特開 2024-136419 屋外構造物

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024136419

(43)【公開日】2024-10-04

(54)【発明の名称】屋外構造物

(51)【国際特許分類】

   E04B 1/343 20060101AFI20240927BHJP

   F21S 2/00 20160101ALI20240927BHJP

   F21V 33/00 20060101ALI20240927BHJP

   E04H 6/02 20060101ALI20240927BHJP

   E04B 7/00 20060101ALI20240927BHJP

   F21Y 115/10 20160101ALN20240927BHJP

   F21Y 103/10 20160101ALN20240927BHJP

【ＦＩ】

E04B1/343 R

F21S2/00 230

F21V33/00 200

E04H6/02 C

E04B7/00 Z

E04B1/343 V

F21Y115:10

F21Y103:10

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023047532

(22)【出願日】2023-03-24

(71)【出願人】

【識別番号】390005267

【氏名又は名称】ＹＫＫ ＡＰ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】楠 翔旭

(72)【発明者】

【氏名】永田 幸自

(72)【発明者】

【氏名】小平 知弘

【テーマコード（参考）】

3K014

【Ｆターム（参考）】

3K014AA01

(57)【要約】

【課題】照明装置からの光が途切れることを抑制することができる屋外構造物を提供する。
【解決手段】屋外構造物は、照明装置を備える屋外構造物であって、前記照明装置は、それぞれの長手方向に沿って並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスと、隣接する前記照明デバイス同士の連接部を跨ぐように配置されるアタッチメント部材と、前記アタッチメント部材に設けられ、隣接する前記照明デバイスの一方を支持する第１ホルダ及び他方を支持する第２ホルダと、を備える。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

照明装置を備える屋外構造物であって、
前記照明装置は、
それぞれの長手方向に沿って並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスと、
隣接する前記照明デバイス同士の連接部を跨ぐように配置されるアタッチメント部材と、
前記アタッチメント部材に設けられ、隣接する前記照明デバイスの一方を支持する第１ホルダ及び他方を支持する第２ホルダと、
を備える
ことを特徴とする屋外構造物。

【請求項2】

請求項１に記載の屋外構造物であって、
互いに連接された複数の屋根材と、
前記屋根材の連接方向に延在し、前記屋根材の端部を支持する枠材と、
をさらに備え、
前記枠材は、その長手方向に延在し、前記屋根材よりも下方に設けられたヒレ部を有し、
前記アタッチメント部材は、前記枠材に固定され、
前記照明装置は、前記ヒレ部の上面側に配置される
ことを特徴とする屋外構造物。

【請求項3】

請求項２に記載の屋外構造物であって、
前記ヒレ部は、上向きに開口した溝部を形成しており、
前記照明装置は、前記溝部に収容され、該溝部の開口から前記屋根材の下面に向けて光を照射する
ことを特徴とする屋外構造物。

【請求項4】

請求項２又は３に記載の屋外構造物であって、
前記アタッチメント部材は、前記枠材に設けられた上下方向に沿う壁面に固定され、
前記第１ホルダ及び前記第２ホルダは、前記アタッチメント部材から横向きに突出するように設けられると共に、横向きに開口し且つ前記照明デバイスを横から挿抜可能なクリップ状の把持部を有する
ことを特徴とする屋外構造物。

【請求項5】

請求項４に記載の屋外構造物であって、
前記第１ホルダ及び前記第２ホルダは、光を透過する材料で形成されている
ことを特徴とする屋外構造物。

【請求項6】

請求項１に記載の屋外構造物であって、
前記アタッチメント部材の全長は、前記照明デバイスの全長よりも短い
ことを特徴とする屋外構造物。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、カーポートやテラス屋根等として用いることができる屋外構造物に関する。

【背景技術】

【0002】

例えばカーポートやテラス屋根等として用いられる屋外構造物は、照明装置が設けられることがある。特許文献１には、屋根の長手方向に沿ってスポットライト状の間接照明装置を一定間隔で並べた構成が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第６８８８１９９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記特許文献１の構成は、照明装置がスポットライトのように取り付けられているため、光が点々と途切れ途切れに照射され、照明が無い部分は暗くなってしまう。

【0005】

本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、照明装置からの光が途切れることを抑制することができる屋外構造物を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一態様に係る屋外構造物は、照明装置を備える屋外構造物であって、前記照明装置は、それぞれの長手方向に沿って並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスと、隣接する前記照明デバイス同士の連接部を跨ぐように配置されるアタッチメント部材と、前記アタッチメント部材に設けられ、隣接する前記照明デバイスの一方を支持する第１ホルダ及び他方を支持する第２ホルダと、を備える。

【発明の効果】

【0007】

本発明の上記態様によれば、照明装置からの光が途切れることを抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】一実施形態に係る屋根構造体の側面図である。

【図2】屋根構造体の正面図である。

【図3】屋根の側面断面図である。

【図4】照明装置の正面図である。

【図5】照明装置の側面図である。

【図6A】アタッチメント部材に第１ホルダ及び第２ホルダを固定した状態を示す側面図である。

【図6B】第１ホルダ及び第２ホルダを固定したアタッチメント部材をヒレ部の溝部に仮置きした状態を示す側面図である。

【図6C】第１ホルダ及び第２ホルダで照明デバイスを支持した状態を示す側面図である。

【図6D】アタッチメント部材を枠材の壁面に固定する状態を示す側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、本発明に係る屋外構造物についての好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。

【0010】

図１及び図２に示すように、本実施形態の屋外構造物１０は、カーポートやテラス屋根等として用いられる屋外構造物である。屋外構造物１０は、屋根１２と、一対の柱１４，１５と、一対の梁１６，１７と、照明装置１８と、フェンス１９とを備える。

【0011】

以下、図２に示すように屋外構造物１０を柱１４，１５側とは反対側から見た方向を正面とし、正面から見て手前側を前、奥側を後、上方を上、下方を下、左方を左、右方を右、と呼んで説明する。これらの各方向の呼び方は説明の便宜上のものであり、各方向は屋外構造物１０の用途、設置状況、又は利用者の視点位置等によって当然に変化し得る。また、屋外構造物１０の設置姿勢等によっては各構成要素が前後、左右、上下の各方向から多少傾いた姿勢で設置される場合も当然あるが、この場合も含めて本出願では前後、左右、上下と呼んで説明している。

【0012】

図１～図３に示すように、屋根１２は、複数の屋根材２０と、屋根材２０の周囲を囲む屋根枠２２とを備える。照明装置１８は屋根材２０の下面側で屋根枠２２に支持されている。屋根１２は、前から後に向かって次第に下に傾斜した水勾配を有する。水勾配の前後は逆でもよいし、少なくとも屋根枠２２は水平に設置されてもよい。

【0013】

各屋根材２０は、隣接する幅方向（左右方向）の縁部同士が互いに連結部２４で連結され、これにより左右方向に連接されている。各屋根材２０は、長手方向（前後方向）の端部２０ａ，２０ｂがそれぞれ屋根枠２２にねじ止めされる。

【0014】

屋根枠２２は、前枠２６と、後枠２７と、左右の側枠２８，２９とを有する。各枠２６～２９は、例えばアルミニウム等の金属で形成された押出形材である。

【0015】

前枠２６及び後枠２７は、屋根材２０の連接方向（左右方向）に沿って延在する枠材であり、互いに平行している。後枠２７は前枠２６よりも低位置にあり、これにより屋根１２の水勾配を形成している。本実施形態の場合、前枠２６及び後枠２７は同一の断面形状を有し、前後対称に設置されている。前枠２６は、各屋根材２０の前側の端部２０ａを支持する支持面２６ａを有する（図３参照）。屋根材２０は支持面２６ａに上から載置され、支持面２６ａにねじ３０で固定される。同様に後枠２７は、各屋根材２０の後側の端部２０ｂが上から載置され、ねじ３０で固定される支持面２７ａを有する。

【0016】

各枠２６，２７には、屋根枠２２の枠内側（後側）を向いて横向きに突出し、屋根材２０の下方に位置するヒレ部３２，３３が設けられている。前枠２６のヒレ部３２は、枠内側を向いた上下方向に沿う壁面２６ｂの下部から後向きに突出している。後枠２７のヒレ部３３は、枠内側を向いた上下方向に沿う壁面２７ｂの下部から前向きに突出している。照明装置１８は、各枠２６，２７のヒレ部３２，３３の上面側にそれぞれ設けられるが、その構成や設置構造についての詳細は後述する。

【0017】

側枠２８，２９は、後下がりで前後方向に沿って延在した枠材であり、左右方向で互いに平行している。側枠２８，２９は、前枠２６の左右端部と後枠２７の左右端部との間を連結している。さらに側枠２８，２９は、左右の端に配置された屋根材２０の側部を支持している。

【0018】

柱１４，１５は、例えばステンレスやアルミニウム等で形成された角筒状の支柱部材であり、下端部が地面Ｇに固定される。一方の柱１４は、上端部で後枠２７及び一方の梁１６を支持している。他方の柱１５は、上端部で後枠２７及び他方の梁１７を支持している。

【0019】

梁１６，１７は、例えばステンレスやアルミニウム等で形成された角筒状の部材であり、前上がりで前後方向に沿って延在している。梁１６，１７は、前端部の上面に前枠２６の下面がねじ３４で固定され、後端部の上面に後枠２７の下面がねじ３４を用いて固定される（図３参照）。柱１４，１５の上端部には、例えば上向きに開口した溝状部が設けられ、この溝状部に梁１６，１７が挿入され、互いに締結される。図３中の参照符号３５は、梁１６（１７）の前端小口を覆うキャップである。梁１６，１７の前端下面には補助柱３６を設置し、屋根１２の支持強度を高めることもできる（図１参照）。補助柱３６は省略されてもよい。図２及び図３では補助柱３６の図示を省略している。

【0020】

フェンス１９は、屋外構造物１０の後面に設置される目隠しである。フェンス１９は、格子３８と、複数本の柱３９及び柱１４，１５とで構成されている。

【0021】

格子３８は、例えば横向きに延在する帯状の板材３８ａを上下に複数枚並べて面格子を形成したものである。板材３８ａは、例えば木製、樹脂製、又は金属製である。格子３８は、縦格子やメッシュ構造等で構成してもよい。柱３９は、例えばステンレスやアルミニウム等で形成された角筒状の部材であり、下端部が地面Ｇに固定される。柱３９は、屋外構造物１０の構造部材である柱１４，１５と互い違いになるように３本設けられている。

【0022】

格子３８は、左右方向に並んだ各柱１４，１５，３９を跨ぐように左右方向に延在し、各柱１４，１５，３９の正面側に支持されている。柱１４，１５，３９と格子３８とは、例えば柱１４，１５，３９の側面と格子３８の後面との間を連結する断面Ｌ字状の取付桟４０で連結されている。柱３９は省略し、柱１４，１５のみで格子３８を支持してもよい。フェンス１９は柱１４，１５とは別体で自律的に設置されてもよい。フェンス１９は省略されてもよい。

【0023】

次に、照明装置１８の構成例及びその設置構造について説明する。

【0024】

図３に示すように、照明装置１８は、前枠２６及び後枠２７にそれぞれ設けられる。本実施形態の場合、前枠２６及び後枠２７にそれぞれ設けられた照明装置１８は、互いに前後対称である以外は同一又は同様な構成でよい。そこで、図４～図６Ｄの図示も含め、以下では後枠２７に設置される照明装置１８を代表的に説明し、前枠２６に設置される照明装置１８についての説明は省略する。照明装置１８は、前枠２６及び後枠２７の一方のみに設けられてもよい。

【0025】

図２～図５に示すように、照明装置１８は、複数の照明デバイス４２と、アタッチメント部材４４と、アタッチメント部材４４に設けられた第１ホルダ４６及び第２ホルダ４７とを備える。

【0026】

各照明デバイス４２は、細長い棒状に形成され、上を向いた一面（照射面４２ｃ）からライン状の光を照射可能なラインライトである。照明デバイス４２は、例えば細長い棒状に形成され、上面が照射面４２ｃを形成する乳白色等の半透明プレートで形成されたケーシングを有し、ケーシング内にその長手方向に沿って複数の発光チップを並べた構成である。発光チップは、例えばＬＥＤ（発光ダイオード：Light Emitting Diode）である。これにより照明デバイス４２は、その長手方向に沿って延びた照射面４２ｃから細長いライン状のシームレスな光を照射することができる。照明デバイス４２の長さは限定されないが、例えば７００ｍｍ～１５００ｍｍ程度である。

【0027】

各照明デバイス４２は、それぞれの長手方向（左右方向）に沿って順に並べられ、全体として１本のライン状に配置されている。従って、図２及び図４に示されるように、照明デバイス４２の左端部４２ａは、その左側に隣接する他の照明デバイス４２の右端部４２ｂと端面同士が突合せて配置される。照明デバイス４２の右端部４２ｂは、その右側に隣接する他の照明デバイス４２の左端部４２ａと端面同士が突合せて配置される。以下、隣接する照明デバイス４２の端部４２ａ，４２ｂ同士の突合せ部を連接部４８と呼ぶ。

【0028】

これにより照明装置１８は、ライン状に並んだ複数の照明デバイス４２からの光が連続し、照明デバイス４２の並び数だけ延びた細長いライン状のシームレスな光を照射することができる。照明デバイス４２の設置本数は限定されないが、少なくとも２本以上とされる。図２では５本の場合を例示しているため、その全長は３５００ｍｍ～７５００ｍｍ程度となる。

【0029】

アタッチメント部材４４及びホルダ４６，４７は、照明デバイス４２を後枠２７に支持するブラケットであり、隣接する照明デバイス４２の端部４２ａ，４２ｂを相互に位置決めし、位置決めした状態を保持するものである。

【0030】

図４及び図５に示すように、アタッチメント部材４４は、後枠２７に固定される平板状部材であり、例えばアルミニウム等の金属や樹脂の押出形材である。アタッチメント部材４４は、照明デバイス４２と壁面２７ｂとの間に配置され、壁面２７ｂに対してねじ５０で固定される。この際、アタッチメント部材４４は、隣接する照明デバイス４２同士の連接部４８を照明デバイス４２の並び方向（左右方向）に沿って跨ぐように配置される。

【0031】

本実施形態のアタッチメント部材４４は、左右方向に延在する平板状の本体部４４ａと、本体部４４ａの裏面から突出する上下３段の突片４４ｂとを有する。アタッチメント部材４４は、各突片４４ｂが壁面２７ｂに突き当てられ、最も下段の突片４４ｂは下方に屈曲された先端がヒレ部３３の上面３３ａに当接する。このため本体部４４ａは、上下左右に沿って起立した状態でヒレ部３３の上面３３ａから多少浮き上がった位置に設置される。

【0032】

アタッチメント部材４４は連接部４８の数だけ設置される。例えば照明デバイス４２が２本の場合はアタッチメント部材４４を１つ用い、照明デバイス４２が５本の場合はアタッチメント部材４４を４つ用いる。アタッチメント部材４４の長手方向の長さは、各照明デバイス４２の長さよりも短く、連接部４８を十分に跨ぐことができる程度の長さであることが好ましく、例えば１００ｍｍ～１５０ｍｍ程度である。アタッチメント部材４４は、左右に並んだ複数の照明デバイス４２の合計長さ（３５００ｍｍ～７５００ｍｍ程度）と略同一の長さを有する長尺な構成としてもよく、この場合は１枚のアタッチメント部材４４にホルダ４６，４７を複数組固定すればよい。但し、本実施形態のアタッチメント部材４４は各連接部４８を跨ぐ部分のみの短尺な部品とすることで、取り扱い性や設置作業性を高めつつ、部品コストを低減している。

【0033】

図５に示すように、後枠２７のヒレ部３３は、壁面２７ｂの最下部から前方に突出するように設けられ、上方に起立した屈曲片３３ｂが先端に形成されることで略Ｌ字状を成している。これによりヒレ部３３の上面３３ａ側には、壁面２７ｂと屈曲片３３ｂとの間で上向きに開口する溝部３３ｃが形成される。前枠２６のヒレ部３２は図５に示すヒレ部３３と前後対称構造でよい（図２参照）。

【0034】

図４及び図５に示すように、ホルダ４６，４７は、照明デバイス４２を支持するための部品であり、例えば樹脂の成形部品である。１つのアタッチメント部材４４に対して、第１ホルダ４６及び第２ホルダ４７の組が１組設けられる。例えば第１ホルダ４６は本体部４４ａの左端部にねじ５２で固定され、第２ホルダ４７は本体部４４ａの右端部にねじ５２で固定される。ホルダ４６，４７は、アタッチメント部材４４から横向きに突出し、隣接する照明デバイス４２同士の連接部４８を跨いで左右に配置される。これにより照明装置１８は、連接部４８を構成する一方の照明デバイス４２の右端部４２ｂ近傍を第１ホルダ４６で保持し、他方の照明デバイス４２の左端部４２ａ近傍を第２ホルダ４７で保持することができる。

【0035】

本実施形態のホルダ４６，４７は同一部品である。ホルダ４６，４７はそれぞれ、アタッチメント部材４４に固定されるベースプレート５４と、ベースプレート５４から突出し、照明デバイス４２を把持する把持部５５とを有する。

【0036】

ベースプレート５４は、例えば一対の把持部５５，５５間に位置する中央部に上下２段の孔部が形成される。これによりベースプレート５４は、２段のいずれか一方の孔部を選択的に用いて本体部４４ａの表面にねじ５２で固定することができる。本体部４４ａに対するベースプレート５４の締結位置やねじ５２を挿通する孔部の配置等は適宜変更してもよい。

【0037】

把持部５５は、横向きに開口し、照明デバイス４２を横から挿抜可能なクリップ状のアームであり、本実施形態では二股のアームである。把持部５５は、上下に対向する舌片状の弾性片５５ａ，５５ｂ間に照明デバイス４２を挟み込むことができる。弾性片５５ａ，５５ｂは、その突出先端が互いに離間する方向に曲がった口開き形状を成しており、照明デバイス４２を円滑に挿入することができる。弾性片５５ａ，５５ｂは、突出方向で中間付近にストッパ片５５ｃが設けらている。ストッパ片５５ｃは、弾性片５５ａ，５５ｂの対向面から互いに向かい合わせに突出している。ストッパ片５５ｃは、弾性片５５ａ，５５ｂ間への照明デバイス４２の挿入位置、つまり照明デバイス４２の前後方向での保持位置を規定するものである。

【0038】

把持部５５は、弾性片５５ａ，５５ｂによって照明デバイス４２の上下面を上下から挟み込むように把持するため、僅かな幅ではあるが上部の弾性片５５ａが照射面４２ｃを覆う。そこでホルダ４６，４７は、光を透過する材料、例えば透明材料によって形成することが好ましい。本実施形態では、ねじ５２を跨ぐように把持部５５が二股のアームで形成されているが、把持部５５は１本のアームのみで形成されてもよい。但し、把持部５５は、ねじ５２を跨ぐように二股に形成されることで、照明デバイス４２の支持バランスが向上する。

【0039】

このように、屋外構造物１０では、１枚のアタッチメント部材４４と一対のホルダ４６，４７が１セットとなり、連接部４８で連接された隣接する照明デバイス４２の端部４２ａ，４２ｂを相互に位置決めして支持するブラケットとして機能する。この際、ホルダ４６，４７は、ヒレ部３３の上面３３ａから多少浮き上がった位置に設置され、把持される照明デバイス４２も上面３３ａから多少浮き上がった位置に配置される。これにより雨水等の排水で照明デバイス４２が濡れることを抑制できる。上記したように、前枠２６側の照明装置１８はこのような後枠２７側の照明装置１８と前後対称に構成される。

【0040】

次に、照明装置１８の後枠２７に対する設置方法の一手順を説明する。

【0041】

先ず、図６Ａに示すように、ねじ５２を用いてホルダ４６，４７をアタッチメント部材４４の本体部４４ａに対して横向きに突出するように固定する。ここでは、アタッチメント部材４４にホルダ４６，４７を固定したアセンブリ部品を「連接ブラケット」と呼ぶ。続いて、図６Ｂに示すように、連接ブラケットをヒレ部３３の溝部３３ｃ内に収容し、上面３３ａに仮置きする。連接ブラケットは、連接部４８が設置される部分に対応するように、溝部３３ｃ内の各所に適宜配置される。

【0042】

次に、図６Ｃに示すように、連接ブラケットを溝部３３ｃの開口から上に持ち上げ、ホルダ４６，４７の弾性片５５ａ，５５ｂ間に照明デバイス４２を横向きに差し込む。上記したように、連接ブラケット毎に、隣接する一方の照明デバイス４２の右端部４２ｂ近傍を第１ホルダ４６に保持させ、他方の照明デバイス４２の左端部４２ａ近傍を第２ホルダ４７に保持させる。この際、ホルダ４６，４７が横向きのクリップ状に構成されることで、細長く取り扱い性及び剛性が低い照明デバイス４２を容易に且つ円滑に支持することができる。

【0043】

最後に、図６Ｄに示すように、ホルダ４６，４７で照明デバイス４２を保持した連接ブラケットを照明デバイス４２と共に再び溝部３３ｃ内に収め、アタッチメント部材４４をねじ５０で壁面２７ｂに固定する。これにより照明装置１８の後枠２７に対する設置作業が完了する。前枠２６側の照明装置１８もこのような後枠２７側の照明装置１８と同様な手順で設置できる。

【0044】

この場合、本実施形態の屋外構造物１０は、それぞれの長手方向に沿って並べられた複数の細長い棒状の照明デバイス４２と、その連接部４８を跨ぐように配置されるアタッチメント部材４４と、アタッチメント部材４４に設けられ、隣接する照明デバイス４２の一方及び他方を支持するホルダ４６，４７とを備える。

【0045】

従って、当該屋外構造物１０では、細長い棒状の照明デバイス４２同士が長手方向に並んで配置されることで、照明装置１８からの光が途中で途切れることなく、シームレスなライン状に照射されるため、照明装置１８の点灯時の意匠性が向上する。この際、隣接する照明デバイス４２の端部４２ａ，４２ｂは、連接部４８を跨ぐアタッチメント部材４４に設けたホルダ４６，４７によってそれぞれ保持される。このため、隣接する照明デバイス４２の端部４２ａ，４２ｂ同士が設置時及び設置後に位置ずれすることがなく、ライン状に並んだ照明デバイス４２からの光が位置ずれし、或いは途切れることが一層確実に抑制される。

【0046】

すなわち、一般的な棒状の照明デバイスは、強度や取扱性の問題から、その長さは１５００ｍｍ程度までに限られている。一方、例えばカーポートは左右長さが５０００ｍｍ以上ある。このため、１本の照明デバイスでは、カーポートの枠材の全長に配置することはできない。また、棒状の照明デバイスは、単にライン状に並べただけでは、隣接する照明デバイス間の隙間や位置ずれによって照明欠損を生じ、特にＬＥＤのような指向性の高い照明ではこの問題が顕著となる。この点、本実施形態の照明装置１８は、複数の照明デバイス４２を並べて配置しつつ、相互間の位置決め及びその状態の維持をアタッチメント部材４４及びホルダ４６，４７によって行うことができ、品質のよい照明（間接照明）の構築が可能である。

【0047】

また、本実施形態の照明装置１８は、屋外構造物１０の施工後に後付けで取り付けることも容易であり、その際の設置位置や方向の設定も柔軟である。アタッチメント部材４４及びホルダ４６，４７で照明デバイス４２を支持するだけの簡便な構成であるためである。

【0048】

当該屋外構造物１０では、屋根材２０を支持する枠材である前枠２６及び後枠２７がその長手方向に延在するヒレ部３２，３３を有する。そして、アタッチメント部材４４は枠材に固定され、照明装置１８は屋根材２０の下方にあるヒレ部３２，３３の上面側に配置される。このため屋外構造物１０は、屋根材２０を下方から見上げた際に照明装置１８がヒレ部３２，３３で隠され、照明装置１８が外観上に露出せず、同時に照明装置を間接照明として用いることができるため点灯時の意匠性が向上する。特に、ヒレ部３２，３３は、上向きに開口した溝部３３ｃを有し、照明装置１８はこの溝部３３ｃに収容され、屋根材２０の下面に向けて照射面４２ｃから光を照射する。このため、照明装置１８がより外観上から見えにくくなり、また屋根材２０の下面に光が照射されることで点灯時の意匠性が一層向上する。

【0049】

以上のように、本発明の一態様に係る屋外構造物は、照明装置を備える屋外構造物であって、前記照明装置は、それぞれの長手方向に沿って並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスと、隣接する前記照明デバイス同士の連接部を跨ぐように配置されるアタッチメント部材と、前記アタッチメント部材に設けられ、隣接する前記照明デバイスの一方を支持する第１ホルダ及び他方を支持する第２ホルダと、を備える。このような構成によれば、長手方向に並んで隣接する照明デバイスが、互いの連接部を跨ぐアタッチメント部材に設けた第１ホルダ及び第２ホルダによってそれぞれ支持される。このため、隣接する照明デバイスの端部同士が設置時及び設置後に位置ずれすることが抑制され、ライン状に並んだ照明デバイスからの光が位置ずれし、或いは途切れることが抑制される。

【0050】

互いに連接された複数の屋根材と、前記屋根材の連接方向に延在し、前記屋根材の端部を支持する枠材と、をさらに備え、前記枠材は、その長手方向に延在し、前記屋根材よりも下方に設けられたヒレ部を有し、前記アタッチメント部材は、前記枠材に固定され、前記照明装置は、前記ヒレ部の上面側に配置される構成としてもよい。そうすると、屋根材を下方から見上げた際に照明装置がヒレ部で隠されるため、照明装置によって屋外構造物の外観品質が低下することを抑制できる。

【0051】

前記ヒレ部は、上向きに開口した溝部を形成しており、前記照明装置は、前記溝部に収容され、該溝部の開口から前記屋根材の下面に向けて光を照射する構成としてもよい。そうすると、照明装置をヒレ部の溝部に収容して外観上からより確実に隠すことができる。しかも照明装置は、溝部の上向きの開口から屋根材の下面に向けて光を照射することで、シームレスなライン状の間接照明が構築され、点灯時の意匠性が一層向上する。

【0052】

前記アタッチメント部材は、前記枠材に設けられた上下方向に沿う壁面に固定され、前記第１ホルダ及び前記第２ホルダは、前記アタッチメント部材から横向きに突出するように設けられると共に、横向きに開口し且つ前記照明デバイスを横から挿抜可能なクリップ状の把持部を有する構成としてもよい。そうすると、細長い照明デバイスを容易に且つ円滑に第１ホルダ及び第２ホルダで支持することができる。

【0053】

前記第１ホルダ及び前記第２ホルダは、光を透過する材料で形成されていることが好ましい。そうすると、第１ホルダ及び第２ホルダによって照明デバイスからの光が遮られることを抑制できる。

【0054】

前記アタッチメント部材の全長は、前記照明デバイスの全長よりも短いことが好ましい。そうすると、アタッチメント部材の取り扱い性が向上し、施工作業も容易となる。

【0055】

なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。

【符号の説明】

【0056】

１０ 屋外構造物、１２ 屋根、１８ 照明装置、２０ 屋根材、２２ 屋根枠、２６ 前枠、２７ 後枠、３２，３３ ヒレ部、４２ 照明デバイス、４４ アタッチメント部材、４６ 第１ホルダ、４７ 第２ホルダ、４８ 連接部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6A】

【図6B】

【図6C】

【図6D】