(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136280
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】小スペース用ケーブル移動抑制装置
(51)【国際特許分類】
H02G 9/00 20060101AFI20240927BHJP
H02G 9/04 20060101ALI20240927BHJP
H02G 9/08 20060101ALI20240927BHJP
H02G 9/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H02G9/00
H02G9/04
H02G9/08
H02G9/10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047357
(22)【出願日】2023-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 立雄
(72)【発明者】
【氏名】土橋 勝彦
【テーマコード(参考)】
5G369
【Fターム(参考)】
5G369AA10
5G369BA03
5G369BA05
5G369BA06
5G369CB01
5G369CB04
5G369DD02
(57)【要約】
【課題】小スペースにおいても拘束力の高いケーブル移動抑制装置を提供する。
【解決手段】ハンドホール、マンホール、U字トラフ,洞道のいずれかの内部に挿通されたケーブル1を、当該ケーブル1の外周を被うスペーサ8及び当該スペーサ8の外周を被うスプリング付きクリート7で固定する装置において、前記スペーサ8は硬度が60度のクロロプレンゴム製であり、両端に鍔9を有し、内部のケーブル嵌合孔15が前記ケーブル1の外周に密着する内周形状を有する筒状であり、前記各鍔9は従来のスペーサの鍔より胴部8aからの高さが高く且つ横幅も大きく、当該スペーサ8を前記スプリング付きクリート7の外周に被せた際、当該クリート7の両端から各鍔9が突出する形状であり、前記ケーブル嵌合孔15内周と前記ケーブル1外周との間には、瞬間接着剤を介在させ、当該接着剤で前記スペーサ8をケーブル1外周に固定した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドホール、マンホール、U字トラフ,洞道のいずれかの内部に挿通されたケーブルを、当該ケーブルの外周を被うスペーサ及び当該スペーサの外周を被うスプリング付きクリートで固定する装置において、
前記スペーサは硬度が60度のクロロプレンゴム製であり、両端に鍔を有し、内部のケーブル嵌合孔が前記ケーブル外周に密着する内周形状を有する筒状であり、前記各鍔は従来のスペーサの鍔より胴部からの高さが高く且つ幅も大きく、当該スペーサを前記スプリング付きクリートの外周に被せた際、当該クリートの両端から各鍔が突出する形状であり、
当該スペーサのケーブル嵌合孔内周と前記ケーブル外周との間には、接着剤を介在させ、当該接着剤で前記スペーサをケーブル外周に固定したことを特徴とする、小スペース用ケーブル移動抑制装置。
【請求項2】
前記スペーサの両端の鍔の間の長さが100mmの場合、前記スペーサの両端の鍔は胴部からの高さが30mm以上で、各鍔の横幅は20mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置。
【請求項3】
前記スペーサは、その外面から貫通孔内周に至る軸方向の一か所に切り込みを入れ、当該切れ目から前記ケーブルの外周に被せ、当該切り込みの両端部を合わせた際、当該両端部間に隙間を設けて相互に近接する構成としたことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中送電線路等のハンドホール、マンホール、U字トラフ,洞道等の内部でのケーブル布設の高低差による滑落等によるケーブルの移動を抑制する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記地中送電線路に用いる高圧又は特別高圧ケーブル1をマンホールやハンドホール等に布設する際には、
図10に示すように、ハンドホール等2内の接続部3の前後のケーブル1を、当該ケーブル1の熱による伸縮等を吸収させるため、スネーク状に曲げてオフセット部4を設けている。また、上記ハンドホール等2をつなぐ管路に高低差のある場合にはケーブル1に大きな滑落力が発生し、接続部3に影響を与える恐れがある。また、地中線路の上の道路を車両が走行する場合、多数回の車両の走行により、いわゆる波乗り現象によるケーブル1の移動が発生する恐れがある。これらのケーブル1の移動を阻止するためケーブルクリート等の拘束装置による移動抑制措置が取られている。
【0003】
この移動抑制措置としては、ケーブルを外側から圧力をかけて挟み込んで把持、固定するクリートが用いられているが、前記ケーブルの遮蔽層が銅テープや銅ワイヤーの場合では、その挟み込む力は銅テープでは0.2MPa以下、銅ワイヤーでは0.23MPa以下としなければケーブルにダメージを与えてしまう恐れがある。
【0004】
前記クリートによってマンホール等のケーブルの移動を阻止する構造のものは従来から種々開発されている。
【0005】
特許文献1のものは、その一つであり、波乗り現象によって移動するケーブルを、このケーブルが引っ張られる側のマンホール内で拘束するためのケーブル拘束方法であって、フレーム40を備えているクリート22により、波乗り現象による引っ張り力を受けているケーブルをクランプした後に、このケーブルに作用している引っ張り力に対抗してフレーム44を支持するに当たり、フレームをケーブルに合わせた傾きのままで、当該フレームに設けられている複数本のロッド50のフレーム44からの突出量を個別に調整し、これらのロッド50を通じてフレーム44をマンホールの内壁に支持するものである。
【0006】
また、特許文献2のものは、他の一つの例であり、波乗り現象によって移動しようとするケーブル4をマンホール2内で拘束するためのケーブル拘束装置であって、ケーブル4をクランプするクランプ部41を有するクリート40と、クリート40を支持するフレーム50と、管路口6の両側に配置された任意の方向に延びる形態を成し、管路口6から離れた位置でマンホール2の内壁7に固定された一対の鋼材と、フレーム50に固定された少なくとも一対のフレーム固定部60と、一対の鋼材にそれぞれ固定された少なくとも一対の鋼材固定部30と、一対のフレーム固定部60と一対の鋼材固定部30とを連結する連結部材70であって、一対のフレーム固定部60と一対の鋼材固定部30との間隔を調整可能な連結部材70を備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014―39402号公報
【特許文献2】特開2019―68502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1及び2のものはいずれも波乗り現象を抑える目的で開発されたものであるが、マンホール等内から管路口に向かうケーブルの傾きに合わせてクリートの支持姿勢を調整可能な拘束装置であって、ケーブルの拘束力を直接高めるものではない。
【0009】
また一般的に、上記クリートは1個当たり100kgf程度の拘束力となっており、例えば700kgfのケーブル移動力を止めようとすると7個のクリートが必要とりなり、その上、クリート同士の間隔を空けなければ設置個数分の拘束力を100%確保できない。すなわち、クリート7個の設置では、クリートの端から端までで1,300mmのケーブル直線部が必要となる。
【0010】
一方、近年、再生可能エネルギー事業が増えているが、そこに必要な自営線(地中送電線)の布設に際しては、コスト削減のため安価な小型のハンドホールやトラフが採用されており、前記の滑落や波乗り現象によるケーブルの移動防止対策用のスペースがなく、更に十分なオフセットが取れていない場合がある。上記のクリート7個を並べる場合には、前記ハンドホールやU字トラフを長く延ばす工事をしなければならない。
【0011】
この発明は上述の課題を解決するため、小スペースにおいても採用できる拘束力の高いケーブル移動抑制装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、この発明ではクリート内に装着するスペーサをケーブルシース(防食層)に直接接着する方法を採用した。しかしながら、開発過程でスペーサの鍔が弱点であることが分かり、実現場でもこの鍔が折れ曲がりクリート内に入り込んでしまう事象が確認された。そこで、鍔の強化を行えば必要な拘束力が得られると想定し、鍔の高さと幅(厚さ)を増してゴムの硬度を高めたスペーサを開発した。また、当該スペーサをケーブルシースに接着する接着剤についてもケーブルに移動力を与えた時に、ケーブルへの接着箇所と接着していない箇所との境目箇所でシースに損傷が発生せず接着力のあるものを検討した。
【0013】
具体的には請求項1の発明は、ハンドホール、マンホール、U字トラフ,洞道のいずれかの内部に挿通されたケーブルを、当該ケーブルの外周を被うスペーサ及び当該スペーサの外周を被うスプリング付きクリートで固定する装置において、前記スペーサは硬度が60度のクロロプレンゴム製であり、両端に鍔を有し、内部のケーブル嵌合孔が前記ケーブル外周に密着する内周形状を有する筒状であり、前記各鍔は従来のスペーサの鍔より胴部からの高さが5倍高く且つ幅も4倍大きく、当該スペーサを前記スプリング付きクリートの外周に被せた際、当該クリートの両端から各鍔が突出する形状であり、当該スペーサのケーブル嵌合孔内周と前記ケーブル外周との間には、接着剤を介在させ、当該接着剤で前記スペーサをケーブル外周に固定した、小スペース用ケーブル移動抑制装置とした。
【0014】
また、請求項2の発明は、前記スペーサの両端の鍔の間の長さが100mmの場合、前記スペーサの両端の鍔は胴部からの高さが30mm以上で、各鍔の横幅は20mm以上である、請求項1に記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置とした。
【0015】
また、請求項3の発明は、前記スペーサは、その外面から貫通孔内周に至る軸方向の一か所に切り込みを入れ、当該切れ目から前記ケーブルの外周に被せ、当該切り込みの両端部を合わせた際、当該両端部間に隙間を設けて相互に近接する構成とした、請求項1又は2のいずれかに記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置とした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、従来から使用されているケーブルの外周にスペーサを介してスプリング付きクリートを設けて当該クリートを前記ハンドホール等内に固定したケーブル移動抑制装置において、前記スペーサの材質を特定し、また、当該スペーサの両端の鍔の大きさを特定し、さらに、当該スペーサのケーブル外周への固着を特定の接着剤で固定する構成にすることにより、ケーブルの移動抑制効果が高まった。
【0017】
これにより、このケーブル移動抑制装置は、従来のスプリング付きクリートを、相互に間隔を空けて5個ケーブルに固定した場合以上の荷重(500kgf以上)に対しても移動しない。従って、装置が小型であっても大きな抑止力を有するため、装置全体が小型となり、場所を取らないため、小スペースのマンホール、ハンドホール又はU字トラフ、洞道等内で使用できる。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、前記スペーサの両端の鍔の大きさを特定することにより、ケーブル移動抑制効果が確実である。従って、ケーブルが一方に引っ張られても、クリートの一端内部に鍔が入り込む恐れがない。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、当該スペーサをケーブルに被せて接着させた際、スペーサがケーブルに密着し、ケーブルが一方に引っ張られた際、接着面が浮いたりせず、堅固に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置の使用状態を示す側面図である。
【
図2】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置のスプリング付きクリートの正面図である。
【
図3】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置のスプリング付きクリートの側面図である。
【
図4】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置のスペーサの斜視図である。
【
図5】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置のスペーサの側面図である。
【
図6】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置のスペーサの正面図である。
【
図7】従来のケーブル移動抑制装置に使用しているスペーサの側面図である。
【
図8】従来のケーブル移動抑制装置に使用しているスペーサの正面図である。
【
図9】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置の引張試験機による試験の実施状況を示す概略構成図である。
【
図10】この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置を使用するハンドホールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態例1)
この発明の実施の形態例1のケーブル移動抑制装置Aを
図1~
図6に基づいて説明する。
【0022】
このケーブル移動抑制装置Aは、
図1に示すように、地中送電線路に設けたハンドホール等2内で、管路口5の箇所のケーブル1を、管路口5の側壁等に支持された架台6に固定されたスプリング付きクリート7で把持したもので、当該スプリング付きクリート7内周とケーブル1外周との間には略筒状のスペーサ8が介在している。しかも当該スペーサ8はケーブル1の外周に瞬間接着剤を用いて接着されている。この様にして、スプリング付きクリート7のケーブル1への把持力でケーブル1の管路口5から管路方向への移動荷重が発生した際にケーブル1の移動を阻止している。
【0023】
前記スプリング付きクリート7自体は、既存のものであり、
図2及び3に示すように、台座10の上端が上向き凹部の半湾曲した下部フレーム11を形成し、当該下部フレーム11に対向して、下向き凹部の半湾曲した上部フレーム12が設けられ、これらの下部フレーム11と上部フレーム12の各耳部でボルト・ナット13によりこれらのフレーム11、12を締め付け、固定するものである。
【0024】
さらに、前記上部フレーム12の両側の耳部には、スプリング部14が設けられ、各スプリング部14内では、前記ボルト・ナット13のボルトが伸びて入っており、当該ボルト外周にスプリング14aが設けられ、当該スプリング14aにより、上部フレーム12を下部フレーム11に押し付けるよう常時一定の圧力で付勢されている。
【0025】
また、前記下部フレーム11及び上部フレーム12の内周に形成された円形部に円筒状の前記スペーサ8が設けられている。また、前記台座10はその両側に、前記架台6にスプリング付きクリート7を取り付けるボルト・ナット10aが設けられている。
【0026】
前記スペーサ8は新規なものである。当該スペーサ8は硬度60度のクロロプレンゴムから成るものであり、
図4~
図6に示すように、円筒形状を成し、その両端外周縁に鍔9、9が設けられており、当該スペーサ8の内部に、両端を貫通した直線状又は図のように緩い螺旋状のケーブル勘合孔15が設けられている。そして、前記スペーサ8は、その外面からケーブル嵌合孔15内周に至る軸方向の一か所に切り込み16を入れ、当該切り込み16から前記ケーブル1の外周に被せ、当該切り込み16の両端部を合わせた際、当該両端部間に隙間を設けて相互に近接させる構成となっている。なお、
図5の一点鎖線は従来のスペーサ8´の外形を示す。
【0027】
従来のスペーサ8´は、
図7及び8に示すように、胴部8a´の長さが100mmの場合、鍔9´の横幅L
1が5mm、胴部8a´からの突出幅L
2は5mmである。一方、本実施の形態例1の前記各鍔9は横幅L
1が4倍以上長い。また、胴部8aからの突出幅L
2も従来のものの5倍以上大きい。胴部8aの横の長さが100mmとすると、上記L
1は20mm、上記L
2は30mmとなる。この様に従来のゴム硬度45度を60度に高め、ケーブルに引張り力が働いた際、スペーサ8が前記スプリング付きクリート7から外れないようになっている。
【0028】
前記スペーサ8のケーブル1への固定は上述のように、瞬間接着剤を用いて行う。接着剤はフロント107(《商標名》、福井化成株式会社製)を用いる。前記スペーサ8の内周面に前記接着剤を塗り、当該スペーサ8を前記切り込み16からケーブル1に被せ、スペーサ8をケーブル1の外周に密着させて固定する。その際、切り込み16の両端部は近接するが、相互に触れないように間隙を設けて接着させる。
【0029】
このケーブル移動抑制装置Aは以上の構成から成り、前記スプリング付きクリートを架台6に固定し、当該架台6の上に位置するケーブル1外周に前記接着剤によりスペーサ8を密着、被冠させ、このスペーサ8の外周にスプリング付きクリート7を装着する。
【0030】
このケーブル移動抑制装置Aについて、
図9に示すように引張試験機20を用いて試験を実施した。
【0031】
この試験に用いたケーブル1は、3心ケーブルから成る66kV CVT200sq普通シースで、ケーブル1本あたりの許容張力は表1の通り、1120kgf(難燃性シースでは 622kgf)となっている。今回のCVTでは1本分の1.5倍程度の大きな張力に耐えられると想定した。
【0032】
【0033】
この試験は、
図9に示すように、固定した当該ケーブル移動抑制処置Aのスプリング付きクリート7を固定台21上に固定し、当該ケーブル移動抑制装置Aでケーブル1(3心ケーブル)の外周を把持し、当該ケーブル1の端部をイワシ結びにより結束して係止したワイヤーロープ22の他端を前記引張試験機20の牽引継手23に接続し、さらに、前記スプリング付きクリート7の上部フレーム12が大きくずれないようにナイロンシリング24で引っ張り係止する。前記引張試験機20及び固定台21は床等に固定されている。この状態で前記引張試験機20により前記ケーブル1に張力を加えて引張試験を実施した。
【0034】
この結果、900kgf~1000kgfまで張力を加えても、ケーブル1のシースにダメージを与えることはなかった。なお、運用では900kgfに耐えられるものが要求されている。このケーブル移動抑制装置Aにより従来のスプリング付きクリートを複数台設置できない場所においてもケーブルの移動を抑止できることが確認できた。
【0035】
上記実施例ではこのケーブル移動抑制装置Aを1個設けたが、当該ケーブル移動抑制装置Aを、間隔を空けて複数個並べて設けた構成にし、より大きな張力に耐えられ構成にすることもできる。また、上記実施の形態例1では、3心ケーブルで説明したが、このケーブル移動抑制装置Aは単心ケーブルにも使用でき、同様の効果を有する。
【0036】
また、上記実施の形態例1ではスペーサ8のケーブル嵌合孔15を3心ケーブルの撚れているものに合わせたが、3心ケーブルが撚れていないものでは上記ケーブル嵌合孔15は直線状である。また、上記実施の形態例1ではスペーサ8をケーブル1に張り付ける接着剤を特定しているが、接着剤はこれに限るものではない。
【符号の説明】
【0037】
A ケーブル移動抑制装置
1 ケーブル 2 ハンドホール等
3 接続部 4 オフセット部
5 管路口 6 架台
7 スプリング付きクリート 8 スペーサ
8a 胴部 9 鍔
10 台座 10a ボルト・ナット
11 下部フレーム 12 上部フレーム
13 ボルト・ナット 14 スプリング部
14a スプリング 15 ケーブル嵌合孔
16 切り込み 20 引張試験機
21 固定台 22 ワイヤーロープ
23 接続継手 24 ナイロンシリング
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドホール、マンホール、U字トラフ、洞道のいずれかの内部に挿通されたケーブルを、当該ケーブルの外周を被うスペーサ及び当該スペーサの外周を被うスプリング付きクリートで固定する装置において、
前記スペーサは、デュプロメータ、タイプAの硬度が60度のクロロプレンゴム製であり、両端に鍔を有し、内部のケーブル嵌合孔が前記ケーブル外周に密着する内周形状を有する筒状であり、前記各鍔は、シースの許容張力を超えない範囲で拘束力を高めた形状で、胴部の長さを100mmとした場合、鍔の横幅が5mm、胴部からの突出幅が5mmである従来のスペーサの鍔より横幅が大きく且つ胴部からの突出幅が高く、当該スペーサを前記ケーブルに被せ、当該スペーサの胴部をスプリング付きクリートで被冠した際、当該クリートの両端から各鍔が突出する形状であり、当該スペーサのケーブル嵌合孔内周と前記ケーブル外周との間には、接着剤を介在させ、当該接着剤で前記スペーサをケーブル外周に固定したことを特徴とする、小スペース用ケーブル移動抑制装置。
【請求項2】
前記スペーサの両端の鍔の間の長さが100mmの場合、前記スペーサの両端の鍔は胴部からの突出幅が30mm以上で、各鍔の横幅は20mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置。
【請求項3】
前記スペーサは、その外面からケーブル嵌合孔内周に至る軸方向の一か所に切り込みを入れ、当該切り込みから前記ケーブルの外周に被せ、当該切り込みの両端部を合わせた際、当該両端部間に隙間を設けて相互に近接する構成としたことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
具体的には請求項1の発明は、ハンドホール、マンホール、U字トラフ、洞道のいずれかの内部に挿通されたケーブルを、当該ケーブルの外周を被うスペーサ及び当該スペーサの外周を被うスプリング付きクリートで固定する装置において、前記スペーサは、デュプロメータ、タイプAの硬度が60度のクロロプレンゴム製であり、両端に鍔を有し、内部のケーブル嵌合孔が前記ケーブル外周に密着する内周形状を有する筒状であり、前記各鍔は、シースの許容張力を超えない範囲で拘束力を高めた形状で、胴部の長さを100mmとした場合、鍔の横幅が5mm、胴部からの突出幅が5mmである従来のスペーサの鍔より横幅が大きく且つ胴部からの突出幅が高く、当該スペーサを前記ケーブルに被せ、当該スペーサの胴部をスプリング付きクリートで被冠した際、当該クリートの両端から各鍔が突出する形状であり、当該スペーサのケーブル嵌合孔内周と前記ケーブル外周との間には、接着剤を介在させ、当該接着剤で前記スペーサをケーブル外周に固定した、小スペース用ケーブル移動抑制装置とした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、請求項2の発明は、前記スペーサの両端の鍔の間の長さが100mmの場合、前記スペーサの両端の鍔は胴部からの突出幅が30mm以上で、各鍔の横幅は20mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置とした。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、請求項3の発明は、前記スペーサは、その外面からケーブル嵌合孔内周に至る軸方向の一か所に切り込みを入れ、当該切り込みから前記ケーブルの外周に被せ、当該切り込みの両端部を合わせた際、当該両端部間に隙間を設けて相互に近接する構成とした、請求項1又は2のいずれかに記載の小スペース用ケーブル移動抑制装置とした。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
前記スペーサ8は新規なものである。当該スペーサ8は、
デュロメータ、タイプAの硬度60度のクロロプレンゴムから成るものであり、
図4~
図6に示すように、円筒形状を成し、その両端外周縁に鍔9、9が設けられており、当該スペーサ8の内部に、両端を貫通した直線状又は図のように緩い螺旋状のケーブル勘合孔15が設けられている。そして、前記スペーサ8は、その外面からケーブル嵌合孔15内周に至る軸方向の一か所に切り込み16を入れ、当該切り込み16から前記ケーブル1の外周に被せ、当該切り込み16の両端部を合わせた際、当該両端部間に隙間を設けて相互に近接させる構成となっている。なお、
図5の一点鎖線は従来のスペーサ8´の外形を示す。