーブルは、製品ごとの点灯パターンテーブルに比べて、多くの種類のデバイスで共通に使用することが可能であり、追加や更新の必要性が少ないためである。第4実施形態では、点灯能力情報に応じた点灯パターンテーブル用いることにより、多くの種類のデバイスに対して、重複しない適切な点灯パターンを容易に指定することができる。このため、ユーザは所望のデバイスを短時間で容易に認識できる。
【0168】
<第4実施形態の変形例>
第4実施形態の変形例について説明する。第4実施形態では、点灯能力情報として、デバイス2の点灯部40で使用可能な色を識別するためのキーと、色の名称(色名)との組み合わせを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0169】
第4実施形態の変形例では、点灯能力情報として、デバイス2の点灯部40で使用可能な色の数を示す情報を用いてもよい。第4実施形態の変形例では、例えば、デバイス2の表示部42がR、G、Bを各々8ビットのフルカラー(1677万色)で表示可能である場合、「使用可能色数=フルカラー」または「使用可能色数=RGB各8ビット」または「使用可能色数=1677万色」といった点灯能力情報を用いる。これらは全て同じ点灯能力情報として解釈される。
【0170】
第4実施形態の変形例においても、
図15に示すステップS710では、順位特定部101は、点灯能力情報ごとに、すなわち使用可能な色数ごとに受信順位を特定する。第4実施形態の変形例では、端末装置1の記憶部180は、使用可能な色数ごとに点灯パターンテーブルを記憶する。
図18は、第4実施形態の変形例に係る点灯パターンテーブルの一例を示す図である。
図18は、使用可能な色数が「RGB各8ビット」である場合の点灯パターンテーブル181Fを示している。もちろん、第4実施形態の変形例では、使用可能な色数が異なる場合は、他の点灯パターンテーブルを用いるが、他のテーブルについては省略する。
【0171】
第4実施形態の変形例では、
図15に示すステップS720において、決定部102は、
図18に示すような点灯パターンテーブル181Fを参照し、ステップS710で順位特定部101が抽出した点灯能力情報および特定した受信順位に基づいて、点灯パターンを決定する。第3実施形態に係る
図14に示す点灯パターンテーブル181Cと同様に、
図18に示す点灯パターンテーブル181Fにおいては、第1の受信順位(例えば受信順位「1」)に対応する色と、第1の受信順位の次の受信順位(例えば「2」)に対応する色との色差である第1の色差が、第1の受信順位よりも低い第2の受信順位(例えば「n」、n>1)に対応する色と、第2の受信順位の次の受信順位(例えば「n+1」)に対応する色との色差である第2の色差よりも大きい。
【0172】
すなわち、第4実施形態の変形例においても点灯パターンテーブル181Fに、受信順位が高い(早い)ほど、ユーザが認識に要する時間が短い表示色(点灯色)が設定されている。その他の処理については第4実施形態と同様である。
【0173】
なお、第4実施形態の変形例において、受信した点灯能力情報を適宜変更した上で、使用する点灯パターンテーブルを決定してもよい。例えば、「使用可能色数=RGB各12ビット」という点灯能力情報を受信した場合、これを「使用可能色数=RGB各8ビット」に変更して、それに該当する点灯パターンテーブルを使用してもよい。これは、RGB各12ビットの点灯能力をもつデバイスは、当然のことながら、RGB各8ビットの点灯能力をもつためである。
【0174】
すなわち、第4実施形態の変形例において、受信した点灯能力情報よりも低い点灯能力に変換した上で、使用する点灯パターンテーブルを決定してもよい。換言すれば、受信した点灯能力情報のうちの一部の能力を利用して点灯パターンを決定してもよい。このような処理を行えば、端末装置あるいはサーバの記憶部に記憶させておく点灯パターンテーブルの種類を削減することができる。
【0175】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0176】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0177】
1 端末装置
2,2a,2b,2c デバイス
10,100 制御部
20,110 電源部
30,120 近距離通信部
40 点灯部
41 発光部
42,140 表示部
50 乱数発生部
60 イヤホン
70 マイク
80,150 操作部
90,180 記憶部
91 変換テーブル
92 点灯パターン決定プログラム
160 音声出力部
170 音声入力部
101 順位特定部
102 決定部
103 表示制御部
121 受信部
122 送信部
130 遠距離通信部
181 点灯パターンテーブル
1000 無線通信システム