IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラピステクノロジー株式会社の特許一覧

特開2024-136248電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法
<>
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図1
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図2
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図3
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図4
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図5
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図6
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図7
  • 特開-電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136248
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電圧制御回路、電圧制御回路を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G05F1/56 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047297
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笛木 洋一
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB09
5H430BB11
5H430FF01
5H430FF13
5H430GG01
(57)【要約】
【課題】集積回路の耐圧を超えない電源制御を可能にする電圧制御回路を提供する。
【解決手段】電圧制御回路11は、シャントレギュレータ17、シャントレギュレータ17に接続された出力電源線19、第1電源線13と出力電源線19との間に接続されたスイッチ15、及び制御回路20を備え、制御回路20は、第1電源線13と出力電源線19との間に接続される第1電流源21と、第1電源線13の電位に係る信号(VEF2)を受ける入力22b、及び出力22cを有すると共に、入力22bに受けた信号(VEF2)から出力22cに制御信号(LVS3)を生成するように構成される生成回路22と、スイッチ制御信号SCNTを生成するスイッチ制御回路29と、第2レベルシフト回路25の出力からの信号に応答してシャントレギュレータ17を制御するイネイブル信号SENを生成するイネイブル生成回路31を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電装置の出力に接続された第1電源線と、
基準電圧入力を有するシャントレギュレータと、
前記シャントレギュレータに接続された出力電源線と、
前記第1電源線と前記出力電源線との間に接続されたスイッチと、
前記第1電源線及び前記出力電源線に接続された制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記第1電源線の電位に係る信号を受ける入力、及び出力を有すると共に、前記入力に受けた前記信号から前記出力に制御信号を生成するように構成される生成回路と、
前記第1電源線と前記出力電源線との間に接続される第1電流源と、
前記生成回路の前記出力からの前記制御信号に応答して前記スイッチを制御するスイッチ制御信号を生成するように構成され、前記第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続されるスイッチ制御回路と、
前記生成回路の前記出力からの前記制御信号に応答して前記シャントレギュレータを制御するイネイブル信号を生成するように構成されるイネイブル生成回路と、
を含む、
電圧制御回路。
【請求項2】
前記生成回路は、
入力及び出力を有すると共に前記入力に受けた信号を前記出力に伝達するように構成され、前記出力電源線と前記第2電源線との間に接続される伝達回路と、
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続され、前記第1電源線の電位に係る信号をレベルシフトして前記伝達回路の前記入力に適用可能な信号を出力に生成するように構成される第1レベルシフト回路と、
前記伝達回路の前記出力の電圧をレベルシフトするように構成され前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第2レベルシフト回路と、
を含み、
前記スイッチ制御回路及び前記イネイブル生成回路は、前記第2レベルシフト回路の出力に接続される、請求項1に記載された電圧制御回路。
【請求項3】
前記イネイブル生成回路は、
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続されると共に前記生成回路の前記出力に接続された第1遅延回路と、
前記第1遅延回路の出力の信号に応答して前記シャントレギュレータの制御のための判定を行う第1判定回路と、
を含む、請求項1に記載された電圧制御回路。
【請求項4】
前記スイッチ制御回路は、
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続されると共に前記生成回路の前記出力に接続された第2遅延回路と、
前記第2遅延回路の出力の信号に応答して前記スイッチの制御のための判定を行う第2判定回路と、
を含む、請求項1に記載された電圧制御回路。
【請求項5】
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続され、前記シャントレギュレータの前記基準電圧入力に接続される第1参照電圧源と、
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続され、参照電圧を生成するように構成される第2参照電圧源と、
を更に備え、
前記第1電流源は、前記第2参照電圧源の前記参照電圧に応答した電流を流し、
前記第1レベルシフト回路は、前記第2参照電圧源の前記参照電圧を受ける、
請求項2に記載された電圧制御回路。
【請求項6】
前記第1レベルシフト回路は、前記第1電源線の電位に係る前記信号を受ける第1電流源トランジスタと、前記第1電流源トランジスタに接続されたゲート及びドレインを有する第1負荷トランジスタと、を含み、
前記第1レベルシフト回路の前記出力は、前記第1負荷トランジスタの前記ゲート及び前記ドレインに接続される、
請求項2に記載された電圧制御回路。
【請求項7】
前記第2レベルシフト回路は、前記伝達回路の前記出力の信号を受ける第2電流源トランジスタと、前記第2電流源トランジスタに接続されたゲート及びドレインを有する第2負荷トランジスタと、を含み、
前記第2レベルシフト回路の前記出力は、前記第2負荷トランジスタの前記ゲート及び前記ドレインに接続される、
請求項2に記載された電圧制御回路。
【請求項8】
前記伝達回路は、前記第1レベルシフト回路の前記出力に接続された第3電流源トランジスタと、前記第3電流源トランジスタに接続された入力を有する電流ミラー回路と、前記電流ミラー回路の出力に接続されてミラー電流を流す第3負荷トランジスタと、を含み、
前記伝達回路の前記出力は、前記第3負荷トランジスタのゲート及びドレインに接続される、
請求項2に記載された電圧制御回路。
【請求項9】
前記第1判定回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第1シュミットトリガー回路と、前記第1シュミットトリガー回路の出力に接続されると共にリセット信号を受けるように構成された第1ラッチ回路と、を含む、
請求項3に記載された電圧制御回路。
【請求項10】
前記第2判定回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第2シュミットトリガー回路と、前記第2シュミットトリガー回路の出力に接続されると共にリセット信号を受けるように構成された第2ラッチ回路と、を含む、
請求項4に記載された電圧制御回路。
【請求項11】
給電装置から第1電源線への給電を行うことであって、前記第1電源線は、前記第1電源線と異なる出力電源線からスイッチによって切り離される、給電を行うことと、
前記給電の後に、前記第1電源線と異なる第2電源線と前記第1電源線との間に接続される信号生成回路を用いて、前記第1電源線と前記第2電源線との間の電圧を有する信号を生成することと、
前記出力電源線と前記第1電源線との間に接続された第1電流源を用いて、前記出力電源線の電位を変化させることと、
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第1レベルシフト回路を用いて第1信号を前記信号から生成することであって、前記第1信号は、前記出力電源線と前記第2電源線との間に接続される伝達回路に前記第1レベルシフト回路から与えられ、前記第1信号は、前記伝達回路が応答できるレベルの信号にレベルシフトされている、第1信号を生成することと、
前記伝達回路に前記第1信号を入力して、前記第1信号が前記伝達回路を伝搬することによって生成された第2信号を前記伝達回路の出力に生成することと、
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第2レベルシフト回路を用いて、前記第2信号をレベルシフトして第3信号を生成することと、
前記第3信号に応答して、前記出力電源線に接続されたシャントレギュレータを動作させて、前記シャントレギュレータを用いて前記出力電源線の電圧制御を行うことと、
前記シャントレギュレータの動作開始の後に、前記第3信号に応答して前記スイッチを閉じて、前記第1電源線と前記出力電源線とを互いに接続することと、
を備える、
電圧制御回路を起動する方法。
【請求項12】
前記シャントレギュレータの動作の開始に先立って、前記シャントレギュレータに参照電圧を与えること、
を更に備える、請求項11に記載された方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧制御回路、及び電圧制御回路を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、信号抽出回路を開示する。信号抽出回路は、情報信号で変調がされており振幅が動的に変化する高周波信号からの、安定した電源電圧の獲得と情報信号の抽出とを両立させる。具体的には、シャントレギュレータは、アンテナ部から出力された高周波信号を整流回路で整流して得られる電圧を所定の電圧値に安定化させるように制御を行う。信号抽出部は、この電圧の変動時における上記の制御のためにシャントレギュレータが流すバイパス電流から、当該高周波信号に重畳されていた情報信号を抽出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2006-063589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近距離無線通信技術を用いて空中線より電力を受信して動作するRFIDタグといった装置が使用されている。このような装置は、アンテナから電力を受信した後、必要な電圧レベルに変換する。空中線から電力を受信する諸動作を行う集積回路が求められている。
【0005】
しかしながら、過剰なパワーを受信した場合において集積回路に許容耐圧を越える電圧が加わらないようにする仕組みが必要である。
【0006】
本発明は、集積回路の耐圧を超えない電源制御を可能にする電圧制御回路及びその起動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る電圧制御回路は、給電装置の出力に接続された第1電源線と、基準電圧入力を有するシャントレギュレータと、前記シャントレギュレータに接続された出力電源線と、前記第1電源線と前記出力電源線との間に接続されたスイッチと、前記第1電源線及び前記出力電源線に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1電源線の電位に係る信号を受ける入力、及び出力を有すると共に、前記入力に受けた前記信号から前記出力に制御信号を生成するように構成される生成回路と、前記第1電源線と前記出力電源線との間に接続される第1電流源と、前記生成回路の前記出力からの前記制御信号に応答して前記スイッチを制御するスイッチ制御信号を生成するように構成され、前記第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続されるスイッチ制御回路と、前記生成回路の前記出力からの前記制御信号に応答して前記シャントレギュレータを制御するイネイブル信号を生成するように構成されるイネイブル生成回路と、を含む。
【0008】
本発明の第2態様に係る電圧制御回路を起動する方法は、給電装置から第1電源線への給電を行うことであって、前記第1電源線は、前記第1電源線と異なる出力電源線からスイッチによって切り離される、給電を行うことと、前記給電の後に、前記第1電源線と異なる第2電源線と前記第1電源線との間に接続される信号生成回路を用いて、前記第1電源線と前記第2電源線との間の電圧を有する信号を生成することと、前記出力電源線と前記第1電源線との間に接続された第1電流源を用いて、前記出力電源線の電位を変化させることと、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第1レベルシフト回路を用いて第1信号を前記信号から生成することであって、前記第1信号は、前記出力電源線と前記第2電源線との間に接続される伝達回路に前記第1レベルシフト回路から与えられ、前記第1信号は、前記伝達回路が応答できるレベルの信号にレベルシフトされている、第1信号を生成することと、前記伝達回路に前記第1信号を入力して、前記第1信号が前記伝達回路を伝搬することによって生成された第2信号を前記伝達回路の出力に生成することと、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第2レベルシフト回路を用いて、前記第2信号をレベルシフトして第3信号を生成することと、前記第3信号に応答して、前記出力電源線に接続されたシャントレギュレータを動作させて、前記シャントレギュレータを用いて前記出力電源線の電圧制御を行うことと、前記シャントレギュレータの動作開始の後に、前記第3信号に応答して前記スイッチを閉じて、前記第1電源線と前記出力電源線とを互いに接続することと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記の態様によれば、集積回路の耐圧を超えない電源制御を可能にする電圧制御回路及びその起動方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る電力受電装置の構成を概略的に示す図面である。
図2図2は、本実施形態に係る電圧制御回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。
図3図3は、図2に示された回路における主要ノードの例示的な波形を示す図面である。
図4図4は、本実施形態に係る電圧制御回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。
図5図5は、本実施形態に係る電圧制御回路のスイッチ制御回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。
図6図6は、本実施形態に係る電圧制御回路のイネイブル生成回路及び出力リセット回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。
図7図7は、図4図5、及び図6に示された回路における主要ノードの例示的な波形を示す図面である。
図8図8は、本実施形態に係る電圧制御回路を起動する方法における主要なステップを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る電力受電装置の構成を概略的に示す図面である。
【0013】
電力受電装置10は、アンテナ装置10a及び整流回路10bといった給電装置、インダクタ10c、キャパシタ10d、リミッタ回路10e、キャパシタ10f、並びに電圧制御回路11を含むことができる。給電装置は、アンテナ装置10a及び整流回路10bの組み合わせに限定されない。アンテナ装置10aは、高周波電力を受けるように構成され、高周波電力は、伝送情報を表すために変調されていることができる。アンテナ装置10aは、電力受電装置10内の送信装置に接続されて高周波信号を送出することができる。整流回路10bは、例えばダイオードブリッジといった整流素子の接続を含むことができる。
【0014】
インダクタ10c及びキャパシタ10dは、並列に接続されて、アンテナ装置10aの出力に接続される。整流回路10bの入力は、アンテナ装置10aからインダクタ10c及びキャパシタ10dを経由して、アンテナ装置10aからの電力を受ける。リミッタ回路10e及びキャパシタ10fは、整流回路10bの出力に接続される。整流回路10bの出力は、リミッタ回路10e及びキャパシタ10fを経由して電圧制御回路11に接続されえる。
【0015】
電圧制御回路11は、第1電源線13、スイッチ15、シャントレギュレータ17、出力電源線19、及び制御回路20を備える。第1電源線13は、整流回路10bの出力に接続される。出力電源線19は、シャントレギュレータ17の入力IN及び出力OUTに接続される。また、シャントレギュレータ17は、イネイブル信号SEN(図2参照)を受ける制御入力17bを有する。シャントレギュレータ17は、第1参照電圧源35に接続されて、参照電圧VREF1(図2参照)を受ける基準電圧入力17cを有する。スイッチ15は、第1電源線13と出力電源線19との間に接続される。
【0016】
電圧制御回路11は、シャントレギュレータ17の出力に接続されたキャパシタ40(図1)を更に含むことができる。キャパシタ40は、シャントレギュレータ17の出力を安定化させる。
【0017】
制御回路20は、第1電源線13及び出力電源線19に接続される。制御回路20は、スイッチ15の開閉を制御する。また、制御回路20は、シャントレギュレータ17の動作開始を制御する。
【0018】
図2は、本実施形態に係る電圧制御回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。図2には、p型及びn型のMOSトランジスタの回路シンボルが描かれている。n型MOSトランジスタのバックゲートは、第2電源線37(例えばVSSライン)に接続される。p型MOSトランジスタのバックゲートは、第1電源線13(例えばHVDDライン)又は出力電源線19(例えばLVDDライン)に接続される。具体的には、p型MOSトランジスタのバックゲートは、そのトランジスタのソース及びドレインが受ける電圧に等しい又はより大きな電位の電源線に接続される。
【0019】
制御回路20は、具体的には、第1電流源21、生成回路22、スイッチ制御回路29、及びイネイブル生成回路31を備える。生成回路22は、第1電源線13の電位に係る信号を受ける入力22b、及び出力22cを有する。生成回路22は、入力22bに受けた信号(例えばVREF2)から出力22cに制御信号(例えばSLV3)を生成する。生成回路22の入力22bに与えられる信号(例えばVREF2)は、第1電源線13の起動に応答して生成されることができる。
生成回路22からの制御信号(例えばSLV3)は、スイッチ制御回路29及びイネイブル生成回路31に提供される。スイッチ制御回路29は、スイッチ15を制御するスイッチ制御信号SCNTを生成する。イネイブル生成回路31は、シャントレギュレータ17を制御するイネイブル信号SENを生成する。
【0020】
例示的な生成回路22は、第1レベルシフト回路23、第2レベルシフト回路25、及び伝達回路27を含む。生成回路22では、信号が第1レベルシフト回路23、伝達回路27及び第2レベルシフト回路25の順に伝搬していく。第1レベルシフト回路23及び第2レベルシフト回路25は、第1電源線13と第2電源線37との間で動作する一方で、伝達回路27は、出力電源線19と第2電源線37との間で動作する。これ故に、第1レベルシフト回路23は、第1電源線13の電位に係る信号(例えばVREF2)をレベルシフトして伝達回路27に適用可能なレベルのレベルシフト信号(例えばSLV1)を生成する。また、第2レベルシフト回路25は、出力電源線19の電位に係る信号(例えばSLV2)をレベルシフトして後段の回路(スイッチ制御回路29及びイネイブル生成回路31)に適用可能なレベルの信号(例えばSLV3)を生成する。
【0021】
引き続き、制御回路20を説明する。
【0022】
第1電流源21は、第1電源線13と出力電源線19との間に接続される。具体的には、第1レベルシフト回路23は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されると共に、例えば第1電源線13と第2電源線37との間に接続される第2参照電圧源39の参照電圧VREF2をレベルシフトする。伝達回路27は、入力27b及び出力27cを有しており、入力27bに受けた信号を出力27cに伝達する。また、伝達回路27は、出力電源線19と第2電源線37との間に接続される。第2レベルシフト回路25は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されると共に、伝達回路27の出力27c上の電圧をレベルシフトする。
【0023】
スイッチ制御回路29は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されて動作する。また、スイッチ制御回路29は、第2レベルシフト回路25の出力25cからの信号に応答してスイッチ15を制御するスイッチ制御信号SCNTを生成する。
【0024】
イネイブル生成回路31は、第2レベルシフト回路25の出力25cに接続されて動作する。また、イネイブル生成回路31は、シャントレギュレータ17の動作を制御するイネイブル信号SENを生成する。
【0025】
電圧制御回路11によれば、整流回路10bからの給電は、第1電源線13に与えられる。給電に際して、スイッチ制御回路29は、スイッチ15が出力電源線19を第1電源線13から切り離すように動作する。給電に応答して、第1電源線13と第2電源線37との間に接続される第1参照電圧源35及び第2参照電圧源39が動作可能になり、第1レベルシフト回路23は、第2参照電圧源39からの信号をレベルシフトする。
【0026】
また、第1電流源21は、第1電源線13と出力電源線19との間に電流を流して、出力電源線19の電位を変化させる。伝達回路27は、出力電源線19の電位変化に応答して動作可能になり、第1レベルシフト回路23からの信号を第2レベルシフト回路25に伝えることが可能になる。
【0027】
第2レベルシフト回路25からの信号に応答して、イネイブル生成回路31は、イネイブル信号SENを生成するように構成され、イネイブル信号SENは、シャントレギュレータ17を動作可能にする。イネイブル信号SENに応答して、シャントレギュレータ17は、動作可能になり、出力電源線19の電位を制御する。また、スイッチ制御回路29は、第2レベルシフト回路25の出力25cからの信号に応答して、スイッチ制御信号SCNTを生成するように構成される。スイッチ15は、スイッチ制御信号SCNTに応答して閉じて、第1電源線13は出力電源線19にスイッチ15を介して接続される。第1電源線13は、スイッチ15を介してシャントレギュレータ17に接続される。
【0028】
制御回路20では、第1参照電圧源35は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されることができる。第1参照電圧源35は、シャントレギュレータ17の基準電圧入力17cに第1参照電圧VREF1を提供する。また、第2参照電圧源39は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されることができ、例示的な第1電流源21は、第2参照電圧源39の参照電圧VREF2に応答した電流を生成する。
【0029】
第1参照電圧源35及び第2参照電圧源39は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されており、整流回路からの電流が第1電源線13に生成されると、動作可能になってそれぞれの基準電圧を生成する。
【0030】
例示的な第2参照電圧源39は、電流源回路41及び負荷トランジスタTr2を含むことができる。電流源回路41及び負荷トランジスタTr2は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されて動作し、参照電圧VREF2を生成する。負荷トランジスタTr2のゲート及びドレインは、電流源回路41に接続されて、負荷トランジスタTr2は、電流源回路41の電流I1を流すと共に、第2参照電圧源39の出力39cに参照電圧VREF2を生成する。
【0031】
イネイブル生成回路31は、第1遅延回路43、及び第1判定回路45を含むことができる。
【0032】
第1遅延回路43は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続され、第2レベルシフト回路25の出力25cに接続されて出力25cからの信号を受ける。第1判定回路45は、第1遅延回路43の出力43cの信号に応答してシャントレギュレータ17の制御のための判定を行う。
【0033】
電圧制御回路11によれば、第1遅延回路43は、第1レベルシフト回路23、伝達回路27及び第2レベルシフト回路25を経由した信号の伝搬時間に、更に第1遅延を付加して、出力電源線の電位変化を安定させる。第1遅延は、第1遅延回路43によって生成される。
【0034】
スイッチ制御回路29は、第2遅延回路47及び第2判定回路49を含むことができる。第2遅延回路47は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続され、また第2レベルシフト回路25の出力25cに接続されて出力25cからの信号を受ける。第2判定回路49は、第2遅延回路47の出力47cの信号に応答してスイッチ15の制御のための判定を行う。
【0035】
スイッチ制御回路29は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続されるので、論理値ハイレベルの信号は、第1電源線13の電圧を有し、論理値ロウレベルの信号は、第2電源線37の電圧を有する。
【0036】
例示的なスイッチ15は、p型トランジスタTr13を含む。p型トランジスタTr13は、スイッチ制御回路29の出力29cに接続される。p型トランジスタTr13のソース及びバックゲートは第1電源線13に接続され、p型トランジスタTr13のドレインは出力電源線19に接続され、p型トランジスタTr13のゲートはスイッチ制御回路29の出力29cに接続される。
【0037】
電圧制御回路11によれば、第2遅延回路47は、第1レベルシフト回路23、伝達回路27及び第2レベルシフト回路25を経由した信号の伝搬時間に、更に第2遅延を付加して、シャントレギュレータ17による出力電源線19の電位を安定にする。第2遅延は、第2遅延回路47によって生成される。
【0038】
例示的な第1電流源21は、第2参照電圧源39の参照電圧VREF2に応答した電流を流すことができる。しかしながら、第1電流源21の電流を生成する基準電圧は、参照電圧VREF2に限定されない。電圧制御回路11によれば、第1電流源21は、第1電源線13と出力電源線19との電位差があるときに電流I2を流す。
【0039】
例示的な第1電流源21は、p型MOSトランジスタTr3を含み、p型MOSトランジスタTr3のソース及びバックゲートは、第1電源線13に接続され、またp型MOSトランジスタTr3のドレインは、出力電源線19に接続される。
【0040】
電力受電装置10の装置の起動時には、第1電源線13と出力電源線19との間に電位差があり、例えば第1電源線13の電圧が出力電源線19の電圧より高いとき、第1電源線13から出力電源線19に電流が流れる。スイッチ15は開いているので、出力電源線19の電位が上昇して、第1電源線13と出力電源線19との間に電位差が小さくなる。
【0041】
第1レベルシフト回路23は、入力23b及び出力23cを含む。第1レベルシフト回路23は、第2電流源として第1電流源トランジスタTr4、及び第1負荷トランジスタTr5を含む。第1電流源トランジスタTr4は、第1電源線13と第2電源線37との間に接続される。第1電流源トランジスタTr4のゲートは、第1電源線13の活性化に応じて動作可能になる参照電圧源、例えば第2参照電圧源39の参照電圧REF2を受ける。第2参照電圧源39は、第1電源線13の活性化に応じて動作可能になる。第1負荷トランジスタTr5は、第1電流源トランジスタTr4のドレインに接続されたゲート及びドレインを有する。第1負荷トランジスタTr5は、第1電流源トランジスタTr4からの電流I3を受けると共に、その電流I3に応じた信号SLV1を生成する。
【0042】
第1レベルシフト回路23の入力23bは、第1電流源トランジスタTr4のゲートに接続される。第1レベルシフト回路23の出力23cは、第1負荷トランジスタTr5のゲート及びドレインに接続される。
【0043】
電圧制御回路11によれば、第1レベルシフト回路23は、第1電源線13と第2電源線37との間で動作して、出力電源線19と第2電源線37との間で動作する伝達回路27に適用可能なようにレベルシフトされて信号SLV1を生成する。
【0044】
伝達回路27は、入力27b及び出力27cを有する。伝達回路27は、出力電源線19と第2電源線37との間に接続されて、出力電源線19の電圧に応じた動作速度で動作する。伝達回路27は、第3電流源トランジスタTr6、電流ミラー回路51、及び第3負荷トランジスタTr9を含む。第3負荷トランジスタTr9は、第3電流源トランジスタTr6に流れる電流I4のミラー電流I5を流す。第3電流源トランジスタTr6は、第1レベルシフト回路23の出力23cに接続されるゲートを有する。第3負荷トランジスタTr9は、伝達回路27の出力27cに接続されたゲート及びドレインを有して、第1レベルシフト回路23の出力23c上の信号SLV1から信号SLV2を生成する。
【0045】
電流ミラー回路51は、入力51b及び出力51cを有し、入力51bは、第3電流源トランジスタTr6のドレインに接続され、出力51cは、第3負荷トランジスタTr9のゲート及びドレインに接続される。具体的には、電流ミラー回路51は、トランジスタTr7及びトランジスタTr8を含み、トランジスタTr7のゲート及びドレインは、入力51bに接続され、トランジスタTr8のドレインは、出力51cに接続される。トランジスタTr7のゲート及びトランジスタTr8のゲートは、互いに接続される。
【0046】
電圧制御回路11によれば、伝達回路27は、出力電源線19と第2電源線37との間で動作する第3電流源トランジスタTr6、第3負荷トランジスタTr9、及び電流ミラー回路51を用いて、出力電源線19の電位レベルに応じた信号伝搬を提供する。
【0047】
第2レベルシフト回路25は、伝達回路27の出力27cに接続された入力25b、及び出力25cを有し、また第1電源線13と第2電源線37との間に接続されて動作する。第2レベルシフト回路25は、第3電流源として第2電流源トランジスタTr10、及び第2負荷トランジスタTr11を含むことができる。第2負荷トランジスタTr11は、第2電流源トランジスタTr10に接続されたゲート及びドレインを有する。第2電流源トランジスタTr10は、伝達回路27の出力27cからの信号を受けるゲートを有する。第2レベルシフト回路25の出力25cは、第2負荷トランジスタTr11のゲート及びドレインに接続される。第2負荷トランジスタTr11は、第2電流源トランジスタTr10が流す電流I6を流す。このような動作によって、出力25cに信号SLV3(レベルシフト信号)を生成する。
【0048】
電圧制御回路11では、第2レベルシフト回路25は、出力電源線19と第2電源線37との間で動作する伝達回路27からの信号から、レベルシフトされた信号を生成する。このレベルシフトにより、信号SLV3は、第1電源線13と第2電源線37との間で動作するスイッチ制御回路29及びイネイブル生成回路31に適用可能なようなレベルを有する。
【0049】
イネイブル生成回路31を説明する。例示的なイネイブル生成回路31では、第1遅延回路43は、トランジスタTr14及びキャパシタCap_Shuntを含むことができる。トランジスタTr14からの電流I8は、キャパシタCap_Shuntを充電又は放電させて、遅延を生成する。
【0050】
具体的には、トランジスタTr14のゲートは、第1遅延回路43の入力43bを介して、第2レベルシフト回路25からの信号SLV3を受ける。トランジスタTr14のドレインは、第1遅延回路43の出力43c及びキャパシタCap_Shuntの一端に接続され、キャパシタCap_Shuntの他端は、第2電源線37に接続される。キャパシタCap_Shuntの一端、つまりノードnode1はゆっくり変化する。
【0051】
第1遅延回路43では、キャパシタCap_Shuntが、第2レベルシフト回路25からの信号SLV3に関連付けられたトランジスタTr14の電流を用いて充電されて、第1遅延回路43は、伝達回路27の遅延に、追加的な遅延を提供する。
【0052】
第1判定回路45は、第1シュミットトリガー回路His-BUF1を含むことができ、第1シュミットトリガー回路His-BUF1は、例えば第1電源線13と第2電源線37との間に接続されることができる。
【0053】
電圧制御回路11によれば、第1判定回路45に第1シュミットトリガー回路His-BUF1が提供されて、過酷なノイズ環境で動作する電力受電装置10の回路において安定動作を可能にする。
【0054】
スイッチ制御回路29を説明する。例示的なスイッチ制御回路29では、第2遅延回路47は、トランジスタTr12及びキャパシタCap_SWを含むことができる。トランジスタTr12からの電流は、キャパシタCap_SWを充電又は放電させて、遅延を生成する。
【0055】
具体的には、トランジスタTr12のゲートは、第2遅延回路47の入力47bを介して、第2レベルシフト回路25からの信号SLV3を受ける。トランジスタTr12のドレインは、第2遅延回路47の出力47c及びキャパシタCap_SWの一端に接続され、キャパシタCap_SWの他端は、第2電源線37に接続される。キャパシタCap_SWの一端、つまりノードnode2はゆっくり変化する。
【0056】
第2判定回路49は、第1シュミットトリガー回路His-INV1を含むことができ、第1シュミットトリガー回路His-INV1は、例えば第1電源線13と第2電源線37との間に接続されることができる。
【0057】
第2遅延回路47では、キャパシタCap_SWが、第2レベルシフト回路25からの信号SLV3に関連付けられたトランジスタTr12の電流I7を用いて充電されて、第1遅延回路43は、伝達回路27の遅延に、追加的な遅延を提供する。
【0058】
図3は、図2に示された回路における主要ノードの例示的な波形を示す図面である。図2及び図3を参照しながら、電源起動時の各ノードの変化を説明する。
【0059】
図1に示されるインダクタ10c及びキャパシタ10dの共振周波数の電力をアンテナ装置10aを用いて受信する。受信された電力は、整流回路10b及びキャパシタ10dによって整流されて、直流に変換される。電源起動時の第1電源線13の電圧は、上昇していく傾向にあり、例えば時刻t1において制限電圧(HV電圧)に到達する。電圧の上昇は、リミッタ回路10eの制限電圧(HV電圧)によって制限される。電圧の制限は、後段に使用されるトランジスタに許容耐圧を越える電圧値が印加されることを妨げる。
【0060】
第1電源線13に接続されたBIAS生成回路(第1参照電圧源35及び第2参照電圧源39)が起動する。第1参照電圧源35及び第2参照電圧源39は、第1電源線13に応じた参照電圧VREF1、VREF2を生成する。これらの参照電圧は、例えば時刻t2においてそれぞれの定常値に到達する。但し、定常値への到達は、同時でなくてもよい。参照電圧VREF1は、シャントレギュレータ17に提供され、参照電圧VREF2は、第1電流源21及び第1レベルシフト回路23に提供される。
【0061】
時刻t2辺りにおいて、第1電流源21が第1電源線13から出力電源線19に電流I2を提供し始めて、キャパシタ40が充電されて出力電源線19の電圧が上昇する。
【0062】
出力電源線19の電圧上昇に応答して、例えば時刻t3辺りで、第1レベルシフト回路23、伝達回路27及び第2レベルシフト回路25の動作が可能になる。具体的には、第1レベルシフト回路23から伝達回路27を介して第2レベルシフト回路25への信号伝搬が可能になる。出力電源線19の電圧が、例えば、伝達回路27の第3負荷トランジスタTr9及びTr7の閾値電圧を越える程度に上昇すると、回路動作が可能になる。この時点では、出力電源線19の電圧は、目標電圧に到達していない。
【0063】
第1レベルシフト回路23、伝達回路27及び第2レベルシフト回路25の動作が可能になると、スイッチ制御回路29及びイネイブル生成回路31の遅延回路が動作し始めて、遅延回路内のそれぞれのキャパシタを充電する。しかしながら、この時点では、出力電源線19の電圧は、目標電圧に到達していない。
【0064】
まず、時刻t4において、イネイブル生成回路31の判定回路45が動作して、イネイブル信号SENを生成する。これに応答して、シャントレギュレータ17を動作する。シャントレギュレータ17は、出力電源線19の電圧を制御するように動作する。
【0065】
次いで、時刻t5において、スイッチ制御回路29の判定回路49が動作して、スイッチ制御信号SCNTを生成する。これに応答して、スイッチ15のp型トランジスタTr13が導通する。スイッチ15は、第1電源線13と出力電源線19を接続する。シャントレギュレータ17は、第1電源線13及び出力電源線19の電圧を制御するように動作する。第1電源線13の電圧は、リミッタ電圧からレギュレート電圧に下がる。
【0066】
以上の起動シーケンスを実現するためには下記の時間順の動作を生じさせる。
第1段階:第1電源線13の起動及びスイッチ15の非導通。
第2段階:シャントレギュレータ17の起動。
第3段階:スイッチ15の導通。
【0067】
第1電源線13の起動時間の見積もりは、キャパシタ40のキャパシタンス、出力電源線19の所望の電圧値、及び電流I2の値によって規定される。以下の式によって提供される。
(キャパシタ40のキャパシタンス)×(出力電源線19の所望の電圧値)/(電流I2)
【0068】
シャントレギュレータ17の起動時間は、キャパシタCap_Shuntのキャパシタンス、電流I8の値及びシュミットトリガー回路His-BUF1の閾値電圧によって規定される。
(キャパシタCap_Shuntのキャパシタンス)×(シュミットトリガー回路His-BUF1の閾値電圧)/(電流I8)
【0069】
スイッチ15の導通までの時間は、キャパシタCap_SWのキャパシタンス、電流I7の値及びシュミットトリガー回路His-INV1の閾値電圧によって規定される。
(キャパシタCap_SWのキャパシタンス)×(シュミットトリガー回路His-INV1の閾値電圧)/(電流I7)
【0070】
以上説明したように、第1電源線13と出力電源線19との間にスイッチ15を設けて、起動時に第1電源線13及び出力電源線19を互いに切り離す。第1電源線13及び出力電源線19の起動に応答して動作する制御回路20を用いて、スイッチ15の導通を制御する。第1電源線13及び出力電源線19の起動に応答して、シャントレギュレータ17を動作させる。シャントレギュレータ17の動作の後に、第1電源線13及び出力電源線19を互いに接続する。この電源起動シーケンスによれば、回路のトランジスタの耐圧を超えることなく、電源を確実に起動できると共に、シャントレギュレータ17の制御による所望の電圧を得ることができる。
【0071】
最終的に、第1電源線13及び出力電源線19を互いに接続するので、整流回路の出力の電圧をシャントレギュレータ17が制御する。追加のレギュレータ回路は不要である。
【0072】
図4は、本実施形態に係る電圧制御回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。
【0073】
電圧制御回路11aは、第1電源線13、スイッチ15、シャントレギュレータ17、出力電源線19、及び制御回路20aを備える。制御回路20aは、具体的には、第1電流源21、第1レベルシフト回路23、第2レベルシフト回路25、伝達回路27、スイッチ制御回路29a、イネイブル生成回路31a、及び出力リセット回路34を備える。
【0074】
図5は、本実施形態に係る電圧制御回路のスイッチ制御回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。
【0075】
スイッチ制御回路29aを説明する。例示的なスイッチ制御回路29aでは、スイッチ制御回路29と同様に、第2遅延回路47が、トランジスタTr12及びキャパシタCap_SWを含み、トランジスタTr12からの電流I7は、キャパシタCap_SWを充電又は放電させて、遅延を生成する。キャパシタCap_SWの一端、つまりノードnode2はゆっくり変化する。
【0076】
第2判定回路49は、第1シュミットトリガー回路His-BUF2を含むことができ、第1シュミットトリガー回路His-BUF2は、例えば第1電源線13と第2電源線37との間に接続されることができる。
【0077】
第2遅延回路47では、キャパシタCap_SWが、第2レベルシフト回路25からの信号SLV3に関連付けられたトランジスタTr12の電流I7を用いて充電されて、第2遅延回路47は、伝達回路27の遅延に、追加的な遅延を提供する。
【0078】
例示的なスイッチ制御回路29aは、更に、リセット回路53及びRSラッチ回路57を含む。
【0079】
RSラッチ回路57は、第2判定回路49の出力に接続されたセット入力57a、及びリセットラインRSTに接続されたリセット入力57bを受ける。RSラッチ回路57は、セット入力57a及びリセット入力57bへの入力に応答して、Q出力57c及びQN出力57dに値を提供する。RSラッチ回路57のQN出力57dは、スイッチ制御信号SCNTを生成する。RSラッチ回路57のQ出力57cは、リセット回路53のリセット動作を制御する。リセット回路53は、第2遅延回路47の出力47cに接続されて、第2遅延回路47の遅延動作をリセットする。
【0080】
具体的には、リセット回路53は、リセットトランジスタTr15を含み、リセットトランジスタTr15のゲートは、RSラッチ回路57の出力57cからのQ信号を受ける。リセットトランジスタTr15のドレインは、トランジスタTr12のドレイン及びキャパシタCap_SWの一端に接続される。リセットトランジスタTr15が導通すると、キャパシタCap_SWの電荷が放電される。
【0081】
図6は、本実施形態に係る電圧制御回路のイネイブル生成回路及び出力リセット回路の主要部の構成を概略的に示す図面である。
【0082】
イネイブル生成回路31aを説明する。例示的なイネイブル生成回路31aでは、イネイブル生成回路31と同様に、第1遅延回路43が、トランジスタTr14及びキャパシタCap_Shuntを含み、トランジスタTr14からの電流は、キャパシタCap_Shuntを充電又は放電させて、遅延を生成する。キャパシタCap_Shuntの一端、つまりノードnode1はゆっくり変化する。
【0083】
第1判定回路45は、第2シュミットトリガー回路His-BUF1を含むことができ、第2シュミットトリガー回路His-BUF1は、例えば第1電源線13と第2電源線37との間に接続されることができる。
【0084】
第1遅延回路43では、キャパシタCap_Shuntが、第2レベルシフト回路25からの信号SLV3に関連付けられたトランジスタTr14の電流I8を用いて充電されて、第1遅延回路43は、伝達回路27の遅延に、追加的な遅延を提供する。
【0085】
例示的なイネイブル生成回路31aは、更に、リセット回路55及びRSラッチ回路59を含む。
【0086】
RSラッチ回路59は、第1判定回路45の出力に接続されたセット入力59a、及びリセットラインRSTに接続されたリセット入力59bを受ける。RSラッチ回路59は、セット入力59a及びリセット入力59bへの入力に応答して、Q出力59cに値を提供する。RSラッチ回路59のQ出力59cは、イネイブル信号SENを生成する。また、RSラッチ回路59のQ出力59cは、リセット回路55のリセット動作を制御する。リセット回路55は、第1遅延回路43の出力43cに接続されて、第1遅延回路43の遅延動作をリセットする。
【0087】
具体的には、リセット回路55は、リセットトランジスタTr16を含み、リセットトランジスタTr16のゲートは、RSラッチ回路59の出力59cからのQ信号を受ける。リセットトランジスタTr16のドレインは、トランジスタTr14のドレイン及びキャパシタCap_Shuntの一端に接続される。リセットトランジスタTr16が導通すると、キャパシタCap_Shuntの電荷が放電される。
【0088】
出力リセット回路34は、リセット信号RESETに応答して、出力電源線19をリセットする。例示的な出力リセット回路34は、トランジスタTr17を含み、トランジスタTr17のゲートは、リセットラインRSTに接続されて、リセット信号RESETを受ける。トランジスタTr17のドレインは、出力電源線19に接続されており、トランジスタTr17が導通すると、出力電源線19を接地線に接続する。
【0089】
図7は、図4図5、及び図6に示された回路における主要ノードの例示的な波形を示す図面である。図4図5図6、及び図7を参照しながら、電源起動時の各ノードの変化を説明する。
【0090】
時刻t1から時刻t3までの動作は、図3の波形と同じである。電源起動の説明は時刻t6から始まる。
【0091】
時刻t6を経過して、出力電源線19の電位(node2)が上昇する。出力電源線19の電位上昇に応答して、第1遅延回路43の出力(node1)の電位が上昇する。
【0092】
時刻t6において、この電位がシュミットトリガー回路His-BUF1の閾値を越えると、シュミットトリガー回路His-BUF1の出力は反転して、RSラッチ回路59はセットされる。RSラッチ回路59のセットに応答して、イネイブル生成回路31aは、イネイブル信号SENを生成して、シャントレギュレータ17の動作を開始させる。また、RSラッチ回路59のセットに応答して、第1遅延回路43の出力がリセットされて、キャパシタCap_Shuntの電荷は放電する。
【0093】
時刻t3以降において、第2遅延回路47の出力は上昇する。
【0094】
時刻t7において、この電位がシュミットトリガー回路His-BUF2の閾値を越えると、シュミットトリガー回路His-BUF2の出力の変化に応答して、RSラッチ回路57はセットされる。このセットに応答して、RSラッチ回路57は、Q出力57cにハイレベル信号を生成して、リセット回路53は、第2遅延回路47の出力をリセットする。トランジスタTr15が導通して、キャパシタCap_SWの電荷は放電する。
【0095】
また、RSラッチ回路57は、QN出力57dにロウレベル信号を生成する。この結果、スイッチ制御回路29aは、スイッチ制御信号SCNTを生成して、スイッチ15を導通させる。スイッチ15の導通に応答して、第1電源線13は、出力電源線19を介してシャントレギュレータ17に接続される。
【0096】
これらのシーケンスによって、正常な起動が完了する。
【0097】
次いで、リセット信号に関連付けられる動作を説明する。
【0098】
時刻t8において、リセットラインRSTにリセット信号RESETが与えられる。リセット信号RESETは、スイッチ制御回路29aのラッチ回路57、イネイブル生成回路31aのラッチ回路59、及び出力リセット回路34に与えられる。
【0099】
リセット信号RESETに応答して、スイッチ制御回路29aのラッチ回路57及びイネイブル生成回路31aのラッチ回路59は、リセット状態になる。ラッチ回路57は、スイッチ15を開いて、第1電源線13を出力電源線19から切り離す。また、ラッチ回路59は、シャントレギュレータ17の動作を停止させる。また、出力リセット回路34は、出力電源線19を第2電源線37(接地線)に接続する。
【0100】
これらの結果、第1電源線13の電位は上昇すると共に、出力電源線19の電位は低下する。
【0101】
時刻t9辺りで、第1電源線13は、リミッタによって規定される電圧まで上昇すると共に、出力電源線19は接地される。
【0102】
時刻t10において、リセット信号RESETは解除させる。出力リセット回路34は、出力電源線19を第2電源線37(接地線)から切り離す。しかしながら、スイッチ15は開いた状態である。再び、出力電源線19は、第1電流源21を介して第1電源線13から充電される
【0103】
時刻t11において、出力電源線19の電位が、伝達回路27が動作可能な電圧程度に上昇すると、第1遅延回路43及び第2遅延回路47において、充電が始まる。
【0104】
時刻t12において、まず、イネイブル生成回路31aのシュミットトリガー回路His-BUF1が、第1遅延回路43のノードnode1(充電ノード)の電圧に応答して出力値を反転して、イネイブル信号SENを生成すると共に、第1遅延回路43をリセットする。イネイブル信号SENに応答して、シャントレギュレータ17が動作して、出力電源線19の電圧を制御する。
【0105】
時刻t13において、次いで、スイッチ制御回路29aのシュミットトリガー回路His-BUF2が、第2遅延回路47のノードnode2(充電ノード)の電圧に応答して反転して、スイッチ制御信号SCNTを生成すると共に、第2遅延回路47をリセットする。スイッチ制御信号SCNTに応答して、スイッチ15が閉じる。
【0106】
これらのシーケンスによって、リセット信号に関連付けられる動作における正常な起動が完了する。
【0107】
既に説明された電圧制御回路11においては、判定回路(45、49)に、ヒステリシスインバータ(His-INV1)及びヒステリシスバッファ(His-BUF1)といった回路が使用される。しかしながら、判定回路(45、49)において、判定回路(43、47)の出力の電圧を判定するために、コンパレータが使用されることができる。
【0108】
図8は、本実施形態に係る電圧制御回路を起動する方法における主要なステップを示す図面である。引き続く説明では、電圧制御回路11を起動する方法を主要なステップを参照しながら説明する。
【0109】
起動方法100は、以下に示される少なくとも1つステップを含むことができる。
【0110】
ステップS101では、整流回路10bからの第1電源線13への給電を行う。スイッチ15が第1電源線13と出力電源線19との間に設けられている一方で、給電により第1電源線13の電圧が上昇する際には、スイッチ15を開いている。スイッチ15は、第1電源線13を出力電源線19から切り離している。シャントレギュレータ17は、動作していない。
【0111】
ステップS102では、給電に応答して、第1参照電圧VREF1を生成する。生成された第1参照電圧VREF1は、シャントレギュレータ17に提供されることができる。この提供は、シャントレギュレータ17が、イネイブル信号SENに応答して動作するまでに行われる。
【0112】
ステップS103では、給電に応答して、第2基準電圧生成回路を信号生成回路として用いて、第1電源線13と第2電源線37との間の電圧を有する信号、例えば第2参照電圧VREF2を生成する。第2参照電圧VREF2は、例えば、第1電流源21に基準電圧として提供されることができる。また、第2参照電圧VREF2は、例えば、第1電源線13の電位に係る信号(VREF2)として、第1レベルシフト回路23に与えられることができる。第2参照電圧VREF2の生成が、第1参照電圧VREF1の生成に先立って行われることができ、第1参照電圧VREF1及び第2参照電圧VREF2の生成は、同時であってもよい。
【0113】
ステップS104では、第1電源線13と出力電源線19との間の第1電流源21を用いて出力電源線19の電位を変化させる。具体的には、第1電流源21は、出力電源線19に電流を流し込む。例えば、第1電流源21は、第2参照電圧VREF2を受けることができる。
【0114】
ステップS105では、第1電源線13と第2電源線37との間に接続される第1レベルシフト回路23を用いて、第1電源線13の電位に係る信号として受けた信号(例えばVREF2)をレベルシフトして第1信号(例えばSLV1)を生成する。
【0115】
ステップS106では、伝達回路27に第1信号(例えばSLV1)を入力して、第1信号が伝達回路を伝搬することによって生成された第2信号(例えばSLV2)を伝達回路27の出力に生成する。具体的には、第1信号(例えばSLV1)が伝搬するように構成された伝達回路27によって生成された第2信号(例えばSLV2)を伝達回路27の出力27cに生成する。
【0116】
ステップS107では、第2信号(例えばSLV2)を受けて、第2レベルシフト回路25を用いて第2信号(例えばSLV2)をレベルシフトして第3信号(例えばSLV3)を生成する。
【0117】
ステップS108では、第3信号(例えばSLV3)に応答してイネイブル信号SENを生成して、シャントレギュレータ17の動作開始を行う。
【0118】
ステップS109では、シャントレギュレータ17を用いて出力電源線19の電圧を制御する。シャントレギュレータ17は、既に第1参照電圧VREF1を受けている。
【0119】
ステップS110では、第3信号(例えばSLV3)に応答してスイッチ制御信号SCNTを生成して、スイッチ15を閉じて第1電源線13と出力電源線19とを互いに接続する。シャントレギュレータ17が、既に、第1電源線13及び出力電源線19の電圧を制御する。
【0120】
この起動方法100によれば、整流回路からの入力パワーの広い範囲において、シャントレギュレータの安定した起動を可能にできる。
【0121】
起動方法100は、更に、以下のステップを含むことができる。
【0122】
ステップS111では、電圧制御回路11はリセット信号RESETを受けることができる。
【0123】
ステップS112では、リセット信号RESETに応答して、出力電源線19を第2電源線37に接続して、出力電源線19をリセットする。
【0124】
ステップS113では、リセット信号RESETに応答して、スイッチ15を開く。具体的には、リセット信号RESETに応答して、スイッチ制御信号SCNTをリセットする。
【0125】
ステップS114では、シャントレギュレータ17をリセット状態にする。具体的には、リセット信号RESETに応答して、イネイブル信号SENをリセットする。
【0126】
ステップS115では、リセット信号RESETに応答して、第1電源線13の電圧が上昇する。
【0127】
ステップS116では、リセット解除に応答して、ステップS101又はステップS102に戻る。
【0128】
本実施形態に係る電圧制御回路、及びその制御方法は、アンテナパワーを受信するRFIDタグに限定されることなく、高電圧系の電源線のパワーから低電圧系の電源線に制御電圧を提供する回路系に適用されることができる。
【0129】
本実施形態に係る電圧制御回路、及びその制御方法の背景技術について説明する。背景技術の電源は、例えば、以下の2つの方式がある。
【0130】
第1方式は、整流回路の供給線は、シャントレギュレータに接続される。シャントレギュレータは、高電位系の電源電圧を生成する。シャントレギュレータの出力に別のレギュレータを設ける。別のレギュレータは、低電位系の電源電圧を生成する。
【0131】
第2方式は、整流回路の供給線は2つのシャントレギュレータに接続される。一方のシャントレギュレータは、高電位系の電源電圧を生成する。他方のシャントレギュレータは、低電位系の電源電圧を生成する。
【0132】
シャントレギュレータは、受信パワーが大きい時は余剰電流を低電位電源線に流すことによって、シャントレギュレータの設定電圧を維持する。しかしながら、シャントレギュレータの起動タイミング制御が適切でない場合、シャントレギュレータが、設定電圧に達しない、或いは設定電圧を越える電圧を出力する。このように、シャントレギュレータの制御は難しい。
【0133】
シャントレギュレータは、参照電圧値を基準にその電源電圧を設定する。起動順序としては、参照電圧値を生成するバイアス回路を先に起動することがよい。
【0134】
また、シャントレギュレータの起動を確実にするために、参照電圧をシャントレギュレータに提供した後に、(遅延させた)イネイブル信号を与える。この場合、シャントレギュレータ自体の起動の遅れに起因して、シャントレギュレータの出力に設定電圧を越えた電圧が現れることがある。
【0135】
第1方式では、大きなパワーを受信した際に、高電位系の電圧の上昇速度が速くなる傾向にある。第2方式では、高電位系の電圧及び低電位系の電圧の上昇速度が速くなる。いずれの方式でも、シャントレギュレータの制御が間に合わないことがある。
【0136】
上記の態様によれば、集積回路の耐圧を超えない確実な電源制御を可能にする電圧制御回路、及びその起動方法が提供される。
【0137】
本実施形態は、様々な側面を有する。
【0138】
本実施形態に係る第1側面の電圧制御回路は、給電装置の出力に接続された第1電源線と、基準電圧入力を有するシャントレギュレータと、前記シャントレギュレータに接続された出力電源線と、前記第1電源線と前記出力電源線との間に接続されたスイッチと、前記第1電源線及び前記出力電源線に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1電源線の電位に係る信号を受ける入力、及び出力を有すると共に、前記入力に受けた前記信号から前記出力に制御信号を生成するように構成される生成回路と、前記第1電源線と前記出力電源線との間に接続される第1電流源と、前記生成回路の前記出力からの前記制御信号に応答して前記スイッチを制御するスイッチ制御信号を生成するように構成され、前記第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続されるスイッチ制御回路と、前記生成回路の前記出力からの前記制御信号に応答して前記シャントレギュレータを制御するイネイブル信号を生成するように構成されるイネイブル生成回路と、を含む。
【0139】
第1側面に係る第2側面の電圧制御回路では、前記生成回路は、入力及び出力を有すると共に前記入力に受けた信号を前記出力に伝達するように構成され、前記出力電源線と前記第2電源線との間に接続される伝達回路と、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続され、前記第1電源線の電位に係る信号をレベルシフトして前記伝達回路の前記入力に適用可能な信号を出力に生成するように構成される第1レベルシフト回路と、前記伝達回路の前記出力の電圧をレベルシフトするように構成され前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第2レベルシフト回路と、を含み、前記スイッチ制御回路及び前記イネイブル生成回路は、前記第2レベルシフト回路の出力に接続される。
【0140】
第1側面又は第2側面に係る第3側面の電圧制御回路では、前記イネイブル生成回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続されると共に前記生成回路の前記出力に接続された第1遅延回路と、前記第1遅延回路の出力の信号に応答して前記シャントレギュレータの制御のための判定を行う第1判定回路と、を含むことができる。
【0141】
第1側面から第3側面のいすれか一側面に係る第4側面の電圧制御回路では、前記スイッチ制御回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続されると共に前記生成回路の前記出力に接続された第2遅延回路と、前記第2遅延回路の出力の信号に応答して前記スイッチの制御のための判定を行う第2判定回路と、を含むことができる。
【0142】
第2側面に係る第5側面の電圧制御回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続され、前記シャントレギュレータの前記基準電圧入力に接続される第1参照電圧源と、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続され、参照電圧を生成するように構成される第2参照電圧源と、を更に備え、前記第1電流源は、前記第2参照電圧源の前記参照電圧に応答した電流を流し、前記第1レベルシフト回路は、前記第2参照電圧源の前記参照電圧を受けることができる。
【0143】
第2側面に係る第6側面の電圧制御回路では、前記第1レベルシフト回路は、前記第1電源線の電位に係る前記信号を受ける第1電流源トランジスタと、前記第1電流源トランジスタに接続されたゲート及びドレインを有する第1負荷トランジスタと、を含み、前記第1レベルシフト回路の前記出力は、前記第1負荷トランジスタの前記ゲート及び前記ドレインに接続されることができる。
【0144】
第2側面に係る第7側面の電圧制御回路では、前記第2レベルシフト回路は、前記伝達回路の前記出力の信号を受ける第2電流源トランジスタと、前記第2電流源トランジスタに接続されたゲート及びドレインを有する第2負荷トランジスタと、を含み、前記第2レベルシフト回路の前記出力は、前記第2負荷トランジスタの前記ゲート及び前記ドレインに接続されることができる。
【0145】
第2側面に係る第8側面の電圧制御回路では、前記伝達回路は、前記第1レベルシフト回路の前記出力に接続された第3電流源トランジスタと、前記第3電流源トランジスタに接続された入力を有する電流ミラー回路と、前記電流ミラー回路の出力に接続されてミラー電流を流す第3負荷トランジスタと、を含み、前記伝達回路の前記出力は、前記第3負荷トランジスタのゲート及びドレインに接続されることができる。
【0146】
第3側面に係る第9側面の電圧制御回路では、前記第1判定回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第1シュミットトリガー回路と、前記第1シュミットトリガー回路の出力に接続されると共にリセット信号を受けるように構成された第1ラッチ回路と、を含むことができる。
【0147】
第4側面に係る第10側面の電圧制御回路では、前記第2判定回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第2シュミットトリガー回路と、前記第2シュミットトリガー回路の出力に接続されると共にリセット信号を受けるように構成された第2ラッチ回路と、を含むことができる。
【0148】
本実施形態に係る第11側面の電圧制御回路を起動する方法は、給電装置から第1電源線への給電を行うことであって、前記第1電源線は、前記第1電源線と異なる出力電源線からスイッチによって切り離される、給電を行うことと、前記給電の後に、前記第1電源線と異なる第2電源線と前記第1電源線との間に接続される信号生成回路を用いて、前記第1電源線と前記第2電源線との間の電圧を有する信号を生成することと、前記出力電源線と前記第1電源線との間に接続された第1電流源を用いて、前記出力電源線の電位を変化させることと、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第1レベルシフト回路を用いて第1信号を前記信号から生成することであって、前記第1信号は、前記出力電源線と前記第2電源線との間に接続される伝達回路に前記第1レベルシフト回路から与えられ、前記第1信号は、前記伝達回路が応答できるレベルの信号にレベルシフトされている、第1信号を生成することと、前記伝達回路に前記第1信号を入力して、前記第1信号が前記伝達回路を伝搬することによって生成された第2信号を前記伝達回路の出力に生成することと、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続される第2レベルシフト回路を用いて、前記第2信号をレベルシフトして第3信号を生成することと、前記第3信号に応答して、前記出力電源線に接続されたシャントレギュレータを動作させて、前記シャントレギュレータを用いて前記出力電源線の電圧制御を行うことと、前記シャントレギュレータの動作開始の後に、前記第3信号に応答して前記スイッチを閉じて、前記第1電源線と前記出力電源線とを互いに接続することと、を備える。
【0149】
第11側面に係る第12側面の電圧制御回路を起動する方法は、前記シャントレギュレータの動作の開始に先立って、前記シャントレギュレータに参照電圧を与えることを更に備えることができる。
【0150】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0151】
10・・・電力受電装置、10a・・・アンテナ装置、10b・・・整流回路、10c・・・インダクタ、10d・・・キャパシタ、10e・・・リミッタ回路、10f・・・キャパシタ、11、11a・・・電圧制御回路、13・・・第1電源線、15・・・スイッチ、17・・・シャントレギュレータ、17b・・・制御入力、17c・・・基準電圧入力、19・・・出力電源線、20、20a・・・制御回路、21・・・第1電流源、22・・・生成回路、22b・・・入力、22c・・・出力、23・・・第1レベルシフト回路、23b・・・入力、23c・・・出力、25・・・第2レベルシフト回路、25b・・・入力、25c・・・出力、27・・・伝達回路、27b・・・入力、27c・・・出力、29、29a・・・スイッチ制御回路、29c・・・出力、31、31a・・・イネイブル生成回路、34・・・出力リセット回路、35・・・参照電圧源、37・・・電源線、39・・・参照電圧源、39c・・・出力、40・・・キャパシタ、41・・・電流源回路、43・・・第1遅延回路、43b・・・入力、43c・・・出力、45・・・第1判定回路、47・・・第2遅延回路、47b・・・入力、47c・・・出力、49・・・第2判定回路、51・・・電流ミラー回路、51b・・・入力、51c・・・出力、57・・・ラッチ回路、57a・・・セット入力、57b・・・リセット入力、57c、57d・・・出力、59・・・ラッチ回路、59a・・・セット入力、59b・・・リセット入力、59c・・・出力、Cap_SW・・・キャパシタ、Cap_Shunt・・・キャパシタ、REF2、VREF1、VREF2・・・参照電圧、RESET・・・リセット信号、RST・・・リセットライン、SCNT・・・スイッチ制御信号、SEN・・・イネイブル信号、SLV1、SLV2、SLV3・・・信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8