(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136277
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240927BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H10B12/00 621A
H10B12/00 671C
H10B12/00 671Z
H01L29/78 613B
H01L29/78 618B
H01L29/78 612C
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047353
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 睦
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 信美
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭司
【テーマコード(参考)】
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F083AD02
5F083AD11
5F083GA09
5F083JA02
5F083JA03
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA42
5F083JA43
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA19
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA19
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR05
5F083PR21
5F110AA04
5F110BB06
5F110BB11
5F110CC10
5F110DD05
5F110EE04
5F110EE07
5F110EE45
5F110FF01
5F110FF29
5F110GG01
5F110GG44
5F110HK04
5F110HK07
5F110HK34
5F110HM12
(57)【要約】
【課題】好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸するビア配線と、を備える。複数のメモリ層は、それぞれ、ビア配線に電気的に接続された半導体層と、半導体層の、第1方向の一方側及び他方側の面に対向するゲート電極と、半導体層に対して第2方向の一方側に設けられ、半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、半導体層に対して第2方向の他方側に設けられ、ゲート電極に電気的に接続され、第3方向に延伸する配線と、ゲート電極及び配線に接続された接続配線と、を備える。接続配線は、ゲート電極の第3方向の一方側の側面に沿って第2方向に延伸し、ゲート電極の第3方向の一方側の側面に接続された第1部分と、第1部分と連続し、配線の第2方向のビア配線側の側面に沿って第3方向に延伸し、配線の第2方向のビア配線側の側面に接続された第2部分と、を備える
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記第1方向に延伸する第1ビア配線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記第1ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、
前記第1半導体層の、前記第1方向の一方側及び他方側の面に対向する第1ゲート電極と、
前記第1半導体層に対して、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、前記第1半導体層に電気的に接続された第1メモリ部と、
前記第1半導体層に対して、前記第2方向の他方側に設けられ、前記第1ゲート電極に電気的に接続され、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する第1配線と、
前記第1ゲート電極及び前記第1配線に接続された接続配線と
を備え、
前記接続配線は、
前記第1ゲート電極の前記第3方向の一方側の側面に沿って前記第2方向に延伸し、前記第1ゲート電極の前記第3方向の前記一方側の側面に接続された第1部分と、
前記第1部分と連続し、前記第1配線の前記第2方向の前記第1ビア配線側の側面に沿って前記第3方向に延伸し、前記第1配線の前記第2方向の前記第1ビア配線側の側面に接続された第2部分と、
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1ビア配線と前記第3方向に並び、前記第1方向に延伸する第2ビア配線を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記第2ビア配線に電気的に接続された第2半導体層と、
前記第2半導体層の、前記第1方向の一方側及び他方側の面に対向する第2ゲート電極と、
前記第2半導体層に対して前記第2方向の一方側に設けられ、前記第2半導体層に電気的に接続された第2メモリ部と
を備え、
前記接続配線は、前記第2部分と連続し、前記第2ゲート電極の前記第3方向の他方側の側面に沿って前記第2方向に延伸し、前記第2ゲート電極の前記第3方向の前記他方側の側面に接続された第3部分を備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記接続配線の前記第1方向の長さは、前記第1ゲート電極の前記第1方向の長さと一致する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記接続配線の前記第1方向の長さは、前記第1配線の前記第1方向の長さと一致する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記接続配線は、
前記第1方向に並び、前記第1方向に互いに離間する第4部分及び第5部分と、
前記第4部分及び前記第5部分と連続する第6部分と
を備える請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第4部分及び前記第5部分の間に空隙が設けられている
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第4部分及び前記第5部分の間に絶縁層が設けられている
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第4部分及び前記第5部分の間に導電層が設けられている
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1ゲート電極は、前記第1半導体層の前記第1方向の一方側の面に対向する第1部分と、前記第1半導体層の前記第1方向の他方側の面に対向する第2部分と、を含み、
前記第1方向と垂直であり、前記複数のメモリ層のうちの一つに対応する前記第1ゲート電極の前記第1部分又は前記第2部分の一部を含む断面において、前記第1ビア配線は、前記第1ゲート電極に対向する第1の面と、前記第1ゲート電極に対向しない第2の面と、を備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1半導体層及び前記第1ゲート電極の間に設けられたゲート絶縁膜を更に備え、
前記断面において、前記第1ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を介して、前記第1ビア配線の前記第1の面と対向する
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記断面において、前記第1ゲート電極の前記第1メモリ部側の面は、前記第1ビア配線の中心点を中心とする円に沿った曲面である
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記断面において、前記第1ゲート電極の前記第1ビア配線側の面は、前記第1ビア配線の中心点を中心とする円に沿った曲面である
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記断面において、
前記第1ゲート電極の前記第1メモリ部側の面は、前記第1ビア配線の中心点を中心とする第1の円に沿った曲面であり、
前記第1ゲート電極の前記第1ビア配線側の面は、前記第1ビア配線の中心点を中心とする第2の円に沿った曲面であり、
前記第1の円の半径は、前記第2の円の半径よりも大きい
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1方向と垂直であり、前記複数のメモリ層のうちの一つに対応する前記第1半導体層の一部を含む断面において、前記第1半導体層の前記第1メモリ部側の面は、前記第1ビア配線の中心点を中心とする円に沿った曲面である
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1ビア配線は、前記第1方向に延伸する導電部材と、前記導電部材の外周面に沿って前記第1方向に延伸する半導体膜と、を備え、
前記第1方向と垂直であり、前記複数のメモリ層のうちの一つに対応する前記第1半導体層の一部を含む断面において、
前記第1半導体層の前記第1メモリ部側の面は、前記第1ビア配線の中心点を中心とする第1の円に沿った曲面であり、
前記第1半導体層は、前記半導体膜と連続し、
前記半導体膜の前記第1配線側の面は、前記第1ビア配線の中心点を中心とする第2の円に沿った曲面であり、
前記第1の円の半径は、前記第2の円の半径よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第1配線と前記第1ビア配線との間の距離は、前記第1ゲート電極と前記第1ビア配線との間の距離よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記第1メモリ部は、キャパシタである
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記第1半導体層は、酸化物半導体を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記第1半導体層は、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の高集積化に伴い、半導体記憶装置の三次元化に関する検討が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,514,792号明細書
【特許文献1】米国特許第10,707,210号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸する第1ビア配線と、を備える。複数のメモリ層は、それぞれ、第1ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、第1半導体層の、第1方向の一方側及び他方側の面に対向する第1ゲート電極と、第1半導体層に対して、第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、第1半導体層に電気的に接続された第1メモリ部と、第1半導体層に対して、第2方向の他方側に設けられ、第1ゲート電極に電気的に接続され、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸する第1配線と、第1ゲート電極及び第1配線に接続された接続配線と、を備える。接続配線は、第1ゲート電極の第3方向の一方側の側面に沿って第2方向に延伸し、第1ゲート電極の第3方向の一方側の側面に接続された第1部分と、第1部分と連続し、第1配線の第2方向の第1ビア配線側の側面に沿って第3方向に延伸し、第1配線の第2方向の第1ビア配線側の側面に接続された第2部分と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図2】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図3】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図4】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図5】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図6】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図7】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図8】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図9】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図10】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図11】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図12】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図15】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図16】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図17】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図18】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図19】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図20】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図21】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図22】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図23】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図24】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図25】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図26】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図27】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図28】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図29】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図30】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図31】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図32】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図33】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図34】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図35】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図36】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図37】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図38】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図39】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図40】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図41】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図42】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図43】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図44】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図45】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図46】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図47】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図48】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図49】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図50】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図51】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図52】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図53】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図54】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図55】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図56】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図57】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図58】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図59】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図60】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図61】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図62】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図63】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図64】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図65】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図66】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図67】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図68】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図69】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図70】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図71】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図72】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図73】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図74】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図75】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図76】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図77】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図78】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図79】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図80】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図81】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図82】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図83】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図84】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図85】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図86】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図87】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図88】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図89】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図90】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図91】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図92】第3実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図93】第3実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図94】第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図95】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図96】第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図97】第6実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図98】第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に電気的に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書において、ある構成の「中心位置」と言った場合、例えば、この構成の外接円の中心の位置を意味しても良いし、この構成の画像上の重心を意味しても良い。
【0016】
[第1実施形態]
[回路構成]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
図1に示す様に、本実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイMCAを備える。メモリセルアレイMCAは、複数のメモリ層MLと、これら複数のメモリ層MLに接続された複数のビット線BLと、複数のメモリ層MLに接続されたプレート線PLと、を備える。
【0017】
メモリ層MLは、それぞれ、複数のワード線WLと、これら複数のワード線WLに接続された複数のメモリセルMCと、を備える。メモリセルMCは、それぞれ、トランジスタTrCと、キャパシタCpCと、を備える。トランジスタTrCのソース電極は、ビット線BLに接続されている。トランジスタTrCのドレイン電極は、キャパシタCpCに接続されている。トランジスタTrCのゲート電極は、ワード線WLに接続されている。キャパシタCpCの一方の電極は、トランジスタTrCのドレイン電極に接続されている。キャパシタCpCの他方の電極は、プレート線PLに接続されている。各ビット線BLは、複数のメモリ層MLに対応する複数のメモリセルMCに接続されている。
【0018】
[構造]
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図3は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図であり、
図2の一部を示している。
図4は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図であり、
図2の一部を拡大して示している。
図5及び
図7は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、
図5は、後述する半導体層111に対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。また、
図7は、後述する導電層113の部分113u又は部分113lに対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。
図6は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図5に示す構造をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。
図8は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図3に示す構造をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。
図9は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【0019】
図2には、半導体基板Subの一部と、半導体基板Subの上方に設けられたメモリセルアレイMCAと、を示している。
【0020】
半導体基板Subは、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むシリコン(Si)等の半導体基板である。半導体基板Subの上面には、図示しない絶縁層及び電極層が設けられている。半導体基板Subの上面、図示しない絶縁層及び電極層は、第1実施形態に係る半導体記憶装置を制御するための制御回路を構成する。例えば、メモリセルアレイMCAの直下の領域には、センスアンプ回路が設けられる。センスアンプ回路は、ビット線BLに電気的に接続される。センスアンプ回路は、読出動作において、ビット線BLの電圧の変動又は電流を検出することにより、選択メモリセルMCに記憶されたデータを読み出すことが可能である。
【0021】
メモリセルアレイMCAは、Z方向に並ぶ複数のメモリ層MLを備える。また、複数のメモリ層MLの間には、それぞれ、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層103が設けられている。
【0022】
また、メモリセルアレイMCAには、導電層102が設けられている。導電層102はY方向及びZ方向に延伸し、メモリ層MLをX方向に分断する。
【0023】
導電層102は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層102は、例えば、プレート線PL(
図1)として機能する。
【0024】
また、メモリセルアレイMCAには、複数のビア配線104が設けられている。複数のビア配線104は、Y方向に並び、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。
【0025】
ビア配線104は、
図4に示す様に、例えば、後述する半導体層111と同様の材料を含む半導体膜104a、導電性酸化物を含む導電性酸化膜104b、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜104c、及び、タングステン(W)等の導電部材104dを含む。尚、ビア配線104は、導電性酸化膜104bのかわりに、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属を含んでいても良い。また、ビア配線104は、導電性酸化物のみを含んでいても良いし、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属のみを含んでいても良い。
【0026】
尚、本明細書において、「導電性酸化物」は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化イリジウム(IrO2)、又は、その他の酸素を含む導電性の材料を含むこととする。
【0027】
導電部材104dは、Z方向に延伸する略円柱状の形状を備える。バリア導電膜104cは、導電部材104dの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。導電性酸化膜104bは、バリア導電膜104cの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。半導体膜104aは、導電性酸化膜104bの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。また、半導体膜104aの外周面には、後述する絶縁層112の一部が設けられている。ビア配線104は、例えば、ビット線BL(
図1)として機能する。ビット線BLは、例えば
図2に示す様に、メモリ層MLに含まれる複数のトランジスタTrCに対応して、複数設けられている。
【0028】
尚、
図7に例示するXY断面において、ビット線BLの外周面の一部S1は、後述する絶縁層112の一部を介して、後述する導電層113と対向する。また、ビット線BLの外周面の他の一部S2は、導電層113と対向しない。
【0029】
また、例えば
図3に示す様に、Y方向に並ぶ複数のビア配線104の間の領域のうち、Y方向の一方側から数えて偶数番目又は奇数番目の領域には、酸化シリコンSiO
2等の絶縁層115が設けられている。また、Y方向に並ぶ複数のビア配線104の間の領域のうち、それ以外の領域(奇数番目又は偶数番目の領域)には、酸化シリコンSiO
2等の絶縁層116が設けられている。絶縁層115は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。絶縁層116は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する部分116aと、複数のメモリ層MLに対応して設けられた複数の部分116bと、を備える。
【0030】
[メモリ層MLの構造]
メモリ層MLは、
図3に示す様に、複数のビア配線104に対応してY方向に並ぶ複数のトランジスタ構造110と、これら複数のトランジスタ構造110に対して導電層102と反対側に設けられた導電層120と、複数のトランジスタ構造110に対応してY方向に並び、複数のトランジスタ構造110及び導電層102の間に設けられた複数のキャパシタ構造130と、を備える。また、Y方向に並ぶ複数のトランジスタ構造110の間の領域のうち、絶縁層115に対応する領域には、それぞれ、Y方向に隣り合う2つのトランジスタ構造110と、導電層120と、に接続された接続配線140が設けられている。また、トランジスタ構造110と導電層120との間の領域には、絶縁層116の上記部分116bが設けられている。
【0031】
トランジスタ構造110は、例えば
図4に示す様に、ビア配線104に接続され、X方向に延伸する半導体層111と、半導体層111の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層120側)の側面に設けられた絶縁層112と、絶縁層112の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層113と、を備える。
【0032】
半導体層111は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のチャネル領域として機能する。半導体層111は、例えば、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む半導体であっても良いし、その他の酸化物半導体であっても良い。例えば
図6に示す様に、Z方向に並ぶ複数の半導体層111は、Z方向に延伸するビア配線104に共通に接続されている。
【0033】
図5に例示する様なXY断面において、半導体層111のY方向の中央位置は、対応するビア配線104のY方向の中央位置と略一致していても良い。また、半導体層111のX方向の一方側(導電層102側)の側面は、ビア配線104の中心位置を中心とする円に沿って形成されていても良い。この円の半径は、
図5に例示する様なXY断面において、ビア配線104の外周面(半導体膜104a)の外周面の外接円の半径より大きい。また、半導体層111のX方向の他方側(導電層120側)の側面は、ビア配線104中の半導体膜104aと連続していても良い。また、半導体層111のY方向における一方側の側面(接続配線140と反対側の側面)は、絶縁層116のY方向の側面に沿って直線状に形成されていても良い。また、半導体層111のY方向における他方側の側面(接続配線140側の側面)は、接続配線140及び絶縁層115のY方向の側面に沿って形成された段差に沿って形成されていても良い。
【0034】
絶縁層112は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層112は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。
【0035】
図5に例示する様なXY断面において、絶縁層112のX方向の導電層120側の側面は、ビア配線104の外周面の一部(ビア配線104の外周面のうち、導電層120側に設けられた部分)を覆い、ビア配線104の中心位置を中心とする円に沿って形成されていても良い。また、絶縁層112のY方向における一方側の側面(接続配線140と反対側の側面)は、絶縁層116のY方向の側面に沿って直線状に形成されていても良い。また、絶縁層112のY方向における他方側の側面(接続配線140側の側面)は、接続配線140及び絶縁層115のY方向の側面に沿って形成された段差に沿って形成されていても良い。
【0036】
図7に例示する様なXY断面において、絶縁層112は、ビア配線104の外周面を、全周にわたって覆っていても良い。
【0037】
導電層113は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート電極として機能する。導電層113は、例えば、窒化チタン(TiN)、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。例えば
図3に示す様に、Y方向に並ぶ複数の導電層113は、接続配線140を介して、Y方向に延伸する導電層120に共通に接続されている。導電層113は、絶縁層112を介して、半導体層111の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層120側)の側面と対向している。
【0038】
図5に例示する様なXY断面において、導電層113のY方向の中央位置は、対応するビア配線104のY方向の中央位置と略一致していても良い。また、導電層113のY方向における一方側の側面(接続配線140と反対側の側面)は、絶縁層116のY方向の側面に沿って直線状に形成されていても良い。また、導電層113のY方向における他方側の側面(接続配線140側の側面)は、接続配線140及び絶縁層115のY方向の側面に沿って形成された段差に沿って形成されていても良い。
【0039】
図7に例示する様なXY断面において、導電層113のY方向の中央位置は、対応するビア配線104のY方向の中央位置と略一致していても良い。また、導電層113のX方向の一方側(導電層102側)の側面S12は、ビア配線104の中心位置を中心とする円c2に沿って形成されていても良い。また、導電層113のX方向の他方側(導電層120側)の側面は、
図7に示す様に、Y方向に離間し、Y方向に延伸する2つの直線状の部分と、これら2つの直線状の部分の間に設けられた曲線状の部分S11と、を備えていても良い。この曲線状の部分S11は、ビア配線104の中心位置を中心とする円c1(図示の例では、絶縁層112の外周面に対応する円c1。円c2の半径は、円c1の半径よりも大きい。)に沿って形成され、絶縁層112を介して、ビア配線104の外周面の一部S1と対向していても良い。また、導電層113のY方向における一方側の側面(接続配線140と反対側の側面)は、絶縁層116のY方向の側面に沿って直線状に形成されていても良い。また、導電層113のY方向における他方側の側面(接続配線140側の側面)は、接続配線140及び絶縁層115のY方向の側面に沿って形成された段差に沿って形成されていても良い。
【0040】
尚、
図6には、導電層113の、半導体層111の上面を覆う部分を部分113uと、半導体層111の下面を覆う部分を部分113lと表記している。また、
図5には、これらの間に設けられた部分113cを表記している。部分113cは、Z方向に延伸し、上端において部分113uと連続し、下端において部分113lと連続する。部分113cは、接続配線140のY方向の側面に接する。
【0041】
導電層120は、例えば、ワード線WL(
図1)として機能する。導電層120は、例えば
図3に示す様に、Y方向に延伸し、接続配線140を介して、Y方向に並ぶ複数の導電層113に接続されている。導電層120は、例えば
図4に示す様に、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜121と、タングステン(W)の導電膜122と、を備える。
【0042】
図7に示す様に、導電層120とビア配線104との間の距離は、導電層113とビア配線104との間の距離(絶縁層112の厚み)よりも大きい。
【0043】
キャパシタ構造130は、例えば
図5及び
図6に示す様に、導電層131と、導電層131の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた導電層132と、導電層132の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた絶縁層133と、絶縁層133の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた導電層134と、導電層134の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた絶縁層135と、絶縁層135の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層136と、導電層136の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層137と、を備える。
【0044】
導電層131,132,136,137は、キャパシタCpC(
図1)の一方の電極として機能する。導電層131,137は、例えば、タングステン(W)等を含む。導電層132,136は、例えば、窒化チタン(TiN)等を含む。導電層131,132,136,137は、導電層102に接続されている。
【0045】
絶縁層133,135は、キャパシタCpC(
図1)の絶縁層として機能する。絶縁層133,135は、例えば、ジルコニア(ZrO
2)、アルミナ(Al
2O
3)又はその他の絶縁性の金属酸化物であっても良い。また、絶縁層133,135は、例えば、複数の絶縁性の金属酸化物の積層膜(例えば、ジルコニア及びアルミナの積層膜)であっても良い。
【0046】
導電層134は、例えば、キャパシタCpC(
図1)の他方の電極として機能する。導電層134は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。導電層134は、絶縁層133,135を介して、導電層131,132,136,137から絶縁されている。導電層134は、半導体層111のX方向の側面に接続されている。
【0047】
接続配線140は、例えば
図3に示す様に、X方向に延伸する2つの部分141と、これら2つの部分141の導電層120側の端部と連続し、Y方向に延伸する部分142と、を備える。部分141の導電層102側の端部は、導電層113のY方向の側面に沿ってX方向に延伸し、この側面に接する。部分142は、導電層120のトランジスタ構造110側の側面に沿ってY方向に延伸し、この側面に接する。
【0048】
図9の例において、接続配線140のZ方向の長さは、導電層113のZ方向の長さ、導電層120のZ方向の長さ、及び、導電層134のZ方向の長さと一致する。また、
図9の例において、接続配線140は、Z方向に隣り合う2つの絶縁層103に接する。
【0049】
【0050】
同製造方法においては、例えば
図10に示す様に、複数の絶縁層103と、複数の犠牲層MLAと、を交互に形成する。犠牲層MLAは、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)等を含む。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって行う。
【0051】
次に、例えば
図11及び
図12に示す様に、絶縁層115に対応する位置に、開口115Aを形成する。また、絶縁層116の部分116aに対応する位置に、開口116Aを形成する。開口115A,116Aは、
図12に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0052】
次に、例えば
図13及び
図14に示す様に、開口115Aの内壁面に、絶縁層115Bを形成する。また、開口116Aの内壁面に、絶縁層116Bを形成する。絶縁層115B,116Bは、例えば、炭素(C)等を含む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、絶縁層115B,116Bの形成後、開口116Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0053】
次に、例えば
図15及び
図16に示す様に、絶縁層115Bのうち、開口115AのX方向の端部近傍に設けられた部分を除去する。この工程は、例えば、絶縁層115Bのうち、開口115AのX方向の端部近傍に設けられた部分以外の部分、及び、絶縁層116Bを覆うマスクを用いたRIE等によって行う。
【0054】
次に、例えば
図17及び
図18に示す様に、接続配線140に対応する位置に、開口140Aを形成する。開口140Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、並びに、犠牲層MLAのX方向及びY方向の側面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口115Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、この工程では、開口116Aの上部が、絶縁層等によって閉塞している。従って、開口116Aの内部では、犠牲層MLAが除去されない。
【0055】
次に、例えば
図19及び
図20に示す様に、開口115Aの内壁面及び開口140Aの内部に、導電層140Bを形成する。開口140Aは導電層140Bによって埋め込まれ、開口115Aは導電層140Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、この工程では、開口116Aの上部が、絶縁層等によって閉塞している。従って、開口116Aの内部には、導電層140Bが形成されない。
【0056】
次に、例えば
図21及び
図22に示す様に、接続配線140を形成する。この工程では、例えば、導電層140Bの、開口115Aの内壁面に設けられた部分を除去し、導電層140Bを、Z方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、図示は省略するものの、接続配線140の形成後、開口116A上部の絶縁層等を除去して、開口116Aを外部と連通させる。
【0057】
次に、例えば
図23及び
図24に示す様に、絶縁層115B,116Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0058】
次に、例えば
図25及び
図26に示す様に、ビア配線104に対応する位置に、開口104Aを形成する。開口104Aは、
図26に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0059】
次に、例えば
図27及び
図28に示す様に、開口115A,116Aの内壁面、及び、開口104Aの内周面に、絶縁層115C,116C、及び、絶縁層104Cを形成する。絶縁層115C,116C、及び、絶縁層104Cは、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0060】
次に、例えば
図29及び
図30に示す様に、導電層120に対応する位置の近傍に、開口101Aを形成する。開口101Aは、Y方向及びZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0061】
次に、例えば
図31及び
図32に示す様に、導電層120に対応する位置に、開口120Aを形成する。開口120Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、導電層140BのX方向及びY方向の側面の一部、絶縁層116CのX方向及びY方向の側面の一部、並びに、絶縁層104Cの外周面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口101Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0062】
次に、例えば
図33及び
図34に示す様に、開口101Aの内壁面及び開口120Aの内部に、シリコン(Si)等の犠牲層101Bを埋め込む。開口120Aは犠牲層101Bによって埋め込まれ、開口101Aは犠牲層101Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0063】
次に、例えば
図35及び
図36に示す様に、開口101Aの内部及び開口120Aの内部に、窒化シリコン(SiN)等の犠牲層101Cを形成する。この工程では、例えば、開口101Aを介したウェットエッチング等によって、犠牲層101Bの一部を除去して、接続配線140のX方向の側面を露出させる。また、CVD等によって犠牲層101Cを形成する。
【0064】
次に、例えば
図37及び
図38に示す様に、絶縁層115C,116Cを除去する。また、犠牲層101Bを除去して、絶縁層116の部分116bに対応する位置に、開口116Dを形成する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0065】
次に、例えば
図39及び
図40に示す様に、開口115Aの内部に、絶縁層115を形成する。また、開口116A,116Dの内部に、絶縁層116を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0066】
次に、例えば
図41及び
図42に示す様に、絶縁層104Cを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0067】
次に、例えば
図43及び
図44に示す様に、半導体層111に対応する位置に、開口111Aを形成する。開口111Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115のY方向の側面の一部、並びに、絶縁層116のY方向及びX方向の側面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口104Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0068】
次に、例えば
図45及び
図46に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、導電層113A及びシリコン(Si)等の犠牲層111Bを形成する。導電層113Aは、絶縁層103の上面の一部、下面の一部及び開口104Aへの露出面、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115のY方向の側面の一部、並びに、絶縁層116のY方向及びX方向の側面の一部に形成される。また、開口111Aは犠牲層111Bによって埋め込まれ、開口104Aは犠牲層111Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、導電層113A及び犠牲層111Bの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0069】
次に、例えば
図47及び
図48に示す様に、導電層102に対応する位置に、開口102Aを形成する。開口102Aは、Y方向及びZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLA、絶縁層115、並びに、絶縁層116を貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0070】
次に、例えば
図49及び
図50に示す様に、キャパシタ構造130に対応する位置に、開口130Aを形成する。この工程では、開口102Aを介して、犠牲層MLAを除去する。また、導電層113Aのうち、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)を覆う部分を除去する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層111BのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0071】
次に、例えば
図51及び
図52に示す様に、開口102A及び開口130Aを介して、犠牲層111Bに酸化処理を行い、絶縁層111Cを形成する。また、開口102A及び開口130Aに、シリコン(Si)等の犠牲層130Bを埋め込む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0072】
次に、例えば
図53及び
図54に示す様に、導電層113を形成する。この工程では、例えば、犠牲層111Bのうち、開口104Aの内周面に設けられた部分を除去する。次に、導電層113Aのうち、開口104Aの内周面に設けられた部分を除去し、導電層113AをZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0073】
次に、例えば
図55及び
図56に示す様に、犠牲層111Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0074】
次に、例えば
図57及び
図58に示す様に、絶縁層111C、及び、犠牲層130Bの一部を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0075】
次に、例えば
図59及び
図60に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、絶縁層112A及び犠牲層111Bを形成する。絶縁層112Aは、導電層113の上面、下面及び開口111Aへの露出面、絶縁層103の上面の一部、下面の一部及び開口104Aへの露出面、犠牲層130BのX方向の側面の一部、絶縁層115のY方向の側面の一部、並びに、絶縁層116のY方向及びX方向の側面の一部に形成される。また、開口111Aは犠牲層111Bによって埋め込まれ、開口104Aは犠牲層111Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、絶縁層112A及び犠牲層111Bの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0076】
次に、例えば
図61及び
図62に示す様に、犠牲層130Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0077】
次に、例えば
図63及び
図64に示す様に、絶縁層112を形成する。この工程では、開口102A及び開口130Aを介して、絶縁層112Aのうち、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)を覆う部分を除去する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層111BのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0078】
次に、例えば
図65及び
図66に示す様に、開口102A及び開口130Aを介して、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)、絶縁層115のX方向の一方側(開口102A側)の側面及びY方向の両側面、絶縁層116のX方向の一方側(開口102A側)の側面及びY方向の両側面、並びに、絶縁層103の上面、下面及びX方向の一方側(開口102A側)の側面に、導電層134Aを形成する。この工程は、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)等によって行う。
【0079】
次に、例えば
図67及び
図68に示す様に、開口102Aの内部に、シリコン(Si)等の犠牲層130Cを形成する。開口130Aは犠牲層130Cによって埋め込まれ、開口102Aは犠牲層130Cによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0080】
次に、例えば
図69及び
図70に示す様に、開口102Aを介して、犠牲層130Cの一部を除去する。この工程では、例えば、導電層134Aの、絶縁層115,116及び絶縁層103のX方向の側面に設けられた部分を露出させる。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0081】
次に、例えば
図71及び
図72に示す様に、導電層134を形成する。この工程では、例えば、導電層134Aの、絶縁層115,116及び絶縁層103のX方向の側面に設けられた部分を除去し、導電層134Aを、Y方向及びZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0082】
次に、例えば
図73及び
図74に示す様に、犠牲層130Cを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0083】
次に、例えば
図75及び
図76に示す様に、開口102Aを介して、絶縁層115,116の一部、及び、絶縁層103の一部を除去して、開口130Dを形成する。図示の例では、導電層134の内側の領域を開口130Aと、導電層134の外側の領域を開口130Dとして示している。この工程では、導電層113が、開口130Dに露出しない程度の範囲で、絶縁層115,116及び絶縁層103を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0084】
次に、例えば
図77及び
図78に示す様に、開口130A、開口130D及び開口102Aを介して、導電層134の上面、下面、X方向の一方側の側面(開口102A側の側面)及びY方向の両側面に、絶縁層133,135、導電層132,136、及び、導電層131,137,102を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0085】
次に、例えば
図79及び
図80に示す様に、犠牲層111Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0086】
次に、例えば
図81及び
図82に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、半導体層111を形成する。開口111Aは、半導体層111によって埋め込まれる。開口104Aは、半導体層111によって埋め込まれない。この工程は、例えば、ALD等によって行う
【0087】
次に、例えば
図83及び
図84に示す様に、開口104Aの内部に、ビア配線104を形成する。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0088】
次に、例えば
図85及び
図86に示す様に、犠牲層101Cを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0089】
その後、例えば
図5及び
図6に示す様に、開口120Aの内部に導電層120を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0090】
[効果]
本実施形態に係る半導体記憶装置は、Z方向に並ぶ複数のメモリ層MLと、Z方向に延伸するビア配線104と、を備える。また、複数のメモリ層MLは、それぞれ、トランジスタ構造110と、トランジスタ構造110に対してX方向の一方側に設けられたキャパシタ構造130と、トランジスタ構造110に対してX方向の他方側に設けられた導電層120と、を備える。
【0091】
この様な構成は、メモリセルアレイMCAに含まれるメモリ層MLの数が増大した場合であっても、積層工程(
図10を参照して説明した工程)以外には工程数を増やすことなく製造可能である。従って、比較的容易に高集積化を実現可能である。
【0092】
また、本実施形態に係るトランジスタ構造110においては、導電層113が、半導体層111の上面及び下面に対向している。
【0093】
この様な構成では、Z方向に並ぶ複数の半導体層111の間で、電界の干渉が生じることを抑制可能である。従って、メモリセルアレイMCAのZ方向における高集積化を図った場合であっても、半導体層111を好適にON状態又はOFF状態に制御可能であり、好適に動作する半導体記憶装置を提供可能である。
【0094】
また、トランジスタTrCをON状態とする際に、半導体層111の上面、下面、及び、Y方向の両側面にチャネルが形成される。従って、トランジスタTrCのON電流を比較的大きくすることが可能である。これにより、動作の高速化・安定化を図ることが可能である。
【0095】
ここで、例えば、ワード線WLとして機能する配線(Y方向に延伸する配線)を、ビア配線104と、キャパシタ構造130との間に設け、且つ、このワード線WLとして機能する配線の一部を、トランジスタTrCのゲート電極として利用することも考えられる。しかしながら、この様な構造は、トランジスタTrCのチャネル領域として機能する半導体層と、ワード線WLとして機能する配線とが、Z方向から見て交差する構造となる。従って、例えば、半導体層をX方向に分断することなく、Y方向に延伸する配線を加工する必要が生じてしまい、製造の難易度が高い。また、メモリ層のZ方向における幅が大きくなってしまう。
【0096】
この点、本実施形態においては、ワード線WLとして機能する導電層120が、トランジスタ構造110に対して、プレート線PLの反対側に設けられており、Z方向から見てトランジスタ構造110と重ならない位置に設けられている。従って、導電層120とトランジスタ構造110とを独立して形成することが可能であり、比較的容易に製造可能である。また、メモリ層MLのZ方向の幅を抑えつつ、導電層120の配線抵抗を比較的小さい値とすることが可能である。
【0097】
また、この様な構成では、ビット線BLとして機能するビア配線104と、トランジスタTrCのゲート電極として機能する導電層113とが、絶縁層112を介して対向する。従って、ビット線BLと、トランジスタTrCのゲート電極との間に、寄生容量が生じてしまう。ここで、ビット線BLの寄生容量が大きいと、上述したセンスアンプ回路によってキャパシタCpCに蓄積された電荷を好適に検出することが出来ず、読出動作を好適に実行することが出来ない場合がある。従って、この様な構成において読出動作を好適に実行するためには、例えば、ビア配線104と導電層113との対向面積を削減して、ビット線BLと、トランジスタTrCのゲート電極と、の間の静電容量を削減することが考えられる。
【0098】
また、この様な構成では、Z方向に隣り合う2つの導電層113の間に、寄生容量が生じてしまう。ここで、Z方向に隣り合う2つの導電層113の間の寄生容量が大きいと、読出動作や書込動作に際して、動作速度が遅くなってしまう場合がある。従って、導電層113のXY断面における面積は、小さいことが好ましい。
【0099】
そこで、本実施形態に係る半導体記憶装置においては、
図7を参照して説明した様に、ビア配線104の外周面の一部S1が導電層113と対向し、その他の部分(他の一部S2)は導電層113と対向しない構成を採用している。この様な構成によれば、ビア配線104と導電層113との対向面積を削減し、これらの間の寄生容量を削減可能である。また、導電層113のXY断面における面積を削減し、これらの間の寄生容量を削減可能である。
【0100】
また、本実施形態においては、導電層120とビア配線104との間の距離が、導電層113とビア配線104との間の距離よりも大きい。従って、ビット線BLとワード線WLとの間の寄生容量も、削減可能である。
【0101】
また、この様な構成では、
図17及び
図18を参照して説明した工程において、接続配線140に対応する位置に開口140Aを形成している。ここで、開口140Aの形成はウェットエッチング等によって行うため、犠牲層MLAの除去量を、Z方向の一方側から他方側にかけて略一定の大きさに揃えることは、比較的容易である。ここで、接続配線140は、主として、
図19及び
図20を参照して説明した工程で形成される導電層140Bのうち、開口140Aの内部に形成された部分から形成される。従って、接続配線140の部分141のY方向の幅、及び、接続配線140の部分142のX方向の幅は、おおよそ、
図17及び
図18を参照して説明した工程における、犠牲層MLAの除去量によって規定される。従って、本実施形態では、接続配線140の部分141のY方向の幅、及び、接続配線140の部分142のX方向の幅を、Z方向の一方側から他方側にかけて略一定の大きさに揃えることも、比較的容易である。
【0102】
ここで、例えば、Z方向の一方側から他方側にかけて、これら2つの幅が大きくバラついてしまう場合、これら2つの幅を小さくすると、一部のメモリ層MLにおいて接続配線140が断線してしまい、導電層120と導電層113とを確実に接続することが出来ない。従って、導電層120と導電層113とを確実に接続するために、これら2つの幅を大きくする必要が生じてしまう。しかしながら、これら2つの幅を大きくすると、Z方向に隣り合う2つの接続配線140の間の静電容量が大きくなってしまう。
【0103】
この点、本実施形態では、上述の通り、接続配線140の部分141のY方向の幅、及び、接続配線140の部分142のX方向の幅を、Z方向の一方側から他方側にかけて略一定の大きさに揃えることが、比較的容易である。従って、接続配線140の配線幅を比較的小さい大きさとしても、Z方向の一方側から他方側にかけて、接続配線140を好適に形成可能である。これにより、Z方向に隣り合う2つの接続配線140の間の寄生容量を、比較的小さい値に抑えることが可能である。
【0104】
また、この様な構成では、トランジスタ構造110中の構成(半導体層111、絶縁層112及び導電層113)が、ビア配線104の外周面に沿って延伸する弧状の側面と、ビア配線104の中心位置を中心とする円に沿って延伸する弧状の側面と、を備える。この様な構成では、半導体層111の、ビア配線104との接続部分と、キャパシタ構造130との接続部分と、の距離が略一定となるため、トランジスタ構造110のX方向及びY方向の大きさを最小限に抑えつつ、トランジスタ構造110におけるOFFリーク電流を抑制可能である。
【0105】
[第2実施形態]
図87は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
図88及び
図90は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、
図88は、後述する半導体層211に対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。また、
図90は、後述する導電層213の部分113u又は部分113lに対応する高さ位置(Z方向の位置)におけるXY断面を図示している。
図89は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図88及び
図90に示す構造をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。
図91は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図88及び
図90に示す構造をA´´-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。
【0106】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、複数のメモリ層MLのかわりに、複数のメモリ層ML2を備える。メモリ層ML2は、基本的には、メモリ層MLと同様に構成されている。ただし、メモリ層ML2は、トランジスタ構造110のかわりに、トランジスタ構造210を備える。
【0107】
トランジスタ構造210は、半導体層211と、絶縁層212と、導電層213と、を備える。半導体層211、絶縁層212及び導電層213は、基本的には、半導体層111、絶縁層112及び導電層113と同様に構成されている。ただし、
図5及び
図7を参照して説明した様に、半導体層111、絶縁層112及び導電層113のY方向の中央位置は、対応するビア配線104のY方向の中央位置と略一致している。一方、半導体層211、絶縁層212及び導電層213のY方向の中央位置は、対応するビア配線104のY方向の中央位置と略一致していない。
【0108】
例えば、
図88の例では、ビア配線104中の半導体膜104aが半導体層211のY方向の一方側(絶縁層116側)の側面と連続しており、Y方向の他方側(絶縁層115側)の側面からは離間している。図示の例において、ビア配線104は、約90°の角度範囲にわたって、半導体層211と連続している。
【0109】
また、
図90の例では、ビア配線104が導電層213のY方向の一方側(絶縁層116側)の側面と近接しており、Y方向の他方側(絶縁層115側)の側面からは離間している。図示の例において、ビア配線104は、約90°の角度範囲にわたって、導電層213と対向している。
【0110】
この様な構成によれば、ビット線BLと、トランジスタTrCのゲート電極と、の間の静電容量を、更に削減することが可能である。また、Z方向に並ぶ2つのトランジスタTrCのゲート電極の間の寄生容量を、更に削減可能である。
【0111】
[第3実施形態]
図92及び
図93は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図92は、
図17及び
図18を参照して説明した工程における、
図18の一部に対応する位置の断面を示している。
図93は、
図19及び
図20を参照して説明した工程における、
図20の一部に対応する位置の断面を示している。
【0112】
第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図17及び
図18を参照して説明した通り、開口140Aを形成する。
図92には、この開口140Aを、より深い位置まで形成した図を示している。また、
図19及び
図20を参照して説明した通り、開口115Aの内壁面及び開口140Aの内部に、導電層140Bを形成する。
図93には、導電層140Bが、開口140Aが埋め込まれない程度まで形成された図を示している。
【0113】
ここで、導電層140Bは、開口140Aの内部において、絶縁層103の上面及び下面に形成される。この工程が進むにつれて、導電層140BのZ方向の厚みが大きくなり、成膜に用いるガスが、開口140Aの内部に入り込みづらくなる場合がある。また、開口140Aが導電層140Bによって埋め込まれる前に開口140Aが閉塞してしまい、接続配線140の内部に空隙が形成される場合がある。
【0114】
以下、第3実施形態に係る半導体記憶装置として、この様な構造を例示する。
【0115】
図94は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図94は、
図8の一部に対応する位置の断面を示している。第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態又は第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に製造される。ただし、第3実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図17及び
図18を参照して説明において、開口140Aが、
図92に示す程度の位置まで形成される。また、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態又は第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、接続配線140のかわりに、接続配線340を備える。
【0116】
接続配線340は、基本的には、接続配線140と同様に構成されている。ただし、接続配線340は、
図94に例示する様に、Z方向に並ぶ2つの部分341,342と、これら2つの部分341,342に対して絶縁層115と反対側に設けられた部分343と、これら2つの部分341,342に対して絶縁層115側に設けられた部分344と、を備える。部分341の下面は、接続配線340の下面と一致しており、絶縁層103の上面に接する。部分342の上面は、接続配線340の上面と一致しており、絶縁層103の下面に接する。部分343は、部分341,342と連続する。図示は省略するものの、部分343のX方向の一方側(導電層120側)の端部は、接続配線340のX方向の一方側(導電層120側)の端部と一致しており、導電層120に接続されている。部分344は、部分341,342と連続する。部分344のX方向及びY方向の一方側(絶縁層115側)の端部は、接続配線340のX方向及びY方向の一方側(絶縁層115側)の端部と一致しており、絶縁層115に接続されている。
【0117】
また、第3実施形態において、部分341,342の間の領域には、空隙345が設けられている。
【0118】
[第4実施形態]
第3実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図93を参照して説明した工程において、導電層140Bの形成を、開口140Aが閉塞するまで続ける。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示であり、開口140Aが閉塞する前に導電層140Bの形成を終了しても良い。また、開口140Aには、他の材料を形成しても良い。
【0119】
以下、第4実施形態に係る半導体記憶装置として、この様な構造を例示する。
【0120】
図95は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図95は、
図94に対応する位置の断面を示している。第4実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、接続配線340のかわりに、接続配線440を備える。
【0121】
接続配線440は、基本的には、接続配線340と同様に構成されている。ただし、接続配線440は、部分344を備えていない。
【0122】
また、第4実施形態において、部分341,342の間の領域には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層445が設けられている。
【0123】
[第5実施形態]
第4実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、導電層140Bの形成後、開口140Aに、絶縁層445を形成する。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示である。例えば、導電層140Bの形成後、開口140Aに、導電層を形成しても良い。
【0124】
以下、第5実施形態に係る半導体記憶装置として、この様な構造を例示する。
【0125】
図96は、第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図96は、
図95に対応する位置の断面を示している。第5実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第4実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第5実施形態に係る半導体記憶装置は、接続配線440のかわりに、接続配線540を備える。
【0126】
接続配線540は、基本的には、接続配線440と同様に構成されている。ただし、接続配線540は、部分341,342の間の領域に設けられた導電層545を備える。導電層545は、例えば、タングステン(W)を含んでいても良い。
【0127】
[第6実施形態]
図97は、第6実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【0128】
第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図35及び
図36を参照して説明した工程において、犠牲層101Bの一部を除去して、接続配線140のX方向の側面を露出させる。この工程では、接続配線140のX方向の側面だけでなく、Y方向の側面も、一部露出させても良い。これにより、接続配線140のX方向の側面をより確実に露出させて、半導体記憶装置の歩留まりを改善させることが可能である。
【0129】
図98は、第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。第6実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態又は第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第6実施形態に係る半導体記憶装置は、導電層120のかわりに、導電層620を備える。
【0130】
導電層620は、基本的には、導電層120と同様に構成されている。ただし、導電層620は、接続配線140のX方向の側面だけでなく、接続配線140のY方向の側面の一部にも接続されている。また、導電層620は、例えば、バリア導電膜621と、導電膜622と、を備える。バリア導電膜621及び導電膜622は、基本的には、バリア導電膜121及び導電膜122と同様に構成されている。ただし、第6実施形態の製造に際しては、
図97に対応する工程において、接続配線140のX方向の側面だけでなく、Y方向の側面も、一部露出させる。また、絶縁層116CのX方向の側面、及び、Y方向の側面の一部を露出させる。このため、接続配線140のX方向の側面と、犠牲層101BのX方向の側面と、の間には、段差が形成される。同様に、絶縁層116CのX方向の側面と、犠牲層101BのX方向の側面と、の間にも、段差が形成される。バリア導電膜621及び導電膜622は、これらの段差に沿って形成される。
【0131】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成等は適宜調整可能である。
【0132】
例えば、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、接続配線140のかわりに、接続配線340(
図94)、接続配線440(
図95)、又は、接続配線540(
図96)を備えていても良い。また、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、導電層120のかわりに、導電層620(
図98)を備えていても良い。
【0133】
また、第1実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置においては、ビット線として機能するビア配線104が、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。しかしながら、この様な導電性酸化物は、Z方向に延伸するビア配線104ではなく、トランジスタ構造110,210に含まれていても良い。また、ビア配線104及びトランジスタ構造110,210は、その他の材料等を含んでいても良い。
【0134】
また、以上の説明では、トランジスタ構造110に接続されるメモリ部として、キャパシタCpCが採用される例について説明した。しかしながら、メモリ部は、キャパシタCpCでなくても良い。例えば、メモリ部は、強誘電体、強磁性体、GeSbTe等のカルコゲン材料又はその他の材料を含み、これら材料の特性を利用してデータを記録するものであっても良い。例えば、以上において説明したいずれかの構造において、キャパシタCpCを形成する電極間の絶縁層に、これら材料のいずれかを含ませても良い。
【0135】
また、第1実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法も、適宜調整可能である。例えば、上述した工程のいずれか2つの順番を入れ替えたり、上述した工程のいずれか2つを同時に実行したりしても良い。
【0136】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
Sub…半導体基板、ML…メモリ層、BL…ビット線、WL…ワード線、PL…プレート線、TrC…トランジスタ、CpC…キャパシタ、102…導電層、104…ビア配線、110…トランジスタ構造、111…半導体層、112…絶縁層、113…導電層、120…導電層、130…キャパシタ構造、140…接続配線。