(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136555
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】乗りかご、エレベーター及びドア開閉装置
(51)【国際特許分類】
B66B 13/30 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B66B13/30 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047705
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 康平
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐太
(72)【発明者】
【氏名】石塚 真介
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307AA01
3F307BA02
3F307CA18
3F307CB01
3F307CB26
(57)【要約】
【課題】保守点検作業を容易に行うことができる乗りかご、エレベーター及びドア開閉装置を提供する。
【解決手段】乗りかごは、中空のかご室121と、ドア開閉装置125と、を備えている。ドア開閉装置125は、レール枠130と、固定ブラケット20と、ドアモータ21と、を備えている。レール枠130は、ドアレール10が固定される正面部131と、屋根部132と、を有している。固定ブラケット20は、ドアモータ21が固定され、レール枠131の正面部と対向する第1面部24と、第1面部24の鉛直方向の上端部からかご室に向けて突出し、レール枠130の屋根部132に締結固定される第2面部25と、を有している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のかご室と、
前記かご室に設けられ、かご側ドアを開閉可能に支持するドア開閉装置と、を備え、
前記ドア開閉装置は、
前記かご室に固定されるレール枠と、
前記レール枠に固定される固定ブラケットと、
前記固定ブラケットに固定されるドアモータと、を備え、
前記レール枠は、
ドアレールが固定される正面部と、
前記正面部の鉛直方向の上端部から前記かご室と離反する向きに突出する屋根部と、を有し、
前記固定ブラケットは、
前記ドアモータが固定され、前記レール枠の正面部と対向する第1面部と、
前記第1面部の鉛直方向の上端部から前記かご室に向けて突出し、前記レール枠の屋根部に締結固定される第2面部と、を有する
乗りかご。
【請求項2】
前記第2面部は、前記屋根部における鉛直方向の上方を向く上面に載置される
請求項1に記載の乗りかご。
【請求項3】
前記ドアモータは、伝達ベルトが巻き掛けられる駆動プーリが前記かご室及び前記レール枠に向けて前記第1面部に固定される
請求項1に記載の乗りかご。
【請求項4】
前記ドアモータは、前記第1面部における前記レール枠と対向する対向面に固定される
請求項3に記載の乗りかご。
【請求項5】
前記ドアモータは、前記第1面部における前記レール枠と対向する対向面とは反対側の正面に、前記駆動プーリが設けられたプーリ面を重ね合わせて配置され、
前記第1面部には、前記ドアモータの前記駆動プーリが挿入可能な切り欠きが形成されている
請求項3に記載の乗りかご。
【請求項6】
昇降路を昇降する乗りかごを備え、
前記乗りかごは、
中空のかご室と、
前記かご室に設けられ、かご側ドアを開閉可能に支持するドア開閉装置と、を備え、
前記ドア開閉装置は、
前記かご室に固定されるレール枠と、
前記レール枠に固定される固定ブラケットと、
前記固定ブラケットに固定されるドアモータと、を備え、
前記レール枠は、
ドアレールが固定される正面部と、
前記正面部の鉛直方向の上端部から前記かご室と離反する向きに突出する屋根部と、を有し、
前記固定ブラケットは、
前記ドアモータが固定され、前記レール枠の正面部と対向する第1面部と、
前記第1面部の鉛直方向の上端部から前記かご室に向けて突出し、前記レール枠の屋根部に締結固定される第2面部と、を有する
エレベーター。
【請求項7】
レール枠と、
前記レール枠に固定される固定ブラケットと、
前記固定ブラケットに固定されるドアモータと、を備え、
前記レール枠は、
ドアレールが固定される正面部と、
前記正面部の鉛直方向の上端部から突出する屋根部と、を有し、
前記固定ブラケットは、
前記ドアモータが固定され、前記レール枠の正面部と対向する第1面部と、
前記第1面部の鉛直方向の上端部から突出し、前記レール枠の屋根部に締結固定される第2面部と、を有する
ドア開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗りかご、エレベーター及びドア開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、エレベーターは、人や物が乗り降りするために、建築構造物の各階に出入口が設けられている。同様に、人や物が載置される乗りかごにも人や物が出入りする開口部が設けられている。この出入口や乗りかごの開口部には、それぞれ開閉可能なかご側ドアが設けられている。そして、乗りかごには、かご側ドアを開閉可能に支持するドア開閉装置が設けられている。
【0003】
ここで、
図11A及び
図11Bを参照して従来のドア開閉装置について説明する。
図11Aは、従来のドア開閉装置を示す正面図、
図11Bは、従来のドア開閉装置を示す側面図である。
【0004】
図11A及び
図11Bに示すように、ドア開閉装置225は、レール枠130と、ドアレール10と、ドアモータ21と、従動プーリ11と、伝達ベルト12と、スイッチや戸開保持装置等の機器14と、固定ブラケット220とを有している。ドアレール10や機器14は、レール枠130に固定されている。また、ドアモータ21は、固定ブラケット220に固定されている。そして、固定ブラケット220は、レール枠130の上面部である屋根部132に載置されている。そのため、固定ブラケット220及びドアモータ21は、レール枠130の鉛直方向の上方に向けて突出している。その結果、従来のドア開閉装置225では、固定ブラケット220及びドアモータ21により装置の最大高さが大きくなるという問題を有していた。
【0005】
このような、ドア開閉装置の高さが大きくなることを抑制するために、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、駆動モータがかごの出入口の上方に設けられた上部フレームの正面にブラケットを介して取り付けられる技術が記載されている。そして、ブラケットが駆動モータに設けられる位置決定部に当接することで、上部フレームの正面に直交する軸方向における駆動モータの位置が決定されることが記載されている。
【0006】
次に、
図12A及び
図12Bを参照して、従来の他の例にかかるドア開閉装置である特許文献1に記載されたドア開閉装置について説明する。
図12Aは、従来の他の例にかかるドア開閉装置を示す正面図、
図12Bは、従来の他の例にかかるドア開閉装置を示す側面図である。
【0007】
図12A及び
図12Bに示すように、ドア開閉装置325は、レール枠130と、ドアレール10と、ドアモータ21と、従動プーリ11と、伝達ベルト12と、スイッチや戸開保持装置等の機器14と、固定ブラケット320とを有している。ドアレール10や機器14は、レール枠130に固定されている。また、ドアモータ21は、固定ブラケット320に固定されている。そして、固定ブラケット320は、レール枠130の上面部である屋根部132から屈曲する正面部131に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ドア開閉装置を鉛直方向の上方から見た際に、ドアモータを支持する固定ブラケットとレール枠との固定箇所が固定ブラケットやレール枠によって隠れている。そのため、作業員が乗りかごのかご室の上部に乗ってドアモータを保守点検作業する際に、固定ブラケットとレール枠との固定箇所にアクセスすることが困難なものとなっていた。その結果、特許文献1に記載された技術では、保守点検作業が大変煩雑なものとなっていた。
【0010】
本目的は、上記の問題点を考慮し、保守点検作業を容易に行うことができる乗りかご、エレベーター及びドア開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決し、目的を達成するため、乗りかごは、中空のかご室と、かご室に設けられ、かご側ドアを開閉可能に支持するドア開閉装置と、を備えている。ドア開閉装置は、かご室に固定されるレール枠と、レール枠に固定される固定ブラケットと、固定ブラケットに固定されるドアモータと、を備えている。そして、レール枠は、ドアレールが固定される正面部と、正面部の鉛直方向の上端部からかご室と離反する向きに突出する屋根部と、を有している。固定ブラケットは、ドアモータが固定され、レール枠の正面部と対向する第1面部と、第1面部の鉛直方向の上端部からかご室に向けて突出し、レール枠の屋根部に締結固定される第2面部と、を有している。
【0012】
また、エレベーターは、昇降路を昇降する乗りかごを備えている。また、乗りかごは、上述した構成を有する乗りかごが適用される。
【0013】
また、ドア開閉装置は、上述した構成を有するドア開閉装置が適用される。
【発明の効果】
【0014】
上記構成の乗りかご、エレベーター及びドア開閉装置によれば、保守点検作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。
【
図2】第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置を示す正面図である。
【
図3】第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置を示す側面図である。
【
図4】第2の実施の形態例にかかるドア開閉装置を示す側面図である。
【
図5】第2の実施の形態例にかかるドア開閉装置を上方から見た平面図である。
【
図6】第3の実施の形態例にかかるドア開閉装置を示す正面図である。
【
図7】第3の実施の形態例にかかるドア開閉装置を示す側面図である。
【
図8】第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置を示す正面図である。
【
図9】第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置を上方から見た平面図である。
【
図10】第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、乗りかご、エレベーター及びドア開閉装置の実施の形態例について、
図1~
図10を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0017】
1.第1の実施の形態例
1-1.エレベーターの構成例
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について
図1を参照して説明する。
図1は、エレベーターを示す概略構成図である。
【0018】
本例のエレベーター1は、建築構造物内に形成された昇降路に設けられている。エレベーター1は、昇降路内を昇降動作し、人や荷物を載せる乗りかご120と、ロープ170と、釣合おもり140と、巻上機100と、を備えている。昇降路の頂部には、機械室160が設けられている。
【0019】
巻上機100は、機械室160に配置され、ロープ170を巻き掛けることにより乗りかご120を昇降させる。また、巻上機100の近傍には、ロープ170が装架される反らせ車150が設けられている。
【0020】
ロープ170の軸方向の一端には、乗りかご120が取り付けられており、ロープ170の軸方向の他端には、釣合おもり140が取り付けられている。そのため、乗りかご120は、ロープ170を介して釣合おもり140と連結される。そして、巻上機100が駆動すると、乗りかご120と釣合おもり140が昇降動作する。
【0021】
また、建築構造物における乗りかご120が停止する乗り場には、人や荷物が出入りする出入り口が設けられている。出入り口には、建屋側ドア205が開閉可能に配置されている。建屋側ドアは、出入り口の上下方向の上端部に設置された建屋側ドアユニットにより開閉可能に支持されている。
【0022】
1-2.乗りかごの構成
次に、乗りかご120の構成について説明する。乗りかご120は、かご室121と、ドア開閉装置125と、かご側ドア135とを有している。かご室121は、中空の略直方体状に形成されている。かご室121における乗り場と対向する一面には、開口部が設けられている。そして、かご室121の開口部を塞ぐようにしてかご側ドア135が開閉可能に設けられている。かご側ドア135は、ドア開閉装置125により開閉可能に支持されている。ドア開閉装置125は、かご室121の鉛直方向の上部に固定されている。
【0023】
1-3.ドア開閉装置の構成
次に、
図2及び
図3を参照してドア開閉装置125の構成について説明する。
図2は、ドア開閉装置125を示す正面図、
図3は、ドア開閉装置125を示す側面図である。
【0024】
図2及び
図3に示すように、ドア開閉装置125は、レール枠130と、ドアレール10と、ドアモータ21と、従動プーリ11と、伝達ベルト12と、スイッチや戸開保持装置等の機器14と、固定ブラケット20とを有している。
【0025】
レール枠130は、かご室121を構成するかご枠の上部に締結固定されている。なお、レール枠130の固定方法としては、締結固定に限定されるものではなく、溶接等その他各種の固定方法を適用することができる。また、レール枠130の固定箇所は、かご室121のかご枠に限定されるものではなく、かご室121の2本のかご枠を連結するクロスヘッドに固定してもよく、あるいはかご室121の前面板や側板に固定してもよく、その他各種の固定箇所が適用されるものである。
【0026】
レール枠130は、正面部131と、屋根部132とを有している。屋根部132は、正面部131の鉛直方向の上端部から略垂直に屈曲している。すなわち、レール枠130は、側面から見た形状が逆L字状に形成されている。そして、屋根部132は、正面部131の上端部からかご室121から離れる方向に向けて突出している。なお、屋根部132が正面部131から屈曲する例を説明したが、これに限定されるものではなく、正面部131と屋根部132とを別部材で構成し、互い端部を溶接や締結固定により接続してもよい。
【0027】
正面部131には、かご室121に締結固定するための固定孔131cが形成されている。屋根部132には、後述する固定ブラケット20を締結固定するための固定孔132cが形成されている。固定孔132cは、屋根部132の上面132aから下面132bにかけて貫通している。
【0028】
レール枠130には、ドアレール10及び機器14、従動プーリ11、固定ブラケット20が固定されている。ドアレール10及び機器14、従動プーリ11は、レール枠130の正面部131に固定されている。
【0029】
ドアレール10は、かご側ドア135の開閉方向である正面部131の幅方向に沿って延在している。ドアレール10には、かご側ドア135の移動ローラが摺動可能に係合する。
【0030】
レール枠130の幅方向の一端部には、固定ブラケット20が配置され、レール枠130の幅方向の他端部には、従動プーリ11が回転可能に取り付けられている。従動プーリ11には、伝達ベルト12が巻き掛けられている。
【0031】
伝達ベルト12は、長手方向の両端部が連結された無端状に形成されている。伝達ベルト12は、ドアモータ21の駆動プーリ22と、従動プーリ11に巻き掛けられている。そして、ドアモータ21が駆動することで、伝達ベルト12は、従動プーリ11と、駆動プーリ22の間を循環移動する。また、伝達ベルト12には、かご側ドア135に設けた連結部材が連結されている。そして、伝達ベルト12が移動することで、かご側ドア135が開閉動作する。
【0032】
[固定ブラケット]
次に、固定ブラケット20の構成について説明する。
固定ブラケット20は、第1面部24と、第2面部25とを有している。第2面部25は、第1面部24の鉛直方向の上端部から略垂直に屈曲している。すなわち、固定ブラケット20は、側面から見た形状が逆L字状に形成されている。そのため、第2面部25は、第1面部24の上端部からかご室121に向けて突出している。なお、第2面部25が第1面部24から屈曲する例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1面部24と第2面部25とを別部材で構成し、互い端部を溶接や締結固定により接続してもよい。
【0033】
第1面部24は、レール枠130の正面部131と対向して配置される。第1面部24には、ドアモータ21を固定するための固定孔24cが設けられている。第1面部24は、正面部131と対向する面を対向面24bと、対向面24bとは反対側の正面24aとを有している。そして、ドアモータ21は、第1面部24の正面24aに締結固定される。このとき、ドアモータ21の駆動プーリ22は、レール枠130とは反対方向に向けて突出している。
【0034】
第2面部25は、第1面部24の上端部からレール枠130に向けて突出している。第2面部25には、レール枠130の屋根部132に固定するための固定孔25cが形成されている。第2面部25は、屋根部132における鉛直方向の上側を向く上面132aに載置される。そして、第2面部25の固定孔25c及び屋根部132の固定孔132cに不図示のボルトを挿入することで、固定ブラケット20は、レール枠130の屋根部132に締結固定される。そのため、ドアモータ21は、レール枠130の屋根部132に固定ブラケット20を介して懸架・固定される。
【0035】
ドアモータ21を支持する固定ブラケット20をレール枠130の屋根部132に締結固定することで、レール枠130の鉛直方向の上方に無駄なスペースが発生することを抑制することができる。その結果、ドア開閉装置125の最大高さを低くすることができ、乗りかご120の最大高さがドア開閉装置125によって増加することを抑制できる。
【0036】
さらに、固定ブラケット20をレール枠130の屋根部132に締結固定することで、保守点検時に作業員はかご室121の上部に乗って作業を行うことができる。そして、作業員は、かご室121の上部から固定ブラケット20とレール枠130との締結箇所の容易にアクセスすることができる。このように、本例のドア開閉装置125によれば、ドアモータ21の交換作業や点検作業等の保守点検作業を容易に行うことができる。
【0037】
また、建築構造物の出入り口側から保守点検作業を行うことが想定される。ここで、ドアモータ21が出入り口よりも外側に配置されている場合、従来のドア開閉装置では、固定ブラケットの固定箇所が、レール枠と建築構造物の壁面との間に配置される。そのため、従来のドア開閉装置では、建築構造物の出入り口側から保守点検作業を行う場合でも、固定へのアクセスが困難なものとなっていた。
【0038】
これに対して、本例のドア開閉装置125によれば、建築構造物の出入り口側から保守点検作業を行う場合でも固定ブラケット20とレール枠130との締結箇所の容易にアクセスすることができる。
【0039】
なお、第2面部25を屋根部132の上面132aに重ね合わせる(載置させる)例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2面部25を屋根部132の下面132bに重ね合わせて、固定ブラケット20をレール枠130に固定してもよい。
【0040】
また、第2面部25を屋根部132の上面132aに載置することで、固定ブラケット20を固定するボルトやナットを外した際に、固定ブラケット20及びドアモータ21がレール枠130から作業員の意図に反して脱落することを防止できる。そのため、第2面部25は、屋根部132の下面132bよりも上面132aに重ね合わせたほうが好ましい。
【0041】
2.第2の実施の形態例
次に、第2の実施の形態例にかかるドア開閉装置ついて
図4~
図5を参照して説明する。
図4は、第2の実施の形態例にかかるドア開閉装置の側面図、
図5は、第2の実施の形態例にかかるドア開閉装置を上方から見た平面図である。
【0042】
この第2の実施の形態例にかかるドア開閉装置が、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と異なる点は、固定ブラケットとレール枠の構成である。そのため、ここでは、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0043】
図4及び
図5に示すように、ドア開閉装置125Aは、固定ブラケット40と、レール枠130Aとを有している。固定ブラケット40は、第1面部44と、第2面部45とを有している。第1面部44には、ドアモータ21を固定するための固定孔44cが形成されている。また、第2面部45には、固定ブラケット40をレール枠130Aの屋根部132Aに固定するための固定孔45cが形成されている。
【0044】
レール枠130Aは、正面部131と、屋根部132Aとを有している。屋根部132Aには、開口部138が形成されている。開口部138は、屋根部132Aにおける固定ブラケット40が固定される箇所に形成された切り欠きである。開口部138は、屋根部132Aにおけるかご室121とは反対側の一辺から正面部131に向けて切り欠かれている。この開口部138の開口の大きさは、固定ブラケット40に固定されたドアモータ21が通過可能な大きさに設定されている。そして、開口部138には、ドアモータ21及び固定ブラケット40の第1面部44が挿入される。
【0045】
また、屋根部132Aにおける開口部138と正面部131との間には、固定ブラケット40を固定するための固定孔132cが形成されている。そして、固定ブラケット40の第2面部45は、屋根部132Aにおける開口部138と正面部131との間に載置される。これにより、固定ブラケット40に懸架・固定されたドアモータ21をレール枠130Aの正面部131に近づけることができる。その結果、第2の実施の形態例にかかるドア開閉装置125Aによれば、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125よりも装置全体の厚さを縮小することができる。
【0046】
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有するドア開閉装置125Aにおいても、上述した第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0047】
3.第3の実施の形態例
次に、第3の実施の形態例にかかるドア開閉装置ついて
図6~
図7を参照して説明する。
図6は、第3の実施の形態例にかかるドア開閉装置の正面図、
図7は、第3の実施の形態例にかかるドア開閉装置を上方から見た側面図である。
【0048】
この第3の実施の形態例にかかるドア開閉装置が、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と異なる点は、固定ブラケットに対するドアモータを固定する向きである。そのため、ここでは、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0049】
図6及び
図7に示すように、ドア開閉装置125Bは、ドアモータ21を懸架・固定する固定ブラケット50を有している。固定ブラケット50は、第1面部54と、第2面部55とを有している、第1面部54には、ドアモータ21を固定するための固定孔54cが形成されている。また、第2面部55には、固定ブラケット50をレール枠130の屋根部132に固定するための固定孔55cが形成されている。
【0050】
また、第1面部54は、正面部131と対向する面を対向面54bと、対向面54bとは反対側の正面54aとを有している。そして、ドアモータ21は、第1面部54の対向面54bに固定されている。そのため、ドアモータ21の駆動プーリ22は、レール枠130及びかご室121を向く。これにより、ドアモータ21は、固定ブラケット50の第2面部55やレール枠130の屋根部132の鉛直方向の下方に配置される。その結果、第3の実施の形態例にかかるドア開閉装置125Bによれば、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125よりも装置全体の厚さを縮小することができる。
【0051】
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有するドア開閉装置125Bにおいても、上述した第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0052】
4.第4の実施の形態例
次に、第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置ついて
図8~
図10を参照して説明する。
図8は、第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置の正面図、
図9は、第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置を上方から見た平面図である。そして、
図10は、第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置の側面図である。
【0053】
この第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置が、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と異なる点は、固定ブラケットとレール枠の構成である。そのため、ここでは、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0054】
図8から
図10に示すように、ドア開閉装置125Cは、固定ブラケット60と、レール枠130Aとを有している。なお、レール枠130Aの構成は、第2の実施の形態例にかかるレール枠130Aと同様であるため、その説明は省略する。
【0055】
固定ブラケット60は、第1面部64と、第2面部65とを有している。第2面部65には、固定ブラケット60をレール枠130Aの屋根部132Aに固定するための固定孔65cが形成されている。
【0056】
第1面部64には、ドアモータ21を固定するための固定孔44cが形成されている。また、第1面部64には、切り欠き66が形成されている。切り欠き66は、第1面部64における従動プーリ11側の一辺から第1面部64の中心に向けて形成されている。また、切り欠き66の開口の大きさは、ドアモータ21の駆動プーリ22が挿入可能な大きさに設定されている。
【0057】
第1面部64は、正面部131と対向する面を対向面64bと、対向面64bとは反対側の正面64aとを有している。そして、ドアモータ21は、第1面部64の正面64aに固定されている。このとき、ドアモータ21の駆動プーリ22は、第1面部64の切り欠き66に挿入される。そして、ドアモータ21は、駆動プーリ22が設けられたプーリ面21aを第1面部64の正面64aに重ね合わせて配置される。
【0058】
そのため、駆動プーリ22は、レール枠130及びかご室121を向く。これにより、ドアモータ21は、固定ブラケット60の第2面部65やレール枠130Aの屋根部132Aの鉛直方向の下方に配置される。その結果、第4の実施の形態例にかかるドア開閉装置125Cによれば、第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125よりも装置全体の厚さを縮小することができる。
【0059】
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有するドア開閉装置125Cにおいても、上述した第1の実施の形態例にかかるドア開閉装置125と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0060】
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0061】
上述した実施の形態例では、固定ブラケットを逆L字状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではない。固定ブラケットとしては、少なくともドアモータが固定される第1面部と、レール枠の屋根部に固定される第2面部を有していればよく、例えば、固定ブラケットをT字状やその他各種の形状に形成してもよい。
【0062】
また、上述した実施の形態例では、保守点検時に作業員が乗りかごのかご室の上部に乗って作業する例を説明したが、これに限定されるものではなく、乗りかごが停止する乗り場側から作業員が保守点検作業を行ってもよい。
【0063】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…エレベーター、 10…ドアレール、 11…従動プーリ、 12…伝達ベルト、 20、40、50、60…固定ブラケット、 21…ドアモータ、 21a…プーリ面、 22…駆動プーリ、 24、44、54、64…第1面部、 24a、54a、64a…正面、 24b、54b、64b…対向面、 24c、44c、54c、64c…固定孔、 25、45、55、65…第2面部、 25c、45c、55c、65c…固定孔、 66…切り欠き、 100…巻上機、 120…乗りかご、 121…かご室、 125、125A、125B、125C…ドア開閉装置、 130、130A…レール枠、 131…正面部、 131c…固定孔、 132、132A…屋根部、 132a…上面、 132b…下面、 132c…固定孔、 135…かご側ドア、 138…開口部