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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136306
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】液位検知装置及び清掃装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/263 20220101AFI20240927BHJP
【FI】
G01F23/263
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047387
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】平野 正己
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
(72)【発明者】
【氏名】能勢 文仁
(72)【発明者】
【氏名】神 尚孝
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AA10
2F014AB02
2F014AB04
2F014EA01
2F014GA01
(57)【要約】
【課題】検知精度(検知の安定性)を向上させた液位検知装置等を提供することである。
【解決手段】液位検知装置28cは、貯液容器の外部に配置され且つ貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化する検知電極284と、コンデンサ287と、検知電極284及びコンデンサ287に並列接続され、検知電極284及びコンデンサ287からの出力に基づいて液位を判定する制御部290cとを備える。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯液容器の外部に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化する検知電極と、
コンデンサと、
前記検知電極及び前記コンデンサに並列接続され、前記検知電極及び前記コンデンサからの出力に基づいて前記液位を判定する制御部と
を備える、
液位検知装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知電極及び前記コンデンサに矩形波を出力すると共に、前記検知電極から出力される第1波形の遅延時間を直流電圧に変換した第1電圧値と、前記コンデンサから出力される第2波形の遅延時間を直流電圧に変換した第2電圧値との差分から前記液位を判定する、
請求項1に記載の液位検知装置。
【請求項3】
貯液容器の外部に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化する検知電極と、
前記検知電極の周辺に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化しない基準電極と、
前記検知電極及び前記基準電極に接続され且つ前記検知電極及び前記基準電極の出力に基づいて前記液位を判定する制御部と
を備える、
液位検知装置。
【請求項4】
前記貯液容器に対向して配置される基板を有する静電センサを備え、
前記検知電極が前記基板の前記貯液容器側の第1面に設けられ、
前記制御部の全部又は一部と前記コンデンサとを含む回路部が前記基板の第2面に設けられている、
請求項1に記載の液位検知装置。
【請求項5】
前記貯液容器に対向して配置される基板を有する静電センサを備え、
前記検知電極と前記基準電極が前記基板の前記貯液容器側の第1面に設けられ、
前記制御部の全部又は一部を含む回路部が前記基板の第2面に設けられ、
前記検知電極が前記基準電極の下側に配置されている、
請求項3に記載の液位検知装置。
【請求項6】
前記静電センサは、前記回路部を囲む導電性のガードパターンを前記基板の第2面に有する、
請求項4又は5に記載の液位検知装置。
【請求項7】
前記回路部に含まれる前記制御部の全部又は一部と前記ガードパターンとの間に結合回路又は結合部品を備え、
前記制御部は、前記ガードパターンに前記結合回路又は前記結合部品を経由して矩形波を出力する、
請求項6に記載の液位検知装置。
【請求項8】
前記ガードパターンはグランド接続される、
請求項6に記載の液位検知装置。
【請求項9】
前記基準電極は、前記検知電極よりも小さい、
請求項3に記載の液位検知装置。
【請求項10】
回収タンクと、
前記回収タンクを着脱可能に収容する本体部と、
前記回収タンクの液位を検知する液位検知センサと
を備え、
前記液位検知センサは、請求項4又は5に記載の液位検知装置であり、
前記静電センサは、前記回収タンクの側面に対向する前記本体部に設けられる、
清掃装置。
【請求項11】
前記静電センサは水平方向に離れて2個以上設けられている、
請求項10に記載の清掃装置。
【請求項12】
回収タンクと、
前記回収タンクを着脱可能に収容する本体部と、
前記回収タンクの液位を検知する液位検知センサと
を備え、
前記液位検知センサは、請求項4又は5に記載の液位検知装置であり、
前記静電センサは、前記回収タンクの上面に対向する前記本体部に設けられる、
清掃装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯液容器内の液位を検知する液位検知装置及び当該液位検知装置を備える清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する清掃装置として、吸引力を発生させる吸引ユニットを有する装置本体と、空気及び液体を吸引するための吸引部と、タンク内の液体を吐出するための吐出部とを有するハンドツールと、吸引した汚水を貯留する汚水タンクとを備える装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
汚水タンクは、ハンドツールからの汚水を吸引する吸引口と、吸引された空気を排出する排出口とを有するタンク本体と、タンク本体内の汚水を利用して排出口を塞ぐフロートとを備える。
このように、(汚水)タンクの満水を検知するためにフロートが用いられている。
一方、加湿器等の給水タンクを備える装置においては、タンクの渇水を検知するためにフロートが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-65532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の清掃装置や加湿器等のタンクを備える装置は、タンク内の液位の検知にフロートを用いる場合、フロートが引っ掛かると検知できないおそれがある。
本発明は、検知精度(検知の安定性)を向上させた液位検知装置や清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る液位検知装置は、貯液容器の外部に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化する検知電極と、コンデンサと、前記検知電極及び前記コンデンサに並列接続され、前記検知電極及び前記コンデンサからの出力に基づいて前記液位を判定する制御部とを備える。
本発明に係る液位検知装置は、貯液容器の外部に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化する検知電極と、前記検知電極の周辺に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化しない基準電極と、前記検知電極及び前記基準電極に接続され且つ前記検知電極及び前記基準電極の出力に基づいて前記液位を判定する制御部とを備える。
本発明に係る清掃装置は、回収タンクと、前記回収タンクを収容する本体部と、前記回収タンクの液位を検知する液位検知センサとを備え、前記液位検知センサは、上記の液位検知装置であり、前記静電センサは、前記回収タンクの側面に対向する前記本体部に設けられる。
本発明に係る清掃装置は、回収タンクと、前記回収タンクを収容する本体部と、前記回収タンクの液位を検知する液位検知センサとを備え、前記液位検知センサは、上記の液位検知装置であり、前記静電センサは、前記回収タンクの上面に対向する前記本体部に設けられる。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、フロートを利用せずに、検知電極を利用するため、フロートが引っ掛かるようなことがなく、検検知精度(検知の安定性)を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】清掃装置の斜視図であり、(a)は上方から見た図であり(b)は下方から見た図である。
図2】分解状態の清掃装置を上方から見た斜視図である。
図3】分解状態の清掃装置を下方から見た斜視図である。
図4】分解状態の本体部を上方から見た斜視図であり、本体カバーの一部を切り欠いている。
図5】本体部のベースの斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
図6】本体部のカバーの斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
図7】バッテリユニットが装着されたフレームの斜視図であり、(a)は後上方から見た図であり、(b)は前上方から見た図であって一部を切り欠いている。
図8】接続端子具と取付具とをフレームから取り外した状態の斜視図であり、(a)は前上方から見た図であり、(b)は後下方から見た図である。
図9】バッテリユニットが収容されている部分を後下方から見た斜視図であり、開閉カバーを取り外し、筐体及びフレームの一部を切り欠いている。
図10】(a)はタンク部の断面状態を上方から見た斜視図であり、(b)はタンク部を上方から見た図である。
図11】分解状態の蓋部の斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
図12】ノズル部の断面図である。
図13】ノズル部の分解状態のノズル部の斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
図14】(a)は満水センサを回収タンク側から見た図であり、(b)は回収タンクと反対側から見た図であり、(c)はガードパターンを設けた状態を回収タンクと反対側から見た図である。
図15】形態1の満水センサを説明する図であり、(a)はブロック図であり、(b)は液位に対応した各器の出力波形を説明する図である。
図16】形態1の判定器に変えて増幅器を用いた例を説明する図であり、(a)はブロック図であり、(b)は液位に対応した各器の出力波形を説明する図である。
図17】形態1の満水センサにガードパターンと結合回路を設けた例を説明するためのブロック図である。
図18】形態2の満水センサを説明する図であり、(a)はブロック図であり、(b)はコンデンサ側の各器の出力波形を説明する図であり、(c)は液位に対応した検知電極側の各器の出力波形を説明する図である。
図19】形態2の判定器に変えて差動増幅器を用いた例を説明する図であり、(a)はブロック図であり、(b)はコンデンサ側の各器の出力波形を説明する図であり、(c)は液位に対応した検知電極側の各器の出力波形を説明する図である。
図20】形態2の満水センサにガードパターンと結合回路を設けた例を説明する図である。
図21】(a)は形態2の満水センサを回収タンク側から見た図であり、(b)は回収タンクと反対側から見た図であり、(c)はガードパターンを設けた状態を回収タンクと反対側から見た図である。
図22】形態3の満水センサを説明する図であり、(a)はブロック図であり、(b)は基準電極側の各器の出力波形を説明する図であり、(c)は液位に対応した検知電極側の各器の出力波形を説明する図である。
図23】形態3の満水センサにガードパターンと結合回路を設けた例を説明するためのブロック図である。
図24】形態4の満水センサを説明するためのブロック図である。
図25】満水センサの取り付け位置を説明する図である。
図26】満水センサの取り付け位置を説明する図である。
【0008】
<概要>
実施形態に係る第1の液位検知装置は、貯液容器の外部に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化する検知電極と、コンデンサと、前記検知電極及び前記コンデンサに並列接続され、前記検知電極及び前記コンデンサからの出力に基づいて前記液位を判定する制御部とを備える。これにより、貯液容器に非接触で液位を判別でき、検知精度(検知の安定性)も向上する。また、コンデンサを用いることで、検知精度をさらに向上でき、センサ感度のバラツキの無調整化ができる。
【0009】
実施形態に係る第2の液位検知装置は、第1の液位検知装置において、前記制御部は、前記検知電極及び前記コンデンサに矩形波を出力すると共に、前記検知電極から出力される第1波形の遅延時間を直流電圧に変換した第1電圧値と、前記コンデンサから出力される第2波形の遅延時間を直流電圧に変換した第2電圧値との差分から前記液位を判定する。これにより、簡単な構成で、満水や渇水等の液位を判別できる。
【0010】
実施形態に係る第3の液位検知装置は、貯液容器の外部に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化する検知電極と、前記検知電極の周辺に配置され且つ前記貯液容器内の液位の変化に応じて静電容量が変化しない基準電極と、前記検知電極及び前記基準電極に接続され且つ前記検知電極及び前記基準電極の出力に基づいて前記液位を判定する制御部とを備える。これにより、貯液容器に非接触で液位を判別でき、検知精度(検知の安定性)も向上する。また、基準電極を用いることで、検知精度をさらに向上でき、センサ感度のバラツキの無調整化ができる。
【0011】
実施形態に係る第4の液位検知装置は、第1又は第2の液位検知装置において、前記貯液容器に対向して配置される基板を有する静電センサを備え、前記検知電極が前記基板の前記貯液容器側の第1面に設けられ、前記制御部の全部又は一部と前記コンデンサとを含む回路部が前記基板の第2面に設けられている。これにより、基板の第1面に検知電極を設けるため、静電センサを設置する位置の自由度が高くできる。また、検知電極を大きく配置することで、液面が揺れても検知できる。
【0012】
実施形態に係る第5の液位検知装置は、第3の液位検知装置において、前記貯液容器に対向して配置される基板を有する静電センサを備え、前記検知電極と前記基準電極が前記基板の前記貯液容器側の第1面に設けられ、前記制御部の全部又は一部を含む回路部が前記基板の第2面に設けられ、前記検知電極が前記基準電極の下側に配置されている。これにより、基板の第1面に検知電極と基準電極とを設けるため、静電センサを設置する位置の自由度が高くできる。また、貯液容器の満水を検知できる。
【0013】
実施形態に係る第6の液位検知装置は、第4又は第5の液位検知装置において、前記静電センサは、前記回路部を囲む導電性のガードパターンを前記基板の第2面に有する。これにより、外部からのノイズの影響を低減すると共に、センサの感度を向上させることができる。
【0014】
実施形態に係る第7の液位検知装置は、第6の液位検知装置において、前記回路部に含まれる前記制御部の全部又は一部と前記ガードパターンとの間に結合回路又は結合部品を備え、前記制御部は、前記ガードパターンに前記結合回路又は前記結合部品を経由して矩形波を出力する。これにより、外部からのノイズの影響を低減と、感度を向上することができる。
【0015】
実施形態に係る第8の液位検知装置は、第6又は第7の液位検知装置において、前記ガードパターンはグランド接続される。これにより、外部からのノイズの影響を低減することができる。
【0016】
実施形態に係る第9の液位検知装置は、第3、第5~第7の液位検知装置において、前記基準電極は、前記検知電極よりも小さい。これにより、基準電極を小さくした分だけ小型化できる。
【0017】
実施形態に係る第10の清掃装置は、回収タンクと、前記回収タンクを着脱可能に収容する本体部と、前記回収タンクの液位を検知する液位検知センサとを備え、前記液位検知センサは、第4~第9の液位検知装置であり、前記静電センサは、前記回収タンクの側面に対向する前記本体部に設けられる。これにより、回収タンクに静電センサを設けないため、静電センサの配線が回収タンクの着脱の妨げにならない。
実施形態に係る第10Aの清掃装置は、回収タンクと、前記回収タンクを収容する本体部と、前記回収タンクの液位を検知する液位検知センサとを備え、前記液位検知センサは、第1~第9の液位検知装置である。これにより、回収タンクに非接触で液位を判別でき、検知精度(検知の安定性)も向上する。
【0018】
実施形態に係る第11の清掃装置は、第10の清掃装置において、前記静電センサは水平方向に離れて2個以上設けられている。これにより、どちらか一方が満水を検出した場合に動作を止めることができる。また回収タンクが大きい場合、本体部が傾いたときでも検出できる。
【0019】
実施形態に係る第12の清掃装置は、回収タンクと、前記回収タンクを着脱可能に収容する本体部と、前記回収タンクの液位を検知する液位検知センサとを備え、前記液位検知センサは、第4~第9の液位検知装置であり、前記静電センサは、前記回収タンクの上面に対向する前記本体部に設けられる。これにより、回収タンクに静電センサを設けないため、静電センサの配線が回収タンクの着脱の妨げにならない。
【0020】
<実施形態>
1.全体構成
清掃装置Xは、汚れ、空気及び第1の液体を吸引可能であり、第2の液体を吐出可能である。第1の液体を吸引せずに使用することも可能であり、第2の液体を吐出せずに使用することも可能である。
なお、汚れとして、例えば、飲みこぼし、赤ちゃんやペットの嘔吐物やおしっこ、長年の汚れが付いたシートやソファに付着した汚れ等である。第1の液体は、第2の液体であってもよいし、他の液体であってもよい。第2の液体として、水道水等の水、アルカリ電解水、専用洗剤の他、漂白剤、アルコール等の有機溶剤、水に漂白剤等を混合させた混合液等でもよい。
清掃装置Xは、図1に示すように、本体部1とノズル部3とタンク部5とを備える。なお、本体部1とノズル部3とはホース部8を介して接続される。ここでの清掃装置Xは、タンク部5の上面開口を覆う蓋部7を有している。本体部1とタンク部5と蓋部7とで装置本体が構成される。
図2及び図3に示すように、汚れ、空気及び第1の液体(以下、これらを「汚れ等」とする)は、ノズル部3の吸引口3a、ホース81、ホース接続管107、本体部1の第2突部135の開口135eを通って、回収タンク51の吹出口51aからタンク部5の内部へと吸引される。なお、汚れや第1の液体は回収タンク51で貯留され、汚れ等が除去された空気が本体部1の排気口1aから排出される。
第2の液体は、供給タンク52の供給口体56、本体部1のチューブ接続部136、ホース81内の吐出用の上流チューブ332を通ってノズル部3の吐出口3bから吐出される。なお、清掃装置Xは、汚れ等の吸引と第2の液体の吐出とを同時に行うことも可能である。
ここで、本体部1にホース81が接続される側を前側とし、後述のバッテリユニット23を収容するための挿入口10aがある側を後側とし、前後方向と上下方向とに直交する方向を左右方向とする。なお、左右は、清掃装置Xの前面を真正面から見たときの左右とする。
【0021】
以下、各部について説明する。
【0022】
2.本体部
本体部1は、図4に示すように、少なくとも、吸引力を発生させる送風ユニット21と、吐出力を発生させるポンプユニット22とを筐体10に備える。
本体部1は、電動送風機213やポンプ221等の駆動部を駆動させるバッテリユニット23を筐体10に備える。これにより、清掃装置Xの操作性を向上でき、また清掃範囲を広くできる。
本体部1は、電動送風機213、ポンプ221の駆動を制御したり、装置の運転モード(使用者がノズル部3の操作部(35)から選択する)に対応した制御を行ったりする制御部と、バッテリユニット23から受電して各部の駆動電力を生成する電源部とを備える。ここでは、制御部と電源部は、回路構成された複数の電子部品が1枚の回路基板242に実装されてなる回路ユニット24として備える。
本体部1は、タンク部5の液位の状態を検知するセンサ(他のセンサと区別するため、「液位センサ」とする)28、第2の液体の流水を検知する流水センサ225、後述の開閉カバー105の開閉状態を検知するセンサ(他のセンサと区別するため、「開閉センサ」とする)285等を備える。これにより、安全性、利便性等を向上できる。
本体部1は、清掃装置Xの移動を可能とする移動手段25を備える。これにより、清掃装置Xの移動が容易となり、装置の操作性を向上できる。
本体部1は、着脱可能なタンク部5を本体部1に固定するための第2固定具26を備える。これにより、清掃装置Xを移動させても、タンク部5が外れるのを防止でき、操作性を向上できる。
本体部1は、少なくともバッテリユニット23を支持するフレーム27を筐体10内に備える。ここでは、フレーム27は回路ユニット24も支持する。
【0023】
(1)筐体
筐体10は、図2及び図3に示すように、全体として、前側が欠け且つ前後方向に長い箱状をしている。左右方向から見ると、「L」字状をしている。なお、前側の欠けた部分が、タンク部5を支持する支持部10bである。
ここで、筐体10(本体部1)を上方から見たときに、短手方向の中央を通り且つ長手方向に延伸する仮想線を、筐体10又は本体部1の中心線とする。
筐体10は、図4に示すように、少なくともベース101とカバー103を備える。なお、カバー103を他のカバーと区別するために、「本体カバー」とする。
ここでは、バッテリユニット23を筐体10に対して出し入れ可能に挿入するための挿入口10aを有し、当該挿入口10aを開閉可能とする開閉カバー105を備える。一例として、挿入口10aは、本体カバー103の後側に設けられ、開閉カバー105はベース101に設けられている。
【0024】
(1-1)ベース
ベース101は、図4に示すように、上方から見ると矩形状をしている。ここでは、前後方向に長い矩形状をしている。これにより、支持部10bを広くでき、タンク容量を確保できる。
ベース101は、前後方向に長い矩形状の平坦部111と、平坦部111において支持部10bに対応する前領域を区画するための区画壁部112と、平坦部111における区画壁部112の後方に形成され且つフレーム27を支持するための支持壁部113と、支持壁部113の後端部から左右方向の内方へ張り出すと共に上下方向に延伸する縦突条部114とを有している。なお、平坦部111において、前領域は支持部10bの下方に、前領域の後側の後領域はバッテリユニット23や回路ユニット24の下方にそれぞれ位置する。
ベース101は、平坦部111における前領域に、送風ユニット21を下方から支持する送風ユニット支持部115と、送風ユニット支持部115の周辺に形成された貫通孔とを有する。なお、貫通孔は、電動送風機213の下方に位置し、排気口1aとして機能する。これにより、電動送風機213からの排気を効率的に行うことができる。また、排出された空気が使用者に直接吹き付けられるのを防止できる。さらに、排気音等の騒音を抑制できる。
なお、前領域では、ベース101と本体カバー103との間に空間が形成され、当該空間にポンプ221と流水センサ225が収容される。このように収容空間を容易に形成できる。
【0025】
平坦部111は、図5に示すように、下方から見たときに、後部側であって左右の両側に欠け部分111aを有している。平坦部111における前側部分の左右両側部分には貫通孔111bが形成され、当該貫通孔111bを利用してキャスタ253が設けられる。平坦部111は、前領域内にリブ部分111cを有している。これにより、ベース101を補強したり、ポンプユニット22等を位置決めしたり、する。
【0026】
区画壁部112は、前領域が全領域の60~80%となるように設けられている。区画壁部112は前領域の周縁から立設する。区画壁部112は、ホース接続管107用の欠け部112aを前部分に有している。
【0027】
支持壁部113は、後領域の欠け部分111aの端縁から平板状に立設する平板部分113aと、平板部分113aに形成された車輪取付部分113bとを有する。平板部分113aにおいて、車輪取付部分113bよりも前側部分の周縁が、車輪251に対応して円弧状をしている。
支持壁部113は、平板部分113aの上端から左右方向の外方へ延伸する上延伸部分113cを有している。平板部分113aと上延伸部分113cとで、車輪251用の空間が形成される。これにより、車輪251がベース101から左右方向に張り出さないようにでき、意匠性を高めることができる。
上延伸部分113cの後部領域は平坦状をし、当該後部領域でフレーム27を下方から支持する。ここでは、フレーム27は後部領域を下方から挿通するねじ119(図4参照)によりベース101に固定される。
支持壁部113は、図5に示すように、平板部分113aの内面から左右方向の内方に向けて延伸する横延伸部分113dを有している。横延伸部分113dはフレーム27を下方から支持する。なお、横延伸部分113dは、「コ」字状に形成され、補強機能も有する。横延伸部分113dは、図9に示すように、フレーム27の第2凹入部277の外面と面一となっており、フレーム27を確実に支持でき、また、意匠性を高めることができる。また、面一のため、バッテリユニット23をスムーズに収容できる。
【0028】
縦突条部114は、左右に一対あり、開閉カバー105を回動可能に取り付けるための回動機構の一部を有する。回動機構は、軸部と嵌合孔とで構成され、ここでは、軸部が開閉カバー105の軸部153により構成され、嵌合孔が縦突条部114の対向面の貫通孔114aにより構成される。なお、回動軸(軸部153)は左右方向に延伸し、貫通孔114aが下部側に形成されている。
【0029】
送風ユニット支持部115は、平坦部111の中心線上であって前後方向の中央寄り部位から上方に延伸する。これにより、電動送風機213が本体部1の前後方方向及び左右方向の略中央に位置し、重量バランスを向上できる。
【0030】
(1-2)本体カバー
本体カバー103は、電動送風機213を収容する電動送風機収容部、載置されたタンク部5を支持する支持部10b、バッテリユニット23及び回路ユニット24を収容する収容部、タンク部5と接続する接続流路構成部等を有している。
本体カバー103は、図6に示すように、前側が支持部10bを構成する平坦部131と、平坦部131の後側に設けられ且つ下方と後部下部とが開口する箱部132と、平坦部131の後端以外の端縁から上下に延伸する周壁部133と、平坦部131の前後に離間した2部位から上方に中空状に突出する第1突部134及び第2突部135と、平坦部131に形成されたチューブ接続部136と、平坦部131の下面であって第1突部134に対応する部位から下方に延伸する筒状部137とを有する。
なお、チューブ接続部136は、ポンプ221の吸引チューブ222と接続する。
【0031】
平坦部131は前後方向に長い矩形状をしている。平坦部131は、矩形状の対角上の隅部分に嵌合機構の一部を有している。
嵌合機構は、凸部と凹部とで構成され、ここでは、凹部は、平坦部131に形成され且つ下方(又は上方)に凹入する凹入部分131aである。凸部は、タンク部5に形成され且つ下方に突出する凸出部分510g(図3参照)である。嵌合機構は、平坦部131の4隅に形成されている。これにより、タンク部5が平坦部131から水平方向にズレるのを規制できる。
平坦部131は、ポンプユニット22を位置規制する位置規制部分(リブ)を下面に有している。
【0032】
箱部132は、上方から見ると、左右方向に長い矩形状をしている。箱部132は、後壁部分132aにバッテリユニット23用の挿入口10aを構成する欠け部分132bを有している。箱部132の内面に、フレーム27を固定するための固定部分132dが設けられている。なお、箱部132は、バッテリユニット23と回路ユニット24を収容する収容部を構成する。
【0033】
周壁部133における、平坦部131よりも上側部分133aには、図1に示すようにタンク部5の下部側が嵌合する。つまり、上側部分133aは嵌合壁部である。これにより、タンク部5が本体部1から外れるのを防止できる。
周壁部133は、タンク部5が平坦部131に支持(載置)された状態(周壁部133がタンク部5の下部に嵌合する状態)において、タンク部5の第2固定具被固定部513(図3参照)用の欠け部分133bと、第2固定具26を取り付けるための第2固定具取付部分133cとを左右両側に有する。ここでは、前後方向の中間部分に欠け部分133bと第2固定具取付部分133cとを有する。これにより、タンク部5を前後方向の中間で固定でき、バランスよくタンク部5を固定できる。
周壁部133の前側部分133dにおいて、平坦部131よりも下側部分であって左右方向の中央に、ホース接続管107の取り付け用の欠け部分133fを有している。なお、欠け部分133fは、ベース101の欠け部112aとで貫通孔を構成し、図3に示すように、当該貫通孔にホース接続管107が嵌合する。なお、ホース接続管107は、ホース部8と接続するホース接続部を構成する。
【0034】
第1突部134は、送風ユニット21の小径部211a(図4参照)用の貫通孔134bを上壁部分134aに有する。第1突部134は、送風ユニット21を取り付けるための取付部分134cを内部に有する。ここでは、上壁部分134aの隅部分である。
第1突部134の下方に設けられている筒状部137は、ベース101の平坦部111の近くまで延伸し、排気口1aを囲繞する平坦部111のリブ部分111d(図5参照)の内側又は外側に嵌合する。これにより、送風ユニット21から排出された空気が、排気口1aから流出する前に、筒状部137から漏れるのを抑制できる。
なお、第1突部134は電動送風機収容部を構成する。
【0035】
第2突部135は円筒状に上方に延伸する。第2突部135は、タンク部5の回収タンク51内に挿入される挿入部分135aと、挿入部分135aの下側の筒部分135bとを有している。挿入部分135aは、回収タンク51との接続部分でもある。筒部分135bは、挿入部分135aよりも太くなっており、この段差を利用してタンク部5側のパッキン519(図2参照)と当接する。
第2突部135の下端の開口135cは、ホース接続管107の下流口107aにパッキン179(図4参照)を介して接続される。また、第2突部135は接続流路構成部でもある。
【0036】
チューブ接続部136は、タンク部5の供給タンク52の供給口体56(図3参照)と接続する。ここでの供給口体56は、図3に示すように下方に突出しており、チューブ接続部136は下方に有底筒状に凹入する凹入部分136aと、凹入部分136aに形成され且つ吸引チューブ222が接続される接続管部分136bと、凹入部分136aに形成され且つ供給タンク52の供給口560a(図10の拡大図参照)を開状態とするためのピン部分136c(図4参照)とを有している。
【0037】
(1-3)開閉カバー
開閉カバー105は、図4に示すように、ベース101に回動機構により回動可能に支持されている。回動機構は、回動軸と受け部とで構成され、回動軸は左右方向と平行である。ここでは、回動軸は、開閉カバー105の下部側の軸部153により構成され、受け部は、ベース101の貫通孔114aにより構成される。
開閉カバー105は、把持部151(図3参照)を後面(外面)に有している。これにより、容易に開閉カバー105を開閉できる。把持部151は、凹入部を有する裏部材157が、開閉カバー105の開口に合わせて、開閉カバー105に取り付けられことで構成される。
開閉カバー105は、ロック機構により閉状態が維持される。ここでのロック機構は、マグネットと金属板とで構成される。マグネット155が開閉カバー105側に設けられ、金属板は、開閉カバー105の開閉を検知する開閉センサ285が設けられる金属製の取付具286(図8参照)により構成される。なお、マグネット155は、裏部材157に設けられている。
開閉カバー105は、把持部151が設けられている部分が裏部材157により厚くなっている。これにより、バッテリユニット23が収容部138の下部の空間部139(図2参照)にある状態では、開閉カバー105を閉じようとすると、バッテリユニット23と裏部材157とが干渉する。したがって、バッテリユニット23が正規の場所に位置していないことを使用者に知らせることができる。
【0038】
(1-4)ホース接続管
ホース接続管107は、図4に示すように、例えば、「U」字状をし、一端が上流口107bとなっており、他端が下流口107aとなっている。ホース接続管107は、支持部10bの前側の端部に設けられ、ホース部8との接続部を構成する。ホース接続管107は、その取付部107cがねじ等を利用して本体カバー103の被取付部分131bに取り付けられる。なお、ホース接続は107には、配線用のチューブ357と吐出用の上流チューブ332用の導入口が設けられている。
【0039】
(1-5)送風ユニット
送風ユニット21は、図4に示すように、支持部10bの後部側に配されている。送風ユニット21は、送風ファンと送風モータとを備える電動送風機213を送風ケース211内に有する。送風ケース211は、小径部211aと大径部211bとを有し、小径部211aの先端の開口に開閉弁212が設けられている。送風ユニット21と、本体カバー103の第1突部134との間にパッキン219が配されている。
開閉弁212は、電動送風機213が駆動すると小径部211a内が負圧となり、開状態となる。なお、吸引した空気は、送風ケース211の排出孔211cから下方に排出される。
ここでの電動送風機213の回転軸は、本体部1の中心軸上に位置する。これにより、左右方向の重量バランスがよくなる。送風ケース211の小径部211aは上下方向に延伸する。これにより、タンク部5の本体部1へのセットを容易とする。
【0040】
(1-6)ポンプユニット
ポンプユニット22は、ポンプ221と、第2の液体を吸引する吸引チューブ222と、第2の液体を吐出する吐出チューブ223とを備える。ポンプ221は、例えば、ダイヤフラムポンプやマグネットポンプ等を利用できる。吸引チューブ222は、本体カバー103のチューブ接続部136に接続され、吐出チューブ223は、ホース接続管107から、ホース部8を通ってノズル部3に接続される。吐出チューブ223と後述の上流チューブ332は、第2の液体をノズル部3の吐出口3bに給水するための給水経路を構成し、当該給水経路に流水センサ225が設けられている。なお、流水センサ225の検知結果は、回路ユニット24の制御部に送られる。流水センサ225は、羽根車式流量センサ、クランプオン式流量センサ、電磁式流量センサ等を利用できる。
【0041】
(1-7)フレーム
フレーム27は、図4に示すように、バッテリユニット23を着脱可能に装着する。フレーム27には回路ユニット24が装着される。この状態で、フレーム27は本体カバー103により覆われる。
フレーム27は、図7及び図8に示すように、少なくとも、左右方向と直交する対向面を有する一対の対向部271と、一対の対向部271を左右方向に連結する連結部272とを有する。
フレーム27は、対向部271と連結部272以外に、一対の対向部271の前部側に設けられ且つ本体カバー103の箱部132の前壁部分132cに対向又は当接する前対向部273と、一対の対向部271の後部側に設けられ且つ本体カバー103の箱部132の後壁部分132aと対向又は当接する後対向部274と、一対の対向部271の下部側に設けられ且つベース101の支持壁部113の上面に対向又は当接する下対向部275とを有する。
【0042】
一対の対向部271は左右方向と直交する対向面を有する板状をし、対向面の間にバッテリユニット23を上下動可能に収容する。バッテリユニット23は一対の対向部271の上部側で装着部272aにより装着される。このため、一対の対向部271の上部側はバッテリユニット23を収容する収容部を構成する。
フレーム27は、回路ユニット24を固定する固定部271aを、一対の対向部271の一方側に有する。固定には、ねじ249が利用され、固定部271aは、ボス部分のねじ孔、リブ部分により構成される。なお、回路ユニット24は、対向部271の上部側で固定される。より具体的には、バッテリユニット23の左右の一方側又は回路基板が2つある場合は両側に配されている。これにより、バッテリユニット23と回路ユニット24との配線を短くできる。
【0043】
連結部272は、一対の対向部271の上部側の後端部を連結する。
フレーム27は、連結部272にバッテリユニット23用の装着部272aを有している。装着部(被係合部)272aは、図9に示すように、バッテリユニット23の被装着部(係合部)233aと係合する。ここでは、装着部272aは凹部分又は貫通孔により構成され、被装着部233aは凸部分で構成される。なお、凹部分の符号を「272a」とすることもある。
フレーム27は、図7及び図8に示すように、バッテリユニット23と電気的に接続する接続端子具278を固定するための固定部272bを連結部272に有する。具体的には、接続端子具278を覆う取付具279が、連結部272の上部の凹入部分272cに嵌合する状態で、ねじ239により固定部に固定される。
【0044】
前対向部273は、一対の対向部271の下部側に設けられ、左右方向の外方へ板状に延伸する。
フレーム27は、タンク部5の回収タンク51の満水を検知する満水センサ28を固定する固定部273a,273bを、一対の前対向部273の後面に有する。固定には、満水センサ28の基板281をスライドさせることで行われ、固定部273a,273bは、基板281が左右方向から挿入される溝部分により構成される。ここでは、満水センサ28は、誘電センサが利用されている。
満水センサ28は、前対向部273の後面に配されているため、組立時に本体カバー103と接触するのを防止できる。満水センサ28は、回路ユニット24と高さ方向で重なる位置に設けられている。これにより、満水センサ28と回路ユニット24との配線283を短くできる。満水センサ28は左右方向に離れた位置に2つ配置されている。これにより、タンク部5が左右に傾いた状態でも一方の満水センサ28が検知できるため、検知精度が向上する。
【0045】
後対向部274は、バッテリユニット23の挿入口10aに対応し、後方から見ると、下方が開口する「コ」字状をしている。
後対向部274は、挿入口10aの上側に対応する上延伸部分274aと、挿入口10aの左右両側に対応する右延伸部分274b及び左延伸部分274cとを有する。上延伸部分274aは、本体カバー103の箱部132の左右方向の略全長に亘って延伸し、左右延伸部分274b,274cは、箱部132の左右壁部分132fの近傍を上下に延伸する。これにより、本体カバー103の箱部132の後壁部分132aが補強され、箱部132の厚みを薄くできる。
【0046】
下対向部275は、後対向部274の下端、対向部271の下端、前対向部273の下端を接続するように設けられている。ここでは、下対向部275は、左右方向の内側に向かうような「L」字状をしている。下対向部275は水平方向に広がる板状をしている。これにより、ベース101の支持壁部113と広い範囲で当接することとなり、支持壁部113にフレーム27がより安定した状態で支持される。
【0047】
フレーム27は、後対向部274と対向部271との間に、後対向部274を基準にして前側に凹入する第1凹入部276と第2凹入部277とを上下に有している。
第1凹入部276は、上側に位置し、凹入量は開閉カバー(裏部材157を含む)105に厚みに相当する。第1凹入部276には、開閉カバー105の開閉状態を検知する開閉センサ285が設けられている。開閉センサ285は取付具286に取り付けられ、取付具286が第1凹入部276の貫通孔276aに取り付けられる。開閉センサ285は、例えば、接触タイプのリーフスプリングセンサであり、リーフばね285aが取付具286の貫通孔286aから後側に露出している。つまり、開閉カバー105が閉状態の場合、リーフばね285aは、開閉カバー105(正確には裏部材157である)に接触する。
第2凹入部277は、下側に位置し、凹入量は第1凹入部276よりも大きい。第2凹入部277には、装置の電源をオン・オフするための主電源スイッチ245が設けられている。主電源スイッチ245は、第2凹入部277に設けられているため、開閉可能な開閉カバー105と干渉することがない。
【0048】
(1-8)バッテリユニット
バッテリユニット23は、図2に示すように、本体部1の後部側の端部下部の挿入口10aから挿入され、本体部1の後部側であって上部側の収容部138に下方から収容される。
つまり、収容部138の下方には、挿入口10aと繋がれる空間部139が形成されることになる。これにより、挿入口10aに液体がかかっても、バッテリユニット23が濡れるのを防止できる。
バッテリユニット23は、収容部138に収容された状態では、上面及び側面が本体部1の箱部132により覆われ、図6に示すように、箱部132の後壁部分132a、前壁部分132c、天壁部分132e、左右壁部分132fは、収容部138を覆うカバー部を構成する。これにより、本体部1の上方や側方に液体がかかっても、バッテリユニット23が濡れるのを防止できる。
バッテリユニット23は、図9に示すように、バッテリ(図示省略)と、バッテリを収容するためのバッテリケース231と、バッテリを充電する際の充電端子235とを備える。
バッテリケース231は、バッテリユニット23をフレーム27に着脱可能に装着するための被装着体233を有している。被装着体233は、フレーム27の装着部272aに装着される被装着部233aと、装着状態を解除する際に操作する操作部233bとを一体に有する。ここでは、被装着体233はバッテリケース231の後壁に設けられ、被装着部(被係合部)233aは後方へ突出する凸部分233aにより構成されている。
被装着体233は、係合方向に移動可能に支持され、係合方向(凸部分233aが凹部分272aに係合する方向)に付勢手段(例えば、ばね)により付勢される。
被装着体233は、被装着部233aの上側に傾斜部233cを有している。これにより、バッテリユニット23をフレーム27の一対の対向部271間を上方(装着方向)に移動させた際に、フレーム27の装着部272aに対応して没入する。
バッテリユニット23の係合の解除は、操作部233bを係合方向と反対側に押すことにより行われる。
【0049】
(1-9)満水センサ
満水センサ28は、図7図8及び図14に示すように、基板281と、回収タンク51内に貯留する第1の液体の液位の変化(以下、「液位変化」ともいう)に応じて静電容量が変化する検知電極284と、検知電極284からの出力に基づいて回収タンク51内の液位を判定するセンサ制御部290を構成するセンサ回路部29とを有している。センサ制御部290及びセンサ回路部29は、本体部1の制御部及び回路ユニットと区別するために、便宜上、「センサ」を付している。
満水センサ28は、回収タンク51の満水(High信号)/未満水(Low信号)を満水信号として本体部1の制御部に出力する。
なお、満水センサの形態について、後述の<満水センサ>で説明する。
【0050】
(1-10)回路ユニット
回路ユニット24は、図7に示すように、制御部や電源部を構成する電子部品241を回路基板242に実装してなる。なお、図では、複数の電子部品を1つのブロックとして表している。
回路ユニット24は、ねじ249により、フレーム27の一方側の対向部271の固定部271aに絶縁シート243を介して固定される。回路ユニット24は、対向部271に対してバッテリユニット23と反対側に配されている。フレーム27の上部側は、本体カバー103の箱部132内に挿入される。このため、回路ユニット24は本体部1の箱部132により覆われ、本体部1の上方や側方に液体がかかっても、回路ユニット24が濡れるのを防止できる。なお、図6に示すように、箱部132の後壁部分132a、前壁部分132c、天壁部分132e、左右壁部分132fは、回路ユニット24を覆うカバー部を構成する。
【0051】
制御部は、使用者から運転モードの選択の操作を操作部3eから受け付けると、選択された運転モードにしたがって、送風ユニット21やポンプユニット22を駆動する。具体的には、ROM等の記憶手段に記憶しているプログラムをCPUが実行することで行われる。
運転モードには、送風ユニット21とポンプユニット22を常時駆動する通常モードと、給水操作部3dの操作中は第2の液体を吐出する一方で吸引(送風ユニット21の駆動)を停止するエコモードとがある。なお、「エコモード」は発明1の「第1モード」であり、「通常モード」は第1モードに対しての第2モードである。
エコモード又は通常モードが選択され、操作部3eの開始操作があると、制御部は、送風ユニット21とポンプユニット22とを駆動し、吸引運転と吐出運転とを行う。
【0052】
制御部は、エコモードが選択され、操作部3eの開始操作があると、ポンプ221と電動送風機213とを駆動させる。その後、使用者が給水レバー334を操作すると、第2の液体を吐出し、磁界センサ355から給水レバー334の操作を示す信号(この信号を、「操作ON信号」とする)が入力されると、電動送風機213の駆動を停止させる。
そして、使用者が給水レバー334の操作をやめると、第2の液体の吐出が停止し、操作ON信号の入力がなくなると、電動送風機213を駆動させる。この場合、エコモードを実現するために、磁界センサ337(レバー位置検知部)が必要であり、流水センサ225は不要である。
エコモードは以下の手法で実現することもできる。すなわち、制御部は、エコモードが選択され、操作部3eの開始操作があると、ポンプ221と電動送風機213とを駆動させる。その後、給水レバー334が操作されると、第2の液体を吐出し、流水センサ225から給水経路33a内の第2の液体の流動を示す信号(この信号を「流動信号」とする)の入力があると、電動送風機213の駆動を停止させる。そして、使用者が給水レバー334の操作をやめて又は供給タンク52内の第2の液体がなくなり、流動信号の入力がなくなると、電動送風機213を駆動させる。この場合、エコモードを実現するために、流水センサ225が必要であり、磁界センサ337(レバー位置検知部)は不要である。
【0053】
制御部は、さらに、開閉カバー105の閉状態を示す信号(この信号を「閉信号」とする)の入力がない場合又は開閉カバー105の開状態を示す信号(この信号を「開信号」とする)の入力が開閉センサ285からある場合は、使用者の操作部3eの操作が入力されても、電動送風機213やポンプ221を駆動しないように制御する。
制御部は、通常モード又はエコモードで運転中に、開閉カバー105の閉信号の入力がなくなると、又は開閉カバー105の開信号の入力があると、電動送風機213及び/又はポンプ221の駆動を停止する。
【0054】
制御部は、通常モード又はエコモードの運転中に、満水センサ28からの満水信号が回収タンク51の満水を示す場合に、電動送風機213及び/又はポンプ221の駆動を停止する。これにより、回収タンク51から第1の液体が溢れる前に電動送風機213を停止することができる。
また、制御部は、回収タンク51の満水信号の入力がある場合、使用者の操作部3eの操作が入力されても、電動送風機213やポンプ221を駆動しないように制御する。これにより、回収タンク51から第1の液体が溢れるのを防止できる。
【0055】
3.タンク部
タンク部5は、図2及び図3に示すように、本体部1に着脱可能に装着される。タンク部5は、本体部1の前側の支持部10bに載置状態で支持される。タンク部5は、少なくとも、ノズル部3の吸引口3aから吸引した第1の液体を貯留する回収タンク51と、ノズル部3の吐出口3bから吐出するための第2の液体を貯留する供給タンク52とを有する。ここでは、供給タンク52は回収タンク51内に設けられている。
タンク部5は、回収タンク51内に配され、塵埃等が送風ユニット21側に吸引されるのを防止するフィルタ53を備える。清掃装置Xは、蓋部7をタンク部5に着脱可能に固定するための第1固定具54を備える。
【0056】
(1)回収タンク
回収タンク51は、図2及び図3に示すように、矩形箱状をし、上面が開口する。なお、回収タンク51は、タンク部5のタンク本体を構成する。
回収タンク51は、図10の(b)に示すように、供給タンク52の前側に位置する前タンク部51Aと、供給タンク52の後側に位置する後タンク部51Bとが、供給タンク52の左右両側に位置する右タンク部51Cと左タンク部51Dとで繋がる。
回収タンク51は、周壁部分の一部又は全部が透明又は半透明に構成されている。これにより、内部の液量を目視できる。
回収タンク51は、少なくとも、回収タンク本体部510と、ノズル部3から吸引した空気等が内部に吹き出すための吹出口51aと、送風ユニット21により空気が吸い込まれるための吸込口51bとを有する。
なお、吹出口51aは、ノズル部3と繋がり、前タンク部51Aに形成されている。吸込口51bは、電動送風機213に繋がり、後タンク部51Bに形成されている。吹出口51aと吸込口51bは、前後方向に離間しているため、吹出口51aから吹き出した第1の液体が吸込口51bに入り難くできる。また、吹出口51aと吸込口51bとの間には、供給タンク52を区画する区画壁部520が蓋部7まで伸びているため、吹出口51aから吹き出した第1の液体が吸込口51bにより一層入り難くできる。
回収タンク51は、フィルタ53を着脱可能に装着する装着部511を回収タンク本体部510に有する。回収タンク51は、第1固定具54を取り付けるための第1固定具固定部512を回収タンク本体部510の上部側に有する。回収タンク51は、第2固定具26により本体部1に固定されるための第2固定具被固定部513を回収タンク本体部510の下部側に有する。
回収タンク51は、本体部1に載置される際に、本体部1の筐体10の凹入部分131aに嵌合する凸出部分510gを底壁部分510hの4隅に有している(図3参照)。
回収タンク51は、蓋部7との密閉性を向上させるためのパッキン55を上部開口に備える。
【0057】
回収タンク本体部510は、上方から見ると、前後方向に長い矩形状をしている。
回収タンク本体部510は、図2及び図3に示すように、本体部1の第1突部134用の欠け部分510aを後部側に有する。欠け部分510aの天壁部分510bには送風ユニット21の小径部231aが挿入される貫通孔(吹込口)51bが形成されている。天壁部分510bは、回収タンク本体部510の高さに対して、底から55~70%の位置に形成されている。これより、貯留量を多くできる。
回収タンク本体部510は、本体部1の第2突部135用の有蓋筒状の凹入部分510cを前部側に有する。凹入部分510cは上方に凹入する。図10に示すように、凹入部分510cの天壁部分510dには第2突部135の挿入部分135aが挿入される貫通孔(吹出口)51aが形成されている。天壁部分510dは、回収タンク本体部510の高さに対して、底から55~70%の位置に形成されている。これより、貯留量を多くできる。
【0058】
フィルタ53用の装着部511は、欠け部分510aを構成する欠け用左右壁部分510eと、当該欠け用左右壁部分510eに左右方向に対向する左右壁部分510fとに設けられている。ここでの装着部511は、フィルタ53が上方から差し込まれる溝部分により構成される。なお、溝部分は、上下に延伸し且つ前後方向に離間する一対のリブによって構成される。
第1固定具54用の第1固定具固定部512は、第1固定具54の第1軸部を着脱可能に保持する。固定具固定部512は、前後方向の中央又は中央付近に設けられ、左右両側にある。
第2固定具26用の第2固定具被固定部513は、図2に示すように、第2固定具26の係合部261が係合する被係合部である。ここでの第2固定具被固定部513は、凸部により構成される。第2固定具被固定部513は、前後方向の中央又は中央付近に設けられ、左右両側にある。
第1固定具54で蓋部7をタンク部5に強固に固定し、第2固定具26でタンク部5を本体部1に強固に固定するため、ハンドル72を持って清掃装置Xを持ち上げても蓋部7又はタンク部5が外れることがない。
回収タンク本体部510は、上部に周外方へと張り出す突条部514を全周又は略全周に有する。これにより、装着された蓋部7が下方から支持される。
【0059】
(2)供給タンク
供給タンク52は、回収タンク本体部510内にあり、外周が回収タンク51により囲まれている。供給タンク52は、図10の(b)に示すように、前後方向の中央にある。供給タンク52の前後方向の寸法L1は、前タンク部の前後方向の寸法L2と、後タンク部51Bの前後方向の寸法L3と略同じである。ここでの「略同じ」とは、同じ場合と、L2とL3がL1に対して、0.8~1.2倍の範囲にある場合とを含む。
供給タンク52は、周壁部分の一部又は全部が透明又は半透明に構成されている。ここでは、回収タンク51の透明又は半透明部分に対応して設けられている。これにより、回収タンク51を通じて供給タンク52内部の液量を目視できる。
供給タンク52は、回収タンク本体部510の底壁部分510hから筒状に立設する区画壁部520により区画される。区画壁部520の前壁部分520aと後壁部分520bは、凹入部分510cや欠け部分510aを構成する壁部分を構成する。
区画壁部520の左右壁部分520cは、回収タンク本体部510の左右壁部分510fと左右方向に間隔をおいて設けられている。これにより、吹出口51aから吹き出した第1の液体が供給タンク52の後側に流れる。
供給タンク52の底領域510kには、供給口体56が設けられている。供給タンク52は、底領域510kに下方に突出する円筒部分510mを有し、当該円筒部分510mに供給口体56が着脱可能に装着される。
供給口体56は、底部分に供給口(開口)560aを有する有底筒状の口本体560と、口本体560の供給口560aに対して移動可能に設けられた可動体561と、可動体561に設けられ且つ供給口560aを開閉可能とする開閉弁562と、可動体561を開閉弁562の閉方向に付勢する付勢手段563とを備え、口本体560の周壁部560bが供給タンク52の円筒部分510mに螺合する。開閉弁562は、タンク部5が本体部1に載置されていない状態では閉状態となり、本体部1に載置されると、可動体561が本体部1のチューブ接続部136のピン部分136cにより押し上げられ、開閉弁562が開状態となる。
【0060】
(3)固定具
第1固定具54及び第2固定具26は、同じタイプである。
固定具26,54は、所謂バックルタイプであり、本体部1の被固定部513や蓋部7の被固定部716に係合する係合体と、本体部1に回動可能に取り付けられる第1軸部と係合体を回動可能に支持する第2軸部とを有するリング体とを備える。
【0061】
4.蓋部
蓋部7は、図2及び図3に示すように、少なくとも蓋本体71を備える。蓋部7は、図11に示すように、ハンドル72、フィルタユニット73、カバー体74、注入口体75を蓋本体71に備える。
【0062】
(1)蓋本体
蓋本体71は、矩形板状の天壁部711と、天壁部711の周縁から下方に延伸する周壁部712とを有する。
蓋本体71は、供給タンク52の区画壁部520の上方に位置する部位に、パッキン(図示省略)を保持するための保持部713を有している。保持部713は、パッキンが嵌合する溝部分により構成される。これにより、供給タンク52内の密閉性を向上できる。
蓋本体71は、回収タンク51の後タンク部51Bに嵌合する嵌合筒部714と、嵌合筒部714内に配されるフィルタユニット73を保持する保持部714a,714bとを有している。嵌合筒部714は左右方向に長い矩形筒状をし、左右壁部分に保持部714a,714bが設けられている。
蓋本体71は、天壁部711における嵌合筒部714に囲まれた部分から下方に延伸するボス部分711aを複数個有し、フィルタユニット73を上方から支持する。
なお、嵌合筒部714の前壁部分714cは保持部713の後側の溝を構成する。
周壁部712は、その左右壁部分712aに、第1固定具54により固定される被固定部716を有している。被固定部716は、左右方向の外方へ突出する凸状の被係合部により構成され、当該被係合部に第1固定具54の係合部541(図2参照)が係合する。
【0063】
(2)ハンドル
ハンドル72は、逆「U」字状をし、蓋本体71の中心軸上に形成されたハンドル取付部711dにねじ729により固定される。ハンドル72の把持部72aは、前後方向の中央に位置する。これにより、使用者は、本体部1、タンク部5及び蓋部7の中心軸上であって前後方向の中央部位を把持することとなり、重量バランスを向上できる。
【0064】
(3)フィルタユニット
フィルタユニット73は、フィルタ731とフィルタケース733とを備える。フィルタユニット73は、左右方向の中央に貫通孔73aを有し、送風ユニット21の小径部231aが挿通する。この状態では、送風ユニット21の開閉弁232は、フィルタ731の上側に位置する。これにより、送風ユニット21内には、ノズル部3から吸引されてフィルタ731を通過した空気が吸引され、送風ユニット21の故障等を少なくできる。
フィルタケース733は、格子部733aと左右壁部733bと前壁部733dとを有する。フィルタケース733は、左右壁部733b及び前壁部733dが嵌合筒部714の下端部の外側又は内側に嵌合する。フィルタユニット73の嵌合筒部714によるフィルタユニット73の保持は2つの保持機構により行われる。
第1の保持機構は、凸部と凹部との嵌合である。ここでは、凸部はフィルタケース733の左右壁部733bの凸部733cであり、凹部、嵌合筒部714の保持部714aである貫通孔である。
第2の保持機構は、係合部(凸部)と被係合部(凹部又は溝部)との係合である。ここでは、係合部はフィルタケース733の前壁部733dの凸部733eであり、被係合部は嵌合筒部714の貫通溝(保持部)714bである。
【0065】
(4)カバー体
カバー体74は、回収タンク51内に突出する本体部1の第2突部135の挿入部分135aを上方から覆う。これにより、挿入部分135aの開口から吹き出される空気や第1液体が、カバー体74の内面に当たり下方へと進む。
カバー体74は、断面形状が左右方向に長い長円状の筒部741と、筒部741から上方に膨出して上端を塞ぐ閉塞部743とを有する。閉塞部743は、左右方向と直交する断面形状が半円状をしている。これにより、閉塞部743で跳ね返った空気や第1液体が本体部1側に戻るのを抑制できる。
カバー体74は、筒部741又は閉塞部743から上方に「L」字状に延伸する延伸部745を有し、延伸部745が天壁部711にねじ749により固定される。
【0066】
(5)注入口体
注入口体75は、供給タンク52に第2の液体を注入可能とする注入口751を有する嵌合部752と、注入口751を開閉可能に塞ぐキャップ753とを備える。注入口751があることにより、蓋部7を取り外すことなく第2の液体を注入することができる。注入口体75は、嵌合部752が蓋本体71の天壁部711の嵌合孔711cに嵌合することで、蓋本体71に着脱可能に装着される。これにより、注入口体75を容易に洗浄できる。
なお、嵌合孔711cは、供給タンク52の上方に位置する。
【0067】
5.ノズル部
ノズル部3は、図1に示すように、少なくとも吸引口3aと吐出口3bとハンドル部3cとを備える。ここでは、給水操作部3dや操作部3eを備え、ホース部8に接続される。
「通常モード」と「エコモード」との運転モードの選択は、操作部3eを介して行われる。
ノズル部3は、図13に示すように、吸引口3aと吐出口3bとを有するヘッド31と、吸引口3aと連通する吸引経路32aを内部に有するベース32と、ベース32に取り付けられ且つ吐出口3bと連通する吐出ユニット33と、吐出ユニット33を覆う第1カバー34と、運転モードの選択や運転の開始/停止等を操作する操作ユニット35と、操作ユニット35を覆う第2カバー36とを備える。
【0068】
(1)ヘッド
ヘッド31は、筒状の本体部311と、本体部311の上端に設けられた吸引部313と、本体部311の前側に設けられた吐出部315とを有する。
本体部311の内部は、吸引部313の内部(吸引口3a)に連通する。本体部311の下端は、ベース32と着脱可能に接続される。これにより、ヘッド31を容易に洗浄できる。
吸引部313は、上方から見たときに、前側拡がりの三角状、台形状をしている。これにより、ヘッド31の移動方向と直交する方向に広い範囲で吸引可能となる。
吐出部315は、吐出ユニット33の下流端部に接続され、前方へと第1の液体を吐出する。
【0069】
(2)ベース
ベース32は、全体として、筒状をし、上端開口と下端開口に接続する吸引経路32aを内部に有する。
ベース32は、前側に形成され且つ吐出ユニット33が配される第1凹入部321と、後側に形成され且つ操作ユニット35が配される第2凹入部322と、ヘッド31と接続するヘッド接続部323と、ホース部8と接続するホース接続部324とを有する。
【0070】
第1凹入部321は、ベース32の中心軸に向かって凹入する。第1凹入部321は、吐出ユニット33を保持する保持部分321aと、吐出ユニット33の開閉弁331を開閉するための給水レバー334を操作可能に支持する支持部分321bと、第1カバー34を取り付けるための第1及び第2取付部分321cとを有する。
保持部分321aは、吐出ユニット33の開閉弁331の張出部分(被支持部分)と嵌合する嵌合溝部分により構成される。支持部分321bは、給水レバー334の軸部(被支持部)334aが嵌合する嵌合欠け部により構成される。第1取付部分は、第1カバー34の係合凸部(係合部)341が係合するための図外の係合孔(被係合部)により構成され、第2取付部分321cは、第1カバー34の貫通孔(被固定部)を挿通するねじ349が螺合するボス部分のねじ孔(固定部)により構成される。
【0071】
第2凹入部322は、ベース32の中心軸に向かって凹入する。第2凹入部322は、操作ユニット35の支持部分322aとして、ボス部分と当該ボス部分に形成されたねじ部分とを有する。ねじ部分に、第2カバー36の貫通孔(被取付部)、操作ユニット35の操作基板351の貫通孔351aを挿通するねじ369が螺合する。
ヘッド接続部323は、横断面形状において、外周面が円形状をしている。ヘッド接続部323は、ヘッド31の本体部311の下端部に挿入される。ヘッド接続部323は、ヘッド31とで、ヘッド31の接続を固定又は解除するロック機構を有する。ロック機構は、係合孔と係合凸部であり、係合孔がヘッド31の本体部311の貫通孔311aであり、係合凸部はヘッド接続部323の凸部323aである。凸部323aは、「U」字状の溝部分323bにより厚み方向に弾性変形可能とされている。
ホース接続部324は、横断面形状において、外周面が円形状をしている。ホース接続部324の内部に、ホース部8の接続体83が挿入される。ホース接続部324は、ホース部8の接続体83とで、ホース部8が抜け難くするための固定機構を有している。固定機構は、凸部と凹部であり、凸部がホース部8の接続体83の凸部であり、凹部はホース接続部324の貫通孔342a又は凹部である。
【0072】
(3)吐出ユニット
吐出ユニット33は、操作すると吐出用の給水経路33aを開状態とする開閉弁331と、開閉弁331の上流側に接続される上流チューブ332と、開閉弁331の下流側に接続される下流チューブ333と、開閉弁331を開状態に操作するための給水レバー334と、下流チューブ333と接続され且つヘッド31の吐出部315に配される接続体335とを備える。なお、上流チューブ332は流水センサ225(図4参照)に接続される。
開閉弁331は、図12に示すように、移動可能に支持され且つ移動により給水経路33aを開閉する可動部331aと、可動部331aを閉方向に付勢する付勢部331bとをケース331c内に備える。可動部331aの先端部分331dは、ケース331cから延出し、押入されると、給水経路33aが開状態となる。
給水レバー334は、操作されることで、開閉弁の先端部分331dを押入し、吐出口3bから第2の液体が吐出する。なお、給水レバー334の操作がない場合でも、ポンプ221は駆動されている。
給水レバー334は、ベース32の第1凹入部321の嵌合欠け部(支持部)321bにより回動可能に支持される軸部(被支持部)334aを有し、軸部334a周りに使用者が操作すると、開閉弁331の先端部分331dを押入し、開閉弁331が開状態となる。
給水レバー334及び操作基板351は、使用者の操作(回動操作)の有無を検知する、つまり給水レバーの位置を検知するレバー位置検知部を有している。レバー位置検知部は、マグネット336と磁界センサ355であり、マグネット336が給水レバー334に設けられ、磁界センサ355が操作基板351に設けられている。
なお、ベース32により操作可能に支持された給水レバー334により、給水操作部3dが構成される。
【0073】
(4)第1カバー
第1カバー34は、ベース32の第1凹入部321を覆うように装着されると、ベース32の前側部分が外観上円筒状となるように構成されている。
第1カバー34は、給水レバー334用の開口部34aと、接続体335用の欠け部34bと、第1凹入部321に取り付けられるための係合凸部341と、第1凹入部321に固定されるためのボス部342と、ボス部342に形成され且つねじ349が挿通する貫通孔とを有する。
【0074】
(5)操作ユニット
操作ユニット35は、操作基板351に複数のスイッチ素子353を備える。スイッチ素子353は、運転開始又は運転停止用、運転モードの「通常モード」の選択用、「エコモード」の選択用の3つがある。
操作ユニット35は、操作基板351の前面であって給水レバー334のマグネット336に対応して磁界センサ355が設けられている。なお、磁界センサ355として、例えば、ホール素子を利用でき、その検知結果は回路ユニット24に出力される。
操作基板351と回路ユニット24とを接続する配線は、チューブ357の中に配され、チューブ357がホース部8内に配される。
【0075】
(6)第2カバー
第2カバー36は、ベース32の第2凹入部322を覆うように装着されると、ベース32の後側部分が外観上円筒状となるように構成されている。
第2カバー36は、操作ユニット35のスイッチ素子353に対応して変形可能なボタン部361と、ねじ369用の貫通孔を底部分に有するボス部363とを有する。ねじ369は、第2カバー36の貫通孔、操作ユニット35の操作基板351の貫通孔351aを通って、第2凹入部322の支持部分322a(ボス部分のねじ孔)に螺合する。
なお、第2カバー36のボタン部361と操作ユニット35とで操作部3eを構成する。
【0076】
6.ホース部
ホース部8は、ホース81と、本体部1又はノズル部3とホース81とを接続する接続体83とを備え、ホース81の内部に吐出用の上流チューブ332と配線用のチューブ357とが配される。
【0077】
<満水センサ>
1.形態1
(1)概略
満水センサ28は、図14(a)及び(b)に示すように、回収タンク51の側壁部分510j(図2参照)に対向する状態でフレーム27に取り付けられる基板281と、基板281における回収タンク51側の第1面に設けられた検知電極284と、検知電極284からの出力信号により液位を判定するセンサ制御部290とを備える(図15参照)。ここでのセンサ制御部290は、基板281の第1面と反対側の第2面に設けられているセンサ回路部29により構成される。センサ回路部29は、センサ制御部290の全部又は一部を含み、ここでは、全部を含む。
なお、満水センサ28及び回収タンク51は、本発明の「液位検知装置」及び「貯液容器」の一例に相当する。
【0078】
(2)各部
検知電極284は、例えば、銅箔や、パターン電極(基板281に形成されたパターニングを利用している)等により構成される。検知電極284は、回収タンク51内の液位変化に応じて静電容量が変動する可変キャパシタであり、図示省略の抵抗とで遅延回路を構成する。
検知電極284及び基板281は、回収タンク51の外部であって、検知電極284の上下方向の中間位置に、図14の(a)に示すように、回収タンク51が満水と判断される満水液位L1が位置するように、構成されている。
【0079】
センサ回路部29は、例えば、基板281における回収タンク51が存在しない側の第2面に実装されている。センサ回路部29は、IC(発振器)、抵抗、コンデンサ、コンパレータ等の電子部品を含む。なお、センサ回路部29は、回路ユニット24から駆動電力を受電し、液位の判定結果(満水信号)を回路ユニット24の制御部に出力する。なお、受電及び判定結果の出力は、配線283を介して行われる。
【0080】
図15を主に用いて説明する。
センサ制御部290は検知電極284と接続する。センサ制御部290は、検知電極284に第1信号(291a)を出力し、検知電極284から出力された第2信号(284a)に基づいて液位を判定する。具体的には、センサ制御部290は、検知電極284から入力される第2信号(波形、284a)の遅延時間に基づいて、満水又は未満水を判定する。これにより、回収タンク51の第1の液体を非接触で検知できる。つまり、回収タンク51の外側で検知できる。
センサ制御部290は、第1信号(291a)を発振し且つ検知電極284と比較器292に出力する発振回路部291と、発振回路部291から出力された第1信号(291a)と検知電極284から出力される第2信号(294a)とを比較する比較器292と、比較器292から出力された比較信号(292a)を積分する積分器293と、積分された積分信号(293a)を判定する判定器294とを備える。なお、検知電極284に抵抗が接続され、遅延回路(時定数)が構成されている。
具体的には、図15の(a)に示すように、発振回路部291は第1信号として矩形波のパルス信号を発生して出力する。発振回路部291として、例えば、IC回路、マイコン出力等を利用できる。
検知電極284は、回収タンク51内の液位変化に応じて静電容量が変動する。このため、液位変化による静電容量の変化により、第1信号に対して遅延した第2信号が出力される。
比較器292には、第1信号と第2信号とが入力され、両信号を比較して、Hレベル/Lレベルのパルス信号が比較信号として出力される。ここでは、第1信号(矩形波信号)に対する第2信号(遅延信号)の遅延分がパルス幅に変換されて出力される。比較器292は、例えば、コンパレータ等を利用できる。
積分器293は、比較器292から入力された比較信号(パルス信号)を平均化する。積分器293は、コンデンサと抵抗から回路構成されたローパスフィルタを利用できる。
判定器294は、積分された積分信号が、満水の閾値を示す閾値信号に対して、Hレベルを示すHigh信号又はLレベル示すLow信号を、本体部1の制御部に出力する。つまり、満水センサ28は液位をデジタル判定する。なお、ここでは、High信号は満水を示す信号である。
【0081】
検知電極284は、図15(b)に示すように、液位が高くなると静電容量が大きくなり、時定数が大きくなる。つまり、液位が高いほど遅延時間が大きくなり、比較器292から出力されるパルス信号のパルス幅が大きくなると共に、積分器293からの出力値(電圧値)も大きくなる。なお、図15(b)では、積分した出力値が3Vで満水としている。
【0082】
(3)センサ制御部について
図15(a)に示すセンサ制御部290では、積分器293の出力側に、「high」又は「Low」の2値を出力(デジタル出力)する判定器294が接続されていたが、図16(a)に示すように、判定器294に変えて増幅器295を接続してもよい。これにより、図16(b)に示すように、液位レベルに対応した液位信号を出力(アナログ出力)できる。つまり、満水センサ28aは、液位をアナログ判定する。
なお、本体部1の制御部は、満水センサ28aからの信号により、信号に対応した複数のLEDを点灯させて、液位レベルを表示する。
【0083】
(4)ガードパターン
満水センサ28は、図14(c)に示すように、基板281の第2面に、センサ回路部29の周囲を囲む導電性のガードパターン296を備えてもよい。ガードパターン296は、例えば、基板281のセンサ回路部29の配線パターンと同様に、薄膜の金属箔(金属層)により構成され、配線パターンと共に形成される。これにより、外部からセンサ制御部290が受けるノイズの影響を低減できると共に、満水センサ28の感度を向上できる。
ガードパターン296は、図示しないが、GND接続(グランド接続)されてもよく、これにより、ノイズの影響を受け難くできる。なお、GND接続は、配線283を介して本体部1の回路ユニット24側とGND接続される。
【0084】
(5)結合回路又は結合部品
満水センサ28bは、図17に示すように、基板281の第2面にガードパターン296を備える場合、当該ガードパターン296とセンサ制御部290bとの間に結合回路297を備えてもよい。具体的には、結合回路297は発振回路部291と接続される。つまり、センサ制御部290bは、ガードパターン296に結合回路297を経由して発振回路部291から第1信号(パルス信号)を出力する。結合回路297は、2以上の電子部品により構成され、例えば、コンデンサ、抵抗、インダクタンタ等を組み合わせて利用できる。これにより、外部からのノイズの影響を低減できると共に、満水センサ28bの感度を向上できる。ここでの結合回路297は、センサ回路部29bに含まれるが、センサ制御部290bに含まれるとしてもよい。
なお、結合回路297に変えて、例えば、コンデンサ、抵抗、インダクタンタ等の電子部品を結合部品として利用してもよい。
ガードパターン296はGND接続されてもよい。また、図17では、判定器294を備えているが、図16のように、判定器294に変えて増幅器295を備えてもよい。
【0085】
2.形態2
形態2の満水センサ28cについて説明する。なお、形態1と同じ構成については、同じ符号を使用し、その説明を省略する。
(1)概略
満水センサ28cは、図18に示すように、基板281(図7,8参照)と、コンデンサ287と、検知電極284と、コンデンサ287と検知電極284とに並列に接続され且つコンデンサ287と検知電極284とからの出力により液位を判定するセンサ制御部290cとを備える。
ここでのセンサ制御部290cは、基板281の第2面に設けられているセンサ回路部29cにより構成される。センサ回路部29cは、センサ制御部290の全部又は一部を含み、ここでは、全部を含む。
【0086】
(2)各部
主に図18を用いて説明する。
検知電極284は、形態1と同様に、図14の(a)に示すように、回収タンク51が満水と判断される満水液位L1に対応するように設けられている。検知電極284は、図示省略の抵抗とで遅延回路を構成する。
コンデンサ287は、図示省略の抵抗と接続し、遅延回路を構成する。コンデンサ287の静電容量は、周辺の温度等によって変動する。コンデンサ287は、基板281の第2面に設けられ、センサ制御部290cに含まれないが、センサ制御部290cに含まれるとしてもよい。なお、コンデンサ287は、センサ回路部29cに含まれる。
センサ制御部290cは、ここでは検知電極284とコンデンサ287からの出力の差分に基づいて判定する。具体的には、出力は遅延時間であり、遅延時間の差分である。
センサ制御部290cは、検知電極284とコンデンサ287に所定の基準波形291aを出力し、検知電極284から出力された第1波形284aと、コンデンサ287から出力された第2波形287aとに基づいて液位を判定する。これにより、回収タンク51の第1の液体を非接触で検知できる。特に、コンデンサ287からの第2波形287aを考慮しているため、量産品の発振回路部291の発信周波数の個体差、発振回路部291の動作中の温度変化(周辺の温度変化も含む)等の外部要因による発振周波数の変化による出力波形(電圧)のずれを除去できる。
【0087】
センサ制御部290cは、図18(a)に示すように、矩形状の基準波形291a(基準信号)を発振し且つ検知電極284とコンデンサ287と比較器292A,292Bに出力する発振回路部291と、発振回路部291から出力される基準波形(基準信号)291aと検知電極284から出力される第1波形(第1信号)284aとを比較する比較器292Aと、発振回路部291から出力される基準波形(基準信号)291aとコンデンサ287から出力される第2波形(第2信号)287aとを比較する比較器292Bと、比較器292Aから出力される第1比較波形(第1比較信号)292Aaを積分する積分器293Aと、比較器292Bから出力される第2比較波形(第2比較信号)292Baを積分する積分器293Bと、積分された第1積分波形(第1積分信号)293Aa及び第2積分波形(第2積分信号)293Baを判定する判定器294とを備える。
【0088】
発振回路部291は、矩形波のパルス信号を発生して出力する。
検知電極284の静電容量は液位変化に応じて変動し、図18(c)に示すように、基準波形291aに対して遅延した第1波形284aが出力される。第1波形284aの遅延時間は、液位が高い方が長い。
コンデンサ287の静電容量は周辺の温度変化に応じて変動し、図18(b)に示すように、基準波形(基準信号)291aに対して遅延した第2波形287aが出力される。コンデンサ287として、例えば、電界コンデンサ、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサ等を利用できる。
【0089】
比較器292Aと積分器293Aは、形態1の比較器292と積分器293に相当し、その基本動作等は形態1と同じである。
比較器292Aは、基準波形291aと第1波形284aとが入力され、両波形を比較して、図18(a),(c)に示すように、Hレベル/Lレベルの矩形波(パルス信号)を第1比較波形(第1比較信号)292Aaとして出力する。ここでは、基準波形291aに対する第1波形284aの遅延分がパルス幅に変換されて出力される。比較器292Aは、例えば、比較器292と同様に、コンパレータ等を利用できる。
比較器292Bは、基準波形291aと第2波形287aとが入力され、両波形を比較して、図18(a),(b)に示すように、Hレベル/Lレベルの矩形波(パルス信号)が第2比較波形(第2比較信号)292Baとして出力される。ここでは、基準波形291aに対する第2波形287aの遅延分がパルス幅に変換されて出力される。比較器292Bは、例えば、比較器292Aと同様に、コンパレータ等を利用できる。
【0090】
積分器293A,293Bは、比較器292A,292Bから入力される第1及び第2比較波形292Aa,292Baを平均化する(図18参照)。
積分器293Aは、第1比較波形292Aaの遅延時間を直流電圧に変換した第1積分波形(第1電圧値)293Aaを出力する。
積分器293Bは、第2比較波形292Baの遅延時間を直流電圧に変換した第2積分波形(第2電圧値)293Baを出力する。
積分器293A,293Bは、積分器293と同様に、コンデンサと抵抗とから回路構成されたローパスフィルタを利用できる。
【0091】
判定器294は、図18(c)に示すように、積分された2つの第1積分波形293Aa(第1電圧値)及び第2積分波形293Ba(第2電圧値)の差分が、満水の閾値を示す閾値信号に対して、Hレベルを示すHigh信号又はLレベル示すLow信号の満水信号を、本体部1の制御部に出力する。つまり、満水センサ28cは液位をデジタル判定する。判定器294は、例えば、コンパレータ等を利用できる。
【0092】
(3)センサ制御部について
図18に示すように、センサ制御部290cは、積分器293A,293Bの出力側に、「high」又は「Low」の2値を出力(デジタル出力)する判定器294が接続されている。
しかしながら、センサ制御部290dは、図19(a)に示すように、判定器294に変えて、差動増幅器295を接続してもよい。これにより、図19(c)に示すように、液位レベルに対応した液位信号を出力(アナログ出力)できる。つまり、満水センサ28dは液位をアナログ判定する。
なお、本体部1の制御部は、形態1と同様に、満水センサ28dからの液位信号により、例えばLED等を点灯させて液位レベルを表示する。また、差動増幅器295は、例えば、オペアンプ等を利用できる。
【0093】
(4)ガードパターン
満水センサ28c,28dは、形態1と同様に、基板281の第2面に、センサ回路部29c,29dの周囲を囲む導電性のガードパターン296を備えてもよい。これにより、センサ制御部290c,290dが、外部から受けるノイズの影響を低減できると共に、満水センサ28c,28dの感度を向上できる。なお、ガードパターン296は、形態1と同様に、GND接続されてもよい。
【0094】
(5)結合回路
満水センサ28eは、図20に示すように、基板281の第2面にガードパターン296を備える場合、当該ガードパターン296とセンサ制御部290e(例えば、発振回路部291)との間に結合回路297を備えてもよい。結合回路297の構成及び動作等は、形態1と同様であり、結合回路297に変えて結合部品を利用してもよい。
なお、結合回路297又は結合部品はセンサ回路部29eに含まれるが、センサ制御部290eに含まれるとしてもよい。ガードパターン296はGND接続されてもよい。また、図20では、判定器294を備えているが、図19のように、判定器294に変えて差動増幅器295を備えてもよい。
【0095】
3.形態3
形態3の満水センサ28fについて説明する。なお、形態1,2と同じ構成については、同じ符号を使用し、その説明を省略する。満水センサ28fは、形態2の満水センサ28c,28d,28eのコンデンサ287を基準電極288に置き換えたものである。
(1)概略
満水センサ28fは、図21に示すように、基板281と、検知電極284と、基準電極288と、検知電極284と基準電極288に接続され且つ検知電極284と基準電極288とからの出力により液位を判定するセンサ制御部290fとを備える。
ここでのセンサ制御部290fの全部又は一部は、基板281の第2面に設けられているセンサ回路部29fにより構成され、ここでは、全部が構成される。
【0096】
(2)各部
検知電極284は、形態1と同様に、回収タンク51の外部に配され且つ回収タンク51の液位変化に応じて静電容量が変化する。検知電極284は、図21(a)に示すように、回収タンク51が満水と判断される満水液位L1に対応するように設けられている。なお、検知電極284は、形態1,2と同様に、図示省略の抵抗とで遅延回路を構成する。
基準電極288は、検知電極284と同様に基板281の第1面に設けられている。基準電極288は、例えば、銅箔や、パターン電極(基板281に形成されたパターニングを利用している)等により構成され、検知電極284の材質、厚みと略同じである。基準電極288は、回収タンク51内の液位変化に応じて静電容量が変動しない部位に設けられている。換言すると、基準電極288は、検知電極284の周辺であって回収タンク51内の満水状態の第1の液体と対向しない位置に設けられている。ここでは、図21の(a)に示すように、基準電極288は、検知電極284の上下方向の上側であって間隔をおいて設けられている。基準電極288の静電容量は、周辺の温度の変化に伴って変動する可変キャパシタであり、図示省略の抵抗とで遅延回路を構成する。
【0097】
主に図22を用いて説明する。
センサ制御部290fは、ここでは検知電極284と基準電極288からの出力の差分に基づいて判定する。具体的には、出力は遅延時間であり、遅延時間の差分である。
センサ制御部290fは、検知電極284と基準電極288に基準波形291aを出力し、検知電極284から出力される第1波形284aと、基準電極288から出力される第2波形288aとに基づいて液位を判定する。これにより、回収タンク51の第1の液体を非接触で検知できる。特に、基準電極288からの第2波形288aを考慮しているため、量産品の発振回路部291の発信周波数の個体差、発振回路部291の動作中の温度変化等の外部要因による発振周波数の変化や、満水センサ28f周辺の温度変化等による第1波形284a(電圧)のずれを除去できる。
【0098】
センサ制御部290fは、矩形状の基準波形291a(基準信号)を発振し且つ検知電極284と基準電極288と比較器292A,292Bとに出力する発振回路部291と、発振回路部291から出力される基準波形(基準信号)291aと検知電極284から出力される第1波形(第1信号)284aとを比較する比較器292Aと、発振回路部291から出力される基準波形(基準信号)291aと基準電極288から出力される第2波形(第2信号)288aとを比較する比較器292Bと、比較器292Aから出力される第1比較波形(第1比較信号)292Aaを積分する積分器293Aと、比較器292Bから出力される第2比較波形(第2比較信号)292Baを積分する積分器293Bと、積分された第1積分波形(第1積分信号)293Aa及び第2積分波形(第2積分信号)293Baを判定する判定器294又は差動増幅器295とを備える。
【0099】
発振回路部291は、図22(a)に示すように、矩形波のパルス信号を発生して出力する。
検知電極284の静電容量は液位変化に応じて変動し、図22(a),(c)に示すように、基準波形291aに対して遅延した第1波形284aが出力される。第1波形284aの遅延時間は、液位が高い方が長い。
基準電極288の静電容量は、上述のように、周辺の温度変化に応じて変動し、図22(a),(b)に示すように、基準波形(基準信号)291aに対して遅延した第2波形288aが出力される。
【0100】
比較器292A,292Bと積分器293A,293Bは、形態2の比較器292A,292Bと積分器293A,293Bに相当し、その基本動作等は形態2と同じである。
比較器292Aは、基準波形291aと第1波形284aとが入力され、両波形を比較して、図22(a),(c)に示すように、Hレベル/Lレベルの矩形波(パルス信号)が第1比較波形(第1比較信号)292Aaとして出力される。ここでは、基準波形291aに対する第1波形284aの遅延分がパルス幅に変換されて出力される。比較器292Aは、例えば、比較器292と同様に、コンパレータ等を利用できる。
比較器292Bは、基準波形291aと第2波形288aとが入力され、両波形を比較して、図22(a),(b)に示すように、Hレベル/Lレベルの矩形波(パルス信号)が第2比較波形(第2比較信号)292Baとして出力される。ここでは、基準波形291aに対する第2波形288aの遅延分がパルス幅に変換されて出力される。比較器292Bは、例えば、比較器292Aと同様に、コンパレータ等を利用できる。
【0101】
積分器293A,293Bは、比較器292A,292Bから入力された第1比較波形292Aa及び第2比較波形292Baを平均化する(図22参照)。
積分器293Aは、第1比較波形292Aaの遅延時間を直流電圧に変換した第1積分波形(第1電圧値)293Aaを出力する。
積分器293Bは、第2比較波形292Baの遅延時間を直流電圧に変換した第2積分波形(第2電圧値)293Baを出力する。
積分器293A,293Bは、積分器293と同様に、コンデンサと抵抗から回路構成されたローパスフィルタを利用できる。
【0102】
判定器294は、積分された第1積分波形293Aa(第1電圧値)及び第2積分波形293Ba(第2電圧値)の差分から判断し、当該差分が、満水の閾値信号に対して、Hレベルを示すHigh信号又はLレベル示すLow信号の満水信号を、本体部1の制御部に出力する。つまり、満水センサ28fは液位をデジタル判定する。判定器294は、例えば、コンパレータ等を利用できる。
差動増幅器295は、第1積分波形293Aa(第1電圧値)及び第2積分波形293Ba(第2電圧値)の差分を増幅し、液位レベルに対応した液位信号を出力(アナログ出力)する。つまり、満水センサ28fは液位をアナログ判定する。差動増幅器295は、例えば、オペアンプ等を利用できる。
なお、本体部1の制御部は、形態2と同様に、満水センサ28fからの満水信号や液位信号により、LED等を点灯させて、満水状態や液位レベルを表示する。
【0103】
(3)ガードパターン
満水センサ28fは、形態2と同様に、基板281の第2面に、センサ回路部29fの周囲を囲む導電性のガードパターン296を備えてもよい。これにより、センサ制御部290fが、外部からのノイズの影響を低減すると共に、満水センサ28fの感度を向上できる。なお、ガードパターン296は、形態2と同様に、GND接続されてもよい。
【0104】
(4)結合回路
満水センサ28gは、図23に示すように、基板281の第2面にガードパターン296を備える場合、当該ガードパターン296とセンサ制御部290g(例えば、発振回路部291)との間に結合回路297を備えてもよい。結合回路297の構成及び動作等は、形態2と同様であり、結合回路297に変えて結合部品を利用してもよい。なお、ガードパターン296は、GND接続されてもよい。
【0105】
(5)電極
基準電極288の大きさは、特に限定しないが、検知電極284よりも小さい。これにより、基板281や満水センサ28f,28gを小型化できる。
基準電極288を検知電極284よりも小さくした場合の静電容量の減少は、例えば、補正用のコンデンサを追加したり、予め実験で求めておいた補正値(加算する電圧)で補正計算したりすることで対応できる。
補正用のコンデンサを利用する場合、以下の方法でコンデンサの静電容量を計算できる。
なお、コンデンサの追加により、検知電極284と、コンデンサが追加された基準電極288との静電容量が同じとなる。
検知電極284の遅延時間:T1
基準電極288の遅延時間:T0
検知電極284の静電容量:C1
基準電極288の静電容量:C0
とする。
一方、遅延時間Tは、抵抗R×静電容量Cで算出される。
このため、
T1-T0=(R×C1)-(R×C0)
となり、
追加するコンデンサの値ΔCは
ΔC=C1-C0=(T1-T0)/R
となる。
【0106】
4.形態4
形態4の満水センサ28hについて説明する。なお、形態1~3と同じ構成については、同じ符号を使用し、その説明を省略する。満水センサ28hは、形態2の満水センサ28c,28d,28eの検知電極284の第1波形284aとコンデンサ287の第2波形287aとの位相を比較して液位を判定するようにしたものである。
(1)概略
満水センサ28hは、図24に示すように、基板281(図7,8参照)と、コンデンサ287と、検知電極284と、コンデンサ287と検知電極284とに並列に接続され且つコンデンサ287と検知電極284とからの出力により液位を判定するセンサ制御部290hとを備える。
ここでのセンサ制御部290hの全部又は一部は、基板281の第2面に設けられているセンサ回路部29hにより構成され、ここでは、全部が構成される。
【0107】
(2)各部
検知電極284は、形態1と同様に、図14の(a)に示すように、満水液位L1に対応するように設けられ、図示省略の抵抗とで遅延回路を構成する。
コンデンサ287は、その静電容量が周辺の温度等によって変動し、図示省略の抵抗とで遅延回路を構成する。コンデンサ287は、基板281の第2面に設けられ、センサ制御部290hに含まれないが、含まれるとしてもよい。なお、ここでは、コンデンサ287は、センサ回路部29hに含まれる。
センサ制御部290hは、検知電極284とコンデンサ287からの出力の差分に基づいて判定する。具体的には、出力の差分は位相差である。
センサ制御部290hは、検知電極284とコンデンサ287に基準波形を出力し、検知電極284から出力される第1波形と、コンデンサ287から出力される第2波形とに基づいて液位を判定する。これにより、回収タンク51の第1の液体を非接触で検知できる。特に、コンデンサ287の第2波形を考慮しているため、形態2と同様に、外部要因による発振周波数の変化による出力波形(電圧)のずれを除去できる。
【0108】
センサ制御部290hは、図24に示すように、矩形状の基準波形(基準信号)を発振し且つ検知電極284とコンデンサ287とに出力する発振回路部291と、検知電極284から出力される第1波形(第1信号)とコンデンサ287から出力される第2波形(第2信号)との位相差を比較する位相比較器298と、位相比較器298から出力された比較波形(比較信号)を積分する積分器293と、積分された積分波形(積分信号)を判定する判定器294又は差動増幅器295とを備える。
【0109】
発振回路部291は、矩形波(パルス信号)を基準波形(基準信号)として出力する。
検知電極284は、液位変化に応じて、基準波形に対して遅延した第1波形を出力する。
コンデンサ287は、周辺の温度変化等に応じて、基準波形に対して遅延した第2波形を出力する。
【0110】
位相比較器298は、第1波形と第2波形との0ポイントの間隔に対応した波形を出力する。具体的には、第1波形の立ち上がり(0ポイント)によりLレベルからHレベルとなり、第2波形の立ち上がり(0ポイント)によりHレベルからLレベルとなるパルス波形を出力する。位相比較器298は、例えば、RSプリップフロップ回路等を利用できる。
積分器293は、位相比較器298から入力される比較波形を平均化する。つまり、積分器293は、位相比較器298で比較した位相差を直流電圧に変換している。積分器293としては、例えば、ローパスフィルタを利用できる。
判定器294は、積分された積分波形が満水の閾値信号に対して、Hレベルを示すHigh信号又はLレベル示すLow信号の検知信号(2値信号)を本体部1の制御部に出力する。判定器294は、例えば、コンパレータ等を利用できる。
差動増幅器295は、積分波形(電圧値)と満水の閾値を示す波形(閾値電圧)との差分を増幅し、液位レベルに対応した液位信号を出力(アナログ出力)する。差動増幅器295は、例えば、オペアンプ等を利用できる。
なお、本体部1の制御部は、形態2と同様に、満水センサ28dからの満水信号や液位信号により、LED等を点灯させて、満水状態や液位レベルを表示する。
上記の満水センサ28hは、検知電極4とコンデンサ287とを有しているが、位相差の差分により液位を判断しているため、例えば、形態2の満水センサ28c,28d,28eに比べて、回路構成を簡単にできる。
【0111】
(3)ガードパターン
満水センサ28hは、形態2と同様に、基板281の第2面に、センサ回路部29hの周囲を囲む導電性のガードパターン296を備えてもよい。これにより、センサ制御部290hが、外部からのノイズの影響を低減すると共に、満水センサ28hの感度を向上できる。なお、ガードパターン296は、形態2と同様に、GND接続されてもよいし、センサ制御部290h(例えば、発振回路部291)との間に結合回路297や結合部品をセンサ回路部29hに備えてもよい。
(4)満水センサ28hは、コンデンサ287を有していたが、形態3のように、基準電極288を有し、検知電極284の第1波形と基準電極288の第2波形の位相差から液位を判定してもよい。
【0112】
5.形態5
形態2では、図18図20に示すように、検知電極284用の比較器292Aとコンデンサ287用の比較器292Bとの2個の比較器292A,292Bを有し、形態3では、図22図23に示すように、検知電極284用の比較器292Aと、基準電極288用の比較器292Bとの2個の比較器292A,292Bを有している。
形態2,3において、コンデンサ287や基準電極288の第2波形を、図24に示すように、1つの比較器(298)に出力するようにしてもよい。
逆に、形態4において、コンデンサ287に対して、位相比較器298Bや積分器293Bを設け、形態2,3のようにしてもよい。
【0113】
6.満水センサの個数や配置
(1)個数
満水センサ28,28a~28h(以下、「満水センサ28等」とする)は、図25(a)に示すように、回収タンク51の側壁部(例えば、510j)に対向する状態であって水平方向に離れて2個以上本体部1に設けられている。これにより、タンク部5側に満水センサ28等を設けないため、満水センサ28の配線等がタンク部5の着脱の妨げになり難い。
本体部1の制御部は、2個以上のうち、少なくとも1個の満水センサ28等からの満水信号や液位信号が、回収タンク51が満水であることを示す信号である場合に、第1の液体の吸引動作を停止する。これにより、清掃装置Xが傾斜した状態でも満水を検知できる。なお、水平方向は、前後方向、左右方向、これらの方向と交差する方向を含む。
ここでは、清掃装置Xは、上方から見ると矩形状をし、その長手方向に沿って、車輪251とキャスタ253とを離れて備えているため、短手方向に傾斜しやすい。このため、2個の満水センサ28等が短手方向に離れて設けられている。
【0114】
本例では、2個の満水センサ28等が、回収タンク51の1つの側壁部分510jに対向する状態で設けられているが、対向する2つの側壁部分であって上方から見たときに対角線上に位置するように設けられてもよい。この場合、平面視が矩形状の清掃装置においても、長手方向と短手方向の両方向に傾斜しても満水を検知できる。
さらに、液位をアナログ的に出力する複数の満水センサ28等を設け、これらの液位の平均値が閾値を超えた場合に第1の液体の吸引動作を停止するようにしてもよい。
【0115】
(2)配置
満水センサ28等は、図25(a)に示すように、回収タンク51の側壁部(例えば、510j)に対向する状態で本体部1に設けられてもよいし、図26に示すように、回収タンク1051の上面、例えば、蓋部1007と対向する状態で本体部1001に設けられてもよい。
この場合も、タンク部1005側に満水センサ28等を設けないため、満水センサ28の配線等がタンク部1005の着脱の妨げになり難い。
【0116】
7.構造
形態1~4の満水センサ28等は、基板281と、検知電極284と、センサ制御部290等を備えているが、検知電極284は静電容量を検知することから、検知電極284や基準電極288を基板281の第1面に備える静電センサとしてもよい。この場合も、基板281の第2面にセンサ制御部290等を構成する回路や電子部品の全部又は一部が実装されてもよい。また、満水センサ28等は、上記の静電センサを備えるとしてもよいし、静電センサであるとしてもよい。
【0117】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても実施形態に関連する発明に含まれる。
【0118】
<変形例>
1.清掃装置
清掃装置Xは、本体部1とタンク部5とを着脱可能に備えていたが、着脱不可能に備えてもよい。清掃装置Xは、タンク部5に着脱可能に蓋部7を備えていたが、蓋部7をタンク部5に開閉可能に備えてもよい。
【0119】
2.本体部
(1)バッテリユニット23を備えているが、バッテリを備えず、商用電源に接続可能な電気コードを備えてもよいし、バッテリユニット23(バッテリ)に加えて電気コードを備えてもよい。
バッテリは、充放電可能な二次電池であってもよいし、充電不可能な一次電池であってもよい。なお、バッテリユニット23の筐体10への挿入及び収容(保持)構造は特に限定するものでなく、例えば、上方、側方又は下方から、バッテリユニット23を挿入して収容(保持)する構造であってもよい。
(2)回路ユニット24は、制御部と電源部とを1つとして構成されていたが、別々に構成してもよい。
(3)移動手段25を備えるが、移動手段を備えなくてもよい。いうまでもなく、移動手段を備える方が、清掃装置Xの移動を容易とする。
移動手段25は、一対の車輪251と一対のキャスタ253とを備えていたが、一対の車輪251と1個のキャスタ253であってもよいし、3個以上のキャスタであってもよい。キャスタ253は、ボール(球体)タイプであってもよいし、車輪タイプであってもよい。
(4)第1固定具54としてバックルタイプを利用したが、他のタイプであってよい。他のタイプとしては、係合タイプ、ベルトタイプ、ねじタイプ等がある。
(5)本体部1は、ベース101と本体カバー103とを上下に別部材として備えていたが、例えば、前後(本体カバー103の平坦部131と箱部132との間)に別部材としてもよいし、左右に別部材としてもよい。また、部材数は3個以上であってもよい。
(6)本体部1は、車輪251用の凹入部(欠け部分111aと支持壁部113とを利用している)を有していたが、車輪251を筐体10から左右方向に張り出すように備えてもよい。
(7)ベース101は、横延伸部分113dを平板部分113aと一体で(連続して)有していたが、離間してもよく、例えば、平坦部111から上方に延伸する縦リブにより構成してもよい。
(8)ベース101は、送風ユニット21を支持する送風ユニット支持部115を平坦部111に有していたが、送風ユニット支持部115を送風ユニット21側に設けてもよい。本体部1はベース101の底部である平坦部111に排気口1aを有していたが、側部に排気口1aを有してもよいし、空間部139を利用して側部や後部に排気口1aを設けてもよい。
(9)本体カバー103は、前後方向に第1突部134と第2突部135とを有し、その間にチューブ接続部136を有しているが、これらの前後方向の順序は特に限定するものではない。但し、供給タンク52が回収タンク51の前後方向の中間部に配されることに構成上の特徴を有する場合は、当該供給タンク52の位置にチューブ接続部136を合わせる必要がある。
(10)本体カバー103は、第1突部134を箱部132と接続する状態で有していたが、第1突部134を箱部132から離れて有してもよい。第1突部134と第2突部135の形状は、異なってもよいし、同じであってもよいし、大きさは同じであってもよいし、異なってもよい。但し、形状又は大きさが異なる方が、タンク部5の前後を間違えて本体部1に装着するのを規制できるという効果が得られる。
(11)本体カバー103は、第1突部134、第2突部135、チューブ接続部136を平坦部131の中心上に有していたが、左右方向の重量バランスを考慮する必要がない場合は、中心上でなくてもよく、また、一直線上になくてもよい。
(12)本体カバー103のチューブ接続部136は、供給タンク52の供給口560aに合わせた凹入部分136aを有していたが、口本体560と嵌合できればよく、凹凸関係は実施形態と反対でもよい。
(13)開閉カバー105は、左右方向に延伸する回動軸の周りを回動可能に、ベース101に支持されていたが、例えば、本体カバー103により支持されてもよい。
回動軸は、左右方向に延伸しているが、例えば、上下方向に延伸してもよい。開閉カバー105は、下部が支持された上開きであったが、例えば、上部が支持された下開きであってもよいし、左部が支持された右開きであってもいし、右部が支持された左開きであってもよい。なお、開閉カバー105の軸部153と、ベース101の貫通孔114aの回動機能の凹凸関係は、逆であってもよい。
開閉カバー105は、回動可能に支持されているが、例えば、上下又は左右にスライド可能に支持されてもよい。
(14)電動送風機213は、回転軸が上下方向に延伸する状態で配されているが、上下方向に対して傾斜してもよいし、前後方向に延伸してもよい。但し、左右方向の重量バランスに着目する場合、上方から見たときに、電動送風機213の重心が左右方向の中央に位置することが好ましい。なお、送風ユニット21は、ノズル部3から空気等を吸引する吸引ユニットとしてもよい。
(15)フレーム27の連結部272は、一対の対向部271の後端を連結しているが、前端、上端の少なくとも1つを連結してもよい。バッテリユニット23用の挿入口10aが本体部1の上部側にある場合は、連結部272は、一対の対向部271の下部側を連結してもよい。この場合、バッテリユニット23は、一対の対向部271の上側から挿入され、一対の対向部271の間の空間(実施形態の空間部139に相当する)を下方に移動させて、下部側で装着(固定)されてもよい。
(16)回路ユニット24は、バッテリユニット23の左右の一方に配されているが、例えば、バッテリユニット23の上方、前方、後方の少なくとも1つに配されてもよい。
回路ユニット24は、制御部と電源部とを1枚の回路基板242に有していたが、制御部と電源部とを別々に構成し、一対の対向部271のそれぞれに固定してもよい。これにより、各種プログラムに対応した制御部を構成できる。
(17)バッテリユニット23は、着脱可能とされていたが、着脱不可能に装着してもよい。バッテリユニット23は、一対の対向部271間を移動可能に構成されていたが、装着時のバッテリユニット23の下方側の空間に着目しない場合は、移動可能としなくてもよい。
(18)制御部は、回収タンク51の満水を検知する満水センサ28から満水信号や液位信号により満水であることを示す信号の入力があると、電動送風機213やポンプ221を駆動しないようにしているが、さらに、回収タンク51の満水を報知するようにしてもよい。報知としては、ブザー等の音を発したり、赤色、黄色、青色等の光を発したりする報知手段(例えばスピーカやLEDである)を設けることで実施できる。
また、制御部は、満水信号が未満水である場合にのみ、電動送風機213やポンプ221を駆動するようにしてもよい。
(19)制御部は、開閉カバー105の開閉状態を検知する開閉センサ285から開信号の入力があると又は閉信号の入力がないと、電動送風機213やポンプ221を駆動しないようにしているが、さらに、開閉カバー105の開状態を報知するようにしてもよい。報知としては、ブザー等の音を発したり、赤色、黄色、青色等の光を発したりする報知手段(例えばスピーカやLEDである)を設けることで実施できる。
(20)制御部は、エコモード運転において、専用のスイッチを設けて当該スイッチからの信号のみで、電動送風機213の駆動又は停止を判断してもよい。
(21)エコモードでは、操作部3eの開始操作があると、ポンプ221と電動送風機213とを駆動しているが、例えば、給水レバー334の操作により、ポンプ221を駆動し、電動送風機213の駆動を停止さするようにしてもよい。
【0120】
3.タンク部
(1)タンク部5は、回収タンク51内に供給タンク52を備えていたが、タンク構造に着目しない場合、回収タンク51と供給タンク52とを前後方向、左右方向、上下方向又はこれらと交差する方向に並べて備えてもよい。
タンク部5は、回収タンク51と供給タンク52とを一体(一体成形品)で備えていたが、回収タンク51と供給タンク52とを別体で備えてもよい。この場合、供給タンク52を回収タンク51内に配する構造に着目しない場合、供給タンク52を回収タンク51の内部又は外部に設けてもよい。
(2)フィルタ53用の装着部511は、一対のリブ間の溝部分より構成されていたが、回収タンク本体部510の左右壁部分510fや欠け用左右壁部分510eに形成され且つ厚み方向に凹入する溝により構成されてもよい。溝部分は、1つ形成されてもよいし、上下方向に間隔をおいて複数形成されてもよい。
(3)供給タンク52の前後方向の寸法L1は、回収タンク51の前タンク部51Aの前後方向の寸法L2と、供給タンク52の後タンク部51Bの前後方向の寸法L3と略同じであったが、同じでなくてもよい。
(4)供給タンク52は、上方から見ると、左右方向に長い矩形状をしているが、左右方向に短い矩形状であってもよいし、方形状、左右方向又は前後方向に長い楕円形状や長円形状、円形状、正多角形状であっってもよい。
(5)回収タンク51は、周壁部の一部又は全部が透明又は半透明に構成されていたが、内部の液量を目視する点に着目しない場合、全部を不透明に構成してもよい。
(6)タンク部5と本体部1との位置決め用の嵌合機構の凹凸関係は逆であってもよいし、上下に延伸する嵌合溝であってもよい。
(7)タンク部5が本体部1の本体カバー103の周壁部133に嵌合し且つ第2固定具26で固定される場合、底部分の凸出部分510gはなくてもよい。但し、凸出部分510g(嵌合機構)がある方が、第2固定具26で固定されていない場合に、装置本体が転倒しても、タンク部5が外れ難くできる。
(8)第1固定具54はタンク部5に、第2固定具26は本体部1にそれぞれ設けられているが、第1固定具54を蓋部7に設けてもよいし、第2固定具26をタンク部5に設けてもよい。
【0121】
4.蓋部
(1)蓋部7は、ハンドル72を蓋本体71と別体で構成し、ねじ729で固定しているが、蓋本体71とハンドル72とを一体(一体成形品)で構成してもよい。
(2)ハンドル72の前後方向に延びる中心軸と、本体部1及びタンク部5の前後方向に延びる中心線とが、上方から見たときに一致するように、設けられているが、左右方向の重量バランスに着目しない場合、これらの中心線は上方から見て一致しなくてもよいし、ハンドル72とタンク部5との中心線が交差してもよい。
(3)蓋部7は、供給タンク52に第2の液体を注入可能とする注入口751を有しているが、第2の液体の注入(補給)時の利便性に着目しない場合、注入口751を有しなくてもよい。
(4)フィルタユニット73は、蓋本体71に着脱可能に保持されているが、回収タンク51内の第1の液体の廃棄時の利便性に着目しない場合、タンク部5に着脱可能に設けてもよい。この場合も、送風ユニット21の開閉弁212がフィルタユニット73よりも上側に位置することが塵埃吸入防止の観点から好ましい。
(5)カバー体74は、蓋本体71と別体で構成し、ねじ749で固定しているが、タンク部5の清掃時の利便性に着目しない場合、タンク部5に着脱可能に設けてもよい。
(6)蓋本体は、回収タンク51と供給タンク52との覆う1部材により構成されているが、例えば、回収タンク51を覆う回収蓋体と、供給タンク52を覆う供給蓋体とを別体で備え、供給蓋体が回収蓋体に着脱可能又は開閉可能に設けられてもよい。
【0122】
5.ノズル部
(1)ヘッド31の吸引口3aは、上下方向に短く、左右方向に長い偏平な矩形状をしていたが、方形状、方形状に近い矩形状、長円状、楕円状、円状であってよい。
(2)吐出口3bは、吸引口3aから離れた位置に設けられているが、吸引口3aに隣接して設けられてもよい。
(3)ベース32と第1カバー34と第2カバー36とで、断面形状が円状のハンドル部3cを構成していたが、断面形状が他の形状であってもよいし、湾曲状のハンドル部であってもよいし、ガンタイプのハンドル部であってもよい。
(4)吐出ユニット33は、開閉弁331と給水レバー334とを備えていたが、開閉弁331は本体部1に備えてもよい。この場合、給水レバー334の操作が検知機構により検知されると、電磁開閉弁が動作するように構成することで実施できる。つまり、給水レバー334の操作により第2の液体を吐出できればよく、開閉弁は、ノズル部3にあってもよいし、本体部1にあってもよい。
(5)吐出ユニット33は開閉弁331を備えなくてもよい。この場合、給水レバー334の操作により、本体部1のポンプユニット22が駆動するように構成することで実施できる。この場合、エコモードにおいて、給水操作部3dの使用者の操作を、ポンプの221の駆動により判断することも可能である。
(6)吐出ユニット33は、給水レバー334の操作により可動部331aが移動するように構成されているが、給水レバー334を電気的なスイッチとし、当該スイッチ操作により、給水系と33aを電磁弁が開閉するようにしてもよい。この場合、スイッチを操作ユニット35に設けてもよい。
(7)吐出ユニット33及び操作ユニット35は、ベース32の前後に配されているが、前後逆であってもよいし、ベース32の左右に配されてもよいし、ベース32の上下に配されてもよい。
(8)レバー位置検知部のセンサ(磁界センサ)337は、第2凹入部322に配されているが、第1凹入部321に配されてもよい。この場合、第1凹入部321の底面に設けるのが好ましい。磁界センサ337は、操作ユニット35の操作基板351に実装されているが、別の基板に実装されてもよい。
(9)レバー位置検知部は、運転モードにエコモードが設定されていない場合は、備えなくてもよい。
(10)吐出用の上流チューブ332と配線用のチューブ357とをホース81内に配されているが、一方又は両方をホース81外に配してもよい。
(11)第2の液体は、吐出口3bから吐出(散水)されればよく、例えば、霧吹き状、ストレート状をしてもよいし、これらを切り替え可能としてもよい。
【0123】
6.満水センサ
(1)発振回路部291は、矩形波を基準波形(第1波形)として出力しているが、位相比較器298が、位相差を比較する場合、例えば、三角波、sin波、のこぎり波の基準波形を出力してもよい。
(2)センサ制御部は、形態1~4では出力波形の差分を電圧に変換しているが、電流に変換して、判断するようにしてもよい。
(3)形態2では、発振回路部291はコンデンサ287に出力しているが、他の回路や電子部品に出力するようにしてもよい。但し、他の回路や電子部品は、発振回路部291の個体差や周辺の温度等によって基準波形に対して出力波形が遅延するようなものが好ましい。
(4)形態4では、検知電極284とコンデンサ287とを備え、両出力の位相差を比較しているが、検知電極284と基準電極288とを備え、両出力の位相差を比較するようにしてもよい。つまり、センサ制御部は、検知電極284及び基準電極288に基準波形(矩形波)を出力すると共に、検知電極284から出力される第1波形と基準電極288から出力される第2波形との2つの波形の位相の差分から液位を判定してもよい。この場合、2値のデジタル判定を行う判定器であってもよいし、アナログ判定を行う増幅器であってもよい。
(5)満水センサ28等は、検知電極284とセンサ制御部290(センサ回路部29)等とを備え、満水信号として満水(High)又未満水(Low)の2値を、もしくは、液位信号として液位レベル(アナログ値)を本体部1の制御部に出力しているが、センサ制御部の一部を又は全部を本体部1の制御部に設けてもよい。
(6)満水センサ28等は、清掃装置Xの回収タンク51の満水を検知する液位検知装置や液位検知センサであったが、清掃装置以外で、タンクを本体部に備える装置であってタンクの液位を検知する必要性のある他の装置についても適用できる。他の装置としては、加湿器、除湿器、洗濯機等がある。
(7)満水センサ28等は、回収タンク51の満水を検知することを目的としていたが、加湿器等の場合、タンク内の渇水を検知するようにしてもよい。この場合、当該センサは、液位検知装置であり、渇水センサでもある。
(8)満水センサ28は、水等の第1の液体の液位を検知しているが、水以外の粘度の液体でも検知可能である。
(9)形態3の基準電極288は、第1の液体の液位によって静電容量が変化しない部位に設けられているが、静電容量が変化する部位に設け、当該電極部分を被覆部材(例えば金属板を含んだシート部材等)により被覆してもよい。
(10)形態3の基準電極288は、検知電極284が設けられている基板281に設けられているが、他の基板に設けられてもよい。この場合も、基準電極288と検知電極284の材料(材質)、厚み等は同じであるのが好ましい。なお、材料、厚み等が異なっても、補正用コンデンサを追加したり、印加電圧を補正したりすることで対応できる。
形態3の基準電極288は、検知電極284よりも小さく構成されているが、同じ大きさであってもよいし、検知電極284よりも大きくてもよい。大きい場合は、検知電極側に補正用のコンデンサを追加したり、加算電圧を補正したりすることで対応できる。
(11)ガードパターン296は、発振回路部291と接続し、検知電極284への出力と同じ矩形波が入力されるが、別の発振回路部からの矩形波が入力されてもよいし、三角波、sin波、のこぎり波等の矩形波以外の波形が入力されてもよい。
(12)満水センサ29は、満水又は未満水を示す満水信号を出力しているが、ICをセンサ回路部に有する場合、満水か未満水かを判定して、満水の場合のみ信号を出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0124】
X 清掃装置
1 本体部
3 ノズル部
5 タンク部
7 蓋部
28 満水センサ
29 センサ回路(回路)
51 回収タンク
290 センサ制御部(制御部)
291 発振回路部
292 比較器
293 積分器
294 判定器
295 増幅器
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