(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136317
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】トレイ搬送システム
(51)【国際特許分類】
A47G 23/08 20060101AFI20240927BHJP
B65G 47/52 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
B65G47/52 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047401
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】511305106
【氏名又は名称】アイカム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(72)【発明者】
【氏名】田中 正明
【テーマコード(参考)】
3B115
3F044
【Fターム(参考)】
3B115CB07
3B115CB11
3B115DB17
3F044AA01
3F044AB16
3F044CD01
(57)【要約】
【課題】 飲食物が載せられたトレイを客席に提供する処理と、使用済みのトレイを客席から回収する処理とをスムーズに行う。
【解決手段】 トレイ搬送システム(1)は、提供搬送路(ОP)と、回収搬送路(CP)と、トレイ降下ユニット(50)とを有する。提供搬送路(ОP)は、飲食物が載せられたトレイ(TR)を客席(T)に搬送する。回収搬送路(CP)は、提供搬送路(OP)に沿って提供搬送路(OP)の下方に配置されており、使用済みのトレイ(TR)を搬送する。トレイ降下ユニット(50)は、提供搬送路(OP)及び回収搬送路(CP)のそれぞれの一端に配置されており、提供搬送路(OP)からトレイ(TR)を受け取る受取位置と、回収搬送路(CP)にトレイ(TR)を送り出す送出位置との間で動作する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物が載せられたトレイを客席に搬送する提供搬送路と、
前記提供搬送路に沿って前記提供搬送路の下方に配置されており、使用済みのトレイを搬送する回収搬送路と、
前記提供搬送路及び前記回収搬送路のそれぞれの一端に配置されており、前記提供搬送路からトレイを受け取る受取位置と、前記回収搬送路にトレイを送り出す送出位置との間で動作するトレイ降下ユニットと、
を有することを特徴とするトレイ搬送システム。
【請求項2】
前記トレイ降下ユニットは、
トレイと接触するローラと、前記ローラを回転させる駆動機構とを含む搬送ユニットと、
前記搬送ユニットを前記受取位置及び前記送出位置の間で移動させる昇降機構と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のトレイ搬送システム。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記搬送ユニットが前記受取位置にあるときと、前記搬送ユニットが前記送出位置にあるときとで、前記ローラの回転方向を変更することを特徴とする請求項2に記載のトレイ搬送システム。
【請求項4】
前記昇降機構は、前記搬送ユニットに移動したトレイに物が載せられていないとき、前記搬送ユニットを前記受取位置から前記送出位置に移動させることを特徴とする請求項2に記載のトレイ搬送システム。
【請求項5】
前記トレイ降下ユニットに対して前記提供搬送路の側とは反対側に配置された払出テーブルを有しており、
前記駆動機構は、前記搬送ユニットに移動したトレイに物が載せられているとき、前記ローラを回転させてトレイを前記払出テーブルに移動させることを特徴とする請求項2に記載のトレイ搬送システム。
【請求項6】
前記回収搬送路からトレイを受け取る受取位置と、前記提供搬送路にトレイを送り出す送出位置との間で動作するトレイ上昇ユニットと、
前記回収搬送路から前記トレイ上昇ユニットへのトレイの移動を阻止する位置と、前記回収搬送路から前記トレイ上昇ユニットへのトレイの移動を許容する位置との間で動作するストッパユニットと、
を有することを特徴とする請求項1に記載のトレイ搬送システム。
【請求項7】
前記トレイ上昇ユニットが前記送出位置にあるとき、前記トレイ上昇ユニット上のトレイを前記提供搬送路に向けて押し出すトレイ押出ユニットを有することを特徴とする請求項6に記載のトレイ搬送システム。
【請求項8】
前記トレイ押出ユニットによって押出されたトレイを支持する情報書込みユニットを有しており、
前記情報書込みユニットは、
支持するトレイに載せられた容器に内蔵されたメモリに所定情報を書き込む情報書込み本体と、
前記提供搬送路よりも上方の位置でトレイを支持する上昇位置と、前記提供搬送路にトレイを接触させる下降位置との間で前記情報書込み本体を昇降させる昇降機構と、
を有することを特徴とする請求項7に記載のトレイ搬送システム。
【請求項9】
前記情報書込み本体は、前記上昇位置にあるとき、前記メモリに対して所定情報を書き込み、
前記昇降機構は、前記メモリに対する所定情報の書き込みが終了した後、前記情報書込み本体を前記上昇位置から前記下降位置に移動させることを特徴とする請求項8に記載のトレイ搬送システム。
【請求項10】
前記回収搬送路には、使用済みのトレイを洗浄する洗浄機が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトレイ搬送システム。
【請求項11】
前記回収搬送路の少なくとも一部に沿って前記回収搬送路の下方に配置されており、使用済みの容器を収容するボックスを搬送する下げ膳搬送機構を有することを特徴とする請求項1に記載のトレイ搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物が載せられたトレイを客席まで搬送したり、使用済みのトレイを客席から回収したりするトレイ搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、飲食物が盛り付けられた食器を載せた食器トレイがストッカからベルトコンベアに乗り移り、ベルトコンベアを介して食器トレイが客席に届けられる。ストッカは、複数の食器トレイを上下方向に並べた状態でストックする機能を有しており、一対の昇降ベルトと、各昇降ベルトに設けられ、複数の食器トレイを支持する複数の爪とを備えている。昇降ベルトを移動させることにより、ストッカにストックされた各食器トレイをベルトコンベアに移動させることができる。
【0003】
一方、使用済みの食器が載せられた食器トレイは、ベルトコンベアに戻すことができ、ベルトコンベアを介してストッカに搬送される。ストッカは、上述した複数の爪を用いることにより、使用済みの食器が載せられた複数の食器トレイを上下方向に並べた状態でストックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、飲食物が盛り付けられた食器を載せた食器トレイをストッカから客席に搬送(提供)する場合と、使用済みの食器が載せられた食器トレイを客席からストッカに搬送(回収)する場合とで、同一のベルトコンベアを用いている。このような構造では、食器トレイを客席に提供する処理と、食器トレイを客席から回収する処理のうち、一方の処理を行うときには、他方の処理を行いにくくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明であるトレイ搬送システムは、提供搬送路と、回収搬送路と、トレイ降下ユニットとを有する。提供搬送路は、飲食物が載せられたトレイを客席に搬送する。回収搬送路は、提供搬送路に沿って提供搬送路の下方に配置されており、使用済みのトレイを搬送する。トレイ降下ユニットは、提供搬送路及び回収搬送路のそれぞれの一端に配置されており、提供搬送路からトレイを受け取る受取位置と、回収搬送路にトレイを送り出す送出位置との間で動作する。
【0007】
トレイ降下ユニットは、搬送ユニット及び昇降機構で構成することができる。搬送ユニットは、トレイと接触するローラと、ローラを回転させる駆動機構とを含む。昇降機構は、搬送ユニットを受取位置及び送出位置の間で移動させる。駆動機構は、搬送ユニットが受取位置にあるときと、搬送ユニットが送出位置にあるときとで、ローラの回転方向を変更することができる。
【0008】
トレイ降下ユニットの昇降機構は、搬送ユニットに移動したトレイに物が載せられていないとき、搬送ユニットを受取位置から送出位置に移動させることができる。トレイ降下ユニットに対して提供搬送路の側とは反対側に、払出テーブルを配置することができる。ここで、駆動機構は、搬送ユニットに移動したトレイに物が載せられているとき、ローラを回転させてトレイを払出テーブルに移動させることができる。
【0009】
トレイ搬送システムには、トレイ上昇ユニット及びストッパユニットを設けることができる。トレイ上昇ユニットは、回収搬送路からトレイを受け取る受取位置と、提供搬送路にトレイを送り出す送出位置との間で動作する。ストッパユニットは、回収搬送路からトレイ上昇ユニットへのトレイの移動を阻止する位置と、回収搬送路からトレイ上昇ユニットへのトレイの移動を許容する位置との間で動作する。
【0010】
トレイ搬送システムにはトレイ押出ユニットを設けることができる。トレイ押出ユニットは、トレイ上昇ユニットが送出位置にあるとき、トレイ上昇ユニット上のトレイを提供搬送路に向けて押し出す。
【0011】
トレイ搬送システムには、トレイ押出ユニットによって押出されたトレイを支持する情報書込みユニットを設けることができる。ここで、情報書込みユニットは、情報書込み本体及び昇降機構によって構成することができる。情報書込み本体は、支持するトレイに載せられた容器に内蔵されたメモリに所定情報を書き込む。昇降機構は、提供搬送路よりも上方の位置でトレイを支持する上昇位置と、提供搬送路にトレイを接触させる下降位置との間で情報書込み本体を昇降させる。
【0012】
情報書込み本体は、上昇位置にあるとき、メモリに対して所定情報を書き込むことができる。そして、昇降機構は、メモリに対する所定情報の書き込みが終了した後、情報書込み本体を上昇位置から下降位置に移動させることができる。
【0013】
トレイ搬送システムには、回収搬送路において、使用済みのトレイを洗浄する洗浄機を設けることができる。また、トレイ搬送システムに下げ膳搬送機構を設けることができる。下げ膳搬送機構は、回収搬送路の少なくとも一部に沿って回収搬送路の下方に配置されており、使用済みの容器を収容するボックスを搬送する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、提供搬送路を用いて、飲食物が載せられたトレイを客席まで搬送することができるとともに、回収搬送路を用いて、使用済みのトレイを客席から回収することができる。ここで、トレイ降下ユニットによって提供搬送路から回収搬送路にトレイを移動させることができる。提供搬送路及び回収搬送路は独立して設けられているため、客席へのトレイの提供と客席からのトレイの回収とをスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】トレイ搬送システムにおいて、トレイの提供搬送路を説明する図である。
【
図2】トレイ搬送システムにおいて、トレイの回収搬送路を説明する図である。
【
図3】トレイ降下ユニットが提供搬送路からトレイを受け取る受取位置にあるときの状態を示す概略図である。
【
図4】トレイ降下ユニットがトレイを回収搬送路に送り出す送出位置にあるときの状態を示す概略図である。
【
図5】提供搬送路及び回収搬送路のそれぞれの主搬送路に配置された構成を示す概略図である。
【
図6】洗浄機におけるストッパユニットの動作を示す図である。
【
図7】洗浄機におけるストッパユニットの動作を示す図である。
【
図8】トレイ上昇ユニットが回収搬送路からトレイを受け取る受取位置にあるときの状態を示す図である。
【
図9】トレイ上昇ユニットが提供搬送路にトレイを送り出す送出位置にあるときの状態を示す図である。
【
図10】トレイ押出ユニットによってトレイが押し出される前の状態を示す図である。
【
図11】トレイ押出ユニットによってトレイが押し出された状態を示す図である。
【
図12】情報書込みユニットがトレイをベルトコンベアよりも上方の位置で支持する状態を示す図である。
【
図13】情報書込みユニットがトレイをベルトコンベアに載せた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(トレイ搬送システム1)
本実施形態であるトレイ搬送システムは、飲食物が載せられたトレイを客席まで搬送するとともに、使用済みのトレイを客席から回収するものである。ここで、トレイには、飲食物が盛り付けられた容器が載せられる。
【0017】
トレイ搬送システムの概要について、
図1及び
図2を用いて説明する。ここで、
図1は、トレイ搬送システム1において、飲食物を客席に提供するために飲食物が載せられたトレイを搬送する搬送路(以下、「提供搬送路」という)OPを説明する図である。
図2は、トレイ搬送システム1において、使用済みのトレイを客席から回収するためにトレイを搬送する搬送路(以下、「回収搬送路」という)CPを説明する図である。
【0018】
図1において、飲食物を載せるトレイはトレイ載置部10に設置されており、調理人は、注文を受けた飲食物が盛り付けられた容器をトレイ載置部10に設置されたトレイに載せる。トレイに載せられる容器には、RF(Radio Frequency)タグなどのメモリが埋め込まれており、この容器が載せられたトレイが情報書込みユニット20に移動したとき、容器のメモリに対して、飲食物の提供先(すなわち、客席)に関する情報が書き込まれる。例えば、調理人が入力パネル(不図示)を操作して、飲食物の提供先に関する情報を入力することにより、容器のメモリに入力情報が書き込まれる。なお、トレイにメモリを埋め込み、このメモリに対して飲食物の提供先に関する情報を書き込むこともできる。
【0019】
メモリに上記情報が書き込まれた後、トレイは、提供搬送路OPの一部を構成する主搬送路MP1上に配置されたベルトコンベア31によって矢印D1の方向に搬送される。本実施形態において、提供搬送路OPは、主搬送路MP1及び副搬送路SP1で構成されており、主搬送路MP1には副搬送路SP1が接続されている。副搬送路SP1は、主搬送路MP1が延びる方向(
図1の左右方向)とは異なる方向(
図1の上下方向)に延びている。
図1では、1つの副搬送路SP1だけを示しているが、複数の副搬送路SP1を主搬送路MP1に接続することができる。なお、提供搬送路OPは、主搬送路MP1及び副搬送路SP1で構成しなくてもよく、1つの連続した搬送路で構成されていてもよい。
【0020】
副搬送路SP1の両側には、複数のテーブルTと、各テーブルTで使用される座席Cとが配置されている。
図1には、テーブルT及び座席Cの配置の一例を示しているだけであり、テーブルT及び座席Cの配置方法は適宜決めることができる。
【0021】
主搬送路MP1及び副搬送路SP1の接続位置には、トレイの搬送方向を切り替えるための振分けユニット41が配置されている。振分けユニット41は、トレイに載せられた容器のメモリに書き込まれた情報(提供先の情報)に基づいて、トレイの搬送方向を変更する。具体的には、トレイを引き続き主搬送路MP1に沿って搬送する場合には、振分けユニット41は、ベルトコンベア31によるトレイの搬送を許容する。一方、トレイを主搬送路MP1から副搬送路SP1に移動させる場合には、トレイを副搬送路の方向に移動させる。
【0022】
振分けユニット41によって副搬送路SP1の方向に移動したトレイは、副搬送路SP1に沿って配置されたベルトコンベア32に載せられ、ベルトコンベア32によって矢印D2の方向に搬送される。副搬送路SP1には、各テーブルTに相当する位置に振分けユニット42が配置されている。振分けユニット42は、トレイに載せられた容器のメモリに書き込まれた情報(提供先の情報)に基づいて、トレイの搬送方向を変更する。
【0023】
具体的には、トレイを引き続き副搬送路SP1に沿って搬送する場合には、振分けユニット42は、ベルトコンベア32によるトレイの搬送を許容する。一方、トレイをテーブルTに搬送する場合には、振分けユニット42は、トレイをテーブルTの方向に移動させる。
図1に示すテーブルTの配置では、1つの振分けユニット42に対して2つのテーブルT(T1,T2)が配置されているため、振分けユニット42は、トレイに載せられた容器のメモリに書き込まれた情報(提供先の情報)に基づいて、提供先がテーブルT1,T2のいずれであるかを判別した後、該当するテーブルTに向けてトレイを移動させる。この場合において、振分けユニット42には、トレイをテーブルT1に移動させる方向と、トレイをテーブルT2に移動させる方向とを切り替える機構を設ければよい。
【0024】
上述した振分けユニット41,42は、トレイの搬送方向を変更することができる機構を有していればよい。例えば、振分けユニット41,42として、特開2012-61090号公報や特開2015-146886号公報に記載された機構(分岐機構)を採用することができる。
【0025】
各テーブルTに搬送されたトレイは、副搬送路SP1のベルトコンベア32に戻すことができる。例えば、飲食客は、トレイに載せられた飲食物を取り出した後、使用済みのトレイをベルトコンベア32に載せることができる。一方、各テーブルTに対して、使用済みのトレイをベルトコンベア32に戻す機構を設置しておくことができる。この機構を用いれば、自動的にトレイをベルトコンベア32に戻すことができる。
【0026】
副搬送路SP1において、使用済みのトレイを検出する検出センサを設置しておけば、使用済みのトレイがベルトコンベア32に戻されたことを把握することができる。検出センサは、各テーブルTに対応した位置に設置することができる。使用済みのトレイがベルトコンベア32に戻されたとき、ベルトコンベア32の駆動を制御するコントローラは、検出センサからの検出信号を受けてベルトコンベア32を駆動することにより、トレイを矢印D2の方向に移動させる。
【0027】
副搬送路SP1の先端部には、トレイ降下ユニット50が配置されており、ベルトコンベア32によって矢印D2の方向に搬送された使用済みのトレイは、トレイ降下ユニット50に到達する。トレイ降下ユニット50は、トレイを下方に移動させた後、後述する回収搬送路CPにトレイを移動させる。トレイ降下ユニット50の具体的な構造及び動作については後述する。
【0028】
トレイ降下ユニット50に対して、ベルトコンベア32の側とは反対側には、払出テーブルDTが配置されている。払出テーブルDTは、トレイ降下ユニット50をオーバーランしたトレイを受け取ることができる。また、トレイ降下ユニット50は、トレイに物が載せられていることを検出したとき、このトレイを払出テーブルDTに移動させる。
【0029】
図2に示す回収搬送路CPは、
図1に示す提供搬送路OPに沿って提供搬送路OPの下方に配置されており、主搬送路MP2及び副搬送路SP2で構成されている。
図2には、
図1に示すテーブルT及び座席Cの位置も示している。
【0030】
ここで、主搬送路MP2に沿ってベルトコンベア61が配置されており、副搬送路SP2に沿ってベルトコンベア62が配置されている。
図2では、1つの副搬送路SP2だけを示しているが、提供搬送路OPと同様に、複数の副搬送路SP2を主搬送路MP2に接続することができる。ここで、回収搬送路CPの主搬送路MP2は、提供搬送路OPの主搬送路MP1の下方に配置されており、回収搬送路CPの副搬送路SP2は、提供搬送路OPの副搬送路SP1の下方に配置されている。そして、回収搬送路CPの副搬送路SP2は、提供搬送路OPの副搬送路SP1の数だけ配置される。
【0031】
トレイ降下ユニット50がトレイを下方に移動させることにより、トレイは、ベルトコンベア62と同一の高さに位置する。そして、トレイ降下ユニット50がベルトコンベア62に向かってトレイを移動させることにより、トレイは、トレイ降下ユニット50からベルトコンベア62に乗り移り、ベルトコンベア62によって矢印D3の方向に搬送される。ベルトコンベア62に沿って移動したトレイは、ベルトコンベア61に乗り継ぎされた後、ベルトコンベア61によって矢印D4の方向に搬送される。
【0032】
ベルトコンベア62及びベルトコンベア61の接続位置には、乗継ローラ(不図示)とトレイストッパ(不図示)を設けることができる。乗継ローラは、回転動作によって、ベルトコンベア62によって搬送されたトレイをベルトコンベア61に移動させる。乗継ローラを用いることにより、ベルトコンベア62からベルトコンベア61へのトレイの移動をスムーズに行うことができる。
【0033】
トレイストッパは、ベルトコンベア62の上面よりも上方に突出してトレイを停止させる停止位置と、ベルトコンベア62の上面よりも下方に移動してトレイの移動経路から退避する退避位置との間で動作する。トレイストッパを用いることにより、例えば、ベルトコンベア61が動作している間、ベルトコンベア62からベルトコンベア61にトレイを移動させないようにすることができる。また、ベルトコンベア61が動作していないときには、トレイストッパを停止位置から退避位置に移動させることにより、トレイをベルトコンベア62からベルトコンベア62に移動させることができる。
【0034】
回収搬送路CPの主搬送路MP2には洗浄機70が配置されており、ベルトコンベア61に沿って移動したトレイは、洗浄機70に進入して洗浄される。洗浄機70の具体的な構造及び動作については後述する。洗浄機70によって洗浄されたトレイは、ベルトコンベア61によって搬送されてトレイ上昇ユニット80に移動する。
【0035】
トレイ上昇ユニット80は、
図1に示すトレイ載置部10に対応した位置に配置されており、回収搬送路CPの主搬送路MP2からトレイを受け取る受取位置と、提供搬送路OPの主搬送路MP1(
図1参照)にトレイを送り出す送出位置との間で動作する。ここで、送出位置は、受取位置よりも上方に位置しており、トレイ上昇ユニット80が送出位置にあるとき、上述したように、トレイ上昇ユニット80によって支持されたトレイに対して、飲食物を載せることができる。トレイ上昇ユニット80の具体的な構造及び動作については後述する。
【0036】
本実施形態では、洗浄機70を配置しているが、洗浄機70を省略することもできる。この場合には、例えば、トレイ上昇ユニット80が送出位置に移動したとき、トレイ上昇ユニット80によって支持されたトレイを作業者が手作業で洗浄することができる。
【0037】
本実施形態であるトレイ搬送システム1によれば、飲食物が載せられたトレイをトレイ載置部10に載せれば、
図1に示す提供搬送路OPによって注文客のテーブルTまでトレイを搬送することができる。また、テーブルTで飲食物が取り出された使用済みのトレイは、
図1に示す提供搬送路OPの一部や
図2に示す回収搬送路CPによってトレイ載置部10まで自動的に戻すことができる。ここで、トレイをテーブルTに提供するために用いられる提供搬送路OPと、トレイをテーブルTから回収するために用いられる回収搬送路CPとを個別に設けているため、トレイの提供や回収をスムーズに行うことができる。
【0038】
(トレイ降下ユニット50)
トレイ降下ユニット50の構造及び動作について、
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、トレイ降下ユニット50がベルトコンベア32(提供搬送路OPの副搬送路SP1)からトレイTRを受け取る受取位置にあるときの状態を示す概略図である。
図4は、トレイ降下ユニット50がベルトコンベア62(回収搬送路CPの副搬送路SP2)にトレイTRを送り出す送出位置にあるときの状態を示す概略図である。
図3及び
図4では、トレイ降下ユニット50にトレイTRが載せられた状態を示す。
【0039】
図3及び
図4に示すように、ベルトコンベア32は、ベルト32aと、ベルト32aが掛け渡される複数のローラ32bとを有する。複数のローラ32bには、ベルト32aを移動させる駆動ローラと、ベルト32aの移動に応じて回転する従動ローラとが含まれる。ベルトコンベア62は、ベルト62aと、ベルト62aが掛け渡される複数のローラ62bとを有する。複数のローラ62bには、ベルト62aを移動させる駆動ローラと、ベルト62aの移動に応じて回転する従動ローラとが含まれる。
【0040】
トレイ降下ユニット50は、搬送ユニット51及び昇降機構52を有する。搬送ユニット51は、ベルト51aと、ベルト51aを移動させるモータ51bと、複数のローラ51c,51d,51eとを有する。後述するように、ローラ51cはトレイTRを移動させるために用いられ、ベルト51a、モータ51b及びローラ51eは、ローラ51cを回転させる駆動機構を構成する。
【0041】
モータ51bの出力軸にはベルト51aが係合しており、モータ51bの回転に応じてベルト51aが移動する。ローラ51cは、搬送ユニット51の上面に配置されており、各ローラ51cの軸部にはベルト51aが掛け渡されている。ベルト51aの移動に応じてローラ51cが回転することにより、トレイTRを移動させることができる。
【0042】
ローラ51dは搬送ユニット51の上面に配置されており、ローラ51dにはベルト51aが掛け渡されていない。このため、ローラ51dはトレイTRの移動に応じて回転するだけである。ローラ51dは省略することもできる。ローラ51eは、ベルト51aを移動させるための従動ローラである。
【0043】
昇降機構52は、
図3に示す受取位置と
図4に示す送出位置との間で搬送ユニット51を移動させる。搬送ユニット51が
図3に示す受取位置にあるとき、搬送ユニット51の上面はベルトコンベア32と同一面内に位置しており、ベルトコンベア32からトレイTRを受け取ることができる。搬送ユニット51が
図4に示す送出位置にあるとき、搬送ユニット51の上面はベルトコンベア62と同一面内に位置しており、ベルトコンベア62にトレイTRを送り出すことができる。
【0044】
昇降機構52は、搬送ユニット51に接続されたバー52a,52bと、バー52aを上下方向に移動させるモータ52cとを有する。バー52bはガイド部52dを貫通しており、ガイド部52dはバー52bを上下方向に移動させるためのガイドとなる。
図3に示す状態において、モータ52cがバー52aを下方に移動させることにより、搬送ユニット51を下方に移動させることができる。
【0045】
図3は、ベルトコンベア32によってトレイTRが矢印D2の方向に搬送されて搬送ユニット51の上面にトレイTRが移動した状態を示す。ベルトコンベア32から搬送ユニット51の上面にトレイTRを移動させるときには、ベルトコンベア32によって搬送されるトレイTRが搬送ユニット51に近づいたことをセンサ(不図示)によって検出することに応じて、ベルト51aを駆動する。これにより、ローラ51cを回転させて、ベルトコンベア32から搬送ユニット51の上面にトレイTRを乗り継がせることができる。トレイTRの全体が搬送ユニット51の上面に移動したことをセンサ(不図示)によって検出されたとき、ベルト51aの駆動を停止させる。
【0046】
トレイTRをベルトコンベア32から搬送ユニット51に乗り継がせるときや、トレイTRを搬送ユニット51の上面に移動させたとき、トレイTRに物が載せられているか否かを判別することができる。トレイTRに物が載せられているか否かを判別する手段としては、例えば、以下に説明する手段が挙げられる。なお、以下に説明する手段に限られるものではなく、公知の技術を適宜採用することができる。
【0047】
第1の判別手段としては、カメラを用いてトレイTRを撮影し、この撮影画像に基づいてトレイTRに物が載せられているか否かを判別することができる。具体的には、トレイTRに載せられる可能性がある物体のテンプレート画像を用意しておき、撮影画像において、テンプレート画像をマッチングすることにより、トレイTRに物が載せられているか否かを判別することができる。一方、AI(Artificial Intelligence)技術を利用することにより、撮影画像からトレイTRに物が載せられているか否かを判別することもできる。
【0048】
第2の判別手段としては、検出光を照射する発光素子と、検出光を受光する受光素子とを用いて、トレイTRに物が載せられているか否かを判別することができる。ここで、トレイTRに物が載せられていると、発光素子から受光素子に向かう検出光がトレイTR上の物によって遮られて受光素子が検出光を受光しない。一方、トレイTRに物が載せられていなければ、受光素子は発光素子からの検出光を受光することができる。このため、受光素子の出力信号に基づいて、トレイTRに物が載せられているか否かを判別することができる。なお、発光素子及び受光素子は、上述した物の有無を判別できる位置に配置すればよい。
【0049】
トレイTRに物が載せられていると判別した場合には、搬送ユニット51のベルト51aを駆動することにより、トレイTRを
図3に示す矢印D5の方向に移動させることができる。これにより、トレイTRは払出テーブルDTに移動する。物が載せられたトレイTRは、
図2に示す回収搬送路CPに移動させることができないため、払出テーブルDTに退避させることができる。
【0050】
トレイTRに物が載せられていないと判別した場合には、モータ52cを駆動してバー52a,52bを下方に移動させることにより、搬送ユニット51が矢印D6の方向に移動(下降)して
図4に示す状態となる。
図4において、ベルト51aを駆動してトレイTRを矢印D7の方向に移動させることにより、搬送ユニット51の上面からベルトコンベア62にトレイTRを乗り継がせることができる。ここで、ベルト51aを駆動させるタイミングにおいて、ベルトコンベア62を駆動することにより、トレイTRを搬送ユニット51からベルトコンベア62にスムーズに乗り継がせることができる。
【0051】
トレイTRをベルトコンベア32から搬送ユニット51に乗り継がせるとき(
図3)と、トレイTRを搬送ユニット51からベルトコンベア62に乗り継がせるとき(
図4)とで、ベルト51aの移動方向(言い換えれば、ローラ51cの回転方向)は互いに逆方向となる。搬送ユニット51の位置(
図3に示す受取位置や
図4に示す送出位置)に応じて、ベルト51aの移動方向を決定したり、上述したトレイTRに物が載せられているか否かに応じて、ベルト51aの移動方向を決定したりすることができる。
【0052】
(洗浄機70)
洗浄機70の構造及び動作について、
図5~
図7を用いて説明する。
図5は、提供搬送路OP及び回収搬送路CPのそれぞれの主搬送路MP1,MP2に配置される構造を示す概略図である。
図6及び
図7は、洗浄機70に設けられたストッパユニット74の動作を示す図である。
【0053】
洗浄機70には、トレイTRの両端を保持しながら搬送する一対の搬送部材(不図示)が設けられている。各搬送部材はトレイTRの搬送方向に延びており、一対の搬送部材は、トレイTRの搬送方向と直交する方向(
図5の紙面と直交する方向)に並んで配置されている。洗浄機70は、一対のブラシ71と、複数の洗浄ノズル72と、一対の乾燥ノズル73とを有する。
【0054】
一対のブラシ71は、回収搬送路CPの主搬送路MP2に対して上下に配置されている。上方に配置されたブラシ71は、トレイTRの上面に接触しながら回転することにより、トレイTRの上面に付着した汚れを取り除く。下方に配置されたブラシ71は、トレイTRの下面に接触しながら回転することにより、トレイTRの下面に付着した汚れを取り除く。なお、各ブラシ71は、
図5の紙面と直交する方向に延びる回転軸の周りで回転する。
【0055】
複数の洗浄ノズル72は、回収搬送路CPの主搬送路MP2に対して上下に配置されており、トレイTRの上面及び下面のそれぞれに対して洗浄液を噴射する。なお、洗浄ノズル72の総数や、各洗浄ノズル72を配置する位置は、適宜決めることができる。一対の乾燥ノズル73は、回収搬送路CPの主搬送路MP2に対して上下に配置されており、トレイTRの上面及び下面のそれぞれに対して空気を噴射してトレイTRに付着した液体等を取り除く。なお、乾燥ノズル73の総数や、各乾燥ノズル73を配置する位置は、適宜決めることができる。
【0056】
洗浄機70の上流側には、トレイTRの洗浄タイミングを決定するストッパユニット74が設けられている。ストッパユニット74は、ベルトコンベア61上でトレイTRを停止させる停止状態(
図6に示す状態)と、洗浄機70内でトレイTRを移動させる退避状態(
図7に示す状態)との間で動作する。ストッパユニット74を停止状態及び退避状態の間で切り替えるタイミングは、洗浄機70によるトレイTRの洗浄動作に応じて適宜決めることができる。
【0057】
図6及び
図7に示すように、ストッパユニット74は、トレイTRの端部と接触するストッパ部材74aと、ストッパ部材74aを駆動する電動シリンダ74bとを有する。ストッパ部材74aは、軸部74a1を中心に回転可能であり、ストッパ部材74aにはリング部74a2が設けられている。電動シリンダ74bはロッド74b1を有しており、ロッド74b1の先端には、リング部74a2と係合するピン74b2が設けられている。
【0058】
図6に示す状態において、電動シリンダ74bがロッド74b1を矢印D8の方向に移動させると、ピン74b2がリング部74a2を移動させることにより、ストッパ部材74aを矢印D9の方向に回転させる。これにより、ストッパユニット74は
図7に示す状態となり、ストッパ部材74aはトレイTRの搬送路から退避し、洗浄機70内において、トレイTRを矢印D10の方向に移動させることができる。
【0059】
一方、
図7に示す状態において、電動シリンダ74bがロッド74b1を矢印D11の方向に移動させると、ピン74b2がリング部74a2を移動させることにより、ストッパ部材74aを
図6に示す矢印D9の方向とは反対方向に回転させる。これにより、ストッパユニット74は
図6に示す状態となり、ストッパ部材74aはトレイTRに接触してベルトコンベア61上でトレイTRを停止させることができる。
【0060】
(トレイ上昇ユニット80)
トレイ上昇ユニット80の構造及び動作について、
図8及び
図9を用いて説明する。
図8は、トレイ上昇ユニット80がベルトコンベア61(回収搬送路CPの主搬送路MP2)からトレイTRを受け取る受取位置にあるときの状態を示す概略図である。
図9は、トレイ上昇ユニット80がベルトコンベア31(提供搬送路OPの主搬送路MP1)にトレイTRを送り出す送出位置にあるときの状態を示す概略図である。
図9に示す送出位置は、
図8に示す受取位置よりも上方に位置する。
【0061】
トレイ上昇ユニット80が受取位置にあるとき、トレイ上昇ユニット80の上面はベルトコンベア61と同一面内に位置しており、ベルトコンベア61から搬送されたトレイTRをトレイ上昇ユニット80の上面に移動させることができる。トレイ上昇ユニット80が送出位置にあるときには、上述したように、トレイ上昇ユニット80によって支持されたトレイTRはトレイ載置部10に位置しており、調理人はトレイTR上に飲食物を載せることができる。
【0062】
トレイ上昇ユニット80は、搬送ユニット81と、搬送ユニット81を上下方向に移動させる電動シリンダ82とを有する。搬送ユニット81は、ベルト81aと、ベルト81aが掛け渡された複数のローラ81bと、ベルト81aを駆動するモータ81cとを有する。モータ81cの出力軸81c1と、1つのローラ81bの回転軸とには、プーリ81dが掛け渡されており、モータ81cの回転力は、プーリ81dを介してローラ81bに伝達され、ベルト81aを移動させることができる。
【0063】
電動シリンダ82はロッド82aを有しており、ロッド82aの先端には、トレイTRを支持するための支持板82bが固定されている。
図8に示す状態において、電動シリンダ82の駆動によってロッド82aを上方に移動させることにより、搬送ユニット81を矢印D12の方向に移動させることができる。これにより、搬送ユニット81は、
図9に示す状態となる。一方、
図9に示す状態において、電動シリンダ82の駆動によってロッド82aを下方に移動させることにより、搬送ユニット81は
図8に示す状態となり、ベルトコンベア61からトレイTRを受け取ることができる。
【0064】
図8に示す状態にあるトレイ上昇ユニット80に対して、回収搬送路CPの主搬送路MP2の上流側には、トレイ上昇ユニット80に対するトレイTRの搬送タイミングを決定するストッパユニット83が設けられている。ストッパユニット83は、ベルトコンベア61上でトレイTRを停止させる停止状態(
図9に示す状態)と、トレイ上昇ユニット80に対してトレイTRを移動させる退避状態(
図8に示す状態)との間で動作する。
【0065】
ストッパユニット83は、トレイTRの端部と接触するストッパ部材83aと、ストッパ部材83aを駆動する電動シリンダ83bとを有する。電動シリンダ83bはロッド83cを有しており、ロッド83cの先端にはストッパ部材83aが固定されている。
【0066】
図8に示す状態において、電動シリンダ83bがロッド83cを上方に移動させると、ストッパ部材83aがトレイTRの搬送路内に進入してトレイTRと接触可能になる。これにより、
図9に示すように、トレイTRをベルトコンベア61上で停止させることができる。一方、
図9に示す状態において、電動シリンダ83bがロッド83cを下方に移動させると、ストッパ部材83aがトレイTRの搬送路から退避してトレイTRの移動を許容させる。これにより、
図8に示すように、ベルトコンベア61からトレイ上昇ユニット80にトレイTRを移動させることができる。
【0067】
図8に示す状態において、トレイTRをベルトコンベア61からトレイ上昇ユニット80に乗り継がせるときには、搬送ユニット81のベルト81aを移動させることができる。これにより、トレイTRの全体を搬送ユニット81の上面に位置させることができる。ここで、トレイTRが搬送ユニット81の上面に位置しているとき、支持板82bによってトレイTRが支持される。
【0068】
トレイ上昇ユニット80には、1つのトレイTRを配置することもできるし、複数のトレイTRを重ねた状態で配置することもできる。複数のトレイTRをトレイ上昇ユニット80上で重ねるときには、搬送ユニット81の上面をベルトコンベア61よりも下方に位置させることができる。これにより、搬送ユニット81の上面にトレイTRを載せた後、このトレイTRの上面に他のトレイTRを載せることができる。
【0069】
(トレイ押出ユニット90)
トレイ上昇ユニット80が送出位置(
図9参照)にあるとき、トレイ押出ユニット90は、トレイ上昇ユニット80上のトレイTRを情報書込みユニット20に向けて押し出す。トレイ押出ユニット90の構造及び動作について、
図10及び
図11を用いて説明する。
図10は、トレイ押出ユニット90によってトレイTRが押し出される前の状態を示す図であり、
図11は、トレイ押出ユニット90によってトレイTRが押し出された状態を示す図である。
図10に示す状態は、
図9に示す状態に対応している。
【0070】
トレイ押出ユニット90は、一対の電動シリンダ91を有している。各電動シリンダ91はロッド92を有しており、ロッド92の先端には押出部材93が設けられている。
図10に示す状態において、トレイTRはトレイ上昇ユニット80によって支持されており、押出部材93はトレイTRから退避した位置にある。トレイ上昇ユニット80によって支持されたトレイTRには、上述したように、飲食客が注文した飲食物を載せることができる。
【0071】
電動シリンダ91を駆動してロッド92を矢印D13の方向に移動させると、押出部材93は、
図11に示すように、トレイTRに接触してトレイTRをローラ94に接触する位置まで押し出す。ローラ94はモータ(不図示)を内蔵しており、このモータからの駆動力を受けて回転する。このため、押出部材93によって
図11に示す位置までトレイTRが押し出された後、ローラ94が回転することにより、トレイTRを後述する情報書込みユニット20まで移動させることができる。
【0072】
トレイTRを情報書込みユニット20に移動させた後、電動シリンダ91がロッド92を矢印D14の方向に移動させることにより、トレイ押出ユニット90は
図11に示す状態から
図10に示す状態に戻る。上述したように、トレイ上昇ユニット80に複数のトレイTRが積み重ねられているときには、トレイ押出ユニット90は、最も上方に位置するトレイTRだけを押し出すことができ、他のトレイTRと分離させることができる。
【0073】
(情報書込みユニット20)
トレイ押出ユニット90と隣り合う位置には、情報書込みユニット20が配置されている。情報書込みユニット20の構造及び動作について、
図12及び
図13を用いて説明する。
図12は、情報書込みユニット20がトレイTRをベルトコンベア31よりも上方の位置で支持する状態を示す図であり、
図13は、情報書込みユニット20がトレイTRをベルトコンベア31に載せた状態を示す図である。
【0074】
情報書込みユニット20は、情報書込み本体21と、情報書込み本体21を上下方向に移動させる電動シリンダ22とを有する。電動シリンダ22はロッド23を有しており、ロッド23の先端に情報書込み本体21が固定されている。トレイ押出ユニット90によって押し出されたトレイTRは、情報書込み本体21の上面に移動する。ベルトコンベア31は、ベルト31aと、ベルト31aが掛け渡された複数のローラ31bとを有する。情報書込み本体21は、ベルト31aと干渉しない位置で上下方向に移動可能であり、ベルト31aの上面よりも上方にトレイTRを位置させる上昇位置と、ベルト31aの上面にトレイTRを接触させる下降位置との間で動作する。
【0075】
トレイTRに載せられた食器には、所定情報が記憶されるメモリが内蔵されており、情報書込み本体21は食器のメモリに対して所定情報を書き込むことができる。例えば、食器にRF(Radio Frequency)タグを内蔵し、情報書込み本体21として、RFタグのメモリに所定情報を書き込むリーダライタを用いることができる。所定情報としては、食器の提供先に関する情報(例えば、テーブルTの番号等)が挙げられる。
【0076】
トレイTRに載せられた食器のメモリに所定情報を書き込むとき、情報書込みユニット20は
図12に示す状態となり、情報書込み本体21によって支持されるトレイTRは、ベルト31aよりも上方に位置している。これにより、ベルトコンベア31の動作に影響を受けることなく、情報書込み本体21は食器のメモリに所定情報を書き込むことができる。
【0077】
食器のメモリに所定情報が書き込まれた後、電動シリンダ22はロッド23を駆動して情報書込み本体21を下方に移動させることにより、
図13に示すように、情報書込み本体21によって支持されたトレイTRをベルト31aに接触させることができる。
図13に示す状態において、ベルトコンベア31を駆動することにより、ベルト31aによってトレイTRを矢印D1の方向に移動させることができる。
【0078】
トレイTRがベルトコンベア31によって搬送された後、電動シリンダ22はロッド23を駆動して情報書込み本体21を上方に移動させる。これにより、情報書込みユニット20は、
図13に示す状態から
図12に示す状態に戻り、トレイ押出ユニット90から押し出されたトレイTRを再び受け取ることができる。
【0079】
(下げ膳搬送機構100)
図5に示すように、回収搬送路CPの主搬送路MP2に沿って配置されたベルトコンベア61の下方には下げ膳搬送機構100が配置されている。ここで、ベルトコンベア61の上方には、提供搬送路OPの主搬送路MP1に沿って配置されたベルトコンベア31が配置されており、下げ膳搬送機構100はトレイ搬送システム1の最も下方に配置されている。
【0080】
下げ膳搬送機構100は、使用済みの食器が収容されたボックスBを搬送するために用いられる。
図1や
図2に示すトレイ搬送システム1において、主搬送路MP1,MP2を構成する外装ケースの側壁には、トレイ搬送システム1の外部から下げ膳搬送機構100にボックスBを投入するための投入口(不図示)が設けられている。店員は、テーブルTにおいて、使用済みの食器をボックスBに収容した後、このボックスBを投入口から下げ膳搬送機構100に投入することができる。
【0081】
下げ膳搬送機構100は、ベルトコンベア110と、ベルトコンベア110を駆動するモータ120とを有する。ベルトコンベア110は、ベルト111と、ベルト111が掛け渡された複数のローラ112とを有する。複数のローラ112には駆動ローラ及び従動ローラが含まれており、
図5には、駆動ローラとしてのローラ112を示している。モータ120の出力軸121と、ローラ112の回転軸とには、プーリ130が掛け渡されており、モータ120の回転力がローラ112に伝達されることにより、ベルト111を移動させることができる。なお、下げ膳搬送機構100は省略することもできる。
【符号の説明】
【0082】
TR:トレイ、T:テーブル、OP:提供搬送路、CP:回収搬送路、
MP1,MP2:主搬送路、SP1,SP2:副搬送路、DT:払出テーブル、
1:トレイ搬送システム、20:情報書込みユニット、21:情報書込み本体、
22:電動シリンダ、23:ロッド、50:トレイ降下ユニット、51c:ローラ、
51:搬送ユニット、52:昇降機構、70:洗浄機、80:トレイ上昇ユニット、
83:ストッパユニット、90:トレイ押出ユニット、100:下げ膳搬送機構