(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136219
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】円周面測定装置、円周面測定方法および円周面測定条件算出プログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 5/20 20060101AFI20240927BHJP
G01B 5/28 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01B5/20 C
G01B5/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047256
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000137856
【氏名又は名称】シチズンマシナリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502340996
【氏名又は名称】学校法人法政大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一朗
(72)【発明者】
【氏名】北風 絢子
(72)【発明者】
【氏名】三宮 一彦
(72)【発明者】
【氏名】中谷 尊一
【テーマコード(参考)】
2F062
【Fターム(参考)】
2F062AA51
2F062AA66
2F062CC27
2F062EE01
2F062EE62
2F062FF02
2F062FF12
2F062FF17
(57)【要約】
【課題】複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物の表面形状を正確にかつ短時間で測定する円周面測定装置、円周面測定方法および円周面測定条件算出プログラムを提供すること。
【解決手段】円周面に複数の凸状微細部Tが周期的に分散して残存した被切削物Wをこの被切削物Wの表面粗さから被切削物Wの表面形状を測定する切削円周面測定装置100であって、アーム昇降機構111aおよびモーター121を制御して測定プローブ130を被切削物Wにおける測定開始点X1から被切削物Wの凸状微細部Tの幅と略等しい測定条件算出部152の算出した測定ピッチMPで測定条件算出部152の算出した測定回数MNだけ測定方向に移動させる駆動制御部151と、測定プローブ130による被切削物Wの表面粗さの測定結果から被切削物Wの表面形状を出力する出力部154とを備えている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物を該加工物の表面粗さから前記被加工物の表面形状を測定する円周面測定装置であって、
前記被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、
前記被加工物の軸心を中心に前記被加工物を回転させる回転手段と、
前記測定プローブまたは前記被加工物の少なくとも一方を前記被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、
前記測定プローブによる測定ピッチおよび測定回数を算出する測定条件算出手段と、
前記回転手段および前記測定点移動手段を制御して前記測定プローブを前記被加工物における測定開始点から前記被加工物の凸状微細部の幅と略等しい前記測定条件算出手段の算出した測定ピッチで前記測定条件算出手段の算出した測定回数だけ測定方向に移動させる駆動制御手段と、
前記測定プローブによる前記被加工物の表面粗さの測定結果から前記被加工物の表面形状を出力する測定結果出力手段とを備えていることを特徴とする円周面測定装置。
【請求項2】
前記測定条件算出手段が、測定対象となる前記被加工物の加工条件に基づいて前記測定ピッチおよび前記測定回数を算出することを特徴とする請求項1に記載の円周面測定装置。
【請求項3】
円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物を該被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、前記被加工物の軸心を中心に前記被加工物を回転させる回転手段と、前記測定プローブまたは前記被加工物の少なくとも一方を前記被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、前記回転手段および前記測定点移動手段を制御して前記測定プローブを測定方向に移動させる駆動制御手段と、前記被加工物の表面粗さを出力する表面粗さ出力手段とを備える円周面測定装置と、
前記円周面測定装置の測定プローブによる測定ピッチおよび測定回数を算出する測定条件算出装置と、
前記円周面測定装置による前記被加工物の表面粗さの測定結果から前記被加工物の表面形状を出力する表面形状出力装置とを用いて前記被加工物の表面形状を測定する円周面測定方法であって、
前記測定条件算出装置が前記測定プローブによる測定ピッチおよび前記測定プローブによる測定回数を算出する測定条件算出ステップと、
前記円周面測定装置の駆動制御手段が前記測定プローブを前記被加工物における測定開始点から前記被加工物の凸状微細部の幅と略等しい前記測定条件算出ステップで算出した測定ピッチで前記測定条件算出ステップで算出した測定回数だけ前記測定方向に移動させて前記被加工物の表面粗さを測定する測定ステップと、
前記表面形状出力装置が前記円周面測定装置の表面粗さ出力手段から出力された表面粗さに基づいて前記被加工物の表面形状を出力する表面形状出力ステップとを備えていることを特徴とする円周面測定方法。
【請求項4】
前記測定条件算出ステップにおいて、前記測定条件算出装置が、測定対象となる前記被加工物の加工条件に基づいて前記測定ピッチおよび前記測定回数を算出することを特徴とする請求項3に記載の円周面測定方法。
【請求項5】
前記表面形状出力ステップにおいて、前記表面形状出力装置が測定回ごとの表面粗さを測定回数で平均化して前記被加工物の表面形状として出力することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の円周面測定方法。
【請求項6】
円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物を該被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、前記被加工物の軸心を中心に前記被加工物を回転させる回転手段と、前記測定プローブまたは前記被加工物の少なくとも一方を前記被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、前記回転手段および前記測定点移動手段を制御して前記測定プローブを前記被加工物における測定開始点から測定条件に従って測定方向に移動させる駆動制御手段と、前記被加工物の表面粗さを出力する表面粗さ出力手段とを備える円周面測定装置における前記測定条件を算出する円周面測定条件算出プログラムであって、
前記被加工物の凸状微細部の幅と略等しい測定ピッチおよび測定回数である前記測定条件を算出する測定条件算出ステップを該測定条件を出力する測定条件算出装置に実行させることを特徴とする円周面測定条件算出プログラム。
【請求項7】
前記測定条件出力ステップにおいて、前記測定条件算出装置が、測定対象となる前記被加工物の加工条件に基づいて前記測定ピッチおよび前記測定回数を算出することを特徴とする請求項6に記載の円周面測定条件算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円周面測定装置、円周面測定方法および円周面測定条件算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被切削物または切削工具の少なくともいずれか一方を切削方向に振動させつつ、被切削物を把持する主軸の回転を切削方向の振動と同期させて行う低周波振動切削加工が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような低周波振動切削加工を
図1Aに示すような丸棒である被切削物Wに行うと、
図1Bおよび
図1Cに示すような切削経路PLを切削工具が通過するため、被切削物Wの加工済み部分の円周面は、
図1B、
図1C、
図1Dに示すように色が白い箇所で島状にも見える無数の凸状微細部Tと、切削工具の通過により凸状微細部Tの相互間に形成された色が黒い箇所の凹部Vとが周期的に分散して残存する。
なお、
図1Bおよび
図1Dにおいて、色が白い凸状微細部Tは高さが高く、色が黒い奥部Vは高さが低くなっている。
【0003】
そして、このような低周波振動切削加工により円周面に複数の凸状微細部Tが周期的に分散して残存した被切削物(ワーク)の表面形状の測定方法として、回転可能なチャックに水平方向に延びた状態で把持されたワークの表面に検出器の測定プローブを接触させワークの回転に伴う基準値からの測定プローブの変位量を検出器によって検出することでワークの表面粗さを測定する表面粗さ測定装置(例えば、特許文献2参照)を用いてワークの複数の長手方向位置における表面粗さからワークの表面形状を測定する方法があり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6416217号公報
【特許文献2】特開2022-179165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した表面粗さ測定装置による測定方法によって、例えば、低周波振動切削加工により円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被切削物を検知しようとすると、表面粗さ測定装置の測定プローブの走査経路上に凹部しか存在しなかった場合、測定プローブの走査経路上に凸状微細部の頂部や凹部の底部が存在しなかった場合、測定プローブの走査経路上が凸状微細部または凹部において起伏の変化が乏しい場所であった場合などに正しい被切削物の表面形状を測定できない虞がある。
そこで、表面粗さ測定装置の測定プローブの測定ピッチ(被切削物の軸線方向のピッチ)を小さくすれば、被切削物の表面形状をより正確に測定できるが、測定時間が長くなってしまい、現実的ではない。
【0006】
そこで、本発明は前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物の表面形状を正確にかつ短時間で測定する円周面測定装置、円周面測定方法および円周面測定条件算出プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物を該被加工物の表面粗さから前記被加工物の表面形状を測定する円周面測定装置であって、前記被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、前記被加工物の軸心を中心に前記被加工物を回転させる回転手段と、前記測定プローブまたは前記被加工物の少なくとも一方を前記被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、前記測定プローブによる測定ピッチおよび測定回数を算出する測定条件算出手段と、前記回転手段および前記測定点移動手段を制御して前記測定プローブを前記被加工物における測定開始点から前記被加工物の凸状微細部の幅と略等しい前記測定条件算出手段の算出した測定ピッチで前記測定条件算出手段の算出した測定回数だけ測定方向に移動させる駆動制御手段と、前記測定プローブによる前記被加工物の表面粗さの測定結果から前記被加工物の表面形状を出力する測定結果出力手段とを備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された円周面測定装置の構成に加えて、前記測定条件算出手段が、測定対象となる前記被加工物の加工条件に基づいて前記測定ピッチおよび前記測定回数を算出することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物を該被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、前記被加工物の軸心を中心に前記被加工物を回転させる回転手段と、前記測定プローブまたは前記被加工物の少なくとも一方を前記被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、前記回転手段および前記測定点移動手段を制御して前記測定プローブを測定方向に移動させる駆動制御手段と、前記被加工物の表面粗さを出力する表面粗さ出力手段とを備える円周面測定装置と、前記円周面測定装置の測定プローブによる測定ピッチおよび測定回数を算出する測定条件算出装置と、前記円周面測定装置による前記被加工物の表面粗さの測定結果から前記被加工物の表面形状を出力する表面形状出力装置とを用いて前記被加工物の表面形状を測定する円周面測定方法であって、前記測定条件算出装置が前記測定プローブによる測定ピッチおよび前記測定プローブによる測定回数を算出する測定条件算出ステップと、前記円周面測定装置の駆動制御手段が前記測定プローブを前記被加工物における測定開始点から前記被加工物の凸状微細部の幅と略等しい前記測定条件算出ステップで算出した測定ピッチで前記測定条件算出ステップで算出した測定回数だけ前記測定方向に移動させて前記被加工物の表面粗さを測定する測定ステップと、前記表面形状出力装置が前記円周面測定装置の表面粗さ出力手段から出力された表面粗さに基づいて前記被加工物の表面形状を出力する表面形状出力ステップとを備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載された円周面測定方法の構成に加えて、前記測定条件算出ステップにおいて、前記測定条件算出装置が、測定対象となる前記被加工物の加工条件に基づいて前記測定ピッチおよび前記測定回数を算出することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3または請求項4に記載された円周面測定方法の構成に加えて、前記表面形状出力ステップにおいて、前記表面形状出力装置が測定回ごとの表面粗さを測定回数で平均化して前記被加工物の表面形状として出力することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物を該被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、前記被加工物の軸心を中心に前記被加工物を回転させる回転手段と、前記測定プローブまたは前記被加工物の少なくとも一方を前記被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、前記回転手段および前記測定点移動手段を制御して前記測定プローブを前記被加工物における測定開始点から測定条件に従って測定方向に移動させる駆動制御手段と、前記被加工物の表面粗さを出力する表面粗さ出力手段とを備える円周面測定装置における前記測定条件を算出する円周面測定条件算出プログラムであって、前記被加工物の凸状微細部の幅と略等しい測定ピッチおよび測定回数である前記測定条件を算出する測定条件算出ステップを該測定条件を出力する測定条件算出装置に実行させることにより、前述した課題を解決するものである。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載された円周面測定条件算出プログラムの構成に加えて、前記測定条件出力ステップにおいて、前記測定条件算出装置が、測定対象となる前記被加工物の加工条件に基づいて前記測定ピッチおよび前記測定回数を算出することにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明の円周面測定装置によれば、測定プローブによる測定ピッチおよび測定回数を算出する測定条件算出手段と、回転手段および測定点移動手段を制御して測定プローブを被加工物における測定開始点から被加工物の凸状微細部の幅と略等しい測定条件算出手段の算出した測定ピッチで測定条件算出手段の算出した測定回数だけ測定方向に移動させる駆動制御手段とを備えていることにより、最低限の測定回数で測定プローブが被加工物の凸状微細部を通過するため、低周波振動切削加工等により複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物の表面形状を正確にかつ短時間で測定することができる。
【0015】
請求項2に係る発明の円周面測定装置によれば、請求項1に係る発明の円周面測定装置が奏する効果に加えて、測定条件算出手段が、測定対象となる被加工物の加工条件に基づいて測定ピッチおよび測定回数を算出することにより、被加工物の表面形状を画像認識などで確認することなく測定ピッチや測定回数が算出されるため、被加工物の正確な表面性状をより短時間で測定することができる。
【0016】
請求項3に係る発明の円周面測定方法によれば、測定条件算出装置が測定プローブによる測定ピッチおよび測定プローブによる測定回数を算出する測定条件算出ステップと、円周面測定装置の駆動制御手段が測定プローブを被加工物における測定開始点から被加工物の凸状微細部の幅と略等しい測定条件算出ステップで算出した測定ピッチで測定条件算出ステップで算出した測定回数だけ測定方向に移動させて被加工物の表面粗さを測定する測定ステップと、表面形状出力装置が円周面測定装置の表面粗さ出力手段から出力された表面粗さに基づいて被加工物の表面形状を出力する表面形状出力ステップとを備えていることにより、最低限の測定回数で測定プローブが被加工物の凸状微細部を通過するため、低周波振動切削加工等により複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物の表面形状を正確にかつ短時間で測定することができる。
また、凸状微細部を目視で観察することは非常に難しいため、請求項3に係る発明によれば、被加工物においてどこから測定を開始したとしても、確実に被加工物の表面形状を測定することができる。
【0017】
請求項4に係る発明の円周面測定方法によれば、請求項3に係る発明の円周面測定方法が奏する効果に加えて、測定条件算出ステップにおいて、測定条件算出装置が、測定対象となる被加工物の加工条件に基づいて測定ピッチおよび測定回数を算出することにより、被加工物の表面形状を画像認識などで確認することなく測定ピッチや測定回数が算出されるため、被加工物の正確な表面性状をより短時間で測定することができる。
【0018】
請求項5に係る発明の円周面測定方法によれば、請求項3または請求項4に係る発明の円周面測定方法が奏する効果に加えて、表面形状出力ステップにおいて、表面形状出力装置が測定回ごとの表面粗さを測定回数で平均化して被加工物の表面形状として出力することにより、各測定回における表面粗さが平準化されるため、島状の凸部微細部が周期的に分散形成された被加工物の表面性状を正確に測定することができる。
【0019】
請求項6に係る発明の円周面測定条件算出プログラムによれば、円周面測定装置の測定する被加工物の加工条件に基づいて、被加工物の凸状微細部の幅と略等しい測定ピッチおよび測定回数である測定条件を算出する測定条件算出ステップをこの測定条件を出力する測定条件算出装置に実行させることにより、円周面測定条件算出プログラムが算出した測定条件を円周面測定装置に入力すると、最低限の測定回数で測定プローブが被加工物の凸状微細部を通過するため、低周波振動切削加工等により複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物の表面形状を正確にかつ短時間で測定することができる。
【0020】
請求項7に係る発明の円周面測定条件算出プログラムによれば、請求項6に係る発明の円周面測定条件算出プログラムが奏する効果に加えて、測定条件出力ステップにおいて、測定条件算出装置が、測定対象となる被加工物の加工条件に基づいて測定ピッチおよび測定回数を算出することにより、被加工物の表面形状を画像認識などで確認することなく測定ピッチや測定回数が算出されるため、被加工物の正確な表面性状をより短時間で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明の測定対象物である被切削物の斜視図。
【
図2A】本発明の第1実施例である切削円周面測定装置の斜視図。
【
図3】
図2Aに示す切削円周面測定装置による切削円周面測定方法の手順を示すフローチャート。
【
図4】
図3に示す測定条件算出ステップの各工程を示すフローチャート。
【
図6】
図5のV-V断面図であり、測定ピッチを算出するための模式図。
【
図7】被切削物の凸状微細部の頂点の配置関係を示す図。
【
図8】
図3に示す測定ステップの概要を示す模式図。
【
図9A】本発明の第2実施例である切削円周面測定システムのシステム構成図。
【
図10】本発明の第3実施例である切削円周面測定方法における被切削物の凸状微細部の頂点の配置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物をこの被加工物の表面粗さから被加工物の表面形状を測定する円周面測定装置であって、被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、被加工物の軸心を中心に被加工物を回転させる回転手段と、測定プローブまたは被加工物の少なくとも一方を被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、測定プローブによる測定ピッチおよび測定回数を算出する測定条件算出手段と、回転手段および測定点移動手段を制御して測定プローブを被加工物における測定開始点から被加工物の凸状微細部の幅と略等しい測定条件算出手段の算出した測定ピッチで測定条件算出手段の算出した測定回数だけ測定方向に移動させる駆動制御手段と、測定プローブによる被加工物の表面粗さの測定結果から被加工物の表面形状を出力する測定結果出力手段とを備え、複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物の表面形状を正確にかつ短時間で測定するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
あるいは、本発明は、円周面に複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物をこの被加工物の表面粗さを測定する測定プローブと、被加工物の軸心を中心に被加工物を回転させる回転手段と、定プローブまたは被加工物の少なくとも一方を被加工物の軸心と平行に上下動させる測定点移動手段と、回転手段および測定点移動手段を制御して測定プローブを測定方向に移動させる駆動制御手段と、被加工物の表面粗さを出力する表面粗さ出力手段とを備える円周面測定装置と、円周面測定装置の測定プローブによる測定ピッチおよび測定回数を算出する測定条件算出装置と、円周面測定装置による被加工物の表面粗さの測定結果から被加工物の表面形状を出力する表面形状出力装置とを用いて被加工物の表面形状を測定する円周面測定方法であって、測定条件算出装置が測定プローブによる測定ピッチおよび測定プローブによる測定回数を算出する測定条件算出ステップと、円周面測定装置の駆動制御手段が測定プローブを被加工物における測定開始点から被加工物の凸状微細部の幅と略等しい測定条件算出ステップで算出した測定ピッチで測定条件算出ステップで算出した測定回数だけ測定方向に移動させて被加工物の表面粗さを測定する測定ステップと、表面形状出力装置が円周面測定装置の表面粗さ出力手段から出力された表面粗さに基づいて被加工物の表面形状を出力する表面形状出力ステップとを備え、複数の凸状微細部が周期的に分散して残存した被加工物の表面形状を正確にかつ短時間で測定するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0023】
例えば、円周面測定装置が測定する被加工物に対する加工は、無数の島状に形成された凸状微細部又は凹状微細部が円周面に周期的に分散して残存すれば、切削工具による切削、タイリング工具によるタイリング加工、きさげ加工、レーザー加工、ローレット加工、ローラーバニッシング加工、マイクロディンプル加工等、如何なる加工であってもよい。
【0024】
例えば、円周面測定装置の測定する被加工物の円周面に残存する凸状微細部が被加工物の円周面に少なくとも2個以上残存していれば、被加工物の表面形状は円周面測定装置により測定可能であるが、凸状微細部が被加工物の円周面に無数(数え切れないほど多い程度)に残存していれば、円周面測定装置が多くの凸状微細部に基づいて測定方向を特定できるため、被加工物の表面形状を円周面測定装置により正確に測定することができる。
【0025】
例えば、円周面測定装置が測定する被加工物は、円周面を有していれば、円柱状の被加工物、円筒状の被加工物、円錐体状の被加工物、円錐台状の被加工物等、如何なる形状であってもよいし、断面が楕円状、角丸三角形、角丸多角形状等であってもよい。
【0026】
例えば、円周面測定装置による表面粗さの測定において、被加工物の姿勢はどのようなものであってもよく、被加工物を直立させてもよいし、被加工物を水平にさせてもよい。
【0027】
例えば、測定プローブは、被加工物に接触して被加工物の表面形状を測定するものであってもよいし、非接触で被加工物の表面形状を測定するものであってもよい。
【0028】
例えば、測定ピッチおよび測定回数の算出は、被加工物の表面形状を画像認識した結果に基づいて算出してもよいが、被加工物の加工条件に基づいて算出することが、短時間で被加工物の正確な表面性状をより短時間で測定できるため、好ましい。
【実施例0029】
以下、
図1A乃至
図8に基づいて、本発明の第1実施例である円周面測定装置について説明する。
本発明の第1実施例である円周面測定装置は、被加工物である被切削物の円周面を測定する切削円周面測定装置であるともいえる。
【0030】
<1.切削円周面測定装置の概要>
まず、
図2Aおよび
図2Bに基づき、円周面測定装置である切削円周面測定装置100の概要について説明する。
図2Aは本発明の第1実施例である切削円周面測定装置の斜視図であり、
図2Bは
図2Aに示す切削円周面測定装置の機能構成図である。
【0031】
低周波振動切削加工により加工された
図1A乃至
図1Dに示す丸棒状の被切削物Wの表面粗さから被切削物Wの表面形状を測定する切削円周面測定装置100は、
図2Aに示すように、水平が保たれた床面Fに載置されて表面が水平な基台110と、被切削物Wの軸心Cを中心に被切削物Wを回転自在に保持する被切削物保持部材120と、被切削物Wの表面粗さを測定する測定プローブ130と、この測定プローブ130を支持する支持アーム140とを備えている。
【0032】
基台110の上面には、
図2Aに示すように、鉛直方向に伸びる支柱111が設置されている。
この支柱111は、支持アーム140(すなわち、測定プローブ130)を被切削物Wの軸心Cと平行に上下動させるアーム昇降機構(測定点移動手段)111aを有している。
【0033】
被切削物保持部材120は、被切削物Wを直立させて(すなわち、被切削物Wの軸心Cが鉛直方向を向く状態で)被切削物Wを保持している。
そして、この被切削物保持部材120は、被切削物Wの軸心Cを中心に被切削物Wを回転させるモーター(回転手段)121を有している。
【0034】
測定プローブ130は、被切削物Wの円周面と対向する接触式のプローブである。
【0035】
支持アーム140は、基台110の支柱111から水平方向に伸びる水平部141と、この水平部141の先端から垂下する鉛直部142とから構成されている。
この鉛直部142の先端に測定プローブ130が取り付けられている。
【0036】
さらに、切削円周面測定装置100は、
図2Bに示すように、切削円周面測定装置100全体を制御するコントローラー150と、測定対象となる被切削物Wの加工条件の入力を受け付ける加工条件受付手段160とを有している。
このコントローラー150は、アーム昇降機構111aとモーター121とを制御して測定プローブ130を所定の測定方向に移動させる駆動制御部(駆動制御手段)151と、測定プローブ130による測定条件(測定ピッチおよび測定回数)を算出するCPU等の測定条件算出部(測定条件算出手段)152と、この測定条件算出部152による演算条件や測定プローブ130による被切削物Wの表面粗さの測定結果等を記憶する記憶部153と、測定プローブ130による被切削物Wの表面粗さの測定結果から被切削物Wの表面形状を出力する出力部(測定結果出力手段)154とを有している。
【0037】
<2.切削円周面測定方法>
次に、
図3乃至
図8に基づき、コントローラー150に記憶された切削円周面測定条件算出プログラム(すなわち、円周面測定条件算出プログラム)によって実行される切削円周面測定装置100による切削円周面測定方法(すなわち、円周面測定方法)について説明する。
図3は
図2Aに示す切削円周面測定装置による切削円周面測定方法の手順を示すフローチャートであり、
図4は
図3に示す測定条件算出ステップの各工程を示すフローチャートであり、
図5は被切削物に対する工具軌跡を示す模式図であり、
図6は
図5のV-V断面図であり、測定ピッチを算出するための模式図であり、
図7は被切削物の凸状微細部の頂点の配置関係を示す図であり、
図8は
図3に示す測定ステップの概要を示す模式図である。
なお、以下、
図5に示すような長軸方向に切削工具を振動させて低周波振動切削加工を行った被切削物Wに対する切削円周面測定方法について説明するが、被切削物に対する切削工具の振動方向は長軸方向に限定されるものではない。
【0038】
本実施例の切削円周面測定方法は、
図3に示すように、測定対象の被切削物Wに対する測定条件を算出する測定条件算出ステップS10、この測定条件算出ステップS10で算出した測定条件に基づいて被切削物Wの表面粗さを測定する測定ステップS20、測定した被切削物Wの表面形状を出力する表面形状出力ステップS30の順番に行われる。
【0039】
<2.1.測定条件算出ステップ>
まず、測定条件算出ステップS10について説明する。
【0040】
測定条件算出ステップS10は、
図4に示すように、加工条件の読み込み(ステップS11)、測定ピッチの算出(ステップS12)、被切削物Wの凸状微細部Tの座標の算出(ステップS13)、測定回数の算出(ステップS14)の4ステップで行われる。
ここで、「凸状微細部Tの座標」とは、凸状微細部Tの頂部の座標を意味する。
【0041】
(ステップS11)
まず、切削円周面測定装置100は、加工条件受付手段160により測定対象となる被切削物Wの加工条件の入力を受け付け、当該加工条件を記憶部153に記憶する。
加工条件受付手段160が入力を受け付ける加工条件は、少なくとも、(1)被切削物Wの直径d、(2)切削工具に対する被切削物Wの相対的な送り量L、(3)被切削物Wの1回転あたりの振動数(すなわち、被切削物Wにおける切削経路一周あたりの凸状微細部Tの個数)N、である。
【0042】
(ステップS12)
続いて、測定条件算出部152は、測定対象となる被切削物Wの加工条件に基づいて測定ピッチMP[μm]を算出する。
測定ピッチMPは、被切削物Wの凸状微細部Tの加工方向(軸心方向)の幅と略等しく、
図5に示すように、記憶部153に保存されている切削工具の刃先間隔(すなわち、隣接する切削経路PLの間隔)t(N)[mm]および高さ倍率(許容頂点高さhs÷理論頂点高さh)xにより、
【数1】
と表せる。
なお、刃先間隔t(N)は、振動数Nによって定まる値である。
【0043】
(ステップS13)
続いて、測定条件算出部152は、以下に示す手順で被切削物Wの凸状微細部Tの座標を算出する。
【0044】
すなわち、被切削物Wの凸状微細部Tの頂部Pは、
図5に示すように、頂部Pを繋ぐ仮想稜線TL上に周期的に存在する。
ここで、仮想稜線TLは
図5に示すように直線状であり、リード角θは
図5から、
【数2】
となる。
【0045】
そして、被切削物W上に配置された任意の頂部P
0の原点とするXY座標系を設定し、
図7に示すように、この頂部P
0に隣接する被切削物Wの凸状微細部Tの頂部をP
1~P
6とする。
なお、Y軸は、被切削物Wの加工送り方向(本実施例では長軸方向)と一致する。
【0046】
各頂部P
1~P
6の座標は、低周波振動切削加工において被切削物Wの凸状微細部Tは周期的に生じることから、
【数3】
と表せる。
【0047】
なお、pは、仮想稜線TL上の頂部の周期であり、
【数4】
となる。
そして、αは被切削物Wにおける仮想稜線TLにおける一周後の頂部の遅れ量であり、
【数5】
となる。
ここで、数5に示す式におけるint(N)とは、Nの整数値である。
すなわち、N=1.2の場合、intN=1であり、N=2.75の場合、intN=2となる。
【0048】
(ステップS14)
続いて、測定条件算出部152は、測定対象となる被切削物Wの加工条件に基づいて測定回数MNを算出する。
【0049】
測定回数MNを算出するために、まず、隣接する凸状微細部の頂点間の加工方向(Y方向)距離Dの最大値D
max[μm]を算出する。
すなわち、D
maxは、P
0からP
1~P
6へのY方向の距離が最も遠い値となるから、
【数6】
と表現できる。
ここで、|Y
1|~|Y
6|は、P
1~P
6のY座標の絶対値である。
【0050】
したがって、測定回数MNは、関数RoundUP(X)を「Xを切り上げた値」と定義すれば(すなわち、X=1の場合はRoundUP(1)=1であり、X=1.1の場合はRoundUP(1.1)=2である。)、
【数7】
となる。
なお、βは、0または自然数であり、被切削物Wの状態に基づいて適宜加える調整値である。
【0051】
<2.2.測定ステップ>
次に、測定ステップS20について説明する。
【0052】
測定ステップS20では、まず、被切削物Wを被切削物保持部材120で回転自在に保持して直立させておく。
そして、測定条件算出ステップS10で算出した測定条件に基づき、
図8に示すように、駆動制御部151がアーム昇降機構111aおよびモーター121を制御して測定プローブ130を被切削物Wにおける任意の測定開始点X1から測定ピッチMPで測定回数MNだけ測定方向(すなわち、軸心方向)に移動させる。
すなわち、測定プローブ130により測定開始点X1における表面粗さを測定し、その後、被切削物Wの軸心C方向に測定ピッチMPだけ測定プローブ130を移動させた測定点Xn(n=2、3・・・)で表面粗さを測定することを測定回数MNだけ繰り返す。
したがって、本実施例における「表面粗さ」とは、被切削物Wの長手方向の所定位置における被切削物Wの円周を対象として算出される値である。
【0053】
<2.3.表面形状出力ステップ>
次に、表面形状出力ステップS30について説明する。
【0054】
表面形状出力ステップS30では、出力部154が測定プローブ130による被切削物Wの表面粗さの測定結果から被切削物Wの表面形状を出力する。
具体的には、被切削物Wの表面形状は、測定回ごとの表面粗さRを測定回数MNで算術平均と定義する。
すなわち、被切削物Wの表面形状をLaとし、各測定回の表面粗さをR
iとすれば、
【数8】
となる。
【0055】
<3.切削円周面測定装置が奏する効果>
以上説明した切削円周面測定装置100によれば、測定プローブ130による測定ピッチMPおよび測定回数MNを算出する測定条件算出手段である測定条件算出部152と、被切削物回転手段であるモーター121および測定点移動手段であるアーム昇降機構111aを制御して測定プローブ130を被切削物Wにおける測定開始点X1から被切削物Wの凸状微細部Tの幅と略等しい測定条件算出部152の算出した測定ピッチMPで測定条件算出部152の算出した測定回数MNだけ測定方向に移動させる駆動制御手段である駆動制御部151とを備えていることにより、最低限の測定回数で測定プローブ130が被切削物Wの凸状微細部Tを通過するため、低周波振動切削加工により複数の凸状微細部Tが周期的に分散して残存した被切削物Wの表面形状を正確にかつ短時間で測定することができる。
【0056】
さらに、測定条件算出部152が、測定対象となる被切削物Wの加工条件に基づいて測定ピッチMPおよび測定回数MNを算出することにより、被切削物Wの表面形状を画像認識などで確認することなく測定ピッチMPや測定回数MNが算出されるため、被切削物Wの正確な表面性状をより短時間で測定することができる。
切削円周面測定装置200は、基台210と、被切削物保持部材220と、測定プローブ230と、支持アーム240とを備えており、これらは第1実施例の切削円周面測定装置100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
コントローラー250は、アーム昇降機構211aとモーター221とを制御して測定プローブ130を所定の測定方向に移動させる駆動制御部(駆動制御手段)251と、測定条件受付手段260からの入力された測定条件や測定プローブ230による被切削物Wの表面粗さの測定結果等を記憶する記憶部253と、測定プローブ230が測定した被切削物Wの表面粗さを出力する測定結果出力部(表面粗さ出力手段)254とを有している。
測定条件算出装置21は、測定対象となる被切削物Wの加工条件の入力を受け付ける加工条件受付手段21aと、切削円周面測定装置200の測定プローブ230による測定条件を算出する測定条件算出手段21bと、測定対象となる被切削物Wの測定条件を出力する測定条件出力手段21cとを備えている。
また、この測定条件算出装置21には、測定対象となる被切削物Wに対する測定条件を算出する切削円周面測定条件算出プログラムが記憶されており、測定条件算出装置21はこの切削円周面測定条件算出プログラムに基づいて動作する。
表面形状出力装置22は、切削円周面測定装置200から出力された被切削物Wの測定結果(表面粗さ)の入力を受け付ける測定結果受付手段22aと、入力された測定結果に基づいて被切削物Wの表面形状を算出する表面形状算出手段22bと、この表面形状算出手段22bが算出した被切削物Wの表面形状を出力する表面形状出力手段22cとを備えている。
表面形状出力ステップS30では、切削円周面測定装置200の測定結果出力部254から出力された表面粗さを表面形状出力装置22の測定結果受付手段22aに入力して、表面形状出力装置22はこの入力された測定結果に基づいて被切削物Wの表面形状を出力する。
被切削物Wの表面形状の計算方法は、第1実施例と同様である。
さらに、測定条件算出ステップS10において、測定条件算出装置21が、測定対象となる被切削物Wの加工条件に基づいて測定ピッチMPおよび測定回数MNを算出することにより、被切削物Wの表面形状を画像認識などで確認することなく測定ピッチMPや測定回数MNが算出されるため、被切削物Wの正確な表面性状をより短時間で測定することができる。
さらに、表面形状出力ステップS30において、表面形状出力装置22が測定回ごとの表面粗さを測定回数MNで平均化して被切削物Wの表面形状として出力することにより、各測定回における表面粗さが平準化されるため、島状の凸状微細部Tが周期的に分散形成された被切削物Wの表面性状を正確に測定することができる。
また、測定条件算出装置21に記憶された切削円周面測定条件算出プログラムによれば、切削円周面測定装置200の測定する被切削物Wの加工条件に基づいて、被切削物Wの凸状微細部Tの幅と略等しい測定ピッチMPおよび測定回数MNである測定条件を算出する測定条件算出ステップS10をこの測定条件を出力する測定条件算出装置21に実行させることにより、切削円周面測定条件算出プログラムが算出した測定条件を切削円周面測定装置200に入力すると、最低限の測定回数で測定プローブ230が被切削物Wの凸状微細部Tを通過するため、低周波振動切削加工により複数の凸状微細部Tが周期的に分散して残存した被切削物Wの表面形状を正確にかつ短時間で測定することができる。