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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136597
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/531 20210101AFI20240927BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
H01M50/531
H01M50/152
H01M50/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047752
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】横澤 友美
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011CC06
5H011DD13
5H043AA19
5H043BA16
5H043CA03
5H043CA12
5H043CB04
5H043EA02
5H043EA22
5H043HA11E
5H043JA01E
5H043JA06E
5H043JA07E
5H043JA13E
5H043KA01E
(57)【要約】
【課題】安定的な溶接が可能な二次電池を提供する。
【解決手段】二次電池1は、開口部11を有する外装缶10と、開口部11に配置された封口板42と、外装缶10に収容された電極群と、一端が封口板42に溶接され、他端が電極群に接続される正極リード30(集電リード)と、封口板42の下面において円周状に配置された複数のプロジェクション44(溶接用突起)と、を備える。複数のプロジェクション44の配置間隔(長さL1)は、正極リード30の幅(長さL2)よりも短い(L1<L2)。正極リード30は、封口板42に溶接される部分が、細長い板状の形状を有する部材である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する外装缶と、
前記開口部に配置された封口板と、
前記外装缶に収容された電極群と、
一端が前記封口板に溶接され、他端が前記電極群に接続される集電リードと、
前記封口板の下面において円周状に配置された複数の溶接用突起と、
を備える二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の二次電池において、
前記複数の溶接用突起の配置間隔は、前記集電リードの幅よりも短いことを特徴とする二次電池。
【請求項3】
請求項1に記載の二次電池において、
前記集電リードは、前記封口板に溶接される部分が、細長い板状の形状を有する部材であることを特徴とする二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電池およびその製造方法を開示している。特許文献1の技術では、集電リードに少なくとも2つの突起を設けることで、内部抵抗減と溶接強度とを保ちつつ、爆飛を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-268070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術のように集電リードに突起を設けた場合、集電リードは、溶接工程において電解液に浸かるため、電解液付着による爆飛が発生し、溶接が安定しないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、安定的な溶接が可能な二次電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
【0007】
解決手段の搬送装置は、例えば、開口部を有する外装缶と、前記開口部に配置された封口板と、前記外装缶に収容された電極群と、一端が前記封口板に溶接され、他端が前記電極群に接続される集電リードと、前記封口板の下面において円周状に配置された複数の溶接用突起と、を備える二次電池である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安定的な溶接が可能な二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電池1を示す斜視図である。
図2】封口板42及び封口体40の構造を説明する図である。
図3】封口板42の構造を説明する図である。
図4】封口体溶接工程における問題点を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の二次電池の一実施形態として、ニッケル水素二次電池(以下、「電池」と略称する。)を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は本発明の二次電池の好適な一例として示すものであり、実施形態はこの例示に限定されない。また、電池は、任意のサイズ(単3形、単4形等)とすることができる。
【0011】
〔電池の構成〕
図1は、電池1を示す斜視図である。図1においては、構造の理解を容易とするために、電池1の一部を破断して示している。
電池1は、外装缶10と、外装缶10に収容された電極群20と、電極群20の一部に接続した正極リード30(集電リード、正極極板の金属リードであるタブ)と、正極リード30に接続しつつ外装缶10の開口部11を封止する封口体40と、を備えている。
【0012】
外装缶10は、上部に開口部11を有する有底円筒形状の部材であり、導電性を有する材料(例えば、ニッケルめっき鋼板)で形成されている。電極群20は、それぞれ帯状の正極22、負極24、セパレータ26を備えている。負極24と2枚のセパレータ26で挟まれた正極22とは、重ね合わされて渦巻き状に巻回された状態で、図示されていないアルカリ電解液とともに外装缶10に収容されている。負極24の最外周部は、電極群20の最外周部となって外装缶10の内周面に接触している。これにより、負極24と外装缶10とが電気的に接続され、外装缶10の底壁12が負極端子として機能する。
【0013】
正極22は、ニッケル酸化物からなる。負極24は、水素吸蔵合金からなる。また、セパレータ26としては、例えば、ポリオレフィン系繊維の不織布に親水基を付加したものを用いることができる。アルカリ電解液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等を溶質とした水溶液を用いることができる。
【0014】
電極群20と封口体40との間には上部絶縁部材32が配置され、電極群20と底壁12との間には下部絶縁部材36が配置されている。また、上部絶縁部材32が有するスリット34を通って正極リード30が配置されている。
【0015】
正極リード30は、一端が封口体40に含まれる封口板42に溶接され、他端が電極群20に含まれる正極22に接続されている。図示の例では、正極リード30は、S字曲げの形状(Sの文字を横にした形状)であるが、L字曲げの形状(Lの文字を横にした形状)であってもよく、その他の形状であってもよい。
【0016】
封口体40は、外装缶10の開口部11に配置され開口部11を塞ぐ封口板42と、封口板42の下面に配置されたプロジェクション44(溶接用突起、溶接点)と、封口板42の外縁部を挟持しつつ外装缶10の開口縁部14に密着する環状のガスケット46と、封口板42の上面中央部に配置されたフランジ付き円筒形状の正極端子48とを含んでおり、これらが一体となって外装缶10の開口部11を封止している。なお、図1においては、断面で図示している部分の関係上、1つのプロジェクション44だけが正極リード30に接しているように見えるが、実際には2つのプロジェクション44が正極リード30に接している。
【0017】
封口板42は、鋼板で形成されている。正極端子48は、導電性を有する材料で形成されている。正極端子48は封口板42に接続しており、正極リード30は上述したように正極22及び封口板42に接続している。このため、正極22と正極端子48とは、正極リード30及び封口板42を介して電気的に接続されている。ガスケット46は、絶縁性を有する材料(例えば、ナイロン)で形成されている。
【0018】
封口板42の中央部には第1ガス抜き孔50が形成されており、これを塞ぐように配置されたゴム製の弁体52を、正極端子48が封口板42に対し押圧している。また、図示されていないが、正極端子48の側壁下部には小さな第2ガス抜き孔が形成されている。弁体52は、通常時には第1ガス抜き孔50を気密に閉塞するが、外装缶10の内部でガスが発生して圧力が上昇すると圧縮されて第1ガス抜き孔50を開く。これにより、第1ガス抜き孔50及び第2ガス抜き孔を介して外装缶10の内外が連通し、ガスが外部に放出される。その結果、内圧が降下して弁体52が元の状態に戻り、再び第1ガス抜き孔50を閉塞する。このように、弁体52は電池1の安全弁として機能する。
【0019】
〔封口体の構造〕
図2は、封口板42及び封口体40の構造を説明する図である。図2(A)は封口板42を下面側(裏面側)から見た図を示しており、図2(B)は封口体40付近の断面図を示している。
【0020】
図2(A)に示すように、封口板42の下面には、複数(例えば、14個)のプロジェクション44が配置されている。複数のプロジェクション44は、封口板42の下面において円周状に配置されている。各プロジェクション44は、半球形状又は円筒形状の突起である。
【0021】
複数のプロジェクション44の配置間隔(長さL1:例えば1mm)は、正極リード30の幅(長さL2:例えば3mm)よりも短い(L1<L2)。そして、このような配置間隔を採用することにより、正極リード30に少なくとも2つのプロジェクション44を接触させることができる。また、正極リード30は、封口板42に溶接される部分が、細長い板状の形状(長方形形状)を有する部材となっている。なお、複数のプロジェクション44の配置間隔は、一のプロジェクション44の中心から隣のプロジェクション44の中心までの長さである。また、プロジェクション44の直径は、例えば、0.1~1.0mm程度である。
【0022】
図2(B)に示すように、左側のプロジェクション44(44L)は、正極リード30と接しているが、右側のプロジェクション44(44R)は、正極リード30と接していない。このため、溶接は、左側のプロジェクション44(44L)と正極リード30とが接している部分で行われる。
【0023】
〔封口板の詳細〕
図3は、封口板42の構造を説明する図である。図3(A)は図1に示す封口板42を単独で示しており、図3(B)は別形態の封口板42Aを示している。
図3(A)に示すように、封口板42は、第1円環状部61と、第2円環状部62と、第3円環状部63と、を備えている。
第1円環状部61は、中央に第1ガス抜き孔50(開口部)を有する円環状の部材である。
第2円環状部62は、第1円環状部61の外側に配置され、第1円環状部61よりも下方に位置する円環状の部材である。
第3円環状部63は、第2円環状部62の外側に配置され、第2円環状部62よりも上方に位置する円環状の部材である。
そして、複数のプロジェクション44は、第2円環状部62の下面に配置されている。
【0024】
また、プロジェクション44は、第2円環状部62の外側端部Xと第2円環状部62の内側端部Yとの中間地点を中間部Zとした場合、外側端部Xから中間部Zまでの間には配置されておらず、中間部Zから内側端部Yまでの間に配置されている(中間部Zから内側端部Yまでの任意の位置に配置されている)。すなわち、プロジェクション44は、第2円環状部62の外側ではなく、第2円環状部62の内側に寄せた位置に配置されている。
【0025】
このように、本実施形態では、所定サイズ(例えば、約9.5mmのAAAサイズ)の封口板42に対し、ガスケット46(図1参照)を備えた外周部(第3円環状部63)及びガス排出用の孔部(第1ガス抜き孔50)を備えた最内周部(第1円環状部61)以外のフラットな面(第2円環状部62の下面)に、正極リード30を溶接するプロジェクション44が設けられており、例えば3mm幅の正極リード30に対し、1mm間隔でプロジェクション44を配置している。なお、少なくとも2つのプロジェクション44と正極リード30とが接すればよく、封口板42や正極リード30の形状、寸法はこれらに限定されるものではない。
【0026】
封口板42は、約3.5MPaの内部圧力に耐久するため、左右に2つの段差S(第1円環状部61と第3円環状部63とに挟まれた部分)が設けてある。このため、溶接面積(第2円環状部62の下面の面積)は、非常に小さい。
また、第2円環状部62の左右にR加工部分(面取り部分;図中R参照)があるが、このR加工部分は、金型の摩耗により経時的に大きくなる傾向にある(例えばR0.2mm→実測R0.8mm等)。
さらに、溶接面が不安定であるため、分流も起きやすい(プロジェクション44がない場合、正極リード30が、第2円環状部62の下面と、R加工部分との2箇所に溶接されてしまうことがある)。
そこで、本実施形態では、第2円環状部62の下面にプロジェクション44を設けることにより、溶接面積の狭さの問題と、分流が発生するという問題とを解決している。
【0027】
図3(B)に示すように、別形態の封口板42Aは、基本的には、図3(A)に示す封口板42と同様の構成であるため、同じ機能を果たす部分の説明は省略する。異なる点は、第1ガス抜き孔50Aの開口幅が広くなっている点、封口板42Aの厚みが薄くなっている点、各円環状部の径方向の長さが変化している点、第1円環状部61Aと第3円環状部63Aとの高さが逆転している点等である。
【0028】
このように、封口板の形状は、電池1の形状やサイズに合わせて、様々な形状の封口板を採用することができる。封口板は、図3(A)(B)に示す封口板よりも平らな封口板(フルフラットに近い形状の封口板)であってもよく、図3(A)(B)に示す封口板よりも段差が大きい封口板であってもよい。
【0029】
〔封口体溶接工程に関する内容〕
図4は、封口体溶接工程における問題点を示す概念図である。
ニッケル水素二次電池の製造方法では、正極極板の基材であるNiスポンジに、予め金属リードからなる正極リード30を接合し、負極極板及びセパレータとともに捲回した電極群20を外装缶10へ挿入した後、電解液を注液する。その後、正極極板となる正極リード30を、正極端子48を備える封口体40と抵抗溶接し(封口体溶接工程を行い)、封口することで電池1が成形される。
【0030】
封口体溶接工程では、図4に示すように、受け電極100と押し電極200(電極棒)との間に、封口体40と正極リード30とを配置して溶接を行う。そして、この封口体溶接工程では、溶接スパッタ(金属片)が発生し、溶接スパッタの混入による内部短絡不良が発生することがある。溶接スパッタの発生は、抵抗溶接時の爆飛に起因している。溶接スパッタは、最初に封口体40と正極リード30との間で発生し(中ちり70)、その後、正極リード30の正面(正極リード30と押し電極200との間)で発生する(表ちり80)。
【0031】
そして、このような爆飛に派生する溶接時の高抵抗化箇所抽出を実施したところ、溶接に影響する成分の抽出結果は以下の通りとなった。
(1)電源から受け電極100までの間は、爆飛による影響が小さい。
(2)封口体40は、爆飛による影響が小さい。
(3)正極リード30は、電解液が付着している箇所において爆飛による影響が大きい。
(4)押し電極200から電源までの間は、電解液が付着している箇所において爆飛による影響が大きい。
【0032】
上記(3)(4)の結果となった理由は、封口体溶接工程は、電解液注液工程後に実施されるため、正極リード30には電解液が付着しているからである。電解液が付着する部分には、液だまりが発生し、電解液の付着による爆飛が発生し、溶接安定性が悪くなる。
すなわち、電解液を外装缶10の上部から注液する際、溶接する正極リード30には電解液が付着するため、封口体40を溶接する際に、電解液の成分(KOH、NaOH、LiOH等)が析出することで溶接が不安定になり爆飛が発生する。そして、溶接スパッタが混入することにより、電池内部での短絡不良発生を引き起こす。
【0033】
そこで、本実施形態では、封口板42を安定して溶接するため、封口板42の下面において円周状に一定間隔で複数のプロジェクション44を設けている。そして、このプロジェクション44にて、封口板42と正極リード30とが抵抗溶接により接合されている。封口体40側であれば、電解液の付着もないため、溶接を安定化させ、より安定的に電池1の生産が可能となる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、プロジェクション44は、正極リード30側ではなく、封口板42側に配置されているため、電解液の影響を受けずに封口板42を溶接して溶接時の爆飛発生を改善することができ、結果として、安定的な溶接が可能な電池1を提供することができる。
【0035】
(2)本実施形態によれば、プロジェクション44は、封口板42の下面において円周状に配置されているため、位置決めが不要であり安定的な溶接が可能となっている。封口板42は、製造工程において上から下に落下してくるため、どのような向きで溶接されるか決まっていない。この点、本実施形態では、プロジェクション44が、封口板42の下面において円周状に配置されているため、プロジェクション44がどのような向きで配置されても、確実に溶接することができる。また、プロジェクション44を溶接点としているため、R加工部分と正極リード30とが溶接されずに分流がなくなるとともに、溶接をする場所等の溶接条件の設定が容易になる。
【0036】
(3)本実施形態では、正極リード30と接する2つのプロジェクション44以外のプロジェクション44は、基本的には、溶接には用いられない。ただし、溶接が上手くいかなかった場合や溶接箇所が不用意に切断してしまった場合等には、封口板42を交換しなくても残りのプロジェクション44を用いて溶接を行うことができ、歩留まりを向上させることができる。
【0037】
(4)本実施形態によれば、プロジェクション44の配置間隔は、正極リード30の幅よりも短いため、少なくとも2つのプロジェクション44と正極リード30とを溶接することができ、溶接を安定させることができる。すなわち、正極リード30の幅(例えばAAAであれば3mm)に対し、2つ以上のプロジェクション44を接触させるようにすることで溶接不良を低減することができる。
【0038】
(5)本実施形態によれば、正極リード30は、封口板42に溶接される部分が、細長い板状の形状を有する部材であるため、円形状の部材と比較して封口板42との位置合わせが行いにくくなっている。この点、本実施形態のプロジェクション44は、円周状に配置されているため、正極リード30が細長い板状の形状を有する部材であったとしても、容易に位置決めを行いながら、安定した溶接を行うことができる。
【0039】
(6)本実施形態によれば、封口板42は、第1円環状部61、第2円環状部62及び第3円環状部63を備える段差のある部材となっているため、フラットに近い封口板と比較して、溶接スパッタが発生しやすくなっている。この点、本実施形態では、第2円環状部62の下面にプロジェクション44を配置することにより、より一層、溶接スパッタを発生させないようにすることができる。
【0040】
(7)本実施形態によれば、プロジェクション44は、第2円環状部62の外側端部Xから中間部Zまでの間には配置されておらず、中間部Zから内側端部Yまでの間に配置されているため、溶接のしやすさを向上させることができる。すなわち、第2円環状部62の外側には、ガスケット46が配置されているため、ガスケット46の形状によっては、第2円環状部62の外側にプロジェクション44を配置すると、溶接が行いにくくなってしまうことがある。そこで、第2円環状部62の下面の中でも、より内側に寄せた位置にプロジェクション44を配置することにより、溶接のしやすさを向上させることができる。
【0041】
〔変形形態〕
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
(1)封口板42は、段差のある部材の例で説明したが、段差のないフラットな部材であってもよい。
(2)プロジェクション44の数は、13個以下であってもよく、15個以上であってもよい。
(3)2つのプロジェクション44を正極リード30に接触させる例で説明したが、プロジェクション44の配置間隔を短くしたり、プロジェクション44の直径を短くしたりすることにより、3つ以上のプロジェクション44を正極リード30に接触させてもよい。
【0042】
(4)プロジェクション44は、第2円環状部62の下面に形成する例で説明したが、第1円環状部61の下面に形成してもよく、第3円環状部63の下面に形成してもよい。
(5)複数のプロジェクション44の配置間隔は、1mmよりも小さい値であってもよく、1mmよりも大きい値であってもよい。正極リード30の幅は、3mmよりも小さい値であってもよく、3mmよりも大きい値であってもよい。
(6)電池1の形状は、円筒形であっても角筒形(角形)であってもよい。電池1の種類は、ニッケル水素二次電池(密閉型ニッケル・金属水素化物二次電池)に限定されず、その他のアルカリ二次電池であってもよいし、リチウムイオン二次電池等であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 電池
10 外装缶
11 開口部
20 電極群
30 正極リード
40 封口体
42、42A 封口板
44 プロジェクション
46 ガスケット
48 正極端子
図1
図2
図3
図4