(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136330
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 29/02 20060101AFI20240927BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240927BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20240927BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G11C29/02 140
H10B43/27
H10B43/40
H01L29/78 371
G11C16/04 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047415
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】舘 喜一
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
5L206
【Fターム(参考)】
5B225DE07
5B225EA05
5B225EJ09
5B225EJ10
5B225FA07
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA30
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR05
5F083PR21
5F083ZA28
5F083ZA29
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH04
5F101BH15
5L206AA10
5L206DD33
5L206EE02
(57)【要約】
【課題】不良を好適に検出可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、積層方向(Z)に積層され積層方向と交差する第1方向に延伸する複数の導電層(WL)と、積層方向に延伸し複数の導電層と対向する複数の半導体柱と、複数の導電層と複数の半導体柱との間に設けられた複数の電荷蓄積膜と、複数の導電層に対して積層方向の一方側に設けられ第1方向に並び複数の半導体柱と電気的に接続された複数の配線と、複数の配線のうちの複数の第1配線(BL)に電気的に接続された複数のセンスアンプユニット(SAU)と、複数の配線のうちの複数の第2配線(DBL)に電気的に共通に接続されたノード(N1)と、を備える。複数のセンスアンプユニットのうちの一つは、a(aは1以上の整数)本の第1配線に電気的に接続されている。ノードは、b(bはaより大きい2以上の整数)本の第2配線に電気的に接続されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面と交差する積層方向に積層され、前記積層方向と交差する第1方向に延伸する複数の導電層と、
前記積層方向に延伸し、前記複数の導電層と対向する複数の半導体柱と、
前記複数の導電層と、前記複数の半導体柱と、の間に設けられた複数の電荷蓄積膜と、
前記複数の導電層に対して前記積層方向の一方側に設けられ、前記第1方向に並び、前記複数の半導体柱と電気的に接続された複数の配線と、
前記複数の配線のうちの複数の第1配線に電気的に接続された複数のセンスアンプユニットと、
前記複数の配線のうちの複数の第2配線に電気的に共通に接続されたノードと
を備え、
前記複数のセンスアンプユニットのうちの一つは、a(aは1以上の整数)本の前記第1配線に電気的に接続され、
前記ノードは、b(bはaより大きい2以上の整数)本の前記第2配線に電気的に接続されている
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ノードを介して前記複数の第2配線に電気的に共通に接続された第1トランジスタを更に備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1トランジスタを介して前記複数の第2配線に電気的に接続された外部パッド電極を更に備える
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1トランジスタを介して前記複数の第2配線に電気的に接続された電流検知回路を更に備える
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数の第2配線に電気的に接続された複数の第2トランジスタを更に備え、
前記ノードは、前記複数の第2トランジスタを介して、前記複数の第2配線に電気的に共通に接続されている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、基板の表面と交差する方向に積層された複数の導電層と、これら複数の導電層に対向する半導体柱と、複数の導電層及び半導体柱の間に設けられた電荷蓄積膜と、を備える半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不良を好適に検出可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、基板の表面と交差する積層方向に積層され積層方向と交差する第1方向に延伸する複数の導電層と、積層方向に延伸し複数の導電層と対向する複数の半導体柱と、複数の導電層と複数の半導体柱との間に設けられた複数の電荷蓄積膜と、複数の導電層に対して積層方向の一方側に設けられ第1方向に並び複数の半導体柱と電気的に接続された複数の配線と、複数の配線のうちの複数の第1配線に電気的に接続された複数のセンスアンプユニットと、複数の配線のうちの複数の第2配線に電気的に共通に接続されたノードと、を備える。複数のセンスアンプユニットのうちの一つは、a(aは1以上の整数)本の第1配線に電気的に接続されている。ノードは、b(bはaより大きい2以上の整数)本の第2配線に電気的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】パッケージ10の構造を示す模式的な側面図である。
【
図2】パッケージ10の構造を示す模式的な平面図である。
【
図3】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図4】メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図5】メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図6】メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図7】メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図8】メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図9】周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図10】周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図11】周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図12】メモリダイMDの製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図15】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図16】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図17】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図18】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図19】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図20】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図21】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図22】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図23】導電層110-半導体柱120間の短絡の一因について説明するための模式的な断面図である。
【
図24】導電層110-半導体柱120間の短絡の一因について説明するための模式的な断面図である。
【
図25】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図26】第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図27】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図28】第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図29】第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図30】第7実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図31】第8実施形態に係るメモリダイMD8の模式的な平面図である。
【
図32】メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図33】メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図34】メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図35】メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図36】メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図37】メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図38】メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図39】第9実施形態に係るメモリダイMD9の模式的な分解斜視図である。
【
図40】メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な底面図である。
【
図41】メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な底面図である。
【
図42】メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図43】メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向等と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0015】
[第1実施形態]
[パッケージ10]
図1は、複数のメモリダイMDを含むパッケージ10の構造を示す模式的な側面図である。
図2は、パッケージ10の構造を示す模式的な平面図である。説明の都合上、
図1及び
図2では一部の構成を省略する。
【0016】
図1に示す様に、パッケージ10は、実装基板MSBと、複数のメモリダイMDと、を備える。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部の領域には外部パッド電極Pが設けられる。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部以外の領域の一部は、接着剤等を介してメモリダイMDの下面に接着される。複数のメモリダイMDは、実装基板MSBに積層される。メモリダイMDの上面のうち、Y方向の端部の領域には外部パッド電極Pが設けられる。メモリダイMDの上面のうち、Y方向の端部以外の領域は、接着剤等を介して他のメモリダイMDの下面に接着される。
【0017】
図2に示す様に、実装基板MSB及び複数のメモリダイMDは、それぞれ、X方向に並ぶ複数の外部パッド電極Pを備える。これら複数の外部パッド電極Pの一部は、例えば、電源電圧V
CCが供給され、これをメモリダイMDの内部に供給する。また、これら複数の外部パッド電極Pの他の一部は、例えば、接地電圧V
SSが供給され、これをメモリダイMDの内部に供給する。実装基板MSB及び複数のメモリダイMDに設けられた複数の外部パッド電極Pは、それぞれ、ボンディングワイヤBを介してお互いに接続される。
【0018】
尚、
図1及び
図2に示した構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、複数のメモリダイMDは、ボンディングワイヤBではなく、貫通電極等を介してお互いに接続されても良い。また、パッケージ10は、メモリダイMDを制御するコントローラを含んでいても良い。
【0019】
[メモリダイMD]
図3は、第1実施形態に係るメモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図3に示す様に、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCAと、周辺回路PCと、を備える。
【0020】
[メモリセルアレイMCA]
メモリセルアレイMCAは、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSと、複数のダミーストリングDMSと、を備える。複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。複数のダミーストリングDMSの一端は、それぞれ、ダミービット線DBLを介して周辺回路PCに接続される。また、複数のメモリストリングMS及び複数のダミーストリングDMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0021】
メモリストリングMSは、ドレイン側選択トランジスタSTDと、複数のメモリセルMC(メモリトランジスタ)と、ソース側選択トランジスタSTSと、を備える。ドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC、及び、ソース側選択トランジスタSTSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続される。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD及びソース側選択トランジスタSTSを、単に選択トランジスタSTD,STSと呼ぶ事がある。
【0022】
メモリセルMCは、電界効果型のトランジスタである。メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1つのメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0023】
選択トランジスタSTD,STSは、電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタSTD,STSは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層はチャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。選択トランジスタSTD,STSのゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線SGD,SGSが接続される。1つのドレイン側選択ゲート線SGDは、1つのストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0024】
ダミーストリングDMSは、ダミービット線DBL及びソース線SLの間に直列に接続された複数のダミートランジスタDTrを備える。
【0025】
ダミートランジスタDTrは、電界効果型のトランジスタである。ダミートランジスタDTrは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。ただし、ダミートランジスタDTrは、データの記憶には用いられない。1つのダミーストリングDMSに対応する複数のダミートランジスタDTrのゲート電極には、それぞれ、ワード線WL、ドレイン側選択ゲート線SGD又はソース側選択ゲート線SGSが接続される。ワード線WL及びソース側選択ゲート線SGSは、それぞれ、1つのメモリブロックBLK中の全てのダミーストリングDMSに共通に接続される。1つのドレイン側選択ゲート線SGDは、1つのストリングユニットSU中の全てのダミーストリングDMSに共通に接続される。
【0026】
図4は、メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な平面図である。
図5及び
図6は、メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な平面図であり、
図4に示す構造の一部を拡大して示している。
図7は、メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図8は、メモリセルアレイMCAの一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図8は、YZ断面を示しているが、半導体柱120の中心軸に沿ったYZ断面以外の断面(例えば、XZ断面)を観察した場合にも、
図8と同様の構造が観察される。
【0027】
図4に示す様に、メモリセルアレイMCAは、メモリホール領域R
MH及びダミーメモリホール領域R
DMHを含むパターン領域R
PTNを備える。メモリホール領域R
MHには、複数のメモリストリングMS(
図3)及び複数のビット線BL(
図3)が設けられる。ダミーメモリホール領域R
DMHには、複数のダミーストリングDMS(
図3)及び複数のダミービット線DBL(
図3)が設けられる。
【0028】
パターン領域RPTNは、メモリダイMDの製造に際し、後述する半導体柱120のパターニング、並びに、ビット線BL及びダミービット線DBLのパターニングに際して、略均一なパターンが形成される領域である。ここで、パターン領域RPTN中、X方向の端部から離れた範囲には、露光に際して、比較的好適なパターンが形成される傾向がある。一方、パターン領域RPTN中、X方向の端部に近い範囲には、露光に際して、形状のバラつき等が生じやすい傾向がある。このため、本実施形態では、パターン領域RPTN中、X方向の端部に近い範囲に形成された構成を、メモリストリングMS等として利用せず、ダミーストリングDMSとする。
【0029】
図4には、パターン領域R
PTNのX方向の一方側の端部から所定距離だけパターン領域R
PTNの内側に設けられた境界線L
B1を図示している。また、
図4には、パターン領域R
PTNのX方向の他方側の端部から所定距離だけパターン領域R
PTNの内側に設けられた境界線L
B2を図示している。図示の例では、境界線L
B1,L
B2の間の範囲に、メモリホール領域R
MHが設けられている。また、パターン領域R
PTNのX方向の一方側の端部と境界線L
B1との間の範囲、及び、パターン領域R
PTNのX方向の他方側の端部と境界線L
B2との間の範囲に、ダミーメモリホール領域R
DMHが設けられている。
【0030】
図4に示す様に、メモリセルアレイMCAは、Y方向に並ぶ複数のフィンガー構造FSを備える。本実施形態において、フィンガー構造FSは、それぞれ、
図3を参照して説明したメモリブロックBLKに対応する。ただし、フィンガー構造FSとメモリブロックBLKとの対応関係は適宜調整可能である。例えば、複数のフィンガー構造FSが、1つのメモリブロックBLKとして機能しても良い。Y方向に隣り合う2つのフィンガー構造FSの間には、フィンガー間構造STが設けられている。
【0031】
図5に示す様に、フィンガー構造FSは、Y方向に並ぶ複数のストリングユニットSUを備える。Y方向に隣り合う2つのストリングユニットSUの間には、ストリングユニット間絶縁層SHEが設けられている。
【0032】
フィンガー構造FSは、例えば
図7に示す様に、Z方向に積層された複数の導電層110と、これら複数の導電層110の下方に設けられた導電層112と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、を備える。また、
図8に示す様に、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間には、それぞれ、ゲート絶縁膜130が設けられている。
【0033】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の形状を備える。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層101(
図8)が設けられている。
【0034】
複数の導電層110は、ワード線WL(
図3)、これに接続された複数のメモリセルMC(
図3)のゲート電極、及び、これに接続されたダミートランジスタDTr(
図3)のゲート電極として機能する。以下の説明では、この様な導電層110を、導電層110(WL)と呼ぶ場合がある。これら複数の導電層110(WL)は、それぞれ、フィンガー構造FS毎に電気的に独立している。
図7の例では、Y方向に隣り合う2つのフィンガー構造FSに対応する導電層110(WL)が、フィンガー間構造STを介して絶縁されている。
【0035】
複数の導電層110(WL)よりも下方に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS(
図3)、これに接続された複数のソース側選択トランジスタSTS(
図3)のゲート電極、及び、これに接続されたダミートランジスタDTr(
図3)のゲート電極として機能する。以下の説明では、この様な導電層110を、導電層110(SGS)と呼ぶ場合がある。この一又は複数の導電層110(SGS)は、フィンガー構造FS毎に電気的に独立している。
図7の例では、Y方向に隣り合う2つのフィンガー構造FSに対応する導電層110(SGS)が、フィンガー間構造STを介して絶縁されている。
【0036】
複数の導電層110(WL)よりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択ゲート線SGD(
図3)、これに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(
図3)のゲート電極、及び、これに接続されたダミートランジスタDTr(
図3)のゲート電極として機能する。以下の説明では、この様な導電層110を、導電層110(SGD)と呼ぶ場合がある。
図5に示す様に、導電層110(SGD)のY方向の幅Y
SGDは、導電層110(WL)のY方向の幅Y
WLよりも小さい。また、1つのフィンガー構造FS内でY方向に隣り合う2つの導電層110(SGD)の間には、ストリングユニット間絶縁層SHEが設けられている。これら複数の導電層110(SGD)は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。各フィンガー構造FS中において、Y方向の一方側(例えば、Y方向負側)から数えて1番目及び5番目のストリングユニットSUに対応する導電層110(SGD)は、フィンガー構造FS間に設けられたフィンガー間構造STを介して、他のフィンガー構造FS中の構成から電気的に絶縁されている。また、各フィンガー構造FS中において、Y方向に隣り合う2つの導電層110(SGD)は、ストリングユニット間絶縁層SHEを介して、電気的に絶縁されている。
【0037】
導電層112(
図7)は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、導電層112の下面には、タングステン(W)等の金属、タングステンシリサイド等の導電層又はその他の導電層が設けられていても良い。導電層112は、ソース線SL(
図3)の一部として機能する。
【0038】
半導体柱120は、例えば
図5に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。図示の例では、1つのフィンガー構造FSに対応して、複数の半導体柱120が、24列にわたって設けられている。また、各列では、複数の半導体柱120が、X方向に略一定のピッチで並んでいる。
図4に示す様に、半導体柱120は、パターン領域R
PTN全体にわたって、規則的なパターンで設けられている。
【0039】
半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等を含む。半導体柱120は、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125(
図5)が設けられている。また、半導体柱120の外周面は、それぞれ導電層110によって囲まれており、導電層110と対向している。
【0040】
メモリホール領域R
MHに設けられた半導体柱120は、1つのメモリストリングMS(
図3)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS)のチャネル領域として機能する。
【0041】
ダミーメモリホール領域R
DMHに設けられた半導体柱120は、1つのダミーストリングDMS(
図3)に含まれる複数のダミートランジスタDTrのチャネル領域として機能する。
【0042】
半導体柱120の上端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域が設けられている。この不純物領域は、ビット線BL又はダミービット線DBLに電気的に接続される。一つのストリングユニットSUに対応する複数の半導体柱120は、全て異なるビット線BL又はダミービット線DBLに接続されている。
図5の例では、X方向に並ぶ複数の半導体柱120を含む列が、一つのストリングユニットSUに対応して、Y方向に4つ並んでいる。これら4つの列に含まれる複数の半導体柱120は、全て異なるビット線BL又はダミービット線DBLに接続されている。
【0043】
ビット線BL及びダミービット線DBLは、例えば
図6に示す様に、それぞれ、X方向に並び、Y方向に延伸する。ビット線BL及びダミービット線DBLは、パターン領域R
PTN全体にわたって、略均一なパターンで設けられている。また、
図5に示す様に、上方から見て半導体柱120と重なる位置には、コンタクト電極Chが設けられている。更に、上方から見てコンタクト電極Ch、及び、ビット線BL又はダミービット線DBLと重なる位置には、コンタクト電極Vyが設けられている。半導体柱120は、これらのコンタクト電極Ch,Vyを介して、ビット線BL又はダミービット線DBLに電気的に接続される。
【0044】
半導体柱120の下端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域が設けられている。この不純物領域は、導電層112(
図7)に接続されている。尚、図示の例では、一つのメモリセルアレイMCAに対応する複数の半導体柱120が、全て共通の導電層112に接続されている。
【0045】
ゲート絶縁膜130(
図8)は、半導体柱120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば
図8に示す様に、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の電荷を蓄積可能な膜を含む。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体柱120と導電層112との接触部を除く半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0046】
尚、
図8には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示している。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0047】
フィンガー間構造STは、例えば
図7に示す様に、X方向及びZ方向に延伸する。フィンガー間構造STは、導電層141と、導電層141のY方向の側面に設けられた酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層142と、を備える。導電層141は、ソース線SL(
図3)の一部として機能する。導電層141の下端は、導電層112に接続されている。導電層141は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層141は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。
【0048】
尚、
図4には、パターン領域R
PTNの外側に設けられた支持構造HRを図示している。支持構造HRは、メモリダイMDの製造に際し、
図20を参照して後述する工程において、Z方向に並ぶ複数の絶縁層101を支持する。支持構造HRは、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層を含んでいても良い。また、支持構造HRは、例えば、半導体柱120、絶縁層125及びゲート絶縁膜130と同様の材料を含んでいても良い。
【0049】
[周辺回路PC]
図9~
図11は、周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【0050】
図9に示す様に、周辺回路PCは、例えば、複数のビット線BLに対応して設けられた複数のセンスアンプユニットSAUと、複数のダミービット線DBLに共通に接続されたノードN1と、ノードN1及び接地電圧V
SSが供給される外部パッド電極P(以下、「外部パッド電極P(V
SS)」と呼ぶ。)の間に電気的に接続されたトランジスタTr
DECと、メモリセルアレイMCA等に供給される電圧を生成する電圧生成回路VGと、を備える。また、周辺回路PCは、ワード線WLに電気的に接続された電流検知回路DECを備えている。
【0051】
また、図示は省略するものの、周辺回路PCは、電圧生成回路VGによって生成された電圧をメモリセルアレイMCA中の構成に供給するドライバ回路及びデコード回路、センスアンプユニットSAUに入力するデータ及びセンスアンプユニットSAUから出力されたデータを一時的に保持するキャッシュメモリ、アドレスレジスタ、コマンドレジスタ、ステータスレジスタ、入出力制御回路、シーケンサ等を備える。
【0052】
センスアンプユニットSAUは、
図10に示す様に、ビット線BLに電気的に接続されたセンスアンプ回路SAと、センスアンプ回路SAに電気的に接続された配線LBUSと、配線LBUSに電気的に接続された複数のデータラッチ回路SDL,DL0~DLn
L(n
Lは、1以上の整数)と、を備える。
【0053】
センスアンプ回路SAは、読出動作に際してビット線BLの電流又は電圧を検出し、配線LBUSに、“H”又は“L”の信号を出力する。また、センスアンプ回路SAは、書込動作に際し、データラッチ回路SDLに保持されたデータに基づいて、ビット線BLを、電圧供給線VSRC又は電圧供給線VDDSAと導通させる。
【0054】
尚、電圧供給線V
SRC,V
DDSAには、それぞれ、電圧生成回路VG(
図9)によって生成された動作電圧が供給される。電圧生成回路VGは、電源電圧V
CCが供給される外部パッド電極P(以下、「外部パッド電極P(V
CC)」と呼ぶ。)及び外部パッド電極P(V
SS)に電気的に接続されており、電源電圧V
CC及び接地電圧V
SSに基づいて、複数の動作電圧を生成する。
【0055】
図10に示す様に、複数のビット線BLに対応する複数のセンスアンプ回路SAは、複数の信号線S
SAに、共通に接続されている。これら複数の信号線S
SAは、図示しないシーケンサに接続され、このシーケンサによって一括して制御される。
【0056】
データラッチ回路SDL,DL0~DLnLは、それぞれ、1ビットのデータを保持可能に構成されている。データラッチ回路SDLは、書込動作等に際して、ビット線BLの電圧の制御に使用される。例えば、データ“0”を保持するデータラッチ回路SDLに対応するビット線BLは、電圧供給線VSRCと導通する。また、データ“1”を保持するデータラッチ回路SDLに対応するビット線BLは、電圧供給線VDDSAと導通する。データラッチ回路DL0~DLnLは、読出動作に際して、メモリセルMCから読み出されたデータを保持する。また、データラッチ回路DL0~DLnLは、書込動作に際して、メモリセルMCに書き込むデータを保持する。例えば、1つのメモリセルMCが、最大で3ビットのデータを記憶する場合、センスアンプユニットSAUは、少なくとも、3つのデータラッチ回路DL0,DL1,DL2を有する。
【0057】
複数のビット線BLに対応する複数のデータラッチ回路SDL,DL0~DLnLは、それぞれ、複数の信号線STL,TL0~TLnLに共通に接続されている。また、複数のビット線BLに対応する複数のデータラッチ回路SDL,DL0~DLnLは、それぞれ、複数の信号線STI,TI0~TInLに共通に接続されている。これら複数の信号線STL,TL0~TLnL,STI,TI0~TInLは、図示しないシーケンサに接続され、このシーケンサによって、複数のビット線BLに対応する複数のデータラッチ回路SDL,DL0~DLnLは、それぞれ一括して制御される。
【0058】
ノードN1(
図11)は、トランジスタ等のスイッチング素子を介さずに、複数のダミービット線DBLに電気的に接続されている。ノードN1に接続された複数のダミービット線DBLは、電気的に共通であり、電気的に導通している。
【0059】
トランジスタTr
DEC(
図11)は、例えば、電界効果型のトランジスタであり、メモリダイMDの出荷前のテスト工程においてON状態に制御することで、ダミートランジスタDTrの、半導体層-ゲート電極間の短絡の検出に用いられる。
【0060】
トランジスタTr
DECのソース電極は、
図11に示す様に、外部パッド電極P(V
SS)に電気的に接続されている。トランジスタTr
DECのドレイン電極は、ノードN1を介して、複数のダミービット線DBLに共通に接続されている。トランジスタTr
DECのゲート電極は、図示しないシーケンサに接続され、このシーケンサによって制御される。
【0061】
トランジスタTrDECは、テスト工程の実行時以外はOFF状態に制御される。従って、例えば、メモリセルMCに対する読出動作、書込動作の実行に際して、ダミービット線DBLは、フローティング状態となる。
【0062】
電流検知回路DEC(
図9)は、ワード線WLに流れる電流を検知可能に構成されている。電流検知回路DECは、センスアンプユニットSAUと異なり、データラッチ回路を備えていない。
【0063】
[製造方法]
次に、本実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明し、これに基づいて、導電層110-半導体柱120間の短絡の一因を例示する。
【0064】
図12~
図22は、同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【0065】
本実施形態に係るメモリダイMDの製造に際しては、まず、例えば
図12に示す様に、絶縁層102上に、シリコン等の半導体層113A、酸化シリコン等の犠牲層113B、窒化シリコン等の犠牲層113C、酸化シリコン等の犠牲層113D、及び、シリコン等の半導体層113Eを形成する。また、複数の絶縁層101及び複数の犠牲層としての絶縁層110Aを交互に形成する。絶縁層110Aは、例えば、窒化シリコン等を含む。更に、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110Aの上方に、酸化シリコン等の絶縁層103を形成する。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法によって行われる。
【0066】
次に、例えば
図13に示す様に、
図4を参照して説明したパターン領域R
PTNにおいて、半導体柱120に対応する位置に、複数のメモリホールMHを形成する。このメモリホールMHは、Z方向に延伸し、絶縁層103、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110A、並びに、犠牲層113B,犠牲層113C,犠牲層113D及び半導体層113Eを貫通し、半導体層113Aの上面を露出させる貫通孔である。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0067】
次に、例えば
図14に示す様に、メモリホールMHの内部に、ゲート絶縁膜130、半導体柱120及び絶縁層125を形成する。この工程では、例えば、CVD等による成膜が行われ、メモリホールMHの内部に、アモルファスシリコン膜が形成される。また、例えば、アニール処理等によって、このアモルファスシリコン膜の結晶構造を改質する。
【0068】
次に、例えば
図15に示す様に、
図14に示す構造の上方に、絶縁層103を更に形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。また、フィンガー間構造STに対応する位置に、溝STAを形成する。溝STAは、Z方向及びX方向に延伸し、絶縁層103、複数の絶縁層101及び複数の絶縁層110A、半導体層113E及び犠牲層113DをY方向に分断し、犠牲層113Cの上面を露出させる溝である。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0069】
次に、例えば
図16に示す様に、溝STAのY方向の側面に、窒化シリコン等の保護膜STSWを形成する。この工程では、例えば、CVD等の方法によって溝STAのY方向の側面及び底面に、窒化シリコン等の絶縁膜が形成される。また、RIE等の方法によって、この絶縁膜のうち、溝STAの底面を覆う部分が除去される。
【0070】
次に、例えば
図17に示す様に、犠牲層113B,犠牲層113C,犠牲層113D及びゲート絶縁膜130の一部を除去し、半導体柱120の一部を露出させる。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行われる。
【0071】
次に、例えば
図18に示す様に、導電層112を形成する。この工程は、例えば、エピタキシャル成長等の方法によって行う。
【0072】
次に、例えば
図19に示す様に、保護膜STSWを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行われる。
【0073】
次に、例えば
図20に示す様に、溝STAを介して絶縁層110Aを除去する。これにより、Z方向に並ぶ複数の絶縁層101と、この絶縁層101を支持するメモリホールMH内の構造(半導体柱120、ゲート絶縁膜130及び絶縁層125)と、が形成される。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行う。
【0074】
次に、例えば
図21に示す様に、導電層110を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0075】
次に、例えば
図22に示す様に、溝STA内にフィンガー間構造STを形成する。この工程は、例えば、CVD及びRIE等の方法によって行う。
【0076】
[導電層110-半導体柱120間の短絡]
図23及び
図24は、導電層110-半導体柱120間の短絡の一因について説明するための模式的な断面図である。
【0077】
例えば、
図17を参照して説明した工程において、
図23に示す様に、半導体層113E、絶縁層110A、及び絶縁層101等の一部が除去され、例えば
図20を参照して説明した工程において、
図24に示す様に、半導体柱120の外周面の一部が溝STAに露出する懸念がある。このため、半導体柱120の露出した部分に、
図21を参照して説明した工程において、導電層110に含まれる窒化チタン、タングステン等の金属が形成されてしまう場合がある。この金属原子は、半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に移動し、更に、ゲート絶縁膜130中を拡散して、導電層110-半導体柱120間の短絡を引き起こす一因となり得る。例えば、ダミーメモリホール領域R
DMHに配置された半導体柱120が2以上の導電層110と短絡した場合、これら2以上の導電層110に、電圧を好適に供給することが出来なくなってしまう。
【0078】
[効果]
図9及び
図10を参照して説明した様に、メモリホール領域R
MHに配置された半導体柱120は、ビット線BLを介して、センスアンプユニットSAUに接続されている。従って、ビット線BL及びワード線WLに電圧を供給してビット線BL又はワード線WLの電圧又は電流を検知することにより、導電層110-半導体柱120間の短絡を検出可能である。
【0079】
そこで、ダミーメモリホール領域RDMHに配置された半導体柱120と導電層110との短絡を検出するためには、例えば、複数のダミービット線DBLに対応して、複数のセンスアンプユニットSAUを設けることも考えられる。しかしながら、この様な構成を採用した場合、回路面積の増大を招いてしまう。
【0080】
一方、ダミービット線DBLに対応するセンスアンプユニットSAUを単純に省略してしまうと、ダミービット線DBLに電圧を供給することが出来ないため、ダミーメモリホール領域RDMHに配置された半導体柱120と導電層110との短絡を検出することが出来ない。
【0081】
そこで、本実施形態に係る半導体記憶装置においては、複数のダミービット線DBLを、ノードN1及びトランジスタTrDECを介して、外部パッド電極P(VSS)に電気的に接続している。この様な構成によれば、ダミービット線DBL及びワード線WLに電圧を供給して、ダミービット線DBL又はワード線WLの電圧又は電流を検知することにより、ダミーメモリホール領域RDMHに配置された半導体柱120と導電層110との短絡を検出することが可能である。また、この様な構成は、複数のダミービット線DBLに対応して複数のセンスアンプユニットSAUを設ける様な構成と比較して、少ない面積で実現可能である。
【0082】
[メモリダイMDの出荷前のテスト工程]
メモリダイMDの出荷前のテスト工程においては、例えば、複数のワード線WL(
図9)及びドレイン側選択ゲート線SGD(
図9)に、ダミートランジスタDTrのしきい値電圧よりも大きい電圧を供給する。これにより、複数のワード線WL(
図9)及びドレイン側選択ゲート線SGD(
図9)に接続された複数のダミートランジスタDTrがON状態となる。また、ソース側選択ゲート線SGS(
図9)に、ダミートランジスタDTrのしきい値電圧よりも小さい電圧を供給する。これにより、ソース側選択ゲート線SGS(
図9)に接続された複数のダミートランジスタDTrがOFF状態となる。
【0083】
また、このテスト工程においては、トランジスタTr
DEC(
図9)のゲート電極に、トランジスタTr
DECのしきい値電圧よりも大きい電圧を供給する。これにより、トランジスタTr
DECがON状態となり、複数のダミービット線DBLに、接地電圧V
SSが供給される。また、ダミーストリングDMS内の複数のダミートランジスタDTrのチャネル領域に、接地電圧V
SSが供給される。
【0084】
ここで、ダミートランジスタDTrの、半導体層とゲート電極とが短絡していない場合、ワード線WLには電流が流れない。一方、ダミートランジスタDTrの、半導体層とゲート電極とが短絡している場合、ワード線WLに電流が流れる。従って、例えば、電流検知回路DEC(
図9)によってワード線WLに流れる電流を測定することにより、ダミートランジスタDTrの、半導体層-ゲート電極間の短絡を検出することが可能である。短絡が検出された場合には、例えば、このダミートランジスタDTrに対応するメモリブロックBLKを不良ブロックとし、不良ブロックとされたメモリブロックBLKの使用を禁止することが可能である。
【0085】
[第2実施形態]
図11を参照して説明した様に、第1実施形態においては、1つのトランジスタTr
DECが、ノードN1を介して、複数のダミービット線DBLに接続される。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示であり、例えば、複数のダミービット線DBLに対応して複数のトランジスタを設けることも可能である。以下、第2実施形態として、この様な例について説明する。
【0086】
図25は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成される。ただし、
図25に示す様に、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、ノードN1及びトランジスタTr
DECのかわりに、ノードN2及び複数のトランジスタTr
DEC2を備えている。
【0087】
トランジスタTrDEC2のソース電極は、ノードN2を介して、外部パッド電極P(VSS)に電気的に接続されている。トランジスタTrDEC2のドレイン電極は、1つのダミービット線DBLに接続されている。複数のトランジスタTrDEC2のゲート電極は、図示しないシーケンサに共通に接続され、このシーケンサによって一括して制御される。
【0088】
ノードN2は、複数のトランジスタTrDEC2を介して、複数のダミービット線DBLに電気的に接続されている。
【0089】
この様な構成によっても、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0090】
また、ダミーメモリホール領域RDMHにおいて、複数の半導体柱120が導電層110と短絡している場合、外部パッド電極P(VSS)に、比較的大きい電流が流れるおそれがある。この点、第2実施形態では、1つのダミービット線DBLに対応して1つのトランジスタTrDEC2が設けられているため、1つのトランジスタTrDEC2に流れる電流の最大値を小さくすることが可能である。
【0091】
尚、第2実施形態では、複数のダミービット線DBLに対応して複数のトランジスタTrDEC2を設けるため、第1実施形態と比較して、回路面積が大きくなる可能性もある。しかしながら、例えば、複数のダミービット線DBLに対応して複数のセンスアンプユニットSAUを設ける場合と比較した場合には、少ない面積で実現可能である。
【0092】
[第3実施形態]
図11を参照して説明した様に、第1実施形態においては、ダミービット線DBLが、トランジスタTr
DECを介して、外部パッド電極P(V
SS)に電気的に接続される。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示であり、ダミービット線DBLを、他の構成と電気的に接続することも可能である。以下、第3実施形態として、この様な例について説明する。
【0093】
図26は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成される。
【0094】
ただし、第3実施形態では、複数のダミービット線DBLが、ノードN1及びトランジスタTr
DECを介して、
図9を参照して説明した電流検知回路DECに電気的に接続されている。
【0095】
この様な構成によっても、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0096】
また、第1実施形態では、電流検知回路DEC(
図9)によってワード線WLに流れる電流を測定し、これによって、半導体層-ゲート電極間の短絡を検出する。この様な方法では、メモリホール領域R
MHにおける短絡と、ダミーメモリホール領域R
DMHにおける短絡と、を直接的に区別することが出来ない。従って、例えば、不良個所の特定に時間がかかってしまう懸念がある。
【0097】
一方、第3実施形態では、電流検知回路DECによってダミービット線DBLに流れる電流を測定し、これによって、半導体層-ゲート電極間の短絡を検出することが可能である。従って、第3実施形態では、メモリホール領域RMHにおける短絡と、ダミーメモリホール領域RDMHにおける短絡と、を直接的に区別することが可能である。従って、例えば、不良個所の特定を、比較的容易に行うことが可能である。
【0098】
[第4実施形態]
図27は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。第4実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成される。
【0099】
ただし、第4実施形態では、複数のダミービット線DBLが、複数のトランジスタTr
DEC2及びノードN2を介して、
図9を参照して説明した電流検知回路DECに電気的に接続されている。
【0100】
この様な構成によっても、第1実施形態~第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0101】
[第5実施形態]
図28は、第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。第5実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成される。
【0102】
ただし、第5実施形態に係る半導体記憶装置においては、ダミービット線DBLが、ノードN1及びトランジスタTr
DECを介して、外部パッド電極P(V
MON)に電気的に接続される。外部パッド電極P(V
MON)は、
図2を参照して説明した複数の外部パッド電極Pのうちの一つであり、電圧の測定等に用いられる。
【0103】
第5実施形態に係る半導体記憶装置のテスト工程においては、外部パッド電極P(VMON)にテスタのプローブを接触させ、テスタによって電圧を供給し、リーク電流を測定する。
【0104】
この様な構成によっても、第1実施形態及び第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0105】
また、第5実施形態では、テスト工程において、ダミービット線DBLの電圧をテスタによって制御するため、供給する電圧を自由に制御することが可能である。
【0106】
[第6実施形態]
図29は、第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。第6実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成される。
【0107】
ただし、第6実施形態に係る半導体記憶装置においては、複数のダミービット線DBLが、複数のトランジスタTrDEC2及びノードN2を介して、外部パッド電極P(VMON)に電気的に接続される。
【0108】
この様な構成によっても、第1実施形態~第5実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0109】
[第7実施形態]
図30は、第7実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。第7実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成される。
【0110】
ただし、
図30に示す様に、第7実施形態に係る半導体記憶装置は、ビット線選択回路BLSを備える。ここで、
図6を参照して説明した様に、ビット線BLは、X方向に並ぶ。ビット線選択回路BLSは、X方向の一方側から数えて偶数番目のビット線BLe(
図30)、及び、X方向の一方側から数えて奇数番目のビット線BLo(
図30)の一方を選択し、選択した一方のみをセンスアンプユニットSAUと導通させる。
【0111】
ビット線選択回路BLSは、複数のビット線BLeに対応して設けられた複数のトランジスタTrBLeと、複数のビット線BLoに対応して設けられた複数のトランジスタTrBLoと、を備える。
【0112】
トランジスタTrBLeのソース電極は、センスアンプユニットSAUに接続されている。トランジスタTrBLeのドレイン電極は、ビット線BLeに接続されている。ビット線選択回路BLS中の複数のトランジスタTrBLeのゲート電極は、図示しないシーケンサに共通に接続され、このシーケンサによって一括して制御される。
【0113】
トランジスタTrBLoのソース電極は、センスアンプユニットSAUに接続されている。トランジスタTrBLoのドレイン電極は、ビット線BLoに接続されている。ビット線選択回路BLS中の複数のトランジスタTrBLoのゲート電極は、図示しないシーケンサに共通に接続され、このシーケンサによって一括して制御される。
【0114】
図30の例では、2本のビット線BL(ビット線BLe,BLo)が、ビット線選択回路BLSを介して、1つの共通のセンスアンプユニットSAUに、電気的に接続されている。ただし、3本以上のビット線BLが、ビット線選択回路BLSを介して、1つの共通のセンスアンプユニットSAUに、電気的に接続されても良い。
【0115】
ここで、1つのセンスアンプユニットSAUに電気的に接続されるビット線BLの本数をa(aは1以上の整数)本とし、ノードN1(
図11)に電気的に接続されるダミービット線DBLの本数をb(bは2以上の整数)本とすると、bはaよりも大きい。
【0116】
尚、第2実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置は、第7実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ビット線選択回路BLSを備えていても良い。いずれの場合も、1つのセンスアンプユニットSAUに電気的に接続されるビット線BLの本数をa(aは1以上の整数)本とし、ノードN1(
図11)又はノードN2(
図25)に電気的に接続されるダミービット線DBLの本数をb(bは2以上の整数)本とすると、bはaよりも大きい。
【0117】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態として、より具体的な構造への適用例について説明する。第8実施形態に係る半導体記憶装置は、例えば、第1実施形態に係る周辺回路PCを備える。
【0118】
図31は、第8実施形態に係るメモリダイMD8の模式的な平面図である。
図32は、メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図であり、
図31の一部の構成を拡大して示している。
図33は、メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図34は、メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図である。
図35は、メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図であり、
図34のAで示した部分の模式的な拡大図である。
図36は、メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図34に示す構造をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面を示している。
図37は、メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図38は、メモリダイMD8の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【0119】
メモリダイMD8は、例えば
図31に示す様に、半導体基板100を備える。図示の例において、半導体基板100にはX方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域R
MCAが設けられる。また、半導体基板100のY方向の端部には、周辺領域R
Pが設けられている。
【0120】
メモリセルアレイ領域R
MCAは、例えば
図32に示す様に、Y方向に並ぶ複数のフィンガー構造FSを備えている。
【0121】
また、メモリセルアレイ領域RMCAは、X方向に並ぶ複数のメモリホール領域RMHと、これらメモリホール領域RMHの間にそれぞれ設けられた複数のコンタクト接続領域RC4と、を備える。更に、メモリセルアレイ領域RMCAのX方向の中央位置には、X方向に並ぶ2つのフックアップ領域RHUが設けられている。
【0122】
ここで、
図33を参照して後述する様に、第8実施形態に係るメモリダイMD8では、メモリセルアレイMCAを構成する各構成(導電層110、半導体柱120等)の下方に配線層D0~D2が設けられており、上方に配線層M0が設けられている。コンタクト接続領域R
C4は、これらの配線層D0~D2,M0中の構成を電気的に接続するために設けられている。
【0123】
また、フックアップ領域RHUは、Z方向に積層された複数の導電層110を、周辺回路PCに電気的に接続するために設けられている。
【0124】
ここで、コンタクト接続領域R
C4及びフックアップ領域R
HUには、半導体柱120及びビット線BLが形成されない。このため、第8実施形態では、メモリセルアレイ領域R
MCAの端部とコンタクト接続領域R
C4との間の範囲、X方向に隣り合う2つのコンタクト接続領域R
C4の間の範囲、及び、コンタクト接続領域R
C4とフックアップ領域R
HUとの間の範囲が、
図4を参照して説明したパターン領域R
PTNとなる。また、各パターン領域R
PTNのX方向の一方側及び他方側の端部に、ダミーメモリホール領域R
DMHが設けられる。
【0125】
メモリダイMD8は、例えば
図33に示す様に、半導体基板100と、半導体基板100上に設けられたトランジスタ層L
TRと、トランジスタ層L
TRの上方に設けられた配線層D0と、配線層D0の上方に設けられた配線層D1と、配線層D1の上方に設けられた配線層D2と、配線層D2の上方に設けられたメモリセルアレイ層L
MCAと、メモリセルアレイ層L
MCAの上方に設けられた配線層M0と、を備える。
【0126】
半導体基板100は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。半導体基板100の表面には、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域と、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域と、N型ウェル領域及びP型ウェル領域が設けられていない半導体基板領域と、絶縁領域100Iと、が設けられている。
【0127】
トランジスタ層LTRは、半導体基板100の上面に設けられた図示しない絶縁層と、この絶縁層の上面に設けられた電極層GCと、を備える。電極層GCは、半導体基板100の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板100の各領域及び電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、コンタクト電極CSに接続されている。
【0128】
半導体基板100のN型ウェル領域、P型ウェル領域及び半導体基板領域は、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域等として機能する。半導体基板100の上面に設けられた図示しない絶縁層は、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート絶縁膜等として機能する。電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極等として機能する。
【0129】
コンタクト電極CSは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板100又は電極gcの上面に接続されている。コンタクト電極CSと半導体基板100との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。コンタクト電極CSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0130】
例えば
図33に示す様に、配線層D0、配線層D1、配線層D2は、それぞれ、複数の配線d0、配線d1、配線d2を含む。これら複数の配線d0,配線d1,配線d2は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。複数の配線d0,配線d1,配線d2は、メモリセルアレイMCA中の構成及び周辺回路PC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0131】
また、メモリセルアレイ層L
MCAのメモリホール領域R
MH及びダミーメモリホール領域R
DMHにおいて、フィンガー構造FSは、
図4~
図8を参照して説明した様な構造を備える。
【0132】
一方、例えば
図35に示す様に、メモリセルアレイ層L
MCAのコンタクト接続領域R
C4において、フィンガー構造FSは、Y方向に並ぶ2つの領域R
C4Aと、これら2つの領域R
C4Aの間に設けられた領域R
C4Bと、を備える。領域R
C4B中の構成は、メモリセルアレイ層L
MCAの下方に設けられた構成と、メモリセルアレイ層L
MCAの上方に設けられた構成と、を電気的に接続する。領域R
C4A中の構成は、領域R
C4Bに対してX方向の一方側に設けられたメモリホール領域R
MHと、X方向の他方側に設けられたメモリホール領域R
MHと、の間で、導電層110を導通させる。また、領域R
C4A,R
C4Bの間には、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層OSTが設けられている。
【0133】
領域R
C4Aは、例えば
図36に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110
C4を備える。導電層110
C4は、X方向に延伸する略板状の層である。導電層110
C4は、
図35に示す様に、メモリホール領域R
MH中に設けられた導電層110と同じ材料を含んで連続的に形成されている。即ち、コンタクト接続領域R
C4に配置された導電層110
C4の部分を含む導電層110は、X方向に並ぶ複数のメモリホール領域R
MH、ダミーメモリホール領域R
DMH及び複数のコンタクト接続領域R
C4にまたがってX方向に延伸している。導電層110
C4の少なくとも一部のY方向における幅は、メモリホール領域R
MH中の導電層110のY方向における幅よりも小さい。
図36に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110
C4の間には、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層101が設けられている。
【0134】
また、
図35に示す様に、領域R
C4Aには、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ複数の支持構造HRが設けられている。
【0135】
領域R
C4Bは、例えば
図36に示す様に、Z方向に並ぶ複数の絶縁層110Aと、これら複数の絶縁層110Aの間の絶縁層101と、Z方向に延伸する複数のコンタクト電極C4と、を備える。
【0136】
絶縁層110Aは、X方向に延伸する略板状の層である。絶縁層110Aは、窒化シリコン(SiN)等を含んでいても良い。絶縁層110AのY方向における側面は、絶縁層OSTと接している。また、
図35に示す様に、絶縁層110AのX方向における側面は、導電層110
C4と接している。
【0137】
コンタクト電極C4は、例えば
図34に示す様に、X方向に複数並んでいる。コンタクト電極C4は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。例えば
図36に示す様に、コンタクト電極C4の外周面は、それぞれ絶縁層110A及び絶縁層101によって囲まれており、これらの絶縁層110A及び絶縁層101に接続されている。
図33に示す様に、コンタクト電極C4はZ方向に延伸し、上端において配線層M0中の配線m0とコンタクト電極Ch,Vyを介して接続され、下端において配線層D2中の配線d2と接続されている。
【0138】
絶縁層OSTは、例えば
図36に示す様に、Z方向に延伸する。絶縁層OSTのY方向における一方側の側面は、Z方向に並ぶ複数の絶縁層110A及び複数の絶縁層101に接する。絶縁層OSTのY方向における他方側の側面は、Z方向に並ぶ複数の導電層110
C4及び複数の絶縁層101に接する。絶縁層OSTの下端は、導電層112に接続されている。
【0139】
例えば、
図33に示す様に、フックアップ領域R
HUには、Z方向に並ぶ複数の導電層110のテラス部Tが設けられている。テラス部Tは、導電層110の上面のうち、上方から見て他の導電層110と重ならない領域である。また、例えば
図33に示す様に、フックアップ領域R
HUは、複数のコンタクト電極CCを備える。コンタクト電極CCは、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。コンタクト電極CCはZ方向に延伸し、上端において配線層M0中の配線m0とコンタクト電極Ch,Vyを介して接続され、下端において導電層110と接続されている。
【0140】
例えば
図33に示す様に、配線層M0に含まれる複数の配線m0は、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びトランジスタ層L
TR中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。これら複数の配線m0は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。複数の配線m0のうち、メモリホール領域R
MHに設けられたものは、ビット線BL(
図3)として機能する。また、複数の配線m0のうち、ダミーメモリホール領域R
DMHに設けられたものは、ダミービット線DBL(
図3)として機能する。
【0141】
ここで、例えば
図37に示す様に、ダミービット線DBLは、コンタクト電極C4を介して、メモリセルアレイ層L
MCAの下方に設けられた配線d0,d1,d2に電気的に接続され、これらを介して、半導体基板100上に設けられたトランジスタTr
DECのドレイン電極に電気的に接続される。また、トランジスタTr
DECのソース電極は、配線d0,d1,d2を介してコンタクト電極C4に接続され、これを介して、外部パッド電極P(V
SS)に電気的に接続される。
【0142】
この様な構成において、ノードN1は、配線層M0に設けても良いし、配線層D0,D1,D2のいずれかに設けても良い。ノードN1を配線層M0に設ける場合、例えば
図38に示す様に、複数のダミービット線DBLと、これらのY方向の端部に接続されたノードN1と、を1つの配線m0として形成することが可能である。この様な構成によれば、複数のダミービット線DBLとトランジスタTr
DECとを電気的に接続するためのコンタクト電極C4の数を削減可能である。
【0143】
尚、第8実施形態に係るメモリダイMD8は、例えば、第1実施形態に係る周辺回路PCを備えるものとして説明したが、同様の構成において、第2実施形態~第7実施形態に係る周辺回路PCを実現することも可能である。ここで、第2実施形態、第4実施形態又は第6実施形態に係る周辺回路PCを実現する場合、ノードN2は、トランジスタTrDEC2のソース電極と、外部パッド電極P又は電流検知回路DECと、の間の電流経路に設けられた配線m0,d0,d1,2のいずれかによって実現される。
【0144】
[第9実施形態]
次に、第9実施形態として、他の構造への適用例について説明する。第9実施形態に係る半導体記憶装置は、例えば、第1実施形態に係る周辺回路PCを備える。
【0145】
図39は、第9実施形態に係るメモリダイMD9の模式的な分解斜視図である。
図40は、メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な底面図である。
図41は、メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な底面図であり、
図40の一部の構成を拡大して示している。
図42は、メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図43は、メモリダイMD9の一部の構成を示す模式的な底面図である。
【0146】
図39に示す通り、メモリダイMD9は、メモリセルアレイMCA(
図3)中の構成を含むチップC
Mと、周辺回路PC(
図3)中の構成を含むチップC
Pと、を備える。
【0147】
チップC
Mの上面には、図示しないボンディングワイヤに接続可能な複数の外部パッド電極P
Xが設けられている。これら複数の外部パッド電極P
Xは、
図2等を参照して説明した複数の外部パッド電極Pに対応している。また、チップC
Mの下面には、複数の貼合電極P
I1が設けられている。また、チップC
Pの上面には、複数の貼合電極P
I2が設けられている。以下、チップC
Mについては、複数の貼合電極P
I1が設けられる面を表面と呼び、複数の外部パッド電極P
Xが設けられる面を裏面と呼ぶ。また、チップC
Pについては、複数の貼合電極P
I2が設けられる面を表面と呼び、表面の反対側の面を裏面と呼ぶ。図示の例において、チップC
Pの表面はチップC
Pの裏面よりも上方に設けられ、チップC
Mの裏面はチップC
Mの表面よりも上方に設けられる。
【0148】
チップCM及びチップCPは、チップCMの表面とチップCPの表面とが対向するよう配置される。複数の貼合電極PI1は、複数の貼合電極PI2にそれぞれ対応して設けられ、複数の貼合電極PI2に貼合可能な位置に配置される。貼合電極PI1と貼合電極PI2とは、チップCMとチップCPとを貼合し、かつ電気的に導通させるための部材として機能する。
【0149】
尚、
図39の例において、チップC
Mの角部a1、a2、a3、a4は、それぞれ、チップC
Pの角部b1、b2、b3、b4と対応する。
【0150】
チップC
Mは、例えば
図40に示す様に、X方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域R
MCA9を備える。また、チップC
MのY方向の端部には、周辺領域R
P9が設けられている。周辺領域R
P9は、X方向に並ぶ複数の入出力領域R
IOを備える。
【0151】
メモリセルアレイ領域R
MCA9は、例えば
図41に示す様に、Y方向に並ぶ複数のフィンガー構造FSを備えている。
【0152】
また、メモリセルアレイ領域RMCA9は、X方向に並ぶ2つのメモリホール領域RMHと、これらメモリホール領域RMHの間に設けられた2つのフックアップ領域RHUと、を備える。
【0153】
第9実施形態では、メモリセルアレイ領域R
MCAの端部とフックアップ領域R
HUとの間の範囲が、
図4を参照して説明したパターン領域R
PTNとなる。また、各パターン領域R
PTNのX方向の一方側及び他方側の端部に、ダミーメモリホール領域R
DMHが設けられる。
【0154】
チップC
Mは、例えば
図42に示す様に、基体構造L
SBと、基体構造L
SBの下方に設けられたメモリセルアレイ層L
MCA9と、メモリセルアレイ層L
MCA9の下方に設けられた複数の配線層M0,M1,MBと、を備える。
【0155】
メモリセルアレイ層L
MCA9のメモリホール領域R
MH及びダミーメモリホール領域R
DMHにおいて、フィンガー構造FSは、
図4~
図8を参照して説明した様な構造を備える。ただし、製造工程上の都合から、本実施形態に係るフィンガー構造FS中の構成は、例えば、第8実施形態に係るフィンガー構造FS中の構成と、上下反対に形成されている。また、
図42の例において、導電層112は、メモリセルアレイ層L
MCA9ではなく、基体構造L
SBに含まれている。
【0156】
メモリセルアレイ層LMCA9の入出力領域RIOは、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層103と、絶縁層103を貫通してZ方向に延伸するコンタクト電極CCと、を備える。
【0157】
基体構造LSBは、メモリセルアレイ層LMCA9の上面に設けられた導電層112を含む。また、基体構造LSBは、導電層112の上面に設けられた絶縁層115と、絶縁層115の上面に設けられた裏面配線層MAと、裏面配線層MAの上面に設けられた絶縁層116と、を備える。
【0158】
本実施形態において、導電層112は、X方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域R
MCA9(
図40)に対応して4つ設けられている。メモリセルアレイ領域R
MCA9のX方向及びY方向の端部には、導電層112を含まない領域VZが設けられている。
【0159】
絶縁層115は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を含む。
【0160】
裏面配線層MAは、複数の配線maを含む。これら複数の配線maは、例えば、アルミニウム(Al)等を含んでいても良い。
【0161】
メモリセルアレイ領域R
MCA9では、複数の配線maのうちの一部が、導電層112に電気的に接続されてNANDフラッシュメモリのソース線SL(
図3)の一部として機能しても良い。この様な配線maは、X方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域R
MCA9(
図40)に対応して4つ設けられても良い。
【0162】
入出力領域RIOでは、複数の配線maのうちの一部が、外部パッド電極PXとして機能する。この配線maの一部は、絶縁層115を介して導電層112の上方に設けられ、絶縁層116に設けられた開口TVを介してメモリダイMD9の外部に露出する。また、この配線maの他の一部は、導電層112を含まない領域VZに設けられており、絶縁層103の上面及びコンタクト電極CCの上端に接続されている。
【0163】
絶縁層116は、例えば、ポリイミド等の樹脂材料を上層部に含むパッシベーション層である。
【0164】
配線層M0,M1,MBに含まれる複数の配線や電極は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA9中の構成及びチップCP中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0165】
配線層M0は、
図33等を参照して説明した配線層M0と同様に構成されている。
【0166】
配線層M1は、例えば
図42に示す様に、複数の配線m1を含む。これら複数の配線m1は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0167】
配線層MBは、複数の貼合電極PI1を含む。これら複数の貼合電極PI1は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜pI1B及び銅(Cu)等の金属膜pI1Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0168】
チップC
Pは、例えば
図42に示す様に、半導体基板200と、半導体基板200の上方に設けられた電極層GCと、電極層GCの上方に設けられた配線層D0,D1,D2,D3,D4,DBと、を備える。
【0169】
半導体基板200は、
図33等を参照して説明した半導体基板100と同様に構成されている。
【0170】
電極層GCは、
図33等を参照して説明した電極層GCと同様に構成されている。
【0171】
例えば
図42に示す様に、配線層D0,D1,D2,D3,D4,DBに含まれる複数の配線や電極は、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA9中の構成及びチップC
P9中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0172】
配線層D0,D1,D2は、
図33等を参照して説明した配線層D0,D1,D2と同様に構成されている。
【0173】
配線層D3,D4は、それぞれ、複数の配線d3,d4を含む。これら複数の配線d3,d4は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0174】
配線層DBは、複数の貼合電極PI2を含む。これら複数の貼合電極PI2は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜pI2B及び銅(Cu)等の金属膜pI2Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0175】
ここで、貼合電極PI1と貼合電極PI2とに銅(Cu)等の金属膜pI1M,pI2Mを用いると、金属膜pI1Mと金属膜pI2Mとが一体化して、互いの境界の確認が困難となる。但し、貼り合せの位置ずれによる貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた形状の歪み、バリア導電膜pI1B,pI2Bの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合せ構造が確認できる。また、貼合電極PI1及び貼合電極PI2をダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパー形状を有する。このため、貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形形状となる。また、貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた場合、これらを形成する各Cuの底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、一般的なCuを用いた配線層では、Cuの上面にCuの酸化防止機能を有する絶縁層(SiNまたはSiCN等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合せの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0176】
本実施形態においては、ダミービット線DBLは、配線m1、貼合電極PI1,PI2、及び、配線d0~d4を介して、半導体基板200上に設けられたトランジスタTrDECのドレイン電極に電気的に接続される。また、トランジスタTrDECのソース電極は、配線d0~d4、貼合電極PI2,PI1、配線m1,m0及びコンタクト電極CCを介して、外部パッド電極P(VSS)に電気的に接続される。
【0177】
この様な構成において、ノードN1は、配線層M0,M1のいずれかに設けても良いし、配線層D0~D4のいずれかに設けても良い。ノードN1を配線層M0に設ける場合、例えば
図38を参照して説明した様に、複数のダミービット線DBLと、これらのY方向の端部に接続されたノードN1と、を1つの配線m0として形成することが可能である。この様な構成によれば、複数のダミービット線DBLとトランジスタTr
DECとを電気的に接続するための貼合電極P
I1,P
I2の数を削減可能である。また、ノードN1を配線層M1に設ける場合、例えば
図43に示す様に、配線層M1に、X方向に延伸し、複数のダミービット線DBLと重なる位置に設けられた配線m1を設け、これをノードN1とすることが可能である。
【0178】
尚、第9実施形態に係るメモリダイMD9は、例えば、第1実施形態に係る周辺回路PCを備えるものとして説明したが、同様の構成において、第2実施形態~第7実施形態に係る周辺回路PCを実現することも可能である。ここで、第2実施形態、第4実施形態又は第6実施形態に係る周辺回路PCを実現する場合、ノードN2は、トランジスタTrDEC2のソース電極と、外部パッド電極PX又は電流検知回路DECと、の間の電流経路に設けられた配線m0,m1,d0,d1,d2,d3,d4のいずれかによって実現される。
【0179】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第9実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成、動作等は適宜調整可能である。
【0180】
例えば、第1実施形態~第9実施形態において、Z方向に並ぶ導電層110の数や、フィンガー構造FSに含まれる半導体柱120の数等は、適宜調整可能である。また、第1実施形態~第9実施形態に係るメモリダイMD,MD8,MD9に含まれる配線層(例えば、
図33に例示する配線層D0,D1,D2,M0、又は、
図42に例示する配線層D0,D1,D2,D3,D4,DB,M0,M1,MB)の数等も、適宜調整可能である。
【0181】
更に、例えば、
図11、
図26又は
図28に示す様な構成において、複数のダミービット線DBLを複数のグループに分けて、共通のグループに属するダミービット線DBLを共通のノードN1及びトランジスタTr
DECに電気的に接続することも可能である。これにより、1つのトランジスタTr
DECに流れる電流の最大値を小さくしつつ、回路面積を抑えることが可能である。
【0182】
また、例えば、
図11、及び、
図25~
図29のいずれかに示す様な構成において、複数のダミービット線DBLを複数のグループに分けて、異なるグループ間で、トランジスタTr
DEC,Tr
DEC2の信号を、独立して制御出来る様な構成を採用することも可能である。これにより、不良個所の特定を、比較的容易に行うことが可能となる。
【0183】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0184】
100…半導体基板、110…導電層、120…半導体柱、130…ゲート絶縁膜、131…トンネル絶縁膜、132…電荷蓄積膜、133…ブロック絶縁膜、MCA…メモリセルアレイ、BLK…メモリブロック、SU…ストリングユニット、MS…メモリストリング、MC…メモリセル、STD,STS…選択トランジスタ、DMS…ダミーメモリストリング、DTr…ダミートランジスタ、BL…ビット線、DBL…ダミービット線、WL…ワード線、SGD,SGS…選択ゲート線、SAU…センスアンプユニット、N1…ノード、TrDEC…トランジスタ、P…外部パッド電極。