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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136210
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】画像処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/07 20060101AFI20240927BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F11/07 178
G06F11/34 176
G06F11/07 140J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047246
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 英憲
(72)【発明者】
【氏名】大竹 裕仁
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 辰寿
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042GA11
5B042JJ06
5B042KK07
5B042MA04
5B042MA08
5B042MA09
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】第2プロセッサの障害発生時でも第1プロセッサが第2プロセッサのログ情報を取得することができる画像処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】第1プロセッサと、第1プロセッサからコマンドを受信して処理を行う第2プロセッサとを備え、前記第2プロセッサは、前記処理について障害が発生すると予測した場合に、当該第2プロセッサのログ情報を前記第1プロセッサから参照可能な共有メモリに保存する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロセッサと、第1プロセッサからコマンドを受信して処理を行う第2プロセッサとを備え、
前記第2プロセッサは、
前記処理について障害が発生すると予測した場合に、当該第2プロセッサのログ情報を前記第1プロセッサから参照可能な共有メモリに保存する画像処理装置。
【請求項2】
前記第2プロセッサは、
前記処理が不揮発性メモリに保存されている障害履歴情報と一致する処理の場合に、障害が発生すると予測する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1プロセッサは、
前記第2プロセッサに対して送信したコマンドに応答がなかった場合に、第2プロセッサに割込通知を送信し、
前記第2プロセッサは、
前記割込通知を受信した場合に、当該第2プロセッサの前記ログ情報から、障害予測に必要な予測情報を取得し、当該予測情報を前記障害履歴情報として前記不揮発性メモリに保存する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記障害予測に必要な情報には、前記処理毎のタスク遷移情報が含まれる請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2プロセッサは、
前記ログ情報として、障害が発生すると予測した前記処理のログ情報を抽出して前記共有メモリに保存する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2プロセッサは、
前記ログ情報として、前記共有メモリの空き容量分の情報を前記共有メモリに保存する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記ログ情報には、優先度が定められており、当該優先度の高いログ情報から前記共有メモリに保存する請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第1プロセッサは、
前記第2プロセッサに対して送信したコマンドに応答がなかった場合に、前記共有メモリから前記ログ情報を取得する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
第1プロセッサと、第1プロセッサからコマンドを受信して処理を行う第2プロセッサとを備えたコンピュータのプログラムであって、
前記処理について障害が発生すると予測した場合に、前記第2プロセッサのログ情報を前記第1プロセッサから参照可能な共有メモリに保存する処理を、前記第2プロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像データが入力される入力部と、前記入力部から入力された画像データを処理する処理部と、記憶部と、前記処理部を含む当該画像処理装置の各部の動作を制御すると共に、当該画像処理装置の各部の状態を示す状態情報を当該画像処理装置の動作中に前記記憶部に記憶する第1のCPUと、外部装置と通信する通信部と、前記記憶部から前記状態情報を読み出し、前記通信部を通じて外部装置へ出力する第2のCPUと、を備えた画像処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、CPUモジュール(4)と、メインCPU(60)およびサブCPU(70)を持つマルチプロセッサ構成の通信モジュール(6)とを具備するFAコントローラであって、前記通信モジュール(6)は、サブCPUに関して収集された情報が保存され、CPUモジュールからの要求に従った直接の情報読出しができない第1の情報保存手段(26)と、CPUモジュールからの要求に従った直接の情報読出しが可能で、かつ、通信モジュールがリセット,再起動された後も内部情報を維持する機能を持つ第2の情報保存手段(22)と、メインCPUにおける異常発生のみならず、サブCPUにおける異常発生によっても起動され、メインCPUのエラーによって起動された場合は、そのメインCPUの内部状態等の後の解析に必要となる情報を前記第2の情報保存手段に格納し、サブCPUの異常によって起動された場合は、前記第1の情報保存手段に保存されているサブCPUに関して収集された情報を前記第2の情報保存手段に格納し、それらの情報の格納終了後に通信モジュールをリセットして再起動する、異常処理手段(24)とを有することを特徴とするFAコントローラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-003506号公報
【特許文献2】特開平06-110858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1プロセッサと第2プロセッサとを備える画像処理装置では、第1プロセッサは、第2プロセッサに障害が発生した場合に、当該第2プロセッサの内部メモリに保存されているログ情報を取得することができない。
【0006】
本開示は、第2プロセッサの障害発生時でも第1プロセッサが第2プロセッサのログ情報を取得することができる画像処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る画像処理装置は、第1プロセッサと、第1プロセッサからコマンドを受信して処理を行う第2プロセッサとを備え、前記第2プロセッサは、前記処理について障害が発生すると予測した場合に、当該第2プロセッサのログ情報を前記第1プロセッサから参照可能な共有メモリに保存する。
【0008】
第2態様に係る画像処理装置は、第1態様に係る画像処理装置において、前記第2プロセッサは、前記処理が不揮発性メモリに保存されている障害履歴情報と一致する処理の場合に、障害が発生すると予測する。
【0009】
第3態様に係る画像処理装置は、第2態様に係る画像処理装置において、前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサに対して送信したコマンドに応答がなかった場合に、第2プロセッサに割込通知を送信し、前記第2プロセッサは、前記割込通知を受信した場合に、当該第2プロセッサの前記ログ情報から、障害予測に必要な予測情報を取得し、当該予測情報を前記障害履歴情報として前記不揮発性メモリに保存する。
【0010】
第4態様に係る画像処理装置は、第3態様に係る画像処理装置において、前記障害予測に必要な情報には、前記処理毎のタスク遷移情報が含まれる。
【0011】
第5態様に係る画像処理装置は、第1態様に係る画像処理装置において、前記第2プロセッサは、前記ログ情報として、障害が発生すると予測した前記処理のログ情報を抽出して前記共有メモリに保存する。
【0012】
第6態様に係る画像処理装置は、第1態様に係る画像処理装置において、前記第2プロセッサは、前記ログ情報として、前記共有メモリの空き容量分の情報を前記共有メモリに保存する。
【0013】
第7態様に係る画像処理装置は、第6態様に係る画像処理装置において、前記ログ情報には、優先度が定められており、当該優先度の高いログ情報から前記共有メモリに保存する。
【0014】
第8態様に係る画像処理装置は、第1態様に係る画像処理装置において、前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサに対して送信したコマンドに応答がなかった場合に、前記共有メモリから前記ログ情報を取得する。
【0015】
第9態様に係るプログラムは、第1プロセッサと、第1プロセッサからコマンドを受信して処理を行う第2プロセッサとを備えたコンピュータのプログラムであって、前記処理について障害が発生すると予測した場合に、前記第2プロセッサのログ情報を前記第1プロセッサから参照可能な共有メモリに保存する処理を、前記第2プロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様によれば、第2プロセッサの障害発生時でも第1プロセッサが第2プロセッサのログ情報を取得することができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様によれば、障害履歴情報と一致するかを確認することにより、障害が発生すると予測することができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様によれば、障害が発生した場合に、障害が発生した処理のログ情報を保存することができる、という効果を有する。
【0019】
第4態様によれば、障害予測に必要な情報を保存することができる、という効果を有する。
【0020】
第5態様によれば、障害の解析に必要な情報を保存しておくことができる、という効果を有する。
【0021】
第6態様によれば、共有メモリの空き容量が少ない場合であっても、ログ情報を保存することができる、という効果を有する。
【0022】
第7態様によれば、共有メモリの空き容量が足りない場合であっても、優先度の高いログ情報を保存することができる、という効果を有する。
【0023】
第8態様によれば、第1プロセッサが、第2プロセッサに障害が発生していることを検知することができる、という効果を有する。
【0024】
第9態様によれば、第2プロセッサの障害発生時でも第1プロセッサが第2プロセッサのログ情報を取得することができる、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る障害予測情報の一例を示す説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る抽出されたログ情報の一例を示す説明図である。
図4】本発明の実施形態に係る障害予測情報を保存する際のメインCPUの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る障害予測情報を保存する際のサブCPUの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る障害が予測される際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
図1を用いて、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態では、画像形成装置100は、画像処理装置の一例である。本実施形態に係る画像形成装置100は、印刷機能や、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナー機能などの各種の機能を有するものである。
【0028】
図1に示すように、画像形成装置100は、第1プロセッサの一例であるメインCPU(Central Processing Unit)101、第2プロセッサの一例であるサブCPU102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、共有メモリ105、ストレージ106、画像読取部107、画像形成部108、通信部109を有する。各構成は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0029】
メインCPU101及びサブCPU102は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、メインCPU101及びサブCPU102は、ROM103又はストレージ106からプログラムを読み出し、RAM104を作業領域としてプログラムを実行する。メインCPU101及びサブCPU102は、ROM103又はストレージ106に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。特にサブCPU102は、メインCPU101からコマンドを受信して処理、例えば、画像処理を行う。ここで、画像処理は、画像形成装置100が画像データを印刷する際などに、メインCPU101からのコマンドに応じて、画像データを読み込む処理や、エンコードする処理などが含まれる。また、本実施形態では、ストレージ106に、プログラムが格納されている。
【0030】
また、少なくともサブCPU102には、サブCPU102の動作の履歴に関するログ情報を保存するログ記憶領域200と、後述する障害予測情報を保存する障害予測情報記憶領域201との不揮発性メモリを備えている。
【0031】
ROM103は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM104は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを保存する。ストレージ106は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0032】
共有メモリ105は、メインCPU101及びサブCPU102からアクセス可能な揮発性メモリであって、主として、メインCPU101とサブCPU102との間の通信をする際にコマンドを保存するメモリである。なお、共有メモリ105は、RAM104が兼用してもよい。
【0033】
画像読取部107は、コピーガラス(図示せず)上に配置された原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。この画像読取部107によって得られた画像情報は、画像形成部108などに送られる。
【0034】
画像形成部108は、ネットワークを介して接続されたPC(図示せず)から得られた印刷ジョブに含まれる印刷データや、画像読取部107による読み取りによって得られた画像情報に基づく画像を、紙などの記録媒体に形成、すなわち、印刷するものである。
【0035】
通信部109は、画像形成装置100をネットワーク(図示せず)に接続させ、画像形成装置100と、PCなどの他の機器と通信を行う。また、通信部109は、画像形成装置100を公衆回線に接続し、FAX機能を有する他の画像形成装置と画像読取部107による読み取りによって得られた画像情報を送受信する。
【0036】
次に、図2を用いて、障害予測情報記憶領域201に保存されている障害予測情報の一例について説明する。
【0037】
障害予測情報記憶領域201には、図2に示すように、障害予測情報が保存される。例えば、「001」の障害予測情報として、メインCPU101からサブCPU102に送信されるコマンド「IOT_ENCODE」と、障害発生時のカーネルのシステム状態「タスクコンテキスト」と、タスク遷移情報「…→TIotB→TIotA→TIotC」が保存されている。ここで、タスク遷移情報は、コマンドに基づいて、複数のタスクが処理されていき、障害により止まるまでの情報が保存されている。例えば、「001」の障害予測情報は、コマンド「IOT_ENCODE」に基づいて、タスク「TIotB」が処理され、次にタスク「TIotA」が処理され、次のタスク「TIotC」の途中で処理が止まったことを示している。ここで、本実施形態では、直近に動作していて障害により止まったタスクを含め、コマンドに基づいて処理された全てのタスクを保存しているが、直近に動作していて障害により止まったタスク、予め定められた数、例えば3番目までのタスクを保存してもよい。
【0038】
かかる障害予測情報は、図5を用いて後述するように、サブCPU102によりログ記憶領域200に保存されているログ情報から抽出されて、障害予測情報記憶領域201に保存される。なお、障害予測情報は、障害予測情報記憶領域201に保存される場合に限定されず、他の記憶領域であってもよい。
【0039】
次に、図3を用いて、共有メモリ105に保存されているログ情報の一例について説明する。
共有メモリ105には、図3に示すように、障害が発生すると予測された処理のログ情報が保存される。ここで、ログ情報は、例えば、図3に示す形式で抽出する。図3(A)はタスク「TIotC」のログ情報、図3(B)はタスク「TIitC」のログ情報の例である。本実施形態では、ログ情報は、図3(A)及び図3(B)に示すとおり、タスク毎に、「時間情報」、「ドライバ」、「動作ログ」、「レジスタ」などを抽出する。なお、ログ情報の項目は、図3に示すものに限定されず、又、ログ情報の保存形式は、図3に示すログ毎に保存する場合に限定されずログが保存可能なものであればよい。
【0040】
かかるログ情報は、図6を用いて後述するように、サブCPU102によりログ記憶領域200に保存されているログ情報から抽出されて、共有メモリ105に保存される。
【0041】
つぎに、図4乃至図6を用いて画像形成装置100の作用について説明する。
【0042】
図4及び図5を用いて、画像形成装置100を用いた障害予測情報を保存する際の処理の流れの一例について説明する。なお、図4及び図5は、メインCPU101からサブCPU102側に送信されるコマンドに基づいた処理が障害により完了しない場合について説明している。
【0043】
まず、図4を用いて、メインCPU101の処理の一例を説明する。
【0044】
ステップS100において、メインCPU101が、共有メモリ105へコマンドを送信する。すなわち、メインCPU101がサブCPU102に画像処理を実行させるために必要な情報のコマンドを送信する。また、かかるコマンドの送信が完了すると、メインCPU101がサブCPU102に割込通知がされて、図5のステップS200で後述するように、サブCPU102が共有メモリ105からコマンドを受信することとなる。なお、メインCPU101は共有メモリ105へコマンドを送信する場合に限定されず、サブCPU102にコマンドを送信してもよい。そして、次のステップS101に進む。
【0045】
ステップS101において、メインCPU101が、ステップS100で送信したコマンドに対し、サブCPU102からコマンドに基づいた処理が完了した旨の応答が返ってきたか否かを判定する。すなわち、メインCPU101は、ステップS100でコマンドを送信した際に、タイマーをセットし、タイムアウトする前に、コマンドに基づいた処理が完了した旨の応答が返ってきたか否かを判定する。応答が返って来た場合は、処理を終了する。一方、応答が返ってこないでタイムアウトした場合は、次のステップS102に進む。
【0046】
ステップS102において、メインCPU101が、サブCPU102に、コマンドの応答が返ってきていない旨の割込通知をする。そして、処理を終了する。
【0047】
次に、図5を用いて、サブCPU102の処理の一例を説明する。
【0048】
ステップS200において、サブCPU102が、上述した図4のステップS100の共有メモリ105へのコマンドの送信に伴い通知される割込通知に基づいて、共有メモリ105からコマンドを受信する。そして、次のステップS201に進む。
【0049】
ステップS201において、サブCPU102が、ステップS200で受信したコマンドに基づいて処理を行う。なお、かかる処理が完了した場合は、上述した図4のステップS101で判定するコマンドに基づいた処理が完了した旨の応答を返信する。そして、次のステップS202に進む。
【0050】
ステップS202において、サブCPU102が、上述した図4のステップS102により送信された割込通知を受信したか否かを判定する。割込通知を受信したと判定しない場合は、図示しないが、ステップS201で行われた処理が完了した旨の応答を返していることから、割込通知を受信しておらず、処理を終了する。一方、割込通知を受信したと判定した場合は、次のステップS203に進む。
【0051】
ステップS203において、サブCPU102が、障害予測情報を取得する。具体的には、サブCPU102のログ記憶領域200に保存されているログ情報から、障害予測に必要な予測情報を抽出して取得する。そして、次のステップS204に進む。
【0052】
ステップS204において、サブCPU102が、ステップS203で取得した予測情報を障害履歴情報として不揮発性メモリである障害予測情報記憶領域201に保存する(図2参照)。そして処理を終了する。
【0053】
次に、図6を用いて、画像形成装置100を用いた障害が予測される際の処理の流れの一例について説明する。
【0054】
ステップS300において、サブCPU102が、上述した図5のステップS204で不揮発性メモリである障害予測情報記憶領域201に保存した予測情報(障害履歴情報)を取得する。すなわち、これから処理するコマンドに備え、予測情報を取得しておく。かかる参照の契機は、例えば、画像形成装置100の電源を投入したことや、画像形成装置100が節電状態から復帰したことなどである。そして、次のステップS301に進む。
【0055】
ステップS301において、サブCPU102が、共有メモリ105からコマンドを受信する。かかるコマンドの受信は、上述した図5のステップS200と同様に、図4のステップS100の共有メモリ105へのコマンドの送信に伴い通知される割込通知に基づいて行ってもよいし、異なる割込通知に基づいて行ってもよい。そして、次のステップS302に進む。
【0056】
ステップS302において、サブCPU102が、上述した図5のステップS201で行う処理の状況を取得する。ここで、処理の状況には、タスクが、例えば「TIotB」から「TIotA」に遷移したことや、予め定められた時間タスクが遷移しないこと、などを含む。そして、次のステップS303に進む。
【0057】
ステップS303において、サブCPU102が、パターンマッチングで一致するか判定する。具体的には、ステップS302で取得した処理の状況が予め定められた状況である場合、すなわち、タスクが遷移したことや、予め定められた時間タスクが遷移しない場合に、ステップS301で取得した実行中の処理が、ステップS300で取得した予測情報(障害履歴情報)と一致するか判定する。すなわち、現在実行中の処理が、過去に障害が発生した処理と同じタスクの遷移である場合などに、当該処理で障害が発生すると予測する。パターンマッチングで一致する場合は、障害が発生すると予測し、次のステップS304に進む。
【0058】
ステップS304において、サブCPU102が、ログ記憶領域200から障害が発生すると予測した処理のログ情報を抽出する。ログ情報の抽出は、タスク遷移情報の降順(直近に動作していた順)で実施する。例えば、タスク「TIotC」のログ情報、タスク「TIitC」のログ情報、などの順に、ログ情報の抽出を行う。ここで、ログ情報は、上述したように、例えば、図3に示す形式で抽出する。そして、次のステップS305に進む。
【0059】
ステップS305において、サブCPU102が、ステップS304で抽出したログ情報を共有メモリ105に保存する。かかるログ情報をメインCPU101から参照することで、障害が発生したサブCPU102のログ情報が解析可能となる。そして、処理を終了する。
【0060】
一方、上述したステップS303において、パターンマッチングで一致しない場合は、次のステップS310に進み、ステップS301で取得したコマンドに基づく処理が完了したか否かを判定する。コマンドに基づく処理が完了したと判定した場合は、処理を終了する。一方、コマンドに基づく処理が完了したと判定しない場合は、上述したステップS302に戻る。
【0061】
本開示によれば、サブCPU102の障害発生時でもメインCPU101がサブCPU102のログ情報を取得することができる。すなわち、サブCPU102の障害による異常を検知したメインCPU101からサブCPU102への通知により、サブCPU102がログ記憶領域200から障害予測情報を抽出して不揮発性メモリである障害予測情報記憶領域201に保存する。そして、障害予測情報を基に、パターンマッチングにより障害が予測される場合に、ログ記憶領域200から障害の解析に必要なログ情報を共有メモリ105に保存することで、異常が発生したサブCPU102のログ情報をメインCPU101から参照することができるようになる。
【0062】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0063】
例えば、ログ情報として、共有メモリ105の空き容量分の情報を共有メモリ105に保存することとしてもよい。すなわち、上述したステップS305でログ情報を共有メモリ105に保存しているが、かかるログ情報は、全てのログ情報ではなく、共有メモリ105の空き容量を認識した上で、共有メモリ105に保存可能な当該空き容量分の情報を保存することとしてもよい。
【0064】
また、ログ情報には、優先度が定められており、優先度の高いログ情報から共有メモリ105に保存することとしてもよい。そして、最も高い優先度のログ情報を共有メモリ105に書き込んだ後、次に優先度の高いログ情報を共有メモリ105に書き込んでいく。このように構成することで、優先度の高いログ情報は、確実に共有メモリ105に保存されるようにすることができると共に、共有メモリ105の空き容量が少ない場合であっても、障害の予測に必要なログ情報を保存することが可能となる。
【0065】
また、ログ情報が、共有メモリ105の空き容量分よりも大きい場合は、空き容量以内のサイズのログ情報を第1ログ情報として共有メモリ105に保存し、メインCPU101が第1ログ情報を取得した後、第2ログ情報として残りのログ情報を空き容量以下の共有メモリ105に保存していく処理を継続することで、ログ記憶領域200に保存されているログ情報を全て共有メモリ105を介してメインCPU101に取得可能としてもよい。このように構成することで、ログ情報が共有メモリ105よりも大きい場合であっても、全てのログ情報を取得することが可能となる。
【0066】
なお、上記実施形態では、プログラムがROM202又はストレージ204に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0068】
また、上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上述した各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0069】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0070】
(((1)))
第1プロセッサと、第1プロセッサからコマンドを受信して処理を行う第2プロセッサとを備え、
前記第2プロセッサは、
前記処理について障害が発生すると予測した場合に、当該第2プロセッサのログ情報を前記第1プロセッサから参照可能な共有メモリに保存する画像処理装置。
【0071】
(((2)))
前記第2プロセッサは、
前記処理が不揮発性メモリに保存されている障害履歴情報と一致する処理の場合に、障害が発生すると予測する(((1)))に記載の画像処理装置。
【0072】
(((3)))
前記第1プロセッサは、
前記第2プロセッサに対して送信したコマンドに応答がなかった場合に、第2プロセッサに割込通知を送信し、
前記第2プロセッサは、
前記割込通知を受信した場合に、当該第2プロセッサの前記ログ情報から、障害予測に必要な予測情報を取得し、当該予測情報を前記障害履歴情報として前記不揮発性メモリに保存する(((2)))に記載の画像処理装置。
【0073】
(((4)))
前記障害予測に必要な情報には、前記処理毎のタスク遷移情報が含まれる(((3)))に記載の画像処理装置。
【0074】
(((5)))
前記第2プロセッサは、
前記ログ情報として、障害が発生すると予測した前記処理のログ情報を抽出して前記共有メモリに保存する(((1)))~(((4)))のいずれかに記載の画像処理装置。
【0075】
(((6)))
前記第2プロセッサは、
前記ログ情報として、前記共有メモリの空き容量分の情報を前記共有メモリに保存する(((1)))~(((5)))のいずれかに記載の画像処理装置。
【0076】
(((7)))
前記ログ情報には、優先度が定められており、当該優先度の高いログ情報から前記共有メモリに保存する(((6)))に記載の画像処理装置。
【0077】
(((8)))
前記第1プロセッサは、
前記第2プロセッサに対して送信したコマンドに応答がなかった場合に、前記共有メモリから前記ログ情報を取得する(((1)))~(((7)))のいずれかに記載の画像処理装置。
【0078】
(((9)))
第1プロセッサと、第1プロセッサからコマンドを受信して処理を行う第2プロセッサとを備えたコンピュータのプログラムであって、
前記処理について障害が発生すると予測した場合に、前記第2プロセッサのログ情報を前記第1プロセッサから参照可能な共有メモリに保存する処理を、前記第2プロセッサに実行させるためのプログラム。
【0079】
(((1)))によれば、第2プロセッサの障害発生時でも第1プロセッサが第2プロセッサのログ情報を取得することができる、という効果を有する。
【0080】
(((2)))によれば、障害履歴情報と一致するかを確認することにより、障害が発生すると予測することができる、という効果を有する。
【0081】
(((3)))によれば、障害が発生した場合に、障害が発生した処理のログ情報を保存することができる、という効果を有する。
【0082】
(((4)))によれば、障害予測に必要な情報を保存することができる、という効果を有する。
【0083】
(((5)))によれば、障害の解析に必要な情報を保存しておくことができる、という効果を有する。
【0084】
(((6)))によれば、共有メモリの空き容量が少ない場合であっても、ログ情報を保存することができる、という効果を有する。
【0085】
(((7)))によれば、共有メモリの空き容量が足りない場合であっても、優先度の高いログ情報を保存することができる、という効果を有する。
【0086】
(((8)))によれば、第1プロセッサが、第2プロセッサに障害が発生していることを検知することができる、という効果を有する。
【0087】
(((9)))によれば、第2プロセッサの障害発生時でも第1プロセッサが第2プロセッサのログ情報を取得することができる、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0088】
100 画像形成装置
101 第1CPU
102 第2CPU
105 共有メモリ
200 ログ記憶領域
201 障害予測情報記憶領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6