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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013621
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】繊維製品用洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/52 20060101AFI20240125BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20240125BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240125BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20240125BHJP
   C11D 1/74 20060101ALI20240125BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20240125BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
C11D1/52
C11D1/68
C11D3/20
C11D1/04
C11D1/74
C11D1/29
D06L1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115852
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】大鹿 遵
(72)【発明者】
【氏名】美野輪 優
(72)【発明者】
【氏名】今中 秀和
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB31
4H003AC03
4H003AC08
4H003AC12
4H003AC13
4H003BA12
4H003DA01
4H003DB02
4H003EB04
4H003EB07
4H003EB08
4H003FA09
4H003FA26
(57)【要約】
【課題】繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄性に優れる繊維製品用洗浄剤組成物及び繊維製品の洗浄方法を提供する。
【解決手段】下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び水を含有し、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b)/(c)が、0.05以上20以下である、繊維製品用洗浄剤組成物。
(a)成分:界面活性剤[但し、(b)成分及び(c)成分を除く]
(b)成分:脂肪酸アルカノールアミド
(c)成分:(c1)アルキルグリセリルエーテル、(c2)炭素数12以上のアルコール、並びに(c3)炭素数12以上の脂肪酸及びその塩、から選ばれる1種以上
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び水を含有し、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b)/(c)が、0.05以上20以下である、繊維製品用洗浄剤組成物。
(a)成分:界面活性剤[但し、(b)成分及び(c)成分を除く]
(b)成分:脂肪酸アルカノールアミド
(c)成分:下記(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分から選ばれる1種以上
(c1)成分:アルキルグリセリルエーテル
(c2)成分:炭素数12以上のアルコール
(c3)成分:炭素数12以上の脂肪酸又はその塩
【請求項2】
前記質量比(b)/(c)が、0.2以上5.0以下である、請求項1に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項3】
繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄に用いる、請求項1又は2に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項4】
(a)成分は、(a1)非イオン界面活性剤[以下、(a1)成分という]及び(a2)陰イオン界面活性剤[以下、(a2)成分という]から選ばれる1種以上の界面活性剤を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項5】
(a1)成分は、下記(a1-1)成分を含む、請求項4に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
(a1-1)成分:下記一般式(a1-1)で表される化合物から選ばれる1種以上
1a(CO)O-(AO)-R2a (a1-1)
〔式(a1-1)中、R1aは炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R2aは水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基であり、nは平均付加モル数であって、1以上20以下の数である。〕
【請求項6】
(a2)成分は、下記(a2-1)成分を含む、請求項4又は5に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
(a2-1)成分:下記一般式(a2-1)で表される化合物から選ばれる1種以上
3a-O-(AO)-SOM (a2-1)
〔式(a2-1)中、R3aは炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基であり、nは平均付加モル数であって、0以上20以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
【請求項7】
(a)成分を、5質量%以上40質量%以下含有する、請求項1~6の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項8】
(b)成分は、脂肪酸N-メチルエタノールアミド及び脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上を含む、請求項1~7の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項9】
(b)成分を、0.1質量%以上5.0質量%以下含有する、請求項1~8の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項10】
(c)成分は、(c2)成分及び(c3)成分から選ばれる1種以上を含む、請求項1~9の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項11】
(c)成分を、0.1質量%以上5.0質量%以下含有する、請求項1~10の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項12】
前記質量比(b)/(c)が、0.3以上3.0以下である、請求項1~11の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【請求項13】
請求項1~12の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤組成物を、繊維製品に接触させる、繊維製品の洗浄方法。
【請求項14】
繊維製品に付着した化粧品汚れに、前記繊維製品用洗浄剤組成物を接触させる、請求項13に記載の繊維製品の洗浄方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品用洗浄剤組成物及び繊維製品の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴ない、生活様式が変容しマスク着用を前提とした生活が主流になっている。使い捨ての不織布マスク不足を契機に、布マスクを洗濯してリユースする習慣が浸透した。マスクには、口紅やファンデーションといった化粧品が付着しやすい。口紅やファンデーションに代表されるワックスやシリコーン等の高分子化合物を含有する油性の化粧品は、繊維製品等に付着した際に非常に落とし難く、このような化粧品汚れを綺麗に落としたいという消費者ニーズが増している。
また、顔の色との差異が無いようにファンデーションを首裏まで塗った場合、ファンデーションがシャツやブラウスの襟等に付着する。この汚れは、衣類のファンデーション汚れとして残りやすい。
衣類や布マスク等の繊維製品に付着した化粧品汚れの除去には、自動洗濯機を用いて洗濯する方法が最も簡便であるが、充分に汚れを除去することが困難な場合がある。また、化粧品汚れの洗浄効果をより高めるために漬け置き洗濯をする場合は、時間や手間がかかる。
【0003】
特許文献1には、界面活性剤を約1質量%~約70質量%、所定の非アルコキシル化エステルアミン及び/又はその塩を約0.1%~約10%含む、洗浄組成物が開示されている。
特許文献2には、(A)テルペン系炭化水素を15~70質量%、(B)非イオン系界面活性剤を20~85質量%、(C)水を0~20質量%含有し、実質上透明かつ均一である液体洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-526620号公報
【特許文献2】特開2001-247899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の化粧品は、化粧崩れを予防するため、持続性能が強化された処方となっており衣類や布マスク等の繊維製品に化粧品汚れが付着すると、この汚れを洗浄することが困難である。
本発明は、繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄力に優れた、繊維製品用洗浄剤組成物及び繊維製品の洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び水を含有し、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b)/(c)が、0.05以上20以下である、繊維製品用洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:界面活性剤[但し、(b)成分及び(c)成分を除く]
(b)成分:脂肪酸アルカノールアミド
(c)成分:下記(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分から選ばれる1種以上
(c1)成分:アルキルグリセリルエーテル
(c2)成分:炭素数12以上のアルコール
(c3)成分:炭素数12以上の脂肪酸又はその塩
【0007】
また、本発明は、上記繊維製品用洗浄剤組成物を、繊維製品に接触させる、繊維製品の洗浄方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄力に優れた、繊維製品用洗浄剤組成物及び繊維製品の洗浄方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が、繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄力に優れる理由は必ずしも定かではないが以下のように推察される。
化粧品汚れとは、例えば、ワックスやシリコーン等の高分子化合物と顔料の複合汚れであり、更にポリエーテル変性シリコーン等の乳化剤や安定化剤が含まれる。
(b)成分は、繊維製品に付着した化粧品汚れの表面部分の乳化剤等に作用して、汚れの連続相をワックスやシリコーンの油層から水層に転相させることによって繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄性の向上に寄与すると推察される。一方で、(c)成分は、繊維製品に付着した化粧品汚れの内部に浸透し、汚れ内部の乳化剤等に作用して、汚れの連続相をワックスやシリコーンの油層から水層に転相させることによって繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄性向上に寄与すると推察される。
これら(b)成分と(c)成分の相乗作用により、化粧品汚れが繊維製品から除去されやすい状態となると推察される。
なお、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、上記の作用機構に限定されるものではない。
【0010】
<繊維製品用洗浄剤組成物>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び水を含有し、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b)/(c)が、0.05以上20以下である。
(a)成分:界面活性剤[但し、(b)成分及び(c)成分を除く]
(b)成分:脂肪酸アルカノールアミド
(c)成分:下記(c1)成分、(c2)成分及び(c3)成分から選ばれる1種以上
(c1)成分:アルキルグリセリルエーテル
(c2)成分:炭素数12以上のアルコール
(c3)成分:炭素数12以上の脂肪酸又はその塩
【0011】
<(a)成分>
(a)成分は、界面活性剤[但し、(b)成分及び(c)成分を除く]である。(a)成分としては、(a1)非イオン界面活性剤[但し、(b)成分及び(c)成分を除く][以下、(a1)成分という]、(a2)陰イオン界面活性剤[但し、(c)成分を除く][以下、(a2)成分という]、(a3)陽イオン界面活性剤[以下、(a3)成分という]及び(a4)両性界面活性剤[以下、(a4)成分という]から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
(a)成分は、洗浄性向上の観点から、(a1)成分及び(a2)成分から選ばれる1種以上の界面活性剤が好ましい。
【0012】
<(a1)成分>
(a1)成分の非イオン界面活性剤は、洗浄性向上の観点から、ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド(グリコシド型非イオン界面活性剤)、ソルビタン系非イオン界面活性剤、長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した化合物、脂肪酸モノグリセライド、蔗糖脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0013】
(a1)成分の非イオン界面活性剤は、下記一般式(a1-1)で表される化合物から選ばれる1種以上[以下、(a1-1)成分という]を含むことが好ましい。
1a(CO)O-(AO)-R2a (a1-1)
〔式(a1-1)中、R1aは炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R2aは水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基であり、nは平均付加モル数であって、1以上20以下の数である。〕
【0014】
一般式(a1-1)中、R1aは炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基である。洗浄性向上の観点から、R1aの炭素数は、10以上、好ましくは11以上、そして、洗浄性向上の観点から、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。
1aの脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましく、より好ましくはアルキル基である。
1aの脂肪族炭化水素基は、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素であってよく、洗浄性向上の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素が好ましい。
一般式(a1-1)中、mは0が好ましい。
一般式(a1-1)中、R2aは水素原子が好ましい。
【0015】
一般式(a1-1)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基である。AO基が、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であっても良い。また、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の結合順序は問わない。AO基は、洗浄性向上の観点から、エチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。
【0016】
一般式(a1-1)中、nは、AO基の平均付加モル数であって、1以上20以下の数である。nの数が大きくなる程HLBの値は高くなり、小さくなる程HLBの値は低くなる。nは、洗浄性力向上の観点から、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは8以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下である。
【0017】
(a1)成分は、炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有し、エチレンオキシ基(以下EO基という場合がある)の平均付加モル数が、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは8以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
また、(a1)成分は、洗浄性の観点から、一般式(a1-1)中、R1aが炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R2aが水素原子であり、AO基が、エチレンオキシ基であり、mが0、平均付加モル数nが、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは8以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0018】
<(a2)成分>
(a2)成分の陰イオン界面活性剤は、洗浄性向上の観点から、炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基を有することが好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤及びスルホ脂肪酸エステル型界面活性剤から選ばれる1種以上を含む陰イオン界面活性剤が好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤及びスルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤から選ばれる1種以上を含む陰イオン界面活性剤がより好ましく、硫酸エステル型界面活性剤及びスルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤から選ばれる1種以上を含む陰イオン界面活性剤が更に好ましい。
なお、(a2)成分の陰イオン界面活性剤が塩の場合、(a2)成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩等の有機塩が挙げられる。(a2)成分の塩は、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩から選ばれる無機塩であり、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩である。下記の陰イオン界面活性剤の具体例についても同様である。
【0019】
(a2)成分としては、下記一般式(a2-1)で表される化合物(a2-1)、一般式(a2-2)で表される化合物(a2-2)及び一般式(a2-3)で表される化合物(a2-3)から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。(a2)成分は、下記一般式(a2-1)で表される化合物から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
3a-O-(AO)-SOM (a2-1)
〔式(a2-1)中、R3aは炭素数10以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基であり、nは0以上20以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
4a-B-SOM (a2-2)
〔式(a2-2)中、R4aは炭素数9以上21以下のアルキル基を示し、Bはベンゼン環を示し、Bの炭素原子と結合するR4aの炭素原子が第2級炭素原子であり、Mは陽イオンを示す。Bに結合するR4aに対して、スルホン酸基はパラ位に結合している。〕
5a-CH(SOM)COOR6a (a2-3)
〔式(a2-3)中、R5aは炭素数6以上20以下のアルキル基を示し、R6aは炭素数1以上6以下のアルキル基を示し、Mは陽イオンを示す。〕
【0020】
一般式(a2-1)中、R3aは、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下の脂肪族炭化水素である。R3aは、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素であり、好ましくは直鎖の脂肪族炭化水素であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。
【0021】
一般式(a2-1)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基である。AO基が、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であっても良い。AO基は、洗浄性向上の観点から、エチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。
【0022】
一般式(a2-1)中、nは、AO基の平均付加モル数であって、0以上20以下の数である。nは、洗浄性向上の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは4以下である。
【0023】
一般式(a2-1)中、AOがプロピレンオキシ基を含む場合、プロピレンオキシ基の平均付加モル数は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、そして、好ましくは0以上である。一般式(a2-1)中、プロピレンオキシ基の平均付加モル数は、0であってもよい。
一般式(a2-1)中、AOがエチレンオキシ基を含む場合、エチレンオキシ基の平均付加モル数は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは2以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。
【0024】
一般式(a2-1)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウムは、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくは、ナトリウムである。
なお、一般式(a2-2)及び一般式(a2-3)中のMも、一般式(a2-1)中のMと、同じである。
【0025】
(a2-1)成分としては、アルキル基の炭素数が12以上14以下であってプロピオキシ基の平均付加モル数が0以上4以下、エチレンオキシ基の平均付加モル数が0以上4以下であるアルキル硫酸エステルナトリウム塩又は(ポリオキシプロピレン)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩が好ましい。すなわち、(a2)成分は、一般式(a2-1)中、R3aが炭素数12以上14以下のアルキル基、AOがエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基、nが0以上、そして、8以下、更には4以下、Mがナトリウムである化合物が好ましい。
【0026】
一般式(a2-2)中、R4aは、炭素数9以上、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下のアルキル基である。
一般式(a2-2)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
【0027】
(a2-2)成分としては、アルキル基の炭素数が11以上14以下のp-アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が11以上14以下のp-アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩がより好ましい。すなわち、(a2-2)成分は、一般式(a2-2)中、R4aが炭素数11以上14以下のアルキル基、Mがナトリウムである化合物が好ましい。
【0028】
一般式(a2-3)中、R5aは、好ましくは炭素数8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下のアルキル基である。
一般式(a2-3)中、R6aは、炭素数1以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは4以下のアルキル基である。
【0029】
(a2-3)成分としては、一般式(a2-3)中、R5a炭素数が11以上14以下のアルキル基、R6aがメチル基であるα-スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩が好ましい。
【0030】
本発明の(a2)成分としては、洗浄性向上の観点から、(a2-1)成分及び(a2-2)成分から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤が好ましく、(a2-1)成分から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤がより好ましい。
【0031】
<(a3)成分>
(a3)成分の陽イオン界面活性剤としては、第3級アミン塩である陽イオン界面活性剤及び第4級アンモニウム塩である陽イオン界面活性剤が挙げられる。具体的には、(a3)成分としては、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルキルメチルエチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩及びアルキルジメチルエチルアンモニウム塩から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0032】
<(a4)成分>
(a4)成分の両性界面活性剤としては、ベタイン系両性界面活性剤及びアミンオキサイド型両性界面活性剤が挙げられる。具体的には、(a4)成分としては、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインを挙げることができる。これらにおいて、アルカノイル基は、例えばラウロイル又はミリスチロイルである。また、これらにおいて、アルキル基は、例えばラウリル基又はミリスチル基である。
【0033】
(a)成分は、洗浄性向上の観点から、好ましくは(a1)成分及び(a2)成分から選ばれる1種以上を含む界面活性剤であり、より好ましくは(a1-1)成分及び(a2-1)成分から選ばれる1種以上を含む界面活性剤である。
【0034】
<(b)成分>
(b)成分は、脂肪酸アルカノールアミドである。(b)成分は、洗浄性向上の観点から、脂肪酸部分の炭素数が8以上18以下である、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。
【0035】
脂肪酸部分の炭化水素基は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシ基の炭素原子を含む炭化水素基であり、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基であり、更に好ましくは直鎖のアルキル基である。
【0036】
脂肪酸部分の炭素数は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシ基の炭素原子を含む炭素数であり、洗浄性向上の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下であり、更に好ましくは14以下である。
【0037】
脂肪酸アルカノールアミドとしては、(b1)脂肪酸モノアルカノールアミド[以下、(b1)成分という]、(b2)脂肪酸ジアルカノールアミド[以下、(b2)成分という]が挙げられる。(b1)成分としては、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸メチルモノエタノールアミド、脂肪酸エチルモノエタノールアミド、脂肪酸プロピルモノエタノールアミド等が挙げられ、(b2)成分としては、脂肪酸メタノールエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。(b)成分は、洗浄性向上の観点から、脂肪酸メチルモノエタノールアミド及び脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上が好ましい。
【0038】
(b)成分は、例えば、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミドのうち脂肪酸部の炭素数が10以上18以下の化合物、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。
(b)成分は、洗浄性向上の観点から、好ましくはヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上である。
【0039】
(b)成分は、高級脂肪酸とアルカノールアミンを反応させることにより得られるが、脂肪酸アルカノールアミド以外の副産物が同時に生成される。副産物としては、脂肪酸アルカノールアミドと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸モノエステル、脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸ジエステル、並びにアルカノールアミンと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミンモノエステル、脂肪酸アルカノールアミンジエステル等が挙げられる。本発明の(b)成分には、本発明の効果を損なわない限り、前記の副産物を微量に含んでも良い。(b)成分中の前記副産物の含有量は、洗浄性向上の観点から、(b)成分100質量部中、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
【0040】
<(c)成分>
(c)成分は、(c1)アルキルグリセリルエーテル、(c2)炭素数12以上のアルコール、並びに(c3)炭素数12以上の脂肪酸及びその塩から選ばれる1種以上である。
【0041】
<(c1)成分>
(c1)成分は、アルキルグリセリルエーテルである。(c1)成分のアルキルグリセリルエーテルは、炭素数4以上10以下のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテルが好ましい。
(c1)成分としては、油層への浸透性の観点から、具体的には下記一般式(c1)で表される化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
1c-O-(Gly)-H (c1)
〔式中、R1cは炭素数4以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Glyはグリセリン由来の構成単位を示し、好ましくはグリセリンから1つの水酸基と1つの水素原子を除いた残基を示し、rは1以上4以下の数を示す。〕
【0042】
一般式(c1)において、R1cは、油層への浸透性の観点から、好ましくは炭素数4以上、より好ましくは炭素数6以上、更に好ましくは炭素数8以上、そして、油層への浸透性の観点から、好ましくは炭素数10以下のアルキル基である。アルキル基は、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖アルキル基を用いることができるが、本発明では、油層への浸透性の観点から、分岐鎖を有するアルキル基が好ましく、R1cの分岐鎖を有する具体的なアルキル基として、2-エチルヘキシル基、sec-オクチル基、イソノニル基及びイソデシル基から選ばれる基がより好ましく、2-エチルヘキシル基又はイソデシル基が更に好ましく、2-エチルヘキシル基がより更に好ましい。
【0043】
一般式(c1)において、油層への浸透性の観点から、rは好ましくは1以上、そして、好ましくは2以下である。油層への浸透性の観点から、rが1の化合物がより好ましい。油層への浸透性の観点から、R1cが2-エチルヘキシル基で、かつ、rが1の化合物が更に好ましい。
Glyで示される構造はグリセリンの1位と3位の水酸基が結合している-CHCH(OH)CH-O-で示される構造か、又はグリセリンの1位と2位の水酸基が結合している-CH(CHOH)CH-O-で示される構造であり、触媒や反応条件によって異なる。
【0044】
一般式(c1)の化合物を得るには、例えば炭素数4以上10以下のアルコールとしてR1c-OHで示されるアルキルアルコールを用い、エピハロヒドリンやグリシドール等のエポキシ化合物とを、BF等の酸触媒、あるいはアルミニウム触媒を用いて反応させて製造する方法を用いることができる。例えば、2-エチルヘキサノールを用いた場合、得られる2-エチルヘキシルグリセリルエーテルは、特開2001-49291号公報に記載されているように複数の生成物を含み得る混合物である。
【0045】
(c1)成分は、油層への浸透性の観点から、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、デシルグリセリルエーテル及びイソデシルグリセリルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルがより好ましい。
【0046】
<(c2)成分>
(c2)成分は、(c2)炭素数12以上のアルコールである。(c2)成分は、炭素数12以上22以下のアルコールが好ましい。(c2)成分は、油層への浸透性の観点から、炭素数12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下のアルコールである。下記(c2)成分のアルコールの炭素数についても上記範囲が好ましい。
【0047】
(c2)成分は、第1級アルコールや第2級アルコールが挙げられ、洗浄性向上の観点から、第1級アルコールが好ましい。
(c2)成分は、洗浄性向上の観点から、脂肪族アルコールが好ましい。
(c2)成分は、直鎖アルコールや分岐鎖アルコールが挙げられ、洗浄性向上の観点から、直鎖アルコールが好ましい。
(c2)成分は、油層への浸透性の観点から、1価アルコールが好ましい。
(c2)成分は、上記炭素数の飽和アルコールや不飽和アルコールが挙げられ、油層への浸透性の観点から、飽和アルコールが好ましい。
【0048】
(c2)成分としては、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オレイルアルコール等が挙げられる。洗浄性向上の観点から、1-デカノール、1-ドデカノール、1-テトラデカノール、1-ヘキサデカノール及びオレイルアルコールから選ばれる1種以上が好ましく、1-ドデカノール、1-テトラデカノール及びオレイルアルコールから選ばれる1種以上がより好ましく、1-ドデカノール及びオレイルアルコールから選ばれる1種以上が更に好ましい。
【0049】
<(c3)成分>
(c3)成分は、(c3)炭素数12以上の脂肪酸又はその塩である。(c3)成分は、炭素数12以上22以下の脂肪酸又はその塩が好ましい。(c3)成分は、油層への浸透性の観点から、炭素数12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下の脂肪酸又はその塩である。下記(c3)成分の脂肪酸の炭素数についても上記範囲が好ましい。
【0050】
(c3)成分の脂肪酸は、直鎖脂肪酸、分岐鎖脂肪酸の何れでもよいが、直鎖脂肪酸が好ましい。
(c3)成分の脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の何れでもよいが、飽和脂肪酸が好ましい。
(c3)成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩が挙げられ、好ましくはアルカリ金属塩、より好ましくはナトリウム塩である。
【0051】
<組成及びその他成分>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(a)成分を、洗浄性向上の観点から、好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下含有する。
(a)成分を上記範囲で含有する前記洗浄剤組成物は、薄めずに繊維製品に接触させる組成物として好適に用いることができる。また、予め前記洗浄剤組成物を濃縮しておき、使用時の(a)成分の含有量が上記範囲となるように薄めて繊維製品に適用することもできる。以下、(b)成分、(c)成分及び(c1)~(c3)成分等の含有量に関しても同様である。
なお、本発明の(a)成分の質量に関する規定において、(a)成分が(a2)成分の陰イオン界面活性剤を含む場合、(a2)成分の質量は、ナトリウム塩として換算した質量を用いる。また、(a)成分が(a3)成分の陽イオン界面活性剤を含む場合、(c3)成分の質量は、塩化物に換算した質量を用いる。
【0052】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(a1)成分と(a2)成分の合計含有量が、前記(a)成分の含有量で示した範囲であることが好ましい。
また、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(a1-1)成分と(a2-1)成分の合計含有量が前記(a)成分の含有量で示した範囲であることがより好ましい。
【0053】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(b)成分を、洗浄性向上の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下、より更に好ましくは2.5質量%以下含有する。
【0054】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(c)成分を、洗浄性向上の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下、より更に好ましくは2.5質量%以下含有する。
なお、本発明の(c)成分の質量に関する規定において、(c)成分が(c3)成分の炭素数12以上の脂肪酸又はその塩を含む場合、(c3)成分の質量は、脂肪酸換算した質量を用いる。
【0055】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物において、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b)/(c)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、より好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは1.2以上、より更に好ましくは1.5以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5.0以下、より更に好ましくは3以下である。
また、(b)成分が(b1)成分である脂肪酸モノアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b1)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b1)/(c)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
また、(b)成分が(b2)成分である脂肪酸ジアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b2)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b2)/(c)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
【0056】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(c1)成分を、洗浄性向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下、より更に好ましくは2.5質量%以下含有する。
【0057】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物において、(b)成分の含有量と(c1)成分の含有量の質量比(b)/(c1)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5.0以下、より更に好ましくは4.0以下、より更に好ましくは3.0以下である。
また、(b)成分が(b1)成分である脂肪酸モノアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b1)成分の含有量と(c1)成分の含有量の質量比(b1)/(c1)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
また、(b)成分が(b2)成分である脂肪酸ジアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b2)成分の含有量と(c1)成分の含有量の質量比(b2)/(c1)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
【0058】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(c2)成分を、洗浄性向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上、より更に好ましくは1.2質量%以上、より更に好ましくは1.4質量%以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下、より更に好ましくは2.5質量%以下含有する。
【0059】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物において、(b)成分の含有量と(c2)成分の含有量の質量比(b)/(c2)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5.0以下、より更に好ましくは4以下、より更に好ましくは3以下である。
また、(b)成分が(b1)成分である脂肪酸モノアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b1)成分の含有量と(c2)成分の含有量の質量比(b1)/(c2)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1.2以下である。
また、(b)成分が(b2)成分である脂肪酸ジアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b2)成分の含有量と(c2)成分の含有量の質量比(b2)/(c2)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
【0060】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(c3)成分を、洗浄性向上の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.7質量%以上、より更に好ましくは1.2質量%以上、そして、配合適性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは2.7質量%以下、更に好ましくは2.4質量%以下、より更に好ましくは2.2質量%以下含有する。
【0061】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物において、(b)成分の含有量と(c3)成分の含有量の質量比(b)/(c3)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは10以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下、より更に好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.0以下である。
また、(b)成分が(b1)成分である脂肪酸モノアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b1)成分の含有量と(c3)成分の含有量の質量比(b1)/(c3)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
また、(b)成分が(b2)成分である脂肪酸ジアルカノールアミドを含む場合、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中、(b2)成分の含有量と(c3)成分の含有量の質量比(b2)/(c3)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上、そして、洗浄性向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましく7以下、更に好ましくは4以下、より更に好ましくは3以下である。
【0062】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、洗浄時の溶解性の観点から、水を含有する。水は、イオン交換水、水道水、蒸留水、精製水等を用いることができる。水は、組成物の残部として、組成物全体の組成が100質量%となるような量で用いることができる。本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、洗浄時の溶解性の観点から、水を、組成物中に、好ましくは10質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下含有する。
(b)成分、(c)成分を化粧品汚れに適用しようとすると一般的に水が少ない方が好ましいが、(b)成分と(c)成分を併用することで水の含有量を多くしても洗浄性を向上することができる。
【0063】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、特に限定されるものではなく、例えば、2.0以上11.0の範囲から選ぶことができる。本発明の繊維製品用洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、洗浄性向上の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上、そして、安全性向上の観点から、好ましくは11以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9以下である。
なお、本発明のpHはガラス電極法で測定される。具体的には、以下の方法で測定されたものである。
<pHの測定法>
pHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、pH/イオンメーター F-23)にpH電極内部液を飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)としたpH測定用複合電極(例えば、株式会社堀場製作所製、ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となる本発明の繊維製品用洗浄剤組成物を25℃に調整し、前記のpHメーターの電極を本発明の繊維製品用洗浄剤組成物に浸漬し、1分後のpHを測定する。
【0064】
<その他の成分>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、任意に、アルカリ剤、キレート剤、再汚染防止剤、分散剤、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、蛍光染料、無機塩類、安定化剤、酸化防止剤、色素、香料、抗菌防腐剤、消泡剤、有機溶剤、ハイドロトロープ剤及びpH調整剤を含有することができる(但し、(a)成分~(c)成分を除く)。
【0065】
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物は、例えば、下記(d1)~(d3)成分を含有することができる。
(d1)蛍光染料、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料を、組成物中0.001質量%以上1質量%以下
(d2)クエン酸、安息香酸、モノエタノールアミン及び水酸化ナトリウム等のpH調整剤を、組成物中0.001質量%以上5.0質量%以下
(d3)色素、香料、抗菌防腐剤を適量。
【0066】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、例えば、噴霧、塗布又は浸漬により、繊維製品に直接接触させる組成物として用いられ、繊維製品に付着した化粧品汚れに対して高い洗浄力を有する。この組成物を繊維製品に接触させた後、該繊維製品をすすぐ、及び/又は更に洗濯機による洗濯を行ってもよい。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物を、繊維製品を洗濯機で洗浄する前に該繊維製品に予め接触させる繊維製品用洗浄前処理剤として用いてもよい。
また、繊維製品の洗浄時おいて、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物とともに、任意の他の繊維製品用洗浄剤組成物や繊維処理剤等を組み合わせて使用することもできる。
【0067】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、繊維製品用液体洗浄剤組成物、繊維製品用化粧品汚れ洗浄剤組成物及び繊維製品用液体化粧品汚れ洗浄剤組成物の何れかであってよい。
【0068】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、各種繊維、例えば、天然繊維、合成繊維、半合成繊維を対象とすることができる。本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、これらの繊維を含む繊維製品を対象とすることができる。
【0069】
繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。本発明において、親水性繊維とは、標準状態の水分率(20℃、65%RH)が5質量%以上の繊維をさしている。また、疎水性繊維とは、標準状態の水分率(20℃、65%RH)が5質量%以下の繊維をさしている。この標準状態の水分率は、JIS L 1013記載の方法により算出される。
疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックス等)、ポリアミド系繊維(ナイロン等)、ポリエステル系繊維(ポリエステル等)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリル等)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロン等)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル等)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデン等)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタン等)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラール等)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエート等)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレン等)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(木綿、カポック等)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻等)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻等)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラ等)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート等)等が例示される。
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ、マスク等の製品を意味する。好ましい繊維製品は織物、編み物等の織布及び織った繊維製品である。本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、木綿等の親水性繊維を含む親水性繊維製品に対して高い効果を発揮し、化学繊維等の疎水性繊維を含む疎水性繊維製品に対してより高い効果を発揮することができる。
【0070】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、木綿である親水性繊維製品に付着した化粧品汚れに対する洗浄性が優れていることは言うまでもないが、付着した化粧品汚れが落ちづらい疎水性繊維製品に付着した化粧品汚れに対してもより高い効果を発揮することができる。
なお、本発明において、親水性繊維製品とは、親水性繊維を好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、100質量%以下、好ましくは95質量%以下含むものであり、疎水性繊維製品とは、疎水性繊維を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、100質量%以下、好ましくは95質量%以下含むものである。
【0071】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、油性成分を含む油性汚れ、例えば、ワックスやシリコーン等の高分子化合物を含有する油性の化粧品が付着した繊維製品の洗浄に好適に用いることができる。より具体的には、口紅、リップグロス等の口唇化粧料、アイメークアップ化粧料、紛体ファンデーション、乳化ファンデーション、チーク、化粧下地、眉目化粧料、爪化粧料、及び溶剤系美爪料等のメイク化粧料、及びサンオイル、乳化サンスクリーン等の日焼け止め化粧料等が付着した繊維製品の洗浄に好適に用いることができる。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、特に、顔料と油性成分、更には顔料と高分子化合物とを含む化粧品汚れに対して高い洗浄力を有する。また、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、乳化剤や安定化剤、例えば、ポリエーテル変性シリコーン等を含む化粧品汚れに対して高い洗浄力を有する。
【0072】
<洗浄方法>
本発明は、上記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び水を含有し、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(b)/(c)が、0.05以上20以下である繊維製品用洗浄剤組成物を、繊維製品に接触させる、繊維製品の洗浄方法を提供する。
本発明の繊維製品の洗浄方法は、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物を、繊維製品に接触させる、繊維製品の洗浄方法であってよい。また、本発明の繊維製品の洗浄方法は、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物を、化粧品汚れが付着した繊維製品に接触させる、繊維製品の洗浄方法であってよい。
本発明の繊維製品の洗浄方法において、繊維製品に接触させる繊維製品用洗浄剤組成物における(a)成分~(c)成分の好ましい態様や、該組成物における(a)成分~(c)成分等の好ましい含有量、質量比、任意成分等は、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物と同じである。また、前記繊維製品は、上記本発明の繊維製品用洗浄剤組成物で述べた繊維製品であってよい。
【0073】
本発明の繊維製品の洗浄方法において、前記の繊維製品用洗浄剤組成物と繊維製品とを接触させる態様としては、例えば、噴霧、塗布及び浸漬から選ばれる1以上が挙げられる。該組成物は、薄めずに、噴霧、塗布及び浸漬から選ばれる1以上により、繊維製品に直接接触させることが好ましい。本発明の繊維製品の洗浄方法において、繊維製品用洗浄剤組成物を薄めずに繊維製品に接触させるとは、該組成物を薄めずに乾いた繊維製品に接触させること、又は該組成物を薄めずに湿らせた繊維製品に接触させることであってよい。
【0074】
本発明の繊維製品の洗浄方法では、繊維製品用洗浄剤組成物と繊維製品とを接触させた後、繊維製品に人の手で外力をかけて洗浄すること、繊維製品を洗濯機で洗浄すること及び繊維製品をすすぐことから選ばれる1以上を行うことが好ましく、繊維製品に人の手で外力をかけて洗浄することが好ましく、該繊維製品を人の手で外力をかけて洗浄した後に、更に洗濯機で洗浄することがより好ましい。
繊維製品に人の手で外力をかけて洗浄するとは、人の手で直接又はブラシ等の洗濯用の道具を用いて、繊維製品を揉み洗いすること、繊維製品をこすり洗いすること及び繊維製品をたたき洗いすることから選ばれる1以上を行うことが挙げられる。
また、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物と、任意の繊維製品用洗浄剤や繊維製品処理剤等とを組み合わせて使用して繊維製品を洗浄してもよい。
【0075】
本発明の繊維製品の洗浄方法では、前記の繊維製品用洗浄剤組成物と繊維製品とを接触させた後、洗浄力の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、そして、繊維製品を保護する観点から、好ましくは300分以下、より好ましくは120分以下、更に好ましくは60分以下放置することができる。
また、本発明の繊維製品の洗浄方法において、前記の繊維製品用洗浄剤組成物と繊維製品とを接触させた後放置する温度は、洗浄力の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは20℃以上、そして、繊維製品を保護する観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは40℃以下である。
【実施例0076】
[配合成分]
表1、2の繊維製品用洗浄剤組成物の調製には、下記の成分を用いた。
<(a)成分>
a1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレンオキサイド平均付加モル数 10モル、Dehydol LS10(Thai Ethoxylate社製)
a2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、エチレンオキサイド平均付加モル数 2モル、エマール227HP-G(花王(株)製)
<(b)成分>
b1:脂肪酸N-メチルエタノールアミド、アミノーンC11S(花王(株)製)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド
b2:脂肪酸ジエタノールアミド、アミノーンPK-02S( 花王(株)製)、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド
<(c)成分>
c1:2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、ペネトール GE-EH(花王(株)製)
c2:オレイルアルコール(富士フイルム和光純薬(株)製)
c3-1:ラウリン酸、Palmac98-12(IOI Acidchem社製)
c3-2:オレイン酸(富士フイルム和光純薬(株)製)
<その他成分>
蛍光増白剤:チノパールCBS-X(BASF社製)
クエン酸(Citric acid Industry製)
安息香酸ナトリウム(武漢有機実業有限公司製)
香料
【0077】
[試験布]
全自動洗濯機(NA-F70PX9、Panasonic(株))に、綿メリヤス布(綿100%、未染着布、染色試材(株)谷頭商店製)2.0kgを入れ、非イオン界面活性剤(エマルゲン108、花王(株)製)(浴比:200mg/kg)及び炭酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)(浴比:400mg/kg)を含む洗浄液で5回繰り返し洗濯した(洗浄液40L、洗い6分、注水すすぎ2回、脱水3分)。洗濯後、この綿メリヤス布を、更に二槽式洗濯機(株式会社東芝、銀河VH-360S1)で泡がなくなるまで注水すすぎを行った。その後、綿メリヤス布を脱水槽にて5分脱水後、自然乾燥させた。乾燥後の綿メリヤス布を6cm×6cmに裁断し、試験布とした。
【0078】
[モデル汚染布の作製]
シリコーン等を含むリキッドファンデーション(プリマヴィスタ、花王(株)製)をエタノールで10倍希釈し、希釈したリキッドファンデーション50μLを試験布に塗布し、室温で2時間静置することでモデル汚染布を得た。
【0079】
[化粧品汚れ洗浄率の評価方法]
表1、2に記載の割合で各成分を混合して、繊維製品用洗浄剤組成物を調製した。
繊維製品洗浄剤組成物をモデル汚染布にそれぞれ0.25g塗布して1分間揉み洗いを行った後、モデル汚染布を水道水で流水すすぎを行い、自然乾燥させた。洗浄前後のモデル汚染布について測色色差計(日本電色株式会社製 Z-300A)を用いて汚染前の原布、及び洗浄前後のモデル汚染布における反射率(洗浄前後の反射率)を測定し、下記の計算式(1)にて洗浄率を算出した。洗浄率が高い繊維製品用洗浄剤組成物ほど、繊維製品に付着した化粧品汚れの洗浄性が優れる。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の反射率-洗浄前の反射率)/(原布の反射率-洗浄前の反射率)] (1)
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】