(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136496
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】落下防止装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240927BHJP
F16B 2/22 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
B60R11/02 C
F16B2/22 B
F16B2/22 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047630
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】渡部 健太郎
【テーマコード(参考)】
3D020
3J022
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB01
3D020BB02
3D020BC02
3D020BD02
3D020BD05
3J022DA15
3J022EA41
3J022EB03
3J022EC02
3J022FA05
3J022FB03
3J022FB08
3J022FB12
3J022HA02
3J022HB02
(57)【要約】
【課題】傾斜面に固定される機器の落下防止装置を提供すること。
【解決手段】本開示に係る落下防止装置1は、傾斜面21に固定される機器23の落下防止装置であって、傾斜面に隣接する内装材22の一部を挟むように取り付けられる係合部11と、内装材に沿って係合部から延長する延長部12と、延長部に一端が当接する弾性部材13と、弾性部材を支持し、延長部に組み込まれる支持部14と、を備え、弾性部材の他端は、機器を支持する支持ベース24を傾斜面に押し付ける方向に付勢するように当接するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜面に固定される機器の落下防止装置であって、
当該落下防止装置は、
前記傾斜面に隣接する内装材の一部を挟むように取り付けられる係合部と、
前記内装材に沿って前記係合部から延長する延長部と、
前記延長部に一端が当接する弾性部材と、
前記弾性部材を支持し、前記延長部に組み込まれる支持部と、を備え、
前記弾性部材の他端は、前記機器を支持する支持ベースを前記傾斜面に押し付ける方向に付勢するように当接する
落下防止装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、コイルバネ、板バネ、皿バネ、巻きバネ、ねじりコイルバネのうちの一つである
請求項1に記載の落下防止装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、一対のバネ構造が左右対称に配した形状を有し、前記一対のバネ構造の他端同士が連結する部分において前記支持ベースを付勢する
請求項1に記載の落下防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、落下防止装置に関し、特に傾斜面に固定される機器の落下防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の窓ガラスに取り付けられる支持部を備えるドライブレコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるドライブレコーダ(車載カメラ)や、ETCシステム(登録商標、Electronic Toll Collection System)などの車載機器は、車両のフロントガラスに取り付けることが多い。また、後続車の確認などのために、フロントガラスのみでなく、リアガラスに取り付ける車載カメラも増えている。
【0005】
フロントガラス及びリアガラスのような傾斜面に車載機器を取り付ける際に、両面テープなどの支持材を用いて車載機器を固定する方法がある。しかしながら、傾斜面の表面の汚れや傷による貼り付け不良や、また、太陽光に晒されることによる支持材の劣化によって、車載機器が落下することは依然として多い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る落下防止装置は、傾斜面に固定される機器の落下防止装置であって、当該落下防止装置は、前記傾斜面に隣接する内装材の一部を挟むように取り付けられる係合部と、前記内装材に沿って前記係合部から延長する延長部と、前記延長部に一端が当接する弾性部材と、前記弾性部材を支持し、前記延長部に組み込まれる支持部と、を備え、前記弾性部材の他端は、前記機器を支持する支持ベースを前記傾斜面に押し付ける方向に付勢するように当接するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、傾斜面に固定される機器の落下防止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態に係る落下防止装置の模式図である。
【
図2】本実施の形態に係る傾斜面に固定される機器の模式図である。
【
図3】本実施の形態に係る落下防止装置を取り付けた状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る落下防止装置を表している。本実施の形態に係る落下防止装置1は、係合部11、延長部12、弾性部材13、支持部14を備える。本実施の形態に係る落下防止装置1の本体は、樹脂などのような材料で形成されていることが好ましい。また、本実施の形態に係る落下防止装置1を車載機器に対して用いる場合は、夏場や冬場の車内の温度に耐えられる程度の耐熱性を含む耐候性を有していることが好ましい。その他の構成要素の詳細は後述する。
【0010】
本実施の形態に係る落下防止装置1によって支持される機器23について、
図2を用いて説明する。機器23は、支持ベース24を介して傾斜面21に固定されている。内装材22の詳細は後述するが、本実施の形態に係る落下防止装置1を取り付けるのに好適な部材であり、傾斜面21に隣接していることが好ましい。傾斜面21と機器23は、支持ベース24が有する支持材25によって、貼り付け領域26において接着、固定されている。
【0011】
機器23は、例えば、ドライブレコーダ、車載カメラなどのような車載機器が挙げられるが、本実施の形態に係る落下防止装置1は、車載機器に限らず、傾斜面21に固定される機器であれば適用可である。また、機器23が車載機器である場合において、傾斜面21は、車両のフロントガラスやリアガラスなどが挙げられ、傾斜面21に隣接する内装材22は、車両天井のヘッドライニングなどが挙げられる。
【0012】
図2に示される機器23の重心28から、機器23が固定される貼り付け領域26までは、オフセット27があり、貼り付け領域26に接着する支持材25には、機器23の荷重が掛かるため、支持材25が剥がれやすくなる。特に、傾斜面21がフロントガラスやリアガラスのようなガラス表面を有する場合は、ビス固定などのようなガラス表面に穴を開ける方法が使えないため、支持材25を強化する、又は機器23を軽量化するなど、十全でない方法によって落下防止を行っていた。
【0013】
本実施の形態に係る落下防止装置1を取り付けて機器23を支持した状態を
図3に示す。落下防止装置1は、係合部11において内装材22の一部を挟むようにすることによって取り付けられている。落下防止装置1の係合部11は、一方の端部に比べて他方の端部が内装材22に沿って係合部11から延長している延長部12を有している。
【0014】
延長部12は、弾性部材13を挟むように支持する支持部14を組み込んでいる。弾性部材13は、バネ構造を有しており、一端が延長部12と当接し、他端が機器23の支持ベース24を傾斜面21に押し付ける方向に付勢するように当接する。
【0015】
本実施の形態に係る落下防止装置1の弾性部材13は、
図3に示されるように、弾性部材13の一方の端部と他方の端部において、それぞれ矢印の方向に力が働く。弾性部材13の他方の端部は、支持ベース24を傾斜面21の方向に押し付ける役割を持つ。弾性部材13が有するバネ構造は、例えば、コイルバネ、板バネ、皿バネ、巻きバネなどが挙げられ、特にねじりコイルバネが好適である。
【0016】
弾性部材13は、
図1に示されるように一対のバネ構造が左右対称に配した形状を有し、一対のバネ構造の他端同士が連結する部分において支持ベース24を付勢してもよい。左右対称に配した形状とすることにより、弾性部材13の有する弾性力によって落下防止装置1が傾くことを抑制し、安定して支持ベース24を傾斜面21に押し付けるように付勢することが可能となる。
【0017】
また、機器23が車載機器である場合において、内装材22は、ヘッドライニングなどの軟質素材であることが多い。内装材22が変形すると、弾性部材13の付勢する力が傾斜面21以外の方向に逃げてしまうおそれがある。そこで、係合部11の幅は、弾性部材13の幅よりも大きく、十分な接触面積において内装材22と接するようにすることが好ましい。これにより、内装材22の変形を防ぐことができるため、弾性部材13の付勢する力を、傾斜面21の方向に集中することができる。さらに、上述のように、一対のバネ構造の他端同士が連結することにより、広い領域において付勢することができるため、弾性部材13の有する弾性力による内装材22の変形を防ぐことができる。
【0018】
このような構成とすることにより、本実施の形態に係る落下防止装置1は、振動や外力に対して内装材22から外れにくくなる効果を有する。
【0019】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、
図1に示される落下防止装置1は、弾性部材13であるバネ構造が露出しているが、バネ構造を隠すようなカバーを設けてもよい。このようにすることで、外観意匠を向上することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 落下防止装置
11 係合部
12 延長部
13 弾性部材
14 支持部
21 傾斜面
22 内装材
23 機器
24 支持ベース
25 支持材
26 貼り付け領域
27 オフセット
28 重心