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特開2024-136521無線通信装置、無線通信装置の制御方法、及びプログラム
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  • 特開-無線通信装置、無線通信装置の制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136521
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240927BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20240927BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20240927BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240927BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W76/30
H04W8/00 110
H04W88/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047661
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】福元 泰平
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067FF03
(57)【要約】
【課題】特定の装置がネットワーク内に存在しない場合に、この特定の装置の機能を利用できるようにすることが求められている。
【解決手段】無線通信装置100は、第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行う第1の通信処理部151と、前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、ターゲット装置200が存在するか否かを判定するターゲット判定部152と、前記ネットワークに前記ターゲット装置200が存在しない場合に、第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置200との間で実行する処理を行う第2の通信処理部153と、前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置200に送信するよう制御する送信制御部157とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行う第1の通信処理部と、
前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定するターゲット判定部と、
前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN(Neighbor Awareness Network)規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行う第2の通信処理部と、
前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する送信制御部と
を有する無線通信装置。
【請求項2】
前記第2の通信処理部は、前記設定情報の送信が完了すると、前記第2の無線通信方式の通信のためのNANクラスターから前記無線通信装置を離脱させる
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記第2の通信処理部は、前記設定情報を受信した前記ターゲット装置が前記ネットワークに参加すると、前記第2の無線通信方式の通信のためのNANクラスターから前記無線通信装置を離脱させる
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第2の通信処理部は、NAN規格にしたがって、サービスについての問い合わせをブロードキャストすることにより、前記特定のサービスを提供可能な前記ターゲット装置を探索する
請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのターゲット装置のそれぞれについて、NAN規格にしたがって測定された、前記無線通信装置との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部をさらに有し、
前記送信制御部は、前記距離情報に基づいて、前記設定情報の送信先を制限する
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのターゲット装置のリストを表示するよう制御する表示制御部をさらに有し、
前記送信制御部は、前記リストに挙げられた前記少なくとも一つのターゲット装置から送信先を選択する指示にしたがって、前記設定情報の送信先を決定する
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのターゲット装置のそれぞれについて、NAN規格にしたがって測定された、前記無線通信装置との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記リストにおいて、前記少なくとも一つのターゲット装置のそれぞれの前記距離情報をさらに表示するよう制御する
請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行い、
前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定し、
前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行い、
前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する
無線通信装置の制御方法。
【請求項9】
第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行う第1の通信処理ステップと、
前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定するターゲット判定ステップと、
前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行う第2の通信処理ステップと、
前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する送信制御ステップと
をコンピューターに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信装置、無線通信装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を用いて印刷する技術が知られている。例えば、特許文献1は、端末装置と印刷装置がアクセスポイントに無線通信接続しており、このアクセスポイントを介して端末装置から印刷装置へとデータを無線通信で送信することにより、印刷を実現する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-19146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、端末装置が接続しているアクセスポイントに印刷装置も接続している場合には端末装置は印刷装置の機能を利用できるが、印刷装置が当該アクセスポイントに接続していない場合には、端末装置は印刷装置の機能を利用できない。つまり、端末装置と印刷装置が同一のネットワーク内に存在しない場合には、端末装置はアクセスポイントを介した無線通信を用いて印刷装置の機能を利用することができない。このため、特定の装置がネットワーク内に存在しない場合に、この特定の装置の機能を利用できるようにするための技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示にかかる無線通信装置は、第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行う第1の通信処理部と、前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定するターゲット判定部と、前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行う第2の通信処理部と、前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する送信制御部とを有する。
【0006】
また、本開示にかかる無線通信装置の制御方法では、第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行い、前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定し、前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行い、前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する。
【0007】
また、本開示にかかるプログラムは、第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行う第1の通信処理ステップと、前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定するターゲット判定ステップと、前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行う第2の通信処理ステップと、前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する送信制御ステップとをコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態にかかる通信システムの構成の一例を示す模式図である。
図2】実施の形態にかかる無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施の形態にかかるターゲット装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】ターゲット装置を無線LANに参加させるための通信システムの動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】ユーザーインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図6】実施の形態にかかる通信システムにおける各装置の接続状態の変遷を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0010】
上述した通り、特定の装置がネットワーク内に存在しない場合に、この特定の装置の機能を利用できるようにするための技術が求められている。そこで、本実施の形態では、ネットワークに特定の装置が存在するか否かを判定し、特定の装置が存在しない場合には、特定の装置が当該ネットワークへ参加できるようにする技術について説明する。
【0011】
図1は、実施の形態にかかる通信システム10の構成の一例を示す模式図である。通信システム10は、無線通信装置100、ターゲット装置200、及びアクセスポイント300を含む。アクセスポイント300は、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントである。なお、この無線LANは、具体的には、例えば、Wi-Fi(登録商標)ネットワークである。本実施の形態において、無線通信装置100は、ターゲット装置200を利用する装置である。また、ターゲット装置200は、特定のサービスを提供可能な無線通信装置であり、無線通信装置100に利用される装置である。なお、図1では、ターゲット装置200は1台であるが、通信システム10は複数のターゲット装置200を含んでもよい。
【0012】
Wi-Fi Allianceの認定プログラムの一つであるWi-Fi Awareには、装置間でアクセスポイントを介さずに無線通信するNAN(Neighbor Awareness Network)と呼ばれる通信プロトコルが規定されている。以下、Wi-Fi Allianceによって定められた、このNANについての規格をNAN規格と称す。本実施の形態では、NAN規格にしたがった通信により、無線通信装置100がターゲット装置200に後述する設定情報を送信することにより、ターゲット装置200を、アクセスポイント300を用いた無線LANに参加させる。
【0013】
なお、本開示では、アクセスポイント300を介した通信を行う無線通信方式をNW(ネットワーク)無線通信方式とも称すこととする。NW無線通信方式は、Wi-Fi(登録商標)規格にしたがってアクセスポイント300を介した通信を行う方式ということもできるし、インフラストラクチャーモードの無線通信方式ということもできる。また、本開示では、NAN規格にしたがった通信方式をNAN無線通信方式とも称すこととする。図1では、無線通信装置100が、NW無線通信方式の通信CNWを実行することが可能な状態である。また、図1に示した状態では、ターゲット装置200は、NW無線通信方式の無線通信接続が未だ確立されておらず、NW無線通信方式の通信を実行することができない。このため、後述するように、無線通信装置100は、NAN無線通信方式の通信CNANにより、設定情報をターゲット装置200に送信する。
【0014】
本実施の形態では、無線通信装置100は、一例として端末装置である。具体的には、無線通信装置100は、例えば、スマートフォン又はタブレット端末などのモバイル端末であるが、これに限られず、PC(Personal Computer)などであってもよい。また、本実施の形態では、ターゲット装置200は、一例として、印刷装置(プリンター)である。通信システム10において、無線通信装置100とターゲット装置200は、上述した通り、NAN無線通信方式の通信、すなわちNAN規格にしたがった通信を行う。
【0015】
以下、無線通信装置100及びターゲット装置200の具体的な構成及び処理について説明する。まず、無線通信装置100について説明する。図2は、無線通信装置100の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、無線通信装置100は、記憶部110、無線通信部120、表示部130、操作部140、及び制御部150を有する。
【0016】
記憶部110は、制御部150の処理を実現するためのプログラム及び無線通信装置100の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM(Random access Memory)等のメモリーを含んでもよい。
【0017】
無線通信部120は、無線通信を行うハードウェアである。すなわち、無線通信部120は、無線通信インターフェースである。無線通信部120は、送信回路、受信回路、及びアンテナを含みうる。
【0018】
表示部130及び操作部140は、ユーザーインターフェースである。表示部130は、各種情報をユーザーに対して表示するディスプレイ等で構成される。操作部140は、ユーザーからの入力操作を受け付けるボタン等で構成される。なお、表示部130及び操作部140は、タッチパネル等によって一体に構成されてもよい。
【0019】
制御部150は、無線通信装置100の各構成を制御する例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーである。制御部150は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部150は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、本実施の形態では、制御部150は、通信処理部151、ターゲット判定部152、通信処理部153、距離情報取得部154、入力受付部155、表示制御部156、及び送信制御部157の機能を実現する。無線通信装置100は、通信処理部151と通信処理部153を備えており、2種類の異なる無線通信方式での通信が可能な構成を備えている。
【0020】
通信処理部151は、NW無線通信方式の通信を実行する処理を行う。この処理は、NW無線通信方式の無線通信接続を、設定情報を用いて確立する処理を含む。この設定情報は、NW無線通信方式の無線通信接続を確立するために必要な情報、すなわち、無線LANに接続するための情報である。本実施の形態では、具体的には、この設定情報は、アクセスポイント300のSSID(Service Set Identifier)及びパスワードである。NW無線通信方式の通信は、このような設定情報を用いて無線通信接続が確立されたのちに行われる。
【0021】
ターゲット判定部152は、無線通信装置100がNW無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、ターゲット装置200が存在するか否かを判定する。より詳細には、ターゲット判定部152は、ネットワークにターゲット装置200が1個以上存在するか否かを判定する。このように、ターゲット判定部152は、アクセスポイント300を介した通信で用いられるネットワークである無線LANに、ターゲット装置200が参加しているか否かを判定する。
【0022】
本実施の形態では、一例として、ターゲット判定部152は、ターゲット装置200からの所定のパケットを、無線通信装置100がNW無線通信方式の通信により受信したか否かにより、無線LANにターゲット装置200が参加しているか否かを判定する。ターゲット判定部152は、ターゲット装置200からの所定のパケットを、無線通信装置100がNW無線通信方式の通信により受信できない場合、無線LANにターゲット装置200が参加していないと判定する。ターゲット判定部152は、ターゲット装置200からのパケットを得るために、次のような処理をしてもよい。例えば、ターゲット判定部152は、ターゲット装置200を探索するためのパケットを、NW無線通信方式の通信を用いて、無線LAN(アクセスポイント300)に接続している各装置にブロードキャストしてもよい。そして、このパケットを受信したターゲット装置200からの応答パケットを、NW無線通信方式の通信により無線通信装置100が受信した場合、ターゲット判定部152は、無線LANに、ターゲット装置200が存在すると判定する。これに対し、無線通信装置100が応答パケットを受信できない場合、ターゲット判定部152は、無線LANに、ターゲット装置200が存在しないと判定する。なお、ターゲット装置200から送信される上述した所定のパケットは、ターゲット装置200が無線LANに存在することを無線LANに存在する他の装置に通知するパケットであり、ターゲット装置200は、このパケットを上述した応答パケットとして送信してもよいし、自発的に送信してもよい。ターゲット装置200による所定のパケットの自発的な送信は、定期的に行われてもよい。なお、ターゲット装置200が所定のパケットを自発的に送信する場合は、無線通信装置100は、ターゲット装置200を探索するためのパケットをブロードキャストしなくてもよい。
【0023】
また、ターゲット判定部152は、さらに、無線通信装置100から設定情報を受信したターゲット装置200が無線LAN(アクセスポイント300)への接続に成功したか否かを判定してもよい。ターゲット判定部152は、ターゲット装置200からのパケットを、無線通信装置100がNW無線通信方式の通信により受信したか否かにより、接続に成功したか否かを判定する。ターゲット判定部152は、ターゲット装置200からのパケットを、無線通信装置100がNW無線通信方式の通信により受信した場合、接続に成功したと判定する。これに対し、例えば、ターゲット判定部152は、設定情報の送信から所定の時間が経過してもターゲット装置200によるネットワーク接続が確認できない場合、ターゲット装置200がネットワーク接続に失敗したと判定する。すなわち、ターゲット判定部152は、設定情報の送信から所定の時間が経過してもターゲット装置200からのパケットを受信できない場合、ターゲット装置200がネットワーク接続に失敗したと判定する。設定情報を受信したターゲット装置200が無線LANへの接続に成功したか否かを判定する場合も、ターゲット判定部152は、ターゲット装置200からのパケットを得るために、次のような処理をしてもよい。例えば、ターゲット判定部152は、ターゲット装置200を探索するためのパケットを、NW無線通信方式の通信を用いて、無線LAN(アクセスポイント300)に接続している各装置にブロードキャストしてもよい。そして、このパケットを受信したターゲット装置200からの応答パケットを、NW無線通信方式の通信により無線通信装置100が受信した場合、ターゲット判定部152は、ターゲット装置200が無線LANへの接続に成功したと判定する。これに対し、無線通信装置100が応答パケットを受信できない場合、ターゲット判定部152は、ターゲット装置200が無線LANへの接続に失敗したと判定する。ターゲット装置200を探索するための上述したパケットは、定期的に送信されてもよいし、設定情報の送信後の所定のタイミングで送信されてもよい。
【0024】
なお、設定情報の送信先の無線通信装置と、上述した応答パケットなどのパケットの送信元の無線通信装置との同一性は、例えば、通信時に通知されたMAC(Media access Control)アドレスを用いることにより判別可能である。この場合、ターゲット判定部152は、設定情報を送信するための通信において通知された送信先の無線通信装置(ターゲット装置200)のMACアドレスを記憶部110に記憶しておけばよい。そして、ターゲット判定部152は、NW無線通信方式の通信で通知されたMACアドレスが、記憶部210に記憶されているMACアドレスと一致するか否かを判定することにより、ターゲット装置200が無線LANへの接続に成功したか否かを判定する。
【0025】
なお、設定情報を受信したターゲット装置200が無線LANへの接続に成功したか否かを判定する場合も、無線通信装置100は、必ずしもターゲット装置200を探索するためのパケットをブロードキャストしなくてもよい。例えば、ターゲット装置200が、NW無線通信方式の無線通信接続を確立した際に、NW無線通信方式の通信を用いて、無線LAN(アクセスポイント300)に接続している各装置にパケットをブロードキャストしてもよい。この場合、無線通信装置100は、ターゲット装置200を探索するためのパケットをブロードキャストする必要がない。NW無線通信方式の無線通信接続を確立したターゲット装置200によるパケットのブロードキャストは、無線通信接続が確立した時点で行われてもよいし、定期的に行われてもよい。
【0026】
通信処理部153は、NAN無線通信方式の通信を、少なくとも一つのターゲット装置200との間で実行する処理を行う。特に、本実施の形態では、通信処理部153は、無線通信装置100がNW無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワーク(つまり、無線LAN)にターゲット装置200が存在しない場合に、NAN無線通信方式の通信を、少なくとも一つのターゲット装置200との間で実行する処理を行う。無線通信装置100とターゲット装置200は、NAN無線通信方式の通信として、NAN規格にしたがったディスカバリーウィンドウ(DW:Discovery Window)を用いた通信と、NAN規格にしたがった無線通信接続を確立した上で行われる通信の2種類の通信を行うことが可能である。このため、通信処理部153により行われる処理には、ディスカバリーウィンドウを用いた通信を実行する処理と、無線通信接続を確立した上で行われる通信を実行する処理が含まれる。以下、NAN規格にしたがった無線通信接続をNAN接続とも称す。ここで、本実施の形態において、NAN規格にしたがった無線通信接続とは、具体的には、NANデータリンク(NAN Data Link)である。後述するように、通信処理部153は、NAN規格にしたがって少なくとも一つのターゲット装置200を探索し、当該少なくとも一つのターゲット装置200と、NAN無線通信方式の無線通信接続であるNAN接続(NANデータリンク)を確立する。
【0027】
ここで、無線通信装置100とターゲット装置200のNAN接続を確立するための、通信処理部151及び後述するターゲット装置200の通信処理部241の処理の詳細について説明する。なお、通信処理部241は、ターゲット装置200において、NAN無線通信方式の通信を実行する処理を行う構成要素である。通信処理部151及び後述するターゲット装置200の通信処理部241は、NAN規格で定められた接続シーケンスにしたがってNAN接続を確立する。
【0028】
NAN接続を確立するために、まず、無線通信装置100の通信処理部153とターゲット装置200の通信処理部241は、無線通信装置100とターゲット装置200がNANクラスターを構成するための処理を行う。その後、無線通信装置100の通信処理部153とターゲット装置200通信処理部241は、NAN接続、すなわち、NANデータリンクを構築する処理を行う。
【0029】
NAN規格では、ディスカバリーウィンドウと呼ばれる期間が規定されている。ディスカバリーウィンドウは、主に、装置がサービスの報知及び検索を行うための間欠的に発生する通信期間であり、所定の周期で到来する。ディスカバリーウィンドウを共有する装置の集合はNANクラスターと呼ばれる。マスター(Master)として動作する装置は、NANクラスターにまだ属していない他の装置に、当該NANクラスターを認識させるためのディスカバリービーコン(Discovery Beacon)を送信する。また、マスターとして動作する装置は、各装置がディスカバリーウィンドウと同期するためのシンクロナイゼーションビーコン(Synchronization Beacon)を送信する。本実施の形態において、無線通信装置100がマスターとして動作してもよいし、ターゲット装置200がマスターとして動作してもよい。
【0030】
NANクラスターを構成する各装置は、ディスカバリーウィンドウ内で信号を送受信することにより、各装置が提供するサービスを確認することができる。具体的には、ディスカバリーウィンドウ内では、サービスディスカバリーフレーム(Service Discovery Frame)と呼ばれるフォーマットのフレームで構成される信号が送信される。
【0031】
NANクラスターを構成する装置は、当該NANクラスターを構成する他の装置と、DW期間に限らずに相互通信することが可能なデータリンクを確立することができる。つまり、NANクラスターを構成する装置間で、NAN接続を行うことができる。NAN規格において、上述したデータリンクはNANデータリンクと呼ばれている。以下、本実施の形態で、無線通信装置100とターゲット装置200がNAN接続するまでの流れについて述べる。
【0032】
まず、無線通信装置100とターゲット装置200がディスカバリーウィンドウを共有する。ディスカバリーウィンドウを共有するために、無線通信装置100とターゲット装置200のいずれかがマスターとして動作する。例えば、無線通信装置100がマスターとして動作する場合、無線通信装置100の通信処理部153は、ディスカバリービーコン及びシンクロナイゼーションビーコンを無線通信装置100から送信する処理を行なう。
【0033】
無線通信装置100とターゲット装置200がディスカバリーウィンドウを共有すると、ターゲット装置200は、サービスについての問い合わせがブロードキャストされるのを待ち構える。そして、無線通信装置100の通信処理部153は、特定のサービス(本実施の形態では、例えば、印刷サービス)を提供する装置であるターゲット装置200を探索するために、ディスカバリーウィンドウを用いた通信を行う。具体的には、通信処理部153は、NAN規格で定められたディスカバリーウィンドウを用いた信号の送信を行うことにより、サービスについての問合せをブロードキャストする。すなわち、通信処理部153は、NANクラスターを構成する他の全ての装置に対して、問合せを行うメッセージをブロードキャストする。なお、このメッセージは、サービスディスカバリーフレームを用いたメッセージである。これに対し、この問合せのブロードキャストを受信したターゲット装置200の通信処理部241は、NAN規格で定められたディスカバリーウィンドウを用いた信号の送信を行うことにより、この問合せに応答する。これにより、無線通信装置100は、特定のサービスを提供可能な装置を特定することができる。その後、無線通信装置100の通信処理部153と、ターゲット装置200の通信処理部241は、NAN規格にしたがった接続手順にしたがって、NANデータリンクを確立する処理を実行する。以上により、NAN接続が確立される。
【0034】
次に、無線通信装置100の通信処理部153の他の処理について説明する。通信処理部153は、後述する送信制御部157の制御に基づく設定情報の送信が完了すると、NANクラスターから離脱する。すなわち、通信処理部153は、設定情報の送信が完了すると、NAN無線通信方式の通信により設定情報を送信するために無線通信装置100が所属したNANクラスターから無線通信装置100を離脱させる。なお、設定情報の送信先が複数のターゲット装置200である場合には、通信処理部153は、同一のNANクラスターに所属する全てのターゲット装置200に対する設定情報の送信が完了すると、NANクラスターからの離脱を実施する。ここで、NANクラスターからの離脱とは、具体的には、NAN接続を切断し、さらに、NANシンクロナイゼーションを終了することをいう。なお、NANシンクロナイゼーションとは、ディスカバリーウィンドウに同期する処理である。ただし、無線通信装置100がNAN接続を確立していない場合には、NANクラスターからの離脱は、NANシンクロナイゼーションの終了だけを意味する。NANクラスターからの離脱により、電力の消費を抑制することができる。また、NW無線通信方式の通信と、NAN無線通信方式の通信において、共通のアンテナが用いられる場合には、NANクラスターからの離脱により、NW無線通信方式の通信のスループットを向上することができる。
【0035】
なお、通信処理部153は、設定情報の送信先のターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続の確立に成功した場合に、NANクラスターからの無線通信装置100の離脱を実施してもよい。すなわち、通信処理部153は、設定情報を受信したターゲット装置200が無線LAN(アクセスポイント300)に参加した後に、NANクラスターからの無線通信装置100の離脱を実施してもよい。なお、複数のターゲット装置200に対して設定情報が送信された場合には、通信処理部153は、設定情報の送信先である、同一のNANクラスターに所属する全てのターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続の確立に成功した場合に、無線通信装置100をNANクラスターから離脱させてもよい。
【0036】
距離情報取得部154は、NAN規格にしたがった探索により発見されたターゲット装置200のそれぞれについて、無線通信装置100との距離を示す距離情報を取得する。すなわち、距離情報取得部154は、無線通信装置100が所属するNANクラスターに所属する他の無線通信装置(ターゲット装置200)との距離を示す情報を取得する。本実施の形態では、距離情報取得部154は、NAN規格にしたがって測定された、無線通信装置100との距離を示す距離情報を取得する。NAN規格では、NANクラスターを構成する装置が、当該NANクラスターを構成する他の装置との距離を測定する技術が定義されている。この技術は、Rangingとも呼ばれる。Rangingでは、NANクラスターを構成する装置間で、所定のフレームを送受信し、当該所定のフレームの送受信時刻から、装置間の距離を算出する。距離情報取得部154は、この技術を用いて測定された無線通信装置100とターゲット装置200との距離を取得する。なお、距離情報取得部154は、無線通信装置100によって測定された距離を示す距離情報を取得してもよいし、ターゲット装置200によって測定された距離を示す情報を当該ターゲット装置200から取得してもよい。なお、本実施の形態では、距離情報取得部154はNAN規格にしたがって測定された距離を取得するが、他の技術により測定された距離を取得してもよい。また、その際、距離情報取得部154が取得する距離情報は、無線通信装置100が測定した距離を示す情報であってもよいし、他の装置から受信した距離を示す情報であってもよい。
【0037】
入力受付部155は、操作部140を介してユーザーが入力した指示又は情報などを受付ける。本実施の形態では、例えば、入力受付部155は、ユーザーが操作部140を介して行った印刷指示を受付ける。この指示は、印刷対象のデータを指定する指示を含む。また、この指示は、さらに、印刷設定を指定する指示を含んでもよい。また、入力受付部155は、ターゲット装置200を無線LANに接続させるか否かについての指示を受付ける。また、入力受付部155は、無線LANに接続させるターゲット装置200を選択する指示を受付けてもよい。すなわち、入力受付部155は、無線LANに接続するための設定情報の送信先のターゲット装置200を選択する指示を受付けてもよい。
【0038】
表示制御部156は、表示部130による表示を制御する。本実施の形態では、表示制御部156は、後述する図5のように、設定情報の送信先のターゲット装置200を決定するためのユーザーインターフェース画面を表示部130に表示する。すなわち、表示制御部156は、NAN規格にしたがった探索により発見されたターゲット装置200のリストを表示部130に表示するよう制御する。特に、表示制御部156は、距離情報取得部154が取得した、ターゲット装置200ごとの距離情報を表示部130に表示するよう制御する。つまり、表示制御部156は、上述したリストにおいて、ターゲット装置200のそれぞれについての距離情報も表示するよう制御する。これにより、ユーザーは、無線LANに接続させるターゲット装置200を、距離を参照して選択することができる。このため、ユーザーの利便性が向上する。
【0039】
送信制御部157は、NAN規格にしたがった探索により発見された少なくとも一つのターゲット装置200に、通信処理部153によって確立されたNAN無線通信方式の無線通信接続、すなわちNAN接続を用いて、NW無線通信方式の無線通信接続を確立するために必要な設定情報を送信するよう制御する。これにより、本実施の形態では、ターゲット装置200に設定情報(アクセスポイント300のSSID及びパスワード)が送信される。また、設定情報の送信後、当該設定情報の送信先のターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続の確立に成功しなかった場合に、送信制御部157は、NAN接続を用いて、当該ターゲット装置200に、再度、設定情報を送信するよう制御してもよい。すなわち、設定情報を受信したターゲット装置200が無線LAN(アクセスポイント300)への接続に成功しなかった場合、無線通信装置100は、再度、ターゲット装置200に設定情報を送信してもよい。このように、設定情報の再送信が行われることで、一度目の設定情報の伝送において誤りが発生した場合であっても、設定情報を適切に伝送することができる。すなわち、設定情報の伝送時にノイズなどの影響によりビットエラーが発生した場合であっても、設定情報がターゲット装置200に再送信されるため、ターゲット装置200は正しい設定情報を受信することができる。特に、NANクラスターからの無線通信装置100の離脱が、ターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続の確立に成功した場合に実施される場合には、設定情報の再送信が必要なときであっても、NANクラスターを再度構築したりNAN接続を再度確立したりする処理が不要である。このため、直ちに設定情報を再送信することができる。なお、送信制御部157は、設定情報とともに、当該設定情報を用いた接続処理の実行を指示する要求を、ターゲット装置200に送信してもよい。
【0040】
送信制御部157は、NW無線通信方式の無線通信接続を確立するために必要な設定情報の送信先を、距離情報取得部154が取得した距離情報に基づいて制限してもよい。例えば、送信制御部157は、無線通信装置100から所定の距離以内に存在するターゲット装置200だけに設定情報を送信するよう制御してもよい。これにより、遠い位置にあるターゲット装置200に対して、設定情報が送信されることを防ぐことができるため、ユーザーが管理していないようなターゲット装置200に設定情報が漏洩することを防ぐことができる。また、上述した構成によれば、無線通信装置100のユーザーの最寄りにあるターゲット装置200に設定情報が送信されるため、無線LAN経由の印刷をユーザーの最寄りの装置で実現することができる。
【0041】
また、送信制御部157は、表示制御部156により表示された上述のリストに挙げられたターゲット装置200から送信先を選択する指示にしたがって、設定情報の送信先を決定してもよい。この場合、送信制御部157は、入力受付部155が受付けたユーザーからの指示にしたがって、設定情報の送信先を決定する。このような構成によれば、ユーザーは、設定情報の送信先をリストのなかから選択することができる。つまり、ユーザーは、無線LANに接続させるターゲット装置200を選択することができる。このため、ユーザーの利便性が向上する。
【0042】
また、送信制御部157は、設定情報以外の情報の送信を制御してもよい。例えば、送信制御部157は、入力受付部155が受付けた印刷指示に応じて生成された印刷ジョブを、NW無線通信方式の無線通信接続を用いて、ターゲット装置200に送信するよう制御してもよい。本実施の形態では、ターゲット装置200が無線LANに参加していない場合、無線通信装置100は、無線LANに接続するための設定情報をターゲット装置200に送信し、ターゲット装置200を無線LANに接続させる。このため、本実施の形態では、ターゲット装置200が予め無線LANに参加しているか否かにかかわらず、送信制御部157は、印刷ジョブを、NW無線通信方式の無線通信接続を用いて、ターゲット装置200に送信することができる。なお、送信制御部157は、入力受付部155が受付けた印刷指示に応じて生成された印刷ジョブを、NAN無線通信方式の無線通信接続を用いて、ターゲット装置200に送信するよう制御してもよい。また、送信制御部157は、スループットに応じて、NW無線通信方式とNAN無線通信方式の無線通信接続を切り替えて、印刷ジョブを送信するよう制御してもよい。特に、送信制御部157は、設定情報を受信したターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続の確立に成功しなかった場合には、NAN無線通信方式の無線通信接続を用いて、このターゲット装置200に、印刷ジョブを送信するよう制御してもよい。このような構成によれば、無線通信装置100とターゲット装置200とがNW無線通信方式の通信を行えない場合であっても、印刷を実現することができる。
【0043】
次に、ターゲット装置200について説明する。図3は、ターゲット装置200の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、ターゲット装置200は、記憶部210、無線通信部220、印刷部230、及び制御部240を有する。なお、ターゲット装置200は、他の構成要素を備えていてもよい。例えば、ターゲット装置200は、タッチパネルディスプレイなどのユーザーインターフェースをさらに備えていてもよいし、スキャナーなどをさらに備えていてもよい。
【0044】
記憶部210は、制御部240の処理を実現するためのプログラム及びターゲット装置200の処理に用いられるデータが格納される記憶装置である。この記憶装置は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置であってもよく、RAM等のメモリーを含んでもよい。
【0045】
無線通信部220は、無線通信を行うハードウェアである。すなわち、無線通信部220は、無線通信インターフェースである。無線通信部220は、送信回路、受信回路、及びアンテナを含みうる。
【0046】
印刷部230は、用紙などの印刷媒体に印刷を行うための印刷機能を有する。印刷部230は、印刷エンジンを含む。印刷エンジンとは、印刷媒体への画像の印刷を、色材を用いて実行する機械的構成である。印刷エンジンは、例えば、インクジェット方式により、インクを用いて印刷を行う機構を有してもよい。あるいは、印刷エンジンは、例えば、電子写真方式により、トナーを用いて印刷を行う機構を有してもよい。また、印刷エンジンは、印刷媒体を搬送する搬送機構を有してもよい。
【0047】
制御部240は、ターゲット装置200の各構成を制御する例えばCPU等のプロセッサーである。制御部240は、複数のプロセッサーを有してもよい。制御部240は、プログラムをメモリーへ読み込み、プログラムを実行する。これにより、本実施の形態では、制御部240は、通信処理部241、設定情報取得部242、通信処理部243、接続判定部244、印刷情報取得部245、及び印刷処理部246の機能を実現する。
【0048】
ターゲット装置200は、通信処理部241と通信処理部243を備えており、2種類の異なる無線通信方式での通信が可能な構成を備えている。
通信処理部241は、NAN無線通信方式の通信を、他の無線通信装置(本実施の形態では、無線通信装置100)との間で実行する処理を行う。上述した通り、無線通信装置100とターゲット装置200は、NAN無線通信方式の通信として、ディスカバリーウィンドウを用いた通信と、NAN接続を確立した上で行われる通信の2種類の通信を行うことが可能である。このため、通信処理部241により行われる処理には、ディスカバリーウィンドウを用いた通信を実行する処理と、NAN接続を確立した上で行われる通信を実行する処理が含まれる。上述した通り、本実施の形態では、通信処理部241は、無線通信装置100とディスカバリーウィンドウを用いた通信を行って、無線通信装置100とのNAN接続を確立する。
【0049】
また、通信処理部241は、後述する設定情報取得部242が、無線通信装置100から設定情報を取得すると、NANクラスターから離脱する。すなわち、通信処理部241は、設定情報の受信が完了すると、NAN無線通信方式の通信により設定情報を受信するためにターゲット装置200が所属したNANクラスターからターゲット装置200を離脱させる。なお、通信処理部241は、ターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続の確立に成功した場合に、NANクラスターからのターゲット装置200の離脱を実施してもよい。すなわち、通信処理部241は、無線通信装置100から受信した設定情報を用いた、後述する通信処理部243による接続処理に成功した場合に、NANクラスターからの離脱を実施してもよい。さらに換言すると、通信処理部241は、ターゲット装置200が無線LAN(アクセスポイント300)への接続に成功した後に、NANクラスターからのターゲット装置200の離脱を実施してもよい。
【0050】
設定情報取得部242は、通信処理部241によって確立されたNAN無線通信方式の無線通信接続、すなわちNAN接続を用いて、無線通信装置100から設定情報を取得する。
【0051】
通信処理部243は、NW無線通信方式の通信を実行する処理を行う。通信処理部243は、設定情報取得部242が取得した設定情報、すなわち無線通信装置100から受信した設定情報を用いて、NW無線通信方式の無線通信接続を確立する。具体的には、通信処理部243は、無線通信装置100から受信した、アクセスポイント300のSSID及びパスワードを用いて、NW無線通信方式の無線通信接続を確立する。NW無線通信方式の無線通信接続の確立が成功すると、上述した通り、通信処理部241は、NAN接続を切断する。
【0052】
接続判定部244は、ターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続を確立したか否かを判定する。すなわち、接続判定部244は、ターゲット装置200が無線LAN(アクセスポイント300)への接続に成功したか否かを判定する。
【0053】
印刷情報取得部245は、通信処理部243が確立したNW無線通信方式の無線通信接続を用いて、無線通信装置100から印刷ジョブを取得する。なお、印刷情報取得部245は、通信処理部241が確立したNAN接続を用いて、無線通信装置100から印刷ジョブを取得してもよい。
【0054】
印刷処理部246は、印刷部230による印刷を実行するための処理を行なう。本実施の形態では、印刷処理部246は、無線通信装置100から受信した印刷ジョブにしたがった印刷を、印刷部230を用いて実行する。
【0055】
次に、本実施の形態において、ターゲット装置200を無線LANに参加させるための通信システム10の動作の流れについて説明する。図4は、本実施の形態において、ターゲット装置200を無線LANに参加させるための通信システム10の動作の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図4に示したフローチャートは、動作の一例を示すに過ぎない。したがって、例えば、各ステップは、技術的な矛盾を生じない限り、実行順序を入れ替えることができる。また、一部のステップが省略されてもよい。なお、以下で説明する動作に先だって、無線通信装置100は、設定情報を用いてNW無線通信方式の無線通信接続を確立している。一方、ターゲット装置200は、NW無線通信方式の無線通信接続を未だ確立していないものとする。以下、図4を参照しつつ、動作の流れについて説明する。
【0056】
ステップS101は、例えば、ユーザーが無線通信装置100にインストールされた所定のアプリケーションソフトウェア(例えば、印刷アプリ)を起動したことを契機に実行されてもよいが、ステップS101のトリガーはこれに限られない。ステップS101において、無線通信装置100のターゲット判定部152は、ターゲット装置200が無線LAN(本実施の形態では、具体的にはWi-Fi(登録商標)ネットワーク)に接続しているか否かを判定する。すなわち、ターゲット判定部152は、ターゲット装置200が無線LANに存在するか否かを判定する。ここでは、ターゲット装置200が無線LANに接続していないものとして説明を続けるが、ターゲット装置200が無線LANに接続している場合、処理は終了する。ターゲット装置200が無線LANに接続していない場合、処理はステップS102へ移行する。
【0057】
ステップS102において、無線通信装置100の通信処理部153が、NAN規格にしたがって、サービスについての問い合わせをブロードキャストすることにより、ターゲット装置200を探索する。すなわち、通信処理部153は、ディスカバリーウィンドウを用いた通信を行ってターゲット装置200を探索する。なお、このとき、通信処理部153は、NAN規格にしたがって、サービスについての問い合わせをブロードキャストすることにより、特定のサービスを提供可能な無線通信装置だけを探索してもよい。この場合、後のステップにおいて、特定のサービスを提供可能な無線通信装置にだけ、設定情報が送信されることとなる。これにより、無線LANに参加させることが適切な無線通信装置だけを探索することができる。例えば、通信処理部153は、ターゲット装置200のような接続サービスを提供可能な装置、すなわち、NAN接続で受信した設定情報を用いてNW無線通信方式の無線通信接続を確立する機能を備えた無線通信装置だけを探索してもよい。また、例えば、通信処理部153は、印刷サービスを提供可能な無線通信装置だけを探索してもよいし、スキャンサービスを提供可能な無線通信装置だけを探索してもよい。また、通信処理部153は、特定の条件を満たす特定のサービスを提供可能な無線通信装置だけを探索してもよい。例えば、通信処理部153は、特定の印刷設定での印刷サービスを提供可能な無線通信装置だけを探索してもよい。
【0058】
そして、本実施の形態では、ステップS103において、無線通信装置100の通信処理部153は、ステップS102で探索されたターゲット装置200とNAN接続を確立する。換言すると、ターゲット装置200の通信処理部241は、無線通信装置100とNAN接続を確立する。なお、無線通信装置100の通信処理部153は、ステップS102における探索において複数のターゲット装置200が発見された場合、それら複数のターゲット装置200とNAN接続を確立してもよい。
【0059】
ステップS104において、無線通信装置100の距離情報取得部154は、ステップS103でNAN接続が確立されたターゲット装置200と、無線通信装置100との距離を取得する。
【0060】
次に、ステップS105において、無線通信装置100の表示制御部156は、設定情報の送信先のターゲット装置200を決定するためのユーザーインターフェース画面を表示部130に表示する。具体的には、例えば、表示制御部156は、図5に示すように、ステップS102の探索により発見されたターゲット装置200のリストを含むユーザーインターフェース画面90を表示部130に表示する。すなわち、表示制御部156は、設定情報の送信先のターゲット装置200の候補が示されたリストを表示部130に表示する。
【0061】
図5は、表示制御部156が表示するユーザーインターフェース画面90の一例を示す模式図である。図5に示すように、表示制御部156は、設定情報の送信先の各候補について、無線通信装置100からの距離を表示してもよい。また、図5に示すように、表示制御部156は、各ターゲット装置200の識別情報(プリンター名)を表示してもよい。なお、各ターゲット装置200の識別情報を取得するために、NAN接続されたターゲット装置200に対する識別情報の問い合わせが行われてもよい。図5に示したユーザーインターフェース画面90は、無線通信装置100が保持する設定情報をターゲット装置200に送信することを指示するためのボタン91と、無線通信装置100が保持する設定情報をターゲット装置200に送信することキャンセルするためのボタン92を含んでいる。ボタン91は、ターゲット装置200を新たに無線LANに参加させることを指示するためのボタンということもできる。また、ボタン92は、ターゲット装置200に新たに無線LANに参加させることキャンセルするためのボタンということもできる。ユーザーは、ターゲット装置200を新たに無線LANに参加させる場合、リストに挙げられたターゲット装置200から参加対象の装置を選択し、ボタン91を押す。なお、図5に示した例では、ユーザーインターフェース画面90は、リストを含むが、リストを含まないユーザーインターフェース画面が表示されてもよい。この場合、ユーザーは、ターゲット装置200を新たに無線LANに参加させる場合、ターゲット装置200を選択することなく、ターゲット装置200を新たに無線LANに参加させることを指示する。この場合、送信制御部157は、NAN接続した全てのターゲット装置200に設定情報を送信してもよいし、上述したように距離情報に基づいて送信先のターゲット装置200を決定してもよい。
【0062】
入力受付部155が、ターゲット装置200を無線LANに接続させる指示をユーザーから受付けた場合(ステップS106でYES)、すなわちボタン91が操作された場合、処理はステップS107へ移行する。ターゲット装置200を無線LANに接続させる指示を受付けなかった場合(ステップS106でNO)、すなわちボタン92が操作された場合、処理は終了する。
【0063】
ステップS107において、無線通信装置100の送信制御部157は、ステップS103で確立されたNAN接続を用いて、NW無線通信方式の無線通信接続を確立するための設定情報、すなわちWi-Fi(登録商標)ネットワークに接続するための設定情報を、ターゲット装置200に送信するよう制御する。例えば、送信制御部157は、リストに挙げられたターゲット装置200のうち、送信先としてユーザーに選択されたターゲット装置200に、設定情報を送信するよう制御する。これに対し、ターゲット装置200の設定情報取得部242は、無線通信装置100から送信された設定情報を取得する。これにより、NAN接続を介して無線通信装置100からターゲット装置200へ、設定情報が送信されることとなる。
【0064】
次に、ステップS108において、ターゲット装置200の通信処理部243は、無線通信装置100から受信した設定情報を用いて、NW無線通信方式の無線通信接続を確立する処理を実行する。すなわち、通信処理部243は、Wi-Fi(登録商標)ネットワークに接続するための処理を実行する。これにより、ターゲット装置200がNW無線通信方式の無線通信接続を確立し、ターゲット装置200が、アクセスポイント300を用いた無線LANに参加することとなる。
【0065】
次に、ステップS109において、ターゲット装置200の通信処理部241と、無線通信装置100の通信処理部153は、NANクラスターからの離脱を実施する。なお、NANクラスターからの離脱は、ターゲット装置200と無線通信装置100のいずれか一方だけが行ってもよい。
【0066】
なお、上述したフローチャートでは、ステップS103の後に距離情報が取得されているが、ステップS103の前に取得されてもよい。この場合、通信処理部153は、距離情報を用いて、NAN接続を確立する相手を限定してもよい。すなわち、例えば、通信処理部153は、距離が所定の閾値以下であるターゲット装置200とNAN接続を確立してもよい。
【0067】
図6は、通信システム10における各装置の接続状態の変遷を示す模式図である。図6に示すように、上述したステップS103では、無線通信装置100とターゲット装置200とがNAN接続L1を確立する。そして、ステップS108において、ターゲット装置200は、NW無線通信方式の無線通信接続L2を確立する。その後、ステップS109において、NAN接続L1が切断され、無線通信装置100及びターゲット装置200がNANクラスターから離脱する。
【0068】
上述した実施の形態によれば、無線通信装置100とターゲット装置200が同一のネットワーク内に存在しない場合には、無線通信装置100からターゲット装置200へネットワークに接続するための設定情報が送信され、この設定情報を用いてターゲット装置200はネットワークに参加する。このため、ターゲット装置200がネットワーク内に予め存在しない場合であっても、ターゲット装置200の機能を利用できる。
【0069】
以上、実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、NAN接続を用いた通信により、設定情報の送信が行われたが、ディスカバリーウィンドウを用いた通信により設定情報の送信が行われてもよい。具体的には、無線通信装置100の送信制御部157は、ネットワークに参加するための設定情報を含むサービスディスカバリーフレームを、ディスカバリーウィンドウを用いた通信により送信してもよい。ここで、設定情報を含むサービスディスカバリーフレームは、NAN規格で定められたPublishメッセージ、Subscribeメッセージ、Follow upメッセージのいずれかとして送信されてもよい。なお、設定情報がディスカバリーウィンドウを用いた通信により送信される場合、無線通信装置100はターゲット装置200とNAN接続を確立しなくてもよい。このように、設定情報は、NAN無線通信方式の通信により送信されればよく、NAN接続を確立した上で行われる通信による送信又はディスカバリーウィンドウを用いた通信による送信のいずれかに限定されない。つまり、無線通信装置100の送信制御部157は、ネットワークに参加するための設定情報を、NAN無線通信方式の通信を用いて、少なくとも一つのターゲット装置200に送信するよう制御すればよい。
【0070】
また、上述の例において、プログラムは、コンピューターに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピューターに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピューター可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリー、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリー技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピューター可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0071】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行う第1の通信処理部と、
前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定するターゲット判定部と、
前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN(Neighbor Awareness Network)規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行う第2の通信処理部と、
前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する送信制御部と
を有する無線通信装置。
(付記2)
前記第2の通信処理部は、前記設定情報の送信が完了すると、前記第2の無線通信方式の通信のためのNANクラスターから前記無線通信装置を離脱させる
付記1に記載の無線通信装置。
(付記3)
前記第2の通信処理部は、前記設定情報を受信した前記ターゲット装置が前記ネットワークに参加すると、前記第2の無線通信方式の通信のためのNANクラスターから前記無線通信装置を離脱させる
付記1に記載の無線通信装置。
(付記4)
前記第2の通信処理部は、NAN規格にしたがって、サービスについての問い合わせをブロードキャストすることにより、前記特定のサービスを提供可能な前記ターゲット装置を探索する
付記1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(付記5)
前記少なくとも一つのターゲット装置のそれぞれについて、NAN規格にしたがって測定された、前記無線通信装置との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部をさらに有し、
前記送信制御部は、前記距離情報に基づいて、前記設定情報の送信先を制限する
付記1から4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(付記6)
前記少なくとも一つのターゲット装置のリストを表示するよう制御する表示制御部をさらに有し、
前記送信制御部は、前記リストに挙げられた前記少なくとも一つのターゲット装置から送信先を選択する指示にしたがって、前記設定情報の送信先を決定する
付記1から5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(付記7)
前記少なくとも一つのターゲット装置のそれぞれについて、NAN規格にしたがって測定された、前記無線通信装置との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記リストにおいて、前記少なくとも一つのターゲット装置のそれぞれの前記距離情報をさらに表示するよう制御する
付記6に記載の無線通信装置。
(付記8)
第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行い、
前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定し、
前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行い、
前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する
無線通信装置の制御方法。
(付記9)
第1の無線通信方式の通信を実行する処理を行う第1の通信処理ステップと、
前記第1の無線通信方式の通信でアクセス可能なネットワークに、特定のサービスを提供可能な装置であるターゲット装置が存在するか否かを判定するターゲット判定ステップと、
前記ネットワークに前記ターゲット装置が存在しない場合に、NAN規格にしたがった通信方式であり前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信を、少なくとも一つの前記ターゲット装置との間で実行する処理を行う第2の通信処理ステップと、
前記ネットワークに参加するための設定情報を、前記第2の無線通信方式の通信を用いて、前記少なくとも一つのターゲット装置に送信するよう制御する送信制御ステップと
をコンピューターに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0072】
10…通信システム、90…ユーザーインターフェース画面、91…ボタン、92…ボタン、100…無線通信装置、110…記憶部、120…無線通信部、130…表示部、140…操作部、150…制御部、151…通信処理部、152…ターゲット判定部、153…通信処理部、154…距離情報取得部、155…入力受付部、156…表示制御部、157…送信制御部、200…ターゲット装置、210…記憶部、220…無線通信部、230…印刷部、240…制御部、241…通信処理部、242…設定情報取得部、243…通信処理部、244…接続判定部、245…印刷情報取得部、246…印刷処理部、300…アクセスポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6