(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136220
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】等速用ドライブシャフトの製造方法
(51)【国際特許分類】
B21K 1/06 20060101AFI20240927BHJP
F16C 3/02 20060101ALI20240927BHJP
B21J 5/08 20060101ALI20240927BHJP
B21J 5/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B21K1/06
F16C3/02
B21J5/08 Z
B21J5/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047257
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】312010227
【氏名又は名称】シグマ アンド ハーツ シーオー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】額 素明
(72)【発明者】
【氏名】サミット ジャラウォング
(72)【発明者】
【氏名】村松 勁
(72)【発明者】
【氏名】神細工 宗正
【テーマコード(参考)】
3J033
4E087
【Fターム(参考)】
3J033AA01
3J033AB03
3J033AC01
3J033BA01
4E087AA08
4E087AA10
4E087CA26
4E087CA33
4E087CB03
4E087CC04
4E087DA05
4E087EA12
4E087EB03
4E087EC02
4E087HA36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】等速用ドライブシャフトを効率良く安定した高精度で製造可能な製造方法を提供する。
【解決手段】上型および下型で構成される金型対を複数備えた閉塞冷間鍛造装置による等速用ドライブシャフトの製造方法であって、前記等速用ドライブシャフトを成形するための成形素材を第1の金型対の第1の上型による押圧及び前記成形素材の両方向からの押圧により第1の大径部を有する第1の成形素材を成形する第1の工程と、第1の工程で成形加工された前記第1の成形素材に対し、第2の金型対の第2の上型による押圧及び前記第1の成形素材の両方向からの押圧により第2の大径部を有する第2の成形素材を成形する第2の工程と、第2の工程で成形加工された前記第2の成形素材に対し、第3の金型対の第3の上型による押圧及び第2の成形素材の両方向からの押圧により第3の大径部を成形する第3の工程と、を有することを特徴とする
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型および下型で構成される金型対を複数備えた閉塞冷間鍛造装置による等速用ドライブシャフトの製造方法であって、
前記等速用ドライブシャフトを成形するための成形素材を第1の金型対の第1の上型による押圧及び前記成形素材の両方向からの押圧により第1の大径部を有する第1の成形素材を成形する第1の工程と、
第1の工程で成形加工された前記第1の成形素材に対し、第2の金型対の第2の上型による押圧及び前記第1の成形素材の両方向からの押圧により第2の大径部を有する第2の成形素材を成形する第2の工程と、
第2の工程で成形加工された前記第2の成形素材に対し、第3の金型対の第3の上型による押圧及び第2の成形素材の両方向からの押圧により第3の大径部を成形する第3の工程と、を有することを特徴とする等速用ドライブシャフトの製造方法。
【請求項2】
前記第1の金型対は、前記第1の大径部を成形するための第1のキャビティを有し、該第1のキャビティを構成する凹形状の両側がテーパ状を有することを特徴とする請求項1記載の等速用ドライブシャフトの製造方法。
【請求項3】
前記第2の金型対は、前記第2の大径部を成形するための第2のキャビティと、前記第1の成形素材が有する前記第1の大径部の形状を維持するための第1のキャビティとを有し、前記第2のキャビティを構成する凹形状の両側がテーパ状を有することを特徴とする請求項1記載の等速用ドライブシャフトの製造方法。
【請求項4】
前記第3の金型対は、前記第3の大径部を成形するための第3のキャビティと、前記第2の成形素材が有する前記第1の大径部及び前記第2の大径部の形状を維持するための第1のキャビティ及び第2のキャビティを有し、前記第3のキャビティは、凹形状のうちの片側のみがテーパ状を有することを特徴とする請求項1記載の等速用ドライブシャフトの製造方法。
【請求項5】
前記第1の工程から第3の工程において、各成形素材に対して各上型による押圧と成形素材の軸方向の両側から押圧することを特徴とする請求項1記載の等速用ドライブシャフトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の等速用ドライブシャフトの閉塞冷間鍛造による製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用のシャフトは、エンジンからの動力伝達経路の一部として用いられ、すなわち、エンジンの回転運動を回転駆動力として駆動輪等へと伝達している。このシャフトに対しては、車両の燃費向上を図るために軽量化が求められ、また、振動を低減し静粛性の向上を図るために高剛性化が求められている。
【0003】
車両用のシャフトの製造方法として、一般的に切削加工等の機械加工によって製造されることが多く、切削工程によって多くの素材のロスが発生するほか製造に時間を要するといった問題があった。
そこで、素材を切削加工することなく車両用のシャフトを製造する方法として、冷間鍛造による製造方法が提案されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1によれば、ウインドウレギュレータの駆動部に連結されるブロック状のベース部と、ベース部に連続して、かつ、ベース部に対して直角方向に形成される円筒状の軸部と、軸部の先端部に形成される二面幅取り部とを一体的に設け、二面幅取り部の内側であって軸部の軸心と同一の軸線上に内径軸受部を設け、これら各構成部をすべて冷間鍛造手段にて成形することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に記載の冷間鍛造手段で成形されるドライブシャフトの場合、加工部分にバリが発生する防ぐことが困難であり、このバリを除去する工程がドライブシャフトを製造する上で非効率であるほか製造コストが増大するといった問題がある。
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、ドライブシャフトのうち特に等速用ドライブシャフトを効率良く安定した高精度で製造可能な等速用ドライブシャフトの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の等速用ドライブシャフトの製造方法は、上型および下型で構成される金型対を複数備えた閉塞冷間鍛造装置による等速用ドライブシャフトの製造方法であって、前記等速用ドライブシャフトを成形するための成形素材を第1の金型対の第1の上型による押圧及び前記成形素材の両方向からの押圧により第1の大径部を有する第1の成形素材を成形する第1の工程と、第1の工程で成形加工された前記第1の成形素材に対し、第2の金型対の第2の上型による押圧及び前記第1の成形素材の両方向からの押圧により第2の大径部を有する第2の成形素材を成形する第2の工程と、第2の工程で成形加工された前記第2の成形素材に対し、第3の金型対の第3の上型による押圧及び第2の成形素材の両方向からの押圧により第3の大径部を成形する第3の工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の等速用ドライブシャフトの製造方法は、前記第1の金型対は、前記第1の大径部を成形するための第1のキャビティを有し、該第1のキャビティを構成する凹形状の両側がテーパ状を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の等速用ドライブシャフトの製造方法は、前記第2の金型対は、前記第2の大径部を成形するための第2のキャビティと、前記第1の成形素材が有する前記第1の大径部の形状を維持するための第1のキャビティとを有し、前記第2のキャビティを構成する凹形状の両側がテーパ状を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の等速用ドライブシャフトの製造方法は、前記第3の金型対は、前記第3の大径部を成形するための第3のキャビティと、前記第2の成形素材が有する前記第1の大径部及び前記第2の大径部の形状を維持するための第1のキャビティ及び第2のキャビティを有し、前記第3のキャビティは、凹形状のうちの片側のみがテーパ状を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の等速用ドライブシャフトの製造方法は、前記第1の工程から第3の工程において、各成形素材に対して各上型による押圧と成形素材の軸方向の両側から押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の形状の異なる金型対を用いて各工程で閉塞冷間鍛造による押圧成形を施すことによりバリの発生を防止し、コストの低減化を図るとともに高精度な等速用ドライブシャフトを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明で製造される等速用ドライブシャフトの構成を示した平面図である。
【
図5】等速用ドライブシャフト製造過程を示すフローチャートである。
【
図6】
図6(a)及び(b)は、第1の金型による第1の大径部の成形過程を示した図である。
【
図7】
図7(a)及び(b)は、第1の金型による第1の大径部の成形過程を示した図である。
【
図8】
図8(a)及び(b)は、第2の金型による第2の大径部の成形過程を示した図である。
【
図9】
図9(a)及び(b)は、第2の金型による第2の大径部の成形過程を示した図である。
【
図10】
図10(a)及び(b)は、第3の金型による第3の大径部の成形過程を示した図である。
【
図11】
図11(a)及び(b)は、第3の金型による第3の大径部の成形過程を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に図面を参照して、本発明のドライブシャフトの製造方法について説明する。
図1は、本発明で製造されるドライブシャフトの構成を示した平面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の等速用ドライブシャフトの製造方法で製造される等速用ドライブシャフト100は、一般的に軸方向に離間して配置された一対の等速自在継手と、両等速自在間に設けられ、両等速自在継手の内側継手部材と一体回転する中間軸とを備えたものであり、
軸部101と、この軸部101の中心から軸方向のそれぞれ端部に向かって形成された第1の大径部102と、第2の大径部103と、第3の大径部104とから構成されている。等速用ドライブシャフト100は、中実棒状の素材を加工することで製造され、閉塞冷間鍛造により軸部101と、第1の大径部102と、第2の大径部103と、第3の大径部104とが成形される。
【0016】
軸部101は、等速用ドライブシャフト100の成形前の中実棒状の素材の直径と同一もしくはやや縮小した直径を有する棒形状である。
第1の大径部102は等速用ドライブシャフト100本体の中心の近傍に閉塞冷間鍛造により成形される。第1の大径部102は軸部101の直径より大きく円柱形状であり、上下の両端部にはテーパ部102a,102bを有する。
【0017】
第2の大径部103は、第1の大径部102と略同一の直径を有する円柱形状であり上下の両端部にはテーパ部103a,103bを有する。第3の大径部104は、等速用ドライブシャフト100の両端部に成形されており、軸部101の直径より大きく第1の大径部102及び第2の大径部103と略同一の直径を有する。第3の大径部104は、円柱形状であって、等速用ドライブシャフト100の中心側の端部にテーパ部104a,104bを有する。
【0018】
<金型の構成について>
次に、等速用ドライブシャフトを製造するために使用する金型について説明する。
図2は、第1の金型の構成を示した図である。
図示するように第1の金型200は、第1の上金型201と第1の下金型202とから構成されている。第1の金型200は、等速用ドライブシャフト100を構成する第1の大径部102を成形するためのものであり、第1の上金型201及び第1の下金型202には、1組の凹形状の第1のキャビティ201a,202aが形成されている。
【0019】
この第1のキャビティ201a,202aは、等速用ドライブシャフト100が有する第1の大径部102を成形するためのものであり、第1のキャビティ201a,202aの凹状の両側にはテーパ状を有する。そして、第1の上金型201は昇降自在の可動式であり、第1の下金型202は固定式であって、両者は対向するように配置されている。
【0020】
図3は、第2の金型の構成を示した図である。
図示するように第2の金型300は、第2の上金型301と第2の下金型302とから構成されている。第2の金型300は、等速用ドライブシャフト100の第2の大径部103を成形するためのものであり、第2の上金型301には、1組の凹状の第1のキャビティ301aと1組の凹状の第2のキャビティ301bが形成され、第2の下金型302にも同様に1組の第1のキャビティ302aと1組の第2のキャビティ302bが形成されている。そして、第2の上金型301は昇降自在の可動式であり、第2の下金型302は固定式であって、両者は対向するように配置されている。
【0021】
第2の上金型301及び第2の下金型302に形成される第1のキャビティ301a,302aは、第2の大径部103を成形する際に、すでに成形されている第1の大径部102の形状を維持するためのものであり、第1の金型200に形成されている第1のキャビティ201a,202aと同形状である。また、第2のキャビティ301b,302bは、第2の大径部103を成形するためのものであり、凹状の両側にはテーパ状を有する。
【0022】
図4は、第3の金型の構成を示した図である。
図示するように第3の金型400は、第3の上金型401と第3の下金型402とから構成されている。第3の金型400は、等速用ドライブシャフト100の第3の大径部104を成形するためのものであり、第3の大径部104を成形するための第3の上金型401には、第3のキャビティ401cが形成されており、第3の下金型402には第3のキャビティ402cが形成されている。なお、第3のキャビティ401c,402cは、凹状であって片側がテーパ状となっている。そして、第3の上金型401は昇降自在の可動式であり、第3の下金型402は固定式であって、両者は対向するように配置されている。
【0023】
また、第3の上金型401及び第3の下金型402には、すでに成形されている等速用ドライブシャフトの第1の大径部102及び第2の大径部103の形状を維持させるための第1のキャビティ401a,402a、第2のキャビティ401b,402bが形成されている。
第1のキャビティ401a,402aは、第1の金型200に形成されている第1のキャビティ201a,202bと同形状であり、第2のキャビティ401b,402bは、第2の金型300に形成されている第2のキャビティ301b,302bと同形状である。
なお、各金型に形成されているキャビティは略台形状であって両側もしくは片側が任意の角度から成るテーパ状を有している。
【0024】
なお、第1の上金型201、第2の上金型301、第3の上金型401を昇降させる機構は例えば油圧機構やガス圧機構により実現可能であり、成形素材に対して所定の荷重を付与することが可能である。
【0025】
次に、
図5~11を参照して等速用ドライブシャフトの製造方法について説明する。
図5は、等速用ドライブシャフトの製造方法の流れを説明するためのフローチャートであり、
図6(a)~(b)及び
図7(a)~(b)は、第1の金型による等速用ドライブシャフトの第1の大径部の成形過程を示す図であり、
図8(a)~(b)及び
図9(a)~(b)は、第2の金型による等速用ドライブシャフトの第2の大径部の成形過程を示す図であり、
図10(a)~(b)及び
図11(a)~(b)は、第3の金型による等速用ドライブシャフトの第3の大径部の成形過程を示す図である。
【0026】
本実施形態における等速用ドライブシャフトの製造方法では、複数の金型を用い閉塞冷間鍛造により段階的に等速用ドライブシャフトを製造する。
まず、第1の金型100の第1の下金型202に成形素材Xを載置する(ステップS100)。この成形素材Xは、中実棒状であり機械構造用合金用鋼の一種である例えばSCM435(クロムモリブデン鋼)といった素材を採用する。
【0027】
図6(a)に示すように、成形素材Xを第1の金型200の第1の下金型202に載置し、第1の上金型201を油圧シリンダ(図示せず)により下降させる。次に、
図6(b)に示すように第1の上金型201を成形素材Xに密接させて閉塞状態を形成する。この閉塞状態を維持しながら、第1の上金型201は成形素材Xに対して所定の荷重をかけるとともに、
図7(a)に示すようにピストンにより成形素材Xの軸方向に対して両側から圧力をかける。
【0028】
第1の上金型201が成形素材Xに対して下方向にかける荷重は2000kN~5000kNであり、ピストンが成形素材Xの軸方向に対してかける荷重は2000kN~3000kNである。
【0029】
図7(b)に示すように、第1の上金型201による荷重とピストンによる荷重により、第1の上金型201に形成されている第1のキャビティ201a及び第1の下金型202に形成されている第1のキャビティ202aを構成する凹状部分に成形素材Xの一部が押出し成形によって材料流動し、第1の大径部102が成形される(ステップS101)。
【0030】
次に、
図8(a)に示すように、第1の大径部102が成形された成形素材Xを第2の金型300の第2の下金型302に載置する(ステップS102)。第2の上金型301を油圧シリンダ(図示せず)により下降させる。次に、
図8(b)に示すように第2の上金型301を成形素材Xに密接させて閉塞状態を形成する。この閉塞状態を維持しながら、第2の上金型301は成形素材Xに対して所定の荷重をかけるとともに、
図9(a)に示すようにピストンにより成形素材Xの軸方向に対して両側から圧力をかける。
【0031】
成形素材Xの上部及び両側からの圧力により第2の上金型301及び第2の下金型302に形成されている第2のキャビティ301b,302bを構成する凹状部分に成形素材Xの一部が押出し成形によって材料流動し、第2の大径部103が成形される(ステップS103)。
一方、すでに成形されている第1の大径部102は、
図8(b)に示す閉塞状態において第2の上金型301及び第2の下金型302に形成されている第1のキャビティ301a,302aに嵌った状態となり、成形素材Xに対する上部及び両側からの圧力に対してもさらなる材料流動が起こらず第1の大径部102の形状を維持することが可能である。
【0032】
次に、
図10(a)に示すように第1の大径部102及び第2の大径部103が成形された成形素材Xを第3の下金型402に載置する(ステップS104)。そして、第3の上金型401を油圧シリンダ(図示せず)により下降させ、
図10(b)に示すように第3の上金型401を成形素材Xに密接させて閉塞状態を形成する。この閉塞状態を維持しながら、第3の上金型401は成形素材Xに対して上部から所定の荷重をかけるとともに、
図11(a)に示すようにピストンにより成形素材Xの軸方向に対して両側から圧力をかける。
【0033】
成形素材Xの上部及び両側からの圧力により第3の上金型401及び第3の下金型402に形成されている第3のキャビティ401c,402cを構成する凹状部分に成形素材Xの一部が押出し成形によって材料流動し、第3の大径部104が成形される(ステップS104)。
【0034】
一方、成形素材Xに対して上部及び両側から圧力をかけた時に、成形素材Xの成形された第1の大径部102は、第3の上金型401及び第3の下金型402に形成されている第1のキャビティ401a,402aに嵌った状態となり、第2の大径部103は、第3の上金型401及び第3の下金型402に形成されている第2のキャビティ401b,402bに嵌った状態となる。従って、第1の大径部102及び第2の大径部103は、圧力による材料移動が起こらず各形状を維持することが可能となる。
【0035】
以上のように、等速用ドライブシャフト100は複数の閉塞冷間鍛造の工程を経ることで成形され、最終的に研磨加工や必要な加工を施すことで製品となる等速用ドライブシャフト100を製造することが可能となる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0037】
100 等速用ドライブシャフト
101 軸部
102 第1の大径部
102a、102b、103a、103b、104a、104b テーパ部
103 第2の大径部
104 第3の大径部
200 第1の金型
201 第1の上金型
201a、202a 第1のキャビティ
202 第1の下金型
300 第2の金型
301 第2の上金型
302 第2の下金型
301a、302a 第1のキャビティ
301b、302b 第2のキャビティ
400 第3の金型
401 第3の上金型
402 第3の下金型
401a、402a 第1のキャビティ
401b、402b 第2のキャビティ
401c、402c 第3のキャビティ