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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136211
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】警報通知システム及び警報通知方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240927BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240927BHJP
   G06Q 50/163 20240101ALI20240927BHJP
【FI】
G08B25/04 A
G08B21/02
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047247
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】514111746
【氏名又は名称】野村不動産パートナーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中尾 暢
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5C086AA01
5C086AA27
5C086DA07
5C086DA14
5C086FA17
5C087AA10
5C087DD03
5C087DD04
5C087DD05
5C087DD23
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG70
5C087GG83
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】物件の集中監視業務を効率的かつ低コストにて実現可能とする。
【解決手段】警報通知システム100において、所定の装置または人員への警報通知用の連絡先を保持する記憶装置101と、ネットワーク1にアクセス可能な通信装置105と、ネットワーク1に接続された建物設備監視装置50から監視画面データを取得し、監視画面データを画像分析エンジンに付与し、監視画面において規定の文字等が表示されているか判定し、判定の結果、監視画面に規定の文字等が表示されていた場合、連絡先に宛てて警報通知を行う演算装置104を含む構成とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の装置または人員への警報通知用の連絡先を保持する記憶装置と、
所定のネットワークにアクセス可能な通信装置と、
前記ネットワークに接続された建物設備監視装置から、前記通信装置を介して監視画面データを取得する処理と、前記監視画面データを所定の画像分析エンジンに付与し、監視画面において規定の文字、数字、及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されているか判定する処理と、前記判定の結果、前記監視画面に前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されていると判明した場合、前記連絡先に宛てて警報通知を行う処理を実行する演算装置と、
を含むことを特徴とする警報通知システム。
【請求項2】
前記通信装置は、
前記建物設備監視装置における監視画面の映像信号を、前記ネットワーク経由で直接受信して前記演算装置に配信するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の警報通知システム。
【請求項3】
前記画像分析エンジンは、
前記建物設備監視装置の監視画面において、前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示される警報表示エリアの情報と、当該警報表示エリアにて表示される前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報を保持し、前記監視画面データのうち、前記警報表示エリアにおける表示物の情報を抽出し、当該情報を前記文字、数字及びオブジェクトの情報と照合することにより、前記判定を実行するものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の警報通知システム。
【請求項4】
前記記憶装置は、
前記連絡先として、前記文字、数字及びオブジェクトの種類に応じて規定されている装置または人員の連絡先を保持するものであり、
前記演算装置は、
前記判定により表示が判明した、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの種類に基づいて、前記警報通知の対象となる装置または人員の連絡先を特定し、当該連絡先に宛てて警報通知を行うものである、
ことを特徴とする請求項3に記載の警報通知システム。
【請求項5】
前記画像分析エンジンは、
前記建物設備監視装置の監視画面で表示される、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報として、システム異常に関するものと警報表示に関するものとを区別して保持し、前記監視画面データにおける前記表示の情報を、前記システム異常及び前記警報表示それぞれの、文字、数字及びオブジェクトの情報と照合して前記判定を行うものであり、
前記演算装置は、
前記判定の結果、前記監視画面にて前記警報表示に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記警報通知を行うものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の警報通知システム。
【請求項6】
前記演算装置は、
前記判定の結果、前記監視画面にて前記システム異常に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記連絡先に宛ててシステム異常の通知を行うものである、
ことを特徴とする請求項5に記載の警報通知システム。
【請求項7】
情報処理装置が、
所定の装置または人員への警報通知用の連絡先を保持する記憶装置と、所定のネットワークにアクセス可能な通信装置を備えて、
前記ネットワークに接続された建物設備監視装置から、前記通信装置を介して監視画面データを取得する処理と、前記監視画面データを所定の画像分析エンジンに付与し、監視画面において規定の文字、数字、及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されているか判定する処理と、前記判定の結果、前記監視画面に前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されていると判明した場合、前記連絡先に宛てて警報通知を行う処理を実行する、
ことを特徴とする警報通知方法。
【請求項8】
前記情報処理装置が、
前記通信装置において、前記建物設備監視装置における監視画面の映像信号を、前記ネットワーク経由で直接受信して前記画像分析エンジンに付与する、
ことを特徴とする請求項7に記載の警報通知方法。
【請求項9】
前記情報処理装置が、
前記画像分析エンジンにおいて、前記建物設備監視装置の監視画面において、前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示される警報表示エリアの情報と、当該警報表示エリアにて表示される前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報を保持し、前記監視画面データのうち、前記警報表示エリアにおける表示物の情報を抽出し、当該情報を前記文字、数字及びオブジェクトの情報と照合することにより、前記判定を実行する、
ことを特徴とする請求項8に記載の警報通知方法。
【請求項10】
前記情報処理装置が、
前記記憶装置において、前記連絡先として、前記文字、数字及びオブジェクトの種類に応じて規定されている装置または人員の連絡先を保持し、
前記判定により表示が判明した、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの種類に基づいて、前記警報通知の対象となる装置または人員の連絡先を特定し、当該連絡先に宛てて警報通知を行う、
ことを特徴とする請求項9に記載の警報通知方法。
【請求項11】
前記情報処理装置が、
前記画像分析エンジンにおいて、前記建物設備監視装置の監視画面で表示される、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報として、システム異常に関するものと警報表示に関するものとを区別して保持し、前記監視画面データにおける前記表示の情報を、前記システム異常及び前記警報表示それぞれの、文字、数字及びオブジェクトの情報と照合して前記判定を行い、
前記判定の結果、前記監視画面にて前記警報表示に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記警報通知を行う、
ことを特徴とする請求項7に記載の警報通知方法。
【請求項12】
前記情報処理装置が、
前記判定の結果、前記監視画面にて前記システム異常に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記連絡先に宛ててシステム異常の通知を行う、
ことを特徴とする請求項11に記載の警報通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報通知システム及び警報通知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビル管理業務において、必要な人的リソースやコストを低減するため、各物件の建物設備監視装置(中央監視装置)における監視データ等を集中監視センター1か所で集約・管理し、小数の専任オペレータにより常時監視させるケースがある。こうしたケースでは、警報発生時に上述の専任オペレータが所定の技術員や保守会社、顧客へ連絡を実施し、当該技術員や保守作業員を現場急行させる運用となる。
こうした監視業務等に関連する従来技術としては、例えば、ビデオ分析の正確さを向上させたビデオ監視システム及び方法(特許文献1参照)などが提案されている。
【0003】
この技術は、フロントエンドデータ収集設備、フロントエンドアクセス設備及びクラウドシステムを含み、前記フロントエンドデータ収集設備は、ビデオ画像を収集し、ビデオ画像データを前記フロントエンドアクセス設備に伝送し、前記フロントエンドアクセス設備は、前記フロントエンドデータ収集設備に伝送されたビデオ画像データを前記クラウドシステムに伝送し、前記クラウドシステムは、前記ビデオ画像データを分析し、前記フロントエンドデータ収集設備に収集されたビデオ画像において目標の行為が異常である際に、警報を発するビデオ監視システムに係るものである。
【0004】
また、スタッフが随時要注意人物をデータベースに追加することができる技術(特許文献2参照)なども提案されている。
【0005】
この技術は、視カメラから送信された顔画像データと、リストに登録された登録顔画像データとを照合し、照合結果に基づいて警告を出力する情報処理装置であって、施設に設置された前記監視カメラから、前記施設に訪れた人物の顔画像データを受信し、前記施設に関連付けられた端末装置に送信する通信部と、前記通信部が送信した顔画像データの画像を表示した前記端末装置において選択された画像に対応する顔画像データを前記登録顔画像データとして前記リストに登録する制御部と、を有する情報処理装置に係るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2014-512768号公報
【特許文献2】特開2021-5300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の集中監視センターによる監視業務の運用を行えば、従来よりも各種コストを低減することが期待出来る。
一方、そうした集中監視センターを構築する場合、各物件の建物設備監視装置の改修や機能更新が必要となり、相応の導入コストが必要となる点は大きな課題として残っていた。
【0008】
また、建物設備監視装置と集中監視センターとの間を常時接続して常に監視データを集中監視センター側に集約する運用形態ゆえに、監視対象の物件数や監視データ量などに応じて通信コストが大きく増大してしまう点も問題であった。
【0009】
つまり、集中監視センターによる監視体制を採用するにしても、少なくない初期投資と維持コストが必要となる。
【0010】
そこで本発明の目的は、物件の集中監視業務を効率的かつ低コストにて実現可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明の警報通知システムは、所定の装置または人員への警報通知用の連絡先を保持する記憶装置と、所定のネットワークにアクセス可能な通信装置と、前記ネットワークに接続された建物設備監視装置から、前記通信装置を介して監視画面データを取得する処理と、前記監視画面データを所定の画像分析エンジンに付与し、監視画面において規定の文字、数字、及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されているか判定する処理と、前記判定の結果、前記監視画面に前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されていると判明した場合、前記連絡先に宛てて警報通知を行う処理を実行する演算装置と、を含むことを特徴とする。
これによれば、物件の集中監視業務を効率的かつ低コストにて実現可能となる。
【0012】
また、本発明の警報通知システムにおいて、前記通信装置は、前記建物設備監視装置における監視画面の映像信号を、前記ネットワーク経由で直接受信して前記演算装置に配信するものである、としてもよい。
【0013】
これによれば、通常の映像信号用のメタルケーブル等による映像信号の配信にて、集中監視業務のネットワーク基盤を構成可能となり、通信事業者提供のネットワークを使用時に発生する回線使用料等のコスト発生を回避可能となる。また、映像監視のリアルタイム性が損なわれることもなく、タイムリーで効率的な監視業務の遂行にもつながる。ひいては、物件の集中監視業務をより効率的かつ低コストにて実現可能となる。
【0014】
また、本発明の警報通知システムにおいて、前記画像分析エンジンは、前記建物設備監視装置の監視画面において、前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示される警報表示エリアの情報と、当該警報表示エリアにて表示される前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報を保持し、前記監視画面データのうち、前記警報表示エリアにおける表示物の情報を抽出し、当該情報を前記文字、数字及びオブジェクトの情報と照合することにより、前記判定を実行するものである、としてもよい。
【0015】
これによれば、例えば、人工知能による画像判定モデルとしての画像分析エンジンを利用して、警報に類する語彙や記号、アイコン、あるいは画面の色や変動といった事象を効率的かつ的確に判定、感知することが可能となる。ひいては、物件の集中監視業務をより効率的かつ低コストにて実現可能となる。
【0016】
また、本発明の警報通知システムにおいて、前記記憶装置は、前記連絡先として、前記文字、数字及びオブジェクトの種類に応じて規定されている装置または人員の連絡先を保持するものであり、前記演算装置は、前記判定により表示が判明した、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの種類に基づいて、前記警報通知の対象となる装置または人員の連絡先を特定し、当該連絡先に宛てて警報通知を行うものである、としてもよい。
【0017】
これによれば、警報発出の対象物件を担当する技術員らを迅速、確実に特定し、対処を指示することが可能となる。ひいては、物件の集中監視業務をより効率的かつ低コストにて実現可能となる。
【0018】
また、本発明の警報通知システムにおいて、前記画像分析エンジンは、前記建物設備監視装置の監視画面で表示される、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報として、システム異常に関するものと警報表示に関するものとを区別して保持し、前記表示物の情報を、前記システム異常及び前記警報表示それぞれの、文字、数字及びオブジェクトの情報と照合して前記判定を行うものであり、前記演算装置は、前記判定の結果、前記監視画面にて前記警報表示に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記警報通知を行うものである、としてもよい。
【0019】
これによれば、火災や不審者侵入などの事象、すなわちシステム異常以外の事象にフォーカスして感知し、技術員らの対応を促すことが可能となる。ひいては、物件の集中監視業務をより効率的かつ低コストにて実現可能となる。
【0020】
また、本発明の警報通知システムにおいて、前記演算装置は、前記判定の結果、前記監視画面にて前記システム異常に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記連絡先に宛ててシステム異常の通知を行うものである、としてもよい。
【0021】
これによれば、監視システム等の異常についても適宜に感知し、技術員らに迅速な対応を促すことが可能となる。ひいては、物件の集中監視業務をより効率的かつ低コストにて実現可能となる。
【0022】
また、本発明の警報通知方法は、情報処理装置が、所定の装置または人員への警報通知用の連絡先を保持する記憶装置と、所定のネットワークにアクセス可能な通信装置を備えて、前記ネットワークに接続された建物設備監視装置から、前記通信装置を介して監視画面データを取得する処理と、前記監視画面データを所定の画像分析エンジンに付与し、監視画面において規定の文字、数字、及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されているか判定する処理と、前記判定の結果、前記監視画面に前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されていると判明した場合、前記連絡先に宛てて警報通知を行う処理を実行する、ことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の警報通知方法において、前記情報処理装置が、前記通信装置において、前記建物設備監視装置における監視画面の映像信号を、前記ネットワーク経由で直接受信して前記演算装置に配信する、としてもよい。
【0024】
また、本発明の警報通知方法において、前記情報処理装置が、前記画像分析エンジンにおいて、前記建物設備監視装置の監視画面において、前記規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示される警報表示エリアの情報と、当該警報表示エリアにて表示される前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報を保持し、前記監視画面データのうち、前記警報表示エリアにおける表示物の情報を抽出し、当該情報を前記文字、数字及びオブジェクトの情報と照合することにより、前記判定を実行する、としてもよい。
【0025】
また、本発明の警報通知方法において、前記情報処理装置が、前記記憶装置において、前記連絡先として、前記文字、数字及びオブジェクトの種類に応じて規定されている装置または人員の連絡先を保持し、前記判定により表示が判明した、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの種類に基づいて、前記警報通知の対象となる装置または人員の連絡先を特定し、当該連絡先に宛てて警報通知を行う、としてもよい。
【0026】
また、本発明の警報通知方法において、前記情報処理装置が、前記画像分析エンジンにおいて、前記建物設備監視装置の監視画面で表示される、前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報として、システム異常に関するものと警報表示に関するものとを区別して保持し、前記表示物の情報を、前記システム異常及び前記警報表示それぞれの、文字、数字及びオブジェクトの情報と照合して前記判定を行い、前記判定の結果、前記監視画面にて前記警報表示に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記警報通知を行う、としてもよい。
【0027】
また、本発明の警報通知方法において、前記情報処理装置が、前記判定の結果、前記監視画面にて前記システム異常に関する前記文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれか表示されていることが判明した場合、前記連絡先に宛ててシステム異常の通知を行う、としてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、物件の集中監視業務を効率的かつ低コストにて実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態の警報通知システムを含むネットワーク構成図である。
図2】本実施形態における警報通知システムのハードウェア構成例を示す図である。
図3】本実施形態における建物設備監視装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態における対応担当端末のハードウェア構成例を示す図である。
図5】本実施形態の画面規定DBの構成例を示す図である。
図6】本実施形態の連絡先DBの構成例を示す図である。
図7】本実施形態の通知メッセージDBの構成例を示す図である。
図8】本実施形態の警報通知方法のフロー例を示す図である。
図9】本実施形態における画面例を示す図である。
図10】本実施形態における画面例を示す図である。
図11】本実施形態における画面例を示す図である。
図12】本実施形態における画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<ネットワーク構成>
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の警報通知システム100を含むネットワーク構成図である。図1に示す警報通知システム100は、物件の集中監視業務を効率的かつ低コストにて実現可能とするコンピュータシステムである。
【0031】
本実施形態の警報通知システム100は、図1で示すように、適宜なネットワーク1を介して、各物件に既存の建物設備監視装置200や、警報通知を受けて対象物件に出動する技術員等が保持する対応担当端末300などと通信可能に接続されている。よって、これらを総称して警報通知システム100としてもよい。
【0032】
なお、ネットワーク1は、必要に応じて1または複数のものを適宜採用可能であり、具体的には、建物設備監視装置200の画像信号を警報通知システム100に直接配信するケーブル線とKVMスイッチ250(画像信号の出力先切り替えスイッチ)により構成された組織内ネットワークを想定できる。或いは、画像信号が示す監視画面データのパケットデータ(監視画面データをパケット化したもの)を装置間で授受可能な、一般的なLAN(Local Area Network)やインターネットも想定出来る。
【0033】
本実施形態の警報通知システム100は、例えば、不動産事業者や警備サービス事業者といった各種の事業者が、監視対象の各物件に関する監視業務を効率的かつ低コストで行えるよう、適宜に支援するサービス提供装置と言える。
【0034】
なお、上述の不動産事業者や警備サービス事業者らは、自社又は他社の複数の建物等を監視しており、その建物等で起きた異常事態(災害や事件、事故、システムダウンなど)に、技術員や警備員等を出動させ対処する業務を運営中である。こうした事業者らは、本発明の警報通知システム100を実装、運用することで、当該業務の低コスト化及び効率化の効果を享受することとなる。
【0035】
一方、建物設備監視装置200は、監視対象の物件それぞれに設置済、すなわち既存の監視装置であって、不審者の侵入や火災発生等の事態を画像で観察、記録する監視カメラや、それらの事態を赤外線や超音波等で感知するセンサといった監視用センサ類210を備えた、従来型の監視装置である。ただし、本実施形態における建物設備監視装置200は、KVMスイッチ250を介して、その監視画面の映像信号をネットワーク1により、警報通知システム100にリアルタイム配信する構成も有している。
【0036】
また、対応担当端末300は、上述の物件での異常事態に対処するべく出動する技術員や警備員らが保持し、利用する端末である。この対応担当端末300は、上述の警報通知システム100から、いずれかの物件に関して感知された異常事態の情報、すなわち警報通知を受信、表示し、技術員らに早急な対応を促すための端末となる。こうした対応担当端末300は、具体的には、スマートフォン、タブレット端末などを想定できる。
<ハードウェア構成>
また、本実施形態の警報通知システム100のハードウェア構成は、図2に以下の如くとなる。
【0037】
すなわち警報通知システム100は、記憶装置101、メモリ103、演算装置104、および通信装置105、を備える。
【0038】
このうち記憶装置101は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0039】
また、メモリ103は、RAM(Random Access Memory)など揮発性記憶素子で構成される。
【0040】
また、演算装置104は、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU(Central processing Unit)である。
【0041】
また、通信装置105は、ネットワーク1と接続して、建物設備監視装置200や対応担当端末300などとの通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。勿論、建物設備監視装置200から、映像用の同軸ケーブル等を介してその画像信号を直接受信する構成を採用した場合、本実施形態における通信装置105は、ネットワークインターフェイスカードではなく、画像信号の受信および処理を行う各種のコンバーターや増幅器を含みうる。
【0042】
なお、警報通知システム100は、システム管理者などユーザから直接のキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウスなどの入力装置、処理データの表示を行うディスプレイやスピーカー等の出力装置、を更に備えるとすれば好適である。
【0043】
また、記憶装置101内には、本実施形態の警報通知システムとして必要な機能を実装する為のプログラム102に加えて、画像規定DB125、連絡先DB126、及び通知メッセージDB127が少なくとも記憶されている。ただし、これらデータベースについての詳細は後述する。
【0044】
なお、プログラム102は、建物設備監視装置200から得た監視画面データに基づき、監視画面において規定の文字、数字、及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示されているか判定する機能を実装するための、画像分析エンジン110を含むものとできる。
【0045】
この画像分析エンジン110は、建物設備監視装置200の監視画面における警報表示エリア(例:警報を発出するための規定の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかが表示される画面領域の形状や座標等)の情報と、当該警報表示エリアにて表示される上述の文字、数字及びオブジェクトの少なくともいずれかの情報(例:文字や図形の特徴量情報など)を予め保持し、建物設備監視装置200から得た監視画面データのうち、警報表示エリアにおける表示物の情報(例:特徴量情報)を抽出し、当該情報を予め保持している文字、数字及びオブジェクトの情報(例:特徴量情報)と照合することにより、そうした警報通知の発出有無について判定を実行するものである。より具体的には、画像に含まれる文字や図形等の特徴量に基づいて、当該文字や図形等が何を示すものであるか判定する学習モデル、すなわちAIを想定できる。
【0046】
また、本実施形態の建物設備監視装置200のハードウェア構成は、図3に以下の如くとなる。すなわちユーザ端末200は、記憶装置201、メモリ203、演算装置204、入力装置205、出力装置206、及び通信装置207を備える。
【0047】
ただし、こうした建物設備監視装置200は、直接ないし適宜な通信手段により、監視用センサ類210と接続されている。また、監視画面の画像信号は、KVMスイッチ250により、建物設備監視装置200の出力装置(例:ディスプレイ)、及び警報通知システム100に対して、それぞれ出力されるよう構成されている(限定はしない)。
【0048】
上述の監視用センサ類210は、監視対象の物件における各箇所の映像を撮影する監視カメラや、当該物件における扉の開閉を感知する開閉センサ、廊下や執務スペースでの移動物体を感知する赤外線センサ、といった監視用のセンシング動作を担う装置類の総称である。
【0049】
また、KVMスイッチ250は、キーボード、ビデオ、及びマウスといった機器の切換器であり、1組のディスプレイ、マウス、キーボードで複数のコンピュータやサーバを制御可能にするものとなる。本実施形態では、建物設備監視装置200の監視画像の画像信号を、自身のディスプレイ及び警報通知システム100の双方に出力させる役割を担っている。
【0050】
建物設備監視装置200が備える上述の構成のうち、記憶装置201は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0051】
また、メモリ203は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0052】
また、演算装置204は、記憶装置201に保持されるプログラム202をメモリ203に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUである。
【0053】
また、入力装置205は、必須構成要素ではないが、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける、キーボード、マウス、或いはマイクといった装置である。
【0054】
また、出力装置206は、演算装置204での処理データの表示を行うディスプレイ、スピーカー等の装置である。
【0055】
また、通信装置207は、ネットワーク1を介して警報通知システム100などとの通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。監視画面のデータをパケット化してインターネットプロトコルで配信する運用形態を採用せず、上述のようにKVMスイッチ250で直接に監視画面の画像信号を警報通知システム100に出力する場合、この通信装置207は本実施形態において必須ではない。
【0056】
また、本実施形態の対応担当端末300のハードウェア構成は、図4に以下の如くとなる。すなわち対応担当端末300は、記憶装置301、メモリ303、演算装置304、入出力装置305、および通信装置306、を備える。
【0057】
このうち記憶装置301は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0058】
また、メモリ303は、RAM(Random Access Memory)など揮発性記憶素子で構成される。
【0059】
また、演算装置304は、記憶装置301に保持されるプログラム302をメモリ303に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU(Central processing Unit)である。
【0060】
また、入出力装置305は、ユーザである技術員らからのキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウス、処理データの表示を行うディスプレイやスピーカー等、あるいはそれらを統合したタッチパネルで構成される。
【0061】
また、通信装置306は、ネットワーク1と接続して、警報通知システム100などとの通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
<データ構造例>
続いて、本実施形態の警報通知システム100が用いる各種情報について説明する。図5に、本実施形態における画面規定DB125の一例を示す。
【0062】
本実施形態の画面規定DB125は、建物設備監視装置200の監視画面の構成やそこで表示される通知等に関する情報を格納したデータベースである。
【0063】
この画面規定DB125は、例えば、建物設備監視装置200を一意に特定する装置IDをキーとして、当該建物設備監視装置200の設置先すなわち監視対象の物件、監視画面における警報表示エリアの座標値(例:エリア形状の各頂点等のもの)、当該警報表示エリアで表示される文字、数字、オブジェクト、画面色といった種々の事象の種類や内容等の各種情報(例:画像認識等で使用される特徴量情報など)、といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0064】
続いて図6に、本実施形態における連絡先DB126の一例を示す。本実施形態における連絡先DB126は、建物設備監視装置200の監視画面データから警報を特定した際に、警報通知の対象となる技術員らの連絡先の情報を格納したデータベースである。
【0065】
この連絡先DB126は、例えば、技術員等の対応担当者を一意に特定する担当者IDをキーとして、当該担当者のメールアドレスや携帯電話番号、対処を受け持つ物件、対応可能な警報通知の種類、といったデータを紐付けたレコードの集合体となっている。
【0066】
続いて図7に、本実施形態における通知メッセージDB127の一例を示す。本実施形態における通知メッセージDB127は、技術員らの対応担当端末300に送信するメッセージであり、上述の警報表示の内容に対応したテキスト等を格納したデータベースである。
【0067】
この通知メッセージDB127は、例えば、上述の警報表示の種類を一意に特定する警報IDをキーとして、当該警報表示に応じて技術員らに通知すべきメッセージを紐付けたレコードの集合体となっている。
<フロー例>
以下、本実施形態における警報通知方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する警報通知方法に対応する各種動作は、警報通知システム100がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0068】
図8は、本実施形態における警報通知方法のフロー例を示す図である。例えば、多数の物件のうち或る物件において、例えば不審者侵入が発生したとする。この場合、当該物件の建物設備監視装置200は、監視用センサ類210の1つである監視カメラの映像データ、すなわち監視画面データをKVMスイッチ250経由で、警報通知システム100に出力することとなる。
【0069】
そこで警報通知システム100は、上述の建物設備監視装置200から、監視画面データを取得し、これを画像分析エンジン110に入力する(s10)。なお、監視画面1000の例を図9にて例示する。この監視画面1000は、監視画像の表示エリア1005の他、警報表示エリア1010を有しており、この警報表示エリア1010にて、「火災です」や「侵入者です」といった警報や所定のアイコンが出力されている。
【0070】
この時、画像分析エンジン110は、上述の監視画面データにおける警報表示エリアに関して、そこでの表示物それぞれを、周囲環境(建物の壁や床など)との色彩、彩度や形状の相違等により特定し、その特徴量を算定する(s11)。
【0071】
なお、警報表示エリアの特定は、画面規定DB125で、当該建物設備監視装置200に関して情報を保持している座標値に基づいて行うものとする。
【0072】
上述のように警報表示エリアの標示物が「侵入者です」といったテキストである場合、当該テキストの画像としての特徴量が算定されることになる。なお、画像の特徴量の算定手法は既存技術を適宜に採用すればよい。
【0073】
また、画像分析エンジン110は、上述の建物設備監視装置200に関して予め画面規定DB125で保持している、規定の文字、数字及びオブジェクトらそれぞれの特徴量と、s11で算定した特徴量とを照合し、一致ないし類似するものを特定する(s12)。
【0074】
続いて、警報通知システム100は、s12で特定出来た、規定の文字、数字及びオブジェクトのいずれか、すなわち監視画面で表示された警報表示について、連絡先DB126にて、警報通知先となる技術員らの連絡先を特定する(s13)。
【0075】
このs13における警報通知システム100は、上述の建物設備監視装置200の装置ID(s10に伴い取得済み)と、s12で特定した警報の情報とを、連絡先DB126の各レコードに照合し、対象物件を担当し、対象の警報表示に対応可能な技術員の連絡先を特定する。
【0076】
また、警報通知システム100は、上述のs12で特定した警報表示に応じて通知すべきメッセージを、通知メッセージDB127で特定する(s14)。
【0077】
警報通知システム100は、s13で特定した連絡先に宛てて、s14で特定した通知、すなわち警報通知(図10参照)を送信し(s15)、処理を終了する。
【0078】
なお、上述の例とは異なり、建物設備監視装置200など警備システム側の異常が発生し、警報表示エリアに何らかの通知が表示されるケースもある(図11参照)。
【0079】
その場合、警報通知システム100の画像分析エンジン110は、上述の警報表示エリアにおいてシステム異常に関して出力された表示物、すなわち文字、数字及びオブジェクトといったものについて、s11と同様に特徴量を算定し、s12と同様の処理を実行することで、システム異常に関する警報表示を特定することとなる。
【0080】
警報通知システム100は、こうして特定したシステム異常に関する警報表示について、s13、s14と同様に、通知先となる技術員と通知内容となるメッセージを特定し、s15と同様に、システム異常に関する警報通知(図12参照)を送信し処理を終了する。
【0081】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 ネットワーク
5 ルーター
100 警報通知システム(集中監視センター)
101 記憶装置
102 プログラム
103 メモリ
104 演算装置
105 通信装置
110 画像分析エンジン
125 画面規定DB
126 連絡先DB
127 通知メッセージDB
200 建物設備監視装置
201 記憶装置
202 プログラム
203 メモリ
204 演算装置
205 入力装置
206 出力装置
207 通信装置
210 監視用センサ類
250 KVMスイッチ
300 対応担当端末
301 記憶装置
302 プログラム
303 メモリ
304 演算装置
305 入出力装置
306 通信装置
図1
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図3
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図12