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特開2024-136394ワークフロー・システムおよびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136394
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ワークフロー・システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0633 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q10/0633
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047503
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】最上 智稀
(72)【発明者】
【氏名】本庄 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 憲明
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ウェンジン
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、各処理の経過の情報をユーザに提示可能なシステムを提供する。
【解決手段】予め定められたワークフローに従って、このワークフローを構成する複数の処理を実行し、このワークフローを構成する複数の処理における各々の処理に関し、この処理を実行することによる処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成し、生成したアニメーション動画を表示装置で再生する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定められたワークフローに従って、当該ワークフローを構成する複数の処理を実行し、
ワークフローを構成する前記複数の処理における各々の処理に関し、当該処理を実行することによる処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成し、
生成した前記アニメーション動画を表示装置で再生すること
を特徴とする、ワークフロー・システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記アニメーション動画の再生時間に対応させたシークバーを当該アニメーション動画と共に前記表示装置に表示させ、
前記シークバーにおけるスライダの操作に応じて、当該スライダの位置に対応する前記アニメーション動画の再生個所を再生すること
を特徴とする、請求項1に記載のワークフロー・システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記シークバーに、ワークフローを構成する処理における各々の処理が行われる前記アニメーション動画の再生個所を示す表示を行うこと
を特徴とする、請求項2に記載のワークフロー・システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
ワークフローを構成する前記複数の処理の一覧を前記アニメーション動画と共に前記表示装置に表示させ、
前記一覧において、再生中の前記アニメーション動画において処理が行われている処理項目を他の処理項目とは識別可能に表示すること
を特徴とする、請求項1に記載のワークフロー・システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記一覧における処理項目の指定を受け付けると、前記アニメーション動画のうち、指定された処理項目の処理が行われている再生個所を再生すること
を特徴とする、請求項4に記載のワークフロー・システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
ワークフローを構成する前記複数の処理における各処理の進行に従って、前記アニメーション動画を生成して再生すると共に、再生した前記アニメーション動画を記憶装置に記憶し、
ユーザによる再生指示を受け付けると、前記記憶装置から前記アニメーション動画を読み出し、再生すること
を特徴とする、請求項1乃至請求項5の何れかに記載のワークフロー・システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
ユーザによる停止指示を受け付けて、前記アニメーション動画の再生を停止させ、
前記停止指示を受け付けたことに応じて、当該停止指示を受け付けたときに再生されていた前記アニメーション動画の再生個所で行われている処理の設定変更を受け付けるための画面を表示し、
変更された設定をワークフローに反映させること
を特徴とする、請求項6に記載のワークフロー・システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
ユーザによる停止指示を受け付けて、前記アニメーション動画の再生を停止させ、
前記アニメーション動画の再生の停止中に、新たな処理の追加を受け付け、
ワークフローにおいて、追加された処理を、停止表示されている前記アニメーション動画に対応する処理の前に挿入すること
を特徴とする、請求項6に記載のワークフロー・システム。
【請求項9】
コンピュータに、
予め定められたワークフローに従って、当該ワークフローを構成する複数の処理を実行する機能と、
ワークフローを構成する前記複数の処理における各々の処理に関し、当該処理を実行することによる処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成する機能と、
生成した前記アニメーション動画を表示装置で再生する機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークフロー・システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の処理やサービスを組み合わせ、予め定められたワークフローに従って実行することが行われている。ワークフローを実行するシステムでは、ワークフローを構成する各処理の実行結果を提示することも行われている。
【0003】
特許文献1には、サービス提供手段による処理を組み合わせて実行されるワークフローを実行するワークフロー実行手段と、入力データを構成する第1の構成要素及び第1の位置情報を第1のプレビュー特性として抽出する第1のプレビュー特性抽出手段と、処理結果データを構成する第2の構成要素及び第2の位置情報を第2のプレビュー特性として抽出する第2のプレビュー特性抽出手段と、第1のプレビュー特性において処理対象となった第1の構成要素に代えて処理結果である第2の構成要素を挿入し、第1の位置情報と第2の構成要素とを対応付け第3のプレビュー特性を生成するプレビュー特性生成手段と、プレビュー特性に基づいてプレビュー画像を作成するプレビュー作成手段を有するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-90061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、ワークフローを構成する各処理に関して、処理前後の差分を見ることでしか対象がどのように処理されたのかを確認することができなかった。このため、ユーザが想定外の処理結果が得られた場合に、処理において適用された設定値の何れを変更することで想定された処理結果を得ることができるかを認識することが難しかった。
【0006】
本発明は、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、各処理の経過の情報をユーザに提示可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、
1または複数のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定められたワークフローに従って、当該ワークフローを構成する複数の処理を実行し、
ワークフローを構成する前記複数の処理における各々の処理に関し、当該処理を実行することによる処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成し、
生成した前記アニメーション動画を表示装置で再生すること
を特徴とする、ワークフロー・システムである。
請求項2に係る本発明は、
前記プロセッサは、
前記アニメーション動画の再生時間に対応させたシークバーを当該アニメーション動画と共に前記表示装置に表示させ、
前記シークバーにおけるスライダの操作に応じて、当該スライダの位置に対応する前記アニメーション動画の再生個所を再生すること
を特徴とする、請求項1に記載のワークフロー・システムである。
請求項3に係る本発明は、
前記プロセッサは、
前記シークバーに、ワークフローを構成する処理における各々の処理が行われる前記アニメーション動画の再生個所を示す表示を行うこと
を特徴とする、請求項2に記載のワークフロー・システムである。
請求項4に係る本発明は、
前記プロセッサは、
ワークフローを構成する前記複数の処理の一覧を前記アニメーション動画と共に前記表示装置に表示させ、
前記一覧において、再生中の前記アニメーション動画において処理が行われている処理項目を他の処理項目とは識別可能に表示すること
を特徴とする、請求項1に記載のワークフロー・システムである。
請求項5に係る本発明は、
前記プロセッサは、
前記一覧における処理項目の指定を受け付けると、前記アニメーション動画のうち、指定された処理項目の処理が行われている再生個所を再生すること
を特徴とする、請求項4に記載のワークフロー・システムである。
請求項6に係る本発明は、
前記プロセッサは、
ワークフローを構成する前記複数の処理における各処理の進行に従って、前記アニメーション動画を生成して再生すると共に、再生した前記アニメーション動画を記憶装置に記憶し、
ユーザによる再生指示を受け付けると、前記記憶装置から前記アニメーション動画を読み出し、再生すること
を特徴とする、請求項1乃至請求項5に記載のワークフロー・システムである。
請求項7に係る本発明は、
前記プロセッサは、
ユーザによる停止指示を受け付けて、前記アニメーション動画の再生を停止させ、
前記停止指示を受け付けたことに応じて、当該停止指示を受け付けたときに再生されていた前記アニメーション動画の再生個所で行われている処理の設定変更を受け付けるための画面を表示し、
変更された設定をワークフローに反映させること
を特徴とする、請求項6に記載のワークフロー・システムである。
請求項8に係る本発明は、
前記プロセッサは、
ユーザによる停止指示を受け付けて、前記アニメーション動画の再生を停止させ、
前記アニメーション動画の再生の停止中に、新たな処理の追加を受け付け、
ワークフローにおいて、追加された処理を、停止表示されている前記アニメーション動画に対応する処理の前に挿入すること
を特徴とする、請求項6に記載のワークフロー・システムである。
請求項9に係る本発明は、
前記プロセッサは、
コンピュータに、
予め定められたワークフローに従って、当該ワークフローを構成する複数の処理を実行する機能と、
ワークフローを構成する前記複数の処理における各々の処理に関し、当該処理を実行することによる処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成する機能と、
生成した前記アニメーション動画を表示装置で再生する機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、各処理の経過の情報をユーザに提示することができる。
請求項2の発明によれば、アニメーション動画のみを表示する構成と比較して、直感的な操作によりアニメーション動画の場面を表示させることができる。
請求項3の発明によれば、ワークフローにおけるアニメーション動画により提示される処理の位置をユーザが直感的に認識することができる。
請求項4の発明によれば、アニメーション動画のみを表示する構成と比較して、表示されている場面のワークフローにおける位置づけをユーザが直感的に認識することができる。
請求項5の発明によれば、アニメーション動画のみを表示する構成と比較して、一覧に対する直感的な操作により処理項目を指定してアニメーション動画を表示させることができる。
請求項6の発明によれば、アニメーション動画を生成時にのみ表示する構成と異なり、ユーザによる指定された場面のアニメーション動画を表示させることができる。
請求項7の発明によれば、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、設定を変更する場面をユーザが直感的に判断することができる。
請求項8の発明によれば、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、処理を追加する場面をユーザが直感的に判断することができる。
請求項9の発明によれば、本発明のプログラムをインストールしたコンピュータにおいて、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、各処理の経過の情報をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態が適用されるワークフロー・システムの構成を示す図である。
図2】ワークフロー実行サーバの構成を示す図である。
図3】ワークフロー設定サーバの構成を示す図である。
図4】端末装置の構成を示す図である。
図5】ワークフロー実行サーバおよびワークフロー設定サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図6】端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
図7】ワークフロー・システムの動作を示すフローチャートである。
図8図7のS706に示すアニメーション動画の生成処理の内容を示す図である。
図9】アニメーション動画の表示画面の例を示す図である。
図10】表示画面の第1の表示例を示す図である。
図11】表示画面の第2の表示例を示す図である。
図12】表示画面の第3の表示例を示す図である。
図13】表示画面の第4の表示例を示す図である。
図14】表示画面の第5の表示例を示す図である。
図15】表示画面の第6の表示例を示す図である。
図16】設定画面の表示例を示す図である。
図17】表示画面の第7の表示例を示す図である。
図18】表示画面の第8の表示例を示す図である。
図19】表示画面の第9の表示例を示す図である。
図20】表示画面の第10の表示例を示す図である。
図21】表示画面の第11の表示例を示す図である。
図22】表示画面の第12の表示例を示す図である。
図23】表示画面の第13の表示例を示す図である。
図24】表示画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本実施形態が適用されるワークフロー・システムの構成を示す図である。ワークフロー・システム10は、ワークフローデータベース(DB)100と、ワークフロー実行サーバ200と、ワークフロー設定サーバ300と、端末装置400とを備える。各装置100、200、300、400は、ネットワークを介して接続されている。
【0011】
ワークフローDB100は、ワークフローによる処理の流れを定義した定義情報およびワークフローの設定情報を格納し管理するデータベースサーバである。ワークフローDB100は、ワークフロー実行サーバ200からの要求に応じて、ワークフローの定義情報をワークフロー実行サーバ200に送信する。また、ワークフローDB100は、ワークフロー設定サーバ300からの要求に応じて、ワークフローの設定情報をワークフロー設定サーバ300に送信する。
【0012】
ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローDB100から取得したワークフローの定義情報に従って処理を実行するサーバである。また、ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローを構成する処理の実行に伴って、処理の実行の様子を示すアニメーション動画を生成する。アニメーション動画の内容および生成方法については後述する。
【0013】
ワークフロー設定サーバ300は、ワークフローDB100から取得したワークフローの設定情報の編集に用いられるサーバである。ワークフローDB100、ワークフロー実行サーバ200およびワークフロー設定サーバ300は、例えば、ネットワークに接続されたサーバマシンや、クラウドサーバ等により実現される。これらのサーバ100、200、300は、一のサーバを一のサーバマシンで実現しても良いし、複数のサーバを一のサーバマシンで実現しても良い。また、一のサーバの機能をネットワーク上の複数の資源を組み合わせて実現しても良い。
【0014】
端末装置400は、ワークフローに基づく処理の実行やワークフローの設定情報の編集等の操作を行うためにユーザが使用する情報処理装置である。また、端末装置400は、ワークフロー実行サーバ200により生成された、ワークフローの処理の実行の様子を示すアニメーション動画を表示する。端末装置400としては、例えば、パーソナルコンピュータ等が用いられる。
【0015】
本実施形態は、ワークフロー実行サーバ200によりワークフローに基づく処理を実行すると共に、かかる処理の進行に伴って処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成する。そして、生成されたアニメーション動画を端末装置400において閲覧し、必要に応じて、アニメーション動画の再生を停止させることによりワークフロー実行サーバ200における処理の実行を停止させ、ワークフローの設定情報の編集を受け付ける。本実施形態は、ワークフローを構築したり更新したりする際に、シミュレーションにてワークフローに基づく処理を実行しながら修正する場合に適用し得る。また、構築されたワークフローを実際に運用する際に本実施形態を適用し、検出された不具合を修正するのに適用しても良い。
【0016】
<ワークフロー実行サーバ200の構成>
図2は、ワークフロー実行サーバ200の構成を示す図である。ワークフロー実行サーバ200は、ワークフロー取得部210と、対象データ登録部220と、処理実行部230と、アニメーション動画生成部240とを備える。
【0017】
ワークフロー取得部210は、端末装置400からの指示に従って、指定された実行対象のワークフローの定義情報をワークフローDB100から取得する。対象データ登録部220は、端末装置400から取得したデータをワークフローの処理対象のデータとして登録する。ワークフローにおいて実行される処理の種類に応じて種々のデータを処理対象とし得るが、ここでは一例として、スキャナにて読み取られた文書画像のファイルを処理対象とする。
【0018】
処理実行部230は、ワークフローの定義情報に従って、処理を順次実行する。処理実行部230は、定義情報に応じて種々の処理を行い得る。ここでは一例として、処理実行部230は、OCRサービス実行部231、ファイル名生成サービス実行部232、電子申請ワークフローサービス実行部233を有し、ワークフローに従って、これらの機能による処理を順次実行するものとする。
【0019】
OCRサービス実行部231は、OCR(Optical Character Recognition/Reader)処理により、処理対象の文書画像に記録されている文字を認識して文字コードに変換する。ここでは、処理対象の文書の様式に基づき、文字を読み取った位置等の情報に応じて、認識した文字列の属性を識別するものとする。これらの処理は、既存のOCR技術を用いて実現し得る。なお、文字列には、1文字からなるものを含む。
【0020】
ファイル名生成サービス実行部232は、処理対象のファイルの名称(以下、「ファイル名」と呼ぶ)を自動生成する。より詳細には、ファイル名生成サービス実行部232は、処理対象の文書ファイルから抽出された文字列を用いてファイル名を生成する。ファイル名に用いる文字列は、例えば、文書における文字列の属性や文字列が記述された位置等の情報に基づいて特定される。これらの処理は、既存の技術を用いて実現し得る。
【0021】
電子申請ワークフローサービス実行部233は、電子文書による申請処理のためのワークフロー(電子申請ワークフロー)を実行する。より詳細には、電子申請ワークフローサービス実行部233は、抽出対象の文書ファイルから文字列を抽出し、抽出した文字列を電子文書による申請書のフォームに入力することにより申請書を作成し、作成した申請書に対する承認者の承認を得る、という一連の処理を実行する。文書ファイルから抽出する文字列は、例えば、文書における文字列の属性や文字列が記述された位置等の情報に基づいて特定される。抽出された文字列は、その属性等の情報に基づき、申請書における定められた欄に入力される。作成された申請書は、承認者による承認を得るため、電子申請ワークフローに設定された承認者へ順次送られる。ここで、電子申請ワークフローは、上記において処理実行部230がワークフローの定義情報に従って処理を実行するとしたワークフローとは別のワークフローである。すなわち、処理実行部230が実行するワークフローの中で、このワークフローに連携して電子申請ワークフローが実行される。
【0022】
アニメーション動画生成部240は、ワークフローにおける各処理の実行に応じて、各処理における処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成する。アニメーション動画には、表示内容が動作を伴って変化する動画の他、いくつかの処理の実行段階を表す複数の静止画を時系列で連続的に表示するコマ送りのようなものも含む。アニメーション動画生成部240により生成されたアニメーション動画は、ワークフローに基づく処理の進行に伴って生成され、端末装置400へ送られて表示される。したがって、端末装置400のユーザは、アニメーション動画を閲覧することにより、ワークフローによる処理の進行状況を即時的に認識することができる。
【0023】
アニメーション動画の画面構成は、実行される処理に応じて異なる。アニメーション動画生成部240は、実行される処理に応じて予め定められている画面のテンプレートに対し、処理対象から得られる情報を適用することにより、アニメーション動画を生成する。処理の経過に応じて処理対象の変化の様子をアニメーション動画で表すことにより、処理の結果を提示する場合と異なり、処理の進行状況やエラーの発生箇所を逐次的にユーザに提示することができる。アニメーション動画の構成例および生成方法の詳細については後述する。
【0024】
<ワークフロー設定サーバ300の構成>
図3は、ワークフロー設定サーバ300の構成を示す図である。ワークフロー設定サーバ300は、設定取得部310と、設定更新部320とを備える。
【0025】
設定取得部310は、端末装置400からの指示に従って、指定された実行対象のワークフローの設定情報をワークフローDB100から取得する。設定情報には、ワークフローを構成する処理におけるルールが含まれる。取得された設定情報は、編集対象として端末装置400に送られ、端末装置400においてユーザの操作により編集される。
【0026】
設定更新部320は、端末装置400において編集された設定情報を端末装置400から取得し、ワークフローDB100に格納する。これにより、この設定情報に従って実行されるワークフローでは、編集された設定内容で処理が実行される。
【0027】
<端末装置400の構成>
図4は、端末装置400の構成を示す図である。端末装置400は、ワークフロー実行指示部410と、設定編集部420と、表示制御部430と、表示装置440と、入力受け付け部450とを備える。
【0028】
ワークフロー実行指示部410は、ユーザの操作を受け付けて、ワークフロー実行サーバ200に対し、ワークフローの実行に関する各種の指示を行う。ワークフロー実行指示部410が行う指示としては、例えば、ワークフローの指定、対象データの登録指示、ワークフローにおける各処理の実行指示などが挙げられる。詳しくは後述するが、ワークフローの実行に関する指示は、アニメーション動画の表示画面上で行うことができる。
【0029】
設定編集部420は、ワークフロー設定サーバ300からワークフローの設定情報を取得し、取得した設定情報を編集する。設定情報の編集は、例えば設定情報の編集用の画面(以下、「設定画面」と呼ぶ)を表示装置440に表示させ、ユーザの操作を受け付けて行われる。設定画面の構成は特に限定しないが、例えばGUI(Graphical User Interface)による編集が可能な画面であっても良い。また、設定画面は、ワークフローにおける設定情報の全体を表示するものであっても良いし、ユーザが編集しようとする場面に関する事項を抽出して表示するものであっても良い。前者の場合、ユーザは、表示された設定画面から編集しようとする場面についての設定情報が記述されている部分を検索し、編集操作を行う。後者の場合、例えば、アニメーション動画の再生を停止させ、停止した場面に対応する設定情報を特定し、特定した設定情報についての設定画面を表示しても良い。編集された設定情報は、ワークフロー設定サーバ300へ送られ、ワークフローDB100に格納されて、ワークフローに反映される。
【0030】
表示制御部430は、端末装置400における各種の画面の表示制御を行う。表示装置440は、表示制御部430の制御により、画面を表示する。表示制御部430の制御により表示装置440に表示される画面としては、アニメーション動画の表示画面、ワークフローにおける処理手順を示す画面、上述した設定画面などが挙げられる。これらの画面の詳細については後述する。
【0031】
入力受け付け部450は、ユーザによる入力操作を受け付ける。入力操作は、例えば、キーボードやマウス等の入力デバイスを用いて行われる。また、入力操作は、例えば、表示制御部430により表示装置440に表示された操作画面上で、画面に表示されたオブジェクトを操作することにより行われる。操作画面には、アニメーション動画の表示画面や上記の設定画面などが含まれる。
【0032】
<ハードウェア構成>
図5は、ワークフロー実行サーバ200およびワークフロー設定サーバ300のハードウェア構成例を示す図である。これらのサーバ200、300は、例えば図5に示すようなコンピュータにより実現される。図5に示すコンピュータは、演算手段である1または複数のプロセッサ101と、記憶手段である主記憶装置(メイン・メモリ)102および補助記憶装置103とを備える。プロセッサ101は、補助記憶装置103に格納されたプログラムを主記憶装置102に読み込んで実行することにより、サーバ200、300の各機能を実現する。プロセッサ101としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられる。主記憶装置102としては、例えばRAM(Random Access Memory)が用いられる。補助記憶装置103としては、例えば磁気ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。
【0033】
また、図5に示すコンピュータは、ネットワークを介してワークフローDB100や端末装置400と接続するためのネットワーク・インターフェイス104を備える。なお、図5に示すコンピュータの構成は一例に過ぎず、本実施形態で用いられるコンピュータは図5の構成例に限定されるものではない。例えば、記憶装置としてフラッシュ・メモリ等の不揮発性メモリやROM(Read Only Memory)を備える構成としても良い。
【0034】
ワークフロー実行サーバ200が図5に示すコンピュータで実現される場合、ワークフロー取得部210、対象データ登録部220、処理実行部230、アニメーション動画生成部240の各機能は、例えば、プロセッサ101がプログラムを実行することにより実現される。
【0035】
ワークフロー設定サーバ300が図5に示すコンピュータで実現される場合、設定取得部310および設定更新部320の各機能は、例えば、プロセッサ101がプログラムを実行することにより実現される。
【0036】
図6は、端末装置400のハードウェア構成例を示す図である。端末装置400は、例えば図6に示すようなコンピュータにより実現される。図6に示すコンピュータは、演算手段である1または複数のプロセッサ401と、記憶手段である主記憶装置(メイン・メモリ)402および補助記憶装置403とを備える。プロセッサ401は、補助記憶装置403に格納されたプログラムを主記憶装置402に読み込んで実行することにより、端末装置400の各機能を実現する。プロセッサ401としては、例えば、CPU、MPU、GPU、DSP等が用いられる。主記憶装置402としては、例えばRAMが用いられる。補助記憶装置403としては、例えば磁気ディスク装置やSSD等が用いられる。
【0037】
また、図6に示すコンピュータは、表示装置440に表示を行うための表示機構404と、コンピュータの操作者による入力操作が行われる入力デバイス405とを備える。入力デバイス405としては、例えばキーボードやマウス等が用いられる。また、コンピュータは、ネットワークを介してワークフロー実行サーバ200やワークフロー設定サーバ300に接続するためのネットワーク・インターフェイス406を備える。なお、図6に示すコンピュータの構成は一例に過ぎず、本実施形態で用いられるコンピュータは図6の構成例に限定されるものではない。例えば、記憶装置としてフラッシュ・メモリ等の不揮発性メモリやROMを備える構成としても良い。
【0038】
端末装置400が図6に示すコンピュータで実現される場合、ワークフロー実行指示部410、設定編集部420、表示制御部430、入力受け付け部450の各機能は、例えば、プロセッサ401がプログラムを実行することにより実現される。表示装置440は、表示機構404を介して表示制御部430の制御により各種の画面を表示する。また、表示装置440に表示されるアニメーション動画等のデータは、主記憶装置402や補助記憶装置403に保持される。
【0039】
<ワークフロー・システム10の動作例>
図7は、ワークフロー・システム10の動作を示すフローチャートである。ユーザは、端末装置400を操作して、実行するワークフローを選択する。端末装置400は、ワークフローの選択情報をワークフロー実行サーバ200へ送信する。ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローの選択を受け付けると(S701)、選択されたワークフローの定義情報をワークフローDB100から取得する(S702)。
【0040】
次に、ユーザは、端末装置400を操作して、処理対象のデータをワークフロー実行サーバ200へ送信する。ワークフロー実行サーバ200は、取得したデータをワークフローにおける処理の対象である対象データとして登録する(S703)。そして、ワークフロー実行サーバ200は、登録した対象データに対し、S702で取得したワークフローを適用し、一連の処理を実行する。
【0041】
ワークフロー実行サーバ200は、まず、未実行の工程があるか否かを判断する。初期的には、まだ何れの処理も行われていないので、未実行の工程がある。未実行の工程がある場合(S704でYES)、ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローで次に実行するように定義されている工程(次工程)を実行する(S705)。初期的には、ワークフローで定義された最初の工程が実行される。また、ワークフローの全ての処理が完了し、未実行の工程がない場合(S704でNO)、このワークフローは終了する。
【0042】
また、ワークフロー実行サーバ200は、S705で特定された工程の処理を実行するのに伴って、この処理における対象データの変化の様子を表すアニメーション動画の生成処理を行う(S706)。そして、ワークフロー実行サーバ200は、生成したアニメーション動画を端末装置400へ送信し、表示させる(S707)。端末装置400は、ワークフロー実行サーバ200から取得したアニメーション動画を表示装置440で再生する。
【0043】
アニメーション動画を再生する端末装置400において、ユーザの操作によりアニメーション動画の再生が停止されると(S708でYES)、端末装置400は、実行中のワークフローの設定情報の修正要求を受け付け可能な状態となる。具体的には、表示装置440の画面に、設定情報を編集するための設定画面を表示するためのボタンオブジェクトが表示される。アニメーション動画の再生が停止されない場合(S708でNO)、S704へ戻り、ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローの次工程を実行する。
【0044】
端末装置400は、設定情報の修正要求を受け付けると(S709でYES)、ワークフロー実行サーバ200により実行中のワークフローの設定情報を、ワークフロー設定サーバ300に要求する。ワークフロー設定サーバ300は、要求された設定情報をワークフローDB100から取得し(S710)、端末装置400へ送信する。設定情報の修正要求が行われずに停止されたアニメーション動画の再生が再開された場合(S709、S708でNO)、S704へ戻り、ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローの次工程を実行する。
【0045】
端末装置400は、ワークフロー設定サーバ300からワークフローの設定情報を取得すると、表示装置440に設定画面を表示し、設定画面上での設定情報の修正を受け付ける(S711)。そして、端末装置400は、修正した設定情報をワークフロー設定サーバ300へ送信する。
【0046】
ワークフロー設定サーバ300は、修正後の設定情報を端末装置400から取得し、ワークフローDB100に格納して保存させる(S712)。これにより、この設定情報の修正内容がワークフローに反映される(S713)。
【0047】
図8は、図7のS706に示すアニメーション動画の生成処理の内容を示す図である。ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローにおける処理を実行すると共に(図7のS705参照)、実行中の処理の種類に応じたアニメーション動画のテンプレートを取得する(S801)。このテンプレートは、例えば、ワークフロー実行サーバ200の補助記憶装置103(図5参照)に格納しておいても良い。
【0048】
次に、ワークフロー実行サーバ200は、対象データからアニメーション動画に用いられるデータを取得する(S802)。取得するデータは、対象データにおいて実行した処理によって変化した部分であり、実行中の処理の種類に応じて異なる。例えば、文書から特定の文字列を抽出する処理であれば、抽出された文字列およびその属性等のデータが取得される。
【0049】
次に、ワークフロー実行サーバ200は、S802で取得したデータをS801で取得したテンプレートに適用し、現在の処理状況を表すアニメーション動画を生成する(S803)。生成したアニメーション動画は、端末装置400へ送られ、表示装置440に表示される(図7のS707参照)。
【0050】
<アニメーション動画の表示画面の構成例>
図9は、アニメーション動画の表示画面の例を示す図である。端末装置400は、ワークフロー実行サーバ200からワークフローの実行に伴って生成されるアニメーション動画のデータを取得し、表示装置440に表示すると共に、記憶装置(主記憶装置402や補助記憶装置403)に保持する。端末装置400は、ワークフロー実行サーバ200から取得したアニメーション動画を即時的に表示する。また、端末装置400は、ユーザによる再生指示を受け付けて、記憶装置に保持されたアニメーション動画を読み出し、過去のワークフローに対するアニメーション動画を表示装置440に表示しても良い。
【0051】
図9に示す表示画面500には、アニメーション表示部510と、一覧表示部520と、シークバー530と、再生ボタン540とが表示されている。シークバー530や再生ボタン540を操作することで、ワークフローの実行に関する指示は、アニメーション動画の表示画面上で行うことができる。すなわち、アニメーション動画の表示画面は、ワークフローの実行に関する指示を行う操作画面としても機能する。
【0052】
アニメーション表示部510は、ワークフロー実行サーバ200により生成されたアニメーション動画を表示する領域である。一覧表示部520は、実行されるワークフローを構成する複数の処理の一覧を表示する領域である。一覧表示部520では、表示される処理の一覧のうち、アニメーション表示部510に表示されているアニメーション動画の場面に対応する処理項目を、他の処理項目とは識別可能に表示しても良い。処理項目を識別可能とする表示方法としては、例えば、枠や網掛け等の装飾を行ったり、表示色や字体等の表示態様を変更したりすることが挙げられる。
【0053】
シークバー530は、アニメーション動画の再生箇所を表示するオブジェクトである。シークバー530は、アニメーション動画の再生時間に対応させて表示される。シークバー530にはスライダ531が設けられている。スライダ531は、シークバー530に対応するアニメーション動画の再生時間のうち、現在表示されている場面の時点を表している。また、スライダ531は、アニメーション動画の再生制御を行うためのユーザによる操作を受け付ける。ユーザが表示画面500上でマウス・ドラッグ等の操作によりシークバー530上のスライダ531の位置を移動させると、アニメーション動画の再生時間のうち移動後のスライダ531の位置に対応する時点の場面からアニメーション動画が再生される。
【0054】
再生ボタン540は、動画の再生、停止を指示するためのボタンオブジェクトである。ユーザが表示画面500上でマウス・クリック等の操作により再生ボタン540を選択すると、アニメーション動画が再生中であれば停止し、停止中であれば再生を開始する。詳しくは後述するが、表示画面500においてアニメーション動画が停止すると、設定画面の表示が可能となる。したがって、再生ボタン540は、設定画面を表示可能とするためのトリガーとしても機能する。
【0055】
<アニメーション動画の表示例>
以下、具体的なワークフローによる処理の例を挙げて、表示画面500によるアニメーション動画の表示例を説明する。ここでは、ワークフローの例として、文書画像のファイル(以下、「文書ファイル」と呼ぶ)を対象データとして登録すると、第1の処理として登録された文書画像に対してOCR処理および認識した文字列の属性を抽出し、第2の処理としてファイル名を生成し、第3の処理として電子申請ワークフローと連携して電子申請を行うという一連の処理を含むワークフローを想定する。アニメーション動画は、ワークフロー実行サーバ200においてワークフローに基づく処理の実行に伴って生成されるので、かかる処理の進行に伴って表示画面500のアニメーション動画も進行する。
【0056】
第1の処理では、文書ファイルに対してOCRが行われ、認識した各文字列に関して、文書画像において記録されていた位置等に基づき、日付、発行先、発行元、文書のタイトル等の属性が抽出される。第2の処理では、第1の処理で認識された文字列を用いて、文書ファイルのファイル名が生成される。第3の処理では、文書ファイルからデータを抽出して電子申請フォームに記入することにより申請書を生成し、承認を得る一連の処理が実行される。端末装置400は、ワークフロー実行サーバ200から第1の処理のアニメーション動画を取得して表示装置440に表示する。
【0057】
図10は、表示画面500の第1の表示例を示す図である。図10には、表示画面500において第1の処理が開始された様子が示されている。図10に示す表示画面500のアニメーション表示部510には、対象データである文書ファイルの画像511と、属性表示欄512とが表示されている。属性表示欄512には、文書ファイルから抽出される文字列の属性が表示されている。以下の説明では、画像511に関して、表示される文書ファイルに基づき「文書ファイル511」、「文書画像511」等と記載することがある。
【0058】
図10において、一覧表示部520には、ワークフローで実行される処理の一覧が表示されている。具体的には、初期的に実行される対象データの登録を「1.ファイルを登録」と記載し、第1の処理を「2.OCRで属性抽出」と記載し、第2の処理を「3.ファイル名生成」、第3の処理を「4.連携ワークフロー・システムで申請」と記載している。また、各処理の中で行われる詳細な処理項目についても、処理ごとに「a.--」、「b.--」というように列挙している。なお、一覧表示部520の領域は限られており、ワークフローを構成する全ての処理におけるすべての処理項目を記載することができないため、図示の例では、記載を一部省略している。実際に表示装置440に表示される表示画面500では、例えば、画面のスクロール等の手段によって全ての処理の全ての処理項目を視認できるように表示される。
【0059】
第1の処理では、まず、OCR処理により認識された文書ファイル511から認識された文字列のうち属性「日付」に該当する文字列が抽出され、属性表示欄512に挿入される処理が行われる。図10では、文書ファイル511において、属性「日付」に該当すると判断された文字列の場所に枠線が付加され、他の文字列と識別可能に表示されている。また、一覧表示部520において、「2.OCRで属性抽出」の「a.日付」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。
【0060】
図11は、表示画面500の第2の表示例を示す図である。図11には、図10の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、属性「日付」に該当する文字列が抽出され、属性表示欄512に挿入された状態が示されている。図示の例では、「2022年12月1日」という文字列が、属性「日付」に該当する文字列として抽出され、属性表示欄512の該当箇所に挿入されている。また、この文字列が文書ファイル511の該当箇所から抽出されたことを示す矢印が表示されている。
【0061】
図12は、表示画面500の第3の表示例を示す図である。図12には、図11の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、次の文字列の抽出が行われる。図12では、文書ファイル511において、属性「発行先」に該当すると判断された文字列の場所に枠線が付加され、他の文字列と識別可能に表示されている。また、一覧表示部520において、「2.OCRで属性抽出」の「b.発行先」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。
【0062】
図13は、表示画面500の第4の表示例を示す図である。図13には、図12の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、属性「発行先」に該当する文字列が抽出され、属性表示欄512に挿入された状態が示されている。図示の例では、「有限会社aaaa」という文字列が、属性「発行先」に該当する文字列として抽出され、属性表示欄512の該当箇所に挿入されている。また、この文字列が文書ファイル511の該当箇所から抽出されたことを示す矢印が表示されている。
【0063】
上記のようにして、抽出対象に設定された属性に該当する文字列が順次認識され、特定された属性に応じて属性表示欄512に挿入される。このワークフローにおける第1の処理では、「日付」、「発行先」、「発行元」、「タイトル」、「品目」、「価格」、「合計金額」の各属性に該当する文字列が抽出されるものとする。また、「品目」および「価格」は、該当する文字列が複数存在する場合があり、該当する全ての文字列を抽出するものとする。
【0064】
図14は、表示画面500の第5の表示例を示す図である。図14には、図13の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、第1の処理における最後の文字列抽出が行われた状態が示されている。図示の例では、属性「日付」に該当する文字列「2022年12月1日」、属性「発行先」に該当する文字列「有限会社aaaa」、属性「発行元」に該当する文字列「bbbb株式会社」、属性「タイトル」に該当する文字列「御見積書」、属性「品目」に該当する第1の文字列「PC」、属性「価格」に該当する第1の文字列「¥200,000」、属性「品目」に該当する第2の文字列「自動車」、属性「価格」に該当する第2の文字列「¥1,500,000」、属性「合計金額」に該当する文字列「¥1,700,000」がそれぞれ抽出され、属性表示欄512に挿入されている。なお、図14では、属性表示欄512において、「品目」および「価格」の文字列の記載を省略している。
【0065】
また、図14に示す一覧表示部520において、「2.OCRで属性抽出」の「i.合計金額」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。そして、この一覧表示部520の表示内容から、第1の処理が最後の処理項目まで到達したことがわかる。
【0066】
ここで、第1の処理の設定を変更する場合の操作について説明する。具体例として、属性「発行先」の文字列の記載様式を変更する場合を考える。現在の設定では、属性「発行先」に該当する文字列として、該当箇所の文字列から「御中」の文字を除いた会社名のみを抽出することになっている。これを「御中」の文字を除かずに抽出する設定に変更することを想定する。
【0067】
図13に示した状態で、属性「発行先」に該当する文字列が抽出され、属性表示欄512に挿入されている。したがって、ユーザは、この時点以降のアニメーション動画を閲覧することにより、属性「発行先」に該当する文字列から「御中」の文字が除かれることに気づくことができる。ここでは、図13の状態でユーザが設定を変更する操作を行うものとする。設定を変更する場合、ユーザは、アニメーション動画の再生を停止させる。アニメーション動画の停止は、例えば、表示画面500に表示されている再生ボタン540をマウス・クリック等の手段で選択する操作により行われる。
【0068】
図15は、表示画面500の第6の表示例を示す図である。図15には、図13の状態でアニメーション動画の再生が停止された様子が示されている。アニメーション動画の再生が停止されると、表示画面500と共に、設定画面を開くためのボタンオブジェクト550が表示される。ユーザが表示画面500に表示されているボタンオブジェクト550をマウス・クリック等の手段で選択すると、図15に示す場面の処理項目に対する設定情報が記述された設定画面が表示される。本動作例では、設定画面として、アニメーション動画が停止された場面に対応する設定情報をGUIにて編集可能な画面が表示される。
【0069】
図16は、設定画面の表示例を示す図である。図16に示す例において、設定画面600は、表示画面500に重ねて表示されている。この表示態様は、例示に過ぎず、表示画面500と並べて表示したり、表示画面500を一時的に消去して設定画面600を表示したりしても良い。図16に示す設定画面600には、処理設定として、第1の処理であることを示す「OCRで属性抽出」が記載されている。また、設定画面600には、設定項目として、アニメーション動画の再生が停止された場面の処理項目である「b.発行先」に対応することを示す「見積書「発行先」抽出」が記載されている。また、設定画面600には、文書ファイル511を表示した画像601と、修正欄602と、ボタンオブジェクト603とが表示されている。
【0070】
ユーザは、画像601において、処理項目「b.発行先」で抽出すべき文字列の範囲をマウス・ドラッグ等の手段で指定することにより、この処理項目における設定情報を変更し、抽出する文字列の範囲を変更することができる。図16に示す例では、画像601の中の枠線で示された「有限会社aaaa 御中」の部分が抽出する文字列の範囲である。修正欄602には、指定された「有限会社aaaa 御中」の文字列が表示されている。なお、ここでは画像601を用い、GUI(Graphical User Interface)にて抽出すべき文字列を指定する例を示したが、キーボード等を用いて抽出しようとする文字列を修正欄602に直接入力しても良い。
【0071】
上記のようにして設定情報(ここでは、抽出すべき文字列の範囲)が変更された後、ユーザがボタンオブジェクト603をマウス・クリック等の手段で選択すると、設定画面600が消去され、表示画面500の表示内容に対し、設定変更された内容が反映される。具体的には、文書ファイル511の属性「発行先」に該当する文字列として、会社名および「御中」の文字を含む範囲に枠線が付加される。そして、属性表示欄512の「発行先」の項目に「有限会社aaaa 御中」という文字列が挿入される。このようにして、設定画面600を用いて行われた設定情報の編集が、ワークフローに反映される。したがって、これ以降、本ワークフローを実行する際には、設定画面600で編集された設定に従って、該当する処理項目の処理が実行される。
【0072】
以上のようにして第1の処理が終了すると、ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローに従って第2の処理に移行する。端末装置400は、ワークフロー実行サーバ200から第2の処理のアニメーション動画を取得して表示装置440に表示する。
【0073】
図17は、表示画面500の第7の表示例を示す図である。図17には、表示画面500において第2の処理が開始された様子が示されている。図17に示す表示画面500のアニメーション表示部510には、文書ファイル511と、ファイル名表示欄513と、ルール表示欄514とが表示されている。ファイル名表示欄513には、生成されたファイル名が表示される。ルール表示欄514には、ファイル名を生成するためのルールが表示されている。
【0074】
図17に示す例では、ファイル名の生成ルールとして、「(タイトル)_(発行元から「有限会社」を削除)_(日付から数字のみ抽出)」というルールが設定されている。すなわち、このルールでは、文書ファイル511のタイトルの文字列と、発行元として抽出した文字列から「有限会社」を削除した文字列と、日付の数字のみからなる文字列とをアンダーバー「_」で連結したものをファイル名とする。
【0075】
上記のルールに従って、図17に示す状態では、まず文書ファイル511のタイトルが抽出される。図17に示すルール表示欄514では、「(タイトル)」の項目に枠線が付加され、他の項目と識別可能に表示されている。また、一覧表示部520において、実行中の処理である「3.ファイル名生成」の「a.タイトル」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。
【0076】
図18は、表示画面500の第8の表示例を示す図である。図18には、図17の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、文書ファイル511から(タイトル)に該当する文字列が抽出され、ファイル名表示欄513に挿入された状態が示されている。図示の例では、「御見積書」という文字列が、(タイトル)に該当する文字列として抽出され、ファイル名表示欄513に挿入されている。また、この文字列が文書ファイル511の該当箇所から抽出されたことを示す矢印が表示されている。この後、ファイル名に用いられる文字列が文書ファイル511から順次抽出され、アンダーバーで連結してファイル名が生成される。
【0077】
図19は、表示画面500の第9の表示例を示す図である。図19には、図18の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、ファイル名が完成した状態が示されている。図示の例では、「御見積書_bbbb株式会社_20221201」というファイル名が生成されている。図19に示す一覧表示部520では、「3.ファイル名生成」の「e.(日付から数字のみ抽出)を結合」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。そして、この一覧表示部520の表示内容から、第2の処理が最後の処理項目まで到達したことがわかる。
【0078】
ここで、生成されたファイル名を設定変更により修正する場合を考える。図17図19に示されたルール表示欄514に記載されているファイル名の生成ルールでは、発行元の文字列から「有限会社」の文字を削除することとなっている。上記の例では、発行元がbbbb株式会社であるので、「有限会社」の文字が含まれておらず、そのままファイル名に挿入されている。しかしながら、ユーザがファイル名から「株式会社」の文字を削除したいと考える場合、ファイル名の生成ルールを、発行元の文字列から「株式会社」の文字を削除するように変更する必要がある。
【0079】
設定情報を編集してファイル名の生成ルールを修正する場合、第1の処理に関して図15および図16を参照して説明したのと同様に、ユーザは、表示画面500におけるアニメーション動画の再生を停止する。ここでは、ユーザは、発行元の「bbbb株式会社」の文字列がファイル名に追加された時点以降においてアニメーション動画の再生を停止する。そして、ユーザは、設定画面(図示せず)を表示させ、画面上で、(発行元から「有限会社」を削除)とされている生成ルールの設定情報を、(発行元から「株式会社」を削除)という内容に変更する。この設定変更が反映されると、図19に示したファイル名は、「御見積書_bbbb_20221201」に変更される。
【0080】
なお、ファイル名の生成ルールにおいて、(日付から数字のみ抽出)とあるルールによると、文書ファイル511に記述されている日付の「2022年12月1日」という文字列からは、「2022121」という文字列が抽出される。これに対し、例えば、月および日の数字が一桁である場合には、数字「0」を挿入するといった設定情報を記録しておくことで、上記のように「20221201」という文字列が得られる。
【0081】
以上のようにして第2の処理が終了すると、ワークフロー実行サーバ200は、ワークフローに従って第3の処理に移行する。端末装置400は、ワークフロー実行サーバ200から第3の処理のアニメーション動画を取得して表示装置440に表示する。
【0082】
図20は、表示画面500の第10の表示例を示す図である。図20には、表示画面500において第3の処理が開始された様子が示されている。第3の処理は、他のワークフローと連携しており、かかる他のワークフローに従って実施される申請処理に用いられる電子申請フォームに対し、文書ファイル511から抽出されたデータを記入することにより、申請書を作成する。作成した申請書に対しては、かかる他のワークフローに従って承認等の処理が行われる。
【0083】
図20に示す表示画面500のアニメーション表示部510には、電子申請の申請書フォーム515が表示されている。ここでは、購入申請書のフォームが示されている。また、図20では、一覧表示部520において、実行中の処理である「4.連携ワークフロー・システムで申請」の「a.申請フォーム「購入申請書」」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。
【0084】
図21は、表示画面500の第11の表示例を示す図である。図21には、図20の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、連携ワークフロー・システムの申請処理における承認ルートを示す画像516が表示されている。図21の画像516に示す承認ルートでは、申請者から承認者1の承認、承認者2の承認を順に得ることが示されている。また、図21では、一覧表示部520において、実行中の処理である「4.連携ワークフロー・システムで申請」の「b.承認ルート「△△ルート」」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。
【0085】
図22は、表示画面500の第12の表示例を示す図である。図22には、図21の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、図20に示した申請書フォーム515に記入されるデータの抽出対象となるファイル517が表示されている。ここでは、このファイル517を「添付ファイル」と呼び、符号517を付して記載する。添付ファイル517は、図10乃至図15を参照して説明した第1の処理における処理対象の文書ファイル511である。この添付ファイル517には、第2の処理で生成されたファイル名が付けられている。また、図22では、一覧表示部520において、実行中の処理である「4.連携ワークフロー・システムで申請」の「c.添付ファイル」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。
【0086】
図23は、表示画面500の第13の表示例を示す図である。図22には、図21の状態から処理の実行およびアニメーション動画の再生が進み、申請書フォーム515の項目欄に添付ファイル517から抽出された文字列が記入されている状態を示す。この処理では、第1の処理で添付ファイル517(文書ファイル511)から抽出された各文字列の属性情報を利用し、申請書フォーム515の項目欄に、該当する属性の文字列が記入される。なお、図23に示す場面では、それ以前に行われた第3の処理における各処理項目の実行によって、「購入目的」、「使用(設置)場所」、「経費負担」等の項目に記入が済んでいる。
【0087】
図23に示す場面では、事前に、申請書フォーム515の第1の品名欄(項目名「品名」の一番上の欄)に添付ファイル517の属性「品目」に該当する第1の文字列「PC」が記入されている。なお、一覧表示部520では、第1の品名欄を「品名1」、品目に該当する第1の文字列を「OCR抽出属性:品目1」と記載している。そして、図23に示す場面において、第1の品名欄に記載された品目の単価が、申請書フォーム515の第1の単価欄(項目名「単価」の一番上の欄)に記入される。この単価は、添付ファイル517の属性「価格」に該当する第1の文字列が記入される。
【0088】
図23に示す例では、添付ファイル517の属性「価格」に該当する第1の文字列「¥200,000」に枠線が付加されており、この箇所から抽出された文字列が記入されたことを示す矢印が表示されている。そして、第1の単価欄に文字列「200,000」が記入されている。また、図23に示す一覧表示部520では、「4.連携ワークフロー・システムで申請」の「h.申請書「単価1」に「OCR抽出属性:価格1」を入力」の項目に枠線が付加され、他の処理項目と識別可能に表示されている。なお、一覧表示部520では、第1の単価欄を「単価1」、価格に該当する第1の文字列を「OCR抽出属性:価格1」と記載している。
【0089】
この後、添付ファイル517の属性「品目」に該当する文字列が申請書フォーム515の各品名欄に記入され、添付ファイル517の属性「価格」に該当する文字列が申請書フォーム515の各単価欄に記入される処理が、添付ファイル517の品目数に相当する数だけ繰り返される。そして、最後に添付ファイル517の属性「合計金額」に該当する文字列が申請書フォーム515の合計金額の欄に記入されて申請書の作成が完了する。作成された申請書は、連携ワークフロー・システムにおいて、承認者に通知される。
【0090】
以上、第1の処理として登録された文書画像に対してOCR処理および認識した文字列の属性を抽出し、第2の処理としてファイル名を生成し、第3の処理として電子申請ワークフローと連携して電子申請を行うという一連の処理を含むワークフローを例として、アニメーション動画を含む表示画面500の表示例を説明した。ここで、各処理におけるアニメーション動画の画面構成や処理を表す表示方法は、上記の例に限定されない。各処理において処理対象の変化の様子を認識可能な種々の画面構成や表示方法を用いて良い。また、表示画面500の構成も図9乃至図23に示した構成には限定されない。
【0091】
<変形例>
図24は、表示画面500の変形例を示す図である。図24に示す表示画面500において、アニメーション表示部510には、第1の処理における最後の文字列抽出が行われた場面が表示されている。したがって、アニメーション表示部510の表示内容は、図14に示した表示内容と同様である。
【0092】
図24に示す表示画面500では、シークバー530に複数の目印532が表示されている。この目印532は、アニメーション動画の再生時間のうち、ワークフローの各処理における各処理項目が行われた場面に対応する時点を表している。図示の例では、個々の目印532a、532b、532c、532dがそれぞれ処理「2.OCRで属性抽出」の処理項目「a.日付」、「b.発行先」、「c.発行元」、「d.タイトル」に対応するものとする。したがって、例えば、シークバー530のスライダ531を目印532aの位置に移動させると、アニメーション表示部510には、処理項目「a.日付」の処理が行われた場面(図11参照)が表示される。
【0093】
図24に示すように表示画面500を構成することにより、ワークフローに基づく処理の実行中ではなく、処理が完了した後や、ある程度進行した時点で、ユーザが既に実行された処理に関して設定の編集を行う場合に、編集対象の場面を特定し、表示させる操作が容易になる。
【0094】
他の変形例として、一覧表示部520をワークフローの各処理における各処理項目が行われた場面を特定するための操作画面として用いても良い。図9乃至図23を参照して説明した一覧表示部520は、ワークフローに基づく処理の一覧を表示すると共に、アニメーション表示部510に表示されているアニメーション動画の場面のワークフローにおける位置を枠線によって表示した。
【0095】
これに対し、ユーザが一覧表示部520に表示されている処理項目の何れかを選択することにより、アニメーション表示部510において、選択された処理項目が実行された場面を表示するようにしても良い。処理項目の選択は、例えば、ユーザによるマウス・クリック等の操作により行うように構成しても良い。この場合も、シークバー530に目印532を表示する上記の変形例と同様に、ワークフローに基づく処理の実行中ではなく、処理が完了した後や、ある程度進行した時点で、ユーザが既に実行された処理に関して設定の編集を行う場合に、編集対象の場面を特定し、表示させる操作が容易になる。
【0096】
また、他の変形例として、アニメーション表示部510に表示されたアニメーション動画を停止させた場合に、この停止した画面をGUIによる操作画面として用いても良い。例えば、処理「2.OCRで属性抽出」の処理項目「a.日付」において、属性「日付」に該当する文字列を抽出した際、文書ファイル511(図11参照)の属性「日付」に該当するとして抽出した文字列に付加された枠線を操作画面上で移動可能なように構成し、その枠線を移動することにより、文書ファイル511における属性「日付」に該当する文字列として文字列を抽出する位置を変更可能としても良い。枠線の移動は、例えば、マウス・ドラッグ等の操作により行うように構成すれば良い。
【0097】
また、他の変形例として、ワークフローにおける処理項目の追加を行う場合に、アニメーション動画を用いて追加される処理項目の挿入位置を特定しても良い。例えば、アニメーション動画を停止した状態で、新たな処理項目を追加する操作が行われた場合に、追加された処理項目を、停止しているアニメーション動画の場面に対応する処理項目の直前に挿入するようにしても良い。新たな処理項目の追加は、例えば、設定画面において処理項目を生成し追加する機能を設けて実現しても良いし、新たな処理項目をワークフローに追加する機能を有する操作画面(図示せず)を表示して行っても良い。なお、ここでは、生成した新たな処理項目を、停止しているアニメーション動画の場面に対応する処理項目の直前に挿入することとしたが、かかる場面に対応する処理項目の直後に挿入するようにしても良いし、ユーザによる選択を受け付けて直前と直後の何れかに挿入する構成としても良い。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態には限定されない。例えば、上記の実施形態では、ワークフロー実行サーバ200およびワークフロー設定サーバ300と端末装置400とを別個に構成したが、ワークフロー実行サーバ200およびワークフロー設定サーバ300の何れか一方または両方を端末装置400と同一のコンピュータにより実現しても良い。その他、本発明の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本発明に含まれる。
【0099】
<付記>
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、前記プロセッサは、予め定められたワークフローに従って、当該ワークフローを構成する複数の処理を実行し、ワークフローを構成する前記複数の処理における各々の処理に関し、当該処理を実行することによる処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成し、生成した前記アニメーション動画を表示装置で再生することを特徴とする、ワークフロー・システム。
(((2)))
前記プロセッサは、前記アニメーション動画の再生時間に対応させたシークバーを当該アニメーション動画と共に前記表示装置に表示させ、
前記シークバーにおけるスライダの操作に応じて、当該スライダの位置に対応する前記アニメーション動画の再生個所を再生すること
を特徴とする、(((1)))に記載のワークフロー・システム。
(((3)))
前記プロセッサは、前記シークバーに、ワークフローを構成する処理における各々の処理が行われる前記アニメーション動画の再生個所を示す表示を行うことを特徴とする、(((2)))に記載のワークフロー・システム。
(((4)))
前記プロセッサは、ワークフローを構成する前記複数の処理の一覧を前記アニメーション動画と共に前記表示装置に表示させ、前記一覧において、再生中の前記アニメーション動画において処理が行われている処理項目を他の処理項目とは識別可能に表示することを特徴とする、(((1)))~(((3)))のいずれかに記載のワークフロー・システム。
(((5)))
前記プロセッサは、前記一覧における処理項目の指定を受け付けると、前記アニメーション動画のうち、指定された処理項目の処理が行われている再生個所を再生すること
を特徴とする、(((4)))に記載のワークフロー・システム。
(((6)))
前記プロセッサは、ワークフローを構成する前記複数の処理における各処理の進行に従って、前記アニメーション動画を生成して再生すると共に、再生した前記アニメーション動画を記憶装置に記憶し、ユーザによる再生指示を受け付けると、前記記憶装置から前記アニメーション動画を読み出し、再生することを特徴とする、(((1)))~(((5)))のいずれかに記載のワークフロー・システム。
(((7)))
前記プロセッサは、ユーザによる停止指示を受け付けて、前記アニメーション動画の再生を停止させ、前記停止指示を受け付けたことに応じて、当該停止指示を受け付けたときに再生されていた前記アニメーション動画の再生個所で行われている処理の設定変更を受け付けるための画面を表示し、変更された設定をワークフローに反映させることを特徴とする、(((1)))~(((6)))のいずれかに記載のワークフロー・システム。
(((8)))
前記プロセッサは、ユーザによる停止指示を受け付けて、前記アニメーション動画の再生を停止させ、前記アニメーション動画の再生の停止中に、新たな処理の追加を受け付け、ワークフローにおいて、追加された処理を、停止表示されている前記アニメーション動画に対応する処理の前に挿入することを特徴とする、(((1)))~(((7)))のいずれかに記載のワークフロー・システム。
(((9)))
コンピュータに、予め定められたワークフローに従って、当該ワークフローを構成する複数の処理を実行する機能と、ワークフローを構成する前記複数の処理における各々の処理に関し、当該処理を実行することによる処理対象の変化の様子を表すアニメーション動画を生成する機能と、生成した前記アニメーション動画を表示装置で再生する機能と、を実現させることを特徴とする、プログラム。
【0100】
(((1)))に係るワークフロー・システムによれば、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、各処理の経過の情報をユーザに提示することができる。
(((2)))に係るワークフロー・システムによれば、アニメーション動画のみを表示する構成と比較して、直感的な操作によりアニメーション動画の場面を表示させることができる。
(((3)))に係るワークフロー・システムによれば、ワークフローにおけるアニメーション動画により提示される処理の位置をユーザが直感的に認識することができる。
(((4)))に係るワークフロー・システムによれば、アニメーション動画のみを表示する構成と比較して、表示されている場面のワークフローにおける位置づけをユーザが直感的に認識することができる。
(((5)))に係るワークフロー・システムによれば、アニメーション動画のみを表示する構成と比較して、一覧に対する直感的な操作により処理項目を指定してアニメーション動画を表示させることができる。
(((6)))に係るワークフロー・システムによれば、アニメーション動画を生成時にのみ表示する構成と異なり、ユーザによる指定された場面のアニメーション動画を表示させることができる。
(((7)))に係るワークフロー・システムによれば、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、設定を変更する場面をユーザが直感的に判断することができる。
(((8)))に係るワークフロー・システムによれば、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、処理を追加する場面をユーザが直感的に判断することができる。
(((9)))に係るプログラムによれば、かかるプログラムをインストールしたコンピュータにおいて、ワークフローの各処理における処理前後の差分を提示する構成と比較して、各処理の経過の情報をユーザに提示することができる。
【符号の説明】
【0101】
100…ワークフローデータベース(DB)、200…ワークフロー実行サーバ、210…ワークフロー取得部、220…対象データ登録部、230…処理実行部、231…OCRサービス実行部、232…ファイル名生成サービス実行部、233…電子申請ワークフローサービス実行部、240…アニメーション動画生成部、300…ワークフロー設定サーバ、310…設定取得部、320…設定更新部、400…端末装置、410…ワークフロー実行指示部、420…設定編集部、430…表示制御部、440…表示装置、450…入力受け付け部、500…表示画面、510…アニメーション表示部、520…一覧表示部、530…シークバー、531…スライダ、532…目印、540…再生ボタン、550…ボタンオブジェクト、600…設定画面
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