(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136436
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】キッチンユニット
(51)【国際特許分類】
A47B 77/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A47B77/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047553
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高久 秀之
(72)【発明者】
【氏名】増田 久士
(72)【発明者】
【氏名】森 創
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260DA02
(57)【要約】
【課題】外観を変更するリフォームを容易にしたキッチンユニットを提供する。
【解決手段】キッチンユニットAは、主柱と間柱と短尺梁と長尺梁とを備えたメインフレーム20と、メインフレーム20に対して着脱可能な化粧側板30、化粧背板31、L形化粧材38及び角柱化粧材47とを備え、メインフレーム20に取り付けられている化粧側板30、化粧背板31、L形化粧材38及び角柱化粧材47は、化粧側板30、化粧背板31、L形化粧材38及び角柱化粧材47に対する外力の付与によってメインフレーム20から離脱することが可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と梁とを備えたベース部材と、
前記ベース部材に対して着脱可能な化粧部材と、を備え、
前記ベース部材に取り付けられている前記化粧部材は、前記化粧部材に対する外力の付与によって前記ベース部材から離脱することが可能であるキッチンユニット。
【請求項2】
前記ベース部材と前記化粧部材には、互いに嵌合することによって前記化粧部材を前記ベース部材に取り付けた状態に保持可能な保持部が形成され、
前記化粧部材が外力を受けたときに、前記ベース部材に形成した前記保持部及び前記化粧部材に形成した前記保持部の少なくとも一方の前記保持部が弾性変形することによって、前記化粧部材が前記ベース部材から離脱される請求項1記載のキッチンユニット。
【請求項3】
前記ベース部材と前記化粧部材のうち少なくとも一方の部材には、凹部が形成され、
前記保持部が、前記凹部内に配置されている請求項2に記載のキッチンユニット。
【請求項4】
前記ベース部材に前記化粧部材を取り付けた状態では、前記ベース部材と前記化粧部材の互いに対向する対向面が、両面テープを介して固定されている請求項1に記載のキッチンユニット。
【請求項5】
前記ベース部材と前記化粧部材には、互いに嵌合することによって、前記ベース部材に対して前記化粧部材を位置決めする位置決め部が形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のキッチンユニット。
【請求項6】
前記ベース部材に対して着脱可能な面材を有し、
前記化粧部材の外面と前記面材の外面とが、面一状に隣り合っている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のキッチンユニット。
【請求項7】
前記ベース部材が、空洞を有する部材を含んでいる請求項1から請求項4のいずれか1稿に記載のキッチンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キッチンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フレーム構造のキャビネットが開示されている。キャビネットの上面のワークトップには、シンクと加熱器が設けられている。キャビネットの正面には、引出しが設けられ、キャビネットの側面には化粧板が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のキャビネットは、キャビネットの外観を変更するリフォームに関しては、考慮されていない。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、外観を変更するリフォームを容易にしたキッチンユニットを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のキッチンユニットは、
柱と梁とを備えたベース部材と、
前記ベース部材に対して着脱可能な化粧部材と、を備え、
前記ベース部材に取り付けられている前記化粧部材は、前記化粧部材に対する外力の付与によって前記ベース部材から離脱することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】キャビネットを構成する棚板と引出しの斜視図
【
図7】主柱からL形化粧材を取り外した状態の斜視図
【
図9】間柱から角柱化粧材を取り外した状態の斜視図
【
図11】実施形態2の主柱にL形化粧材を取り付けた状態の斜視図
【
図12】主柱からL形化粧材を取り外した状態の斜視図
【
図13】間柱に板状化粧材を取り付けた状態の斜視図
【
図14】間柱から板状化粧材を取り外した状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。下記の複数の実施形態を、矛盾を生じない範囲で任意に組み合わせたものも、発明を実施するための形態に含まれる。
[1]本開示のキッチンユニットは、柱と梁とを備えたベース部材と、前記ベース部材に対して着脱可能な化粧部材と、を備え、前記ベース部材に取り付けられている前記化粧部材は、前記化粧部材に対する外力の付与によって前記ベース部材から離脱することが可能である。
[2]上記[1]において、前記ベース部材と前記化粧部材には、互いに嵌合することによって前記化粧部材を前記ベース部材に取り付けた状態に保持可能な保持部が形成され、前記化粧部材が外力を受けたときに、前記ベース部材に形成した前記保持部及び前記化粧部材に形成した前記保持部の少なくとも一方の前記保持部が弾性変形することによって、前記化粧部材が前記ベース部材から離脱される。
[3]上記[1]又は[2]のいずれか一方において、前記ベース部材と前記化粧部材のうち少なくとも一方の部材には、凹部が形成され、前記保持部が、前記凹部内に配置されている。
[4]上記[1]~[3]のいずれかにおいて、前記ベース部材に前記化粧部材を取り付けた状態では、前記ベース部材と前記化粧部材の互いに対向する対向面が、両面テープを介して固定されている。
[5]上記[1]~[4]のいずれかにおいて、前記ベース部材と前記化粧部材には、互いに嵌合することによって、前記ベース部材に対して前記化粧部材を位置決めする位置決め部が形成されている。
[6]上記[1]~[5]のいずれかにおいて、前記ベース部材に対して着脱可能な面材を有し、前記化粧部材の外面と前記面材の外面とが、面一状に隣り合っている。
[7]上記[1]~[6]のいずれかにおいて、前記ベース部材が、空洞を有する部材を含んでいる。
【0009】
<実施形態1>
以下、本開示を具体化した実施形態1を
図1~
図10を参照して説明する。以下の説明において、キッチンユニットAの前後方向については、加熱調理機14に正対する使用者から見て、手前側を前方と定義し、使用者から見て奥側を後方と定義する。
図1~5,10におけるF方向は、前方を示す。上下の方向については、
図1~5におけるH方向を上方と定義する。左右の方向については、加熱調理機14に正対する使用者から見た向きを、そのまま左方、右方と定義する。
図1~5,10におけるR方向は、右方を示す。
【0010】
本実施形態1のキッチンユニットAは、
図1に示すように、キッチンカウンター10と、キッチンテーブル50と、を備えている。キッチンカウンター10は、キャビネット11と、キャビネット11の上面に水平に載置された天板12と、シンク13と、加熱調理機14とを有する。キャビネット11には、引出し15と棚板16が設けられている。天板12の左端側の領域には、シンク13が配置されている。天板12の右端側の領域には、加熱調理機14が配置されている。天板12のうちシンク13と加熱調理機14との領域は、調理作業を行ったり、調理に必要や食材や調理器具を置いたりするための調理スペース17が確保されている。天板12のうちシンク13の近傍には、水栓装置(図示省略)か設けられている。
【0011】
キャビネット11は、
図2に示すように、メインフレーム20と、4枚の底板21と、3枚の間仕切り板22と、複数の化粧部材とを備えている。メインフレーム20は、4枚の底板21と、3枚の間仕切り板22と、複数の化粧部材を支持するためのベース部材としての機能を有する。メインフレーム20は、アルミニウム等の金属からなる。
図5に示すように、メインフレーム20は、4本の主柱23と、6本の間柱24と、19本の短尺梁25と、1本の長尺梁26と、1つの異形フレーム27とを、溶接によって一体化させたものである。
【0012】
4本の主柱23と6本の間柱24は、上下方向に細長い部材である。4本の主柱23は、前後左右に間隔を空けて配置されている。前側に配置された一対の主柱23の間には、3本の間柱24が配置されている。左右に隣り合う前側の主柱23と間柱24との間、及び左右に隣り合う間柱24同士の間には、夫々、上下一対の短尺梁25が左右方向に差し渡されるように配置されている。
【0013】
後側に配置された一対の主柱23の間には、長尺梁26が左右方向に差し渡された状態で配置されている。長尺梁26は、主柱23の低い部位同士を連結している。後側の主柱23の間には、3本の間柱24が配置されている。左右に隣り合う後側の主柱23と間柱24との間、及び左右に隣り合う間柱24の間には、夫々、1本の短尺梁25が左右方向に差し渡されるように配置されている。短尺梁25は、主柱23及び間柱24の上端部同士を連結している。
【0014】
メインフレーム20の右端部において前後に並ぶ一対の主柱23の間には、上下に間隔を空けた一対の短尺梁25が、前後方向に差し渡されるように配置されている。メインフレーム20の左端部において前後に並ぶ一対の主柱23の間にも、上下に間隔を空けた一対の短尺梁25が、前後方向に差し渡されるように配置されている。前後に並ぶ間柱24同士の間には、夫々、1本の短尺梁25が、長尺梁26と同じ高さにおいて前後方向に差し渡されるように配置されている。
【0015】
異形フレーム27は、左右方向に延びる1本の第1梁部28と、第1梁部28から前方へ片持ち状に延出した4本の第2梁部29とを一体化した形状をなす。第2梁部29は、左右方向に間隔を空けて配置され、左右両端の2本の第2梁部29は、第1梁部28の左右両端部に連なっている。異形フレーム27は、4本の第2梁部29の前端を、後側の間柱24の間に差し渡した上側の短尺梁25に繋げた状態で配置されている。
【0016】
4枚の底板21は、メインフレーム20の低い位置に配置した長尺梁26と複数の短尺梁25とに支持された状態で着脱可能に取り付けられている。3枚の間仕切り板22は、前後に並ぶ間柱24と、この両間柱24に間に差し渡された短尺梁25とに支持された状態で着脱可能に取り付けられている。
図1,2に示すように、メインフレーム20の右端部と左端部には、前後両主柱23と短尺梁25とに支持された化粧側板30が配置されている。
図2に示すように、メインフレーム20の後面には、後側に位置する主柱23と長尺梁26と複数の短尺梁25とに支持された複数の化粧背板31が配置されている。
【0017】
図2に示すように、メインフレーム20内には、底板21、化粧側板30、間仕切り板22及び化粧背板31によって区画された複数の収納スペース32が形成されている。これらの収納スペース32内には、引出し15及び棚板16の一方が設けられている。天板12は、主柱23と間柱24と、短尺梁25と、異形フレーム27の上面に載置された状態で、着脱可能に取り付けられている。
【0018】
次に、キッチンカウンター10とキッチンテーブル50の意匠性を高める化粧部材と、化粧部材の支持構造について説明する。化粧部材は、上述の化粧側板30と、上述の化粧背板31と、L形化粧材38と、角柱化粧材47とを含む。これらの化粧部材は、無垢の木材からなる。これらの化粧部材は、メインフレーム20に取り付けることができるとともに、メインフレーム20から取り外すことができる。
【0019】
化粧側板30は、前後に並ぶ2本の主柱23を繋ぐ短尺梁25の外面に対して、両面テープ(図示省略)を介すことによって取り付けられている。工具(図示省略)等を化粧側板30に引っ掛け、化粧側板30に対してメインフレーム20から離隔させるように力を付与すると、化粧側板30をメインフレーム20から取り外すことができる。この方法によれば、メインフレーム20にも化粧側板30にも傷が付かずに済む。
【0020】
化粧背板31は、長尺梁26と長尺梁26の上方に位置する短尺梁25の外面に対して、両面テープ(図示省略)を介すことによって取り付けられている。工具(図示省略)等を化粧背板31に引っ掛け、化粧背板31に対してメインフレーム20から離隔させるように力を付与すると、化粧背板31をメインフレーム20から取り外すことができる。この方法によれば、メインフレーム20にも化粧背板31にも傷が付かずに済む。
【0021】
主柱23は、
図6,7に示すように、角筒部33と、一対の位置決め板部36とを有する。角筒部33は、主柱23を上から視た平面視において、直角に繋がる一対の内側板部34と、互いに直角に繋がる一対の外側板部35とによって構成されている。角筒部33の内部は、空洞になっている。一対の位置決め板部36は、一対の内側板部34における外側板部35との境目から、角筒部33の外側へ内側板部34と面一状に突出した板状の部位である。主柱23のうち、一対の外側板部35と一対の位置決め板部36とによって区画された空間は、平面視形状がL字形をなす凹部37として機能する。主柱23にはL形化粧材38が取り付けられている。L形化粧材38は上下方向に細長い棒状をなす。L形化粧材38の平面視形状は、L字形に屈曲した形状である。
【0022】
主柱23の外側板部35の外面と、L形化粧材38の内面は、取付け状態において互いに対向する対向面39である。対向面39同士を両面テープ40を介して粘着することによって、L形化粧材38は主柱23に取り付けた状態に保持されている。主柱23に取り付けたL形化粧材38は、凹部37内に収容されている。対向面39と両面テープ40も、凹部37内に収容されている。工具(図示省略)等をL形化粧材38に引っ掛け、L形化粧材38に対して主柱23から離隔させるように力を付与すると、両面テープ40が剥がれるので、L形化粧材38を主柱23から取り外すことができる。この方法によれば、主柱23にもL形化粧材38にも傷が付かずに済む。
【0023】
間柱24は、
図8,9に示すように、角筒部41と、一対の位置決め板部42とを有する。角筒部41は、外板部43と、内板部44と、左右一対の側板部45とによって構成されている。角筒部41の内部は、空洞になっている。一対の位置決め板部42は、左右両側板部45における外板部43との境目から、角筒部41の外側へ側板部45と面一状に突出した板状の部位である。間柱24のうち、外板部43と一対の位置決め板部42とによって区画された空間は、平面視形状が方形をなす凹部46として機能する。間柱24には、角柱化粧材47が取り付けられている。角柱化粧材47は上下方向に細長い棒状をなす。角柱化粧材47の平面視は、方形である。
【0024】
外板部43の外面と、角柱化粧材47の内面は、取付け状態において互いに対向する対向面48である。対向面48同士を両面テープ40を介して粘着することによって、角柱化粧材47が間柱24に対して取付け状態に保持されている。間柱24に取り付けた角柱化粧材47は、凹部46内に収容されている。対向面48と両面テープ40も、凹部46内に収容されている。角柱化粧材47は、一対の位置決め板部42によって対向面48と直角な水平方向において位置決めされる。工具(図示省略)等を角柱化粧材47に引っ掛け、角柱化粧材47に対して間柱24から離隔させるように力を付与すると、両面テープ40が剥がれるので、角柱化粧材47を間柱24から取り外すことができる。この方法によれば、間柱24にも角柱化粧材47にも傷が付かずに済む。
【0025】
メインフレーム20に、L形化粧材38と角柱化粧材47と化粧側板30と化粧背板31を取り付けてキャビネット11を構成した状態では、キャビネット11の前後両面及び左右両側面は、面一状に連続した形態である。詳細には、
図10に示すように、L形化粧材38の外面と、主柱23の位置決め板部36の突出端面と、化粧側板30(面材)の外面と、化粧背板31の外面(面材)と、間柱24の位置決め板部42の突出端面が、面一状に連続している。また、引出し15の前面板49(面材)と、主柱23の位置決め部の突出端面と、L形化粧材38の外面も、面一状に連続している。
【0026】
キッチンテーブル50は、
図1,4に示すように、サブフレーム51と、サブフレーム51の上面に載置された水平な天板52と、1枚の化粧側板30と、2本のL形化粧材38とを有する。サブフレーム51は、前後一対の主柱23と、両主柱23の間に前後方向に差し渡された上下一対の短尺梁25と、両主柱23の上端部から左方へ水平に延出した前後一対の中間梁(図示省略)とを溶接により一体化したものである。中間梁の左端部は、メインフレーム20の右側の両主柱23の上端部に連結されている。
【0027】
L形化粧材38は、メインフレーム20と同様の方法によって、主柱23に取り付けられている。また、L形化粧材38は、メインフレーム20と同様の方法によって、主柱23から取り外すことができる。化粧側板30は、メインフレーム20と同様の方法によって、上下両短尺梁25に取り付けられている。化粧側板30は、メインフレーム20と同様の方法によって、上下両短尺梁25から取り外すことができる。
【0028】
本実施形態1のキッチンユニットAは、ベース部材であるメインフレーム20及びサブフレーム51と、化粧部材とを備えている。メインフレーム20は、主柱23と間柱24と短尺梁25と長尺梁26とを備えている。サブフレーム51は、主柱23と短尺梁25とを備えている。化粧部材は、L形化粧材38と、角柱化粧材47と、化粧側板30と、化粧背板31とを含む。メインフレーム20に取り付けられているL形化粧材38と角柱化粧材47と化粧側板30と化粧背板31は、外力を付与することによってメインフレーム20から個別に離脱させることができる。サブフレーム51に取り付けられているL形化粧材38と化粧側板30は、外力を付与することによってサブフレーム51から個別に離脱させることができる。
【0029】
キッチンユニットAの外観を変更する際には、ベース部材(メインフレーム20やサブフレーム51)に取り付けられている化粧部材(L形化粧材38、角柱化粧材47、化粧側板30、及び化粧背板31の少なくとも1つ)に外力を付与するだけで、化粧部材(L形化粧材38、角柱化粧材47、化粧側板30、及び化粧背板31の少なくとも1つ)をベース部材(メインフレーム20やサブフレーム51)から個別に、且つベース部材や化粧部材に傷を付けることなく取り外すことができる。よって、リフォームを容易に行うことができる。
【0030】
主柱23にL形化粧材38を取り付けた状態では、主柱23とL形化粧材38の互いに対向する対向面39が、両面テープ40を介して固定されている。両面テープ40を剥がすことによって、L形化粧材38を主柱23から取り外すことが出来る。両面テープ40が配置されている対向面39は、主柱23とL形化粧材38とが近接して対向した状態で重なり合う面なので、外部からは目視し難い。間柱24に拡角柱化粧材47を取り付けた状態では、間柱24と角柱化粧材47の互いに対向する対向面48が、両面テープ40を介して固定されている。両面テープ40を剥がすことによって、角柱化粧材47を間柱24から取り外すことが出来る。両面テープ40が配置されている対向面48は、間柱24と角柱化粧材47とが近接して対向した状態で重なり合う面なので、外部からは目視し難い。よって、両面テープ40の存在に起因する意匠性の低下を回避できる。
【0031】
主柱23には、主柱23に対してL形化粧材38を位置決めする位置決め板部36が形成されている。位置決め板部36によって、主柱23に対するL形化粧材38の位置ずれを防止できる。間柱24には、間柱24に対して角柱化粧材47を位置決めする位置決め板部42が形成されている。位置決め板部42によって、間柱24に対する角柱化粧材47の位置ずれを防止できる。
【0032】
キャビネット11は、メインフレーム20に対して着脱可能な面材(化粧側板30、化粧背板31、引出し15の前面板49)を有している。キャビネット11の前面において、L形化粧材38の外面と角柱化粧材47の外面と引出し15の前面板49とが、面一状に隣り合っている。キャビネット11の後面において、L形化粧材38の外面と角柱化粧材47の外面と化粧背板31の外面とが、面一状に隣り合っている。キャビネット11の側面において、L形化粧材38の外面と化粧側板30の外面とが、面一状に隣り合っている。この構成によれば、意匠性を高めることができる。メインフレーム20は、空洞を有する主柱23と空洞を有する間柱24を含んでいる。サブフレーム50は、空洞を有する主柱23を含んでいる。メインフレーム20とサブフレーム50は、主柱と間柱が空洞を有しない中実の部材であるものに比べると、強度が高く、且つ軽量である。
【0033】
<実施形態2>
次に、本開示を具体化した実施形態2を
図11~
図14を参照して説明する。本実施形態2は、主柱60の形状、間柱80の形状、L形化粧材70の形状を上記実施形態1とは異なる構成とし、角柱化粧材47に替えて板状化粧材90を間柱80に取り付けたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0034】
主柱60は、
図11,12に示すように、角筒部61と、一対の保持部64とを有する。角筒部61は、直角に繋がる一対の内側板部62と、互いに直角に繋がる一対の外側板部63とによって構成されている。一対の保持部64は、一対の内側板部62から外側へ面一状に突出した板状の保持板部65と、保持板部65の突出端部に形成した保持溝66とを有する。一対の外側板部63が繋がる稜線部は、位置決め角部67として機能する。主柱60のうち、一対の外側板部63と一対の保持板部65とによって区画された空間は、平面視形状がL字形をなす凹部68として機能する。
【0035】
主柱60にはL形化粧材70が取り付けられている。L形化粧材70は、アルミニウム等の金属材料又は合成樹脂材料からなり、上下方向に細長く延びた形状をなすす。L形化粧材70の平面視形状は、一対の化粧板部71を直角な曲げ部72を介して繋げた形状である。L形化粧材70には、一対の保持部73が形成されている。保持部73は、化粧板部71のうち曲げ部72とは反対側の端縁部から内側へ突出した突部74と、突部74の内面に形成した保持突起75とを有する。L形化粧材70には、曲げ部72の内面から内側へ突出した位置決めリブ76が形成されている。
【0036】
主柱60とL形化粧材70には、互いに嵌合することによってL形化粧材70を主柱60に取り付けた状態に保持可能な保持部64,73が形成されている。L形化粧材70を主柱60に取り付けた状態では、位置決めリブ76が主柱60の位置決め角部67に嵌合し、一対の保持突起75が一対の保持溝66に嵌合する。これらの嵌合によって、L形化粧材70が、主柱60に対して、位置決めされるとともに取付け状態に保持される。保持突起75と保持溝66は、凹部68内に収容されている。L形化粧材70を主柱60に取り付けた状態では、L形化粧材70が主柱60を外面側から覆っているので、主柱60はキッチンカウンター(図示省略)の外面に露出しない。
【0037】
L形化粧材70を主柱60から取り外す際には、工具(図示省略)等をL形化粧材70に引っ掛け、L形化粧材70に対して主柱60から離隔させるように力を付与する。L形化粧材70に外力を付与すると、保持板部65が弾性変形することによって保持溝66が保持突起75から外れるので、L形化粧材70を主柱60から離脱させることができる。保持部64,73を用いた取付け構造によれば、主柱60やL形化粧材70に接着跡を残したり、主柱60やL形化粧材70を傷付けたりすることなく、主柱60に対するL形化粧材70の着脱を行うことができる。
【0038】
間柱80は、
図13,14に示すように、角筒部81と、一対の保持部85とを有する。角筒部81は、外板部82と、内板部83と、左右一対の側板部84とによって構成されている。一対の保持部85は、左右両側板部84から外側へ面一状に突出した保持板部86と、保持板部86の突出端部から内向きに突出した保持突起87とを有する。間柱80のうち、外板部82と一対の保持板部86とによって区画された空間は、平面視形状が方形をなす凹部88として機能する。
【0039】
間柱80には、板状化粧材90が取り付けられている。板状化粧材90は、アルミニウム等の金属材料又は合成樹脂材料からなり、上下方向に細長い板状をなす。板状化粧材90には、一対の保持部91が形成されている。保持部91は、板状化粧材90の上下方向の両側縁部から突出した屈曲リブ92と、屈曲リブ92の外面に形成された保持溝93とを有する。
【0040】
間柱80と板状化粧材90には、互いに嵌合することによって板状化粧材90を間柱80に取り付けた状態に保持可能な保持部85,91が形成されている。板状化粧材90を間柱80に取り付けた状態では、一対の保持溝93が一対の保持突起87に嵌合する。これらの嵌合によって、板状化粧材90が、間柱80に対して、位置決めされるとともに取付け状態に保持される。保持突起87と保持溝93は、凹部88に収容されている。板状化粧材90を間柱80に取り付けた状態では、板状化粧材90が間柱80を外面側から覆っているので、間柱80はキッチンユニット(キャビネット)の外面に露出しない。
【0041】
板状化粧材90を間柱80から取り外す際には、工具(図示省略)等を板状化粧材90に引っ掛け、板状化粧材90に対して間柱80から離隔させるように力を付与する。板状化粧材90に外力を付与すると、屈曲リブ92が弾性変形することによって保持溝93が保持突起87から外れるので、板状化粧材90を間柱80から離脱させることができる。保持部85,91を用いた取付け構造によれば、間柱80や板状化粧材90に接着跡を残したり、間柱80や板状化粧材90を傷付けたりすることなく、間柱80に対する板状化粧材90の着脱を行うことができる。
【0042】
主柱60には凹部68が形成されており、この凹部68内に保持部64が配置されている。間柱80には凹部88が形成されており、この凹部88内に保持部91が収容されている。この構成によれば、保持部64,91の存在に起因して意匠性が低下することを回避できる。
【0043】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
本開示のキッチンユニットは、キッチンルームの壁面に施工される壁面キャビネットや、キッチンルームに置かれる可動式のキャビネット等にも適用できる。
ベース部材は、柱と梁だけに限らず、パネルを含むものであってもよい。
実施形態1において、化粧部材(L形化粧材、角柱化粧材、板状化粧材)をベース部材(主柱、間柱)に取り付けた状態において、化粧部材がベース部材を外面側から覆うようにしてもよい。
実施形態1において、面材(化粧側板、化粧背板、引出しの前面板)と化粧部材(L形化粧材、角柱化粧材、板状化粧材)が、段差状に隣り合う構成としてもよい。
実施形態1において、化粧部材をベース部材に取り付ける手段として、接着剤や面ファスナー等を用いてもよい。
実施形態2において、L形化粧材を主柱から取り外すときに、L形化粧材の保持部が弾性変形するようにしてもよく、主柱の保持部とL形化粧材の保持部の両方が弾性変形するようにしてもよい。
実施形態2において、板状化粧材を間柱から取り外すときに、板状化粧材の保持部が弾性変形するようにしてもよく、間柱の保持部と板状化粧材の保持部の両方が弾性変形するようにしてもよい。
実施形態2において、主柱の保持部とL形化粧材の保持部が、外部から目視可能な形態であってもよい。
実施形態2において、間柱の保持部と板状化粧材の保持部が、外部から目視可能な形態であってもよい。
実施形態2において、化粧部材(L形化粧材、板状化粧材)をベース部材(主柱、間柱)に取り付けた状態において、ベース部材の一部がキッチンユニットの外面に露出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
A…キッチンユニット、20…メインフレーム(ベース部材)、23…主柱(柱)、24…間柱(柱)、25…短尺梁(梁)、26…長尺梁(梁)、30…化粧側板(化粧部材、面材)、31…化粧背板(化粧部材、面材)、38,70…L形化粧材(化粧部材)、47…角柱化粧材(化粧部材)、37,46,68,88…凹部、39,48…対向面、42…位置決め板部(位置決め部)、49…引出しの前面板(面材)、50…サブフレーム(ベース部材)、64,73,85,91…保持部、67…位置決め角部(位置決め部)、76…位置決めリブ(位置決め部)、90…板状化粧材(化粧部材)