(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136319
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】アースバケット管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
E02D 23/08 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
E02D23/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047403
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510129347
【氏名又は名称】有限会社ソクテック
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】金 美貞
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】松村 将希
(72)【発明者】
【氏名】浦川 洋介
(72)【発明者】
【氏名】山田 一希
(72)【発明者】
【氏名】村上 高志
(57)【要約】
【課題】アースバケットの位置を自動的に管理することが可能なアースバケット管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】アースバケット管理システムは、ニューマチックケーソンの作業室と地上とを繋ぐマテリアルシャフトに設けられるRFIDセンサにより検出される、前記マテリアルシャフトを通過するアースバケットに取り付けられたRFIDタグに関する検出情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された検出情報に基づいて、前記アースバケットの位置が前記作業室内又は前記地上の何れかであることを示す位置情報を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューマチックケーソンの作業室と地上とを繋ぐマテリアルシャフトに設けられるRFIDセンサにより検出される、前記マテリアルシャフトを通過するアースバケットに取り付けられたRFIDタグに関する検出情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された検出情報に基づいて、前記アースバケットの位置が前記作業室内又は前記地上の何れかであることを示す位置情報を算出する算出手段とを備えること
を特徴とするアースバケット管理システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記アースバケットが前記マテリアルシャフトを通過する回数に関する回数情報を含む前記検出情報を取得し、
前記算出手段は、前記取得手段により取得された検出情報に含まれる回数情報に基づいて、前記位置情報を算出すること
を特徴とする請求項1に記載のアースバケット管理システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記アースバケットに設けられた複数の前記RFIDタグから前記検出情報が検出された時間に関する時間情報を含む前記検出情報をそれぞれ取得し、
前記算出手段は、前記取得手段により取得されたそれぞれの検出情報に含まれる時間情報に基づいて、前記アースバケットが前記マテリアルシャフトを通過する方向に関する方向情報を算出し、算出した前記方向情報に基づいて、前記位置情報を算出すること
を特徴とする請求項1に記載のアースバケット管理システム。
【請求項4】
前記取得手段は、前記アースバケットを識別する識別情報が記録された前記RFIDタグから前記識別情報を含む前記検出情報を取得し、
前記算出手段は、前記取得手段により取得された検出情報に含まれる識別情報に基づいて、前記位置情報を算出すること
を特徴とする請求項1に記載のアースバケット管理システム。
【請求項5】
前記算出手段は、前記取得手段により取得された検出情報に含まれる識別情報に基づいて、前記アースバケットの積載の状態に関する積載情報を算出すること
を特徴とする請求項4に記載のアースバケット管理システム。
【請求項6】
前記アースバケットは、内側に複数の前記RFIDタグが取り付けられること
を特徴とする請求項5に記載のアースバケット管理システム。
【請求項7】
前記取得手段は、前記RFIDセンサにより前記アースバケットを識別する識別情報が記録されたRFIDタグから前記識別情報と、前記マテリアルシャフトに設けると共に前記RFIDセンサと異なるセンサにより前記検出情報とを取得し、
前記算出手段は、前記取得手段により取得された識別情報と検出情報とに基づいて、前記アースバケットの積載の状態に関する積載情報を算出すること
を特徴とする請求項1に記載のアースバケット管理システム。
【請求項8】
前記取得手段は、前記アースバケットの質量を示す質量情報を取得し、
前記算出手段は、前記取得手段により取得された質量情報に基づいて、前記アースバケットの積載の状態に関する積載情報を算出すること
を特徴とする請求項1に記載のアースバケット管理システム。
【請求項9】
前記算出手段により算出された位置情報に基づいて、前記アースバケットの排土量を示す排土量情報を演算する演算手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載のアースバケット管理システム。
【請求項10】
ニューマチックケーソンの作業室と地上とを繋ぐマテリアルシャフトに設けられるRFIDセンサにより検出される、前記マテリアルシャフトを通過するアースバケットに取り付けられたRFIDタグに関する検出情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得した検出情報に基づいて、前記アースバケットの位置が前記作業室内又は前記地上の何れかであることを示す位置情報を算出する算出ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とするアースバケット管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーソンの作業室内にあるアースバケットを管理するアースバケット管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁や建物の基礎、シールドトンネルの発進立坑などの地下構造物を構築する工法として、ニューマチックケーソン工法が知られている。ニューマチックケーソン工法は、ケーソンの本体下部に作業室を設け、その中に圧縮空気を送って高気圧状態にし、掘削作業が行なわれている。この高気圧作業室は、高気圧状態であるため、作業員が立ち入ることができる時間が制限されている。このためニューマチックケーソン工法において、水中や高気圧下の工事においては、作業効率の向上や作業環境の安全性の観点から、地上からの遠隔操作によって施工を行なう無人化施工が採用されている。また、近年、建設業では、デジタル技術の活用による安全性や生産性向上を目指す「i-Construction」が政府や大企業を中心に推進されている。これに伴い、ニューマチックケーソン工法においても、ICT技術を活用した全自動化が必要とされている。
【0003】
一方、ニューマチックケーソン工法において、地下に存在するケーソン作業室にて掘削を行った際に発生する掘削土を地上に搬出するアースバケットに積載された掘削土を地上へ搬出する工程がある。この排出操作は、作業員の操作により行われている。このため、バケツ位置や操作タイミングの判断は作業員の経験に基づいて判断される。このことから、経験の浅い作業員が搬出作業を行うことで、アースバケットをマテリアルロックの扉に接触させる等により、設備を破損・故障させる可能性がある。
【0004】
これらのことから、ニューマチックケーソン工法において、アースバケットの排出工程の全自動化が求められている。このアースバケットの排出工程の全自動化の一環として、アースバケットを検出し、自動的に管理することが求められている。このアースバケットを検出する技術として、例えば特許文献1に示す土砂バケット清掃装置の技術が開示されている。
【0005】
特許文献1の開示技術によれば、ニューマチックケーソンの作業室の内部領域にある掘削した土砂を立管及びエアロックを通じて搬出する土砂バケットを検出し、清掃する土砂バケット清掃装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、アースバケットが搬出されることをセンサで検出することしか想定しておらず、アースバケットの位置を管理することを考慮していない。このため、特許文献1の開示技術では、アースバケットの位置を自動的に管理できないという問題点があった。
【0008】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、アースバケットの位置を自動的に管理することが可能なアースバケット管理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係るアースバケット管理システムは、ニューマチックケーソンの作業室と地上とを繋ぐマテリアルシャフトに設けられるRFIDセンサにより検出される、前記マテリアルシャフトを通過するアースバケットに取り付けられたRFIDタグに関する検出情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された検出情報に基づいて、前記アースバケットの位置が前記作業室内又は前記地上の何れかであることを示す位置情報を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係るアースバケット管理システムは、第1発明において、前記取得手段は、前記アースバケットが前記マテリアルシャフトを通過する回数に関する回数情報を含む前記検出情報を取得し、前記算出手段は、前記取得手段により取得された検出情報に含まれる回数情報に基づいて、前記位置情報を算出することを特徴とする。
【0011】
第3発明に係るアースバケット管理システムは、第1発明において、前記取得手段は、前記アースバケットに設けられた複数の前記RFIDタグから前記検出情報が検出された時間に関する時間情報を含む前記検出情報をそれぞれ取得し、前記算出手段は、前記取得手段により取得されたそれぞれの検出情報に含まれる時間情報に基づいて、前記アースバケットが前記マテリアルシャフトを通過する方向に関する方向情報を算出し、算出した前記方向情報に基づいて、前記位置情報を算出することを特徴とする。
【0012】
第4発明に係るアースバケット管理システムは、第1発明において、前記取得手段は、前記アースバケットを識別する識別情報が記録された前記RFIDタグから前記識別情報を含む前記検出情報を取得し、前記算出手段は、前記取得手段により取得された検出情報に含まれる識別情報に基づいて、前記位置情報を算出することを特徴とする。
【0013】
第5発明に係るアースバケット管理システムは、第4発明において、前記算出手段は、前記取得手段により取得された検出情報に含まれる識別情報に基づいて、前記アースバケットの積載の状態に関する積載情報を算出することを特徴とする。
【0014】
第6発明に係るアースバケット管理システムは、第5発明において、前記アースバケットは、内側に複数の前記RFIDタグが取り付けられることを特徴とする。
【0015】
第7発明に係るアースバケット管理システムは、第1発明において、前記取得手段は、前記RFIDセンサにより前記アースバケットを識別する識別情報が記録されたRFIDタグから前記識別情報と、前記マテリアルシャフトに設けると共に前記RFIDセンサと異なるセンサにより前記検出情報とを取得し、前記算出手段は、前記取得手段により取得された識別情報と検出情報とに基づいて、前記アースバケットの積載の状態に関する積載情報を算出することを特徴とする。
【0016】
第8発明に係るアースバケット管理システムは、第1発明において、前記取得手段は、前記アースバケットの質量を示す質量情報を取得し、前記算出手段は、前記取得手段により取得された質量情報に基づいて、前記アースバケットの積載の状態に関する積載情報を算出することを特徴とする。
【0017】
第9発明に係るアースバケット管理システムは、第1発明において、前記算出手段により算出された位置情報に基づいて、前記アースバケットの排土量を示す排土量情報を演算する演算手段をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
第10発明に係るアースバケット管理プログラムは、ニューマチックケーソンの作業室と地上とを繋ぐマテリアルシャフトに設けられるRFIDセンサにより検出される、前記マテリアルシャフトを通過するアースバケットに取り付けられたRFIDタグに関する検出情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得した検出情報に基づいて、前記アースバケットの位置が前記作業室内又は前記地上の何れかであることを示す位置情報を算出する算出ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1発明~第9発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、検出情報に基づいて、位置情報を算出する。これによって、アースバケットの位置を自動的に把握することが可能となり、アースバケットの位置を自動的に管理することができる。
【0020】
特に、第2発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、回数情報に基づいて、位置情報を算出することを特徴とする。これによって、例えばアースバケットの初期位置が地上である場合、アースバケットがマテリアルシャフトを通過した回数が奇数である場合、位置情報を作業室2内であるとし、回数が偶数である場合、位置情報を地上であるとして算出することができる。このため、アースバケットの位置を自動的に管理することができる。
【0021】
特に、第3発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、時間情報に基づいて、アースバケットがマテリアルシャフトを通過する方向に関する方向情報を算出し、算出した方向情報に基づいて、位置情報を算出する。これによって、時間情報の時間の差から、センサが検出した順番を判別することが可能となり、アースバケットがマテリアルシャフトを通過する方向を判断することが可能となる。これにより、アースバケットの位置を自動的に管理することができる。
【0022】
特に、第4発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、識別情報に基づいて、位置情報を算出する。これによって、例えば識別情報が示すアースバケットの識別番号毎に、センサがアースバケットを検出した回数が判断できるようになるため、アースバケットの識別番号毎に位置を自動的に管理することが可能となる。
【0023】
特に、第5発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、識別情報に基づいて、積載情報を算出する。これによって、例えば予め設定された識別番号を示す識別情報を取得した場合、アースバケットの積載の状態が空荷であるという積載情報を算出することにより、アースバケットが空荷であることを自動的に判断することが可能となる。
【0024】
特に、第6発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、アースバケットは、内側に複数のRFIDタグが取り付けられる。これにより、例えば高さが異なるように、アースバケットの内部にRFIDタグが取り付けられている場合、アースバケットの内部に積載した排土に覆われたRFIDタグから、センサは識別情報を読み取ることができなくなるため、読み取れた識別情報から、アースバケットの内部の排土の積載情報を算出することが可能となる。
【0025】
特に、第7発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、識別情報と検出情報とに基づいて、積載情報を算出する。かかる場合、アースバケットの内部に排土が積載されている場合、RFIDセンサ等のセンサは、内部に積載された排土によりアースバケットの内部に取り付けられたRFIDタグから識別情報を読み取ることができない。一方で、ループコイルセンサ等のRFIDセンサと異なるセンサは、アースバケットの積載の状態に関わらず、アースバケットを検出することが可能であるため、検出情報のみを取得する。このことから、識別情報を取得できずに、検出情報のみが取得できた場合、アースバケットは排土が積載され、識別情報と検出情報とが取得できた場合、アースバケットが空荷であることを判断することが可能となる。このため、積載情報が自動的に算出することが可能となる。
【0026】
特に、第8発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、質量情報に基づいて、積載情報を算出することを特徴とする。かかる場合、例えば予め設定された閾値以下のアースバケットの質量を示す質量情報を取得した場合、アースバケットの積載の状態が空荷であることを示す積載情報を算出する。これにより、積載情報を自動的に算出することが可能となる。
【0027】
特に、第9発明によれば、本発明のアースバケット管理システムは、位置情報に基づいて、アースバケットの排土量を示す排土量情報を演算する。これによって、例えば位置情報に含まれるアースバケットの位置の履歴に基づいて、排土量情報を演算することが可能となる。このため、自動的に排土量情報を演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、ニューマチックケーソン工法の主要設備を示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、掘削機における制御系統を示すブロック図である。
【
図4】
図4(a)は、RFIDを用いて、アースバケットを検出する場合のマテリアルロックを示す図である。
図4(b)は、ループコイルを用いて、アースバケットを検出する場合のマテリアルロックを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明を適用したアースバケット管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明を適用したアースバケット管理システムの動作についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
まず、本発明に係るアースバケット管理システム6が用いられるニューマチックケーソン工法の主要設備について図を用いて説明する。
図1は、本発明に係るアースバケット管理システム6が用いられるニューマチックケーソン工法の主要設備の一例を示す図である。ニューマチックケーソン工法は、掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3、送気設備E4及び予備・安全設備E5を用いて、鉄筋コンクリート製のケーソン1を地中に沈下させていくことにより、地下構造物を構築するように構成されている。
【0030】
掘削設備E1は、例えば、掘削機100(以下、ケーソンショベル100という)と、土砂自動積込装置11と、地上遠隔操作室13とを備える。ケーソンショベル100は、ケーソン1の底部に設けられた作業室2内に設置される。土砂自動積込装置11は、ケーソンショベル100により掘削された土砂を円筒状のアースバケット31に積み込む。地上遠隔操作室13は、ケーソンショベル100等の各種設備の作動を地上から遠隔操作する遠隔操作装置12を備える。
【0031】
艤装設備E2は、例えば、マンシャフト21と、マンロック22(エアロック)と、マテリアルシャフト23と、マテリアルロック24(エアロック)とを備える。マンシャフト21は、作業者が作業室2へ出入りするために地上Tと作業室2とを繋ぐ円筒状の通路であり、例えば、螺旋階段25が設けられている。マンロック22は、マンシャフト21に設けられ地上Tの大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。マテリアルシャフト23は、アースバケット31又は材料等を地上Tに搬出入するために、地上Tと作業室2とを繋ぐ円筒状の通路である。マテリアルロック24は、マテリアルシャフト23に設けられた地上Tの大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。マンロック22及びマテリアルロック24は、作業室2内の気圧が変化することを抑えて作業者やアースバケット31を作業室2へ出入りさせることが可能になるように構成されている。
【0032】
排土設備E3は、例えば、アースバケット31と、キャリア装置32と、土砂ホッパー33と、荷重計35とを備える。アースバケット31は、ケーソンショベル100により掘削された土砂が積み込まれる金属製の有底円筒状の筒容器である。キャリア装置32は、アースバケット31を、マテリアルシャフト23を介して地上まで引き上げて運び出す装置である。土砂ホッパー33は、アースバケット31およびキャリア装置32により地上に運び出された土砂を一時的に貯めておく設備である。荷重計35は、アースバケット31を吊る図示しないフックに係る負荷を計測することで、アースバケット31の質量を示す質量情報を取得するためのセンサである。また、排土設備E3は、アースバケット31を搬入出するためのクローラークレーン5を備えてもよい。
【0033】
送気設備E4は、例えば、空気圧縮機42と、空気清浄装置43と、送気圧力調整装置44と、自動減圧装置45とを備える。空気圧縮機42は、送気管41およびケーソン1に形成された送気路3を介して作業室2内に圧縮空気を送る装置である。空気清浄装置43は、空気圧縮機42により送り込む圧縮空気を浄化する装置である。送気圧力調整装置44は、作業室2内の気圧が地下水圧と等しくなるように空気圧縮機42から作業室2内へ送る圧縮空気の量(圧力)を調整する装置である。自動減圧装置45は、マンロック22内の気圧を減圧する装置である。
【0034】
予備・安全設備E5は、例えば、非常用空気圧縮機51と、ホスピタルロック53とを備える。非常用空気圧縮機51は、空気圧縮機42の故障又は点検などの時に空気圧縮機42に代わって作業室2内に圧縮空気を送ることが可能な装置である。ホスピタルロック53は、作業室2内で作業を行った作業者が入り、当該作業者の身体を徐々に大気圧に慣らしていくための減圧室である。
【0035】
次に、ケーソンショベル100について
図2~
図3を用いて説明する。ケーソンショベル100は、
図2に示すように、例えば、走行体110と、ブーム130と、バケットアタッチメント150とを備える。走行体110は、作業室2の天井部に設けられた左右一対の走行レール4に取り付けられ、左右の走行レール4に懸下された状態で走行レール4に沿って走行移動する。ブーム130は、走行体110の旋回フレーム121に上下方向に揺動可能に枢結される。バケットアタッチメント150は、ブーム130の先端部に取り付けられる。
【0036】
走行体110は、走行フレーム111と、旋回フレーム121と、走行ローラ113とを備える。旋回フレーム121は、走行フレーム111の下面側に旋回自在に設けられる。走行ローラ113は、走行フレーム111の上面側前後に、設けられている前後左右の4個のローラである。走行体110は、前後左右の走行ローラ113を回転駆動させて左右の走行レール4に沿って走行移動するように構成されている。
【0037】
ブーム130は、例えば、基端ブーム131と、先端ブーム132と、伸縮シリンダ133と、起伏シリンダ134とを備える。基端ブーム131は、旋回フレーム121に起伏自在又は上下方向に揺動自在に取り付けられる。先端ブーム132は、基端ブーム131に入れ子式に組み合わされ、構成される。伸縮シリンダ133は、基端ブーム131内に設けられている。起伏シリンダ134は、基端ブーム131の左右に2個設けられている。ブーム130は、伸縮シリンダ133を伸縮させると、基端ブーム131に対して先端ブーム132が長手方向に移動し、これによりブーム130が伸縮するように構成されている。2個の起伏シリンダ134の基端部は基端ブーム131の左右側部にそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0038】
バケットアタッチメント150は、ベース部材151と、バケット152と、バケットシリンダ153とを備える。ベース部材151は、先端ブーム132に取り付けられる。バケット152は、ベース部材151の先端部に上下揺動自在に取り付けられる。バケットシリンダ153は、ベース部材151に対してバケット152を上下揺動させるように構成される。
【0039】
コントロールユニット165は、
図3に示すように、メインコントローラ165aと、走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとを備える。また、コントロールユニット165は、ケーソンショベル100と、遠隔操作装置12と接続されていてもよい。コントロールユニット165は、遠隔操作装置12に内蔵されていてもよい。メインコントローラ165aは、走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとに接続され、遠隔操作装置12からの操作信号を受けて、その操作信号に応じた駆動制御信号を走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとに出力する。走行体用コントローラ165bは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、走行体110を駆動させるように構成されている。メインコントローラ165aおよび走行体用コントローラ165bは、走行体110の旋回フレーム121に配設されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、ブーム130及びバケットアタッチメント150を駆動させるように構成されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、ブーム130の基端ブーム131の側部に配設されている。
【0040】
ケーソンショベル100は、
図3に示すように、走行体位置センサ201と、旋回角度センサ202と、ブーム起伏角度センサ203と、ブーム伸長量センサ204と、バケット揺動角度センサ205と、外界センサ206とを備える。走行体位置センサ201は、走行体110が走行レール4の何処の位置に位置しているかを検出する。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回角度を検出する。ブーム起伏角度センサ203は、旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度を検出する。ブーム伸長量センサ204は、ブーム130の伸長量を検出する。バケット揺動角度センサ205は、ブーム130又はバケットアタッチメント150のベース部材151に対するバケット152の揺動角度を検出する。外界センサ206は、走行体110に設けられて作業室2内の掘削地面までの距離、地面の形状などの情報を取得する。また、ケーソンショベル100は、遠隔操作装置12と、コントロールユニット165と通信を行い、各センサ201~206で得たデータを、遠隔操作装置12と、コントロールユニット165とに送信してもよい。
【0041】
走行体位置センサ201は、例えば、走行体110の走行フレーム111に配設されたレーザセンサによって構成される。走行体位置センサ201は、レーザ光を走行レール4の端部又は作業室2の壁部に向けて照射して走行レール4の端部又は作業室2の壁部において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。走行体位置センサ201は、この時間に基づいて走行レール4の端部又は作業室2の壁部から走行体110までの距離を検出する。旋回角度センサ202は、例えば、走行体110の旋回フレーム121に配設された光学式のロータリーエンコーダによって構成される。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回量を電気信号に変換する。旋回角度センサ202は、その信号を演算処理して旋回フレーム121の旋回方向及び位置を含める旋回角度を検出する。なお、走行体位置センサ201及び旋回角度センサ202は一例を説明したもので、走行体の二次元的な位置を検出する他のセンサ、旋回フレーム121の旋回角度を検出する他のセンサをそれぞれ用いてもよい。
【0042】
ブーム起伏角度センサ203は、例えば、起伏シリンダ134のシリンダボトムの側部に配設されたレーザセンサによって構成される。ブーム起伏角度センサ203は、レーザ光を旋回フレーム121に向けて照射して旋回フレーム121において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム起伏角度センサ203は、この時間に基づいて起伏シリンダ134の伸長量を検出し、その起伏シリンダ134の伸長量に基づいて旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度又は起伏位置を検出する。ブーム起伏角度センサ203も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりブーム130の起伏角を直接検出する他のセンサを用いてもよい。
【0043】
ブーム伸長量センサ204は、例えば、ブーム130の基端ブーム131に配設されたレーザセンサによって構成される。ブーム伸長量センサ204は、レーザ光を先端ブーム132の先端部に取り付けられたバケットアタッチメント150のベース部材151に向けて照射してベース部材151において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム伸長量センサ204は、この時間に基づいて、ブーム130の伸長量として基端ブーム131に対する先端ブーム132の伸長量を検出する。ブーム伸長量センサ204も一例を説明したものであり、ブーム伸縮とともに伸縮するケーブルの伸長量を直接測定する他のセンサを用いてもよい。
【0044】
バケット揺動角度センサ205は、例えば、バケットシリンダ153の油路に配設された流量センサによって構成される。バケット揺動角度センサ205は、バケットシリンダ153に供給される作動油の流量を検出し、その流量の積分値を算出する。バケット揺動角度センサ205は、この流量積分値に基づいてバケットシリンダ153のピストンロッドの伸長量を求め、そのバケットシリンダ153の伸長量に基づいて、バケットアタッチメント150のベース部材151又はブーム130に対するバケット152の揺動角度又は揺動位置を検出する。バケット揺動角度センサ205も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりバケット152の揺動角度を直接検出他のセンサや、レーザセンサによりバケットシリンダ153の伸長量を求める他のセンサを用いてもよい。
【0045】
外界センサ206は、例えば、走行体110の旋回フレーム121に配設されたRGB-Dセンサによって構成される。外界センサ206は、掘削地面のRGB画像又はカラー画像および距離画像又は点群データを取得し、それらの画像に基づいて掘削地面までの距離情報、掘削地面の形状情報又はアースバケット31を含める作業室内2の点群データ70を取得する。外界センサ206は、RGB-Dセンサの他の例として、ステレオカメラや超音波距離計、レーザセンサなどを用いてもよい。
【0046】
走行体位置センサ201、旋回角度センサ202、ブーム起伏角度センサ203、ブーム伸長量センサ204、バケット揺動角度センサ205及び外界センサ206により検出されたそれぞれの情報は、コントロールユニット165のメインコントローラ165aに送信される。メインコントローラ165aは、走行体位置測定部211と、バケット位置測定部212と、地盤形状測定部213とを備える。
【0047】
走行体位置測定部211は、走行体位置センサ201により検出された走行レール4の端部又は作業室2の壁部から走行体110までの距離情報と、当該走行レール4が作業室2内の何処の位置に設けられた走行レールであるかという情報とを用いて、走行体110が作業室2内のどこに位置しているかを算出する。また、走行レール4が作業室2内の何処の位置に設けられた走行レールであるかという情報は、走行体110が取り付けられた走行レール4の情報であり、走行体110が取り付けられたときに走行体位置測定部211に設定されてもよい。また、走行体位置センサ201による距離情報の検出を周囲複数箇所に対して検出することにより、走行体110の天井内における二次元的な位置又は走行体110の向きを含む位置を検出してもよい。
【0048】
バケット位置測定部212は、旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回方向及び位置を含める旋回角度と、ブーム起伏角度センサ203により検出された旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度又は起伏位置と、ブーム伸長量センサ204により検出されたブーム130の伸長量と、バケット揺動角度センサ205により検出されたブーム130に対するバケット152の揺動角度又は揺動位置とを用いて、走行体110の走行フレーム111に対するバケット152の位置を算出する。
【0049】
地盤形状測定部213は、走行体位置測定部211により求められた作業室2内における走行体110の位置と、旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回方向および位置を含める旋回角度とを用いて、旋回フレーム121に設けられた外界センサ206の位置と、外界センサ206により距離情報を取得する方向と、外界センサ206により距離情報を取得する掘削地面の位置とを算出する。
【0050】
次に、本発明の実施形態を適用したマテリアルシャフト23とアースバケット31とについて、
図4を用いて説明する。
図4(a)は、RFIDを用いて、アースバケット31を検出する場合のマテリアルロック24を示す図である。
図4(b)は、ループコイルを用いて、アースバケットを検出する場合のマテリアルロック24を示す図である。本発明の実施形態を適用したマテリアルシャフト23は、マテリアルロック24と、センサ28とを備える。マテリアルロック24は、地上Tの大気圧と作業室2内の圧力差を調節するための上ドア26と下ドア27との二重扉構造の気密扉を有する。
【0051】
センサ28は、マテリアルシャフト23を通過したアースバケット31を検出するためのセンサである。センサ28は、例えば小型記録媒体から情報を読み取るためのRFID(Radio Frequency Identification)を用いたセンサであってもよい。RFIDは、ICと小型アンテナが組み込まれたタグやカード状の小型記録媒体から、電波を介して情報を読み取る非接触型の自動認識技術である。また、センサ28は、ループコイルセンサであってもよい。ループコイルセンサは、ループしたコイルに電流が流されることにより発生した磁界に金属が侵入することにより変化するインダクタンスを検出することにより、非接触で金属を検出することが可能なセンサである。また、センサ28は、レーザ等を用いた光学センサであってもよい。また、センサ28は、これに限らず、非接触で金属を検出することが可能な任意のセンサを用いてもよい。
【0052】
センサ28は、例えば
図4(a)に示すように、マテリアルロック24の上ドアよりも、アースバケット31の進行方向zの上方向に設けられてもよい。また、センサ28は、
図4(b)に示すように、複数のセンサ28がマテリアルシャフト23に設けられてもよい。かかる場合、複数のセンサ28は、方向zの高さが異なるように設けられる。また、センサ28は複数種類のセンサが用いられてもよい。センサ28は、例えばRFIDセンサとループコイルセンサとが用いられてもよい。
【0053】
アースバケット31は、例えば
図4(a)に示すように、アースバケット31を識別する識別情報が記録されたRFIDタグ34が設けられてもよい。また、アースバケット31は、方向zの高さが異なるように複数のRFIDタグ34が設けられてもよい。また、アースバケット31は、内側にRFIDタグ34が設けられてもよい。また、アースバケット31は、内側に方向zの高さが異なるように複数のRFIDタグ34が設けられてもよい。RFIDタグ34は、識別情報が記録された小型記録媒体である。
【0054】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明を適用したアースバケット管理システム6の全体構成を示すブロック図である。アースバケット管理システム6は、ニューマチックケーソン工法に使用されるアースバケット31の位置を管理する。アースバケット管理システム6は、上述したセンサ28と、センサ28により検出された検出情報を取得する遠隔操作装置12とを備えている。
【0055】
遠隔操作装置12は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。センサ28から入力されたデータに基づいて、遠隔操作装置12は、アースバケット31の位置を管理してもよい。遠隔操作装置12は、取得部80と、取得部80に接続された算出部81と、算出部81に接続された演算部82との機能を備える。
【0056】
取得部80は、センサ28から検出された検出情報を取得する。また、取得部80は、アースバケット31を識別する識別情報を取得してもよい。また、取得部80は、荷重計35により計測されたアースバケット31の質量を示す質量情報を取得してもよい。取得部80は、取得した各種データを算出部81に算出する。
【0057】
算出部81は、取得部80から入力された検出情報に基づいて、アースバケット31の位置が作業室2内又は地上Tの何れかであることを示す位置情報を算出する。算出部81は、算出した位置情報を演算部82に算出する。
【0058】
演算部82は、算出部81から入力されたアースバケット31の排土量を示す排土量情報を演算する。演算部82は、演算した排土量情報を任意のモニターに表示させてもよい。また、演算部82は、演算した排土量情報を任意のメモリに記録させてもよい。
【0059】
次に、本発明を適用したアースバケット管理システム6の動作について
図6を用いて、説明をする。まずステップS10において、センサ28がアースバケット31を検出する。かかる場合、センサ28は、マテリアルシャフト23を通過するアースバケット31を検出し、検出情報を取得部80に算出する。
【0060】
検出情報は、センサ28により検出された情報である。検出情報は、例えばアースバケット31がマテリアルシャフト23を通過した回数に関する回数情報を含んでもよい。検出情報は、例えばセンサ28によりアースバケット31が検出された時間に関する時間情報を含んでもよい。検出情報は、例えばアースバケット31を識別する識別情報が記録されてもよい。回数情報は、例えばセンサ28がアースバケット31を検出した回数の情報であってもよい。時間情報は、例えばアースバケット31を検出したセンサ28の順番の情報であってもよい。時間情報は、例えば
図4(a)に示すように、センサ28がRFIDタグ34aとRFIDタグ34bとからそれぞれの識別情報を取得した順番の情報であってもよい。時間情報は、例えば
図4(b)に示すセンサ28aとセンサ28bとがアースバケット31を検出した順番の情報であってもよい。識別情報は、例えばアースバケット31にそれぞれ付与された識別番号の情報であってもよい。また、識別情報は、アースバケット31の内部が空であることを示す空荷情報であってもよい。
【0061】
また、ステップS10において、センサ28は、アースバケット31に取り付けられたRFIDタグ34から識別情報を取得し、取得部80に算出してもよい。
【0062】
次に、ステップS11において、取得部80は、センサ28から各種情報を取得する。取得部80は、例えばセンサ28から検出情報を取得する。また、取得部80は、センサ28から識別情報を取得してもよい。また、取得部80は、荷重計35からアースバケット31の質量を示す質量情報を取得してもよい。また、取得部80は、アースバケット31の初期の位置情報を示す初期位置情報を取得してもよい。かかる場合、取得部80は、例えばアースバケット管理システム6を利用するユーザにより入力された初期位置情報を取得してもよい。また、取得部80は、作業開始前のアースバケット31の位置を初期位置情報として取得してもよい。位置情報は、アースバケット31の位置が作業室2内又は地上Tの何れかであることを示す情報である。また、位置情報は、アースバケット31の位置が作業室2内又は地上Tの何れかから移動した履歴の情報であってもよい。取得部80が、各種情報を取得するタイミングは任意のタイミングで行ってもよい。取得部80は、取得した各種情報を算出部81に算出する。
【0063】
また、ステップS11において、取得部80は、複数種類のセンサ28からそれぞれ識別情報又は検出情報を取得してもよい。かかる場合、取得部80は、RFIDセンサ等のセンサ28aにより、RFIDタグ34から識別情報と、ループコイルセンサ等のRFIDセンサと異なるセンサ28bにより検出情報とを取得してもよい。また、取得部80は、RFIDセンサ等のセンサ28aにより、アースバケット31の内部に取り付けられたRFIDタグ34から識別情報を取得してもよい。
【0064】
次に、ステップS12において、算出部81は、ステップS11により取得した各種情報に基づいて、位置情報を算出する。算出部81は、例えば検出情報に含まれる回数情報に基づいて、位置情報を算出する。算出部81は、例えば回数情報と初期位置情報とに基づいて、位置情報を算出する。かかる場合、算出部81は、アースバケット31の初期位置情報が地上Tである場合、アースバケット31がマテリアルシャフト23を通過した回数が奇数である場合、位置情報を作業室2内であるとし、回数が偶数である場合、位置情報を地上Tであるとして算出してもよい。
【0065】
また、ステップS12において、算出部81は、ステップS11において取得した検出情報に含まれる時間情報に基づいて、アースバケット31がマテリアルシャフト23を通過する方向に関する方向情報を算出し、算出した方向情報に基づいて、位置情報を算出してもよい。かかる場合、算出部81は、例えば時間情報に含まれるアースバケット31を検出したセンサ28の順番の情報に基づいて、方向情報を算出する。かかる場合、
図4(b)に示す、センサ28aが先にアースバケット31を検出した後、一定時間内にセンサ28bがアースバケット31を検出した場合、方向zの下向きを方向情報として算出する。また、算出部81は、
図4(a)に示すように、センサ28がRFIDタグ34aとRFIDタグ34bとからそれぞれの識別情報を取得した順番に基づいて、方向情報を算出してもよい。ステップS12において、算出部81は、方向情報が方向zの上向きである場合、アースバケット31の位置が地上Tであることを示す位置情報を算出する。算出部81は、方向情報が方向zの下向きである場合、アースバケット31の位置が作業室2内であることを示す位置情報を算出する。
【0066】
次に、ステップS12において、算出部81は、ステップS11により取得した検出情報に含まれる識別情報に基づいて、位置情報を算出してもよい。かかる場合、算出部81は、例えば識別情報が示すアースバケット31の識別番号毎に、センサ28がアースバケット31を検出した回数と、アースバケット31の識別番号毎の初期位置情報とに基づいて、アースバケット31の位置情報を算出してもよい。また、算出部81は、例えば識別情報が示すアースバケット31の識別番号毎に、アースバケット31がマテリアルシャフト23を通過する方向に関する方向情報を算出し、算出した方向情報に基づいて、位置情報を算出してもよい。
【0067】
また、ステップS12において、算出部81は、ステップS11により取得した検出情報に含まれる識別情報に基づいて、アースバケット31の積載状態に関する積載情報を算出してもよい。積載情報は、アースバケット31の積載状態を示す情報であり、例えばアースバケット31が空荷であることを示す情報であってもよい。算出部81は、予め設定された識別番号を示す識別情報を取得した場合、アースバケット31の積載の状態が空荷であることを示す積載情報を算出する。また、ステップS12において、算出部81は、例えば高さが異なるように、アースバケット31の内部に方向zに高さが異なるようにRFIDタグ34が複数取り付けられている場合、アースバケット31の内部に積載した排土に覆われたRFIDタグ34から、センサ28は、識別情報を読み取ることができなくなるため、読み取れた識別情報から、アースバケット31の内部の排土の積載情報を算出することが可能となる。
【0068】
また、ステップS12において、算出部81は、ステップS11により取得した質量情報に基づいて、積載情報を算出してもよい。算出部81は、予め設定された閾値以下のアースバケット31の質量を示す質量情報を取得した場合、アースバケット31の積載の状態が空荷であることを示す積載情報を算出する。
【0069】
また、ステップS12において、算出部81は、ステップS11により取得した識別情報と検出情報とに基づいてアースバケット31の積載情報を算出してもよい。算出部81は、例えばステップS11により、RFIDセンサ等のセンサ28aにより、アースバケット31の内部に取り付けられたRFIDタグ34から取得した識別情報と、ループコイルセンサ等のRFIDセンサと異なるセンサ28bにより取得した検出情報とに基づいて、アースバケット31の積載情報を算出してもよい。かかる場合、アースバケット31の内部に排土が積載されている場合、RFIDセンサ等のセンサ28aは、内部に積載された排土によりアースバケット31の内部に取り付けられたRFIDタグ34から識別情報を読み取ることができない。一方で、ループコイルセンサ等のRFIDセンサと異なるセンサ28bは、アースバケット31の積載の状態に関わらず、アースバケット31を検出することが可能であるため、算出部81は、検出情報のみを取得する。このことから、識別情報を取得できずに、検出情報のみが取得できた場合、アースバケット31は排土が積載され、識別情報と検出情報とが取得できた場合、アースバケット31が空荷であることを判断することが可能となる。
【0070】
次に、ステップS13において、演算部82は、ステップS12により算出部81により算出された位置情報に基づいて、アースバケット31の排土量を示す排土量情報を演算する。演算部82は、位置情報に含まれるアースバケット31の位置が作業室2内又は地上Tの何れかから移動した履歴の情報に基づいて、排土量情報を演算する。かかる場合、演算部82は、予め設定されたアースバケット31の積載可能な容量の情報を参照し、アースバケット31の位置が作業室2から地上Tに移動した回数に応じて排土量情報を演算してもよい。また、ステップS13において、演算部82は、ステップS12により算出部81により算出された位置情報と積載情報とに基づいて、排土量情報を演算してもよい。かかる場合、演算部82は、予め設定されたアースバケット31の積載可能な容量の情報を参照し、アースバケット31の位置が作業室2から地上Tに移動した回数と積載情報が空荷であることを示す回数との差に応じて排土量情報を演算してもよい。
【0071】
上述した各ステップを行うことにより、アースバケット管理システム6の動作が終了する。本発明のアースバケット管理システム6は、検出情報に基づいて、位置情報を算出する。これによって、アースバケット31の位置を自動的に把握することが可能となり、アースバケット31の位置を自動的に管理することができる。
【0072】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 ケーソン
2 作業室
3 送気路
4 走行レール
5 クローラークレーン
6 アースバケット管理システム
11 土砂自動積込装置
12 遠隔操作装置
13 地上遠隔操作室
21 マンシャフト
22 マンロック
23 マテリアルシャフト
24 マテリアルロック
25 螺旋階段
26 上ドア
27 下ドア
28 センサ
31 アースバケット
32 キャリア装置
33 土砂ホッパー
34 RFIDタグ
35 荷重計
41 送気管
42 空気圧縮機
43 空気清浄装置
44 送気圧力調整装置
45 自動減圧装置
51 非常用空気圧縮機
53 ホスピタルロック
80 取得部
81 算出部
82 演算部
100 ケーソンショベル
110 走行体
111 走行フレーム
113 走行ローラ
121 旋回フレーム
130 ブーム
131 基端ブーム
132 先端ブーム
133 伸縮シリンダ
134 起伏シリンダ
150 バケットアタッチメント
151 ベース部材
152 バケット
153 バケットシリンダ
165 コントロールユニット
165a メインコントローラ
165b 走行体用コントローラ
165c ブーム・バケット用コントローラ
201 走行体位置センサ
202 旋回角度センサ
203 ブーム起伏角度センサ
204 ブーム伸長量センサ
205 バケット揺動角度センサ
206 外界センサ
211 走行体位置測定部
212 バケット位置測定部
213 地盤形状測定部