(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136593
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】警報器
(51)【国際特許分類】
G10K 9/22 20060101AFI20240927BHJP
G10K 9/13 20060101ALI20240927BHJP
G10K 9/12 20060101ALI20240927BHJP
B60Q 5/00 20060101ALI20240927BHJP
B63J 99/00 20090101ALI20240927BHJP
B60K 28/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G10K9/22 Z
G10K9/13 101Q
G10K9/12 C
G10K9/12 Z
B60Q5/00 670A
B63J99/00 C
B60K28/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047748
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000157485
【氏名又は名称】丸子警報器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 智博
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 史夫
【テーマコード(参考)】
3D037
【Fターム(参考)】
3D037FA31
3D037FB10
(57)【要約】
【課題】筐体の内部への異物の進入を防止すると共に、筐体に異物が侵入した場合には、速やかに異物を筐体から排出することで、常に良質な警報音を放出することが可能な警報器を提供すること。
【解決手段】筐体30に振動板21と電磁石10が収容されてなる警報器100であって、振動板21により生成された警報音の放音部には、複数枚の第1羽板43Aが所要間隔をあけて配設された第1鎧戸状カバー40が配設され、複数枚の第2羽板52Aが所要間隔をあけて配設された第2鎧戸状カバー50が、第1鎧戸状カバー40に積層させた状態で配設されていて、第2羽板52Aの隙間52Cから放音部に向けて臨んだ際において、隙間52Cの延長線上位置に第1羽板43Aの主面46が配設されていることを特徴とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に振動板と電磁石が収容されてなる警報器であって、
前記振動板により生成された警報音の放音部には、複数枚の第1羽板が所要間隔をあけて配設された第1鎧戸状カバーが配設され、
複数枚の第2羽板が所要間隔をあけて配設された第2鎧戸状カバーが、前記第1鎧戸状カバーに積層させた状態で配設されていて、
各前記第2羽板の隙間から前記放音部に向けて臨んだ際において、各前記隙間の延長線上位置に各前記第1羽板の主面が配設されていることを特徴とする警報器。
【請求項2】
前記放音部の開口面に対する前記第1羽板の主面の傾斜方向は、前記放音部の開口面に対する前記第2羽板の主面の傾斜方向と逆方向になっていることを特徴とする請求項1記載の警報器。
【請求項3】
前記第1羽板と前記第2羽板の少なくとも一方は、前記振動板側における端部所要範囲における板厚が漸減していることを特徴とする請求項1または2記載の警報器。
【請求項4】
自動車のアンダーカバーに前記第2鎧戸状カバーが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の警報器。
【請求項5】
自動車のアンダーカバーに前記第2鎧戸状カバーが形成されていることを特徴とする請求項3記載の警報器。
【請求項6】
前記第2鎧戸状カバーは、前記アンダーカバーの排熱部に形成されていることを特徴とする請求項4記載の警報器。
【請求項7】
前記第2鎧戸状カバーは、前記アンダーカバーの排熱部に形成されていることを特徴とする請求項5記載の警報器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
周囲に対して注意喚起を促すために用いられる車両用保安部品の一つに警報器がある。このような警報器としては例えば、特許文献1(特許第4431171号公報)に開示されているような構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4431171号公報(請求項1、
図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されている警報器の構成は、振動板と電磁石が収容された筐体に形成された音道の出口である放音部に格子状の遮蔽板を配設し、遮蔽板の奥側には音道の延長方向に沿って複数の起立板が配設されたものである。このため、異物が遮蔽板を通過して筐体の内部である音道に侵入してしまうと、異物が筐体の内部から排出されないことがあり、警報音が長期間にわたって劣化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは次のとおりである。すなわち本発明は、筐体の内部への異物の進入を防止することで、常に良質な警報音を放出することが可能な警報器の提供を目的とするものである。
【0006】
発明者が上記警報器の構成を実現すべく鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。すなわち本発明は、筐体に振動板と電磁石が収容されてなる警報器であって、前記振動板により生成された警報音の放音部には、複数枚の第1羽板が所要間隔をあけて配設された第1鎧戸状カバーが配設され、複数枚の第2羽板が所要間隔をあけて配設された第2鎧戸状カバーが、前記第1鎧戸状カバーに積層させた状態で配設されていて、各前記第2羽板の隙間から前記放音部に向けて臨んだ際において、各前記隙間の延長線上位置に各前記第1羽板の主面が配設されていることを特徴とする。
【0007】
これにより、筐体の内部への異物の進入を防止することにより、常に良質な警報音を放出することが可能になる。
【0008】
また、前記放音部の開口面に対する前記第1羽板の主面の傾斜方向は、前記放音部の開口面に対する前記第2羽板の主面の傾斜方向と逆方向になっていることが好ましい。
【0009】
これにより、筐体内部への異物の侵入をさらに好適に防止することができる。
【0010】
また、前記第1羽板と前記第2羽板の少なくとも一方は、前記振動板側における端部所要範囲における板厚が漸減していることが好ましい。
【0011】
これにより、警報音が第1羽板や第2羽板と衝突する際における警報音の減衰を抑えることができる。
【0012】
また、自動車のアンダーカバーに前記第2鎧戸状カバーが形成されていることが好ましく、前記第2鎧戸状カバーは、前記アンダーカバーの排熱部に形成されていることがより好ましい。
【0013】
これにより、警報器を軽量化することができると共に、警報器の製造コストを低減させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明における警報器の構成によれば、筐体の内部への異物の進入を防止することにより、常に良質な警報音を放出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態における警報器の正面側組立斜視図である。
【
図2】本実施形態における警報器の背面側組立斜視図である。
【
図3】本実施形態における警報器の正面側斜視図である。
【
図4】本実施形態における警報器の背面側斜視図である。
【
図6】
図5中のVI―VI線における断面図である。
【
図7】第1鎧戸状カバーと第2鎧戸状カバーの変形例を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態における警報器100について
図1~
図6を参照しながら説明する。なお、本明細書中における正面とは、警報器100からの警報音が放出される放音側のことである。また、本明細書中における右側および左側とは、警報器100の放音部から放出された警報音の進む方向に対する右側および左側である。
【0017】
本実施形態における警報器100は、自動車や船舶等に代表される移動体に装着して用いられ、移動体に搭載されたバッテリ等の電源装置から供給される電力により作動する。
図1と
図2に示すように、本実施形態における警報器100は、電磁石10、振動部20、筐体30、第1鎧戸状カバー40および第2鎧戸状カバー50を有している。
【0018】
電磁石10への電流の供給は、図示されていない作動用スイッチ(自動車のホーンボタン等)により行われる。使用者等により作動用スイッチが操作(自動車のホーンボタンが押下)されると、電源装置からの電流が端子を介して接点部(いずれも図示はせず)に供給され、固定鉄芯12が挿入された電磁コイル14への通電・非通電の切り替えが行われる。これにより、固定鉄芯12に生じる磁極に応じて筒状に形成された可動磁石16が固定鉄芯12に接離動することにより振動板21を振動させている。このような電磁石10および接点部の構成は公知であるため、これら各構成についての詳細な説明は省略する。電磁コイル14は、外側内底部18Aと内側内底部18Bを有するブラケット18の内側内底部18Bに収容され、ブラケット18の背面側から貫通させた固定鉄芯12を電磁コイル14のボビン内に挿入されている。固定鉄芯12と電磁コイル14およびブラケット18は、接着剤により固定されている。
【0019】
振動板21の外周縁には振動板21の周方向に沿ってシール部材22が取り付けられており、シール部材22は、シール部材22の正面側と背面側にそれぞれ配設されたリング板23により挟持されている。これら振動板21、シール部材22およびリング板23は、リング体に形成された第1鎧戸状カバー取付体25に収容されている。第1鎧戸状カバー取付体25には、内周縁に沿ってリング板23の外径寸法と同径寸法の凹部26が形成されている。凹部26の深さは、背面側のリング板23、シール部材22(振動板21の外周縁の板厚)および正面側のリング板23の総厚さと等しく形成されており、第1鎧戸状カバー取付体25の正面と振動板21の正面側のリング板23の正面が面一になっている。この凹部26に振動板21、シール部材22およびリング板23が収容され、振動板21の正面側からリベット27を挿通させて、振動板21の背面に配設した可動磁石16と一体化されている。また、第1鎧戸状カバー取付体25には、板厚方向に貫通する複数のねじ孔28が周方向に穿設されている。本実施形態における振動部20は、以上のようにして形成されている。
【0020】
本実施形態における警報音生成部である電磁石10と振動部20は、有底円筒体をなす筐体30に収容されている。筐体30の内周面には、周方向に複数の雌ねじ部32が均等間隔に配設されている。この雌ねじ部32は、第1鎧戸状カバー取付体25に配設されたねじ孔28のそれぞれと対になっている。第1鎧戸状カバー取付体25は、その背面を筐体30の正面に密着させた状態で取り付けられる。また、第1鎧戸状カバー取付体25の正面には、放音部である振動板21の正面側を覆うようにして第1鎧戸状カバー40が取り付けられている。
【0021】
第1鎧戸状カバー40は、円板部41、筐体固定孔42、第1傾斜板部43、突出部44および第2鎧戸状カバー固定孔45を有する同一板厚寸法の板状体に形成されている。円板部41は、第1鎧戸状カバー取付体25の外径寸法と同径寸法に形成されている。円板部41の外周縁部分には、雌ねじ部32およびねじ孔28と対をなすように複数の筐体固定孔42が穿設されている。図示しないねじを筐体固定孔42の正面側からねじ孔28を挿通させて雌ねじ部32に螺着することで、筐体30に電磁石10と振動部20が収容されると共に、第1鎧戸状カバー取付体25に第1鎧戸状カバー40が密着した状態で固定される。このようにして振動部20は、筐体30と第1鎧戸状カバー取付体25および第1鎧戸状カバー40により形成された空間内に収容することで、振動板21が警報器100の外部に直接露出しないようになっている。
【0022】
第1傾斜板部43は、円板部41における筐体固定孔42の内側における振動板21と同径寸法の円形領域において、複数枚の第1羽板43Aが所要間隔をあけて配設されることにより形成されている。第1傾斜板部43は、それぞれの第1羽板43Aを第1鎧戸状カバー40の正面および背面(いずれも放音部の開口面に平行な面である)に対して所要角度傾斜させた状態で配設することで、いわゆる鎧戸状に形成されている。本実施形態における第1羽板43Aの主面46(第1羽板43Aにおいてそれぞれの面に正対した状態における面積が最も大きくなる平面)は、正面側端縁位置よりも背面側端縁位置の方が警報器100の左側に位置する傾斜面になっている。また、各々の第1羽板43Aは背面側(振動板21と向かい合う側)における端部所要範囲における板厚が漸減する板厚漸減部43Bに形成されている。また、本実施形態における板厚漸減部43Bは、背面側が凸になる湾曲面に形成されている。このような板厚漸減部43Bを配することで、振動板21からの警報音が放音経路の一部である隙間43Cに進入する際における減衰を最小限に抑えることができ、必要十分な警報音の音量(音圧)を確保することができる。
【0023】
また、円板部41の側周面には、円板部41の周方向に沿った複数箇所(ここでは円板部41の周方向に沿って90度間隔に配設された4箇所)に円板部41の径外方向に突出する突出部44が配設されている。それぞれの突出部44には、突出部44の板厚方向に貫通する第2鎧戸状カバー固定孔45が穿設されている。
【0024】
第2鎧戸状カバー50は、第1鎧戸状カバー40の正面側に配設されている。
図2および
図6に示すように、第2鎧戸状カバー50は、背面側(第1鎧戸状カバー40の側)に立設された円筒部51と、第2傾斜板部52と、ねじ穴部53が配設されている。円筒部51は第1鎧戸状カバー40の第1傾斜板部43の平面領域と内周面領域とが等しく形成されている。円筒部51の内周面領域には複数枚の第2羽板52Aが所要間隔をあけて配設されてなる第2傾斜板部52が形成されている。円筒部51の上端面と第2鎧戸状カバー50の正面は放音部の開口面と平行に形成されている。第2羽板52Aは、第2鎧戸状カバー50の正面および円筒部51の上端面に対して所要角度傾斜したいわゆる鎧戸状となるように配設されている。本実施形態における第2羽板52Aの主面54(第2羽板52Aにおいてそれぞれの面に正対した状態における面積が最も大きくなる平面)は、正面側端縁位置よりも背面側端縁位置の方が警報器100の右側に位置する傾斜面になっている。すなわち、
図6に示すように、放音部の開口面(第1鎧戸状カバー取付体25の正面)に対する第1羽板43Aの主面46の傾斜方向と、第1鎧戸状カバー取付体25の正面に対する第2羽板52Aの主面54の傾斜方向は逆方向になっている。
【0025】
また各々の第2羽板52Aは、第1羽板43Aと同様に、背面側(第1鎧戸状カバー40と向かい合う側)における端部所要範囲における板厚が漸減する板厚漸減部52Bに形成されている。この板厚漸減部52Bは、背面側が凸になる湾曲面に形成されている。このような板厚漸減部52Bを配することで、振動板21からの警報音が放音経路の一部である隙間52Cに進入する際における減衰を最小限に抑えることができ、必要十分な警報音の音量(音圧)を確保することができる。
【0026】
また、
図6に示すように、第2鎧戸状カバー50における各々の第2羽板52Aの隙間52Cから放音部(第1鎧戸状カバー40(振動板21の正面側))に向けて臨んだ際において、各々の隙間52Cの延長線上位置に第1羽板43Aの主面46が位置するように配設されている。このような第1鎧戸状カバー40と第2鎧戸状カバー50を板厚方向に積層させた形態を採用することで、第1鎧戸状カバー40の第1羽板43Aの隙間43Cと第2鎧戸状カバー50の第2羽板52Aの隙間52Cとにより放音経路が略直角に屈曲するく字状に形成される。これにより、外部に露出する放音経路の開口部である第2鎧戸状カバー50の隙間52Cから小石等の異物の侵入を好適に防止することができる。仮に、第2鎧戸状カバー50の隙間52Cから放音経路に異物が侵入しても、異物は第1鎧戸状カバー40の第1羽板43Aの主面46に衝突し、異物の進入速度を大幅に低下させることで第1鎧戸状カバー40より奥への異物の侵入が防止される。
【0027】
また、万が一、小石等の異物が第1鎧戸状カバー40を通過したとしても、上記のように異物の侵入速度は極めて低くなっているため、異物が振動板21に衝突することにより振動板21が破損してしまうことはない。さらには、警報器100の正面を下向きにして使用すれば、警報器100の内部に侵入した異物は、重力の作用に加え、上側面が凸面となる湾曲面に形成された板厚漸減部43Bおよび板厚漸減部52Bにより、警報器100の内部から容易かつ速やかに排出される。これにより、警報器100の内部に異物が侵入した場合であっても、異物の存在により生じる警報音の劣化は最小限に抑えることができる。
【0028】
このように形成された第2鎧戸状カバー50は、第1鎧戸状カバー40の正面側に重複させた状態で、第1鎧戸状カバー40の背面側から第2鎧戸状カバー固定孔45およびねじ穴部53をねじ留めされる。これにより第2鎧戸状カバー50は第1鎧戸状カバー40を介して筐体30に固定される。
【0029】
以上に本実施形態に基づいて本発明に係る警報器100について詳細に説明したが、本発明は以上に示した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、振動板21の正面側が直ちに放音経路の放音部となるいわゆる平型ホーンと称される警報器100の形態を例示しているが、この形態に限定されるものではない。本発明は、振動板21の正面側中央部分を起点として振動板21の正面中央部分から振動板21の径外方向にむけて周回する放音経路を有するいわゆる渦巻型ホーンにも適用することが可能である。渦巻型ホーンに本発明を適用する場合には、渦巻き状の放音経路の放音部(放音経路の露出部分)に本実施形態で説明したような第1鎧戸状カバー40および第2鎧戸状カバー50が取り付けられていればよい。
【0030】
また、本実施形態における第1羽板43Aと第2羽板52Aには板厚漸減部43B(52B)が形成されており、板厚漸減部43B(52B)の背面の少なくとも一部には背面側が凸になる湾曲面に形成されているが、この形態に限定されるものではない。板厚漸減部43B(52B)は直線状(テーパ形状)に形成されていても良い。また、板厚漸減部43B(52B)が省略された第1羽板43Aと第2羽板52Aの形態を採用することもできる。
【0031】
また、本実施形態においては、放音部(第1鎧戸状カバー取付体25の正面)に対する第1羽板43Aの主面46の傾斜方向と、第1鎧戸状カバー取付体25の正面に対する第2羽板52Aの主面54の傾斜方向が逆方向になっている形態を例示した。このような第1羽板43Aと第2羽板52Aの形態を採用することにより、隙間43Cと52Cが略直角に曲折するく字状の放音経路が形成されているが、この形態に限定されるものではない。
図7に示すように、放音部の開口部(第1鎧戸状カバー取付体25の正面)に対する第1羽板43Aの主面46の傾斜方向と、第1鎧戸状カバー取付体25の正面に対する第2羽板52Aの主面54の傾斜方向を同じ方向にした形態を採用することもできる。この場合、放音部の開口部に対する第1羽板43Aの主面46の傾斜角度αと放音部の開口部に対する第2羽板52Aの主面54の傾斜角度βを異ならせることが好ましい。この形態によっても放音経路には第2鎧戸状カバー50と第1鎧戸状カバー40との境界部分で屈曲部が形成されるため、異物の侵入は十分防止することができる。
【0032】
また、本実施形態においては、第2鎧戸状カバー50の背面には円筒部51が立設され、円筒部51の内周面領域に第2傾斜板部52が形成された形態を例示しているが、この形態に限定されるものではない。円筒部51の立設を省略した第2鎧戸状カバー50の形態を採用することもできる。このように円筒部51の立設を省略することで、第2鎧戸状カバー50の製造コストおよび質量を低減することができる。
【0033】
また、本実施形態においては、第2鎧戸状カバー50を独立の部材とした形態が例示されているが、この形態に限定されるものではない。警報器100を自動車に装着して用いる場合、自動車のアンダーカバーの一部に複数の第2傾斜板部52とねじ穴部53を形成し、第1鎧戸状カバー40が取り付けられた警報器100をねじ穴部53にねじ固定した形態を採用することもできる。さらに、アンダーカバーに排熱部(排熱用の傾斜板部)が形成されている場合には、排熱用の傾斜板部を第2傾斜板部52として利用することもできる。これらの変形例によれば、第2鎧戸状カバー50を既存の自動車部材の一部に組み込むことができ、警報器100の低コスト化および自動車の軽量化に貢献することができる。
【0034】
また、以上の実施形態においては、警報器100の正面側が地表面に向けられた使用形態が例示されているがこの形態に限定されるものではない。本発明における警報器100は、警報器100の正面側を警報器100が搭載された移動体の進行方向前方側に向けた使用形態や、その他の任意の方向に警報器100の正面側を向けた使用形態を採用することができる。
【0035】
そして以上の実施形態において説明した変形例等を適宜組み合わせた形態を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0036】
10:電磁石
12:固定鉄芯,14:電磁コイル,16:可動磁石,
18:ブラケット,18A:外側内底部,18B:内側内底部
20:振動部
21:振動板,22:シール部材,23:リング板,
25:第1鎧戸状カバー取付体,26:凹部,27:リベット,28:ねじ孔
30:筐体
32:雌ねじ部
40:第1鎧戸状カバー
41:円板部,42:筐体固定孔,
43:第1傾斜板部,43A:第1羽板,43B:板厚漸減部,43C:隙間,
44:突出部,45:第2鎧戸状カバー固定孔,46:主面
50:第2鎧戸状カバー
51:円筒部,52:第2傾斜板部,52A:第2羽板,52B:板厚漸減部,
52C:隙間,53:ねじ穴部,54:主面
100:警報器