(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136190
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置およびプラットフォームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20240927BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240927BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240927BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240927BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/792
A63F13/69
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047217
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC18
5L050CC18
(57)【要約】
【課題】第1ゲームの第1オブジェクトについて、利用の自由度を改善できるゲームプログラム、情報処理装置およびプラットフォームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームプログラムは、コンピュータ23を、第1ゲームの第1仮想空間において、第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転手段235、第1ユーザから、第1オブジェクトの移転の対価として、第1暗号資産を第1ユーザに提供する第1設定、または、第2暗号資産を第1ユーザに提供する第2設定、のうちのいずれかの設定を受け付ける設定受付手段2331、第1オブジェクトが移転される場合、受け付けられた設定に基づいて、第1ユーザに対価を提供するための処理を実行する提供手段236、として機能させるものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1ゲームの第1仮想空間において、前記第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転手段、
前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転の対価として、第1暗号資産を前記第1ユーザに提供する第1設定、または、第2暗号資産を前記第1ユーザに提供する第2設定、のうちのいずれかの設定を受け付ける設定受付手段、
前記第1オブジェクトが移転される場合、前記受け付けられた設定に基づいて、前記第1ユーザに前記対価を提供するための処理を実行する提供手段、として機能させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記第2暗号資産は、第2ゲームの第2仮想空間上で使用することを含む条件付きの暗号資産である、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
第2ゲームの第2仮想空間において、前記第1ユーザから、前記第2ゲームの第2オブジェクトを取得するための、前記第1暗号資産、または前記第2暗号資産の支払い指示を受け付ける第1支払い受付手段、
前記第2仮想空間において、前記指示に基づいて、前記第1暗号資産、または前記第2暗号資産と引き換えに、前記第2オブジェクトを前記第1ユーザに付与するオブジェクト付与手段、としてさらに機能させる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、前記第1仮想空間において、前記第2設定に基づいて前記第1ユーザに前記第2暗号資産が提供された際、前記第1ユーザに特典を付与する第1特典付与手段としてさらに機能させる、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、前記第2仮想空間において、前記第2設定に基づいて前記第1ユーザに提供された前記第2暗号資産と引き替えに前記第2オブジェクトが付与される場合、前記第1ユーザに特典を付与する第2特典付与手段としてさらに機能させる、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記オブジェクト付与手段は、前記第2設定に基づいて前記第1ユーザに提供された前記第2暗号資産と引き換える際、前記第1設定に基づいて前記第1ユーザに提供された前記第1暗号資産と引き換えるよりも前記特典に応じた有利な条件で、前記第2オブジェクトを前記第1ユーザに付与する、
請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記第1ユーザから、前記移転の際に支払う1以上の手数料の候補のうち、採用する手数料の指定を受け付ける手数料受付手段、
前記指定された手数料に応じた条件を満たす1以上のユーザに対して、前記第1ユーザによる前記第1オブジェクトの移転の申し出を提示する提示手段、としてさらに機能させる、
請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転を第3ユーザに委託する指示を受け付ける委託受付手段、
前記指示に基づいて、前記第3ユーザから、前記第2ユーザに対する前記第1オブジェクトの移転の申し出を受け付ける申し出受付手段、
前記第2ユーザまたは前記第3ユーザから、前記移転の要求を受け付ける要求受付手段、としてさらに機能させ、
前記移転手段は、前記第1仮想空間において、前記要求に基づいて、前記第1オブジェクトを前記第2ユーザに移転させ、
前記提供手段は、前記第1オブジェクトの移転の際、前記第3ユーザに前記委託の対価を提供するための処理を実行する、
請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、前記指示に基づいて、前記第1仮想空間において、前記第1ユーザによる前記第1オブジェクトの使用を制限する第1制限手段、としてさらに機能させることができる、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記移転手段は、前記指示に基づいて、前記第1オブジェクトを、前記第1ユーザから前記第3ユーザに一時的に移転させ、
前記コンピュータを、前記第1仮想空間において、前記第3ユーザによる前記第1オブジェクトの使用を、前記移転の申し出と前記移転の要求に制限する第2制限手段、としてさらに機能させ、
前記移転手段は、前記第1仮想空間において、前記要求に基づいて、前記第1オブジェクトを前記第3ユーザから前記第2ユーザに移転させる、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記申し出受付手段は、前記第3ユーザから、前記第3ユーザが前記第1ゲームの進行により取得した第3オブジェクト、および/または前記第1ユーザとは異なる第4ユーザから移転を受託した第4オブジェクトと、前記第1オブジェクトとを組み合わせて、前記第2ユーザに対する移転の申し出を受け付ける、
前記移転手段は、前記第1仮想空間において、前記要求に基づいて、前記第1オブジェクトと、前記第1オブジェクトに組み合わせた前記第3オブジェクトおよび/または前記第4オブジェクトと、を前記第2ユーザに移転させる、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、前記第3ユーザから、前記第2ユーザの候補となるユーザを示す候補ユーザ情報を取得する対価の支払い指示を受け付ける第2支払い受付手段、
前記提供手段は、前記指示に応じて、前記候補ユーザ情報を前記第3ユーザに提供する、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
第1ゲームの第1仮想空間において、前記第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転部と、
前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転に対する対価として、第1暗号資産を前記第1ユーザに提供する第1設定、または、第2ゲームの第2仮想空間上で使用することを含む条件付きの第2暗号資産を前記第1ユーザに提供する第2設定のいずれかの設定を受け付ける設定受付部と、
前記第1オブジェクトが移転される場合、前記受け付けられた設定に基づいて、前記第1ユーザに前記対価を提供するための処理を実行する提供部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項14】
第1ゲームの第1仮想空間において、前記第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転部と、
前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転に対する対価として、第1暗号資産を前記第1ユーザに提供する第1設定、または、第2ゲームの第2仮想空間上で使用することを含む条件付きの第2暗号資産を前記第1ユーザに提供する第2設定のいずれかの設定を受け付ける設定受付部と、
前記第1オブジェクトが移転される場合、前記受け付けられた設定に基づいて、前記第1ユーザに前記対価を提供するための処理を実行する提供部と、を備える、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、情報処理装置およびプラットフォームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1ゲームで付与された第1ゲーム媒体等のオブジェクト(以下、「第1オブジェクト」ともいう)について、第1ゲームのサービス終了に伴い、第1ゲームとは別の第2ゲームにおいて、第1ゲーム媒体に対応する第2ゲーム媒体等のオブジェクト(以下、「第2オブジェクト」ともいう)を利用可能にする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、第1ゲームの第1オブジェクトに対応する第2ゲームの第2オブジェクトが利用可能になるが、第1オブジェクトの利用の自由度にさらなる改善の余地がある。
【0005】
本開示は、第1ゲームの第1オブジェクトについて、利用の自由度を改善できるゲームプログラム、情報処理装置およびプラットフォームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、第1ゲームの第1仮想空間において、前記第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転手段、前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転の対価として、第1暗号資産を前記第1ユーザに提供する第1設定、または、第2暗号資産を前記第1ユーザに提供する第2設定、のうちのいずれかの設定を受け付ける設定受付手段、前記第1オブジェクトが移転される場合、前記受け付けられた設定に基づいて、前記第1ユーザに前記対価を提供するための処理を実行する提供手段、として機能させる、ゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記第2暗号資産は、第2ゲームの第2仮想空間上で使用することを含む条件付きの暗号資産であってもよい。
【0008】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、第2ゲームの第2仮想空間において、前記第1ユーザから、前記第2ゲームの第2オブジェクトを取得するための、前記第1暗号資産、または前記第2暗号資産の支払い指示を受け付ける第1支払い受付手段、前記第2仮想空間において、前記指示に基づいて、前記第1暗号資産、または前記第2暗号資産と引き換えに、前記第2オブジェクトを前記第1ユーザに付与するオブジェクト付与手段、としてさらに機能させることができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記第1仮想空間において、前記第2設定に基づいて前記第1ユーザに前記第2暗号資産が提供された際、前記第1ユーザに特典を付与する第1特典付与手段としてさらに機能させることができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記第2仮想空間において、前記第2設定に基づいて前記第1ユーザに提供された前記第2暗号資産と引き替えに前記第2オブジェクトが付与される場合、前記第1ユーザに特典を付与する第2特典付与手段としてさらに機能させることができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記オブジェクト付与手段は、前記第2設定に基づいて前記第1ユーザに提供された前記第2暗号資産と引き換える際、前記第1設定に基づいて前記第1ユーザに提供された前記第1暗号資産と引き換えるよりも前記特典に応じた有利な条件で、前記第2オブジェクトを前記第1ユーザに付与することができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記第1ユーザから、前記移転の際に支払う1以上の手数料の候補のうち、採用する手数料の指定を受け付ける手数料受付手段、前記指定された手数料に応じた条件を満たす1以上のユーザに対して、前記第1ユーザによる前記第1オブジェクトの移転の申し出を提示する提示手段、としてさらに機能させることができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転を第3ユーザに委託する指示を受け付ける委託受付手段、前記指示に基づいて、前記第3ユーザから、前記第2ユーザに対する前記第1オブジェクトの移転の申し出を受け付ける申し出受付手段、前記第2ユーザまたは前記第3ユーザから、前記移転の要求を受け付ける要求受付手段、としてさらに機能させ、前記移転手段は、前記第1仮想空間において、前記要求に基づいて、前記第1オブジェクトを前記第2ユーザに移転させ、前記提供手段は、前記第1オブジェクトの移転の際、前記第3ユーザに前記委託の対価を提供するための処理を実行することができる。
【0014】
また、第1の側面において、コンピュータを、前記指示に基づいて、前記第1仮想空間において、前記第1ユーザによる前記第1オブジェクトの使用を制限する第1制限手段、としてさらに機能させることができる。
【0015】
また、第1の側面において、前記移転手段は、前記指示に基づいて、前記第1オブジェクトを、前記第1ユーザから前記第3ユーザに一時的に移転させ、前記コンピュータを、前記第1仮想空間において、前記第3ユーザによる前記第1オブジェクトの使用を、前記移転の申し出と前記移転の要求に制限する第2制限手段、としてさらに機能させ、前記移転手段は、前記第1仮想空間において、前記要求に基づいて、前記第1オブジェクトを前記第3ユーザから前記第2ユーザに移転させることができる。
【0016】
また、第1の側面において、前記申し出受付手段は、前記第3ユーザから、前記第3ユーザが前記第1ゲームの進行により取得した第3オブジェクト、および/または前記第1ユーザとは異なる第4ユーザから移転を受託した第4オブジェクトと、前記第1オブジェクトとを組み合わせて、前記第2ユーザに対する移転の申し出を受け付ける、前記移転手段は、前記第1仮想空間において、前記要求に基づいて、前記第1オブジェクトと、前記第1オブジェクトと組み合わせた前記第3オブジェクトおよび/または前記第4オブジェクトと、を前記第2ユーザに移転させることができる。
【0017】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記第3ユーザから、前記第2ユーザの候補となるユーザを示す候補ユーザ情報を取得する対価の支払い指示を受け付ける第2支払い受付手段、前記提供手段は、前記指示に応じて、前記候補ユーザ情報を前記第3ユーザに提供することができる。
【0018】
第2の側面は、第1ゲームの第1仮想空間において、前記第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転部と、前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転に対する対価として、第1暗号資産を前記第1ユーザに提供する第1設定、または、第2ゲームの第2仮想空間上で使用することを含む条件付きの第2暗号資産を前記第1ユーザに提供する第2設定のいずれかの設定を受け付ける設定受付部と、
前記第1オブジェクトが移転される場合、前記受け付けられた設定に基づいて、前記第1ユーザに前記対価を提供するための処理を実行する提供部と、を備える、情報処理装置である。
【0019】
第3の側面は、第1ゲームの第1仮想空間において、前記第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転部と、前記第1ユーザから、前記第1オブジェクトの移転に対する対価として、第1暗号資産を前記第1ユーザに提供する第1設定、または、第2ゲームの第2仮想空間上で使用することを含む条件付きの第2暗号資産を前記第1ユーザに提供する第2設定のいずれかの設定を受け付ける設定受付部と、
前記第1オブジェクトが移転される場合、前記受け付けられた設定に基づいて、前記第1ユーザに前記対価を提供するための処理を実行する提供部と、を備える、プラットフォームシステムである。
【0020】
本開示によれば、第1ゲームの第1オブジェクトについて、利用の自由度を改善できるゲームプログラム、情報処理装置およびプラットフォームシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態におけるプラットフォームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例および画面遷移の例を示す図である。
【
図4】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例および画面遷移の例を示す図である。
【
図5】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例および画面遷移の例を示す図である。
【
図6】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例および画面遷移の例を示す図である。
【
図7】本実施形態におけるプラットフォームシステムの一連の動作を表すフロー図である。
【
図8】本実施形態におけるプラットフォームシステムの一連の動作を表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)にかかるプラットフォームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0023】
<プラットフォームシステムの説明>
プラットフォームシステム1は、ゲームシステムの一態様であり、第1ゲームおよび第2ゲームを含む複数のゲームを連携させるプラットフォームを提供するシステムである。第2ゲームは、第1ゲームと異なるゲームであり、1つであってもよいし複数であってもよい。プラットフォームシステム1は、例えば、第1ゲームで取得した暗号資産(仮想通貨)やオブジェクトについて、第2ゲームで利用可能にする。
【0024】
第1ゲームと第2ゲームは、典型的には異なるパブリッシャーが提供するゲームであるが、これに限定されない。第1ゲームと第2ゲームは、例えば、同じパブリッシャーが提供するゲームであってもよい。また、第1ゲームと第2ゲームは、例えば、分散型台帳技術を用いるゲーム、いわゆるブロックチェーンゲームであってもよい。また、第1ゲームが実現する仮想空間を「第1仮想空間」といい、第2ゲームが実現する仮想空間を「第2仮想空間」という。
【0025】
本実施形態にかかるオブジェクトは、例えばゲームに関する要素(言い換えるとゲーム媒体)である。オブジェクトは、例えば、デジタルカード、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。また、オブジェクトは、例えば、ノンファンジブルト-クン(Non-Fungible Token、以下「NFT」ともいう)であってもよい。
【0026】
第1ゲームのオブジェクトを「第1オブジェクト」といい、第2ゲームのオブジェクトを「第2オブジェクト」という。第1オブジェクトは、例えば、第1ゲームでユーザが取得したオブジェクト、第1ゲームで使用可能なオブジェクト、および/または第1ゲームで登場するオブジェクトである。また、第2オブジェクトは、例えば、第1ゲームでユーザが取得したオブジェクト、第1ゲームで使用可能なオブジェクト、および/または第1ゲームで登場するオブジェクトである。
【0027】
図1に示すように、プラットフォームシステム1は、複数のユーザそれぞれが使用する複数のユーザ装置5と、ユーザ装置5と通信可能に接続された第1サーバ装置2aと第2サー装置3とを含むシステムである。プラットフォームシステム1では、第1サーバ装置2aと、第2サーバ装置2bと、複数のユーザ装置5とが通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。なお、第1サーバ装置2aと第2サーバ装置2bとについて、特に区別の必要がない場合など、総称して「サーバ装置2」ともいう。
【0028】
第1サーバ装置2aは、第1ゲームをユーザに提供するための情報処理装置である。第1サーバ装置2aは、サーバ用の第1ゲームのプログラム(以下、「第1ゲームプログラム(サーバ用)」ともいう)およびゲームデータ(以下、「第1ゲームデータ」ともいう)を記憶しており、第1ゲームを実行するユーザのアカウントごとの第1ゲームデータおよび第1ゲームの実行状況の管理を行う。第1ゲームデータとは、第1ゲームの進行に必要なデータおよび第1ゲームのプレイデータなどを含む。
【0029】
第2サーバ装置2bは、第2ゲームをユーザに提供するための情報処理装置である。第2サーバ装置2bは、サーバ用の第2ゲームのプログラム(以下、「第2ゲームプログラム(サーバ用)」ともいう)およびゲームデータ(以下、「第2ゲームデータ」ともいう)を記憶しており、第2ゲームを実行するユーザのアカウントごとの第2ゲームデータおよび第2ゲームの実行状況の管理を行う。第2ゲームデータとは、第2ゲームの進行に必要なデータおよび第2ゲームのプレイデータなどを含む。
【0030】
ユーザ装置5は、ユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ装置5は、スマートフォンやラップトップなどの汎用的な端末装置であってもよいし、プラットフォームシステム1専用の装置であってもよい。ユーザ装置5は、例えば、第1ゲームを実行するためのプログラム(以下、「第1ゲームプログラム(ユーザ用)」ともいう)と、第2ゲームを実行するためのプログラム(以下、「第2ゲームプログラム(ユーザ用)」ともいう)とを備えてもよい。
【0031】
第1ゲームプログラム(サーバ用)と第1ゲームプログラム(ユーザ用)とについて、特に区別の必要がない場合など、総称して「第1ゲームプログラム」ともいう。また、第2ゲームプログラム(ユーザ用)と第2ゲームプログラム(サーバ用)とについて、特に区別の必要がない場合など、総称して「第2ゲームプログラム」ともいう。
【0032】
第1ゲームデータと第2ゲームデータとについて、特に区別の必要がない場合など、総称して「ゲームデータ」ともいう。また、第1ゲームプログラムと第2ゲームプログラムとについて、特に区別の必要がない場合など、総称して「ゲームプログラム」ともいう。
【0033】
第1ゲームプログラム(サーバ用)と第2ゲームプログラム(サーバ用)とについて、特に区別の必要がない場合など、総称して「サーバプログラム」ともいう。また、第1ゲームプログラム(ユーザ用)と第2ゲームプログラム(ユーザ用)とについて、特に区別の必要がない場合など、総称して「ユーザプログラム」ともいう。
【0034】
<サーバ装置の構成>
以下、サーバ装置2のハードウェア構成および機能構成について説明する。
【0035】
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0036】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各サーバ装置2および/または各ユーザ装置5と通信可能接続されている。
【0037】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置または外部記憶装置などのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221や各オブジェクトの取引履歴情報などの各種データなどが記憶されている。
【0038】
本実施形態にかかるプログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0039】
ユーザDB221には、ユーザのユーザ識別情報ごとに、ユーザが保有するオブジェクトを識別するオブジェクト識別情報(例えば、シリアル番号)、プラットフォームシステム1内にて使用可能なデジタル通貨の残高や取引履歴情報、ユーザの属性を示す属性情報などが、対応付けられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。デジタル通貨は、例えば、電子マネーや暗号資産、またはゲーム内通貨であってもよい。
【0040】
「パラメータ」とは、例えば、キャラクタやアイテムなどのオブジェクトの戦力、攻撃力、防御力、体力(HP)、賢さ、スキルレベル、スキルの種類、ランク、またはレアリティ(希少度)などである。
【0041】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する、すなわちデータの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御などを担う処理装置(例えば、プロセッサなど)である。制御部23は、記憶部22に格納されているプログラムを実行することにより、サーバ装置2における様々な機能を実現することができる。
【0042】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、受付手段233、提示手段234、移転手段235、提供手段236、付与手段237、および制限手段238として機能する。
【0043】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各サーバ装置2および/または各ユーザ装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ユーザの操作に応じた各種要求(例えば、オブジェクトの移転の要求や表示情報の要求など)、ユーザ情報、ゲームデータなどが挙げられる。表示情報は、例えば後述する
図3~6の例で示す画面を含むゲーム場面などをユーザ装置5に表示させるための情報である。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ユーザプログラム、ゲームデータなどが挙げられる。また、情報処理手段231は表示情報を生成してもよい。
【0044】
情報処理手段231は、例えば、ユーザごとに、各ゲームのステータス(例えば、「進行中」、「進行終了」など)を管理してもよい。例えば、第1ゲームの進行を終了させる設定を設定受付手段2331が第1ユーザから受け付けた場合、情報処理手段231は、第1ユーザにおける第1ゲームのステータスを「進行終了」に更新する。第1ゲームのステータスが「進行終了」と更新された場合、例えば、制限手段238は、第1ゲームのクエストの進行などを制限してもよい。このように第1ゲームの進行を第1ユーザが終了させる理由としては、例えば、第1ゲームのサービスを退会する場合、またはこのサービスの退会はしなくとも第1ゲームをこれ以上プレイしない場合などが考えられる。
【0045】
-照合手段―
照合手段232は、ユーザ装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0046】
-受付手段―
受付手段233は、ユーザ装置5を介して、ユーザからの操作信号の入力を受け付ける。受付手段233は、設定受付手段2331を備える。設定受付手段2331は、第1ユーザから、第1設定または第2設定のうちのいずれかの設定を受け付ける。第1設定は、第1オブジェクトの移転の対価(以下、「移転対価」ともいう)として、第1暗号資産を第1ユーザに提供する設定である。また、第2設定は、移転対価として、第2暗号資産を第1ユーザに提供する設定である。
【0047】
第1暗号資産は、例えば、プラットフォームシステム1のネットワーク上で連携された第2ゲームを含む複数のゲームのそれぞれの仮想空間上で使用可能な暗号資産であってもよい。また、第1暗号資産は、プラットフォームシステム1とは異なるシステム(例えば、サードパーティシステムなど)で使用可能であってもよい。他方、第2暗号資産は、例えば、第2ゲームの第2仮想空間上で使用することを含む条件付きの暗号資産であってもよい。第2暗号資産に条件を付けることについて、例えば、スマートコントラクトの技術を利用してもよい。また、例えば、第2ゲームが複数存在する場合、この条件は、特定の第2ゲームで使用することであってもよいし、複数の第2ゲームの中から第1ユーザが選択したゲームで使用することであってもよい。このような構成によれば、第1ユーザは、相対的に広範囲で使用可能な第1暗号資産と、相対的に使用範囲が限定された第2暗号資産とのどちらを第1オブジェクトの移転の対価として受け取るか選択することができる。このため、移転対価の受け取り方のバリエーションを増やすことができる。
【0048】
受付手段233は、例えば、手数料受付手段2332を備えてもよい。手数料受付手段2332は、例えば、第1ユーザから、第1オブジェクトの移転の際に支払う1以上の手数料(以下、「移転手数料」ともいう)の候補のうち、採用する移転手数料の指定を受け付ける。
【0049】
受付手段233は、例えば、委託受付手段2333を備えてもよい。委託受付手段2333は、第1ユーザから、第1オブジェクトの移転を第3ユーザに委託する指示(以下、「委託指示」ともいう)を受け付ける。第3ユーザは、第1ユーザおよび第2ユーザとは異なるユーザである。第3ユーザは、例えば、第1ゲームをプレイするプレイヤであってもよい。
【0050】
受付手段233は、例えば、申し出受付手段2334を備えてもよい。申し出受付手段2334は、委託指示に基づいて、第3ユーザから、第2ユーザに対する第1オブジェクトの移転の申し出を受け付ける。
【0051】
申し出受付手段2334は、例えば、第3ユーザから、第3ユーザが第1ゲームの進行により取得したオブジェクト(以下、「第3オブジェクト」ともいう)、および/または第1ユーザとは異なる第4ユーザから移転を受託したオブジェクト(以下、「第4オブジェクト」ともいう)と、第1オブジェクトとを組み合わせて、第2ユーザに対する移転の申し出を受け付けてもよい。
【0052】
受付手段233は、例えば、要求受付手段2335を備えてもよい。要求受付手段2335は、第2ユーザまたは第3ユーザから、第1オブジェクトの移転の要求を受け付ける。また、要求受付手段2335は、例えば、第1ユーザから、第1オブジェクトの移転の要求を受け付けてもよい。
【0053】
受付手段233は、例えば、第1支払い受付手段2336を備えてもよい。第1支払い受付手段2336は、第2ゲームの第2仮想空間において、第1ユーザから、第2ゲームの第2オブジェクトを取得するための、第1暗号資産、または第2暗号資産の支払い指示を受け付ける。
【0054】
受付手段233は、例えば、第2支払い受付手段2337を備えてもよい。第2支払い受付手段2337は、第3ユーザから、第2ユーザの候補となるユーザ(以下、「第2ユーザ候補」ともいう)を示す候補ユーザ情報を取得する対価の支払い指示を受け付ける。この対価の支払いは、例えば、現金やデジタル通貨による支払い(いわゆる、課金など)であってもよい。また他の例として、この対価は、特定のゲーム媒体のパラメータなどの仕様やゲーム進行状況(例えば、クエスト進行具合やサブミッションの達成状況など)であってもよい。また他の例として、候補ユーザ情報を取得する対価の支払いはなし、すなわち、第3ユーザは、候補ユーザ情報が無料で取得できてもよい。
【0055】
-提示手段―
提示手段234は、ユーザ装置5を介して、ユーザに各種情報を提示する。提示手段234は、例えば、画面を介して各種情報を提示するための表示情報を生成し、この表示情報をユーザ装置5に送信してもよい。ユーザ装置5は、この送信された表示情報を受信し、この表示情報に基づいて各種情報を画面に表示させてもよい。
【0056】
提示手段234は、第1ユーザから指定された移転手数料に応じた条件(以下、「オファー条件」ともいう)を満たす1以上のユーザに対して、第1ユーザによる第1オブジェクトの移転の申し出を提示する。
【0057】
具体的には、提示手段234は、例えば、移転の申し出を提示するための表示情報を生成し、この表示情報をユーザ装置5に送信してもよい。ユーザ装置5は、この送信された表示情報を受信し、この表示情報に基づいて、移転の申し出を画面に表示させてもよい。
【0058】
オファー条件は、例えば、移転手数料が高いほど第1オブジェクトの購入の可能性がより高いユーザに移転を申し出ることができるようにしてもよい。第1オブジェクトの価格の10%の移転手数料に応じたオファー条件が「ランク100以上のユーザであること」とし、他方、第1オブジェクトの価格の5%の移転手数料に応じたオファー条件が「ランク100未満かつ50以上のユーザであること」とする場合の例について説明する。この場合、第1オブジェクトの価格の10%とする移転手数料を第1ユーザが指定する場合、ランク100以上のユーザに対して、提示手段234は、第1ユーザによる第1オブジェクトの移転の申し出を提示する。他方、第1オブジェクトの価格の5%とする移転手数料を第1ユーザが指定する場合、ランク100未満かつ50以上のユーザに対して、提示手段234は、第1ユーザによる第1オブジェクトの移転の申し出を提示する。
【0059】
上記構成によれば、提示手段234は、第1ユーザが指定した移転手数料に応じたユーザに、第1オブジェクトの移転の申し出を提示することができる。このため、例えば、移転手数料は高くてもランクの高いユーザに第1オブジェクトの売却のオファーをしたいという場合は高い移転手数料を指定し、他方、ランクの低いユーザでもいいから移転手数料を安くしたいというユーザは、移転手数料をおさえてランクの低いユーザにオファーすることができる。
【0060】
-移転手段―
移転手段235は、第1ゲームの第1仮想空間において、第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる。言い換えると、移転手段235は、第1オブジェクトを第1ユーザから第2ユーザに譲渡させる。移転手段235は、要求受付手段2335により受け付けられた移転の要求に基づいて、第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させてもよい。移転手段235は、例えば、第1オブジェクトの移転として、第1オブジェクトの保有者を第1ユーザから第2ユーザに更新してもよい。具体的には、移転手段235は、移転対象の第1オブジェクトを示すオブジェクト情報の対応付け先を、第1ユーザから第2ユーザに更新してもよい。また、移転手段235は、第1オブジェクトの取引履歴情報(言い換えると、取引台帳を示す情報)に、この更新を取引履歴として記録してもよい。
【0061】
移転手段235は、例えば、第3ユーザへの委託指示に基づいて、第1オブジェクトを、第1ユーザから第3ユーザに一時的に移転させてもよい。
【0062】
移転手段235は、例えば、第1仮想空間において、第3ユーザからの移転の要求に基づいて、第1オブジェクトを第3ユーザから第2ユーザに移転させてもよい。
【0063】
上記構成によれば、第1ユーザから委託指示を受けた第3ユーザからの第1オブジェクトの移転の要求で、第1オブジェクトを第2ユーザに移転することができる。例えば、ゲームのプレイには興味があるけれどユーザ間の取引には興味がない、または取引に時間を割くことができないユーザでも、第三者である第3ユーザにこのような取引を任せることができるので、取引が成立、すなわち第1オブジェクトの移転がなされた場合にはこの移転の対価を得ることができる。
【0064】
移転手段235は、例えば、第1仮想空間において、第2ユーザまたは第3ユーザからの移転の要求に基づいて、第1オブジェクトと、第1オブジェクトに組み合わせた第3オブジェクトおよび/または第4オブジェクトと、を第2ユーザに移転させてもよい。
【0065】
上記構成によれば、第1ゲームの進行により第3ユーザが取得したオブジェクトや第1ユーザとは別の第4ユーザから受託したオブジェクトを、第1ユーザから受託したオブジェクトとセットにして販売することができる。このため、第3ユーザは、販売方法のバリエーションを増やすことができる。
【0066】
-提供手段―
提供手段236は、第1オブジェクトが移転される場合、設定受付手段2331により受け付けられた設定に基づいて、移転対価を第1ユーザに提供するための処理(以下、「提供処理」ともいう)を実行する。「第1オブジェクトが移転される場合」について、第1オブジェクトの移転と提供処理の実行のタイミングの前後はいずれが前でも同時であっても構わないことを示す。
【0067】
提供手段236は、例えば、提供処理として、第1設定が受け付けられた場合、移転対価として第1暗号資産を発行し、発行した第1暗号資産を第1ユーザに付与(例えば、第1ユーザのウォレットやアカウントに入金など)してもよい。また、提供手段236は、例えば、提供処理として、第2設定が受け付けられた場合、移転対価として第2暗号資産を発行し、発行した第2暗号資産を第1ユーザに付与してもよい。また、提供手段236は、提供処理として、第2ユーザから、移転対価を取得してもよい(例えば、第2ユーザのウォレットやアカウントから相当分を引き出すなど)。
【0068】
上記構成によれば、第1ユーザは、第1オブジェクトの移転対価として第1暗号資産を得るか第2暗号資産を得るかを自ら選択でき、選択した暗号資産を取得することができる。このため、例えば、第1ユーザは、この取得した暗号資産を使って、第2ゲームなどの様々なコンテンツで様々なオブジェクトを購入したり、ゲーム以外の様々なサービスの提供を受けたりすることができる。このため、ユーザは、第1オブジェクトに予め対応付けられた第2ゲームのオブジェクトを得るのではなく、第1オブジェクトの移転の対価で、ユーザが選択した第2ゲームのオブジェクトを得ることができる。また、第1オブジェクトの移転の対価は、ゲーム以外の用途にも利用することができる。したがって、第1ゲームの第1オブジェクトについて、利用の自由度を改善できる。
【0069】
提供手段236は、例えば、第1オブジェクトの移転の際、移転に関する作業における委託の対価を第3ユーザに提供するための処理を実行してもよい。この移転に関する作業とは、例えば、第2ユーザの候補の検索、検索した第2ユーザの候補に対する第1オブジェクトの移転の申し出、申し出に同意した第2ユーザへの移転の要求などであってもよい。
【0070】
提供手段236は、例えば、候補ユーザ情報を取得する対価の支払い指示に応じて、候補ユーザ情報を第3ユーザに提供してもよい。
【0071】
-付与手段―
付与手段237は、オブジェクトなどの各種データをユーザに付与する。具体的には、付与手段237は、各ユーザを示すユーザ情報に、付与対象の各種データを対応付けてもよい。付与手段237は、例えば、オブジェクト付与手段2371を備えてもよい。オブジェクト付与手段2371は、第2仮想空間において、第1支払い受付手段により受け付けられた支払い指示に基づいて、第1暗号資産、または第2暗号資産と引き換えに、第2オブジェクトを第1ユーザに付与する。このような構成によれば、第1ユーザは、第1オブジェクトの移転対価として取得した暗号資産を使用して、第2ゲームの第2オブジェクトを取得することができる。このため、例えば、第1ユーザが第1ゲームでのプレイを飽きてしまった場合でも、第1ゲームで取得したオブジェクトを利用して今度は第2ゲームでのプレイを楽しむことができる。
【0072】
オブジェクト付与手段2371は、例えば、第2設定に基づいて第1ユーザに提供された第2暗号資産と第2オブジェクトを引き換える際、第1設定に基づいて第1ユーザに提供された第1暗号資産と引き換えるよりも特典に応じた有利な条件で、第2オブジェクトを第1ユーザに付与してもよい。この特典は、第1特典付与手段2372および/または第2特典付与手段2373が、第2暗号資産と引き換えに第2オブジェクトを第1ユーザが取得する際に付与される特典である。このような構成によれば、
【0073】
オブジェクト付与手段2371は、例えば、第1仮想空間において、第2ユーザが支払った対価と引き換えに、第1オブジェクトを第2ユーザに付与してもよい。
【0074】
付与手段237は、例えば、第1特典付与手段2372を備えてもよい。第1特典付与手段2372は、第1仮想空間において、第2設定に基づいて第1ユーザに第2暗号資産が提供された際、第1ユーザに特典を付与する。このような構成によれば、例えば、第2暗号資産が何らかの条件(例えば、第2仮想空間上で使用することなど)が付いている場合、第1ユーザにその条件による制約をする一方で、その分の特典を付与することができる。このため、第1オブジェクトの対価として第2暗号資産をもらおうとする第1ユーザのモチベーションを向上させ、ひいては第2ゲームをプレイしてもらうことにつなげることができる。
【0075】
付与手段237は、例えば、第2特典付与手段2373を備えてもよい。第2特典付与手段2373は、第2仮想空間において、第2設定に基づいて第1ユーザに提供された第2暗号資産と引き替えに第2オブジェクトが付与される場合、第1ユーザに特典を付与する。このような構成によれば、例えば、第2暗号資産が何らかの条件が付いている場合、第1ユーザにその条件による制約をする一方で、その分の特典を付与することができる。このため、第1オブジェクトの対価として第2暗号資産をもらおうとする第1ユーザのモチベーションを向上させ、ひいては第2ゲームをプレイしてもらうことにつなげることができる。
【0076】
-制限手段―
制限手段238は、仮想空間におけるプレイヤやオブジェクトに対する制限を行う。制限手段238は、例えば、第1ユーザが任意で第1ゲームの進行を終了させる際、すなわち第1ユーザが第1ゲームから引退する場合、第1ゲームのクエストの実行について、不能にするなど制限してもよい。制限手段238は、例えば、第1制限手段2381を備えてもよい。第1制限手段2381は、例えば、第3ユーザへの委託指示に基づいて、第1仮想空間において、第1ユーザによる第1オブジェクトの使用を制限する。
【0077】
例えば、第3ユーザに委託された第1オブジェクトが第1ユーザにより引き続きそのまま使用可能とすると、既に第2ユーザへの移転の申し出など行っている状態においてもなお使用を続けることを可能としてしまう。その場合、移転を申し出たときと売却するときとで第1ユーザの使用により第1オブジェクトのパラメータに変動する可能性があり、ひいてはパラメータの変動により価値が変わってしまう可能性がある。上記構成によれば、委託を指示した場合、第1ユーザによる第1オブジェクトの使用を制限することで、委託した際の第1オブジェクトの状態、ひいてはその価値を維持することができる。
【0078】
制限手段238は、例えば、第2制限手段2382を備えてもよい。第2制限手段2382は、例えば、第1仮想空間において、第3ユーザによる第1オブジェクトの使用を、第1オブジェクトの移転の申し出と第1オブジェクトの移転の要求に制限する。
【0079】
<画面例および画面遷移の例>
図3~6を参照して、提示手段234がユーザ装置5のディスプレイに表示させる第1仮想空間や第2仮想空間における各画面と画面遷移の例について説明する。
図3~5で示す画面の例は、例えば、第1仮想空間で表示される画面である。また、
図6で示す画面の例は、第2仮想空間で表示される画面の例である。
【0080】
<第1メニュー画面・設定画面・終了設定画面>
図3は、第1ゲームプログラムが提供する機能のメニューを示す第1メニュー画面や第1ゲームの進行終了に関する設定(以下、「終了設定」ともいう)をする画面の一例とこれらの画面の遷移の例を示す図である。
図3に示すように、ユーザ装置5のユーザプログラムを起動させてアカウント認証を経てログインすると、第1サーバ装置2aの提示手段234は、ユーザ装置5に第1メニュー画面810を表示させる。
【0081】
第1メニュー画面810は、第1ゲームのクエストを実行(プレイ)する画面(不図示)を表示するためのクエストプレイボタン811と、ユーザが保有するアイテムに関するアイテム画面を表示するアイテム画面ボタン812と、第1ゲームのアイテムを購入・販売するためのアイテムショップ(以下、単に「ショップ」ともいう)のショップ画面(不図示)を表示するショップ画面ボタン813と、設定画面820を表示する設定画面ボタン814とを含む。アイテム画面の一例として、
図5(b)を参照して、受託者であるユーザ(第3ユーザの一態様)のユーザ装置5に表示される取引設定画面860を後述する。
【0082】
設定画面ボタン814を第1ユーザが押下すると、第1サーバ装置2aの提示手段234は、表示情報をユーザ装置5に送信し、ユーザ装置5に設定画面820を表示させる。設定画面820は、第1ゲームの各種設定および第1ゲームを終了するための画面である。設定画面820は、例えば、第1ゲームの各種パラメータを設定するための画面(不図示)を表示するパラメータ設定画面ボタン821と、終了設定画面830(
図3の例では、「ゲーム引退」と表記)を表示する終了設定画面ボタン822と、を含む。
【0083】
第1ユーザが終了設定画面ボタン822を押下すると、第1サーバ装置2aの提示手段234は、表示情報をユーザ装置5に送信し、ユーザ装置5に終了設定画面830を表示させる。終了設定画面830は、第1ユーザが保有するアイテム(第1オブジェクトの一態様)を第2ユーザに売却して(移転させて)資産化するための画面である。終了設定画面830は、第1ゲームの進行を終了させるための画面である。終了設定画面830は、例えば、処分設定領域831と、受取設定領域832と、設定完了ボタン833と、を含む。
【0084】
処分設定領域831は、第1ゲームの進行の終了と併せて手放すアイテムの処分方法を設定するための領域である。処分設定領域831は、第1ユーザ自らが処分対象のアイテムをショップに出品して売却するための出品ボタン831aと、第1ユーザとは異なる第3ユーザに、処分対象のアイテムの売却を委託するための委託ボタン831bと、を含む。
【0085】
上記の売却を委託された第3ユーザは、例えば、(ア)処分対象のアイテムを一旦購入して、購入したアイテムをさらに第2ユーザに売却する、(イ)処分対象のアイテムの売却について第1ユーザと第2ユーザとの間を仲介する、のうちのいずれかの方法をもって受託してもよい。上記(ア)では、処分対象のアイテムの保有者が一旦第3ユーザとなるため、プラットフォームシステム1は、第1ユーザから第3ユーザにアイテムを移転させ、さらに第3ユーザから第2ユーザに移転させる。他方、上記(イ)では、プラットフォームシステム1は、処分対象のアイテムの保有者は第1ユーザのままとし、第3ユーザの仲介により、第1ユーザから第2ユーザにアイテムを移転させる。
【0086】
出品ボタン831aを第1ユーザが押下すると、第1サーバ装置2aの提示手段234は、表示情報をユーザ装置5に送信し、
図4(a)に示す売却設定画面840をユーザ装置5に表示させる。また、委託ボタン831bを第1ユーザが押下すると、第1サーバ装置2aの提示手段234は、表示情報をユーザ装置5に送信し、
図4(b)に示す委託設定画面850をユーザ装置5に表示させる。
【0087】
受取設定領域832は、処分するアイテムの売上の受取方法を設定するための領域である。受取設定領域832は、例えば、プラットフォームシステム1以外のシステム上でも使用可能な暗号資産A(第1暗号資産の一態様)で売上を受け取るか、またはプラットフォームシステム1の第2ゲームの第2仮想空間上でのみで使用可能な移行用通貨(第2暗号資産の一態様)で売上を受け取るかのいずれかの受取方法を選択可能な入力フォーム(本例では、ラジオボタンとする)を含む。移行用通貨は、暗号資産Aよりもその用途に制限のある暗号資産ともいえる。
【0088】
設定完了ボタン833は、終了設定画面830の終了設定を完了するための入力フォームである。設定完了ボタン833を第1ユーザが押下すると、第1サーバ装置2aの情報処理手段231は、上記の各領域で受け付けた終了設定の内容を確定させて、終了設定を完了させる。なお、終了設定の完了の際、第1サーバ装置2aの情報処理手段231は、第1ユーザにおける第1ゲームのステータスを「進行終了」に更新してもよい。第1サーバ装置2aの制限手段238は、この「進行終了」のステータスを参照して、第1ユーザに対して、第1ゲームのクエストを進行不能とさせてもよい。また、第1サーバ装置2aの提示手段234は、終了設定画面830の表示を終了させ、遷移元の第1メニュー画面810aをユーザ装置5に表示させる。第1ゲームのステータスが「進行終了」になっているため、第1サーバ装置2aの提示手段234は、第1メニュー画面810aにおけるクエストプレイボタン811aを選択不能(例えば、グレーアウトなど)にユーザ装置5に表示させる。
【0089】
上記の終了設定が確定された際、第1サーバ装置2aの設定受付手段2331は、アイテムの売却の対価として暗号資産Aを第1ユーザに提供する第1設定、またはアイテムの売却の対価として移行用通貨を第1ユーザに提供する第2設定のうち、受取設定領域832の入力フォームで第1ユーザが選択した方の設定を受け付ける。
【0090】
<売却設定画面・委託設定画面>
図4は、第1ゲームプログラムが提示する売却や移転に関する画面の一例を示す図である。
【0091】
図4(a)に示すように、売却設定画面840は、アイテムの売却に関する設定(以下、「売却設定」ともいう)をするための画面である。売却設定画面840は、出品対象選択領域841と、出品先選択領域842と、設定完了ボタン843と、を含む。なお、ショップへのアイテムの出品は、他のユーザに対するアイテムの移転の申し出の一態様である。
【0092】
出品対象選択領域841は、第1ユーザが保有する1以上のアイテムのうちどのアイテムをショップに出品するか、出品対象(売却対象)のアイテムを選択するための領域である。出品対象選択領域841は、例えば、出品対象のアイテムのレアリティ(例えば、Aレア以上など)を選択可能な入力フォーム(本例では、ラジオボタンとする)を含んでもよい。また、他の例として、出品対象選択領域841は、例えば、出品対象のアイテムの属性(例えば、火属性や水属性など)を選択可能な入力フォームを含んでもよい。なお、出品対象選択領域841の選択により出品対象から外れたアイテムは、消去されてもよい。
【0093】
出品先選択領域842は、1以上のショップの中からどのショップに出品するか、出品先のショップを選択するための領域である。出品先選択領域842は、例えば、以下の(ア)~(ウ)のうちいずれかを選択可能な入力フォームを含んでもよい。第1サーバ装置2aの提示手段234は、例えば、ランクがX以上のユーザのみに特別ショップAを表示させ、ランクがXに満たないユーザには特別ショップA内のアイテムが購入できないようにしてもよい。
(ア)ランクがX以上のユーザがアクセス可能な特別ショップA
(イ)ランクがY(YはXより低いランクとする)以上のユーザがアクセス可能な特別ショップB
(ウ)ランクY未満のユーザがアクセス可能なショップC
【0094】
上記構成によれば、処分対象のアイテムを必要とするようなランク帯のユーザがアクセス可能なショップに対して出品することができる。
【0095】
各ショップが対象とするユーザのランク帯の高さに応じて、出品の手数料(以下、「出品手数料」ともいう)が設定されてもよい。出品手数料は、移転手数料の一態様である。例えば特別ショップAの出品手数料は売上の15%、特別ショップBの出品手数料は売上の10%、ショップCの出品手数料は売上の5%と設定されてもよい。このような構成によれば、例えば、高いランク帯のショップほど出品手数料を高くすることができる。なお、出品手数料は、例えば、ゲーム会社などの第1ゲームのパブリッシャーやディベロッパーなどの収益としてもよい。
【0096】
設定完了ボタン843は、売却設定画面840の売却設定を完了するための入力フォームである。設定完了ボタン843を第1ユーザが押下すると、第1サーバ装置2aの情報処理手段231は、上記の各領域で受け付けた売却設定の内容を確定させて、売却設定を完了させる。この売却設定が確定された際、第1サーバ装置2aの手数料受付手段2332は、第1ユーザから、アイテムの売却の際に支払う1以上の出品手数料の候補のうち、出品先選択領域842の入力フォームで指定された出品手数料を受け付けてもよい。例えば、出品先選択領域842の入力フォームで第1ユーザが特別ショップAを指定した場合、第1サーバ装置2aの手数料受付手段2332は、出品手数料を売上の15%として受け付ける。また、この売却設定が確定された際、第1サーバ装置2aの受付手段233は、第1ユーザから、自身が保有する1以上のアイテムのうち、出品対象選択領域841の入力フォームで指定したレアリティなどの条件を満たすアイテムを出品対象のアイテムとして受け付ける。またこの場合、第1サーバ装置2aの提示手段234は、特別ショップAにおいて、出品手数料に応じた条件を満たす1以上のユーザに対して、出品対象のアイテムをユーザ装置5に表示させる、すなわち、第1ユーザによるアイテムの売却の申し出を提示する。
【0097】
図4(b)に示すように、委託設定画面850は、他のユーザに対するアイテムの売却の委託に関する設定(以下、「委託設定」ともいう)をするための画面である。委託設定画面850は、受託者選択領域851と、受託者表示領域852と、委託設定完了ボタン853と、を含む。
【0098】
受託者選択領域851は、他のユーザのうちどのユーザを受託者とするか、アイテムの売却を委託するユーザを受託者として選択するための領域である。受託者選択領域851は、フレンド選択画面(不図示)を表示するフレンド選択画面ボタン851aと、検索画面(不図示)を表示する検索画面ボタン851bと、を含む。フレンド選択画面では、第1ユーザとフレンドの関係にあるユーザを表示させて、表示されたユーザの中から受託者を選択することができる。なお、第1ユーザとの関係は、フレンドの関係に限らず、フォロー・フォロワーなどの関係であってもよい。また、検索画面では、すべてのユーザに対して指定した検索条件(例えば、ランクやプレイ時間など)を満たすユーザを表示させて、表示されたユーザの中から受託者を選択することができる。
【0099】
例えば、フレンドやフォローなどの第1ユーザと何かしらの関係があるユーザは、売却対象のアイテムを必要とするユーザとコネクションが強い可能性が考えられる。上記構成によれば、売却対象のアイテムの購入を希望するユーザとコネクションが強い可能性があるユーザに売却を委託することができるため、効率よくアイテムの売却を進めることができる。
【0100】
受託者表示領域852は、受託者として選択中のユーザを表示する領域である。受託者選択領域851から表示させた画面などで選択された受託者(
図4(b)の例では、「選択中の仲介者」と表記)の候補とするユーザ(第3ユーザの一態様)を表示する領域である。
【0101】
設定完了ボタン853は、委託設定画面850の委託設定を完了するための入力フォームである。設定完了ボタン853を第1ユーザが押下すると、第1サーバ装置2aの情報処理手段231は、上記の各領域で受け付けた委託設定の内容を確定させて、委託設定を完了させる。この委託設定が確定された際、第1サーバ装置2aの委託受付手段2333は、処分対象のアイテムの売却について、受託者選択領域851で選択されたユーザに委託する委託指示を第1ユーザから受け付けてもよい。委託されたユーザは、受託者として、第2ユーザに対する売却対象のアイテムの売却の申し出が可能になる。例えば、受託者のユーザ(以下、「受託ユーザ」ともいう)は、アイテムショップなどを介して、第2ユーザに対して、委託された売却対象のアイテムを出品させることができる。受託ユーザは、第3ユーザの一態様である。なお、アイテムの売却により収益が得られた際、第1ユーザが、受託ユーザに、委託手数料として当該売却の手数料を支払うようにしてもよい。具体的には、第1サーバ装置2aの提供手段236は、アイテム売却の収益、すなわち、アイテムの移転の対価について、設定されたこの売却の手数料を差し引いて、第1ユーザに提供してもよい。第1サーバ装置2aの提供手段236は、この差し引いた手数料を、受託ユーザに提供するための処理を実行してもよい。なお、この委託手数料と併せて、第1ユーザが、第1ゲームを提供するゲーム会社などにも手数料を支払うようにしてもよい。
【0102】
上記構成によれば、第1ユーザからアイテムの売却を受託する新しいビジネスモデル、すなわち収益構造を構築することができる。
【0103】
<アイテム画面・取引完了画面>
図5は、第1ゲームプログラムが提示する取引に関する画面の一例を示す図である。
【0104】
図5(a)は、受託ユーザのユーザ装置5に表示される取引設定画面860を示す図である。取引設定画面860は、受託ユーザが取引可能なアイテムを表示する。
図5(a)に示すように、取引設定画面860は、取得アイテム選択領域861と、受託アイテム選択領域862と、セット選択領域863と、オファーユーザ選択領域864と、を含む。受託ユーザは、取引設定画面860を用いて、他のユーザに対して、第1ユーザから委託を受けたアイテムの売却のオファー、すなわち移転の申し出を行うことができる。
【0105】
取得アイテム選択領域861は、ゲーム進行などにより受託ユーザが取得したアイテム(以下、「取得アイテム」ともいう)の中から取引対象のアイテムを選択するための領域である。取得アイテムは、第3オブジェクトの一態様である。取得アイテム選択領域861は、1以上の取得アイテム(本例では、アイテムA~C)の中から取引対象のアイテムを選択可能な入力フォームを含む。
【0106】
受託アイテム選択領域862は、第1ユーザから売却を受託したアイテム(以下、「受託アイテム」ともいう)の中から取引対象のアイテムを選択するための領域である。受託アイテム選択領域862は、1以上の受託アイテム(本例では、アイテムD~E)の中から取引対象のアイテムを選択可能な入力フォームを含む。
【0107】
セット選択領域863は、複数の取引可能なアイテムを組み合わせたアイテムのセット(以下、単位「セット」ともいう)の中から、取引対象のセットを選択するための領域である。セット選択領域863は、1以上のセット(本例では、アイテムA、B、D、Eの1セット)の中から、取引対象のセットを選択可能な入力フォームを含む。なお、セットは、例えば、1以上の取得アイテムおよび/または1以上の受託アイテムの中から、受託ユーザが指定した1以上のアイテムの組み合わせであってもよい。
【0108】
各セットの価格は、例えば、受託ユーザが任意に設定できてもよい。このような構成によれば、例えば、受託ユーザに、高値で売って高い手数料を取るモチベーションを与えることができる。また、各セットの価格は、例えば、各セットに含まれる各アイテムの相場価格の合計が上限として設定されていてもよい。また他の例として、各セットの価格は、最低売却価格が設定されていてもよい。このような構成によれば、例えば1円などの廉価でアイテムが売却できないようにし、委託者の第1ユーザに対して売却の収益を保護することができる。
【0109】
セットが売却された際、第1サーバ装置2aの情報処理手段231は、この売却の収益を、このセットに含まれる1以上のアイテム別に按分してもよい。この場合、第1サーバ装置2aの提供手段236は、受託ユーザの取得アイテムにおける按分された収益から受託ユーザに売却の対価を提供し、他方、受託アイテムの按分された収益から第1ユーザに売却の対価を提供してもよい。具体的には、1050yen(yen:暗号資産Aの単位)でアイテムセットが売却された場合、このアイテムに含まれる4つのアイテムそれぞれの按分を250yenにして、残りの50yenを委託手数料に充ててもよい。
【0110】
上記の他の例として、第1サーバ装置2aの情報処理手段231は、アイテムセットに含まれる1以上のアイテムそれぞれのレアリティに応じた重み付けに基づいて、この1以上のアイテムそれぞれに売却の収益を割り振ってもよい。また、他の例として、受付手段233は、売却先の第2ユーザからアイテムセットに含まれる1以上のアイテムそれぞれに対して、希望するアイテムか否かの指定を受け付けてもよい。第1サーバ装置2aの情報処理手段231は、この指定に基づいて、この1以上のアイテムそれぞれに売却の収益を割り振ってもよい。第1サーバ装置2aの提供手段236は、この割り振りに基づいて、売却の収益から、受託者のユーザと第1ユーザとに売却の対価の提供をしてもよい。
【0111】
第1サーバ装置2aの第2制限手段2382は、第1ゲームの第1仮想空間において、受託ユーザによる受託アイテムの使用を、第2ユーザに対する移転の申し出と第2ユーザへの移転の要求のみに制限してもよい。すなわち、第1サーバ装置2aの第2制限手段2382は、受託ユーザに、第1ゲームを進行させるために受託アイテムを使用できないようにしてもよい。他方、第1サーバ装置2aの第2制限手段2382は、受託ユーザが保有する取得アイテムについては、アイテムセットに含まれていても第1仮想空間において制限なしに使用可能であってもよい。
【0112】
オファーユーザ選択領域864は、取引のオファー先のユーザを選択するための領域である。オファーユーザ選択領域864は、取引対象の取得アイテム、受託アイテム、アイテムセットの売買取引の申し出先のユーザを選択するための領域である。オファーユーザ選択領域864は、フレンド選択画面を表示するフレンド選択画面ボタン864aと、見込み客リスト画面(不図示)を表示する見込み客リスト画面ボタン864bと、を含む。
【0113】
フレンド選択画面では、受託ユーザとフレンドの関係にあるユーザ(第2ユーザ候補の一態様)を表示させて、表示されたユーザの中から売却のオファー先のユーザを選択することができる。なお、受託ユーザと表示されるユーザとの関係は、フレンドの関係に限らず、フォロー・フォロワーなどの関係であってもよい。このような構成によれば、受託ユーザのフレンドリストやフォロワーリストなどが、見込み客リスト(候補ユーザ情報の一態様)として活用できる。また、例えば、高いランク帯に属していて熱心にプレイしているユーザと繋がっている受託ユーザは、このようなユーザに売却のオファーをダイレクトにすることができるため、受託者としては有利になることができる。
【0114】
見込み客リスト画面では、フォロー・フォロワーの関係によらない1以上の見込み客のユーザ(第2ユーザ候補の一態様)を表示させて、表示された1以上の見込み客のユーザの中から売却の申し出先のユーザを選択することができる。この見込み客のユーザは、例えば、所定期間において、第1ゲームのプレイ頻度が閾値よりも高いユーザ、閾値よりも高いランク帯のユーザ、他のユーザからアイテムを購入したユーザ、および/または取引設定画面860に表示されているアイテムと同種または相性のよいアイテムを購入したユーザなどであってもよい。さらに見込み客のユーザは、例えば、売却の申し出を受けることに同意したユーザであってもよい。
【0115】
図5(b)は、取引設定画面860で表示された受託アイテムDが、売買取引が成立して第2ユーザに売却されたことを通知する通知画面870を示す図である。例えば、受託アイテムDが売却された際、受託アイテムの売却の対価の設定を第1設定としている場合、第1サーバ装置2aの提供手段236は、第1設定に基づいて、暗号資産A200yenを第1ユーザに提供する提供処理を実行する。他方、受託アイテムの売却の対価の設定を第2設定としている場合、第1サーバ装置2aの提供手段236は、第2設定に基づいて、移行用通貨200Gold(Gold:移行用通貨の単位)を第1ユーザに提供する提供処理を実行する。
【0116】
<第2メニュー画面・取引完了画面>
図6は、第2ゲームプログラムが提供する機能のメニューを示す第2メニュー画面やアイテムショップに関するショップ画面の一例を示す図である。
図6で示す画面は、第2仮想空間で表示される画面である。
【0117】
図6(a)に示すように、第2メニュー画面910は、第2ゲームのクエストを実行する画面を表示するためのクエストプレイボタン911と、ユーザが保有する第2ゲームのアイテムに関するアイテム画面を表示するアイテム画面ボタン912と、第2ゲームのアイテム(第2オブジェクトの一態様)を購入・販売するためのショップのショップ画面920を表示するショップ画面ボタン913と、設定画面(不図示)を表示する設定画面ボタン814とを含む。
【0118】
ショップ画面ボタン913を第1ユーザが押下すると、第2サーバ装置2bの提示手段234は、表示情報をユーザ装置5に送信し、ユーザ装置5にショップ画面920を表示させる。ショップ画面920は、ショップに出品するアイテムを表示するアイテム表示領域921と、表示されているアイテムを購入するための購入実行ボタン922と、を含む。
【0119】
購入実行ボタン922を第1ユーザが押下すると、第2サーバ装置2bの第1支払い受付手段2336は、第1ユーザから、アイテム表示領域921に表示されているアイテム(本例では、アイテムF)を取得するための、暗号資産A、または移行用通貨の支払い指示を受け付ける。第2サーバ装置2bのオブジェクト付与手段2371は、この支払い指示に基づいて、暗号資産A、または移行用通貨と引き換えに、アイテムFを第1ユーザに付与する。
【0120】
第2設定に基づいて移行用通貨と引き換えにアイテムFが付与される場合、第2サーバ装置2bの第2特典付与手段2373は、第1ユーザに特典を付与してもよい。この特典は、例えば、通常価格からの値引き、追加のアイテムの付与、アイテムFのパラメータ強化、アイテムFの有効期限を初期値より長くする、特殊なスキンアイテムの付与、アイテムFの色違いアイテムの付与、イベントの発生などが考えられる。また、他の例として、第2サーバ装置2bのオブジェクト付与手段2371は、移行用通貨とアイテムFを引き換える際、第1設定に基づいて提供された暗号資産Aと引き換えるよりもこの特典に応じた有利な条件で、アイテムFを第1ユーザに付与してもよい。具体的には、為替レートが1yen=1Goldの場合、第2サーバ装置2bのオブジェクト付与手段2371は、アイテムFを暗号資産Aでは200yenで付与し、他方、移行用通貨では150Goldで付与してもよい。
【0121】
<プラットフォームシステムの動作の流れ>
図7~8を参照して、プラットフォームシステム1における動作の一例について説明する。
【0122】
図7は、第1仮想空間における第1サーバ装置2aの動作の例を示すフロー図である。
【0123】
まず、第1サーバ装置2aの設定受付手段2331は、第1仮想空間において、第1ユーザから、第1オブジェクトの移転の対価として、第1暗号資産を第1ユーザに提供する第1設定、または、第2暗号資産を第1ユーザに提供する第2設定、のうちのいずれかの設定を受け付ける(ステップst1)。
【0124】
次いで、第1サーバ装置2aの手数料受付手段2332は、第1仮想空間において、第1ユーザから、第1オブジェクトの移転の際に支払う1以上の移転手数料の候補のうち、採用する移転手数料の指定を受け付ける(ステップst2)。
【0125】
次いで、第1サーバ装置2aの提示手段234は、第1仮想空間において、上記指定された手数料に応じたオファー条件を満たす1以上のユーザ(第2ユーザの候補)に対して、第1ユーザによる第1オブジェクトの移転の申し出を提示する(ステップst3)。
【0126】
次いで、第1サーバ装置2aの要求受付手段2335は、第1仮想空間において、上記移転の申し出が提示された第2ユーザから、第1オブジェクトの移転の要求を受け付ける(ステップst4)。
【0127】
次いで、第1サーバ装置2aの移転手段235は、第1仮想空間において、上記移転の要求に基づいて、第1オブジェクトを第2ユーザに移転させる(ステップst5)。
【0128】
次いで、第1サーバ装置2aの提供手段236は、第1オブジェクトが移転される場合、上記受け付けられた設定に基づいて、第1ユーザに移転対価を提供するための処理を実行する(ステップst6)。
【0129】
次いで、第1サーバ装置2aの第1特典付与手段2372は、第1仮想空間において、第2設定に基づいて第1ユーザに第2暗号資産が提供された際(ステップst7のYes)、第1ユーザに特典を付与する(ステップst8)。
【0130】
図8は、
図7の第1オブジェクトの移転後の第2仮想空間における第2サーバ装置2bの動作の例を示すフロー図である。
【0131】
まず、第2サーバ装置2bの第1支払い受付手段2336は、第2仮想空間において、第1ユーザから、第2ゲームの第2オブジェクトを取得するための、第1暗号資産、または第2暗号資産の支払い指示を受け付ける(ステップst11)。
【0132】
次いで、第2サーバ装置2bのオブジェクト付与手段2371は、第2仮想空間において、上記支払い指示に基づいて、第1暗号資産、または第2暗号資産と引き換えに、第2オブジェクトを第1ユーザに付与する(ステップst12)。
【0133】
次いで、第2サーバ装置2bの第2特典付与手段2373は、第2仮想空間において、第2設定に基づいて第1ユーザに提供された第2暗号資産と引き替えに第2オブジェクトが付与される場合(ステップst13のYes)、第1ユーザに特典を付与する(ステップst14)。
【0134】
以上をまとめると、ゲームプログラムであって、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、第1ゲームの第1仮想空間において、第1ゲームの第1オブジェクトを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる移転手段235、第1ユーザから、第1オブジェクトの移転の対価として、第1暗号資産を第1ユーザに提供する第1設定、または、第2暗号資産を第1ユーザに提供する第2設定、のうちのいずれかの設定を受け付ける設定受付手段2331、第1オブジェクトが移転される場合、受け付けられた設定に基づいて、第1ユーザに対価を提供するための処理を実行する提供手段236、として機能させるものである。
【0135】
<効果>
本実施形態によれば、第1ユーザは、第1オブジェクトの移転対価として第1暗号資産を得るか第2暗号資産を得るかを自ら選択でき、選択した暗号資産を取得することができる。このため、第1ユーザは、この取得した暗号資産を使って第2ゲームなどの様々なコンテンツで様々なオブジェクトを購入したり、様々なサービスの提供を受けたりすることができる。したがって、第1ゲームの第1オブジェクトについて、利用の自由度を改善できる。
【0136】
[変形例]
なお、本開示の技術を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本開示の技術は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本開示の技術に含まれる。
【0137】
[第1変形例]
上記実施形態では、第1オブジェクトの移転対価として、2種類の暗号資産(第1暗号資産と第2暗号資産)を提供する例を説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。第1オブジェクトの移転の対価は、例えば、電子マネーおよび/またはゲーム内通貨の2種類のデジタル通貨であってもよい。上記実施形態における第1暗号資産を第1ゲームおよび第2ゲームで使用可能な第1ゲーム内通貨、第2暗号資産を第2ゲームでのみ使用可能な第2ゲーム内通貨と読み替えてもよい。また、上記実施形態における第1暗号資産はそのままで、第2暗号資産のみ第2ゲームでのみ使用可能な第2ゲーム内通貨と読み替えてもよい。
【0138】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0139】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0140】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムのすべての手段、すなわち、受付手段、提示手段、移転手段、提供手段、付与手段、および/または制限手段などが、サーバ装置2単体、ユーザ装置5単体、サーバ装置2およびユーザ装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、複数のユーザ装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ユーザ装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0141】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0142】
1 プラットフォームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
233 受付手段
2331 設定受付手段
235 移転手段
236 提供手段
5 ユーザ装置