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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136275
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】テープ貼付器及びテープ送出装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B65H35/07 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047350
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】309030539
【氏名又は名称】有限会社アイツォー研究所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 栄造
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062BA03
3F062BA04
3F062BC02
3F062BD03
3F062BE02
3F062BG02
3F062BG07
(57)【要約】
【課題】片手で操作が出来、小型でテープの貼り付けに失敗がなく「しわ」のない綺麗なテープを貼り付けることが出来、貼り終わるとテープが切断されるテープ貼付器を構築することにある。
【解決手段】
本発明に係るテープ送出装置は、引出ローラを回転させることでテープを引き出し、これに続く剥離ローラと推進体と屈曲形成部とによって、被貼付面に貼付られたテープにしわが出ないようにするための中央の一定幅に平面部分と、テープに送出方向に対する剛性を付与させて順方向に推進させための両端の屈曲部分とを保持した屈曲後のテープを、被貼付面方向へ前進させテープの先の一定長さを常に剥離状態にすることができる。従って、このテープ送出装置を用いると、テープの先端を被貼付面上に送出して溜め置き、「しわ」の無い綺麗なテープの貼付が可能であり、テープの貼付が終了した後テープを切断することができるテープ貼付器を構成することができる。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープロールからテープ(56)を引き出すための引出ローラ(26)と、
前記引出ローラ(26)から引出された前記テープ(56)の中央部を平面とし、両端部分を上方に向けて屈曲させるための屈曲形成部とを備えたことを特徴とするテープ送出装置。
【請求項2】
軸芯に巻かれた前記テープ(56)を順方向に送り出すためのテープ送出装置であって、
前記テープ(56)と共に回転する略円筒状の前記引出ローラ(26)と、
該引出ローラの回転と連動して回転することで前記テープ(56)の先を自身から剥離させながら順送りするための剥離ローラ(28)と、
前記引出ローラ(26)と前記剥離ローラ(28)とを連結すると共に前記テープ(56)を搬送するための駆動連結体と、
前記引出ローラ(26)によりテープロールから引き出された前記テープ(56)の中央部を平面にとし、両端部分を上方に向けて屈曲させるための推進体の縁部(30)と、
前記屈曲形成部とを備えたことを特徴とするテープ送出装置。
【請求項3】
前記屈曲形成部が、前記テープ(56)の送り出しと共に回転する回転部材で構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のテープ貼付器。
【請求項4】
前記テープ(56)の前記中央の平面部分(x1)の長さを占める割合を、
前記テープ(56)の全幅に対して40%から90%の範囲とし、
屈曲後の前記テープ(56)の前記中央の前記平面部分(x1)に対しての両端の屈曲角度(k1)を、
20°以上、89°以内の範囲にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のテープ送出装置。
【請求項5】
前記剥離ローラ(28)と、前記屈曲形成部の接触面(29)と、推進ローラ(36)と、テンションローラ(44)とを備え、
前記剥離ローラ(28)と、
前記屈曲形成部の前記接触面(29)と、
前記推進ローラ(36)と、
前記テンションローラ(44)とは表面に凹凸が設けられた形状を具備するテープ送出装置。
【請求項6】
請求項1に記載のテープ送出装置と、
前記引出ローラ(26)は該引出ローラと共に一体に回転するピニオンギア(2b)を更に備え、
ケース(10)は前記ピニオンギア(2b)を回転駆動させるための駆動ラックギア(18)とを含む駆動ユニット(1x)を更に備え、
前記駆動ラックギア(18)は駆動軸(17)を有すると共に前記ピニオンギア(2b)の歯と係合するための多数の前記歯(20)を連設し、
前記駆動ラックギア(18)の前記歯(20)は前記ピニオンギア(2b)の歯と係合するための係合面(1L)を有し、
前記駆動ラックギア(18)の往復動により、前記ピニオンギア(2b)を順方向に回転させるようにしたことを特徴とするテープ貼付器。
【請求項7】
前記駆動ラックギア(18)の前記駆動軸(17)を、
連設された前記歯(20)の最後尾よりも矢印(Dx)方向であり、
前記係合面(1L)の矢印(D1)方向の末端との垂線(2L)上もしくは、更に前記矢印(D1)方向側に配設したことを特徴とする請求項6記載のテープ貼付器。
【請求項8】
請求項1に記載のテープ送出装置と、
前記テープ(56)を切断するための切断刃(88)を有し、
前記切断刃(88)は、中心対称軸を有し、
刃先の中央を前記切断刃(88)の切断方向に突起させた三角形状とすることを特徴とするテープ貼付器。
【請求項9】
請求項1に記載のテープ送出装置と、
貼付ユニット(7x)とシャーシ(5x)とのいずれか一方と、
前記駆動ユニット(1x)との間に相互に反発して前記駆動ユニット(1x)を元の位置の方向へ付勢する作動ばね(61)を備えることを特徴とするテープ貼付器。
【請求項10】
請求項1に記載のテープ送出装置と、
前記シャーシ(5x)の一部にストッパー(72)を有する駆動制御体(6x)を備え、
前記ケース(10)と、
該ケースに連結された前記駆動ユニット(1x)とのいずれか一方に対し、
前記ストッパー(72)を係合させ、テープ貼付器の駆動を停止させるようにしたことを特徴とするテープ貼付器。
【請求項11】
請求項1に記載のテープ送出装置と、前記貼付ユニット(7x)を備え
該貼付ユニットは自身から前記推進部材(34)を開閉するための開閉爪(79)を有し、
前記推進部材(34)は切断部(8x)を回転保持すると共に鈎爪(46)を有し、
前記開閉爪(79)と前記鈎爪(46)とを掛け外し自在に備えたことを特徴とするテープ貼付器。
【請求項12】
請求項1に記載のテープ送出装置と、
前記テープ(56)を回転保持すると共に前記テープ送出装置を支持するテープ保持体(59)と、
前記テープ保持体(59)に支持され、前記テープ(56)を被貼付面(1a)に押圧しながら接触させるための貼付ローラ(75)と、
前記切断刃(88)を有する前記貼付ユニット(7x)と、
前記テープ保持体(59)を収納する前記ケース(10)とを具備し、前記テープ(56)の先を剥離状態で溜め置くようにしたテープ貼付器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片手で簡単に粘着テープ(以下、特に明示する場合を除き「テープ」という。)を貼り付けることができ、小型でしかも貼り始めに失敗なく「しわ」などなく綺麗にテープを貼るようにしたテープ貼付器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示す従来のテープ送出装置により中空を進行させてテープを被貼付方向へと送出する貼付器の場合、腰の弱いテープや、平坦な状態のテープを送出するとテープが出口付近の送出ローラに巻き込んだり、下垂れしたりして中空を真っすぐ送出することは出来ないため、テープに剛性を付与させてテープを真っ直ぐに進行させるために、引出ローラや成形ローラなどにより、テープの進行方向に対し垂直に凹凸の波形状や凹字形状に成形しながら被貼付面へとテープを送出していた。それにより成形後のテープは元幅よりも幅狭になっているため、被貼付面に貼り付けられるたテープには「しわ」が出来、綺麗に貼れないという欠点があった。また、使用テープの幅が広くなると、テープの送出機構や切断機構も大きくなりテープ貼付器全体が大きくなるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4793608号
【0004】
[従来のテープ送出装置]
まず、一例として従来のテープ送出装置の全体の構成とその動作と問題点を簡単に説明する。図25は主要部品以外を省略した従来のテープ貼付器hを表しており、図25(a)はテープ送出装置2xからテープを引き出した直後の側面図であり、図25(b)は、被貼付面1a上にテープを接着したときの側面図であり、図25(c)は、テープの幅の比較及び図25(a)及び(b)の上面図であり、図25(d)は、図25(a)のテープ56をA-A線方向に見た図である。テープ貼付器hは、大きく3つに分けられ、ロール状のテープ56とテープ送出機装置2xと貼付ローラ75からなるテープ貼付器を主要部品とする。テープ送出装置2xは、テープ56と共に回転する円盤状のローラを複数有した略円筒状の引出ローラ50と、引出ローラ50の回転とテープ56を剥離させながら中空を順送りするための円盤状のローラを複数有した略円筒状の剥離成形ローラ52と、テープ56はテープ保持軸60の周りに、引出ローラ50を軸51の周りに、剥離成形ローラ52を軸53の周りにそれぞれ回転保持する。
【0005】
テープ貼付器hでは、引出ローラ50の外周面にはテープ56が接着しており、引出ローラ50を矢印Y3方向に回転し、剥離成形ローラ52を矢印Y4方向に回転させて引出ローラ50によりテープ56を矢印Y2の、貼付ローラ75と被貼付面1a方面向の接する方向に送出する。テープ56は引出ローラ50と、剥離成形ローラ52とにより、テープ56の進む方向に対してテープ56の垂直の断面形状は、図25(d)の屈曲後のテープ5aのような凹凸の波形状に成形されながら剛性を付与され、引出ローラ50から剥離されて中空を被貼付面1a方向へと送出される。
【0006】
図25(b)は、被貼付面1a上にテープを接着したときの側面図であり、貼付ローラ75は絶えず被貼付面1aに押しつけられた状態で、引出ローラ50をさらに回転させながら、テープ56と、引出ローラ50と、剥離成形ローラ52と、貼付ローラ75とを矢印Y1方向へ移動し、テープ56の先端はさらに前進して貼付ローラ75により被貼付面1a上に押圧されながら接着されていく。引出ローラ50と、剥離成形ローラ52の間を通過したテープ56の幅6e(図25(d)に示す)は、自身の6dの元幅よりも狭幅になっている。そのため、貼付ローラ75により、被貼付面1a上に押圧され接着されたテープ56には、しわ5b(図25(c)に示す)ができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
梱包や包装などに多く使われる従来のテープ貼付器は、テープの先が常に貼付器よりはみ出したままの器具も多く、テープの先が周囲のものや、テープの粘着面どおしが接着したりしてテープを貼り付けることが出来なくなったり、またテープの先がテープロールに巻き戻ってしまい、テープの先を剥がそうとすると切断刃が鋸歯状である場合にはテープの切断線がギザギザの鋸刃状であるため、切断線の谷部からテープが斜めに裂けてしまったりして、処理のため作業の妨げになっていた。
【0008】
また近年テープの引き出し、貼付、切断という一連の動作を行え、片手で簡単にテープを貼付可能なテープ貼付器もあるが、従来使用されているテープ送出装置によると、特に幅広のテープや肉厚の薄いテープ、腰の弱い柔軟なテープになると、テープ送出装置によりテープロールよりテープを引き出した後、中空を進行させてテープを貼付面方向へと送出する貼付器の場合、テープ送出装置を出たテープに剛性を付与させるために、引出ローラや数々の成形ローラ及などによりテープを凹凸の波形状や凹字形状に成形して貼付面へテープを送出していた。そのため、成形後のテープは元の幅よりも狭幅になったテープを被貼付面に貼付られるため、テープにしわが出来、綺麗に貼れないという欠点があった。またテープロールの幅や外形の大きなテープを使用する場合貼付器も大きくなるため、テープ送出装置やテープ送出装置を駆動させるための駆動機構などもより小型にする必要がある。
【0009】
このようなテープ貼付器を実現するためには、テープの保持、テープの送り出しと貼り付け、切断という一連の動作をより小型の機構により効率良くテープを引き出し片手でスムーズにしかも確実に行ない、しわの出来ない綺麗なテープが貼れる特別なテープ送出装置及び駆動機構が必要となる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、新規なテープ送出装置及び駆動機構を含んだテープ貼付器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るテープ送出装置は、軸芯に巻かれたテープ56を順方向に送り出すためのテープ送出装置であって、前記テープ56と共に回転する引出ローラ26と、前記引出ローラ26の回転と連動して回転することで前記テープ56の先を自身から剥離させながら順送りするための剥離ローラ28と、前記引出ローラ26から引出された前記テープ56の中央部を平面とし、両端部分を上方に向けて屈曲させるための屈曲形成部4yなどと共に全体として前記テープ送出装置2xを具備する。被貼付面1aに貼付られた前記テープ56にしわが出来ないようにするため、前記引出ローラ26によりテープロールから引き出された前記テープ56の中央部を平面とし、進行方向に対する両端部分を、前記屈曲形成部4yの接触面29によって、上方に向けて屈曲させて成形しながら貼付ローラ75の背後の前記被貼付面1a上に前記テープ56を送出し溜め置くようにしたテープ前記送出装置2xを構成する。
【0012】
この前記テープ送出装置2xは本発明に係るテープ貼付器を実現するための独立した主要な構成部品であり、使用に際しては、テープ保持体59の一部及び貼付ユニット7xに取り付けられる。なお、本発明において単に「テープ」というときは、軸芯にロール状に巻かれたテープを意味し、厚みや材質或いは幅などを問わない。また、粘着面は片面に限らず、両面に粘着部を持つ両面テープや表面側に剥離紙のついた両面テープタイプを含むものとする。
【0013】
本発明に係るテープ貼付器は、前記テープ送出装置2xと、前記テープ56を回転保持すると共に前記テープ送出装置2xを支持する前記テープ保持体59と、前記テープ保持体59に支持され、前記テープ56を前記被貼付面1aに押圧しながら接触させるための前記貼付ローラ75と切断刃88を有する前記貼付ユニット7xと、前記テープ保持体59を収納するケース10とを具備し、前記テープ56の先を前記テープ送出装置2x側の前記貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する方向へ送出し、前記貼付ローラ75により、前記テープ56を前記被貼付面1a上に貼り付けられた後、切断部8xにより前記テープ56を切断するようにしたテープ貼付器を構成する。
【発明の効果】
【0014】
従来のテープ貼付器は特に幅広のテープや腰の弱いテープを使用した場合、前記被貼付面1a上に前記テープ56を中空を進行させ送出するとき、予め前記テープ56の送出方向に対する剛性を付与させるため、前記テープ56の進行方向に対して直角の断面形状を凹字形状や、凹凸の波状に成形し、テープの元幅よりも狭幅になったテープを接着している。そのため、前記被貼付面1a上に接着された前記テープ56には、しわ5bが出来るという欠点があった。
【0015】
本発明に係る前記テープ送出装置によると、引出ローラを回転させることでテープを引き出し、これに続く剥離ローラと推進体と屈曲形成部とによって、前記テープ56の両端の一定幅を常に連続的に屈曲させながら順送りすることが出来、前記テープ56の両端以外は平坦な形状でテープの先端を被貼付面上に送出してテープの先の一定長さを常に剥離状態で溜め置くことが出来る。その後貼付ローラによって被貼付面上に貼り付けられたテープには「しわ」の無い綺麗なテープの貼付が可能であり、テープの貼付が終了した後テープを切断できるテープ貼付器を構成できる。特に、テープを貼付てから切断するまでの一連の動作において指先がテープの粘着面に触れることがなく、簡単な片手の操作だけでテープを貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】テープ貼付器の一例であり、(a)ケースと貼付ユニットとの一部を省略した側面図、(b)図1(a)のA-A線の断面を矢印方向に見た上面図。
図2図1のテープ貼付器の分解斜視図。
図3】(a)図1のテープ貼付器を展開した斜視図、(b)図1のテープ貼付器を展開した他の斜視図。
図4】(a)テープ送出装置の一例を示す斜視図、(b)図4(a)の中央部を断面とする側面図、(c)図4(b)を上方から見た図、(d)図4(b)を左側から見た前面図、(e)図4(a)の他の推進体とテープのみを示す斜視図。
図5】両面接着テープ用送出装置の一例を示す斜視図、(a)テープ送出装置の他の一例を示す側面図、(b)図5(a)を上方から見た図、(c)図5(a)を左側から見た前面図。
図6】成形後のテープの状態を示す断面図。
図7】(a)駆動ラックギアとピニオンギアとの噛合の一例を示す側面図、(b)図7(a)の他の駆動ラックギアとピニオンギアとの噛合の一例を示す側面図。
図8】切断部の一例を示す斜視図、
図9】切断部の板ばねアームの変化の一例を示す図、(a)駆動爪が板ばねアームを通過する前の側面図、(b)駆動爪が板ばねアームを通過中の側面図、(b1)図9(b)を上方から見た図、(c)駆動爪が板ばねアームを通過した後の側面図、(c1)図9(c)を上方から見た図、(d)駆動爪が戻るときの側面図。
図10図1のテープ貼付器の展開図、(a)貼付ユニットと一部省略したケースとを開いた側面図、(b)図10(a)の貼付ユニットを閉じた側面図、(c)図10(b)のケースを閉じた側面図。
図11】駆動制御体の一例を示す側面図、(a)駆動制御体が収納部に収納されたときの側面図、(b)図11(a)の駆動制御体を回転させたときの側面図、(c)図11(b)の駆動制御体が閉じ、ケースの駆動を止めるたときの側面図。
図12】駆動制御体の他の一例を示す側面図、(a)駆動制御体が収納部に収納されたときの側面図、(b)図12(a)の駆動制御体を移動させた側面図、(c)図12(b)駆動制御体がケースの駆動を止めたときの側面図。
図13図1のテープ貼付器の作動状況の一例を示す図、(a)ケースと貼付ユニットとの一部を省略して全体を示す側面図、(b)図13(a)においてテープ送出後の一部を示す側面図、(c)図13(a)においてテープ貼付時の一部を示す側面図、(d)図13(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図。
図14】テープ貼付器他の他の形状の一例を示す図、(a)ケースと貼付ユニットとの一部を省略して全体を示す側面図、(b)図14(a)においてテープ送出後の一部を示す側面図、(c)図14(a)においてテープ貼付時の一部を示す側面図、(d)図14(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図。
図15図14のテープ貼付器の展開図、(a)貼付ユニットを閉じた側面図、(b)図15(a)の貼付ユニットを開いた側面図。
図16】テープ貼付器の他の一例を示す側面図。
図17図16のテープ貼付器の作動状況の一例を示す図、(a)ケースと貼付ユニットとの一部を省略して全体を示す側面図、(b)図17(a)においてテープ貼付時の一部を示す側面図、(c)図17(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図。
図18図16のテープ貼付器のレバーと駆動ラックギアピニオンギアとの部分側面図。
図19図16のブレーキユニットの作動の状態を順に示した図、(a)レバーの軸にブレーキユニットが保持された状態を示す図、(b)図19(a)においてブレーキユニットを調節する状況を示す図、(c)図19(a)においてブレーキパッドがテープロールの内側に圧接した状態を示す図。
図20図16の駆動制御体と駆動ユニットの駆動ラックギアとの関係を示した側面の断面図、(a)駆動制御体が駆動ラックギアの動作を解放した状態を示す側面図、(b)図20(a)において、駆動制御体が駆動ラックギアに接触を示した図、(c)図20(a)において、駆動制御体が駆動ラックギアの駆動を止めた状態を示した図。
図21図16の切断部を保持した推進部材の開閉を示す側面図、(a)図16の貼付ユニットと、切断部と、推進部材との一部を省略して示す側面図、(b)図21(a)の貼付ユニットから推進部材を開いた様子を、A-A線の断面を矢印方向に見た断面図、(c)図21(b)において推進部材が貼付ユニットに係合したときの断面図、(d)図21(b)において推進部材と貼付ユニットとが閉じたときの断面図。
図22図16のテープ貼付器の展開図、(a)貼付ユニットを閉じた側面図、(b)図22(a)の貼付ユニットを開いた側面図。
図23】テープ貼付器の他の作動状況の一例を示す図、(a)ケースと貼付ユニットとの一部を省略して全体を示す側面図、(b)図23(a)においてテープ貼付時の一部を示す側面図、(c)図23(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図。
図24図23のテープ貼付器の展開図、(a)貼付ユニットを閉じた側面図、(b)図24(a)の貼付ユニットを開いた側面図。
図25】主要部品以外を省略して全体を示す、従来のテープ送出装置作動状況の一例を示す図、(a)テープ送出装置からテープを引き出した直後の側面図、(b)被貼付面にテープが接着する様子の側面図、(c)接着前と、接着後のテープの幅の比較及び(a)及び(b)の上面図、(d)図24(a)のA-A線の断面を矢印方向に見た上面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、一例としてテープ貼付器の全体の構成とその動作を簡単に説明する。
【0018】
図1は、テープ貼付器1hを表している。図1(a)は、ケースと貼付ユニットとの一部を省略した側面図であり、図1(b)は、図1(a)のA-A線の断面を矢印方向に見た上面図である。テープ貼付器1hは、大きく3つに分けられ、ロール状のテープ56とテープ送出装置2xとを有するシャーシ5xと、駆動ユニット1xを有するケース10と、貼付ローラ75と切断部8xと、テープ送出装置2xの推進体3yとしての推進部材34を有する貼付ユニット7xとを備える。各構成の詳細は後述するが、テープ貼付器1hでは、ケース10とシャーシ5xとが作動ばね61で付勢して連結される。そして、ケース10を、矢印Y1の方向(図13に示す)、つまり、作動ばね61の付勢に抗して押圧すると、テープ送出装置2xの引出ローラ26が回転してテープ56を引き出し、テープ56をテープ送出装置2x側の貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する方向へ送出する。そして、Y1の押圧を取り除くと、ケース10を元の位置に戻すと同時に、切断部8xでテープ56を切断する。駆動ユニット1xは、適宜構成や配設箇所を変更することができる。
【0019】
図2は、図1のテープ貼付器の分解斜視図である。テープ貼付器1hは、図2に示すように、各部材を簡単に組み立てて製造することができる。図3(a)は、図1のテープ貼付器を展開した斜視図であり、図3(b)は、図1のテープ貼付器を展開した他の斜視図である。テープ貼付器1hは、まず、ケース10を軸11の周りに回転させて開けた後、貼付ユニット7xをCの方向、つまり、軸62の周りに回転させて開けることができる。このテープ貼付器には、テープを順方向に送り出すためのテープ送出装置を備えている。以下に、その構成について詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
[片面接着テープ及び剥離紙付両面テープ用テープ送出装置]
図4(a)は、テープ送出装置を説明する斜視図であり、図4(b)は、図4(a)のテープ送出装置の中央部を断面とする側面図であり、図4(c)は、図4(b)のテープ送出装置の上面図であり、図4(d)は、図4(b)のテープ送出装置の左側から見た前面図であlり、(e)は、図4(a)の他の推進体とテープのみを示す斜視図である。
【0021】
テープ送出装置2xは、粘着面を内側に有するテープ56と共に回転する略円筒状の引出ローラ26と、引出ローラ26の回転と前記テープ56を剥離させながら順送りするための剥離ローラ28と、テープ56の進む方向に対してテープ56を推進可能にするためにテープ56の両端を上方に屈曲成形させながら順送りするための推進体3yとしての推進部材34と、回転部材である屈曲形成部4yとしての成形ディスク39からなるテープ送出装置を主要部品とする。
【0022】
このテープ送出装置が、テープ保持体59の一部に設けられたローラ保持部25、テープ56を引出ローラ26の周囲にしっかり接着させるためのテンション体43、などと共に全体として「テープ送出装置」を構成している。
【0023】
テンション体43は、引出ローラ26の上方に、テープ56を通す間隙を設けて配置される。推進体3yとしての推進部材34は、剥離ローラ28の上方に、テープ56を通す間隙を設けて送出する方向に沿って配置される。引出ローラ26及び剥離ローラ28は、駆動連結体2yとしてのベルト33によって相互に連結及び連動して同一方向に回転することができる。屈曲形成部4yとしての成形ディスク39は、推進部材34の外側に、テープ56を通す間隙を設けて送出する方向に沿って配置される。推進部材34はテープ56の進む方向と平行な平面を有し、一方、剥離ローラ28は推進部材34の下面と平行な円筒状の外周面を有する。引出ローラ26及び剥離ローラ28は、略円筒形でベルト溝32を有しベルト33によって相互に連結及び連動して同一方向に回転することができる。
【0024】
引出ローラ26は軸27を有し、剥離ローラ28は軸31を有し、成形ディスク39は軸31を有する。ローラ保持部25は、引出ローラ26を軸27の周りに、剥離ローラ28を軸31の周りに、成形ディスク39を軸31の周りにそれぞれ回転保持する。
【0025】
引出ローラ26は、外周部にテープ56を付着させる面を有する。引出ローラ26は、ピニオンギア2bを有してもよい。ピニオンギア2bは、軸27の外周部に多数の歯を有し、軸27を中心に引出ローラ26と一体に回転する。これにより、図1を参照して簡単に説明した駆動ユニット1xの駆動力を、ピニオンギア2bの歯に係合する駆動ラックギア18によって引出ローラ26に伝達することができる。このピニオンギア2b等の駆動伝達部材は、駆動ユニット1xの駆動には駆動ラックギア18以外にタイミングベルトやクランクアームや歯車とラチェットなどの組み合わせによる方法及び爪車等の様々なものを用いることができ、剥離ローラ28側に設けてもよい。
【0026】
ピニオンギア2bは、駆動ラックギア18の往復動により(図7に示す)駆動ラックギア18に配設された、歯20とピニオンギア2bとの相互の歯の噛合により、引出ローラ26と一体に回転する。このとき、引出ローラは26は、電動モータなどにより駆動させてもよい。また、剥離ローラ28側を駆動させてもよい。
【0027】
[テープの成形]
剥離ローラ28の外周面と、推進部材34の下面38と、該推進部材の側壁35と、成形ディスク39の左右の内側壁面とはテープ56の通る隙間を残して配置される。このようにすると、相互の隙間を通過したテープ56の両端は、推進部材34の縁部30の周りに、成形ディスク39の両側の接触面29により、前記テープ56を送出方向に対して垂直な幅方向で、図4(a)及び至図4(d)、図5(a)及び、至図4(c)、図6に示す屈曲後のテープ57の中央の平坦な部分x1と左右の両端を上方に屈曲された部分x2とを保持した形状に屈曲成形されながら推進することが出来、テープ56の送出する方向に対する剛性が付与される。そのため、テープ送出装置2xから送出されるテープ56は、肉厚の薄いテープや腰の弱い柔軟なテープであっても、中空を直進することができる。推進体3yとしての推進部材34は下面38を有する底板のみで構成する板状であってもよく、下部38の左右の端部に縁部30を備え、該縁部を周りにテープ56を上方(矢印K2方向)に屈曲させてもよい。推進体3yとしての推進部材34は左右端部に縁部30を備えた側壁35のみを有し、該縁部を周りにテープ56を上方(矢印K2方向)に屈曲させてもよい。また、図4(e)に示すように、推進体3yとしての推進部材24は線状の枠で構成されたフレーム構造とし、下部の左右端部に縁部30を備え、該縁部を周りにテープ56を上方に屈曲させてもよい。また、推進体3yの配置を剥離ローラ28の軸31を中心に回転させることによって、その回転角度だけテープ56の推進する方向を変更することができる。
【0028】
この場合、前記テープ56の全部の幅に対しての、中央の平面部分x1(図6に示す)の長さを占める割合を、40%から90%の範囲にすることが好ましい。及び、前記テープ56の中央の平面部分x1に対しての該テープの端の屈曲角度を、20°以上、89°以内の範囲にすることが好ましい。剥離ローラ28の外周部及び成形ディスク39の内側面の接触面29に凹凸の形状等を設けた形状が好ましい。このようにすると、剥離ローラ28とテープ56との接触面積が少なくなり、テープ56が剥離ローラ28から剥離し易くなるからである。また、剥離ローラ28の外周部や成形ディスク39の接触面29に付着したテープ56を剥離し易くするために、外周部の表面にシリコン層やフッ素コーティング層などを有する部材で構成してもよい。
【0029】
テンション体43は、引出ローラ26の外周部に沿って配置され、テンション体43の一端は、引出ローラ26とロール状のテープ56との間に配置される。このようにすると、テープ56を引き出す際に、テープ56を引出ローラ26の下方に押し下げて、引出ローラ26とテープ56との接触面積を大きくすることができる。
【0030】
駆動連結体2yとしてのベルト33は、伸縮する部材で構成することができ、また、その断面形状は、V字形や半円形等様々なものを用いることができる。ベルト33は、テープの粘着剤が接着しにくいシリコンゴムのような素材を用いてもよい。また、ベルト33は、例えば、引出ローラ26及び剥離ローラ28にタイミングプーリを備えて、多数のギア歯を有するタイミングベルトを用いたり、引出ローラ26及び剥離ローラ28は、外周部にベルト33を巻装するためのベルト溝32を有してもよい。引出ローラ26と剥離ローラ28との連結をおこなう駆動連結体2yはベルト33意外に複数の歯車やローラなどを用いた機構により構成してもよい。
【0031】
第1の実施形態で説明したテープ送出装置は、引出ローラ及び剥離ローラを回転させることによって、回転自在に支持されたロール状のテープから、確実にテープを送出することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
[両面接着テープ送出装置]
次に、粘着面を両面に有するテープを送出するためのテープ送出装置について以下に説明する。両面接着テープ送出装置は、第1の実施形態のテープ送出装置の構成を一部変更しているだけである。なお、第1の実施形態のテープ送出装置と共通する箇所は、同符号を付して説明を省略する。
【0033】
図5(a)は、テープ送出装置2xの中央部を断面とする側面図であり、図5(b)は、図5(a)のテープ送出装置2xの上面図であり、図5(c)は、図5(a)のテープ送出装置2xの左側から見た前面図である。
【0034】
第2の実施形態のテープ送出装置は、第1の実施形態のテープ送出装置の推進体34と、成形ディスク39と、テンション体43とを備えていないため、その役割をローラ保持部42と、推進体3yとしての推進ローラ36と、屈曲形成部4yとしての成形ローラ40と、テンションローラ44とで分担させている。
【0035】
第2の実施形態のテープ送出装置は、新たに、ローラ保持部42を備え、ローラ保持部42には推進ローラ36の軸37を備える。
【0036】
テープ送出装置2xは、粘着面を両面に有するテープ56と共に回転する略円筒状の引出ローラ26と、引出ローラ26の回転と前記テープ56を剥離させながら順送りするための剥離ローラ28と、テープ56を引き出すための引出ローラ26と剥離ローラ28とを連結する駆動連結体2yとしてのベルト33と、テープ56を進む方向に対して推進させるための推進体3yとしての推進ローラ36と、テープ56の両端を上方に屈曲させながら順送りする屈曲形成部4yとしての成形ローラ40からなるテープ送出装置2xを主要部品とする。
【0037】
このテープ送出装置2xが、テープ保持体59の一部に設けられたローラ保持部25、テープ56を引出ローラ26の周囲にしっかり接着させるためのテンションローラ44、などと共に全体として「テープ送出装置2x」を構成している。
【0038】
テンションローラ44は、引出ローラ26の上方に、テープ56を通す間隙を設けて配置される。推進ローラ36は、剥離ローラ28の上方に、テープ56を通す間隙を設けて送出する方向に沿って配置される。ローラ保持部25には、新たに、成形ローラ40の軸41を備え、ローラ保持部25は、成形ローラ40を軸41の周りに回転保持する。成形ローラ40は、推進ローラ36の外側に、テープ56を通す間隙を設けて送出する方向に沿って配置される。
【0039】
成形ローラ40は、推進ローラ36の外側に、配置され、剥離ローラ28の外周面と、推進ローラ36の下面及び外側と、推進ローラ36の側壁35と、成形ローラ40の外周面とはテープ56の通る隙間を設けて送出する方向に沿って配置される。テープ56の送り出しと共に回転する推進体3yとしての推進ローラ36は略円筒形状とし、左右端部に縁部30を備え、屈曲成形部4yとしての成形ローラ40の接触面29により、縁部30を周りにテープ56を上方(矢印K2方向(図5(c))に示す)に向けて屈曲させてもよい。また推進ローラ36は複数の回転部材の組み合わせによる構成でもよい。このようにすると、相互の隙間を通過したテープ56の端は、第1の実施形態と同様に、送出方向に対して垂直な幅方向で、図5(a)至図5(c)に示す、屈曲後のテープ57のような形状に屈曲成形されながら推進することが出来、テープ56の送出する方向に対する剛性が付与される。また、推進ローラ36の配置を剥離ローラ28の軸31を中心に回転させることによって、その回転角度だけテープの推進する方向を変更することができる。成形ローラ40は、第1の実施形態に示すテープ(56)の送り出しと共に回転する成形ディスク39であってもよく、他の回転部材によるものでもよく、また表面にフッ素加工やシリコン処理を施した壁状の躯体などにより構成してもよい。
【0040】
推進ローラ36及び成形ローラ40の接触面29及びテンションローラ44の外周部に凹凸の形状等を設けた形状が好ましい。このようにすると、相互のローラとテープ56との接触面積が少なくなり、テープ56が相互のローラから剥離し易くなるからである。また、推進ローラ36及び成形ローラ40の接触面29及びテンションローラ44の外周部に付着したテープ56を剥離し易くするために、外周部の表面にシリコン層やフッ素コーティング層などを有する部材で構成してもよい。
【0041】
テンションローラ44は、引出ローラ26の外周部に沿って配置され、テンションローラ44の一端は、引出ローラ26とロール状のテープ56との間に配置される。第2の実施形態で説明した両面テープ送出装置2xは、引出ローラ及び剥離ローラを回転させることによって、回転自在に支持されたロール状のテープから、確実に両面接着テープを送出することができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
(第3の実施形態)
[駆動ユニットをケースに備えるテープ貼付器]
次に、駆動ユニットをケースに備えるテープ貼付器について説明する。既に図1乃至図3を参照して全体の構成を示したように、テープ貼付器1hは、テープ56と、テープ保持体59と、第1の実施形態と第2の実施形態とのいずれか一方のテープ送出装置2xとを具備するシャーシ5xと、駆動ユニット1xの駆動を一次停止させるための駆動制御体6xと、被貼付面1aにテープ56を貼付るための貼付ユニット7xと、テープ56を引き出し及び送出するための駆動ユニット1xと、駆動ユニット1xを有して貼付ユニット7x及びシャーシ5xの少なくとも一部を覆うケース10を備える。
【0043】
そして、テープ56は、片面と両面とのいずれか一方に粘着面を有すると共に、ロール状でテープ保持体59に回転自在に支持され、貼付ユニット7xは、テープ56を被貼付面1aに押圧しながら貼付る貼付ローラ75を有し、引出ローラ26は、ピニオンギア2bを有し、テープ送出装置2xは、ケース10の駆動ユニット1xによりピニオンギア2bに駆動力を伝達すると、テープ56をテープ保持体59から引き出して、貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する方向へ送出するように配置される。
【0044】
[シャーシ]
シャーシ5xは、底板58に対して垂直にテープ保持体59を配設する。テープ保持体59は、粘着面を内側に有するロール状のテープ56をテープ保持軸60で回転自在に保持する。また、シャーシ5xは、内部にテープ送出装置2xを備える。このとき、ローラ保持部25をシャーシ5xの一部で構成してもよい。シャーシ5xの後方部は、ケース10を元の位置に戻す方向へ付勢する作動ばね61を備える。
【0045】
[貼付ユニット]
貼付ユニット7xは、ケース10の開閉爪55と掛け外し自在にする鈎爪7aを有し、シャーシ5xの前方部に、軸62で揺動自在に連結されている。貼付ユニット7xの下方部は、軸76の周りに回転する貼付ローラ75と、開口部77とを有する。テープ56は、開口部77から外部に送出されて貼付ローラ75で貼付られる。貼付ユニット7xは、テープ送出装置2xのテープの両端を上方に屈曲させてテープを推進可能にする推進体3yとしての推進部材34を有してもよい。貼付ローラ75は、ウレタンやゴムなどのような弾性体で構成することが好ましい。また、テープ56に背面に粘着部を有するテープを使用する場合は、貼付ローラ75の外周部に貼り付いたテープ56を剥離し易くするために、外周部の表面に凹凸の山形形状等を設けたり、シリコン層やフッ素コーティング層などを有する部材で構成してもよい。
【0046】
貼付ユニット7xは、後述する切断部8xを備えてもよい。貼付ユニット7xに切断部8xを備える場合、更に、切断部8xを元の位置に戻す戻しばね89を備えてもよい。また、貼付ユニット7xはシャーシ5xと一体部材で構成されていてもよい。或いは、貼付ユニット7xは、左右二つの部材など複数の部材で構成されていても、一体の部材から構成されていてもよい。このように、貼付ローラ75近傍に粘着テープを外部へ送出するための開口部77が形成され、駆動ユニット1xによって、テープ送出装置2xを駆動させるようにすることで、テープ保持軸60に保持されるロール状に巻かれたテープからテープを引出し、開口部77からテープ送出装置2x側の被貼付面上にテープの先を送出し、溜め置くように構成することができる。
【0047】
[ケース]
ケース10は、ロール状のテープ56の回転のずれを抑えるガイド13と、貼付ユニット7xの鈎爪7aと掛け外し自在にする開閉爪55と、駆動ユニット1xとを備え、シャーシ5xの後方部に、軸11で揺動自在に連結されている。また、ケース10は、透明又は半透明であってもく、内部を目視できる樹脂等の材質を用いると、テープ56の残量等を把握できる。
【0048】
[作動ばね]
作動ばね61は、貼付ユニット7xとシャーシ5xとのいずれか一方と、駆動ユニット1xとを相互に反発させ、駆動ユニット1xを元の位置に戻す方向へ付勢する。作動ばね61は、金属や樹脂等の相互に反発し付勢する部材であればよく、板ばねだけでなく、コイルばね等様々なものを用いることができる。
【0049】
[往復動を回転動に変えるための駆動ユニット]
図7(a)は、歯20の形状を鋸形状にした、駆動ラックギアとピニオンギアとの噛合の一例を示す側面図である。図7(a)に示すように、駆動ユニット1xの駆動ラックギア18の往復動により、ピニオンギア2bを一方向に回転させる駆動機構であり、駆動ユニット1xは、駆動軸17と、係合ばね16と、歯20とを具備する駆動ラックギア18と、駆動ラックギア18の駆動軸17の周りの回転を止めるストッパー21と、多数の歯20と、軸27とを有したピニオンギア2bとを備える。
【0050】
駆動ユニット1xの駆動ラックギア18は、ピニオンギア2bの歯と歯合するための多数の歯20を連設し、駆動ラックギア18は、矢印A2方向に付勢する係合ばね16により、矢印D方向に押圧されピニオンギア2bと係合している。ピニオンギア2bは、軸27の周りに多数の歯を有し、軸27を中心に引出ローラ26と一体に回転する。駆動ラックギア18の歯20はピニオンギア2bの歯と係合するための係合面1Lを有する。駆動ラックギア18の駆動軸17は、前記ピニオンギア2bの歯と前記係合面1Lとの接する交点に対しての垂線2L上もしくは、更に矢印D1方向側に配設されており、駆動ユニット1xは、ピニオンギア2bへの駆動力の伝達時に、駆動ラックギア18の駆動軸17を矢印Aの方向に前進させると、駆動ラックギア18の歯20は、ピニオンギア2bの負荷に応じた強さで矢印D1のピニオンギア2bの方向に押圧され、ピニオンギア2bの歯と連続的に噛合しながらピニオンギア2bを矢印K方向に回転させる。
【0051】
その後、ピニオンギア2bの回転を終えた駆動ラックギア18は、矢印Aと逆方向に後退し、駆動ラックギア18の歯20はピニオンギア2bの歯の上面を滑り元位置に戻る。駆動軸17を係合面1Lの矢印D1方向の末端との垂線2L上よりも、矢印D1と反対方向側に配設した場合、駆動ラックギア18を矢印A方向に前進させたとき、駆動ラックギア18はピニオンギア2bの負荷に負けて相互の歯の上を乗り越え歯の上を滑って、矢印Dの逆方向に外れ、ピニオンギア2bを回転させることが出来なくなる。そのため、駆動軸17の配設位置は、連設された歯20の最後尾よりも矢印Dx方向であり、係合面1Lの矢印D1方向の末端との垂線2L上もしくは、更に矢印D1方向側に配設することが好ましい。歯20の形状は、図7(a)に示すように、駆動ラックギア18の歯20を斜めに傾いた鋸形状にすると矢印D1の距離をより短くすることが出来、駆動ラックギア18をより小型にすることが出来る。
【0052】
テープ送出装置2xの駆動には、ラチェットやカムやギア、及びタイミングベルトなどとの組み合わせによる方法など様々な機構を用いてもよい。また、ピニオンギア2bの歯数を変更することにより、駆動ラックギア18の往復動に応じた、ピニオンギア2bの的確な回転数を得ることができ、それに伴ってテープ56の送出量も調節することができ、引出ローラの外径をより小さくすることができる。そのためテープ送出装置2x全体をより小型にすることが出来、テープ送出装置2xが小型であっても充分な送出量を得ることができる。その後、ピニオンギア2bの回転を終えた駆動ラックギア18は、駆動ユニット1xを元の位置の方向へ付勢する作動ばね61により、矢印Aの逆方向に後退させ、ピニオンギア2bの歯の上を滑って乗り越え、元の位置に戻る。
【0053】
また、駆動ユニット1xは、切断部8xのアーム爪83に係合する駆動爪15を備える。駆動ユニット1xは、ケース10の内側に、テープ送出装置2xや切断部8xに対応させる構成でそれぞれ配設される。
【0054】
[切断部]
図8は、切断部の一例を示す斜視図であり、図9は、切断部の板ばねアームの変化の一例を示す図であり、図9(a)は、駆動爪が板ばねアームを通過する前の側面図であり、図9(b)は、駆動爪が板ばねアームを通過中の側面図であり、図9(b1)は、図9(b)を上方から見た図であり、図9(c)は、駆動爪が板ばねアームを通過した後の側面図であり、図9(c1)は、図9(c)を上方から見た図であり、図9(d)は、駆動爪が戻るときの側面図である。切断部8xは、揺動自在に貼付ユニット7xに支持される揺動軸82と、テープ56を切断するための切断刃88と、切断刃88を保持するためのアーム80とを備える。アーム80は、例えば、図9(a)に示すように、駆動軸82と、切断刃88を保持する切断刃保持盤86とを保持するように構成してもよい。切断刃保持盤86は、切断刃88を手動で押すための切断ボタン87を備えてもよい。アーム80は、片方の一部に駆動爪15と係合するアーム爪83と、貼付ユニット7xのストッパー81に係合する戻しばね89を備える。切断部8xを元の位置に戻す戻しばね89は、貼付ユニット7x側に備えてもよい。
【0055】
切断刃88は、図8及び図9(b1)に示すように、テープ56を切断するときに刃先にかかる力を少なくするために、中心対称軸を有し、刃先の中央を切断刃88の切断方向に突起させた三角形状としている。このような形状にすると、テープ56を切断する際に刃先がテープ56の中央の一点を突き刺し、中央から両端にかけて部分的に切り始め、徐々に時間遅れで切断をしていく。そのため、刃先にかかる切断力を軽減することができる。また、鋸歯状の切断刃で切断した場合と比べ、直線的な切断線が得られる。切断刃88は、全体が上記のような三角形状であれば、1枚の刃や複数の刃を組み合わせる等どのように構成してもよい。切断刃88は、揺動軸82の周りの揺動により、貼付ローラ75とテープ送出機構2xとの間を往来するように配置されている。
【0056】
切断部8xは、テープ送出装置2xの駆動後、つまり、テープ保持体59からテープ56を引き出して被貼付面1aへ送出後、駆動爪15をアーム爪83に係合させて切断刃88を駆動し、テープ56を切断する。その後、切断部8xは、戻しばね89により元の位置に戻される。図9(c)に示すように、切断時にアーム爪83の下方から駆動力を加えると、切断部8xは、揺動軸82で回転すると共に、貼付ユニット7xのストッパー81が戻しばね89に係合して、戻しばね89を押圧する。そして、切断後に駆動力を取り除くと、切断部8xは、戻しばね89により元の位置に戻る。
【0057】
アーム爪83は、揺動軸82の方向に撓み付勢する板ばねアーム84と、板ばねアーム84を撓ませるカム85を有してもよい。アーム爪83をこのように構成すると、駆動ユニット1xによって、テープ送出装置2xの駆動後、切断部8xに駆動力を伝達することができる。駆動ユニット1xが切断部8xに駆動力を伝達する仕組みとして、以下に駆動ユニット1xの駆動爪15と切断部8xの板ばねアーム84との関係を説明する。
【0058】
ケース10に配設された駆動ユニット1xは、駆動爪15を有し、駆動爪15は、駆動前、つまり、ケース10を上方から押圧する前に、図9(a)に示すように、アーム爪83の先端部の上方に配置される。このとき、カム85は、アーム爪83の先端部の反対側にあり、ケース10を押圧して駆動爪15を下方に移動させると、カム85の傾斜部と駆動爪15の一部とが接するように配置される。カム85の傾斜部は、駆動爪15に設けてもよい。ケース10を上方から押圧すると、図9(b)及び図9(b1)に示すように、駆動爪15は、矢印D1の方向に移動し、カム85の傾斜部と駆動爪15の一部とが接すると、駆動爪15は、板ばねアーム84を矢印D2の方向に撓ませながらカム85の傾斜部を滑って移動する。駆動爪15が矢印D1の方向に移動しているとき、テープ送出装置2xは、駆動ユニット1xにより駆動し、テープ保持体59からテープ56を引き出して被貼付面1aへ送出する。
【0059】
その後、図9(c)及び図9(c1)に示すように、駆動爪15は、板ばねアーム84を乗り越えて、板ばねアーム84の下方に移動する。このとき、板ばねアーム84は、駆動爪15と接する前の状態に戻る。その後、ケース10の押圧を取り除くと、図9(d)に示すように、駆動爪15は、作動ばね61により、アーム爪83と係合させながら矢印D3の方向に移動する。このとき、切断部8xが揺動軸82の周りに回転するため、切断刃88は、矢印D4の方向に移動してテープを切断する。
【0060】
[回転する駆動制御体]
シャーシ5xの下方部には、不用意にテープ貼付器1hを作動するのを防ぐため、軸73の周りに回転するケース10の駆動を一時止めるための駆動制御体6xを備えてもよい。駆動制御体6xは主軸73と、開口部77と貼付ローラ75とをカバーするための保護カバー70と、ケース10の駆動を一時停止せるためのストッパー72とを備える。図11は、駆動ユニット1xを回転により一時停止させるための一例示す側面図である。図11(a)は、一部省略したケースと駆動制御体6xが収納されたときの側面図であり、図11(b)は、図11(a)の駆動制御体6xをR3方向に回転させたときのときの側面図であり、図11(c)は、図11(b)の駆動制御体6xが閉じ、ケース10の駆動を止めたせたときのときの側面図である。
【0061】
テープ貼付器1hを使用しないときは、駆動制御体6xを図11(a)の状態から、主軸73の周りに貼付ユニット7xの開口部77をカバーする方向に回転させ、図11(b)を経て図11(c)の状態にし、保護カバー70を貼付ローラ75と開口部77とをカバーすると、ストッパー72がケース10の下面の係合部12に係合して、軸11を中心に揺動するケース10の駆動を停止せることが出来る。このようにすると、テープ貼付器1hを使用しないときに、開口部77と貼付ローラ75とを、下方からカバーして保護すると共に不用意にテープ貼付器1hを作動するのを防ぐことが出来るからである。テープ貼付器1hを使用するときは、駆動制御体6xを主軸73の周りに、保護カバー70を収納部63に収納する方向に回転させて収納し、ストッパー72をケース10の係合部12より解放させ、図11(a)の状態にすると、テープ貼付器1hを使用出来るようになる。
【0062】
[スライドする駆動制御体]
駆動ユニット1xをスライドさせることにより一時停止させるための一例を示す側面図である。図12(a)は、駆動制御体6xが収納されたときの側面図であり、図12(b)は、図12(a)の駆動制御体6xを矢印Y1方向に移動したときの側面図であり、図12(c)は、図12(b)の駆動制御体6xを矢印Y2方向に移動し、ケース10の駆動を止めたときのときの側面図であり、シャーシ5xの下方部には、駆動制御体6xの主軸73を自在に滑動させるための長穴66と、駆動制御体6xの作用軸74を自在に滑動させるための長穴65と、駆動制御体6xの保護カバー70を収納するための収納部63とを備える。
【0063】
テープ貼付器1hを使用しないときは、駆動制御体6xを図12(a)の状態から、図12(b)の矢印Y1を経て図12(c)の矢印Y2方向に、駆動制御体6xの主軸73を、長穴66内に沿って移動させると、作用軸74も、長穴65内に沿って共に移動するため、保護カバー70が貼付ローラ75と、開口部77とをカバーする。そのとき同時にストッパー72はケース10の係合部12に係合して、軸11の周りに回転するケース10の駆動を停止させることが出来る。テープ貼付器1hを使用するときは、駆動制御体6xの主軸73を、長穴66内に沿って、図12(c)の矢印Y2逆方向から図12(b)の矢印Y1逆方向を経て、図12(a)まで移動して保護カバー70を収納部63に収納すると、ストッパー72はケース10の係合部12から解放され、テープ貼付器1hを使用出来るようになる。駆動制御体6xは回転式や、スライド式のもの以外に、ピンなどにより、駆動ユニット1xと連結されている駆動機構の一部を止められるものであればどのようなものでもよい。
【0064】
[駆動ユニットをケースに備えるテープ貼付器の展開]
図10は、図1のテープ貼付器の展開図であり、図10(a)は、貼付ユニット7xと一部省略したケース10とを開いた側面図であり、図10(b)は、図10(a)の貼付ユニットを7x閉じた側面図であり、図10(c)は、図10(b)のケース10を閉じた側面図である。テープ貼付器1hは、図10(a)に示すように、5xを中央にして、後方にケース10を、前方に貼付ユニット7xを回転させて展開することができる。このように展開した状態で、ロール状のテープ56をテープ保持体59に装着し、テープ56の先を引き出して引出ローラ26と剥離ローラ28との外周部上に貼付る。その後、矢印R1の方向に、貼付ユニット7xを軸62の周りに回転させて閉じた後、図10(b)に示すように、矢印R2の方向に、ケース10を軸11の周りに回転させて閉じる。
【0065】
そして、図10(c)に示すように、貼付ユニット7xの鈎爪7aをケース10の開閉爪55に掛ける。なお、ケース10は、シャーシ5xの作動ばね61の反発力により、ケース10を開く方向に付勢されている。そのため、開閉爪55及び鈎爪7aは、ケース10を開く方向へ引っ張っても外れないような形状にすることが好ましい。このようにすると、テープ貼付器1hの展開は簡単に実施することができ、テープ56の交換及びテープ56の初期設定を容易かつ迅速に実施することができる。
【0066】
[駆動ユニットをケースに備えるテープ貼付器の作動]
図13は、図1のテープ貼付器の作動状況の一例を示す図であり、図13(a)は、ケースと貼付ユニットとの一部を省略して全体を示す側面図であり、図13(b)は、図13(a)においてテープ送出後の一部を示す側面図であり、図13(c)は、図13(a)においてテープ貼付時の一部を示す側面図であり、図13(d)は、図13(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図である。まず、使用者は、ケース10を把持して貼付ローラ75を被貼付面1aに押し当てる。そして、図13(a)に示すように、作動ばね61の付勢に抗して矢印Y1方向にケース10を押圧する。このとき、ケース10の内側面に配設された駆動ラックギア18と、テープ送出装置2xとのピニオンギア2bとの相互の歯とが歯合し、ピニオンギア2bを一方向(図13では反時計方向)へ回転させる。引出ローラ26は、ピニオンギア2bと一体的に回転し、テープ保持体59からロール状のテープ56を引き出し、テープ56を引出ローラ26の外周部に載せ、剥離ローラ28へ搬送する。
【0067】
駆動連結体2yとしてのベルト33は、剥離ローラ28に動力を伝達すると共に、テープ56を引出ローラ26から剥離して剥離ローラ28の外周部へ搬送する。ベルト33は、テープの粘着剤が接着しにくいシリコンゴムのような素材を用いてもよい。テープ送出装置2xは、テープ56の左右の両端を、送出方向に対して垂直な幅方向に屈曲成形しながらテープ56に剛性が付与され送出する。そして、図13(b)に示すように、テープ56は、先端を貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する部分に押し当てられる。行き場をなくしたテープ56は被貼付面1aに粘着面が接触するように撓み、溜め置かれる。このとき、ケース10の内側面に配設された駆動爪15は、切断部8xのアーム爪83を滑って乗り越え、アーム爪83の下方に移動している。
【0068】
このときのテープ56の送出量は、テープ送出装置2xを出た直後のテープ56の先端から貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する部分までの距離N1と、テープ保持体59からテープ56を引き出すために充分な接着力を有するテープ56の長さN2とを足した長さ図(13に示す)であることが好ましい。
【0069】
その後、図13(c)に示すように、ケース10を押圧した状態でテープ貼付器1h全体を矢印Y2方向へ引き、溜め置かれたテープを被貼付面1a上に接着して後続のテープ56を図13(b)の撓んだ状態から図13(c)の突っ張った状態に変化させる。このとき、まず、溜め置きされているテープ56を、貼付ローラ75で上方から押圧して被貼付面1a上に長さN2以上を接着する。その後は被貼付面1a上に接着されたテープ56の接着力によってテープ56を引出しながら被貼付面1a上に貼付していく。テープ56の中央部分は平坦な形状であるため、被貼付面1a上に貼付られたテープ56にしわが出来ることはない。図6に示すように、前記テープ56の両端を屈曲された屈曲の大きさx2は、貼付ローラ75により被貼付面1aに押圧され貼り付けられたテープ56に「しわ」が出来ない大きさであることが好ましい。所望の長さだけ引いたところで貼付を終了する。その後、ケース10の押圧を取り除く。
【0070】
このとき、図13(d)に示すように、ケース10は、作動ばね61の付勢により矢印Y3方向へ揺動すると共に、ケース10の内側面に配設された駆動爪15は、下方から切断部8xのアーム爪83に係合して、アーム爪83を戻しばね89の付勢に抗して上方に持ち上げる。そして、切断部8xは、揺動軸82の周りに反時計方向へ回転すると共に、切断刃88は、テープ56の進行方向に対して垂直の方向から、貼付ローラ75と剥離ローラ28との間のテープ56に当接してテープ56を切断する。万一テープ56の切断に失敗した場合、切断部8xの切断ボタン87を手で押して切断部8xを揺動軸82の周りに回転させ、テープ56を切断することもできる。
【0071】
テープ56の切断後、駆動爪15は、アーム爪83の末端の方向に移動し、駆動爪15とアーム爪83との係合が無くなると、切断部8xは、戻しばね89の付勢により元の位置に戻される。駆動爪15は、作動ばね61の付勢で貼付ユニット7xの鈎爪7aに係合して元の位置に戻る。駆動ラックギア18の歯20は、係合ばね16により、ピニオンギア2bの歯の上を滑りながら元の位置に戻る。切断された後続のテープ56は、引出ローラ26と剥離ローラ28との外周部上に残っているため、次のテープ56の引き出し及び送出を確実に実施することができる。
【0072】
第3の実施形態のテープ貼付器は、ケースを上方から押圧すると、テープの先端を被貼付面1a上に送出して溜め置き、テープの貼付が終了した後ケースの押圧を取り除くと、テープを切断することができる。そして該テープ貼付器は、最初のロール状のテープを装着するとき以外、テープに触れることがないため、貼付られたテープは清潔で「しわ」のない綺麗なテープの貼付が可能となった。また、テープの引き出し、送出、貼付、切断の各処理が、速くて確実であるため、繰り返し連続してテープの貼付作業を実施することができる。第3の実施形態のテープ貼付器は、構造も簡単であるため、小型、低コストで製造することができる。
【0073】
(第4の実施形態)
[形状が異なる駆動ユニットをケースに備えたテープ貼付器]
次に、駆動ユニットをケースに備え、形状が異なるテープ貼付器にについて説明する。駆動ユニットをケースに備え、形状が異なるテープ貼付器は、第3の実施形態の貼付器の構成を一部変更しているだけである。なお、第3の実施形態の貼付器と共通する箇所は、同符号を付して説明を省略する。
【0074】
図14は、テープ貼付器の他の形状と作動状況の一例を示す図であり、図14(a)は、ケースと貼付ユニットとの一部を省略して全体を示す側面図であり、図14(b)は、図14(a)においてテープ送出後の一部を示す側面図であり、図14(c)は、図14(a)においてテープ貼付時の一部を示す側面図であり、図14(d)は、図14(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図である。図14を参照して全体の構成を示したように、テープ貼付器2hは、テープ56と、テープ保持体59と、第1の実施形態と第2の実施形態とのいずれか一方のテープ送出装置2xとを具備するシャーシ5xと、被貼付面1aにテープ56を貼付るための貼付ユニット7xと、テープ56を引き出し及び送出するための駆動ユニット1xと、駆動ユニット1xを有してシャーシ5xの少なくとも一部を覆うケース10を備える。第3の実施形態のテープ貼付器では、ケース10を貼付面方向に押圧して駆動していたが、第4の実施形態のテープ貼付器では、テープ貼付器2hを把持してケース10を矢印Y1方向に押圧する。
【0075】
第3の実施形態のテープ貼付器に対して第4の実施形態のテープ貼付器の異なる箇所は、図14に示すように、テープ貼付器2hの駆動は、ケース10を矢印Y1方向に押圧する。駆動ラックギア18をピニオンギア2bの方向へ付勢する係合ばね16は、新たに、シャーシ5x側に備え、ピニオンギア2bを回転させるための駆動ラックギア18は、引くタイプを備え(図7(b)に示す)、テープ貼付器2hを展開するための開閉爪55は新たに、シャーシ5x側に備える。そして、ケース10に係合して駆動ユニット1xを一時停止させるための駆動制御体6xは備えていない。その他は、主に各部の形態の変更以外、第3の実施形態のテープ貼付器と同様の構成である。
【0076】
[形状が異なる駆動ユニットをケースに備えたテープ貼付器の作動]
まず、使用者が、図14(a)に示すように、テープ貼付器2hを把持してテープ貼付器2hのテープ貼付ローラ75を被貼付面1aに押し当てる。次に、図14(b)に示すように、ケース10を矢印Y1方向に押圧すると、駆動ラックギア18は、第3の実施形態のテープ貼付器と同様に、テープ送出装置2xを駆動させ、テープ56の先端は貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する部分に押し当てられる。行き場をなくしたテープ56は被貼付面1aに粘着面が接触するように撓み、溜め置かれる。その後、図14(c)に示すように、ケース10を押圧した状態で、テープ貼付器2h全体を所望の方向へ引いて、テープ56を貼付る。その後、図14(d)に示すように、ケース10の押圧を取り除き、ケース10を矢印Y3の方向の元位置に戻す。このとき、ケース10の内側面に配設された駆動爪15は、切断部8xのアーム爪83に係合し(図14(c)至(d)に示す)、アーム爪83を戻しばね89の付勢に抗して揺動軸82の周りに反時計方向へ回転させる。それにより切断刃88は、テープ56の進行方向に対して垂直の方向から、貼付ローラ75と剥離ローラ28との間のテープ56に当接してテープ56を切断する。
【0077】
テープ56の切断後、駆動爪15は、アーム爪83の末端の方向に移動し、駆動爪15とアーム爪83との係合が無くなると、切断部8xは、戻しばね89の付勢により元の位置に戻される。駆動爪15は、作動ばね61の付勢で元の位置に戻る。駆動ラックギア18の歯20は、ピニオンギア2bの歯の上を滑りながら元の位置に戻る。
【0078】
[駆動ユニットをケースに備え、形状が異なるテープ貼付器の展開]
図15は、図14のテープ貼付器の展開図であり、図15(a)は、貼付ユニット7xを閉じた側面図であり、図15(b)は、図15(a)の貼付ユニット7xを開いた側面図である。テープ貼付器2hは、図15(a)に示すように、貼付ユニット7xの鍵爪7aが、ケース10の開閉爪55に掛け止めてある。テープ貼付器の展開は図15(b)に示すように、鍵爪7aをシャーシ5xの開閉爪55から外し、貼付ユニット7xを軸62の周りにR1方向に回転させて展開することができる。第3の実施形態と同様テープ56をテープ保持体59に装着し、テープ56の先を引き出して引出ローラ26と剥離ローラ28との外周部上に貼付る。その後、矢印R1の逆方向に、貼付ユニット7xを軸62の周りに回転させて閉じた後、貼付ユニット7xの開閉爪55をシャーシ5xの鈎爪7aに掛けて閉じる。
【0079】
第4の実施形態のテープ貼付器は、ケースを横方から押圧すると、テープの先端を被貼付面1a上に送出して溜め置き、テープの貼付が終了した後ケースの押圧を取り除くと、テープを切断することができる。そして、第4の実施形態は第3の実施形態と同様の効果を期待できる。
【0080】
(第5の実施形態)
[駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器]
次に、駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器について以下に説明する。駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器は、第3の実施形態の貼付器の構成を一部変更しているだけである。なお、第3の実施形態の貼付器と共通する箇所は、同符号を付して説明を省略する。
【0081】
図16は、テープ貼付器の他の一例であり、図17は、図16のテープ貼付器の他の作動状況の一例を示す図であり、図17(a)は、貼付ユニット7xとシャーシ5xとレバーの一部を省略して全体を示す側面図であり、図17(b)は、図17(a)においてテープ貼付時の一部を示す側面図であり、図17(c)は、図17(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図であり、図18は、レバー14と駆動ラックギア18とピニオンギア2bとの部分側面図である。
【0082】
テープ貼付器3hは、第3の実施形態のテープ貼付器のケース10を備えていないため、そのケース10の役割を貼付ユニット7x及びレバー14で分担させている。そのため、テープ貼付器3hは、大きく分けて、貼付ユニット7xと、レバー14と、シャーシ5xとを備え、シャーシ5xは新たに、貼付ユニット7xの鈎爪7aを掛け外し自在にする開閉爪55を備える。貼付ユニット7xは、新たに、ロール状のテープ56の回転のずれを抑えるガイド13を備え、さらに推進体3yとしての推進部材34を保持し、シャーシ5xの少なくとも一部を覆う。
【0083】
[レバー]
軸11に、シャーシ5xで回転自在に保持される部分を残して、駆動ユニット1xとして、第3の実施形態と同様に、図18に示すように、軸11と、アーム19とを備え、レバー14の上部には作動バネ61を備え、アーム19には、切断部8xのアーム爪83の下方向から係合し、切断部8xを駆動させるための、駆動爪15と、駆動ラックギア18をピニオンギア2bの方向に付勢する係合ばね16と、駆動軸17とを備え、駆動軸17にはテープ送出装置2xを駆動させるための駆動ラックギア18を揺動自在に備える。そして、レバー14は、テープ保持軸60の内側に有する軸11により、回転自在に保持される。作動ばね61は、レバー14の上側及びテープ保持軸60との間に設けられ、テープ保持軸60方向の反発力により、レバー14を軸11の周りに開く方向に付勢する。
【0084】
[往復動を回転動に変えるための駆動ユニット]
図7(b)は、テープ送出装置2xのピニオンギアと駆動ラックギアとの噛合の一例を示す側面図である。図7(b)に示すように、第3及び第4の実施形態と同様の駆動ユニット1xの駆動ラックギア18の往復動により、ピニオンギア2bを一方向に回転させる駆動機構であり、駆動ユニット1xは、駆動軸17と、多数の歯20とを具備する駆動ラックギア18と、駆動ラックギア18をピニオンギア2bに係合させている係合ばね16と、多数の歯20と、軸27とを有したピニオンギア2bとを備える。
【0085】
駆動ユニット1xの駆動ラックギア18は、ピニオンギア2bの歯と歯合するための多数の歯20を連設し、駆動ラックギア18の歯20は第3の実施形態と同様、ピニオンギア2bの歯と係合するための係合面1Lを有する。駆動ラックギア18の駆動軸17は、前記ピニオンギア2bの歯と前記係合面1Lとの接する交点に対しての垂線2L上もしくは、更に矢印D1方向側に配設されており、駆動ユニット1xは、ピニオンギア2bへの駆動力の伝達時に、駆動ラックギア18の駆動軸17を矢印Aの方向に前進させると、駆動ラックギア18の歯20は、ピニオンギア2bの負荷に応じた強さで矢印D1のピニオンギア2bの方向に押圧され、ピニオンギア2bの歯と連続的に噛合しながらピニオンギア2bを矢印K方向に回転させる。その後、ピニオンギア2bの回転を終えた駆動ラックギア18は、矢印Aと逆方向に後退し、元位置に戻る。第5の実施形態の駆動ラックギア18の歯20も、第3の実施形態と同様に斜めに傾いた鋸形状にすると矢印D1の距離をより短くすることが出来、駆動ユニット1xをより小型にすることが出来る。
【0086】
[ブレーキユニット]
図19は、ブレーキユニット9xの作動の状態を順に示した図であり、図19(a)は、レバー14の軸11に、ブレーキユニット9xが回転自在に保持された状態を示す図であり、図19(b)は、図19(a)において調節爪94により調節する状況を示す図であり、図19(c)は、図19(a)においてブレーキユニット9xのブレーキパッド90がテープロール56の内側に圧接した状態を示す図である。レバー14には、ブレーキユニット9xが備えられており、レバー14を、図19(a)より図19(c)の矢印R1方向に回転させたとき、ブレーキユニット9xもレバー14と同一回転をするため、ブレーキパッド90がテープ56のロールの内側壁にばね91により圧接され、ロール状のテープ56のロールの回転にブレーキをかける。ブレーキの強さは、図19(b)アーム93の調節つまみ92を軸11の周りに矢印Y1方向に回転させて、調節爪94をレバー14に刻まれる複数の調節溝95のいずれかに噛合させると、段階的にブレーキの強さを調節できる。
【0087】
[駆動制御体]
駆動制御体6xは第3の実施形態のテープ貼付器1hでは、ケース10の揺動を止めていたが、第5の実施形態のテープ貼付器3hでは、レバー14と連結する駆動ユニット1xの駆動ラックギア18の駆動を止める。図20(a)至図20(c)は、図16の駆動制御体6xと、駆動ユニット1xの駆動ラックギア18との関係を一部を省略して示した側面の断面図であり、図20(a)は、駆動制御体6xが主軸73の周りをY4方向に開き、ストッパー72は駆動ラックギア18を解放した状態を示す側面図である。図20(b)は、図20(a)において駆動制御体6xが主軸73の周りをY5方向に回転させ、ストッパー72は駆動ラックギア18の係合部12に係合する状態を示す側面の断面図である。図20(c)は、図20(a)において駆動制御体6xが主軸73の周りをY6方向に回転させ、保護カバー70が開口部77をカバーして閉じ、ストッパー72は駆動ラックギア18の係合部12に係合し、駆動ラックギア18の駆動を止めた状態を示す側面の断面図である。テープ貼付器3hを使用するときは、図20(a)の駆動制御体6xを駆動ラックギア18の係合部12から、ストッパー72を主軸73の周りに矢印Y4の解放する方向に回転させる。テープ貼付器3hを使用しないときは、図20(c)のストッパー72を主軸73の周りに矢印Y6方向に回転させ、駆動制御体6xのストッパー72を駆動ラックギア18の係合部12に係合させて貼付ユニット7xの開口部77をカバーすると共に、主軸73により連結されている駆動ラックギア18と、レバー14の駆動を止め、テープ貼付器3h全体の駆動を止める。駆動制御体6xはレバー14に係合して、レバー14の駆動を止めるようにしてもよい。
【0088】
[切断部を保持した推進部材の開閉]
図21は、貼付ユニット7xと推進部材34との開閉の経過を示す図であり。図21(a)は、図16の貼付ユニット7xと、切断部8xと、推進部材34との一部を省略して示す側面図であり、図21(b)は、図21(a)の矢印A-A方向から見た断面図で、貼付ユニット7xと推進部材34が開いた状態を示す断面図であり、図21(c)は、図21(b)において推進部材が貼付ユニットに係合した状態を示す図であり、図21(d)は、図21(b)において推進部材と貼付ユニットとが閉じた状態を示す図である。
【0089】
[切断部を保持した推進部材の交換]
推進部材34には切断部8xが駆動軸82により回転自在に保持されており、貼付ユニット7xに推進部材34を取り付けるは、まず、図21(b)の貼付ユニット7xと推進部材34とが開いた状態から、図21(c)のように推進部材34を矢印Y1方向に移動させて、推進部材34の鈎爪46が板バネアーム48を撓ませて、貼付ユニット7xの開閉爪79と係合させ、その後、図21(d)のように、の推進部材34をさらに矢印Y1方向に移動させて、推進部材34の鈎爪46を貼付ユニット7xの開閉爪79に掛け止めて閉じる。推進部材34の取外は、推進部材34の鈎爪46が板バネアーム48を撓ませて、貼付ユニット7xの開閉爪79より鈎爪46を取外す。このようにすると、切れ味の悪くなった切断部8xの交換を安全に、しかも容易に行なうことが出来る。その他は、主に各部の形態の変更以外、第3の実施形態のテープ貼付器と同様の構成である。 テープ貼付器3hは、基本的に第3の実施形態のテープ貼付器と同様の動作を行うため、テープの貼付も同様の手順で実施することができる。
【0090】
[駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器の作動]
まず、使用者が、図17(a)に示すように、テープ貼付器3hのテープ貼付ローラ75を被貼付面1aに押し当てる。次に、図17(b)に示すように、作動ばね61の付勢に抗してレバー14を軸11の周りに矢印R1方向に回転させて閉じると、駆動ユニット1xの駆動ラックギア18は、ピニオンギア2bを回転させて、第3の実施形態のテープ貼付器と同様に、テープ送出装置2xを駆動させ、テープ56の先端は貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する部分に押し当てられる。行き場をなくしたテープ56は被貼付面1aに粘着面が接触するように撓み、溜め置かれる。
【0091】
[ブレーキユニット]
このときブレーキユニット9xもレバー14と同一回転をするため、ブレーキパッド90がテープ56のロールの内側壁に圧接し、テープ56のロールの回転にブレーキをかける。ブレーキの強さは調節つまみ92により段階的に調節できる。レバー14を閉じた状態で、テープ貼付器3h全体を矢印Y1の方向へ引いて、テープ56を被貼付面1a上に貼付る。その後、図17(c)に示すように、レバー14の力を取り除き、駆動ラックギア18は、駆動ユニット1xを元の位置の方向へ付勢する作動ばね61の付勢により、レバー14を矢印R2の方向に回転して元の位置に戻される。駆動ラックギア18と、ピニオンギア2bとは、相互の歯の上を滑りながら元の位置に戻る。
【0092】
このとき、レバー14の駆動爪15は、下方から切断部8xのアーム爪83に係合して、アーム爪83を戻しばね89の付勢に抗して上方に持ち上げる。そして、切断部8xは、揺動軸82の周りに反時計方向へ回転すると共に、切断刃88は、テープ56の進行方向に対して垂直の方向から、貼付ローラ75と剥離ローラ28との間のテープ56に当接してテープ56を切断する。テープ56の切断に失敗した場合、切断部8xの切断ボタン87を手で押して切断部8xを揺動軸82の周りに回転させ、テープ56を切断する。テープ貼付器3hをこのような構造にすることで被貼付面1a上への貼付ローラ75の押圧力を自在にでき、テープ貼付器3hを被貼付面1a上から一時的に開放しても前記レバー14を引いた状態であればテープ56が切断されることはない。
【0093】
テープ56の切断後、駆動爪15は、アーム爪83の末端の方向に移動し、駆動爪15とアーム爪83との係合が無くなると、切断部8xは、戻しばね89の付勢により元の位置に戻される。駆動爪15は、作動ばね61の付勢で元の位置に戻る。切断された後続のテープ56は、引出ローラ26と剥離ローラ28との外周部上に残っているため、次のテープ56の引き出し及び送出を確実に実施することができる。
【0094】
[駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器の展開]
図22は、テープ貼付器の展開の一例を示す側面図であり、図22(a)貼付ユニット7xを閉じた側面図であり、図22(b)は、図22(a)の貼付ユニット7xを開いた側面図である。テープ貼付器3hは、図22(a)に示すように、貼付ユニット7xをシャーシ5xの軸62の周りに矢印R4の方向に回転させて展開することができる。このように展開した状態で、ロール状のテープ56をテープ保持体59に装着し、テープ56の先を引き出して引出ローラ26と剥離ローラ28との外周部上に貼付る。その後、矢印R4の逆方向に貼付ユニット7xを軸62の周りに回転させて、貼付ユニット7xの鈎爪7aをシャーシ5xの開閉爪55に掛け止めて閉じる。このような構成にすると、テープ貼付器3hの展開は簡単に実施することができ、テープ56の交換及びテープ56の初期設定を容易かつ迅速に実施することができる。
【0095】
第5の実施形態のテープ貼付器は、レバーを閉じると、テープの先端を被貼付面1a上に送出して溜め置き、テープの貼付が終了した後レバーの力を取り除きレバーを開くと、テープを切断することができる。また、貼付られたテープには「しわ」のない綺麗なテープの貼付が可能となった。そして、第3の実施形態と同様の効果を期待できる。
【0096】
(第6の実施形態)
[ハンドルを追加した駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器]
次に、ハンドルを追加した駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器について以下に説明する。ハンドルを追加した駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器は、第5の実施形態の貼付器の構成を一部変更しているだけである。なお、第5の実施形態の貼付器と共通する箇所は、同符号を付して説明を省略する。
【0097】
図23は、テープ貼付器の他の作動状況の一例を示す図であり、図23(a)は、貼付ユニット7xとシャーシとレバーの一部を省略して全体を示す側面図であり、図23(b)は、図23(a)においてテープ送出後の一部を示す側面図であり、図23(c)は、図23(a)においてテープ切断後の一部を示す側面図である。
【0098】
シャーシ5xは新たに、シャーシ5xの背後にハンドル64を備える。そして、レバー14は、ハンドル64の下方に配設される。作動ばね61は、レバー14とハンドル64との間に設けられ、レバー14を軸11の周りにハンドル64と反対の矢印R1の逆方向に付勢する。そのため、テープ貼付器4hは、大きく分けて、貼付ユニット7xと、レバー14と、シャーシ5xと、ハンドル64とを備え、その他は、主に各部の形態の変更以外、第5の実施形態のテープ貼付器と同様の構成である。
【0099】
[ハンドルを追加した駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器の作動]
テープ貼付器4hは、基本的に第5の実施形態のテープ貼付器と同様の動作を行うため、テープの貼付も同様の手順で実施することができる。以下、テープの貼付の手順を簡単に説明する。ず、使用者が、図23(a)に示すように、テープ貼付器4hのテープ貼付ローラ75を被貼付面1aに押し当てる。次に、作動ばね61の付勢に抗してレバー14を軸11の周りを矢印R1のハンドル64方向に回転させて閉じると、図23(b)示す状態になる。駆動ユニット1xの駆動ラックギア18は、ピニオンギア2bを回転させて、第5の実施形態のテープ貼付器と同様に、テープ送出装置2xを駆動させ、テープ56の先端を貼付ローラ75と被貼付面1aとの接する方向に送出する。
【0100】
このときブレーキユニット9xもレバー14と同一回転をするため、第5の実施形態同様に、ロール状のテープ56の回転にブレーキがかかる。その後、レバー14を閉じた状態で、テープ貼付器4h全体を所望の方向へ引いて、テープ56を被貼付面1a上に貼付る。そして、図23(c)に示すように、レバー14の力を取り除き、元の位置の方向へ付勢する作動ばね61の付勢により、レバー14を矢印R2の方向に回転して元の位置に戻される。その後、切断刃88は、貼付ローラ75と剥離ローラ28との間のテープ56に当接してテープ56を切断する。
【0101】
[駆動ユニットをレバーに備えるテープ貼付器の展開]
図24は、テープ貼付器の展開の一例を示す側面図であり、図24(a)は、貼付ユニット7xを閉じた側面図であり、図24(b)は、図24(a)の貼付ユニット7xを開いた側面図である。テープ貼付器4hは、図24(a)に示すように、第5の実施形態と同様に、貼付ユニット7xをシャーシ5xの軸62の周りに矢印R4の方向に回転させて展開することができ、テープ56をセットした後、矢印R4の逆方向に貼付ユニット7xを軸62の周りに回転させて、鈎爪7aをシャーシ5xの開閉爪55に掛け止めて閉じる。
【0102】
また、第6の実施形態は、テープ貼付器3hと同様にテープ貼付器4hを一次止める、駆動制御体6xの機能や、切断部8xを保持する推進部材34の取替など、第5の実施形態と同様の効果を期待できる。
【0103】
第1至第6の実施形態の他に、駆動ユニットを押しボタンやダイヤルで回転させたり、電動モーターによる駆動方法等様々な駆動の方法を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明に係るテープ送出装置は、様々なテープ貼付器、卓上式テープホルダ、電動式テープホルダ、封かん機器、包装や梱包機器等の構成部品として用いることができる。また、本発明に係るテープ貼付器は、封筒の封かん、ポスター等の貼り紙の貼り付け、や包装、段ボールケースの梱包などに用いることができ、更に様々な目的に用いることができる。例えば、ロボット等でテープを自動的に貼り付ける用途に用いることができる。そのため、本発明を実施することによる産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0105】
h、1h、2h、3h、4h テープ貼付器
1a 被貼付面
1L 係合面
1x 駆動ユニット
10 ケース
11 軸
12 係合部
13 ガイド
14 レバー
15 駆動爪
16 係合ばね
17 駆動軸
18 駆動ラックギア
19 アーム
2b ピニオンギア
2x テープ送出装置
2y 駆動連結体
20 歯
21 ストッパー
24 推進部材
25 ローラ保持部
26 引出ローラ
27 軸
28 剥離ローラ
29 接触面
3y 推進体
30 縁部
31 軸
32 ベルト溝
33 ベルト
34 推進部材
35 側壁
36 推進ローラ
37 軸
38 下面
39 成形ディスク
4y 屈曲形成部
40 成形ローラ
41 軸
42 ローラ保持部
43 テンション体
44 テンションローラ
45 軸
46 鈎爪
48 板ばねアーム
5a 屈曲後のテープ
5b しわ
5x シャーシ
50 引出ローラ
51 軸
52 剥離成形ローラ
53 軸
55 開閉爪
56 テープ
57 屈曲後のテープ
58 底板
59 テープ保持体
6x 駆動制御体
60 テープ保持軸
61 作動ばね
62 軸
63 収納部
64 ハンドル
65 長穴
66 長穴
7a 鈎爪
7x 貼付ユニット
70 保護カバー
72 ストッパー
73 主軸
74 作用軸
75 貼付ローラ
76 軸
77 開口部
78 ストッパー
79 開閉爪
8x 切断部
80 アーム
81 ストッパー
82 揺動軸
83 アーム爪
84 板ばねアーム
85 カム
86 切断刃保持盤
87 切断ボタン
88 切断刃
89 戻しばね
9x ブレーキユニット
90 ブレーキパッド
91 ばね
92 調節つまみ
93 アーム
94 調節爪
95 調節溝
図1
図2
図3
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図5
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