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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136268
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】検査システム及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H01L21/60 321Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047341
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神原 諒
(72)【発明者】
【氏名】神田 展裕
(57)【要約】
【課題】画像処理によりワイヤの接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤがある基板を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる検査システムを得る。
【解決手段】検査システム10は、チップ102が実装され、かつチップ102と複数のワイヤ106によりワイヤボンディングされた基板100を搬送する搬送部12と、搬送部12により搬送される基板100の上面100Aに気体を噴射する噴射部14と、噴射部14に対して基板100の搬送方向の上流側と下流側に設けられ、少なくともワイヤ106の上方で該気体の一部を吸引する第1吸引部16及び第2吸引部18と、下流側の第2吸引部18の下流側に設けられ、ワイヤ106に通電する通電部20と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子が実装され、かつ該素子と複数のワイヤによりワイヤボンディングされた基板を搬送する搬送部と、
該搬送部により搬送される該基板の上面に気体を噴射する噴射部と、
該噴射部に対して該基板の搬送方向の上流側と下流側に設けられ、少なくとも該ワイヤの上方で該気体の一部を吸引する一対の吸引部と、
下流側の該吸引部の下流側に設けられ、該ワイヤに通電する通電部と、
を有する検査システム。
【請求項2】
前記搬送部には、前記基板における前記搬送方向と交差する幅方向の両端部を前記搬送部に押し付ける一対の押付部が設けられており、
前記一対の押付部は、前記一対の吸引部に対して、前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられている請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記一対の吸引部により前記基板を吸引している状態で、前記一対の押付部の押し付け力によって前記一対の押付部が前記基板を前記搬送部に押し付ける請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記搬送部は、前記基板の前記幅方向の両端部に、前記基板の下面に直接接触又は無端状部材を介して接触する複数の回転体を備え、
前記一対の押付部は、前記基板を挟んで前記回転体とそれぞれ対向して配置されている請求項2に記載の検査システム。
【請求項5】
前記搬送部には、前記基板の上方に配置され、前記基板の上面と接触して前記基板の前記幅方向の中央部の浮き上がりを抑制する他の押付部が設けられており、
前記他の押付部は、前記一対の吸引部に対して前記搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられている請求項2に記載の検査システム。
【請求項6】
前記噴射部と、前記一対の吸引部と、前記搬送部における前記搬送方向の中央部分は、一対の開口が形成された箱体の中に入れられており、
前記一対の開口から前記搬送部における前記搬送方向の両端部分が前記箱体の外側に突出している請求項1に記載の検査システム。
【請求項7】
前記噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、前記一対の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
前記箱体の中の気体を吸引する他の吸引部が前記搬送部の下方に設けられており、
前記噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、前記一対の吸引部及び前記他の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い請求項6に記載の検査システム。
【請求項9】
前記噴射部の噴射口と、前記一対の吸引部の吸引口は、前記基板に対して同等の高さに配置されている請求項1に記載の検査システム。
【請求項10】
素子が実装され、かつ該素子と複数のワイヤによりワイヤボンディングされた基板を搬送し、前記基板の上面に気体を噴射すると共に、前記気体の噴射位置に対して前記基板の搬送方向の上流側と下流側の少なくとも前記ワイヤの上方で前記気体の一部を吸引する第1工程と、
前記第1工程よりも前記基板の搬送方向の下流側に設けられ、前記ワイヤに通電し、前記ワイヤの接続不良を検査する第2工程と、
を有する検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システム及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、半導体ペレットの電極にボンディングされたボンディングワイヤの接続状態を検査する検査装置であって、下端にエア噴出口を有し、傾斜して半導体ペレットの中心を回転軸として回転し、半導体ペレット上のボンディングワイヤの接続部に高圧エアを吹き付けるエア噴出ノズルと、半導体ペレット上のワイヤの接続部を撮像する撮像機器とを備えたボンディングワイヤの検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06-224278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像処理によりワイヤの接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤがある基板を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる検査システム及び検査方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る検査システムは、素子が実装され、かつ該素子と複数のワイヤによりワイヤボンディングされた基板を搬送する搬送部と、該搬送部により搬送される該基板の上面に気体を噴射する噴射部と、該噴射部に対して該基板の搬送方向の上流側と下流側に設けられ、少なくとも該ワイヤの上方で該気体の一部を吸引する一対の吸引部と、下流側の該吸引部の下流側に設けられ、該ワイヤに通電する通電部と、を有する。
【0006】
第2態様に係検査システムは、第1態様に記載の検査システムにおいて、前記搬送部には、前記基板における前記搬送方向と交差する幅方向の両端部を前記搬送部に押し付ける一対の押付部が設けられており、前記一対の押付部は、前記一対の吸引部に対して、前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられている。
【0007】
第3態様に係る検査システムは、第2態様に記載の検査システムにおいて、前記一対の吸引部により前記基板を吸引している状態で、前記一対の押付部の押し付け力によって前記一対の押付部が前記基板を前記搬送部に押し付ける。
【0008】
第4態様に係る検査システムは、第2態様に記載の検査システムにおいて、前記搬送部は、前記基板の前記幅方向の両端部に、前記基板の下面に直接接触又は無端状部材を介して接触する複数の回転体を備え、前記一対の押付部は、前記基板を挟んで前記回転体とそれぞれ対向して配置されている。
【0009】
第5態様に係る検査システムは、第2態様に記載の検査システムにおいて、前記搬送部には、前記基板の上方に配置され、前記基板の上面と接触して前記基板の前記幅方向の中央部の浮き上がりを抑制する他の押付部が設けられており、
前記他の押付部は、前記一対の吸引部に対して前記搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられている。
【0010】
第6態様に係る検査システムは、第1態様に記載の検査システムにおいて、前記噴射部と、前記一対の吸引部と、前記搬送部における前記搬送方向の中央部分は、一対の開口が形成された箱体の中に入れられており、前記一対の開口から前記搬送部における前記搬送方向の両端部分が前記箱体の外側に突出している。
【0011】
第7態様に係る検査システムは、第6態様に記載の検査システムにおいて、前記噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、前記一対の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い。
【0012】
第8態様に係る検査システムは、第6態様に記載の検査システムにおいて、前記箱体の中の気体を吸引する他の吸引部が前記搬送部の下方に設けられており、前記噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、前記一対の吸引部及び前記他の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い。
【0013】
第9態様に係る検査システムは、第1態様に記載の検査システムにおいて、前記噴射部の噴射口と、前記一対の吸引部の吸引口は、前記基板に対して同等の高さに配置されている。
【0014】
第10態様に係る検査方法は、素子が実装され、かつ該素子と複数のワイヤによりワイヤボンディングされた基板を搬送し、前記基板の上面に気体を噴射すると共に、前記気体の噴射位置に対して前記基板の搬送方向の上流側と下流側の少なくとも前記ワイヤの上方で前記気体の一部を吸引する第1工程と、前記第1工程よりも前記基板の搬送方向の下流側に設けられ、前記ワイヤに通電し、前記ワイヤの接続不良を検査する第2工程と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
第1態様に係る検査システムによれば、画像処理によりワイヤの接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤがある基板を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる。
【0016】
第2態様に係る検査システムによれば、基板の幅方向の両端部の上方に何も接触させない場合と比較して、搬送中の基板の上下動を抑制できる。
【0017】
第3態様に係る検査システムによれば、一対の押付部による基板の押し付け力よりも一対の吸引部により基板を吸引する力が大きい場合と比較して、吸引部により基板が上方に持ち上がるのを抑制できる。
【0018】
第4態様に係る検査システムによれば、一対の押付部と基板を挟んで対向する位置に何も無い場合と比較して、基板の搬送が安定化する。
【0019】
第5態様に係る検査システムによれば、基板の幅方向の中央部の上部に何も接触しない場合と比較して、吸引部により基板の幅方向の中央部が上方に持ち上がるのを抑制できる。
【0020】
第6態様に係る検査システムによれば、噴射部と、一対の吸引部と、搬送部における搬送方向の中央部分の周囲が開放されている場合と比較して、噴射部から噴射された気体が周囲に拡散されにくい。
【0021】
第7態様に係る検査システムによれば、一対の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量が噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量と同等以下の場合と比較して、噴射部により飛ばされた基板上及び素子上の埃が拡散することを抑制できる。
【0022】
第8態様に係る検査システムによれば、搬送部で搬送する基板の上方のみから気体を吸引する場合と比較して、搬送部の下方に落下した埃を箱体内から除去できる。
【0023】
第9態様に係る検査システムによれば、噴射部の噴射口の基板に対する高さと一対の吸引部の吸引口の基板に対する高さとが異なる場合と比較して、噴射口及び吸引口を基板のワイヤに接近させることができる。
【0024】
第10態様に係る検査方法によれば、画像処理によりワイヤの接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤがある基板を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る検査システムを示す概略斜視図である。
図2】第1実施形態に係る検査システムを示す正面図である。
図3】第1実施形態に係る検査システムを示す図であって、基板の搬送方向と直交する方向に沿った断面図である。
図4】第1実施形態に係る検査システムの基板の幅方向端部の一対の第1押付部を示す図であって、基板の搬送方向と直交する方向に沿った断面図である。
図5】第1実施形態に係る検査システムの基板の幅方向中央部の第2押付部を示す正面図である。
図6】第1実施形態に係る検査システムの基板の幅方向中央部の第2押付部を示す図であって、基板の搬送方向と直交する方向に沿った断面図である。
図7】基板の一例を示す平面図である。
図8】第1実施形態に係る検査システムで検査される基板の一部を示す図であって、ワイヤが良好に接続されている状態を示す平面図である。
図9】第1実施形態に係る検査システムで検査される基板の一部を示す図であって、ワイヤの接続不良が発生している状態を示す平面図である。
図10】第1実施形態に係る検査システムで検査される基板の一部を示す図であって、ワイヤの接続不良が発生している基板を搬送部により搬送する状態を示す部分構成図である。
図11】第1実施形態に係る検査システムにおいて、第1吸引部及び噴射部により、ワイヤの接続不良が発生している基板のワイヤが浮き上がった状態を示す部分構成図である。
図12】第2実施形態に係る検査システムを示す図であって、基板の幅方向中央部の第2押付部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、下記の説明で用いるX方向(+X方向、-X方向)、Y方向(+Y方向、-Y方向)、Z方向(+Z方向、-Z方向)は、図中に示す矢印方向である。また、X方向、Y方向、Z方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
【0027】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る検査システム10を示す斜視図である。また、図2は、検査システム10を示す正面図である。
【0028】
<検査システムの構成>
図1及び図2に示すように、検査システム10は、基板100を一方向(矢印A方向)に搬送する搬送部12と、基板100の上面100Aに気体を噴射する噴射部14と、を備えている。また、検査システム10は、噴射部14に対して基板100の搬送方向の上流側と下流側で気体を吸引する第1吸引部16及び第2吸引部18と、基板100の後述するワイヤ106に通電する通電部20と、を備えている。言い換えると、検査システム10では、搬送部12により搬送される基板100の搬送方向の上流側から下流側に向かって、第1吸引部16と、噴射部14と、第2吸引部18と、通電部20がこの順で設けられている。第1吸引部16及び第2吸引部18は、一対の吸引部の一例である。
【0029】
また、検査システム10は、基板100の幅方向(すなわち、搬送方向と交差する方向)の両端部を搬送部12に押し付ける一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bと、搬送部12の下方に設けられた下側吸引部24と、を備えている。また、検査システム10は、基板100の幅方向の中央部の浮き上がりを抑制する第2押付部26を備えている(図5参照)。さらに、検査システム10は、噴射部14、第1吸引部16、第2吸引部18及び基板100を搬送する搬送部12の一部を囲む箱体28を備えている。
【0030】
(搬送部)
図1及び図2に示すように、搬送部12は、基板100の下面を支持しながら一方向(矢印A方向)に搬送する機能を有する。一例として、搬送部12による基板100の搬送方向(矢印A方向)は、+X方向である。搬送部12は、基板100の幅方向(すなわち、搬送方向と交差する方向)の両端部に配置された複数の搬送ロール32と、複数の搬送ロール32に巻き掛けられた無端状のベルト34と、を備えている(図2参照)。ベルト34は、基板100の幅方向(すなわち、搬送方向と交差する方向)の両端部に設けられている。搬送ロール32は、回転体の一例である。ベルト34は、無端状部材の一例である。
【0031】
図2に示すように、複数の搬送ロール32は、基板100の下面にベルト34を介して接触している。一例として、搬送ロール32は7本であるが、搬送ロール32の本数は変更可能である。複数の搬送ロール32は、ベルト34の周回移動方向に沿って間隔をおいて配置されている。一例といて、複数の搬送ロール32の軸方向は、検査システム10のY方向に沿うように配置されている。
【0032】
一例として、基板100の搬送方向(矢印A方向)の最下流側に配置された一対の搬送ロール32の軸部32Aには、モータ36が接続されている。搬送部12では、モータ36の回転力が伝達されて最下流側の一対の搬送ロール32が軸周りに回転することで、ベルト34が矢印A方向に周回移動すると共に、他の搬送ロール32も従動回転する。これにより、ベルト34に接触する基板100が矢印A方向に搬送される。
【0033】
図3に示すように、搬送部12の幅方向両端部の外側には、一対のフレーム56が設けられている。一例として、搬送ロール32の軸部32Aは、フレーム56に図示しないベアリングを介して回転可能に支持されている。複数の搬送ロール32は、基板100の幅方向(Y方向)の両端部にそれぞれ配置されている。複数の搬送ロール32は、ベルト34を介して基板100の幅方向の両端部に接触している。一例として、搬送ロール32の軸方向(Y方向)に沿った断面視にて、搬送ロール32と基板100の重なる範囲の長さは、5mm程度である。言い換えると、複数の搬送ロール32は、基板100の幅方向の両端部の5mm程度の領域に、ベルト34を介して接触する構成とされている。
【0034】
一例として、ベルト34は、無端状の基材の外周面にゴム製の表面層が形成されたゴムベルトである。
【0035】
(噴射部)
図2に示すように、噴射部14は、搬送部12により搬送される基板100に上方から気体を噴射する機能を有する。噴射部14は、直方体状の筐体15を備えており、基板100の上方側に基板100と間隔をおいて配置されている。噴射部14の筐体15の下部には、気体を噴射する噴射口14Aが設けられており、噴射口14Aは、基板100の上面100Aと対向している。噴射口14Aは、基板100の幅方向(Y方向)の全幅と対向する範囲に設けられている。換言すると、噴射口14Aから噴射された気体は、噴射口14Aと対向する基板100における部分の幅方向の全体に当たるようになっている。
【0036】
噴射部14は、筐体15の噴射口14Aに気体を供給するダクト40と、ダクト40の内部に気体を送る送り出し用ファン42と、を備えている。ダクト40は、筐体15に接続されている。送り出し用ファン42における気体を送る側は、ダクト40における気体の送風方向上流側の端部に設けられ(接続され)ている。また、送り出し用ファン42における気体を引っ張る(迎える)側は、ダクト40とは異なる他のダクトの一端が接続されている。当該他のダクトの他端は、箱体28の外部(外側)に位置している。当該他のダクトの他端部には、筐体15の内部に埃等の異物が侵入することを抑制するためのフィルタが設けられていることが望ましい。
【0037】
噴射部14は、送り出し用ファン42の回転により、箱体28の外部からダクト40内に送られた気体を噴射口14Aに供給し、噴射口14Aから矢印Bに示す搬送部12の方向に気体を噴射する。これにより、搬送部12により搬送される基板100の上面100Aに気体が噴射される。一例として、気体は、空気である。
【0038】
例えば、噴射部14の噴射口14Aからの気体の噴出量は、520L/minである。
【0039】
(第1吸引部及び第2吸引部)
第1吸引部16及び第2吸引部18は、搬送部12により搬送される基板100の上方側で気体を吸引する機能を有する。図2に示すように、第1吸引部16は、噴射部14に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側に配置されており、第2吸引部18は、噴射部14に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の下流側に配置されている。第1吸引部16は、直方体状の筐体17を備えており、搬送部12により搬送される基板100の上方側に基板100と間隔をおいて配置されている。第2吸引部18は、直方体状の筐体19を備えており、搬送部12により搬送される基板100の上方側に基板100と間隔をおいて配置されている。第1吸引部16及び第2吸引部18は、基板100の後述するワイヤ106の上方で、噴射部14から噴射された気体の一部を吸引する。一例として、気体は、空気である。
【0040】
第1吸引部16の筐体17の下部には、気体を吸引する吸引口16Aが設けられている。吸引口16Aは、搬送部12により搬送される基板100の上面100Aと対向しており、基板100の幅方向(Y方向)の全幅と対向する範囲に設けられている。換言すると、吸引口16Aは、吸引口16Aと対向する基板100における部分の幅方向の全体から、当該部分上にある気体の全部または大半を吸引するようになっている。第1吸引部16には、筐体17に接続されると共に吸引口16Aから筐体17内に吸引された気体を送るダクト44が設けられている。
【0041】
同様に、第2吸引部18の筐体19の下部には、気体を吸引する吸引口18Aが設けられており、吸引口18Aは、搬送部12により搬送される基板100の上面100Aと対向している。換言すると、吸引口18Aは、吸引口18Aと対向する基板100における部分の幅方向の全体から、当該部分上にある気体の全部または大半を吸引するようになっている。第2吸引部18には、筐体19に接続されると共に吸引口18Aから筐体19内に吸引された気体を送るダクト45が設けられている。
【0042】
ダクト44とダクト45は、気体の送り方向下流側で合流された合流路46に接続されており、合流路46には、気体を引っ張る引張用ファン48が設けられている。引張用ファン48の回転により、基板100の上方で気体が矢印Cに示す吸引口16Aの方向に吸引されると共に、気体が矢印Cに示す吸引口18Aの方向に吸引される。
【0043】
これにより、噴射部14の噴射口14Aから噴射された気体が、搬送部12により搬送される基板100に当たり、基板100に当たった気体が基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側等に分かれて流れる。基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側に流れた気体は、引張用ファン48の回転により生じる第1吸引部16の吸引力により、吸引口16Aから吸引されてダクト44内に導入される。基板100の搬送方向(矢印A方向)の下流側に流れた気体は、引張用ファン48の回転により生じる第2吸引部18の吸引力により、吸引口18Aから吸引されてダクト45内に導入される。ダクト44及びダクト45内に導入された気体は、合流路46で合流する。合流路46で合流した気体は、引張用ファン48の気体を送る側に接続された合流路46の下流側の排出口(図示省略)から排出される。合流路46の排出口は、少なくとも箱体28の外部(外側)に位置している。このときの第1吸引部16、噴射部14及び第2吸引部18による基板100の状態については、後に説明する。
【0044】
一例として、噴射部14による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、第1吸引部16及び第2吸引部18による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い。噴射部14による単位時間当たりの気体の噴射量は、送り出し用ファン42の回転速度、及びダクト40の内径等によって調整される。第1吸引部16及び第2吸引部18による単位時間当たりの気体の吸引量は、引張用ファン48の回転速度、及びダクト44、45の内径等によって調整される。一例として、第1吸引部16及び第2吸引部18による単位時間当たりの気体の吸引量は、噴射部14による単位時間当たりの気体の噴射量の1.1倍以上2倍以下とされている。第1吸引部16及び第2吸引部18による単位時間当たりの気体の吸引量は、基板100の正常にワイヤボンディングされたワイヤが外れず、基板100上の後述するチップ102が傷つかないような吸引量に設定されている。
【0045】
図3に示すように、一対のフレーム56の上端部には、スペーサ58が設けられており、スペーサ58の上面に第1吸引部16の筐体17、噴射部14の筐体15、及び第2吸引部18の筐体19が支持されている。なお、図3では、第2吸引部18のみが図示されているが、第1吸引部16及び噴射部14も同様の構成である。つまり、第1吸引部16の筐体17、噴射部14の筐体15及び第2吸引部18の筐体19の幅方向(Y方向)の長さは、基板100の幅方向の長さよりも長い。換言すると、吸引口16A、噴射口14A及び吸引口18Aの幅方向の長さは、基板100の幅方向の長さよりも長い。また、基板100の上面と、筐体17、筐体15及び筐体19の下面(吸引口16A、噴射口14A及び吸引口18Aの下端)までの距離は、スペーサ58の厚さで決まる。例えば、スペーサ58の厚さを調整することで、第1吸引部16及び第2吸引部18の下面から基板100の上面までの距離は、1.5mm以上1.8mm以下に設定されており、第1吸引部16及び第2吸引部18の下面から基板100上のチップ102までの距離は、1.3mm以上1.6mm以下に設定されている。一例として、第1吸引部16及び第2吸引部18の下面から基板100の上面までの距離は、1.7mm程度に設定されており、第1吸引部16及び第2吸引部18の下面から基板100上の後述するチップ102までの距離は、1.5mm程度に設定されている。
【0046】
一例として、噴射部14の噴射口14Aと、第1吸引部16の吸引口16A及び第2吸引部18の吸引口18Aは、搬送部12により搬送される基板100に対して同等、同様又は同一の高さに配置されている(図2参照)。第1実施形態では、スペーサ58の厚さを調整することで、噴射部14、第1吸引部16及び第2吸引部18の下面が同等の高さとなるように、噴射部14、第1吸引部16及び第2吸引部18がスペーサ58を介してフレーム56に固定されている。ここで、同等の高さとは、-0.5mm以上+0.5mm以下の範囲である。噴射部14、第1吸引部16及び第2吸引部18は、極力、基板100のワイヤ106に接近させたいため、噴射部14、第1吸引部16及び第2吸引部18は、接続不良のワイヤ106(図11参照)が上に吸引されても当たらない位置(例えば、接続不良のワイヤ106の最大高さから1mm以上の高さ)に固定されている。
【0047】
筐体15、17、19は、連結された状態で配置されている。ダクト40と送り出し用ファン42、及びダクト44、45と引張用ファン48は、筐体15、17、19の上部に配置されたケース52内に搭載されている。
【0048】
(下側吸引部)
図1及び図2に示すように、下側吸引部24は、搬送部12の下方側で気体を吸引する機能を有する。下側吸引部24は、他の吸引部の一例である。一例として、下側吸引部24は、搬送部12を挟んで、噴射部14と第1吸引部16の一部と第2吸引部18の一部とを含む領域と対向するように配置されている。下側吸引部24は、筐体25の上部に設けられた吸引口24Aと、吸引口24Aから吸引された気体を送るダクト62と、ダクト62内の気体を引っ張る引張用ファン64と、を備えている。引張用ファン64は、ダクト62の気体の送り方向の下流側に設けられている。
【0049】
筐体25は、吸引口24Aが設けられた枠体25Aと、枠体25Aからダクト62に向かって内径が徐々に縮小されたテーパ部25Bと、を備えている。テーパ部25Bの下端部にダクト62が接続されている。吸引口24Aは、搬送部12により搬送される基板100の幅方向(Y方向)の全幅を含む範囲に設けられている。換言すると、吸引口24の幅方向の長さは、基板100の幅方向の長さよりも長い。さらに換言すると、吸引口24Aは、吸引口24Aと対向する基板100における部分の幅方向の全体から、当該部分下にある気体の全部または大半を吸引するようになっている。
【0050】
下側吸引部24は、箱体28の内部の気体を矢印に示す下方向に吸引する(図2参照)。一例として、噴射部14による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、第1吸引部16、第2吸引部18及び下側吸引部24による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い。下側吸引部24による単位時間当たりの気体の吸引量は、引張用ファン64の回転速度、及びダクト62の内径等によって調整される。一例として、第1吸引部16、第2吸引部18及び下側吸引部24による単位時間当たりの気体の吸引量は、噴射部14による単位時間当たりの気体の噴射量の1.5倍以上3倍以下とされている。
【0051】
(箱体)
図1及び図2に示すように、箱体28は、直方体状の部材であり、6面の壁を備えている。箱体28における搬送部12の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側には、一対の開口29が形成されている。第1吸引部16、噴射部14、第2吸引部18、下側吸引部24の吸引口24A、及び搬送部12における搬送方向(矢印A方向)の中央部分は、箱体28の中に入れられている。
【0052】
一例として、箱体28における一対の開口29は、搬送方向から見たときの形状が矩形状であり、搬送方向から見たときの搬送部12の外形よりも一回り大きい。搬送部12における搬送方向(矢印A方向)の両端部分(すなわち、上流側端部と下流側端部)は、箱体28の一対の開口29から箱体28の外側に突出している。
【0053】
箱体28の内部に第1吸引部16と、噴射部14と、第2吸引部16が設けられていることで、噴射部14から噴射された気体は、箱体28の一対の開口29から外部に漏れ出しにくく、噴射部14から噴射された気体の多くは第1吸引部16の吸引口16A及び第2吸引部18の吸引口18Aから吸引される。
【0054】
また、箱体28の内部に下側吸引部24の吸引口24Aが設けられていることで、箱体28の内部の気体は、搬送部12の下方の吸引口24Aから吸引される。
【0055】
(一対の第1押付部、一対の第3押付部)
図1図2及び図4に示すように、一対の第1押付部22Aは、基板100における幅方向(Y方向)の両端部を搬送部12に押し付ける機能を有する。同様に、一対の第3押付部22Bは、基板100における幅方向(Y方向)の両端部を搬送部12に押し付ける機能を有する。一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bは、それぞれ一対の押付部の一例である。一対の第1押付部22Aは、搬送部12の搬送方向(X方向)の上流側において、幅方向(Y方向)の両端部に設けられている。一対の第3押付部22Bは、搬送部12の搬送方向(X方向)の下流側において、幅方向(Y方向)の両端部に設けられている。
【0056】
一例として、一対の第1押付部22Aは、第1吸引部16に対して、基板100の搬送方向の上流側に設けられている。また、一対の第3押付部22Bは、第2吸引部18に対して、基板100の搬送方向の下流側に設けられている(図1及び図2参照)。
【0057】
一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bは、搬送部12の幅方向(Y方向)の両端部で左右対称に形成されている(図4参照)。一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bは、同様の構成であるので、ここでは、一対の第1押付部22Aについて説明する。
【0058】
図2及び図4に示すように、第1押付部22Aは、基板100の上面100Aに接触する従動回転体72と、従動回転体72を回転可能に支持する支持体74と、を備えている。さらに、第1押付部22Aは、支持体74を介して従動回転体72を搬送部12に押し付ける弾性体76と、弾性体76が取り付けられたフレーム78と、を備えている。
【0059】
支持体74は、逆U字状の板状体で構成されており、従動回転体72の軸部72Aの両端部が支持体74に回転可能に支持されている。従動回転体72の周面72Bは、基板100の上面100Aに接触しており、基板100の搬送方向(矢印A方向)への移動に伴って従動回転する。
【0060】
一例として、弾性体76は、圧縮コイルバネで構成されている。弾性体76の一端は、支持体74の上部に接触又は取り付けられており、弾性体76の他端は、フレーム78に接触又は取り付けられている。従動回転体72は、弾性体76の押し付け力(すなわち、弾性体76の弾性力)により、基板100の幅方向(Y方向)の両端部を搬送部12に押し付ける。第1実施形態では、従動回転体72は、ベルト34及び基板100を挟んで搬送ロール32と対向して配置されている。これにより、従動回転体72は、基板100の幅方向(Y方向)の両端部を、ベルト34を介して搬送ロール32に押し付ける。
【0061】
一例として、従動回転体72の幅(Y方向の幅)は、4mm以上6mm以下に設定されている。例えば、従動回転体72の幅(Y方向の幅)は、5mm程度である。なお、弾性体76は、圧縮コイルバネ以外の他の圧縮バネ、又はゴム部材などで構成されていてもよい。
【0062】
第1実施形態では、第1吸引部16及び第2吸引部18により基板100に上方の吸引力が作用している状態で、一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bにそれぞれ設けられた弾性体76の押し付け力によって従動回転体72が基板100を搬送部12に押し付けるようになっている。一例として、弾性体76による従動回転体72の基板100への押し付け力は、第1吸引部16及び第2吸引部18による基板100の吸引力よりも大きく設定されている。
【0063】
(第2押付部)
図5及び図6に示すように、第2押付部26は、搬送部12により搬送される基板100の上面100Aと接触することで、基板100の幅方向(Y方向)の中央部の浮き上がりを抑制する機能を有する。第2押付部26は、搬送部12の幅方向(Y方向)の中央部の上側に設けられている。具体的には、第2押付部26は、搬送部12により搬送される基板100の上方に配置されたロール82と、ロール82を回転可能に支持する支持フレーム84と、を備えている。
【0064】
支持フレーム84は、筐体19の幅方向(Y方向)の中央部から基板100の搬送方向(矢印A方向)の下流側に延びた棒状部84Aと、棒状部84Aの下流側の端部に設けられた支持部84Bと、を備えている。支持部84Bは、搬送方向から見たときに、逆U字状となっている。ロール82の軸部82Aの両端部は、支持部84Bに回転可能に支持されている。一例として、ロール82の周面82Bは、通常状態で基板100の上面100Aと離れて配置されており、基板100がベルト34から僅かに浮き上がったときに、基板100の上面100Aに接触する構成とされている。ロール82は、基板100の上面100Aに接触したときに、基板100の搬送方向(矢印A方向)への移動に伴って従動回転する。ロール82は、基板100の上面100Aと接触することで、基板100の幅方向(Y方向)の中央部の浮き上がりを抑制するようになっている。
【0065】
ロール82は、搬送部12により搬送される基板100の上部に設けられたチップ102と干渉しない位置に配置されている(図6参照)。第1実施形態では、ロール82がチップ102と干渉しないようにするため、ロール82は、搬送部12の幅方向(Y方向)における中心部に対して幅方向一方側にずれた位置に配置されている(図6参照)。
【0066】
ロール82の幅(Y方向の幅)は、搬送ロール32の幅(Y方向の幅)及び従動回転体72の幅(Y方向の幅)よりも小さい。一例として、ロール82の幅は、2mm以上3mm以下である。
【0067】
第2押付部26は、第1吸引部16及び第2吸引部18に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられていることが好ましい。第1実施形態では、第2押付部26は、第2吸引部18に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の下流側のみに設けられている。
【0068】
(通電部)
図1及び図2に示すように、通電部20は、基板100の後述するワイヤ106に通電することで、ワイヤ106の接続不良を検査する機能を有する。通電部20は、基板100の搬送方向(矢印A方向)の下流側に配置された第2吸引部18の下流側に設けられている。一例として、通電部20は、搬送部12により搬送される基板100の上面100Aと対向する位置に配置されている。
【0069】
図8に示すように、基板100は、素子の一例としてのチップ102が実装され、チップ102とパッド104(例えば、パッド104A、104B、104C等)とが複数のワイヤ106によりワイヤボンディングされている(図8参照)。一例として、基板100は、複数の長尺基板150を備えた集合基板であり、パッド104は、長尺基板150の長尺端子156に設けられている(図7参照)。一例として、チップ102は、LED(Light Emitting Diode)チップである。
【0070】
通電部20は、図示を省略するが、プラス側の端子と、マイナス側の端子と、を備えており、プラス側の端子とマイナス側の端子とを基板100の定められた位置に接触させて複数のワイヤ106に順番に通電する。これにより、通電部20は、複数のワイヤ106のうち、どのワイヤ106で接続不良が発生しているかを検査することができる。具体的には、一のワイヤ106の一端が接続されたチップ102の端子にマイナス側の端子を接触させ、当該一のワイヤ106の他端が接続されたパッド104Aにプラス側の端子を接触させる。その後、プラス側の端子からマイナス側の端子に向けて定められた量の電流が流れた場合は、一のワイヤ106の一端とチップ102の端子の接続、及び当該一のワイヤ106の他端とパッド104Aの接続が共に正常であることを確認できる。これに対し、プラス側の端子からマイナス側の端子に向けて定められた量の電流が流れなかった場合は、一のワイヤ106の一端とチップ102の端子の接続、及び当該一のワイヤ106の他端とパッド104Aの接続の少なくとも一方が異常であることを確認できる。
【0071】
一例として、通電部20は、箱体28の中に入れられている。
【0072】
(基板)
ここで、基板100について説明する。
【0073】
図7は、基板100を示す平面図である。図7に示すように、基板(すなわち、集合基板)100は、基板連180と、補強部材190とを含んで構成されている。基板連180は、複数の長尺基板150と、複数の連結片182とを含んで構成されている。各長尺基板150は、配線パターンが形成されたガラスエポキシ材(例えば、FR4等)の長尺な基板が積層された基板とされている。各長尺基板150は、短手方向に隣り合う長尺基板150と隙間184を形成しつつ、短手方向に隣り合う長尺基板150と長手方向の定められた位置に配置された複数の連結片182により連結されている。
【0074】
補強部材190は、基板連180の強度を補強する機能を有する。補強部材190は、捨基板192と、連結片194とを含んで構成されている。捨基板192は、基板(すなわち、集合基板)100の幅方向の両側に設けられており、捨基板192の内側には、基板連180が配置されている。捨基板192と基板連180との間には隙間195が形成されている。
【0075】
基板100を構成する長尺基板150の上面152の長尺端子156には、複数のチップ(第1実施形態では、LEDチップ)102が固定(実装)されている。複数のチップ102は、長尺端子156の長手方向に沿って千鳥状に配置されている。複数のチップ102の端子と、長尺端子156のパッド104(例えば、パッド104A、104B、104C)とは複数のワイヤ106によりワイヤボンディングされている(図8参照)。
【0076】
第1実施形態の検査システム10では、搬送部12の幅方向両端部のベルト34の上面に捨基板192を接触させた状態で、ベルト34の周回移動により基板100を搬送する。
【0077】
<第1実施形態の作用及び効果>
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
【0078】
図2等に示すように、検査システム10では、搬送部12により基板100を矢印Aに示す搬送方向に搬送する。検査システム10では、搬送部12により搬送される基板100の上面100Aに気体を噴射する噴射部14と、噴射部14に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側に配置された第1吸引部16及び第2吸引部18とが設けられている。そして、噴射部14により、基板100の上面100Aに気体を噴射すると共に、気体の噴射位置に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側の第1吸引部16及び第2吸引部18により、基板100の少なくともワイヤ106の上方で気体の一部を吸引する(検査方法の第1工程)。
【0079】
検査システム10では、噴射部14から噴射された気体が基板100の上面100Aに当たって基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側に分かれて流れ、上流側に流れた気体は第1吸引部16により吸引され、下流側に流れた気体は第2吸引部18により吸引される。つまり、噴射部14の噴射口14Aから噴射された気体は、主に2つの流れ(噴射口14A→上面100A→吸引口16Aの流れと、噴射口14A→上面100A→吸引口18Aの流れ)になる。
【0080】
さらに、検査システム10では、基板100の搬送方向における第2吸引部18の下流側に通電部20が設けられており、通電部20により基板100のワイヤ106に通電し、ワイヤ106の接続不良を検査する(検査方法の第2工程)。
【0081】
図9には、チップ102と複数のワイヤ106によりワイヤボンディングされた基板100において、1本のワイヤ106に接続不良がある場合が示されている。図9に示すように、基板100では、ワイヤ106の一端がパッド104Bに接続されていない。
【0082】
ここで、図10に示すように、接続不良のワイヤ106がある基板100を搬送部12により搬送する場合について説明する。図11に示すように、接続不良のワイヤ106がある基板100が第1吸引部16との対向位置を通過すると、噴射部14から第1吸引部16に向かう気体の流れ(噴射口14A→上面100A→吸引口16Aの流れ)により、接続不良のワイヤ106の一端106A側が浮き上がる。
【0083】
例えば、この第1吸引部16による浮き上がりが無いとすると、その後の噴射部14からの気体の噴射により、接続不良のワイヤ106は基板100の上面100Aに接触する場合がある。接続不良のワイヤ106が基板100に接触してしまうと、噴射部14から第2吸引部18に向かう気体が、接続不良のワイヤ106の下に入り込めなくなるので、第2吸引部18による接続不良のワイヤ106の上昇ができなくなる。
【0084】
第1実施形態の検査システム10では、噴射部14に対して基板100の搬送方向の上流側と下流側に第1吸引部16及び第2吸引部18が設けられている。これにより、第1吸引部16により接続不良のワイヤ106が浮き上がるため、その後の噴射部14による気体の噴射で接続不良のワイヤ106が下に下降しても、当該ワイヤ106が基板100の上面100Aに接触することが抑制される。このため、その後の噴射部14から第2吸引部18への気体の流れ(噴射口14A→上面100A→吸引口18Aの流れ)により、下降した当該ワイヤ106は、再度浮き上がる。
【0085】
このように、接続不良のワイヤ106は上方(鉛直方向上方)に浮き上がるため、隣接(水平方向で隣接)する他のワイヤ106等との電気的接触(ショート)を避けることができる。このため、接続不良のワイヤ106は、通電部20により検出できる。つまり、接続不良のワイヤ106は、従来からある基板100の電気検査と同様の通電部20により検出できるため、接触不良のワイヤを検出するための特別な装置を設ける必要がない。
【0086】
ここで、比較例の検査装置について説明する。図示を省略するが、比較例の検査装置では、第1実施形態の検査システム10のような第1吸引部16及び第2吸引部18は設けられておらず、基板100の上方に配置されたノズルを回転させ、ノズルから噴射される気体により搬送不良のワイヤ106を吹き飛ばす構成である。
【0087】
比較例の検査装置では、回転するノズルから噴射される気体により搬送不良のワイヤ106を吹き飛ばすため、接続不良のワイヤ106が隣接する他のワイヤ106に接触する虞がある。このため、比較例の検査システムでは、接続不良のワイヤ106を検出するに当たり、基板の電気検査を行う電気検査工程とは別の撮像機器(カメラなど)を用いて基板を撮影し、画像処理によりワイヤ106の接続不良を検出する工程が必要となる。撮像機器を用いた画像処理による検査は、過判定(虚報)を避けることができない。
【0088】
これに対して、第1実施形態の検査システム10では、図11に示すように、噴射部14の噴射口14Aから噴射されて第1吸引部16及び第2吸引部18に向かう気体の流れにより、接続不良のワイヤ106の一端106A側が上方に浮き上がる。このため、接続不良のワイヤ106が隣接する他のワイヤ106と接触することが抑制できる。このため、通電部20でワイヤ106に通電しても、ショートの発生を抑制できる。
【0089】
上記のような検査システム10では、通電部20により基板100のワイヤ106に通電することで、ワイヤ106の接続不良を検査することができる。このため、検査システム10では、画像処理によりワイヤ106の接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤ106がある基板100を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる。また、画像処理によりワイヤ106の接続不良を検出する場合と比較して、ワイヤ106の接続不良の誤認識(誤検出)を抑制することができる。
【0090】
また、検査システム10では、搬送部12には、基板100の幅方向(Y方向)の両端部を搬送部12に押し付ける一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bが設けられている。第1押付部22A、一対の第3押付部22Bは、第1吸引部16及び第2吸引部18に対して、基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側にそれぞれ設けられている。このため、検査システム10では、基板100の幅方向の両端部の上方に何も接触させない場合と比較して、搬送中の基板100の上下動を抑制できる。
【0091】
また、検査システム10では、第1吸引部16及び第2吸引部18により基板を吸引している状態で、一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bによる押し付け力によって一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bが基板100を搬送部12に押し付ける。具体的には、一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bでは、弾性体76の押し付け力によって一対の従動回転体72が基板100を搬送部12に押し付ける。
【0092】
基板100はその自重で搬送部12上に位置しているが、第1実施形態では、基板100に噴射部14による下向きの力と、第1吸引部16及び第2吸引部18による上向きの力が作用する。例えば、基板100に上方からの押し付けが何も無いと、基板100は、上下方向の位置が不安定になりやすいが、一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bにより基板100を搬送部12に押し付けることで、基板100の上下方向の位置を安定させることができる。このため、検査システム10では、一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bによる基板100の押し付け力よりも第1吸引部16及び第2吸引部18により基板100を吸引する力が大きい場合と比較して、第1吸引部16及び第2吸引部18により基板100が上方に持ち上がるのを抑制できる。
【0093】
また、検査システム10では、搬送部12は、基板100の幅方向(Y方向)の両端部に、基板100の下面にベルト34を介して接触する複数の搬送ロール32を備えている。一対の第1押付部22A、一対の第3押付部22Bは、基板100及びベルト34を挟んで搬送ロール32とそれぞれ対向して配置されている。このため、検査システム10では、一対の第1押付部22A、一対の第1押付部22Bと基板100を挟んで対向する位置に何も無い場合と比較して、基板100の搬送が安定化する。
【0094】
また、検査システム10では、搬送部12には、基板100の上方に配置され、基板100の上面100Aと接触して基板100の幅方向(Y方向)の中央部の浮き上がりを抑制する第2押付部26が設けられている。第2押付部26は、第1吸引部16及び第2吸引部18に対して基板100の搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられている。このため、検査システム10では、基板100の幅方向の中央部の上部に何も接触しない場合と比較して、第1吸引部16及び第2吸引部18により基板100の幅方向の中央部が上方に持ち上がるのを抑制できる。
【0095】
また、検査システム10では、噴射部14と、第1吸引部16及び第2吸引部18と、搬送部12における基板100の搬送方向(矢印A方向)の中央部分は、一対の開口29が形成された箱体28の中に入れられている。そして、一対の開口29から搬送部12における基板100の搬送方向の両端部分が箱体28の外側に突出している。このため、検査システム10では、噴射部14と、第1吸引部16及び第2吸引部18と、搬送部12における基板100の搬送方向の中央部分の周囲が開放されている場合と比較して、噴射部14から噴射された気体が周囲に拡散されにくい。つまり、気体が第1吸引部16及び第2吸引部18に吸引されずに周囲に拡散されることが抑制される。
【0096】
また、検査システム10では、噴射部14による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、第1吸引部16及び第2吸引部18による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い。このため、検査システム10では、搬送部12で搬送する基板100の上方のみから気体を吸引する場合と比較して、搬送部12の下方に落下した埃を箱体28内から除去できる。
【0097】
また、検査システム10では、箱体28の中の気体を吸引する下側吸引部24が搬送部12の下方に設けられている。噴射部14による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、第1吸引部16及び第2吸引部18及び下側吸引部24による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い。このため、検査システム10では、搬送部12で搬送する基板100の上方のみから気体を吸引する場合と比較して、搬送部12の下方に落下した埃を箱体28内から除去できる。
【0098】
また、検査システム10では、噴射部14の噴射口14Aと、第1吸引部16の吸引口16Aと、第2吸引部18の吸引口18Aは、搬送部12により搬送される基板100に対して同等の高さに配置されている。このため、検査システム10では、噴射部14の噴射口14Aの基板100に対する高さと、第1吸引部16の吸引口16A及び第2吸引部18の吸引口18Aの高さとが異なる場合と比較して、噴射口14A及び吸引口16A、18Aを基板100のワイヤ106に接近させることができる。
【0099】
また、検査方法は、チップ102が実装され、かつチップ102と複数のワイヤ106によりワイヤボンディングされた基板100を搬送し、基板100の上面に気体を噴射すると共に、気体の噴射位置に対して基板100の搬送方向の上流側と下流側の少なくともワイヤ106の上方で気体の一部を吸引する第1工程を有する。さらに、検査方法は、第1工程よりも基板100の搬送方向の下流側に設けられ、ワイヤ106に通電し、ワイヤ106の接続不良を検査する第2工程を有する。このため、検査方法では、画像処理によりワイヤ106の接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤ106がある基板100を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる。
【0100】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の検査システムについて説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0101】
図12に示すように、第2実施形態の検査システム200では、第1吸引部16及び第2吸引部18に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側の両方に、第2押付部26が設けられている。第2押付部26の構成は、第1実施形態の検査システム10の第2押付部26の構成と同様である。
【0102】
上記の検査システム200では、第1吸引部16及び第2吸引部18に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側の両方に、第2押付部26が設けられている。第2押付部26は、基板100の上方に配置されており、ロール82が基板100の上面100Aと接触して基板100の幅方向(Y方向)の中央部の浮き上がりを抑制する。
【0103】
このため、検査システム10では、基板100の幅方向の中央部の上部に何も接触しない場合と比較して、第1吸引部16及び第2吸引部18により基板100の幅方向の中央部が上方に持ち上がるのを抑制できる。また、第2押付部26が第1吸引部16及び第2吸引部18に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側又は下流側に設けられている場合と比べて、第1吸引部16の上流側と第2吸引部18の下流側の両方で、基板100の幅方向の中央部が上方に持ち上がるのを抑制できる。
【0104】
〔補足説明〕
第1実施形態の検査システム10において、搬送部12の構成は変更可能である。例えば、搬送部は、基板100の幅方向の両端部に、基板100の下面に直接接触する複数の回転体を備える構成でもよい。
【0105】
第1実施形態の検査システム10では、通電部20は、箱体28の内部に配置されているが、本開示は、この構成に限定されるものではない。通電部20は、箱体28の外側に配置してもよい。
【0106】
第1実施形態の検査システム10では、第1押付部22A、22Bは、従動回転体72を備えているが、本開示は、この構成に限定されるものではない。例えば、摺動板(基板100に対する摩擦力を少なくした平板)などの押付部を設ける構成でもよい。また、第1押付部22A、22Bは、弾性体76に代えて、エアーシリンダ、又はロボシリンダで押し付けを行う構成でもよい。
【0107】
第1実施形態の検査システム10では、第2押付部26を構成するロール82の周面82Bは、基板100の上面100Aと離れているが、本開示は、この構成に限定されるものではない。例えば、第2押付部26を構成するロール82の周面82Bが基板100の上面100Aに常時接触する構成でもよい。
【0108】
第1実施形態の検査システム10では、第2押付部26が第1吸引部16に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の下流側のみに設けられており、第2実施形態の検査システム200では、第2押付部26が第1吸引部16及び第2吸引部18に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側と下流側の両方に設けられているが、本開示は、この構成に限定されるものではない。例えば、第2押付部26が第1吸引部16に対して基板100の搬送方向(矢印A方向)の上流側のみに設けられている構成でもよい。
【0109】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0110】
〔付記〕
(((1)))
素子が実装され、かつ該素子と複数のワイヤによりワイヤボンディングされた基板を搬送する搬送部と、
該搬送部により搬送される該基板の上面に気体を噴射する噴射部と、
該噴射部に対して該基板の搬送方向の上流側と下流側に設けられ、少なくとも該ワイヤの上方で該気体の一部を吸引する一対の吸引部と、
下流側の該吸引部の下流側に設けられ、該ワイヤに通電する通電部と、
を有する検査システム。
【0111】
(((2)))
前記搬送部には、前記基板における前記搬送方向と交差する幅方向の両端部を前記搬送部に押し付ける一対の押付部が設けられており、
前記一対の押付部は、前記一対の吸引部に対して、前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられている(((1)))に記載の検査システム。
【0112】
(((3)))
前記一対の吸引部により前記基板を吸引している状態で、前記一対の押付部の押し付け力によって前記一対の押付部が前記基板を前記搬送部に押し付ける(((2)))に記載の検査システム。
【0113】
(((4)))
前記搬送部は、前記基板の前記幅方向の両端部に、前記基板の下面に直接接触又は無端状部材を介して接触する複数の回転体を備え、
前記一対の押付部は、前記基板を挟んで前記回転体とそれぞれ対向して配置されている(((2)))又は(((3)))に記載の検査システム。
【0114】
(((5)))
前記搬送部には、前記基板の上方に配置され、前記基板の上面と接触して前記基板の前記幅方向の中央部の浮き上がりを抑制する他の押付部が設けられており、
前記他の押付部は、前記一対の吸引部に対して前記搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられている(((1)))から(((4)))までのいずれか1つに記載の検査システム。
【0115】
(((6)))
前記噴射部と、前記一対の吸引部と、前記搬送部における前記搬送方向の中央部分は、一対の開口が形成された箱体の中に入れられており、
前記一対の開口から前記搬送部における前記搬送方向の両端部分が前記箱体の外側に突出している(((1)))から(((5)))までのいずれか1つに記載の検査システム。
【0116】
(((7)))
前記噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、前記一対の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い(((1)))から(((6)))までのいずれか1つに記載の検査システム。
【0117】
(((8)))
前記箱体の中の気体を吸引する他の吸引部が前記搬送部の下方に設けられており、
前記噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量よりも、前記一対の吸引部及び前記他の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量の方が多い(((1)))から(((6)))までのいずれか1つに記載の検査システム。
【0118】
(((9)))
前記噴射部の噴射口と、前記一対の吸引部の吸引口は、前記基板に対して同等の高さに配置されている(((1)))から(((8)))までのいずれか1つに記載の検査システム。
【0119】
(((10)))
素子が実装され、かつ該素子と複数のワイヤによりワイヤボンディングされた基板を搬送し、前記基板の上面に気体を噴射すると共に、前記気体の噴射位置に対して前記基板の搬送方向の上流側と下流側の少なくとも前記ワイヤの上方で前記気体の一部を吸引する第1工程と、
前記第1工程よりも前記基板の搬送方向の下流側に設けられ、前記ワイヤに通電し、前記ワイヤの接続不良を検査する第2工程と、
を有する検査方法。
【0120】
(((1)))に記載の検査システムによれば、画像処理によりワイヤの接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤがある基板を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる。
【0121】
(((2)))に記載の検査システムによれば、基板の幅方向の両端部の上方に何も接触させない場合と比較して、搬送中の基板の上下動を抑制できる。
【0122】
(((3)))に記載の検査システムによれば、一対の押付部による基板の押し付け力よりも一対の吸引部により基板を吸引する力が大きい場合と比較して、吸引部により基板が上方に持ち上がるのを抑制できる。
【0123】
(((4)))に記載の検査システムによれば、一対の押付部と基板を挟んで対向する位置に何も無い場合と比較して、基板の搬送が安定化する。
【0124】
(((5)))に記載の検査システムによれば、基板の幅方向の中央部の上部に何も接触しない場合と比較して、吸引部により基板の幅方向の中央部が上方に持ち上がるのを抑制できる。
【0125】
(((6)))に記載の検査システムによれば、噴射部と、一対の吸引部と、搬送部における搬送方向の中央部分の周囲が開放されている場合と比較して、噴射部から噴射された気体が周囲に拡散されにくい。
【0126】
(((7)))に記載の検査システムによれば、一対の吸引部による単位時間当たりの気体の吸引量が噴射部による単位時間当たりの気体の噴射量と同等以下の場合と比較して、噴射部により飛ばされた基板上及び素子上の埃が拡散することを抑制できる。
【0127】
(((8)))に記載の検査システムによれば、搬送部で搬送する基板の上方のみから気体を吸引する場合と比較して、搬送部の下方に落下した埃を箱体内から除去できる。
【0128】
(((9)))に記載の検査システムによれば、噴射部の噴射口の基板に対する高さと一対の吸引部の吸引口の基板に対する高さとが異なる場合と比較して、噴射口及び吸引口を基板のワイヤに接近させることができる。
【0129】
(((10)))に記載の検査方法によれば、画像処理によりワイヤの接続不良を検出する場合と比較して、接続不良のワイヤがある基板を通電検査より後工程に流してしまうことを抑制することができる。
【符号の説明】
【0130】
10 検査システム
12 搬送部
14 噴射部
14A 噴射口
16 第1吸引部(一対の吸引部の一例)
16A 吸引口
18 第2吸引部(一対の吸引部の一例)
18A 吸引口
20 通電部
22A 一対の第1押付部(一対の押付部の一例)
22B 一対の第3押付部(一対の押付部の一例)
24 下側吸引部(他の吸引部の一例)
26 第2押付部(他の押付部の一例)
28 箱体
29 開口
32 搬送ロール(回転体の一例)
34 ベルト(無端状部材の一例)
82 ロール
100 基板
100A 上面
102 チップ(素子の一例)
106 ワイヤ
200 検査システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12