(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136380
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 99/00 20230101AFI20240927BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240927BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240927BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H10B99/00 481
H10B43/27
H10B41/27
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047477
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 良輔
(72)【発明者】
【氏名】吉見 光平
(72)【発明者】
【氏名】中島 博臣
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP24
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER14
5F083ER19
5F083GA10
5F083JA01
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083ZA29
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】 制御チップに設けられた回路とメモリチップに設けられたパッド部との間を電気的に低抵抗で接続することが可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリ動作を行う第1のチップ100と、第1のチップのメモリ動作を制御する第2のチップ200とを備える。第1のチップは、複数の導電層111を含む積層体110と、複数のピラー構造120と、それぞれが、積層体内を第1の方向及び第2の方向に延伸し且つ導電材料で形成された第1の導電部分131を含む複数の区画構造130と、ボンディングに用いられるパッド部160と、パッド部と第2のチップに含まれる回路とを電気的に接続する接続構造170であって、第1の方向並びに第2の方向及び第3の方向の一方に延伸し且つ前記導電材料で形成された第2の導電部分171を含む第1の壁状部分170yを含む接続構造と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面及び第2の主面を有し、メモリ動作を行う第1のチップと、
前記第1のチップの前記第1の主面に貼り合わせられ、前記第1のチップのメモリ動作を制御する第2のチップと、
を備える半導体記憶装置であって、
前記第1のチップは、
第1の方向に互いに離間して積層された複数の導電層を含む積層体と、
それぞれが、前記積層体内を前記第1の方向に延伸する半導体層を含む複数のピラー構造と、
それぞれが、前記積層体内を前記第1の方向及び前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸し且つ導電材料で形成された第1の導電部分を含み、前記複数のピラー構造を前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向で複数のブロックに区画する複数の区画構造と、
前記第2の主面側に設けられ、ボンディングに用いられるパッド部と、
前記パッド部と前記第2のチップに含まれる回路とを電気的に接続する接続構造であって、前記第1の方向並びに前記第2の方向及び前記第3の方向の一方に延伸し且つ前記導電材料で形成された第2の導電部分を含む第1の壁状部分を含む接続構造と、
を備える
ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記接続構造は、前記第1の方向並びに前記第2の方向及び前記第3の方向の他方に延伸し且つ前記導電材料で形成された第3の導電部分を含む第2の壁状部分をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1の壁状部分と前記第2の壁状部分とは互いに離間して設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1の壁状部分と前記第2の壁状部分とは連続的に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数の区画構造のそれぞれは、絶縁材料で形成され且つ前記第1の導電部分の側面に沿って設けられた第1の絶縁部分をさらに含み、
前記第1の壁状部分は、前記絶縁材料で形成され且つ前記第2の導電部分の側面に沿って設けられた第2の絶縁部分をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1のチップは、前記第2の主面側に設けられ且つ開口を有する絶縁層をさらに備え、
前記パッド部は、前記開口の底部の位置に対応して設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1のチップは、前記パッド部から前記第2の主面に平行な方向に延伸する延伸部をさらに含み、
前記接続構造は、前記延伸部に物理的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記接続構造は、前記パッド部に物理的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1の方向から見て、前記接続構造は前記パッド部の外周に沿って設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1のチップは、前記第1の方向から見て前記積層体が設けられた領域とは異なる位置に設けられた接続領域をさらに含み、
前記接続構造は、前記接続領域の絶縁領域内を延伸している
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1のチップは、
前記第1の主面側に設けられ、前記第2のチップに接続された接続電極と、
前記接続構造と前記接続電極との間に接続された配線構造をさらに備え、
前記パッド部と前記第2のチップに含まれる前記回路とは、前記接続構造、前記配線構造及び前記接続電極を介して電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記積層体は、前記第1の方向に交互に積層された前記複数の導電層及び複数の絶縁層を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ動作を行うメモリチップと、メモリチップのメモリ動作を制御する制御チップとが貼り合わされた構造を有する半導体記憶装置が提案されている。このような貼り合わせチップで形成された半導体記憶装置では、制御チップに設けられた回路がメモリチップに設けられたパッド部を介して外部と電気的に接続される構造を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-148071号公報
【特許文献2】特開2020-141100号公報
【特許文献3】特開2022-050956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
制御チップに設けられた回路とメモリチップに設けられたパッド部との間を電気的に低抵抗で接続することが可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、第1の主面及び第2の主面を有し、メモリ動作を行う第1のチップと、前記第1のチップの前記第1の主面に貼り合わせられ、前記第1のチップのメモリ動作を制御する第2のチップと、を備える半導体記憶装置であって、前記第1のチップは、第1の方向に互いに離間して積層された複数の導電層を含む積層体と、それぞれが、前記積層体内を前記第1の方向に延伸する半導体層を含む複数のピラー構造と、それぞれが、前記積層体内を前記第1の方向及び前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸し且つ導電材料で形成された第1の導電部分を含み、前記複数のピラー構造を前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向で複数のブロックに区画する複数の区画構造と、前記第2の主面側に設けられ、ボンディングに用いられるパッド部と、前記パッド部と前記第2のチップに含まれる回路とを電気的に接続する接続構造であって、前記第1の方向並びに前記第2の方向及び前記第3の方向の一方に延伸し且つ前記導電材料で形成された第2の導電部分を含む第1の壁状部分を含む接続構造と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれるメモリチップの構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図3】第1の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれるピラー構造の構成を模式的に示した断面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれるピラー構造の構成を模式的に示した断面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれる接続構造の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図6】第1の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれる接続構造の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図7】第1の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれる接続構造の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図8】第1の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれる接続構造の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図9】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
【
図10】第2の実施形態に係る半導体記憶装置に含まれるメモリチップの構成を模式的に示した平面パターン図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る3次元構造を有するNAND型の不揮発性半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図2は、
図1に示した半導体記憶装置に含まれるメモリチップ100の構成を模式的に示した平面パターン図であり、
図1に示した領域に対応する領域の平面パターン図である。
【0009】
なお、
図1等に示されたX方向、Y方向及びZ方向は互いに交差する方向である。具体的には、X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交している。
【0010】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリ動作を行うメモリチップ(第1のチップ)100と、メモリチップ100のメモリ動作を制御する制御チップ(第2のチップ)200とを含んでいる。メモリチップ100の第1の主面と制御チップ200の第1の主面とが互いに貼り合わせられ、1つの半導体チップが形成されている。
【0011】
メモリチップ100は、メモリ領域100a及び接続領域100bを含んでいる。
【0012】
メモリ領域100aは、積層体110、複数のピラー構造120、複数の区画構造130、下部領域140及び上部領域150等を含んでいる。
【0013】
積層体110は、Z方向に互いに離間して積層された複数の導電層111を含んでいる。より具体的には、積層体110は、Z方向に交互に積層された複数の導電層111及び複数の絶縁層112を含んでいる。
【0014】
各導電層111は、NANDストリングに対するワード線又は選択ゲート線として機能する。NANDストリングは、1以上の下部選択トランジスタと、1以上の上部選択トランジスタと、1以上の下部選択トランジスタと1以上の上部選択トランジスタとの間に設けられた複数のメモリセルとがZ方向に積層された構造を有している。各絶縁層112は隣接する導電層111間を絶縁する機能を有している。導電層111はタングステン等の金属材料で形成され、絶縁層112はシリコン酸化物等の絶縁材料で形成されている。最下の導電層111を含む1以上の導電層111が下部選択ゲート線として機能し、最上の導電層111を含む1以上の導電層111が上部選択ゲート線として機能する。また、最下の導電層111を含む1以上の導電層111と最上の導電層111を含む1以上の導電層111との間に設けられた複数の導電層111がワード線として機能する。
【0015】
複数のピラー構造120はX方向及びY方向に配列されており、各ピラー構造120は積層体110内をZ方向に延伸している。
【0016】
各ピラー構造120は、NANDストリング用に用いられる。すなわち、ピラー構造120とピラー構造120を囲む複数の導電層111とによってNANDストリングが形成される。より具体的には、ワード線として機能する1つの導電層111とピラー構造120のワード線として機能する1つの導電層111に囲まれた部分とによって1つのメモリセルが形成され、選択ゲート線として機能する1つの導電層111とピラー構造120の選択ゲート線として機能する1つの導電層111に囲まれた部分とによって1つの選択ゲートが形成される。
【0017】
図3及び
図4はそれぞれ、ピラー構造120の構成を模式的に示した断面図である。
図3はZ方向に対して平行な断面図であり、
図4はZ方向に対して垂直な断面図である。
【0018】
図3及び
図4に示すように、ピラー構造120は、コア絶縁層121と、コア絶縁層121の側面を囲む半導体層122と、半導体層122の側面を囲むトンネル絶縁層123と、トンネル絶縁層123の側面を囲む電荷蓄積層124と、電荷蓄積層124の側面を囲むブロック絶縁層125とを含んでいる。
【0019】
複数の区画構造130はX方向に配列されており、各区画構造130は積層体110内をY方向及びZ方向に延伸している。複数の区画構造130によって、複数のピラー構造120がX方向で複数のブロックに区画されている。各区画構造130は、壁状の構造を有し、金属材料等の導電材料で形成された導電部分131と、絶縁材料で形成され且つ導電部分131の側面に沿って設けられた絶縁部分132とを含んでいる。導電部分131及び絶縁部分132はいずれもY方向及びZ方向に延伸している。
【0020】
区画構造130は、予備的な積層体に含まれる犠牲層を積層体110に含まれる導電層111でリプレースする処理にも用いられる。すなわち、予備的な積層体は複数の犠牲層及び複数の絶縁層112が交互に積層された構造を有しており、複数の犠牲層を複数の導電層111でリプレースすることで、複数の導電層111及び複数の絶縁層112が交互に積層された積層体110が形成される。区画構造130は、区画構造130用の溝を導電部分131及び絶縁部分132で埋めることで形成される。リプレース処理では、区画構造130用の溝を介して複数の犠牲層をエッチングすることで複数の絶縁層112間に複数のスペースを形成し、区画構造130用の溝を介して複数のスペース内に複数の導電層111を形成する。
【0021】
なお、上述したように、区画構造130はリプレース処理にも用いられるため、区画構造130と同様の構造を有し、区画構造130と直交する方向に延伸する(積層体110内をX方向及びZ方向に延伸する)壁状の構造を、区画構造130に加えてさらに設けてもよい。
【0022】
下部領域140は、積層体110の下層側に設けられており、絶縁領域141、配線構造142及び接続電極143等を含んでいる。配線構造142は、ピラー構造120及び導電層111等に接続されている。具体的には、配線構造142は、絶縁領域141内をXY平面(Z方向に平行な平面)に平行な方向に延伸する配線部分、及び絶縁領域141内をZ方向に延伸するプラグ部分等を含んでいる。接続電極143は、メモリチップ100の第1の主面側に設けられ、制御チップ200の接続電極223に物理的に接続されており、メモリチップ100に含まれる配線構造142と制御チップ200に含まれる配線構造222との電気的な接続に用いられる。
【0023】
上部領域150は、積層体110の上層側に設けられており、導電領域(導電層)151及び絶縁領域(絶縁層)152等を含んでいる。導電領域151は、ソース領域として機能し、ピラー構造120及び区画構造130が接続されている。
【0024】
接続領域100bは、Z方向から見て積層体110が設けられたメモリ領域100aとは異なる位置に設けられている。接続領域100bは、パッド部160、延伸部161、接続構造170、絶縁領域141、配線構造142、接続電極143及び絶縁領域152等を含んでいる。
【0025】
パッド部160は、メモリチップ100の第2の主面側に設けられており、ワイヤボンディング等のボンディングに用いられる。すなわち、パッド部160は、ボンディングワイヤ等が接続されるボンディングパッドとして用いられ、金属材料等の導電材料で形成されている。パッド部160は、絶縁領域(絶縁層)152に設けられた開口152hの底部の位置に対応して設けられている。パッド部160の中央領域160cは、ボンディングワイヤ等が実際に接続される予定の領域に対応する。
【0026】
延伸部161は、パッド部160からXY平面に平行な方向(メモリチップ100の第2の主面に平行な方向)に延伸している。すなわち、延伸部161は、パッド部160から連続的に設けられ、パッド部160と同じ導電材料で形成されている。
【0027】
接続構造170は、パッド部160と制御チップ200に含まれる回路とを電気的に接続するものである。本実施形態では、接続構造170は、延伸部161に物理的に(直接的に)接続されており、絶縁領域141内をZ方向に延伸している。
【0028】
接続構造170は、X方向及びZ方向に延伸する1以上の壁状部分170xと、Y方向及びZ方向に延伸する1以上の壁状部分170yとを含んでいる。図に示した例では、接続構造170は、2つの壁状部分170x及び2つの壁状部分170yを含んでいる。2つの壁状部分170xは互いに離間して設けられており、2つの壁状部分170yも互いに離間して設けられている。また、各壁状部分170xと各壁状部分170yも互いに離間して設けられている。
【0029】
各壁状部分170xは、導電部分171と、導電部分171の側面に沿って設けられた絶縁部分172とを含んでいる。したがって、壁状部分170xに含まれる導電部分171及び絶縁部分172はいずれも、X方向及びZ方向に延伸している。同様に、各壁状部分170yは、導電部分171と、導電部分171の側面に沿って設けられた絶縁部分172とを含んでいる。したがって、壁状部分170yに含まれる導電部分171及び絶縁部分172はいずれも、Y方向及びZ方向に延伸している。
【0030】
接続構造170(壁状部分170x及び170y)は、区画構造130と共通の工程で形成される。したがって、接続構造170の導電部分171は区画構造130の導電部分131と同一の導電材料で形成され、接続構造170の絶縁部分172は区画構造130の絶縁部分132と同一の絶縁材料で形成されている。
【0031】
接続領域100bの配線構造142は、接続構造170と接続電極143との間に接続されている。したがって、パッド部160と制御チップ200に含まれる回路とは、延伸部161、接続構造170、配線構造142及び接続電極143を介して電気的に接続されている。接続領域100bの配線構造142も、メモリ領域100aの配線構造142と同様に、絶縁領域141内をXY平面に平行な方向に延伸する配線部分、及び絶縁領域141内をZ方向に延伸するプラグ部分等を含んでいる。
【0032】
制御チップ200は、メモリチップ100のメモリ動作を制御するものであり、半導体基板210と、半導体基板210上に設けられた回路領域220とを含んでいる。回路領域220は、絶縁領域221、配線構造222、接続電極223及びCMOSトランジスタ224等を含んでいる。
【0033】
配線構造222は、CMOSトランジスタ224等に接続されており、絶縁領域221内をXY平面に平行な方向に延伸する配線部分、及び絶縁領域221内をZ方向に延伸するプラグ部分等を含んでいる。
【0034】
接続電極223は、メモリチップ100の接続電極143に物理的に接続されており、制御チップ200に含まれる配線構造222とメモリチップ100に含まれる配線構造142との電気的な接続に用いられる。したがって、メモリチップ100に含まれるメモリ回路は及びパッド部160等は、接続電極143及び接続電極223を介して、制御チップ200に含まれる回路と電気的に接続される。
【0035】
以上のように、本実施形態では、壁状部分170x及び壁状部分170yを含む接続構造170が、区画構造130と共通の工程で形成される。そのため、接続構造170の壁状部分170x及び壁状部分170yはそれぞれ、区画構造130と同様に、一方向に延伸している。これにより、以下に述べるように、接続構造170の抵抗を低減することが可能となる。
【0036】
例えば、接続構造を導電層111に接続されるコンタクトと共通の工程で形成したとすると、コンタクトは円柱状の形状を有しているため、接続構造全体の総面積(Z方向から見た総面積)を大きくすることは難しい。そのため、接続構造の抵抗を低くすることが難しくなる。
【0037】
本実施形態では、接続構造170の壁状部分170x及び壁状部分170yが、それぞれ一方向に延伸している。そのため、接続構造170全体の総面積(Z方向から見た総面積)を大きくすることができる。これにより、接続構造170の抵抗を低減することが可能となり、制御チップ200に設けられた回路とメモリチップ100に設けられたパッド部160との間を電気的に低抵抗で接続することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、接続構造170が区画構造130と共通の工程で形成されるため、接続構造170を形成するための特別な工程を行わなくても、接続構造170を的確に形成することが可能となる。
【0039】
また、本実施形態では、接続構造170が、パッド部160ではなく、延伸部161に物理的に接続されている。そのため、接続構造170からの影響を受けずに、パッド部160にボンディングを的確に行うことが可能である。
【0040】
図5~
図8はそれぞれ、本実施形態に係る半導体記憶装置の接続構造170の種々の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【0041】
図5の構成では、接続構造170が、それぞれがY方向及びZ方向に延伸する複数の壁状部分170yで形成されている。
図6の構成では、接続構造170が、それぞれがX方向及びZ方向に延伸する複数の壁状部分170xで形成されている。
図7及び
図8の構成では、接続構造170が、それぞれがY方向及びZ方向に延伸する複数の壁状部分170yと、それぞれがX方向及びZ方向に延伸する複数の壁状部分170xとで形成されている。
【0042】
上述したように、接続構造170は、X方向及びZ方向に延伸する1以上の壁状部分170xと、Y方向及びZ方向に延伸する1以上の壁状部分170yの、いずれか一方の壁状部分のみを含んでいてもよい。或いは、接続構造170は、X方向及びZ方向に延伸する1以上の壁状部分170xと、Y方向及びZ方向に延伸する1以上の壁状部分170yの、両方の壁状部分を含んでいてもよい。
【0043】
また、上述した実施形態及び
図5~
図8に示した例では、壁状部分170xと壁状部分170yとが互いに離間して設けられていたが、壁状部分170xと壁状部分170yとが連続的に設けられていてもよい。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な事項は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態で説明した事項の説明は省略する。
【0045】
図9は、第2の実施形態に係る3次元構造を有するNAND型の不揮発性半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図10は、
図9に示した半導体記憶装置に含まれるメモリチップ100の構成を模式的に示した平面パターン図であり、
図9に示した領域に対応する領域の平面パターン図である。
【0046】
第1の実施形態では、接続構造170は、パッド部160には直接的に(物理的に)接続されておらず、延伸部161に直接的に(物理的に)接続されていたが、本実施形態では、接続構造170が、パッド部160に直接的に(物理的に)接続されている。
【0047】
また、本実施形態では、壁状部分170xと壁状部分170yとが連続的に設けられており、Z方向から見て、接続構造170はパッド部160の内側にパッド部160の外周に沿って設けられている。
【0048】
また、接続構造170は、パッド部160の中央領域160c(ボンディングワイヤ等が実際に接続される予定の領域)には接続されておらず、Z方向から見て、中央領域160cを囲むように設けられている。
【0049】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、壁状部分170x及び壁状部分170yを含む接続構造170が、区画構造130と共通の工程で形成される。そのため、第1の実施形態と同様に、接続構造170の壁状部分170x及び壁状部分170yはそれぞれ、区画構造130と同様に、一方向に延伸している。したがって、本実施形態でも、第1の実施形態で述べた効果と同様の効果を得ることが可能である。
【0050】
また、第1の実施形態では、接続構造170が延伸部161に物理的に接続されていたが、本実施形態では、接続構造170がパッド部160に物理的に接続されている。そのため、パッド部160及び接続構造170を含む領域の総面積(Z方向から見た総面積)を低減することが可能である。
【0051】
また、本実施形態では、接続構造170が、パッド部160の外周に沿って設けられており、パッド部160の中央領域160c(ボンディングワイヤ等が実際に接続される予定の領域)には設けられていない。そのため、接続構造170からの影響を受けずに、パッド部160にボンディングを的確に行うことが可能である。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
100…メモリチップ(第1のチップ)
100a…メモリ領域 100b…接続領域
110…積層体 111…導電層 112…絶縁層
120…ピラー構造 121…コア絶縁層 122…半導体層
123…トンネル絶縁層 124…電荷蓄積層 125…ブロック絶縁層
130…区画構造 131…導電部分 132…絶縁部分
140…下部領域 141…絶縁領域 142…配線構造 143…接続電極
150…上部領域 151…導電領域 152…絶縁領域 152h…開口
160…パッド部 160c…中央領域 161…延伸部
170…接続構造 170x、170y…壁状部分
171…導電部分 172…絶縁部分
200…制御チップ(第2のチップ)
210…半導体基板 220…回路領域 221…絶縁領域
222…配線構造 223…接続電極 224…CMOSトランジスタ