(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136346
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ケース組立体の梱包方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20240927BHJP
B65D 85/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65D81/05 100
B65D85/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047441
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】内倉 健
【テーマコード(参考)】
3E066
3E068
【Fターム(参考)】
3E066AA12
3E066CA01
3E066FA05
3E066GA06
3E066HA01
3E066JA03
3E066MA09
3E066NA29
3E068AA30
3E068AB08
3E068AB09
3E068AC02
3E068BB01
3E068CC04
3E068CD01
3E068CE02
3E068CE04
3E068DD14
3E068DD40
3E068DE12
3E068EE09
(57)【要約】
【課題】
ケース組立体の搬送時のケース変形を防止する。
【解決手段】
箱状の梱包材2の下面20に緩衝材3を載置し、左右のブラケット4を含むケース組立体1を緩衝材3に載置した状態で梱包材2で梱包する方法であって、ブラケット4は、ケース側面に位置する側面部40と、側面部40の周縁の複数の折り曲げ辺41~44と、側面部40から当該側面部40に沿って延出する延出片47と、を備え、緩衝材3の上面30において、延出片47の縁部470が近接ないし当接する部位には、突き破り防止手段としてのフィラメントテープ9が設けてあり、左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41の面部を緩衝材3の上面に載置する時に、延出片47の縁部470がフィラメントテープ9に位置するように梱包する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のブラケットを含むケース組立体を収納する箱状の梱包材の下面に緩衝材を載置し、
前記ケース組立体を、前記緩衝材に載置した状態で前記梱包材で梱包する方法であって、
前記ブラケットは、ケース側面に位置する側面部と、前記側面部の周縁の複数の折り曲げ辺と、前記側面部から当該側面部に沿って延出する延出片と、を備え、前記折り曲げ辺及び前記延出片は、それぞれ、面部と、縁部と、を備え、
前記ケース組立体を前記緩衝材に載置する時に、前記左右のブラケットの折り曲げ辺の面部を前記緩衝材の上面に載置させ、
前記緩衝材の上面において、少なくとも、前記延出片の縁部が近接ないし当接する部位には、突き破り防止手段が設けてあり、前記ケース組立体を緩衝材に載置する時に、前記延出片の縁部が前記突き破り防止手段に位置するように梱包したことを特徴とする、ケース組立体の梱包方法。
【請求項2】
前記緩衝材に載置される折り曲げ辺の面部と前記延出片の面部は互いに垂直である、
請求項1に記載のケース組立体の梱包方法。
【請求項3】
前記突き破り防止手段は、前記緩衝材の上面に接着されたフィラメントテープである、
請求項1、2いずれか1項に記載のケース組立体の梱包方法。
【請求項4】
前記延出片は、フィラメントテープの繊維の方向に対して交差している、
請求項3に記載のケース組立体の梱包方法。
【請求項5】
左右のブラケットを含むケース組立体を収納する箱状の梱包材の下面に緩衝材を載置し、
前記ケース組立体を、前記緩衝材に載置した状態で前記梱包材で梱包する方法であって、
前記ブラケットは、ケース側面に位置する側面部と、前記側面部の周縁の複数の折り曲げ辺と、前記側面部から当該側面部に沿って延出する延出片と、を備え、緩衝材に載置される折り曲げ辺として選択された折り曲げ辺の面部と前記延出片の面部は互いに垂直であり、
前記延出片の面部の縁には、前記選択された折り曲げ辺の面部と略面一の第2面部が突き破り防止手段として形成されており、
前記ケース組立体を前記緩衝材に載置する時に、前記選択された折り曲げ辺の面部及び前記延出片の第2面部を前記緩衝材の上面に載置させた状態で梱包したことを特徴とする、ケース組立体の梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース組立体の梱包方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓シャッターは、開口部左右に立設されるガイドレール、開口部を開閉するシャッターカーテン、シャッターカーテンの上端が固定され、当該シャッターカーテンが巻装される巻取シャフト、巻取シャフトの長さ方向両端を支持する左右のブラケット、開口部上方に設けられ、巻取シャフトに巻装されたシャッターカーテンを収納するシャッターケース等から構成されている。窓シャッターは、工場から出荷された構成部品を現場で開口部に設置することで構成されるが、シャッターカーテン、巻取シャフト、左右のブラケット、シャッターケース等からなるユニット、すなわちケース組立体として工場で用意されて、現場に搬入される。
【0003】
ケース組立体は、典型的には段ボールから形成された梱包材に緩衝材を介して梱包された状態で搬送されるが、搬送時の荷扱い等によっては、ブラケットが緩衝材及び梱包材を突き破った状態で納入される事象が発生しており、ブラケットによる梱包材の突き破りに付随してケース板の変形が発生するおそれがあり、その場合、ケース板の交換が必要となることも考えられる。
【0004】
特許文献1には、ロールスクリーンの梱包に用いる口ールスクリーン端部用保護材が開示されており、左右のサイドプレート全体を覆うように口ールスクリーン端部用保護材が取り付けられるが、このような口ールスクリーン端部用保護材を用いることは、梱包の手間やコスト増を招くおそれがある。
【特許文献1】特開2009-197491
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ケース組立体の搬送時のケース変形を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
左右のブラケットを含むケース組立体を収納する箱状の梱包材の下面に緩衝材を載置し、
前記ケース組立体を、前記緩衝材に載置した状態で前記梱包材で梱包する方法であって、
前記ブラケットは、ケース側面に位置する側面部と、前記側面部の周縁の複数の折り曲げ辺と、前記側面部から当該側面部に沿って延出する延出片と、を備え、前記折り曲げ辺及び前記延出片は、それぞれ、面部と、縁部と、を備え、
前記ケース組立体を前記緩衝材に載置する時に、前記左右のブラケットの折り曲げ辺の面部を前記緩衝材の上面に載置させ、
前記緩衝材の上面において、少なくとも、前記延出片の縁部が近接ないし当接する部位には、突き破り防止手段が設けてあり、前記ケース組立体を緩衝材に載置する時に、前記延出片の縁部が前記突き破り防止手段に位置するように梱包したことを特徴とする、ケース組立体の梱包方法、である。
【0007】
1つの態様では、前記緩衝材は発泡スチロールである。
1つの態様では、前記梱包材は段ボールである。
1つの態様では、躯体に固定される折り曲げ辺(後側折り曲げ片)が、緩衝材の上面に載置される。
1つの態様では、ケース板は、側面ケース板を備え、前記ケース組立体を前記緩衝材に載置する時に、前記左右のブラケットの折り曲げ辺の面部に加えて、左右の側面ケース板の後側部位を前記緩衝材の上面に載置させる。
【0008】
1つの態様では、前記緩衝材に載置される折り曲げ辺の面部と前記延出片の面部は互いに垂直である。
【0009】
1つの態様では、前記突き破り防止手段は、前記緩衝材の上面に設けた補強シートないしフィルムであり、緩衝材(例えば、発泡スチロール)よりも大きいせん断強度を有している。
1つの態様では、前記突き破り防止手段は、前記緩衝材の上面に接着されたフィラメントテープである。
1つの態様では、前記延出片は、フィラメントテープの繊維の方向に対して交差している。
【0010】
本発明が採用した他の技術手段は、
左右のブラケットを含むケース組立体を収納する箱状の梱包材の下面に緩衝材を載置し、
前記ケース組立体を、前記緩衝材に載置した状態で前記梱包材で梱包する方法であって、
前記ブラケットは、ケース側面に位置する側面部と、前記側面部の周縁の複数の折り曲げ辺と、前記側面部から当該側面部に沿って延出する延出片と、を備え、緩衝材に載置される折り曲げ辺として選択された折り曲げ辺の面部と前記延出片の面部は互いに垂直であり、
前記延出片の面部の縁には、前記選択された折り曲げ辺の面部と略面一の第2面部が突き破り防止手段として形成されており、
前記ケース組立体を前記緩衝材に載置する時に、前記選択された折り曲げ辺の面部及び前記延出片の第2面部を前記緩衝材の上面に載置させた状態で梱包したことを特徴とする、ケース組立体の梱包方法、である。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、左右のブラケットを含むケース組立体を収納する箱状の梱包材の下面に緩衝材を載置し、前記ケース組立体を、前記緩衝材に載置した状態で前記梱包材で梱包する方法において、ブラケットの延出片が前記緩衝材を突き破ることを防止する突き破り防止手段を採用することで、搬送時の緩衝材および梱包材の突き破りを防止し、突き破りに付随するケース変形を可及的に防止する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る梱包方法を説明する図である。
【
図4】本実施形態(第1実施例)に係る梱包状態を示す縦断面図である。
【
図5】本実施形態(第1実施例)に係る梱包状態を示す平面図であり、開口幅方向の一方においては、ブラケットと緩衝材との関係のみを示している。
【
図6】第1実施例に係る梱包状態におけるブラケットと緩衝材との関係を示す図である。
【
図7】第2実施例に係る梱包状態におけるブラケットと緩衝材との関係を示す図である。
【
図8】従来の梱包状態におけるブラケットと緩衝材との関係を示す図である。
図8において、「上下前後外内」は、ブラケットが躯体に取り付けられた姿勢に基づく位置関係を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[A]窓シャッターのケース組立体の梱包
本実施形態は、窓シャッターのケース組立体1の梱包方法に関するものであり、詳しくは、箱状の梱包材2の下面20に緩衝材3を載置し、ケース組立体1を、緩衝材3に載置した状態で梱包材2で梱包する方法に関するものである(
図1参照)。本明細書において、ケース組立体1の各構成要素の相対的な位置や向きは、ケース組立体1が開口部上方の躯体に取り付けられた姿勢を基準とする点に留意されたい(
図8参照)。
【0014】
図1、
図4、
図5に示すように、ケース組立体1は、左右のブラケット4と、左右のブラケット4間で延びる巻取シャフト5と、巻取シャフト5に巻装されたシャッターカーテン6と、左右のブラケット4間で延びるアングル材7及び開閉機取付台7´と、シャッターケース8と、開閉機Mと、から構成されたユニットである。
【0015】
図8に示すように、ブラケット4は、板状の側面部40と、側面部の周縁の複数の折り曲げ辺と、からなる。より具体的には、ブラケット4の側面部40の後側には後側折り曲げ辺41が形成され、側面部40の傾斜状の上端には上側折り曲げ辺42が形成され、側面部40の前端には、第1前側折り曲げ辺43と第2前側折り曲げ辺44が形成され、側面部40の下端には第1折り曲げ辺45、第2折り曲げ辺46が形成されている。
【0016】
ブラケット4の側面部40の下端には後側に位置して、延出片47が下方に向かって延びている。延出片47は、面部と、面部の三方の縁部(ブラケット4の後側に位置する後側縁部を縁部470とする)と、からなる。本実施形態において、ブラケット4の後側折り曲げ辺41の面部(ブラケット4が躯体に取り付けられた姿勢では見付面)と、延出片47の面部(ブラケット4が躯体に取り付けられた姿勢では見込面)は互いに垂直である。
【0017】
本実施形態では、側面部40の後側の下方部位と延出片47の上方部位は、傾斜辺400を介して連続しており、延出片47の面部を通る面(ブラケット4が躯体に取り付けられた姿勢では垂直面)と、ブラケット4の側面部40を通る面(ブラケット4が躯体に取り付けられた姿勢では垂直面)は平行している。傾斜辺400は、下方に向かって外側に傾斜しており、延出片47の面部は、ブラケット4の側面部40に対して外側に位置している(
図5参照)。延出片47の後側の縁部470は、ブラケット4の側面部40の後側の縁を通る面(ブラケット4が躯体に取り付けられた姿勢では垂直面)、すなわち、後側折り曲げ辺41よりも前側(ブラケット4が躯体に取り付けられた姿勢では躯体から離間する側)に位置している。
【0018】
左右のブラケット4間は複数本の長尺部材、いわゆるアングル材7(70、71、72、73)で連結されている。左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41の上端間には、第1アングル材70が架け渡してあり、第1前側折り曲げ辺43の上端間には、第2アングル材71が架け渡してあり、第2前側折り曲げ辺44の下端間には、第3アングル材72が架け渡してあり、第2折り曲げ辺46間には、第4アングル材73が架け渡してある。本実施形態では、アングル材7の長さ方向端部は、リベットによってブラケット4に連結されているが、アングル材7の固定手段は限定されず、例えば溶接でもよい。左右のブラケット4の前側の下方部位の間には、開閉機取付台7´が固定されており、開閉機取付台7´の長さ方向の一側に開閉機Mが取り付けられる。
【0019】
シャッターケース8は、ケース上面板80と、ケース正面板81と、ケース下面板82と、左右のケース側面板83と、からなり、後面側は開口状となっている。本実施形態に係るシャッターケース8は、ケース上面板80と、ケース正面板81と、ケース下面板82と、左右のケース側面板83と、から箱状(シャッターケース8の後面側は開口状となっている)に構成されている。
【0020】
シャッターケース8を、左右のブラケット4、左右のブラケット4間に支持された巻取シャフト5に巻装されたシャッターカーテン6、左右のブラケット4間に支持されたアングル材7(70~73)、開閉機取付台7´及び開閉機Mを内装するように左右のブラケット4及びアングル材7に被せて螺子で固定することでケース組立体1が形成されている。ケース組立体1において、後面側は巻取シャフト5に巻装されたシャッターカーテン6が露出しており、ケース組立体1は、長さ方向の複数箇所で接着テープ9´によって仮保持されている(
図1参照)。接着テープ9´としてフィラメントテープを用いてもよい。なお、本実施形態において、ケース側面板83の下方部位には折り曲げ片(図示せず)が形成されており、この折り曲げ片とブラケット4の第1折り曲げ辺45がリベットで固定されている。
【0021】
ケース組立体1において、ケース側面板83がブラケット4の側面部40の外側に位置しており、ケース側面板83の下端部位とケース側面板83の下端の折り返し片830との間に延出片47の下端部位が係止されている。ケース組立体1において、延出片47の縁部470は、ケース側面板83の後側の縁部831よりも内側に位置している。ケース組立体1において、開閉機Mから延びる電線Wは、シャッターケース8の外側に位置していてもよい(
図1参照)。
【0022】
[A-3]梱包材
梱包材2は、長尺状の箱体であり、下面20と、第1見付面21と、第2見付面22と、第1見込面23と、第2見込面24と、を備え、上面25は、第1見付面21の上端に回動可能に設けた第1部分250と、第2見付面22の上端に回動可能に設けた第2部分251と、第1見込面23の上端に回動可能に設けた第3部分252と、第2見込面24の上端の第4部分253と、からなる。本実施形態に係る梱包材2は、段ボールであるが、梱包材2の材質は限定されない。
【0023】
緩衝材3は、所定厚を備えた方形状の板体であり、図示の態様では、梱包材2の下面20の長さ方向両端及び中央に位置して、3枚の緩衝材3が載置される。本実施形態に係る緩衝材3は発泡スチロールであるが、緩衝材3の材料は発泡スチロールに限定されない。緩衝材3の見込幅は、梱包材2の内部空間の見込幅、すなわち、下面20の見込幅(短尺方向の幅寸法)と略同じである。
【0024】
[A-4]梱包体
ケース組立体1を、梱包材2の下面20に設けた3枚の緩衝材3上に載置する。より具体的には、左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41を左右の緩衝材3の上面30に載せ、シャッターケース8の左右のケース側面板83の後側の縁部831を左右の緩衝材3の上面30に近接もしくは当接させ、巻取シャフト5に巻装されたシャッターカーテン6の下方部位のスラットや下端の座板60、左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41の上端間に延設した第1アングル材70を、左右及び中央の緩衝材3の上面30に載せる。
【0025】
ケース組立体1を、梱包材2の下面20に設けた3枚の緩衝材3上に載置した状態において、ブラケット4の延出片47の縁部470は、緩衝材3の上面30に近接している。
【0026】
図8に示す従来例において、ケース組立体1が緩衝材3の上面30に載置されて梱包材2に内装された梱包状態で搬送される時に、荷扱いによって梱包体(ケース組立体1+梱包材2)に力が作用した時に、ケース組立体1の延出片47の縁部(エッジ)470が緩衝材3の上面30に局所的に押し付けられ(単位面積でより大きい力が作用する)、緩衝材3及び梱包材2の下面20を突き破ってしまう場合があり、ブラケット4による梱包材2の突き破りに付随してシャッターケース8の変形が発生するおそれがある。
【0027】
本実施形態では、延出片47による緩衝材3の突き破り防止手段を採用することで、ケース組立体1の搬送時のケース変形を防止する。本実施形態に係る突き破り防止手段は、緩衝材3の材質(発泡スチロール)を変えるものではなく、既存の緩衝材3を用いることができる。1つの態様では、突き破り防止手段は、緩衝材3の上面30に設けた補強シート(鋼製プレートを含む)ないしフィルムであり、緩衝材(例えば、発泡スチロール)よりも大きいせん断強度を有している。1つの態様では、突き破り防止手段は、ブラケット4の形状によって構成される。
【0028】
[B]第1実施例
第1実施例は、突き破り防止手段を構成する補強テープとして、フィラメントテープ9を採用する。
図1、
図4~
図6に示すように、梱包材2の下面20の長さ方向両端に載置される緩衝材3の上面30において、ブラケット4の延出片47の縁部470が近接する部位には、突き破り防止手段としてフィラメントテープ9が接着されている。フィラメントテープ9は緩衝材3の上面30の見付方向(左右幅方向)に延びており、フィラメントテープの繊維の方向も上面30の見付方向に延びている。延出片47は、緩衝材3の上面30の見込方向(短尺方向)に延びており、フィラメントテープの繊維の方向に対して交差している。
【0029】
図1に示すように、ケース組立体1を収納する箱状の梱包材2の下面20に3枚の緩衝材3を載置する。下面20の長さ方向両端部位にそれぞれ1枚の緩衝材3を載置し、下面20の長さ方向中央部位に1枚の緩衝材3を載置する。ケース組立体1を緩衝材3に載置する時に、左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41の面部を左右の緩衝材3の上面30に載置する。また、ケース組立体1を緩衝材3に載置する時に、巻取シャフト5に巻装されたシャッターカーテン6の下方部位のスラットや下端の座板60、左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41の上端間に延設した第1アングル材70が緩衝材3の上面30に載置される。
【0030】
左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41の面部を左右の緩衝材3の上面30に載置した時に、延出片47の縁部470が、フィラメントテープ9に近接している。なお、延出片47の形状は図示の形態に限定されるものではなく、また、延出片47がフィラメントテープ9に当接していてもよい。図示の態様では、平面視(
図5参照)において、延出片47がフィラメントテープ9の幅内に収まっているが、延出片47の先端(下端)が部分的にフィラメントテープ9の外側に位置していてもよい(突き破り防止効果はある)。
【0031】
ケース組立体1の搬送時に、延出片47よりも左右のケース側面板83の後側の縁部831が先にフィラメントテープ9に当接し、さらにケース側面板83が若干撓むことで、延出片47の縁部470がフィラメントテープ9及び緩衝材3を押し付ける場合があり得るが、この時、フィラメントテープ9が押し付け力に対抗することで、延出片47が発泡スチロールからなる緩衝材3を突き破ることがなく、緩衝材3が突き破られることがないので、段ボールからなる梱包材2の下面20が突き破られることがない。ケース組立体1は梱包材2に整然と梱包された状態で搬送され、突き破りに付随するケース変形が可及的に防止される。
【0032】
[C]第2実施例
第2実施例は、ブラケット4の形状(第2面部48)によって、突き破り防止手段を構成する。
図7に示すように、延出片47の面部の縁には、後側折り曲げ辺41の面部と略面一の第2面部48が形成されており、ケース組立体1を緩衝材3に載置する時に、左右のブラケット4の後側折り曲げ辺41の面部及び延出片47の第2面部48を、左右の緩衝材3の上面30に載置させた状態で梱包する。
【0033】
第2実施例では、延出片47の第2面部48が緩衝材3の上面30に面当接しているので、延出片47の縁部(エッジ)470に比べて接触面積が大きく、ケース組立体1の搬送時に、延出片47の第2面部48が緩衝材3の上面30に押し付ける力が作用した場合に、押し付け力は分散されて緩衝材3に作用するので(単位面積でより小さい力が作用する)、延出片47が発泡スチロールからなる緩衝材3を突き破ることがなく、緩衝材3が突き破られることがないので、段ボールからなる梱包材2の下面20が突き破られることがない。ケース組立体1は梱包材2に整然と梱包された状態で搬送され、突き破りに付随するケース変形が可及的に防止される。
【符号の説明】
【0034】
1 ケース組立体
2 梱包材
3 緩衝材
30 上面
4 ブラケット
40 側面部
41 後側折り曲げ辺
42 上側折り曲げ辺
43 第1前側折り曲げ辺
44 第2前側折り曲げ辺
47 延出片
48 第2面部
470 縁部
9 フィラメントテープ