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特開2024-13644情報処理方法、ゲーム媒体、情報処理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013644
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理方法、ゲーム媒体、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5375 20140101AFI20240125BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240125BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/69 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115896
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ゲームにおける利便性の向上を図る技術を提供すること。
【解決手段】情報処理方法は、ユーザが所持するゲーム媒体の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体および少なくとも1つの第2ゲーム媒体を特定する。ゲーム媒体には性能パラメータが対応付けられ、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の性能パラメータに基づいて複数種類の能力パラメータが決定され、能力パラメータのいずれかまたは性能パラメータに基づいてゲーム制御が実行される第1ステップと。第1ゲーム媒体の性能パラメータに基づいて、能力パラメータの中から特定能力パラメータを特定する第2ステップと、第3特定ステップは、特定能力パラメータに基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体の中から第2ゲーム媒体に比べて特定能力パラメータを改善させる第3ゲーム媒体を特定する第3ステップと、第3ゲーム媒体をユーザが認識可能に表示させる第1表示ステップを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
第1特定ステップと、第2特定ステップと、第3特定ステップと、第1表示ステップとを備え、
前記第1特定ステップでは、ユーザが所持するゲーム媒体の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体および少なくとも1つの第2ゲーム媒体を特定し、
ここで、前記ゲーム媒体には性能パラメータが対応付けられ、前記第1ゲーム媒体と前記第2ゲーム媒体の前記性能パラメータに基づいて複数種類の能力パラメータが決定され、前記能力パラメータの少なくともいずれかまたは前記性能パラメータに基づいてゲーム制御が実行され、
前記第2特定ステップでは、少なくとも前記第1ゲーム媒体の前記性能パラメータに基づいて、前記能力パラメータの中から特定能力パラメータを特定し、
前記第3特定ステップでは、前記特定能力パラメータに基づいて、前記ユーザが所持していない前記ゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定し、
ここで、前記第3ゲーム媒体は、前記第2ゲーム媒体に比べて前記特定能力パラメータを改善させるゲーム媒体であり、
前記第1表示ステップは、前記第3ゲーム媒体を前記ユーザが認識可能に表示させる、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
第2表示ステップをさらに備え、
前記第2表示ステップでは、前記第2特定ステップで特定された複数の前記特定能力パラメータのそれぞれに対応する選択肢を前記ユーザが認識可能に表示させ、
前記第3特定ステップでは、前記ユーザにより選択された選択肢に対応する特定能力パラメータに基づいて、前記ユーザが所持していない前記ゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定する、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記第2表示ステップでは、前記特定能力パラメータに対応する選択肢と、前記特定能力パラメータとは異なる能力パラメータに対応する選択肢とを区別可能に前記ユーザが認識可能に表示させる、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記特定能力パラメータは、第1特定能力パラメータと第2特定能力パラメータとを含み、
前記第1特定能力パラメータは、前記能力パラメータのうち、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体が選択された場合に前記ゲーム制御を相対的に有利に進行させる能力パラメータで、
前記第2特定能力パラメータは、前記能力パラメータのうち、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体が選択された場合に前記ゲーム制御を相対的に不利に進行させる能力パラメータで、
前記第3ゲーム媒体は、前記第1特定能力パラメータと前記第2特定能力パラメータとのうち少なくとも1つを前記第2ゲーム媒体に比べて改善させるゲーム媒体である、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記ゲーム媒体のそれぞれは複数の属性のうち少なくとも1つが対応付けられ、各属性の前記ゲーム媒体が組み合わされることによって前記ゲーム制御が実行され、
前記第3特定ステップでは、前記特定能力パラメータに基づいて、属性別に前記第3ゲーム媒体を特定し、
前記第1表示ステップは、特定された複数の前記第3ゲーム媒体のうち、前記特定能力パラメータを改善させる度合いが高い前記属性に対応する前記第3ゲーム媒体を前記ユーザが認識可能に表示させる、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1表示ステップは、前記第3ゲーム媒体による前記改善が前記ユーザの操作に応じて発動するか、または前記ユーザの操作によらず発動するかを識別可能な態様で表示させる、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1表示ステップは、前記ユーザが所持するゲーム媒体の数量と種類とのうち少なくとも1つが条件を満たした場合、前記第3ゲーム媒体を前記ユーザが認識可能に表示させる、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第2特定ステップでは、現時点または現時点から所定期間内に前記ユーザが入手可能な前記ゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定する、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1表示ステップは、前記第3ゲーム媒体、または、前記第3ゲーム媒体の入手を可能とするための第4ゲーム媒体の入手手段を示す情報を前記ユーザが認識可能に表示させる、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第3特定ステップでは、前記ユーザによるゲームの進行状況を示す進行情報に基づいて、その時点で入手可能なゲーム媒体、および、その時点で前記ユーザが入手できないゲーム媒体であって特定の前記進行状況までの前記ゲームの進行を条件に入手可能なゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定する、
情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法において、
前記第1表示ステップは、前記第2特定ステップにおいて現時点で前記ユーザが入手できない第3ゲーム媒体が特定された場合、その第3ゲーム媒体の取得が可能となる前記進行状況を含む情報を表示させる、
情報処理方法。
【請求項12】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~11に記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、
情報処理システム。
【請求項13】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~11に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、ゲーム媒体、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には下記のプログラムおよびゲームシステムが開示されている。
【0003】
特許文献1の技術は、プレーヤが保有するアイテムのうち、プレーヤによって選択されたアイテムを対戦に用いる対戦用アイテムとして設定する。合成のベースとなるアイテムに対して合成の素材となるアイテムを合成した際に、素材となるアイテムがベースとなるアイテムのパラメータを変動させる量を、ベースとなるアイテムと素材となるアイテムとの組み合わせに対応付けて変動量情報として記憶部に記憶する。対戦用アイテムとして設定されたアイテムと変動量情報とに基づいて、プレーヤに付与するアイテムを決定し、決定したアイテムをプレーヤに付与する処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-103060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術には、例えば、ユーザがどのゲーム媒体を育成すべきかについて開示されていない。
【0006】
本開示では上記事情を鑑み、ゲームにおける利便性の向上を図る技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、第1特定ステップと、第2特定ステップと、第3特定ステップと、第1表示ステップとを備える。第1特定ステップでは、ユーザが所持するゲーム媒体の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体および少なくとも1つの第2ゲーム媒体を特定する。ここで、ゲーム媒体には性能パラメータが対応付けられ、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体の性能パラメータに基づいて複数種類の能力パラメータが決定され、能力パラメータの少なくともいずれかまたは性能パラメータに基づいてゲーム制御が実行される。第2特定ステップでは、少なくとも第1ゲーム媒体の性能パラメータに基づいて、能力パラメータの中から特定能力パラメータを特定する。第3特定ステップでは、特定能力パラメータに基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定する。ここで、第3ゲーム媒体は、第2ゲーム媒体に比べて特定能力パラメータを改善させるゲーム媒体である。第1表示ステップは、第3ゲーム媒体をユーザが認識可能に表示させる。
【0008】
本開示によれば、ゲームにおける利便性の向上を図る技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。
図3】情報処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図4】ユーザが所持するゲーム媒体5の一覧を示すイメージ図である。
図5】第1ゲーム媒体51aおよび第2ゲーム媒体52aのゲーム媒体情報を示すイメージ図である。
図6】キャラクタCに装備されたゲーム媒体5の性能パラメータ6の一例を示す図である。
図7】ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。
図8】ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。
図9】ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。
図10】ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。
図11】ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0015】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0016】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0017】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0018】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0019】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0020】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0021】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0022】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体5に関する情報などが挙げられる。
【0023】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0024】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体5に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体5に関する情報(名称、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。
【0025】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体5ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体5を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体5に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体5が付与される。
【0027】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体5」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタPCとして使用するキャラクタCの名称、プレイヤキャラクタPCが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体5を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体5は、そのゲーム媒体5を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体5を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体5は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体5を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体5を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0028】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0029】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体5に関する情報などが挙げられる。
【0030】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0031】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0032】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0033】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタCおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0034】
2.2 機能構成
次に、情報処理装置2の制御部23の各機能構成について説明する。ここで、本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現される。後述する情報処理方法は、情報処理システム1によって実行される。
【0035】
ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置2単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。本実施形態に係る情報処理方法は、後述する各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える少なくとも1つの装置により実現される。以下、情報処理システム1に含まれる各構成要素についてさらに説明する。
【0036】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、受付部231と、ゲーム制御部232と、ゲーム制御部232と、特定部233と、表示制御部234、判定部235として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0037】
受付部231は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、受付部231は、通信部21または記憶部22を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部231は、通信ネットワーク11および通信部21を介して種々の情報を受け付けるように構成される。本実施形態では、受付部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0038】
特に、受付部231は、入力デバイス4cを介して行われたユーザによる操作入力を受け付け可能に構成される。操作入力は、所定のコマンド操作による動作指示、ディスプレイ4aに表示されたボタンの押下による操作指示等を含む。例えば、受付部231は、プレイヤキャラクタPCの移動、攻撃、防御、アイテムの使用、魔法の使用、体力回復その他の行動を指示する操作入力を受け付ける。
【0039】
ゲーム制御部232は、ゲーム制御ステップを実行可能に構成される。ゲーム制御ステップにおいて、ゲーム制御部232は、ゲームを進行させる。詳細は後述する
【0040】
特定部233は、特定ステップを実行可能に構成される。特に、特定部233は、第1特定ステップと、第2特定ステップと、第3特定ステップと、第4特定ステップとを実行可能に構成される。
【0041】
表示制御部234は、表示ステップを実行可能に構成される。具体的には、表示制御部234は、第1表示ステップと、第2表示ステップとを実行可能に構成される。なお、これらのステップの順序は入れ替わることがある。表示ステップにおいて、表示制御部234は、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、ゲーム装置3で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部234は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させるように制御する。表示制御部234は、視覚情報をゲーム装置3に表示させるためのレンダリング情報だけを生成するものであってもよい。
【0042】
判定部235は、記憶部22に記憶された種々の情報どうしを比較して所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部235は、受付部231が受け付けた種々のデータと、記憶部32に予め記憶された条件とを比較して、これを満たすか否かを判定することができる。判定部235の判定結果に基づいて、情報処理装置2が異なる処理を実行することができる。具体的な例については次節でさらに詳述する。
【0043】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報、用語等について説明する。
【0044】
本実施形態おいて、ゲーム媒体5は、第1ゲーム媒体51、第2ゲーム媒体52、第3ゲーム媒体53、第4ゲーム媒体54等に区別される。以下、本実施形態において、第1ゲーム媒体51、第2ゲーム媒体52および第3ゲーム媒体53は、プレイヤキャラクタPCの装備、装飾品等である場合を例に説明する。特に、第1ゲーム媒体51および第2ゲーム媒体52は、ユーザが所持するゲーム媒体5を示す。特に、第1ゲーム媒体51は、武器であり、第2ゲーム媒体52は、防具であるものとする。
【0045】
第3ゲーム媒体53は、ユーザが現時点で所持していない武器または防具であるものとする。また、第4ゲーム媒体54は、第1ゲーム媒体51、第2ゲーム媒体52および第3ゲーム媒体53の生産または強化に用いる素材アイテム、またはこれらのゲーム媒体5に関連付けてさらに使用可能な装備等であるものとする。
【0046】
ユーザは、複数種類のゲーム媒体5をプレイヤキャラクタPCに対応付けることができる。プレイヤキャラクタPCは、例えば、武器である第1ゲーム媒体51と、防具である第2ゲーム媒体52との両方を同時に装備可能である。つまり、第2ゲーム媒体52は、第1ゲーム媒体51と組み合わせて使用することができる。なお、「ゲーム媒体5をキャラクタCに装備する」とは、「ゲーム媒体5をキャラクタCに対応付ける」ことと同義である。
【0047】
ここで、ゲーム媒体5のそれぞれは複数の属性のうち少なくとも1つが対応付けられ得る。属性は、例えば、キャラクタCの装備部位500である。ゲーム媒体5には、装備部位500がそれぞれ設定されている。ユーザは、頭、胴、腕、腰、脚、片手、両手など身体の各部位に1つずつゲーム媒体5を装備することができる。本実施形態におけるゲームは、各属性のゲーム媒体5が組み合わされることによって実行される。
【0048】
ここで、キャラクタCは、異なる装備部位500のゲーム媒体5を同時に装備することができるが、同じ装備部位500のゲーム媒体5を複数同時に装備することはできない(図5参照)。例えばキャラクタCは、装備部位500が「頭」である第2ゲーム媒体52と装備部位500が「胴」である第2ゲーム媒体52は同時に装備することができるが、装備部位500が「頭」である第2ゲーム媒体52を同時に複数装備することができない。
【0049】
また、第1ゲーム媒体51の装備部位500が「片手」である場合、ユーザは、装備部位500が「片手」である第1ゲーム媒体51を2つ同時に装備することができる。一方、第1ゲーム媒体51の装備部位500が「両手」である場合、キャラクタCは、同時に複数の第1ゲーム媒体51を装備することができない。このように、キャラクタCは複数のゲーム媒体5を同時に装備可能であるが、ゲーム媒体5の種類および属性に応じて装備できるゲーム媒体5の種類は限定されている。
【0050】
また、ゲーム媒体5には、性能パラメータ6が対応付けられる。性能パラメータ6は、攻撃力、防御力、HPなどの種類があり、これらは能力パラメータ7の各項目と対応し得る。ゲーム媒体5がキャラクタCに対応付け可能なものである場合、キャラクタCの能力パラメータ7は、そのキャラクタCに対応付けられたゲーム媒体5の性能パラメータ6に基づいて決定される。
【0051】
例えば、キャラクタCに第1ゲーム媒体51と第2ゲーム媒体52が装備された場合、キャラクタCに関連付けられた複数種類の能力パラメータ7は、第1ゲーム媒体51と第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6に基づいて決定される。
【0052】
ここで、ユーザが希望するゲームのプレイスタイルに応じて、ユーザが伸ばすべき能力パラメータ7の種類は異なる。例えば、攻撃特化型の「アタッカータイプ」を目指す場合、ユーザは、「攻撃力」、「会心率」に係る能力パラメータ7を優先的に上昇させる必要がある。一方、囮役の「タンクタイプ」のプレイスタイルでゲームを進める場合、ユーザは、囮役としての役目を果たすために、例えば、「素早さ」、「防御力」に係る能力パラメータ7を伸ばす必要がある。つまり、プレイスタイルには、伸ばすべき能力パラメータ7が少なくとも1種類対応けられている。また、1種類のプレイスタイルに複数の能力パラメータ7が対応付けられている場合、優先順位が設定され得る。例えば、「アタッカータイプ」である場合、「会心率」よりも「攻撃力」に係る能力パラメータ7の優先順位は高く設定される。
【0053】
そして、キャラクタCの能力パラメータ7がゲーム媒体5の性能パラメータ6に依存する場合、どのゲーム媒体5をキャラクタCに装備するかを吟味し、ユーザは、自分のプレイスタイルに最適なゲーム媒体5を組み合わせてキャラクタCに装備させる必要がある。
【0054】
また、本実施形態におけるゲームは、複数のステージにより構成される。ユーザは、現在挑戦可能なステージをクリアことで、新たなステージに挑戦可能となり、ゲームを進めることができる。ステージは、例えば、難易度に応じてステージ1からステージ7までの段階に分かれている。以下、ユーザのゲーム進行状況に関するデータを、進行情報と称する。すなわち、進行情報は、ユーザによるゲームの進行状況を示す情報である。進行情報には、現在挑戦可能なステージ、既にクリアしたステージおよび現在挑戦することができないステージを特定可能な情報が含まれる。
【0055】
また、各ステージには、複数のクエストが含まれる。クエストは、能力パラメータ7または性能パラメータ6に基づいて進行する。各クエストにはクリア条件が設けられている。クリア条件は、例えば、モンスター等の敵キャラクタを討伐すること、指定されたアイテムを入手することである。ユーザは、クエスト中またはクエストクリア時に報酬として素材アイテムを入手することができる。素材アイテムは、ゲーム媒体5を生成したり強化したりするために使用することができる。クエストによって入手可能な素材アイテムは異なり得る。難易度の高いステージに含まれるクエストほど、レアリティの高い素材アイテムを入手することができる。レアリティの高いゲーム媒体5を生成するためには、レアリティの高い素材アイテムを入手する必要がある。そのため、ユーザは、レアリティの高いゲーム媒体5を入手するために、ゲームを進行させて高難易度のクエストに挑み、レアリティの高い素材アイテムを入手する必要がある。
【0056】
4.情報処理システム1の動作
本節では、前述した情報処理システム1の動作の流れについて説明する。
【0057】
4.1 情報処理の概要
図3は、情報処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って情報処理の流れを概説する。
【0058】
まず、受付部231は、入力デバイス4cを介するユーザの操作に基づいて、ゲーム媒体5の提示要求を受け付ける(アクティビティA101)。
【0059】
次に、判定部235は、提示条件を満たすか否かを判定する(アクティビティA102)。提示条件は、例えば、ユーザが所持するゲーム媒体5の数量と種類とのうち少なくとも1つが閾値以上であることである。具体的には例えば、ユーザが所持するゲーム媒体5の数量または種類の合計が5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20以上であることであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また例えば、提示条件は、ユーザが所持するゲーム媒体5の各装備部位500がそれぞれ閾値以上であることである。また例えば、提示条件は、ユーザが所持するゲーム媒体5のうち、レアリティが一定以上(例えば、星3、星4、星5以上)であるゲーム媒体5の数が閾値以上であることである。提示条件は、例えば、ユーザに人気のゲーム媒体5を所持していること、ゲームをプレイする他のユーザによるゲーム媒体5の使用率を参照して、使用順位が上位(例えば、3位、5位、10位)であるゲーム媒体5を所持していること等である。
【0060】
提示条件を満たす場合、特定部233は、第1特定ステップとして、ユーザが所持するゲーム媒体5の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体51および少なくとも1つの第2ゲーム媒体52を特定する。
【0061】
具体的には、まず、特定部233は、ユーザが所持するゲーム媒体5のゲーム媒体情報を参照する(アクティビティA103)。ゲーム媒体情報は、ゲーム媒体5の名称、レアリティ、レベル、各種類の性能パラメータ6の値、装備部位500、付属するスキル等を含む情報である。
【0062】
次に、特定部233は、ゲーム媒体情報に基づいて、ユーザが所持するゲーム媒体5の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体51を特定する(アクティビティA104)。具体的には例えば、ユーザが所持するゲーム媒体5の中から、第1ゲーム媒体51を特定する。特定部233は、例えば、ユーザが所持するゲーム媒体5の中で最もレアリティが高い第1ゲーム媒体51を特定する。また例えば、特定部233は、そのユーザが所持するゲーム媒体5の中で、そのユーザによる使用率が最も高い第1ゲーム媒体51を特定する。また例えば、特定部233は、ユーザが所持するゲーム媒体5の中で、ゲームをプレイする全ユーザまたは他のユーザに最も人気の第1ゲーム媒体51を特定する。
【0063】
次に、特定部233は、特定された第1ゲーム媒体51のゲーム媒体情報を参照する(アクティビティA105)。
【0064】
次に、特定部233は、ユーザが所持する他のゲーム媒体5のゲーム媒体情報を参照して、ユーザが所持するゲーム媒体5のうち、特定された第1ゲーム媒体51と組み合わせて装備可能な第2ゲーム媒体52を特定する(アクティビティA106)。複数の第2ゲーム媒体52が特定された場合、特定部233は、例えば、能力パラメータ7の種類別に、第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6と合算することで最も能力パラメータ7が大きくなる第2ゲーム媒体52を特定する。また、特定部233は、各能力パラメータ7について装備部位500別に複数の第2ゲーム媒体52を特定する。
【0065】
ここで、特定部233は、第1ゲーム媒体51または第2ゲーム媒体52にスキルが対応付けられていた場合、スキルが発動した状態における能力パラメータ7に基づいて、第2ゲーム媒体52を特定する。なお、スキルの発動により直接性能パラメータ6または能力パラメータ7が変動しない場合、そのスキルに対応付けられた性能パラメータ6または能力パラメータ7に対して、補正を行うことによりスキルが発動した状態における能力パラメータ7の値を決定する。
【0066】
特定部233は、第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6と第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6とに基づいて、特定能力パラメータ71を特定する(アクティビティA107)。このような態様によれば、第1ゲーム媒体51でだけでなく、第1ゲーム媒体51と組み合わせて使用する第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6も加味して特定能力パラメータ71が決定される。また、特定部233は、第1ゲーム媒体51および第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6を参照する。このとき参照される性能パラメータ6の値は、例えば、現在の強化レベルにおける値である。
【0067】
ここで、特定能力パラメータ71は、第1特定能力パラメータ711を含む。第1特定能力パラメータ711は、能力パラメータ7のうち、アクティビティA104で特定された第1ゲーム媒体51およびアクティビティA106で特定された第2ゲーム媒体52がユーザにより選択された場合にゲーム制御を相対的に有利に進行させる能力パラメータ7である。つまり、第1特定能力パラメータ711は、ゲームを進める際に強みとなる能力パラメータ7を示す。このような態様によれば、特定された第1ゲーム媒体51および第2ゲーム媒体52を組み合わせて使用する場合に、どの能力パラメータ7が強みとなるのかが決定される。以下、特定能力パラメータ71のうち、第1特定能力パラメータ711が特定された場合を例に挙げて説明する。
【0068】
第1ゲーム媒体51は、複数の性能パラメータ6のうち少なくとも一つの性能パラメータ6が特定性能パラメータ61として設定されている。特定性能パラメータ61は、その第1ゲーム媒体51の強みとなる性能パラメータ6を示す。つまり、特定性能パラメータ61は、その第1ゲーム媒体51を使用することで活躍が期待できるプレイスタイルに対応するものである。
【0069】
第1ゲーム媒体51の特定性能パラメータ61が複数ある場合、特定部233は、特定性能パラメータ61それぞれについて、同じ種類の第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6と合算させた場合の値を算出する。そして、特定部233は、他の特定性能パラメータ61よりも値が大きい特定性能パラメータ61に対応する能力パラメータ7を第1特定能力パラメータ711に特定する。つまり、特定部233は、第1ゲーム媒体51の特定性能パラメータ61と第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6とに基づいて、特定能力パラメータ71を特定する。
【0070】
特定部233は、第1ゲーム媒体51および第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6の合計に基づいて、値が他の性能パラメータ6よりも相対的に大きい性能パラメータ6に対応する能力パラメータ7を第1特定能力パラメータ711に特定する。
【0071】
続いて、表示制御部234は、第2特定ステップで特定された特定能力パラメータ71に対応する選択肢8をユーザが認識可能に表示させる(アクティビティA108)。具体的には、特定部233は、選択肢8をディスプレイ4aに表示させる。ここで、アクティビティA107において複数の能力パラメータ7が特定能力パラメータ71に特定された場合、表示制御部234は、複数の特定能力パラメータ71のそれぞれに対応する選択肢81をユーザが認識可能に表示させる。
【0072】
入力デバイス4cを介してユーザが表示された選択肢81のうちいずれかを選択した場合、受付部231は、ネットワークおよび通信部31を介して選択結果を受け付ける(アクティビティA109)。
【0073】
次に、特定部233は、第3特定ステップとして、ユーザにより選択された選択肢81に対応する特定能力パラメータ71に基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する(アクティビティA110)。具体的には、特定部233は、第1ゲーム媒体51と組み合わせて使用可能なゲーム媒体5であって、ユーザが所持していないゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する。より具体的には、特定部233は、進行情報に基づいて、その時点で入手可能なゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する。さらに、特定部233は、その時点でユーザが入手できないゲーム媒体5であって特定の進行状況までのゲームの進行を条件に入手可能なゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する。
【0074】
ここで、第3ゲーム媒体53は、第2ゲーム媒体52に比べて特定能力パラメータ71を改善させるゲーム媒体5である。具体的には例えば、第3ゲーム媒体53は、第1特定能力パラメータ711を第2ゲーム媒体52に比べて改善させるゲーム媒体5である。つまり、特定部233は、第1ゲーム媒体51と組み合わせて使用可能であってユーザが所持していないゲーム媒体5の中から、特定能力パラメータ71を第2ゲーム媒体52に比べて改善させるゲーム媒体5を第3ゲーム媒体53に特定する。このような態様によれば、第2ゲーム媒体52の代わりに第1ゲーム媒体51とともに使用することで、強みとなる能力パラメータ7をさらに伸ばすのに最適な第3ゲーム媒体53が特定される。
【0075】
例えば、第1特定能力パラメータ711が「攻撃力」に係る能力パラメータ7であるとする。このとき、特定部233は、第1ゲーム媒体51と第2ゲーム媒体52を組み合わせた場合の「攻撃力」に係る能力パラメータ7の合計よりも、第2ゲーム媒体52に替えて第1ゲーム媒体51と組み合わせた場合に合計が高くなるゲーム媒体5を第3ゲーム媒体53に特定する。このように、特定部233は、特定能力パラメータ71に基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する。
【0076】
ここで、特定部233は、特定能力パラメータ71に基づいて、属性別に第3ゲーム媒体53を特定する。具体的には例えば、特定部233は、装備部位500別に第3ゲーム媒体53を特定する。ここで、特定部233は、特定された複数の第3ゲーム媒体53のうち、特定能力パラメータ71を改善させる度合いが高い属性に対応する第3ゲーム媒体53を特定する(アクティビティA111)。例えば、特定部233は、特定された各装備部位500の第3ゲーム媒体53による特定能力パラメータ71の改善度合いを比較して、他の第3ゲーム媒体53よりも特定能力パラメータ71の上昇値が高い第3ゲーム媒体53を特定する。
【0077】
次に、表示制御部234は、装備部位500をユーザが選択可能に表示させる。このとき、表示制御部234は、特定された各装備部位500の第3ゲーム媒体53のうち、特定能力パラメータ71を改善させる度合いが高い第3ゲーム媒体53に係る装備部位500を強調表示させる。これにより、ユーザは、どの装備部位500を新たな装備に変更することで、能力パラメータ7の改善効果が高いのかを確認することができる。入力デバイス4cを介するユーザの入力により、受付部231は、装備部位500の選択結果を受け付ける(アクティビティA112)。
【0078】
次に、判定部235は、ユーザのゲームの進行情報を参照する(アクティビティA113)。そして、判定部235は、進行情報に基づいて、選択された第3ゲーム媒体53を現時点でユーザが入手できるか否かを判定する(アクティビティA114)。具体的には例えば、判定部235は、ユーザが現在挑戦可能なゲームのステージに、第3ゲーム媒体53の生成に必要な素材アイテムを入手可能なクエストが含まれるか否かを判定する。
【0079】
特定された第3ゲーム媒体53が現時点でユーザが入手できないものであると判定された場合、表示制御部234は、その第3ゲーム媒体53の取得が可能となる進行状況を含む情報を表示させる(アクティビティA115)。例えば、ユーザが現在進行中のステージがステージ3であって、特定された第3ゲーム媒体53の取得が可能となるステージがステージ4であるとする。この場合、表示制御部234は、「ステージ4まで進めば入手できます」、「あと1ステージ進めれば入手できます」等のメッセージを表示させる。
【0080】
一方、特定された第3ゲーム媒体53が現時点で入手できるものであると判定された場合、表示制御部234は、表示制御部234は、第3ゲーム媒体53をユーザが認識可能に表示させる(アクティビティA116)。
【0081】
このように、表示制御部234は、ユーザが所持するゲーム媒体5の数量と種類とのうち少なくとも1つが条件を満たした場合、第3ゲーム媒体53、または、第3ゲーム媒体53の入手を可能とするための第4ゲーム媒体54の入手手段を示す情報をユーザが認識可能に表示させる。
【0082】
<まとめ>
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理装置2が実行する情報処理方法は、次の各ステップを備える。第1特定ステップでは、ユーザが所持するゲーム媒体5の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体51および少なくとも1つの第2ゲーム媒体52を特定する。ここで、ゲーム媒体5には性能パラメータ6が対応付けられ、第1ゲーム媒体51と第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6に基づいて複数種類の能力パラメータ7が決定され、能力パラメータ7の少なくともいずれかまたは性能パラメータ6に基づいてゲーム制御が実行される。第2特定ステップでは、少なくとも第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6に基づいて、能力パラメータ7の中から特定能力パラメータ71を特定する。第3特定ステップでは、特定能力パラメータ71に基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する。ここで、第3ゲーム媒体53は、第2ゲーム媒体52に比べて特定能力パラメータ71を改善させるゲーム媒体5である。第1表示ステップは、第3ゲーム媒体53をユーザが認識可能に表示させる。
【0083】
また、別の態様によれば、本実施形態に係るプログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、次の各ステップを実行させる。第1特定ステップでは、ユーザが所持するゲーム媒体5の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体51および少なくとも1つの第2ゲーム媒体52を特定する。ここで、ゲーム媒体5には性能パラメータ6が対応付けられ、第1ゲーム媒体51と第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6に基づいて複数種類の能力パラメータ7が決定され、能力パラメータ7の少なくともいずれかまたは性能パラメータ6に基づいてゲーム制御が実行される。第2特定ステップでは、少なくとも第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6に基づいて、能力パラメータ7の中から特定能力パラメータ71を特定する。第3特定ステップでは、特定能力パラメータ71に基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する。ここで、第3ゲーム媒体53は、第2ゲーム媒体52に比べて特定能力パラメータ71を改善させるゲーム媒体5である。第1表示ステップは、第3ゲーム媒体53をユーザが認識可能に表示させる。
【0084】
このような態様によれば、情報処理システム1は、ゲームにおける利便性の向上を図る技術を提供することができる。具体的には、情報処理システム1によれば、第1ゲーム媒体51と組み合わせて使用可能であって、ユーザが現在所持している第2ゲーム媒体52よりも特定能力パラメータ71を改善させることが期待できる第3ゲーム媒体53に関する情報を表示させる。一般に、ゲーム媒体5の生成や育成のためには素材集めやゲーム内通貨等が必要となり、手間と時間がかかる場合が多い。このような場面で、ユーザが期待していたものとは異なるゲーム媒体5を生成したり育成してしまったりする場合、徒労感に襲われゲームを続けるモチベーションの低下を招くことがある。これに対して、情報処理システム1によれば、ユーザは、どのゲーム媒体5を入手し育成するのがよいかの目安を把握することができるので、モチベーションを保ちながら効率よくゲームを進めることができる。
【0085】
4.2 情報処理の詳細
続いて、イメージ図を参照しながら、前節で説明した情報処理の詳細をさらに説明する。
【0086】
図4は、ユーザが所持するゲーム媒体5の一覧を示すイメージ図である。図4で示すように、ユーザは、複数のゲーム媒体5を所持することができ、好みのゲーム媒体5をキャラクタCに装備させてゲームを進めることができる。図4の例によれば、ユーザが現在所持しているゲーム媒体5の数は10個である。このとき、提示条件が「ユーザが所有するゲーム媒体5の数量が10個以上であること」である場合、判定部235は提示条件を満たしたと判定し、アクティビティA103の処理に進む。
【0087】
ここで、ゲーム媒体5には、強化段階に応じてレベルが設定されている。図4で示される各ゲーム媒体5のレベルは、現在の強化段階が示される。図4の例によれば、第1ゲーム媒体51aの現在の強化レベルは「1」で、第2ゲーム媒体52aの現在の強化レベルは「3」である。
【0088】
図5は、第1ゲーム媒体51aおよび第2ゲーム媒体52aのゲーム媒体情報を示すイメージ図である。ユーザは、素材アイテムやゲーム内通貨の使用を条件に強化可能な最大レベルまでゲーム媒体5を強化することができる。ゲーム媒体5が強化された場合、そのゲーム媒体5の性能パラメータ6が上昇し、ユーザはより有利にゲームを進めることができる。図5で示すように、強化段階が上がるほど、各性能パラメータ6が上昇し得る。ゲーム媒体5の強化は、例えばレベル1からレベル10までの複数段階に分けられ、レベルが高いほど性能パラメータ6の上昇度合いが大きくなる。
【0089】
また、ゲーム媒体5には、スキルが対応付けられ得る。スキルは、ゲームを有利に進めることができる特殊効果であり、スキルは、ユーザの操作に応じて、またはユーザの操作によらず発動する。スキルは、例えば、能力パラメータ7または性能パラメータ6の値を変動させる効果を有する。
【0090】
図6は、キャラクタCに装備されたゲーム媒体5の性能パラメータ6の一例を示す図である。図6で示すように、各ゲーム媒体5には、複数種類の性能パラメータ6が対応付けられている。第1ゲーム媒体51の各項目の性能パラメータ6と、第2ゲーム媒体52の各項目の性能パラメータ6との合算された値がキャラクタCの能力パラメータ7の値として決定される。例えば、第1ゲーム媒体51の「攻撃力」に係る性能パラメータ6が「10」であって、第2ゲーム媒体52の「攻撃力」に係る性能パラメータ6が「2」であるとする。この場合、これらのゲーム媒体5が装備されたキャラクタCの「攻撃力」に係る能力パラメータ7は、「12」となる。「防御力」、「HP」等、他の種類の能力パラメータ7についても、同様に決定される。そして、この能力パラメータ7の値が、ゲームの進行に用いられる。
【0091】
なおこのとき、キャラクタCに予め関連付けられた能力パラメータ7の値がさらに合算され得る。また、異なる属性の、複数のゲーム媒体5が装備された場合、各ゲーム媒体5における性能パラメータ6の値が種類別に加算される。ゲーム制御部232は、決定された能力パラメータ7の少なくともいずれかに基づいてゲーム制御を実行する。
【0092】
図7は、ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。例えば、表示制御部234は、ゲーム起動時にタイトル画面1000を表示させる。タイトル画面1000は、例えば、複数の操作ボタン1101を含む。操作ボタン1101は、各操作ボタン1101等に対応する画面の表示指示を受け付けるウィジェットである。
【0093】
「クエスト」と表示された操作ボタン1101が選択されると、表示制御部234は、クエスト選択画面(不図示)を表示させる。ユーザはクエスト選択画面から任意のクエストを選択して、クエストに挑戦することができる。「ガチャ」と表示された操作ボタン1101が選択された場合、表示制御部234は、ガチャの抽選画面(不図示)を表示させる。ユーザは、抽選画面でガチャの抽選要求をすることができる。ユーザは、クエストやガチャの実行により、ゲーム媒体5またはゲーム媒体5の入手に必要な素材アイテムを入手することができる。
【0094】
図8は、ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。ユーザがゲーム媒体5を入手した場合、獲得画面1200を表示させる。獲得画面1200には、ユーザが入手したゲーム媒体5のゲーム媒体情報が表示される。獲得画面1200には、ボタン1201が含まれる。ユーザは、ボタン1201を押下することにより、獲得した第1ゲーム媒体51とともに使用するのに最適なゲーム媒体5の提示要求をすることができる。ユーザによりボタン1201が押下された場合、表示制御部234は、選択画面1300に画面を遷移させる。
【0095】
図9は、ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。選択画面1300において、ユーザは、提示する第3ゲーム媒体53の選択手段を選択することができる。図9の例では、ユーザが現在所有しているゲーム媒体5に基づいて第3ゲーム媒体53を選択することを示すボタン1301が選択された状態が示される。ボタン1302は、プレイスタイルに基づいて第3ゲーム媒体53を選択する場合に選択され得る。ユーザによりボタン1301が押下された場合、表示制御部234は、選択画面1300を表示させる。
【0096】
図10は、ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。アクティビティA108において、表示制御部234は、第1特定能力パラメータ711に対応する選択肢81を含む選択画面1400を表示させる。このとき、表示制御部234は、第1特定能力パラメータ711に対応する選択肢81だけでなく、第1特定能力パラメータ711ではない能力パラメータ7に対応する選択肢81を表示させる。ユーザは、能力パラメータ7と対応関係にあるプレイスタイルを選択する形で、選択肢81を選択することができる。
【0097】
また、表示制御部234は、特定能力パラメータ71に対応する選択肢81と、特定能力パラメータ71とは異なる能力パラメータ7に対応する選択肢8とを区別可能にユーザが認識可能に表示させる。図10の例では、おすすめのプレイスタイルの示唆として、第1特定能力パラメータ711に対応する選択肢81である「アタッカー(攻撃役)」および「タンク(囮役)」には下線が引かれており、他の選択肢8とは区別可能となっている。これにより、ユーザは、どの能力パラメータ7を改善させることでゲームをより有利に進めることができるのかを把握することができる。また、ユーザは、新たに獲得した第1ゲーム媒体51を軸に装備の編成を検討する際、どのプレイスタイルが最適であるのかを予め把握した上で、希望するプレイスタイルを選択することができる。その結果、ユーザが希望するプレイスタイルに適したゲーム媒体5を提案することができる。
【0098】
図10の例では、「攻撃力」に係る第1特定能力パラメータ711が選択された状態が示される。受付部231がかかる選択を受け付けると、特定部233は、ユーザにより選択された選択肢81に対応する能力パラメータ7に基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定する(アクティビティA110)。そして、表示制御部234は、第3ゲーム媒体53に対応する装備部位500を選択可能な選択肢82を表示させる。これにより、ユーザは、選択肢82のうちいずれかを選択することで、特定された複数の第3ゲーム媒体53のうち、希望の装備部位500の第3ゲーム媒体53を確認するための表示要求をすることができる。
【0099】
表示制御部234は、特定能力パラメータ71を改善させる度合いが高い属性に対応する第3ゲーム媒体53を強調表示させる。例えば、特定部233は、他の第3ゲーム媒体53より能力パラメータ7を改善させる度合いが高い第3ゲーム媒体53に対応する装備部位500を強調表示させる。例えば、表示制御部234は、能力パラメータ7の改善効果が最も大きい第3ゲーム媒体53に対応する選択肢82には、黒星マーク1401を付与して表示させる。指定されたプレイスタイルでゲームを進める際に有利なスキルが第3ゲーム媒体53に関連付けられている場合、表示制御部234は、かかる第3ゲーム媒体53の選択肢82に白星マーク1402が付与して表示させる。このように、表示制御部234は、特定された複数の第3ゲーム媒体53のうち、特定能力パラメータ71を改善させる度合いが高い属性に対応する第3ゲーム媒体53を他の第3ゲーム媒体53と区別してユーザが認識可能に表示させる。
【0100】
図11は、ディスプレイ4aに表示される画面の一例を示すイメージ図である。画面1500は、アクティビティA114において、選択された装備部位500の第3ゲーム媒体53が入手できるものであると判定された場合に表示される画面の一例を示す。この場合、図11で示すように、表示制御部234は、第3ゲーム媒体53、および第3ゲーム媒体53の入手を可能とするための素材アイテムである第4ゲーム媒体54の入手手段を示す情報として、示唆情報1501および示唆情報1502を表示させる。これにより、オススメ装備として表示された第3ゲーム媒体53を入手するための手段を容易に把握することができる。
【0101】
なおこのとき、表示制御部234は、第3ゲーム媒体53による改善がユーザの操作に応じて発動するか、またはユーザの操作によらず発動するかを識別可能な態様で表示させる。第3ゲーム媒体53による改善がユーザの操作に応じて発動する改善とは、例えば、クエスト進行中、ユーザにより特定のコマンドが押下されることで発動する、特定能力パラメータ71の向上効果である。図11の例では、「必殺技実行後、1分間防御7UP」の効果がこれに該当する。ユーザの操作によらず発動する改善とは、例えば、第3ゲーム媒体53をキャラクタCが装備することで一律に能力パラメータ7が向上する改善である。図11の例では、「素早さが15UP」の効果がこれに該当する。
【0102】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0103】
特定部233は、第2特定ステップにおいて、少なくとも第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6に基づいて、能力パラメータ7の中から特定能力パラメータ71を特定してもよい。具体的には、特定部233は、アクティビティA104で特定された第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6のみによって特定能力パラメータ71を特定する場合、特定部233は、第1ゲーム媒体51の特定性能パラメータ61を参照する。そして、特定部233は、特定された特定性能パラメータ61に対応する能力パラメータ7を、特定能力パラメータ71に特定してもよい。
【0104】
上述の実施例では、特定性能パラメータ61に基づいて特定能力パラメータ71が特定される場合を例に示したが、これに限られない。例えば、特定部233は、第1ゲーム媒体51に関連付けられたスキルに基づいて、特定能力パラメータ71を特定してもよい。この場合、スキルの種類に応じて特定能力パラメータ71が決定される。
【0105】
また、上述の実施例では、ゲーム媒体5がキャラクタCの装備である場合を例に説明したが、これに限られない。例えば、ゲーム媒体5がキャラクタCそのものであってもよい。ゲーム形式が複数のキャラクタCを使用するものである場合、各キャラクタCの性能パラメータ6に基づいてゲーム制御が実行される。またこの場合、特定部233は、例えば、ユーザが所持する複数のキャラクタCの中から特定された第1ゲーム媒体51に基づいて特定された特定性能パラメータ61に基づいて、現在のチーム編成に加えられている第2ゲーム媒体52に替えて使用することでゲーム制御を相対的に有利に進行させる第3ゲーム媒体53を特定する。このように、ゲーム制御部232は、能力パラメータ7の少なくともいずれかまたは性能パラメータ6に基づいて本実施形態におけるゲームのゲーム制御を実行する。
【0106】
特定性能パラメータ61の特定に際して、性能パラメータ6ごとに単位が異なる場合、特定部233は、各性能パラメータ6の値に対して補正等を行った上で特定性能パラメータ61を特定してもよい。
【0107】
特に、特定部233は、現時点または現時点から所定期間内にユーザが入手可能なゲーム媒体5の中から第3ゲーム媒体53を特定してもよい。現時点から所定期間内は、例えば、現時点でイベントが開催されている場合、そのイベントが終了するまでの期間である。なお、入手可能な期間が限定されている第3ゲーム媒体53が特定された場合、表示制御部234は、第3ゲーム媒体53の入手可能な期間をユーザが認識可能に表示させてもよい。これにより、ユーザは、提示された第3ゲーム媒体53を入手し損ねることを防ぐことができる。
【0108】
また、特定能力パラメータ71は、第2特定能力パラメータ712を含んでもよい。第2特定能力パラメータ712は、能力パラメータ7のうち、第1ゲーム媒体51および第2ゲーム媒体52が選択された場合にゲーム制御を相対的に不利に進行させる能力パラメータ7である。換言すると、第2特定能力パラメータ712は、能力パラメータ7のうち、クエストを実行する際に弱みとなる能力パラメータ7を示す。
【0109】
特定部233は、少なくとも第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6に基づいて、能力パラメータ7の中から第2特定能力パラメータ712を特定してもよい。そして、特定部233は、第2特定能力パラメータ712に基づいて、ユーザが所持していないゲーム媒体5の中から、第3ゲーム媒体53を特定してもよい。この場合、第3ゲーム媒体53は、第1特定能力パラメータ711と第2特定能力パラメータ712とのうち少なくとも1つを第2ゲーム媒体52に比べて改善させるゲーム媒体5である。このような態様によれば、表示制御部234は、第1ゲーム媒体51ともに使用する際、弱みとなる能力パラメータ7を補完する第3ゲーム媒体53を提示することができる。換言すると、第2ゲーム媒体52よりも第1ゲーム媒体51の弱みを補完することができる第3ゲーム媒体53が特定される。
【0110】
上述の実施例では、アクティビティA104において第1ゲーム媒体51が特定された後に、第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6に基づいて第2ゲーム媒体52が特定される例を示したが、これに限られない。例えば、アクティビティA104において第2ゲーム媒体52が特定された後に、第1ゲーム媒体51の性能パラメータ6に基づいて第1ゲーム媒体51が特定されてもよい。また、特定部233は、第2特定ステップにおいて、少なくとも第2ゲーム媒体52の性能パラメータ6に基づいて、能力パラメータ7の中から特定能力パラメータ71を特定してもよい。
【0111】
上述の実施例では、特定能力パラメータ71を特定する際、第1ゲーム媒体51および第2ゲーム媒体52の現在の強化レベルにおける性能パラメータ6を参照する場合を例に示したが、これに限られない。特定部233は、第1ゲーム媒体51または第2ゲーム媒体52について、少なくとも1段階以上強化した後のレベルの性能パラメータ6に基づいて、特定能力パラメータ71を特定してもよい。また、アクティビティA110において、特定部233は、第3ゲーム媒体53が強化された後の性能パラメータ6に基づいて、第3ゲーム媒体53を特定してもよい。また、表示制御部234は、特定能力パラメータ71または第3ゲーム媒体53を特定する際に参照する強化段階をユーザが選択可能に表示させてもよい。これにより、第3ゲーム媒体53を入手してすぐに強くなりたいユーザと、育成後の結果を重視して育成すべき第3ゲーム媒体53を吟味したいユーザとに対してそれぞれ最適な第3ゲーム媒体53を提案することができる。
【0112】
上述の実施例では、図10で示すように、表示制御部234は、特定能力パラメータ71に対応する選択肢81と、特定能力パラメータ71とは異なる能力パラメータ7に対応する選択肢8とを選択可能に表示させる例を示したが、これに限られない。表示制御部234は、特定能力パラメータ71に対応する選択肢81のみを選択可能に表示させてもよい。
【0113】
また、第1ゲーム媒体51が武器であり、第2ゲーム媒体52が防具である場合を例に示したが、第2ゲーム媒体52が武器であり、第2ゲーム媒体52が防具であってもよい。また、第1ゲーム媒体51と第2ゲーム媒体52の両方が武器であってもよいし、防具であってもよい。
【0114】
本実施形態では、受付部231、ゲーム制御部232、特定部233、表示制御部234および判定部235を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0115】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0116】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、第1特定ステップと、第2特定ステップと、第3特定ステップと、第1表示ステップとを備え、前記第1特定ステップでは、ユーザが所持するゲーム媒体の中から少なくとも1つの第1ゲーム媒体および少なくとも1つの第2ゲーム媒体を特定し、ここで、前記ゲーム媒体には性能パラメータが対応付けられ、前記第1ゲーム媒体と前記第2ゲーム媒体の前記性能パラメータに基づいて複数種類の能力パラメータが決定され、前記能力パラメータの少なくともいずれかまたは前記性能パラメータに基づいてゲーム制御が実行され、前記第2特定ステップでは、少なくとも前記第1ゲーム媒体の前記性能パラメータに基づいて、前記能力パラメータの中から特定能力パラメータを特定し、前記第3特定ステップでは、前記特定能力パラメータに基づいて、前記ユーザが所持していない前記ゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定し、ここで、前記第3ゲーム媒体は、前記第2ゲーム媒体に比べて前記特定能力パラメータを改善させるゲーム媒体であり、前記第1表示ステップは、前記第3ゲーム媒体を前記ユーザが認識可能に表示させる、情報処理方法。
【0117】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、第2表示ステップをさらに備え、前記第2表示ステップでは、前記第2特定ステップで特定された複数の前記特定能力パラメータのそれぞれに対応する選択肢を前記ユーザが認識可能に表示させ、前記第3特定ステップでは、前記ユーザにより選択された選択肢に対応する特定能力パラメータに基づいて、前記ユーザが所持していない前記ゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定する、情報処理方法。
【0118】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、前記第2表示ステップでは、前記特定能力パラメータに対応する選択肢と、前記特定能力パラメータとは異なる能力パラメータに対応する選択肢とを区別可能に前記ユーザが認識可能に表示させる、情報処理方法。
【0119】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記特定能力パラメータは、第1特定能力パラメータと第2特定能力パラメータとを含み、前記第1特定能力パラメータは、前記能力パラメータのうち、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体が選択された場合に前記ゲーム制御を相対的に有利に進行させる能力パラメータで、前記第2特定能力パラメータは、前記能力パラメータのうち、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体が選択された場合に前記ゲーム制御を相対的に不利に進行させる能力パラメータで、前記第3ゲーム媒体は、前記第1特定能力パラメータと前記第2特定能力パラメータとのうち少なくとも1つを前記第2ゲーム媒体に比べて改善させるゲーム媒体である、情報処理方法。
【0120】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記ゲーム媒体のそれぞれは複数の属性のうち少なくとも1つが対応付けられ、各属性の前記ゲーム媒体が組み合わされることによって前記ゲーム制御が実行され、前記第3特定ステップでは、前記特定能力パラメータに基づいて、属性別に前記第3ゲーム媒体を特定し、前記第1表示ステップは、特定された複数の前記第3ゲーム媒体のうち、前記特定能力パラメータを改善させる度合いが高い前記属性に対応する前記第3ゲーム媒体を前記ユーザが認識可能に表示させる、情報処理方法。
【0121】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第1表示ステップは、前記第3ゲーム媒体による前記改善が前記ユーザの操作に応じて発動するか、または前記ユーザの操作によらず発動するかを識別可能な態様で表示させる、情報処理方法。
【0122】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第1表示ステップは、前記ユーザが所持するゲーム媒体の数量と種類とのうち少なくとも1つが条件を満たした場合、前記第3ゲーム媒体を前記ユーザが認識可能に表示させる、情報処理方法。
【0123】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第2特定ステップでは、現時点または現時点から所定期間内に前記ユーザが入手可能な前記ゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定する、情報処理方法。
【0124】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第1表示ステップは、前記第3ゲーム媒体、または、前記第3ゲーム媒体の入手を可能とするための第4ゲーム媒体の入手手段を示す情報を前記ユーザが認識可能に表示させる、情報処理方法。
【0125】
(10)上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第3特定ステップでは、前記ユーザによるゲームの進行状況を示す進行情報に基づいて、その時点で入手可能なゲーム媒体、および、その時点で前記ユーザが入手できないゲーム媒体であって特定の前記進行状況までの前記ゲームの進行を条件に入手可能なゲーム媒体の中から第3ゲーム媒体を特定する、情報処理方法。
【0126】
(11)上記(10)に記載の情報処理方法において、前記第1表示ステップは、前記第2特定ステップにおいて現時点で前記ユーザが入手できない第3ゲーム媒体が特定された場合、その第3ゲーム媒体の取得が可能となる前記進行状況を含む情報を表示させる、情報処理方法。
【0127】
(12)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(11)に記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0128】
(13)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(11)に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0129】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0130】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :ゲーム制御部
233 :特定部
234 :表示制御部
235 :判定部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :ゲーム媒体
51 :第1ゲーム媒体
51a :第1ゲーム媒体
52 :第2ゲーム媒体
52a :第2ゲーム媒体
53 :第3ゲーム媒体
54 :第4ゲーム媒体
6 :性能パラメータ
61 :特定性能パラメータ
71 :特定能力パラメータ
81 :選択肢
82 :選択肢
500 :装備部位
7 :能力パラメータ
711 :第1特定能力パラメータ
712 :第2特定能力パラメータ
8 :選択肢
1000 :タイトル画面
1101 :操作ボタン
1200 :獲得画面
1201 :ボタン
1300 :選択画面
1301 :ボタン
1400 :選択画面
1401 :黒星マーク
1402 :白星マーク
1500 :画面
1501 :示唆情報
1502 :示唆情報
C :キャラクタ
図1
図2
図3
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図5
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図11