(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136598
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】装置、方法、生成装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/042 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G05B19/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047753
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 貴英
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA01
5H220BB18
5H220CC09
5H220CX09
5H220JJ12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の処理部のうち、信号に応じた処理部を選択的に有効化できる装置を提供する。
【解決手段】測定データを取得するデータ取得部と、それぞれ固有のデータ処理を行う複数の処理部と、測定データの種類に応じた信号を取得して、前記複数の処理部のうち、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせて、測定データに対して行うべきデータ処理フローを設定する設定部と、を備え、前記複数の処理部は、予め定められた順序で接続されており、前記設定部は、前記複数の処理部のうち、前記信号に応じた処理部を選択的に有効化する装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定データを取得するデータ取得部と、
それぞれ固有のデータ処理を行う複数の処理部と、
測定データの種類に応じた信号を取得して、前記複数の処理部のうち、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせて、測定データに対して行うべきデータ処理フローを設定する設定部と、
を備える装置。
【請求項2】
前記複数の処理部は、予め定められた順序で接続されており、
前記設定部は、前記複数の処理部のうち、前記信号に応じた処理部を選択的に有効化する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記複数の処理部のうち2以上の処理部を、予め定められた順序でデータ処理フローに組み込み可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記複数の処理部のうち、前記信号に応じた処理部を、当該信号に応じた順序に並べた前記データ処理フローを設定する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記複数の処理部のうち、少なくとも1つの処理部を前記データ処理フロー内の複数の位置に組み込む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の処理部の何れかを選択し、選択された処理部を示す前記信号を前記設定部に供給する選択部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の処理部は、複数のグループにグループ化されており、
前記選択部は、前記複数のグループの何れかを選択した後、選択されたグループに含まれる処理部を個別に選択する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記選択部は、前記複数の処理部の何れかをユーザ操作に応じて選択する、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記データ取得部に接続されたセンサ装置の種類を検出し、当該種類を示す前記信号を前記選択部に供給する検出部をさらに備え、
前記選択部は、前記複数の処理部のうち、前記データ取得部に接続されたセンサ装置の種類に予め対応付けて記憶された処理部を選択する、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記データ取得部は、センサ装置の種類に応じた接続態様で当該センサ装置と接続可能な接続部を有し、
前記検出部は、センサ装置と前記接続部との接続態様に基づいて、前記接続部に接続されたセンサ装置の種類を検出する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記データ取得部は、センサ装置から測定データを取得し、
前記検出部は、センサ装置との通信内容に基づいて、前記データ取得部に接続されたセンサ装置の種類を検出する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記データ取得部は、複数の測定データをそれぞれ取得可能であり、
前記設定部は、前記複数の測定データを入力とし、単一のデータを出力する多入力1出力のデータ処理フローを設定可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の処理部は、それぞれソフトウェアモジュールであり、
当該装置は、前記複数の処理部を記憶する記憶部をさらに備える、請求項1から12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
測定データを取得するデータ取得部と、それぞれ固有のデータ処理を行う複数の処理部とを備える装置で実行される方法であって、
測定データの種類に応じた信号を取得して、前記複数の処理部のうち、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせて、測定データに対して行うべきデータ処理フローを設定する設定段階を備える方法。
【請求項15】
コンピュータを、
測定データを取得するデータ取得部と、
それぞれ固有のデータ処理を行う複数の処理部と、
測定データの種類に応じた信号を取得して、前記複数の処理部のうち、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせて、測定データに対して行うべきデータ処理フローを設定する設定部
として機能させるプログラム。
【請求項16】
測定データを処理する装置に組み込まれるソフトウェアを生成する生成装置であって、
それぞれ固有のデータ処理を行う複数のソフトウェアモジュールを記憶する記憶部と、
前記装置で処理される測定データの種類に応じた信号を取得して、当該信号に応じた前記複数のソフトウェアモジュールを選択的に組み合わせてソフトウェアを生成する生成部と、
を備える、生成装置。
【請求項17】
測定データを処理する装置に組み込まれるソフトウェアを生成するコンピュータを、
それぞれ固有のデータ処理を行う複数のソフトウェアモジュールを記憶する記憶部と、
前記装置で処理される測定データの種類に応じた信号を取得して、当該信号に応じた前記複数のソフトウェアモジュールを選択的に組み合わせてソフトウェアを生成する生成部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法、生成装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には「前記診断部は、前記複数の診断工程のうち、少なくとも一の診断工程の診断結果を、該一の診断工程の後の診断工程での診断において有効とするか、無効とするかを選択可能であり」(請求項1)などと記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第6863341号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、測定データを取得するデータ取得部と、それぞれ固有のデータ処理を行う複数の処理部と、測定データの種類に応じた信号を取得して、前記複数の処理部のうち、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせて、測定データに対して行うべきデータ処理フローを設定する設定部と、を備える装置が提供される。
【0004】
上記の装置においては、前記複数の処理部は、予め定められた順序で接続されており、前記設定部は、前記複数の処理部のうち、前記信号に応じた処理部を選択的に有効化してよい。
【0005】
上記何れかの装置においては、前記設定部は、前記複数の処理部のうち2以上の処理部を、予め定められた順序でデータ処理フローに組み込み可能であってよい。
【0006】
第1の態様の装置においては、前記設定部は、前記複数の処理部のうち、前記信号に応じた処理部を、当該信号に応じた順序に並べた前記データ処理フローを設定してよい。
【0007】
上記の装置においては、前記設定部は、前記複数の処理部のうち、少なくとも1つの処理部を前記データ処理フロー内の複数の位置に組み込んでよい。
【0008】
第1の態様の装置においては、前記複数の処理部の何れかを選択し、選択された処理部を示す前記信号を前記設定部に供給する選択部をさらに備えてよい。
【0009】
上記の装置においては、前記複数の処理部は、複数のグループにグループ化されており、前記選択部は、前記複数のグループの何れかを選択した後、選択されたグループに含まれる処理部を個別に選択してよい。
【0010】
選択部を有する上記何れかの装置においては、前記選択部は、前記複数の処理部の何れかをユーザ操作に応じて選択してよい。
【0011】
選択部を有する上記何れかの装置においては、前記データ取得部に接続されたセンサ装置の種類を検出し、当該種類を示す前記信号を前記選択部に供給する検出部をさらに備え、前記選択部は、前記複数の処理部のうち、前記データ取得部に接続されたセンサ装置の種類に予め対応付けて記憶された処理部を選択してよい。
【0012】
検出部を備える上記の装置においては、前記データ取得部は、センサ装置の種類に応じた接続態様で当該センサ装置と接続可能な接続部を有し、前記検出部は、センサ装置と前記接続部との接続態様に基づいて、前記接続部に接続されたセンサ装置の種類を検出してよい。
【0013】
検出部を備える上記の装置においては、前記データ取得部は、センサ装置から測定データを取得し、前記検出部は、センサ装置との通信内容に基づいて、前記データ取得部に接続されたセンサ装置の種類を検出してよい。
【0014】
上記何れかの装置においては、前記データ取得部は、複数の測定データをそれぞれ取得可能であり、前記設定部は、前記複数の測定データを入力とし、単一のデータを出力する多入力1出力のデータ処理フローを設定可能であってよい。
【0015】
上記何れかの装置においては、前記複数の処理部は、それぞれソフトウェアモジュールであり、当該装置は、前記複数の処理部を記憶する記憶部をさらに備えてよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、測定データを取得するデータ取得部と、それぞれ固有のデータ処理を行う複数の処理部とを備える装置で実行される方法であって、測定データの種類に応じた信号を取得して、前記複数の処理部のうち、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせて、測定データに対して行うべきデータ処理フローを設定する設定段階を備える方法が提供される。
【0017】
本発明の第3の態様においては、コンピュータを、測定データを取得するデータ取得部と、それぞれ固有のデータ処理を行う複数の処理部と、測定データの種類に応じた信号を取得して、前記複数の処理部のうち、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせて、測定データに対して行うべきデータ処理フローを設定する設定部として機能させるプログラムが提供される。
【0018】
本発明の第4の態様においては、測定データを処理する装置に組み込まれるソフトウェアを生成する生成装置であって、それぞれ固有のデータ処理を行う複数のソフトウェアモジュールを記憶する記憶部と、前記装置で処理される測定データの種類に応じた信号を取得して、当該信号に応じた前記複数のソフトウェアモジュールを選択的に組み合わせてソフトウェアを生成する生成部と、を備える生成装置が提供される。
【0019】
本発明の第5の態様においては、測定データを処理する装置に組み込まれるソフトウェアを生成するコンピュータを、それぞれ固有のデータ処理を行う複数のソフトウェアモジュールを記憶する記憶部と、前記装置で処理される測定データの種類に応じた信号を取得して、当該信号に応じた前記複数のソフトウェアモジュールを選択的に組み合わせてソフトウェアを生成する生成部として機能させるプログラムが提供される。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係るフィールド機器1を示す。
【
図3】各処理グループに含まれる処理部35を示す。
【
図5】フィールド機器1を圧力の測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。
【
図6】フィールド機器1を温度の測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。
【
図7】フィールド機器1を差圧式流量測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。
【
図8】フィールド機器1をデジタルリモート式差圧測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。
【
図10】第2実施形態に係るフィールド機器1Bおよび生成装置5を示す。
【
図12】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
(1.第1実施形態)
(1.1.フィールド機器1)
図1は、本実施形態に係るフィールド機器1を示す。フィールド機器1は、プロセスが実行される現場に配置される機器であってよく、本実施形態においては一例として、測定結果を示すプロセス値をアナログ信号としてコントローラ(図示せず)に伝送するとともに、各種のデジタル信号をプロセス値に重畳させてコントローラとの間で通信する。フィールド機器1は、1または複数のセンサ装置2と、伝送部3とを備えてよい。
【0024】
(1.1-1.センサ装置2)
各センサ装置2は、プラントのプロセスにおける圧力、温度、湿度、液面高さ(レベル)、pH、速度、または、流量などの物理量の何れかを示す値を測定する。圧力は、静圧であってもよいし、動圧であってもよい。圧力は、任意の圧力を基準とした差圧であってよく、一例としてオリフィス(絞り弁とも称する)の前後位置などの異なる測定位置での圧力差であってもよい。温度は、フィールド機器1内の温度であってもよいし、フィールド機器1の外部の温度であってもよい。なお、プラントは、例えば、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、および石油や天然ガス等を採掘する井戸元における施設等を含んでよい。
【0025】
各センサ装置2は、選択的に伝送部3に接続されてよく、測定結果を示す測定データを伝送部3に供給してよい。本実施形態においては一例として、センサ装置2は、測定データを逐次、伝送部3に供給してよい。なお、センサ装置2は、フィールド機器1の内部に具備されてもよいし、外部に接続されていてもよい。
【0026】
(1.1-2.伝送部3)
伝送部3は、装置の一例であり、データ取得部30と、記憶部31と、通信部32と、選択部33と、設定部34とを有する。なお、伝送部3は、フィールド機器1に内蔵された状態で流通してもよいし、単体で流通してもよい。
【0027】
(1.1-2.1.データ取得部30)
データ取得部30は、測定データを取得する。本実施形態に係る測定データは、デジタルデータであってよい。データ取得部30は、接続部300と、データ供給部301とを有してよい。
【0028】
(1.1-2.1(1).接続部300)
接続部300は、センサ装置2と接続されて、当該センサ装置2から測定データを取得する。接続部300は、任意の種類のセンサ装置2と接続可能であってよい。接続部300は、1または複数のセンサ装置2と同時に接続可能であってよい。接続部300は、各センサ装置2と着脱可能に接続してよい。接続部300は、接続したセンサ装置2のそれぞれから測定データを取得可能であってよく、複数種類のセンサ装置2が接続される場合に複数の測定データを取得可能であってよい。接続部300は、取得した測定データをデータ供給部301に供給してよい。
【0029】
(1.1-2.1(2).データ供給部301)
データ供給部301は、接続部300から供給された各測定データを後述のデータ処理フロー350に供給する。
【0030】
(1.1-2.2.記憶部31)
記憶部31は、それぞれソフトウェアモジュールである複数の処理部35を記憶する。複数の処理部35は、それぞれ固有のデータ処理を行ってよい。各処理部35によるデータ処理の内容については詳細を後述する。
【0031】
複数の処理部35は、予め定められた順序で接続されて仮のデータ処理フロー350kを形成してよく、予め定められた順序でデータ処理フロー350に組み込み可能であってよい。仮のデータ処理フロー350kは、本実施形態では一例として多入力一出力に形成されてよい。
【0032】
各処理部35は、互いに独立にデータ処理の有効および無効を切り替え可能であってよい。有効化された処理部35は、入力されたデータに固有のデータ処理を行い、データ処理後のデータを出力してよい。無効化された処理部35は、入力されたデータをそのまま出力してよく、別言すれば、スキップされてよい。本実施形態においては一例として、仮のデータ処理フロー350k内の全ての処理部35は、デフォルトで無効状態であってよい。なお、
図1や、後述の
図4~8において、網掛けで示された処理部35等は無効化されていることを示し、網掛けされていない処理部35等は有効化されていることを示す。
【0033】
複数の処理部35のうち、有効化された各処理部35は、データ取得部30により取得された測定データに対して行うべきデータ処理フロー350を形成してよい。データ処理フロー350は、1または複数の測定データが供給されることに応じて、当該データ処理フロー350に含まれる各処理部35(本実施形態においては一例として、有効化された各処理部35)によるデータ処理を測定データに行い、データ処理が施された測定データを出力してよい。データ取得部30から複数の測定データが供給される場合には、データ処理フロー350は、複数の測定データを入力とし、単一のデータを出力する多入力1出力のデータ処理フローであってよい。データ処理フロー350から出力される、データ処理フロー350による固有のデータ処理が施された測定データ(以降、「処理後の測定データ」という)は、圧力、温度、湿度、液面高さ(レベル)、pH、速度、または、流量などの物理量の何れかを示してよい。
【0034】
データ処理フロー350は、データ処理を施した測定データを通信部32に供給してよい。本実施形態においては一例としてデータ処理フロー350は、データ処理を行ったデジタルデータと、アナログデータとの両方を通信部32に供給してよい。
【0035】
(1.1-2.3.通信部32)
通信部32は、データ処理フロー350から供給される測定データを出力する。一例として、通信部32は、例えばプラントの現場に敷設される伝送線(例えば、「4~20mA」信号の伝送に使用される伝送線)に接続されてよく、プロセスを制御するコントローラ(図示せず)に対して測定データを出力してよい。通信部32は、例えばHART(登録商標)、BRAIN等のプロセス工業用の通信プロトコルを用いて通信を行ってよい。通信部32は、アナログ出力部321と、フィールド通信部322とを有してよい。
【0036】
(1.1-2.3(1).アナログ出力部321)
アナログ出力部321は、測定データのアナログ信号を出力する。アナログ信号は4~20mAの範囲内の信号であってよい。
【0037】
(1.1-2.3(2).フィールド通信部322)
フィールド通信部322は、アナログ出力部321から出力されるアナログ信号に重畳させて測定データのデジタル信号を出力する。フィールド通信部322は、コントローラとの間で測定データ以外の各種のデジタル信号を通信してもよい。
【0038】
(1.1-2.4.選択部33)
選択部33は、複数の処理部35(本実施形態では一例として、仮のデータ処理フロー350kに含まれる各処理部35)の何れかを選択する。選択部33は、データ処理を行わせる処理部35、別言すれば有効に設定する処理部35を選択してよく、データ取得部30により取得される測定データに応じて異なる処理部35を選択してよい。選択部33は、ユーザ操作に応じて処理部35を選択してよく、図示しない入力装置を介してユーザ操作を取得してよい。入力装置は、フィールド機器1に設けられてもよいし、フィールド機器1に外部接続されてもよいし、フィールド通信部322と通信可能なコントローラに設けられてもよい。選択部33は、選択された処理部35を示す信号(設定信号とも称する)を設定部34に供給してよい。
【0039】
(1.1-2.5.設定部34)
設定部34は、測定データの種類に応じた信号を取得して、複数の処理部35のうち、当該信号に応じた処理部35を選択的に組み合わせてデータ処理フロー350を設定する。設定部34は、複数の処理部35のうち2以上の処理部35を、予め定められた順序でデータ処理フロー350に組み込み可能であってよい。設定部34は、予め定められた順序で接続された複数の処理部35のうち、取得した信号に応じた処理部35を選択的に有効化してよい。設定部34は、測定データの種類に応じた信号として、選択部33から設定信号を取得してよく、設定信号で示される処理部35を有効化してよい。設定部34は、測定データ取得部30により複数の測定データが取得される場合には、多入力1出力のデータ処理フロー350を設定可能であってよい。
【0040】
以上の伝送部3によれば、測定データの種類に応じた信号が取得され、複数の処理部35のうち、当該信号に応じた処理部35が選択的に組み合わせられてデータ処理フロー350が設定される。従って、測定データの種類に応じたデータ処理フロー350を適宜設定してデータ処理を行わせることができるため、測定データの種類ごとに別々の伝送部3を用意する必要がない分、伝送部3やフィールド機器1の製造や管理のコストを下げることができる。
【0041】
また、複数の処理部35の何れかが選択され、選択された処理部35を示す設定信号が設定部34に供給される。従って、任意のデータ処理フロー350を設定することができる。
【0042】
また、処理部35の選択がユーザによって行われるので、ユーザによる任意のデータ処理フロー350を設定することができる。
【0043】
また、複数の処理部35は予め定められた順序で接続されており、設定信号に応じた処理部35が選択的に有効化される。従って、各処理部35を有効および無効の何れにするかを設定することで、データ処理フロー350を容易に設定することができる。
【0044】
また、複数の処理部35のうち2以上の処理部35は予め定められた順序でデータ処理フロー350に組み込み可能であるので、予め順序が定められている処理部35について処理順を設定する手間を軽減することができる。
【0045】
また、複数の測定データを入力とし単一のデータを出力する多入力1出力のデータ処理フロー350が設定可能であるので、取得される測定データの種類数によらず、複数の種類の測定データから単一のデータを出力するデータ処理フロー350を設定することができる。
【0046】
また、複数の処理部35はそれぞれソフトウェアモジュールであるので、ソフトウェアモジュールを選択的に組み合わせたデータ処理フロー350を設定することができる。
【0047】
(1.2.動作)
図2は、伝送部3の動作を示す。フィールド機器1は、ステップS11からS19の処理を行うことにより、データ処理フロー350を設定し、測定データに対するデータ処理を行う。
【0048】
ステップS11において選択部33は、ユーザ操作に応じて複数の処理部35の何れかを選択する。選択部33は、仮のデータ処理フロー350kを形成した複数の処理部35のうち、データ処理を行わせる処理部35を選択してよい。
【0049】
ここで、本実施形態においては一例として、複数の処理部35は、複数のグループ(処理グループとも称する)にグループ化されていてよく、データ処理フロー350内でデータ処理を行う位置に応じてグループ化されていてよい。選択部33は、複数の処理グループの何れかを選択した後、選択された処理グループに含まれる処理部35を個別に選択してよい。各処理グループは、予め定められた順序で接続された1または複数の処理部35を含んでよい。各処理グループに含まれる処理部35は互いに異なってもよいし、少なくとも1部の処理部35は、2以上の処理グループに共通して含まれてもよい。選択部33は、選択された処理部35を示す設定信号を出力してよい。
【0050】
ステップS13において設定部34は、測定データの種類に応じた信号を取得して、当該信号に応じた処理部を選択的に組み合わせてデータ処理フロー350を設定する。設定部34は、予め定められた順序で接続された複数の処理部35のうち、選択部33からの設定信号で示される処理部35を選択的に有効化してよい。
【0051】
ステップS15においてデータ取得部30は、測定データを取得する。データ取得部30は、接続部300に接続された各センサ装置2から測定データを取得してよい。なお、センサ装置2は、ステップS15より前の任意の時点でフィールド機器1に接続されてよい。
【0052】
ステップS17においてデータ処理フロー350は、測定データに対してデータ処理を行う。本実施形態においては一例として、データ処理フロー350は、有効化された各処理部35によって、当該処理部35に固有のデータ処理を順次、行ってよい。
【0053】
ステップS19において通信部32は、データ処理フロー350によってデータ処理が行われた測定データを送信する。通信部32は、アナログ出力部321から測定データをアナログ信号として送信してよく、これに加えて、フィールド通信部322から測定データをデジタル信号として送信してよい。フィールド通信部322は、アナログ出力部321からのアナログ信号にデジタル信号を重畳して送信してよい。ステップS19の処理が終了したら、上述のステップS15に処理が移行してよい。なお、ユーザにより処理部35の選択を改めて行う旨の操作が行われた場合、または、処理グループに含まれる処理部35の変更があった場合には、ステップS11に処理が移行してよい。
【0054】
以上の動作によれば、複数の処理部35は複数の処理グループにグループ化されており、ユーザ操作に応じて複数の処理グループの何れかが選択された後、選択された処理グループに含まれる処理部35が個別に選択される。従って、処理部35を段階的に選択することができるため、各処理部35についての選択の手間を軽減することができる。例えば、一の処理グループに含まれる各処理部35をいずれも選択しない場合には、当該処理グループを非選択とすることで処理グループ内の各処理部35を一括して非選択とすることができるため、各処理部35をそれぞれ非選択とする場合と比較して選択の手間を効率化することができる。
【0055】
(1.3.処理グループと処理部35の関係)
図3は、各処理グループに含まれる処理部35を示す。なお、図中の右側には、伝送部3を圧力伝送器として利用する場合(つまりフィールド機器1を圧力の測定システムとして利用する場合)、伝送部3を温度伝送器として利用する場合(つまりフィールド機器1を温度の測定システムとして利用する場合)、伝送部3を差圧式流量伝送器として利用する場合(つまりフィールド機器1を差圧式流量の測定システムとして利用する場合)、伝送部3を差圧伝送器として利用する場合(つまりフィールド機器1をデジタルリモート式の差圧測定システムとして利用する場合)に各処理部35が有効および無効の何れとされるかが示されている。
【0056】
本実施形態においては一例として、伝送部3の各処理部35は、入力演算処理グループ、種別処理グループ、出力演算処理グループ、および、アナログ出力処理グループの4つにグループ化される。
【0057】
(1.3.1.入力演算処理グループ)
入力演算処理グループに含まれる各処理部35は、データ取得部30から供給される測定データを調整するためのデータ処理を行ってよく、入力される測定データの種別に合わせて測定データを調整するためのデータ処理を行ってよい。入力演算処理グループは、「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「圧力値補正」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とを含んでよい。
【0058】
「ユーザ入力調整」は、予め設定された一次式により測定データを変換するデータ処理であってよい。一次式を規定する傾きまたは切片の少なくとも一方は、ユーザ、または、ユーザから指示を受けた伝送部3の製造業者により任意に設定されてよい。
【0059】
「圧力値補正」は、入力される測定データが圧力を示す場合に、圧力値の算出に特有の補正を行うデータ処理であってよい。圧力値の算出に特有の補正とは、例えば、導圧管内の圧力伝達用の封入液が温度変化に起因して膨張または収縮することによる測定データの変動を解消する補正であってもよいし、導圧管の高圧側・低圧側が間違って取り付けられたことに応じて測定データの値に異常が生じる場合に、正常な値へ変換する補正であってもよい。
【0060】
「入力ダンピング」は、測定データの値が過渡状態である場合に、値の急峻な変動を減衰させるデータ処理であってよく、予め設定された速度に変動の速度を調整するデータ処理であってよい。
【0061】
(1.3.2.種別処理グループ)
種別処理グループに含まれる各処理部35は、出力データの種別に合わせたデータ処理(例えば出力データで示すべき物理量に合わせた演算処理)を行ってよく、別言すれば、フィールド機器1が何れの物理量の測定システムとして用いられるかに応じたデータ処理を行ってよい。本実施形態では一例として、種別処理グループに含まれる各処理部35は、出力データの種別に加えて、入力される測定データの種別および数に合わせたデータ処理を行ってよい。種別処理グループに含まれる少なくとも1つの処理部35は、複数のデータが入力されて単一のデータを出力する多入力一出力のデータ処理を行ってよい。種別処理グループは、「2入力温度演算」を行う処理部35と、「差圧式流量演算」を行う処理部35と、「デジタルリモート式差圧演算」を行う処理部35とを含んでよい。
【0062】
「2入力温度演算」は、フィールド機器1が2入力温度測定システムとして用いられる場合のデータ処理であってよく、温度についての2つの測定データから、温度についての単一の測定データを算出してよい。算出される測定データは、入力される2つの測定データの値の平均であってもよいし、差分であってもよい。
【0063】
「差圧式流量演算」は、フィールド機器1が差圧式流量測定システムとして用いられる場合のデータ処理であってよく、差圧についての測定データと、温度についての測定データとから、流量についての測定データを算出してよい。
【0064】
「デジタルリモート式差圧演算」は、フィールド機器1がデジタルリモート式差圧測定システムとして用いられる場合のデータ処理であってよく、圧力についての2つの測定データから、差圧についての測定データを算出してよい。
【0065】
(1.3.3.出力演算処理グループ)
出力演算処理グループに含まれる各処理部35は、測定データの値を予め定められた範囲内に収めるためのデータ処理を行ってよい。出力演算処理グループは、「スケーリング正規化」を行う処理部35と、「開平演算」を行う処理部35と、「折れ線近似」を行う処理部35と、「ローカット」を行う処理部35と、「正逆流量演算」を行う処理部35とを含んでよい。
【0066】
「スケーリング正規化」は、測定データの値を予め定められた範囲(本実施形態においては一例として0.0~1.0の範囲)内に正規化するデータ処理であってよい。
【0067】
「開平演算」は、平方根を算出するデータ処理であってよく、二乗特性を有する差圧値などの測定データを、線形な特性を有する測定データに変換するために用いられてよい。
【0068】
「折れ線近似」は、入力される測定データの非線形性を補正するべく、測定データの値を、折れ線状に接続された複数の直線上の点に近似するデータ処理であってよい。一例として、「折れ線近似」では、異形タンクの液位などの測定データの値が0.1(=10(%))である場合に当該値を0.15(=15(%))に補正し、測定データの値が0.8(=80(%))である場合に当該値を0.7(=70(%))に補正してよい。
【0069】
「ローカット」は、測定データの値を下限値以上の値にするデータ処理であってよく、一例として、測定データの値が0未満であることに応じて、当該値を0としてよい。
【0070】
「正逆流量演算」は、-100~100の範囲内の測定データを0.0~1.0(0~100(%))の範囲内の測定データに変換する処理であってよい。
【0071】
(1.3.4.アナログ出力処理グループ)
アナログ出力処理グループに含まれる各処理部35は、測定データのアナログ出力値(本実施形態においては一例として4~20の範囲内の値)を算出するためのデータ処理を行ってよい。アナログ出力グループは、「出力ダンピング」を行う処理部35と、「アナログ値算出」を行う処理部35と、「周囲温度補正」を行う処理部35と、「ユーザ出力調整」を行う処理部35と、「アナログ出力」を行う処理部35とを含んでよい。
【0072】
「出力ダンピング」は、測定データの値が過渡状態である場合に、値の急峻な変動を減衰させるデータ処理であってよく、予め設定された速度に変動の速度を調整するデータ処理であってよい。
【0073】
「アナログ値算出」は、入力される0.0~1.0の範囲内の測定データを4~20(mA)の値に変換するデータ処理であってよい。
【0074】
「周囲温度補正」は、アナログ出力部321を構成するアナログ回路の温度による出力変動を補正するデータ処理であってよい。伝送部3の温度は図示しない温度測定部によって測定されてよい。
【0075】
「ユーザ出力調整」は、予め設定された一次式により測定データを変換するデータ処理であってよい。一次式を規定する傾きまたは切片の少なくとも一方は、ユーザ、または、ユーザからの指示を受けた伝送部3の製造業者により任意に設定されてよい。
【0076】
「アナログ出力」は、測定データのアナログ値をアナログ出力部321に供給して出力させるデータ処理であってよい。
【0077】
(1.4.仮のデータ処理フロー350k)
図4は、仮のデータ処理フロー350kを示す。
【0078】
仮のデータ処理フロー350kは、処理グループGとして、データ取得部30により取得可能な測定データごとに設けられた1または複数の並列な入力演算処理グループG1と、各入力演算処理グループG1の出力側に接続された種別処理グループG2と、種別処理グループG2の出力側に接続された入力演算処理グループG3と、入力演算処理グループG3の出力側に接続された出力演算処理グループG4と、出力演算処理グループG4の出力側に接続されたアナログ出力処理グループG5とを有してよい。
【0079】
入力演算処理グループG1のそれぞれは、「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「圧力値補正」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とを、入力側から出力側に向かって順に接続された状態で含んでよい。
【0080】
種別処理グループG2は、図示は省略するものの、「2入力温度演算」を行う処理部35と、「差圧式流量演算」を行う処理部35と、「デジタルリモート式差圧演算」を行う処理部35とを、入力側から出力側に向かって順に接続された状態で含んでよい。本実施形態では一例として、これらの処理部35は、有効化された状態において多入力一出力のデータ処理を行ってよく、複数の入力演算グループG1から測定データを取得して単一のデータを出力してよい。これらの処理部35は、無効化された状態において入力された1または複数の測定データをそのまま出力してよい。
【0081】
入力演算処理グループG3は、入力演算処理グループG1と同様に、「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「圧力値補正」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とを、入力側から出力側に向かって順に接続された状態で含んでよい。入力演算グループG3において最も出力側に位置する「入力ダンピング」の処理部35は、測定データを出力演算処理グループG4に供給することとは別に、フィールド通信部322に供給し、デジタル信号として出力させてよい。
【0082】
出力演算グループG4は、「スケーリング正規化」を行う処理部35と、「開平演算」を行う処理部35と、「折れ線近似」を行う処理部35と、「ローカット」を行う処理部35と、「正逆流量演算」を行う処理部35とを、入力側から出力側に向かって順に接続された状態で含んでよい。
【0083】
アナログ出力処理グループG5は、「出力ダンピング」を行う処理部35と、「アナログ値算出」を行う処理部35と、「周囲温度補正」を行う処理部35と、「ユーザ出力調整」を行う処理部35と、「アナログ出力」を行う処理部35とを、入力側から出力側に向かって順に接続された状態で含んでよい。アナログ出力処理グループG5において最も出力側に位置する「アナログ出力」の処理部35は、測定データをアナログ出力部321に供給し、アナログ信号として出力させてよい。
【0084】
(1.5.データ処理フロー350の具体例)
図5は、フィールド機器1を圧力の測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。この場合には、伝送部3の接続部300には、圧力用のセンサ装置2が接続されてよく、複数の入力演算処理グループG1,G3のうち、圧力の測定データが入力される単一の入力演算処理グループG1が有効化されて、その各処理部35が有効化されてよい。また、出力演算処理グループG4が有効化されて、その各処理部35が有効化されてよい。また、アナログ出力処理グループG5が有効化され、その各処理部35のうち「アナログ値算出」を行う処理部35と、「周囲温度補正」を行う処理部35と、「ユーザ出力調整」を行う処理部35と、「アナログ出力」を行う処理部35とが有効化されてよい。
【0085】
図6は、フィールド機器1を温度の測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。この場合には、伝送部3の接続部300には、温度用の2つのセンサ装置2が接続されてよく、複数の入力演算処理グループG1,G3のうち、温度の測定データが入力される2つの入力演算処理グループG1が有効化されて、その各処理部35のうち「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とが有効化されてよい。また、種別処理グループG2が有効化されて、その各処理部35のうち「2入力温度演算」を行う処理部35が有効化されてよい。また、出力演算処理グループG4が有効化されて、その各処理部35のうち「スケーリング正規化」を行う処理部35が有効化されてよい。また、アナログ出力処理グループG5が有効化され、その各処理部35が有効化されてよい。
【0086】
図7は、フィールド機器1を差圧式流量測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。この場合には、伝送部3の接続部300には、差圧用のセンサ装置2と、温度用のセンサ装置2とが接続されてよく、複数の入力演算処理グループG1のうち、差圧の測定データが入力される入力演算処理グループG1が有効化されて、その各処理部35が有効化されてよく、温度の測定データが入力される入力演算処理グループG1が有効化されて、その各処理部35のうち「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とが有効化されてよい。また、種別処理グループG2が有効化されて、その各処理部35のうち「差圧式流量演算」を行う処理部35が有効化されてよい。また、入力演算処理グループG3が有効化されて、その各処理部35のうち「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とが有効化されてよい。また、出力演算処理グループG4が有効化されて、その各処理部35のうち「スケーリング正規化」を行う処理部35と、「正逆流量演算」を行う処理部35とが有効化されてよい。また、アナログ出力処理グループG5が有効化され、その各処理部35のうち「アナログ値算出」を行う処理部35と、「周囲温度補正」を行う処理部35と、「ユーザ出力調整」を行う処理部35と、「アナログ出力」を行う処理部35とが有効化されてよい。
【0087】
図8は、フィールド機器1をデジタルリモート式差圧測定システムとして利用する場合のデータ処理フロー350を示す。この場合には、伝送部3の接続部300には、圧力用の2つのセンサ装置2が接続されてよく、複数の入力演算処理グループG1のうち、圧力の測定データが入力される2つの入力演算処理グループG1が有効化されて、その各処理部35のうち「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「圧力値補正」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とが有効化されてよい。また、種別処理グループG2が有効化されて、その各処理部35のうち「デジタルリモート式差圧演算」を行う処理部35が有効化されてよい。また、入力演算処理グループG3が有効化されて、その各処理部35のうち「ユーザ入力調整」を行う処理部35と、「入力ダンピング」を行う処理部35とが有効化されてよい。また、出力演算処理グループG4が有効化されて、その各処理部35のうち「スケーリング正規化」を行う処理部35と、「開平演算」を行う処理部35と、「折れ線近似」を行う処理部35と、「ローカット」を行う処理部35と、「正逆流量演算」を行う処理部35とが有効化されてよい。また、アナログ出力処理グループG5が有効化され、その各処理部35のうち「アナログ値算出」を行う処理部35と、「周囲温度補正」を行う処理部35と、「ユーザ出力調整」を行う処理部35と、「アナログ出力」を行う処理部35とが有効化されてよい。
【0088】
(1.6.第1実施形態の変形例)
図9は、本変形例に係るフィールド機器1Aを示す。フィールド機器1Aの伝送部3Aは、検出部36、選択部33Aおよび設定部34Aを有する。なお、本変形例に係るフィールド機器1Aにおいて、
図1に示された構成と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0089】
検出部36は、データ取得部30に接続されたセンサ装置2の種類を検出し、当該種類を示す信号を選択部33Aに供給する。検出部36は、接続部300に接続される各センサ装置2の種類を検出してよく、複数のセンサ装置2が接続部300に接続される場合には、当該複数のセンサ装置2のそれぞれを示す信号を選択部33Aに供給してよい。検出部36は、種々の態様でセンサ装置2の種類を検出してよい。
【0090】
例えば、検出部36は、センサ装置2との通信内容に基づいて、データ取得部30に接続されたセンサ装置2の種類を検出してよい。一例として、検出部36は、センサ装置2に対して、当該センサ装置2の種類や識別情報を問い合わせてよく、その返信内容に基づいてセンサ装置2の種類を検出してよい。これに代えて、検出部36は、データ取得部30により取得される測定データが電圧、電流、周波数の何れで示されるかに基づいてセンサ装置2の種類を検出してもよい。例えば、測定データが電圧で示される場合、つまり測定データが電圧信号として取得される場合には、検出部36はセンサ装置2を温度センサ(一例として熱電対)として検出してよい。測定データが周波数で示される場合、つまり測定データが周波数信号として取得される場合には、検出部36はセンサ装置を振動式の圧力センサとして検出してよい。
【0091】
また、データ取得部30の接続部300がセンサ装置2の種類に応じた接続態様で当該センサ装置2と接続可能である場合には、検出部36は、センサ装置2と接続部300との接続態様に基づいて、接続部300に接続されたセンサ装置2の種類を検出してよい。一例として、接続部300はセンサ装置2の種類ごとに接続ポートを有してよく、検出部36は、使用された接続ポートに基づいてセンサ装置2の種類を検出してよい。接続部300はセンサ装置2の種類ごとのコネクタ形状に応じたハードウェアスイッチまたはジャンパピンを有してもよく、検出部36は、当該ハードウェアスイッチまたはジャンパピンからの信号に基づいてセンサ装置2の種類を検出してもよい。
【0092】
選択部33Aは、複数の処理部35のうち、データ取得部30に接続されたセンサ装置2の種類に予め対応付けて記憶された処理部35を選択する。選択部33Aは、検出部36からの信号で示され得るセンサ装置2の種類の組み合わせ毎に、有効化するべき各処理部35の識別情報を予め記憶してよく、仮のデータ処理フロー350k内の複数の処理部35のうち、検出部36で検出されたセンサ装置2の組み合わせに応じた処理部35を選択してよい。本変形例における選択部33Aは、ユーザ操作によらず処理部35を自動で選択してよい。選択部33Aは、センサ装置2の種類を示す検出部36からの信号に応じて、複数の処理グループの何れかを選択した後、選択された処理グループに含まれる処理部35を個別に選択してよい。選択部33Aは、選択された処理部35を示す設定信号を設定部34に供給してよい。
【0093】
設定部34Aは、選択部33Aから供給される設定信号を、測定データの種類に応じた信号として取得して、当該信号に応じた処理部35を選択的に組み合わせてデータ処理フロー350を設定する。
【0094】
以上の伝送部3Aによれば、データ取得部30に接続されたセンサ装置2の種類が検出されて、複数の処理部35のうち、接続されたセンサ装置2の種類に予め対応付けて記憶された処理部35が選択されてデータ処理フロー350が設定される。従って、データ取得部30にセンサ装置2を接続することで、自動的にデータ処理フロー350を設定させることができる。
【0095】
また、センサ装置2との通信内容や接続態様に基づいてセンサ装置2の種類が検出されるので、センサ装置2の種類を正確に検出することができる。
【0096】
なお、上記の変形例においては、伝送部3Aは選択部33Aを有することとして説明したが、選択部33Aを有しなくてもよい。伝送部3Aが選択部33Aを有しない場合には、設定部34Aは、複数の処理部35のうち、データ取得部30に接続されたセンサ装置2の種類に予め対応付けて記憶された処理部35を組み合わせてデータ処理フロー350を設定してよい。
【0097】
(1.7.その他の変形例)
なお、上記の第1実施形態および変形例においては、データ取得部30で取得される測定データの種類に応じてデータ処理フロー350が設定されることとして説明したが、これに加えて、通信部32の通信プロトコルに応じてデータ処理フローが設定されてもよい。例えば、伝送部3の通信部32は、Foundation FieldbusやPROFIBUSなどの通信プロトコルでデジタル通信を行う他の通信部と交換可能であってよく、当該他の通信部がフィールド機器1で用いられる場合に設定部34は、少なくとも出力演算処理グループG4およびアナログ出力処理グループG5を無効化したデータ処理フロー350を設定してよい。これに代えて、通信部32は、使用する通信プロトコルをHART(登録商標)またはBRAINと、Foundation FieldbusまたはPROFIBUSとの間で選択可能であってもよく、Foundation FieldbusまたはPROFIBUSが使用対象として選択される場合には、設定部34は、少なくとも出力演算処理グループG4およびアナログ出力処理グループG5を無効化したデータ処理フロー350を設定してよい。
【0098】
また、各処理部35をソフトウェアモジュールとして説明したが、固有のデータ処理を行う物理的な演算装置であってもよい。この場合は、各処理部35は記憶部31に記憶されなくてよい。
【0099】
また、仮のデータ処理フロー350kが多入力一出力であることとして説明したが、接続部300に単一のセンサ装置2のみが接続可能である場合には、一入力一出力であってもよい。この場合には、仮のデータ処理フロー350k内の各処理部35は直列に接続されてよい。
【0100】
また、伝送部3が通信部32を備えることとして説明したが、備えないこととしてもよい。この場合には、データ処理フロー350によるデータ処理後の測定データは記憶部31内に保存されてもよいし、伝送部3に外部接続される通信装置を介してコントローラに送信されてもよい。
【0101】
また、伝送部3を装置の一例として説明したが、フィールド機器1を装置としてもよい。この場合には、センサ装置2はフィールド機器1に内蔵されてもよいし、外付けされてもよい。
【0102】
(2.第2実施形態)
図10は、本実施形態に係るフィールド機器1Bおよび生成装置5を示す。なお、本実施形態に係るフィールド機器1Bにおいて、
図1に示された構成と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0103】
(2.1.フィールド機器1B)
本実施形態に係るフィールド機器1Bは、予め設定された任意の種類のセンサ装置2と接続された伝送部3Bを有する。伝送部3Bは記憶部31Bを有しており、記憶部31Bには、生成装置5で生成されたソフトウェア351がインストールされてよい。フィールド機器1Bは、ソフトウェア351がインストールされた後に生成装置5から脱着されてよく、センサ装置2からの測定データに対してソフトウェア351によるデータ処理を行ってよい。
【0104】
(2.2.生成装置5)
生成装置5は、測定データを処理する装置(本実施形態では一例としてフィールド機器1Bの伝送部3B)に組み込まれるソフトウェア351を生成する装置であり、記憶部51と、選択部52と、生成部53と、インストール部54とを備える。
【0105】
(2.1.1.記憶部51)
記憶部51は、複数の処理部35を記憶する。複数の処理部35は、それぞれ固有のデータ処理を行うソフトウェアモジュールであってよく、第1実施形態において記憶部51に記憶された処理部35と同じデータ処理を行ってよい。
【0106】
複数の処理部35は、第1の実施形態における各処理部35と同様に、予め定められた順序で接続されて仮のデータ処理フロー350kを形成してよい。仮のデータ処理フロー350k内の複数の処理部35は、取捨選択されることで、測定データに対して行うべきデータ処理フローを形成可能であってよい。これにより、本実施形態に係る複数の処理部35のそれぞれは、予め定められた順序でデータ処理フローに組み込み可能であってよい。
【0107】
記憶部51は、処理部35を組み合わせて生成されるソフトウェア351をさらに記憶してよい。ソフトウェア351は、フィールド機器1Bの記憶部31Bにインストールされるものであってよく、測定データに対して行うべきデータ処理フローを形成してよい。
【0108】
(2.1.2.選択部52)
選択部52は、ユーザ操作に応じて複数の処理部35(本実施形態では一例として、仮のデータ処理フロー350kに含まれる複数の処理部35)のうち、ソフトウェア351に組み込む何れかの処理部35を選択する。選択部52は、選択された処理部35を示す信号(設定信号とも称する)を生成部53に供給してよい。
【0109】
(2.1.3.生成部53)
生成部53は、伝送部3Bで処理される測定データの種類に応じた信号を取得して、当該信号に応じた複数の処理部35を選択的に組み合わせてソフトウェア351を生成する。生成部53は、設定部531と、コンパイラ532とを有してよい。
【0110】
(2.1.4(1).設定部531)
設定部531は、伝送部3Bで処理される測定データの種類に応じた信号を取得して、記憶部51内の複数の処理部35のうち、当該信号に応じた処理部35を選択的に組み合わせて、伝送部3Bにおいて測定データに対して行われるべきデータ処理フローを設定する。設定部531は、測定データの種類に応じた信号として、選択部52から設定信号を取得してよい。設定部531は、仮のデータ処理フロー350kに含まれる各処理部35のうち、設定信号で示される処理部35のみを残すことで、データ処理フローを設定してよい。設定部531は、設定したデータ処理フローの内容をコンパイラ532に供給してよい。
【0111】
(2.1.4(2).コンパイラ532)
コンパイラ532は、設定部531により設定されたデータ処理フローのソフトウェア351を生成する。コンパイラ532は、高級言語(高水準言語とも称する)で記述された各処理部35のソフトウェアモジュールから、伝送部3で実行可能な形式のソフトウェア351を生成してよい。コンパイラ532は、生成したソフトウェア351を記憶部51に記憶させてよい。
【0112】
(2.1.5.インストール部54)
インストール部54は、生成部53により生成されたソフトウェア351を伝送部3Bの記憶部51にインストールする。これによりフィールド機器1Bでは、センサ装置2で生成された測定データに対し、ソフトウェア351によるデータ処理が実行可能となってよい。
【0113】
以上の生成装置5によれば、伝送部3Bで処理される測定データの種類に応じた信号が取得され、当該信号に応じた複数の処理部35が選択的に組み合わせられてソフトウェア351が生成される。従って、測定データの種類に応じた各ソフトウェア351を単一の生成装置5で生成することができるため、測定データの種類に応じて別々の生成装置5を用意する必要がない分、生成装置5の製造コストを下げることができる。
【0114】
(2.2.動作)
図11は、生成装置5の動作を示す。生成装置5は、ステップS51からS53の処理を行うことによりソフトウェア351を生成する。
【0115】
ステップS51において選択部52は、ユーザ操作に応じて複数の処理部35の何れかを選択する。選択部52は、仮のデータ処理フロー350kを形成した複数の処理部35のうち、ソフトウェア351のデータ処理フロー内でデータ処理を行わせる処理部35を選択してよい。なお、第1実施形態と同様に、記憶部51内の複数の処理部35は複数の処理グループGにグループ化されていてよく、選択部52はユーザ操作に応じて複数の処理グループGの何れかを選択した後、選択された処理グループGに含まれる処理部35を個別に選択してよい。
【0116】
ステップS53において生成部53は、伝送部3Bで処理される測定データの種類に応じた信号を取得して、当該信号に応じた複数の処理部35を選択的に組み合わせてソフトウェア351を生成する。生成部53は、測定データの種類に応じた信号として、選択部52から設定信号を取得し、仮のデータ処理フロー350kに含まれる各処理部35のうち、設定信号で示される処理部35のみを残すことで、測定データに対して行うべきデータ処理フローを実現するソフトウェア351を生成してよい。ステップS53の処理が終了したら生成装置5は動作を終了してもよいし、生成したソフトウェア351をインストール部54からフィールド機器1Bの伝送部3Bにインストールしてもよい。
【0117】
(2.3.第2実施形態の変形例)
なお、上記の第2実施形態においては生成装置5がインストール部54を備えることとして説明したが、備えないこととしてもよい。この場合には、生成装置5は、生成されたソフトウェア351を外部機器に送信してよい。
【0118】
(3.第1実施形態および第2実施形態の変形例)
なお、上記の第1および第2の実施形態においては、データ取得部30はセンサ装置2から測定データを取得することとして説明したが、記憶部31,51から取得してもよい。
【0119】
また、複数の処理部35が予め定められた順序でデータ処理フロー350に組み込まれることとして説明したが、他の態様でデータ処理フロー350に組み込まれることとしてもよい。この場合には、記憶部31,51内の複数の処理部35は予め仮のデータ処理フロー350を形成していなくてもよい。設定部34,531は、伝送部3,3Bで処理される測定データの種類に応じた信号を取得してよく、複数の処理部35のうち、当該信号に応じた処理部35を、当該信号に応じた順序に並べたデータ処理フロー350を設定してよい。一例として、設定部34,531は、測定データの種類ごとに、当該測定データに対してデータ処理を行うべき処理部35を処理順に並べたデータ処理フロー350の内容を予め記憶してよく、取得した信号で示される測定データの種類に応じたデータ処理フロー350を設定してよい。これに代えて、設定部34,531は、測定データの種類に応じた信号として、データ処理フロー350に含めるべき処理部35と、データ処理フロー350内での当該処理部35の順序とを示す信号を選択部33,52等から取得してよく、当該信号に対応するデータ処理フロー350を設定してもよい。これらの場合には、データ処理フロー350内での処理部35の順序を設定することができる分、測定データの種類に応じた適切なデータ処理フロー350を設定することができる。
【0120】
ここで、設定部34,531が測定データの種類に応じた信号として、データ処理フロー350に含めるべき処理部35と、データ処理フロー350内での当該処理部35の順序とを示す信号を取得してデータ処理フロー350を設定する場合には、少なくとも1つの処理部35をデータ処理フロー350内の複数の位置に組み込んでよい。これにより、測定データの種類に応じたいっそう適切なデータ処理フロー350を設定することができる。
【0121】
また、設定部34,531が測定データの種類に応じた信号として、データ処理フロー350に含めるべき処理部35と、データ処理フロー350内での当該処理部35の順序とを示す信号を選択部33,52から取得してデータ処理フロー350を設定する場合には、当該信号を出力する選択部33,52では、予め順序が定められた複数の処理部35を含む各処理グループGの順序を選択した後、使用する処理部35を各処理グループG内で選択してよい。この場合には、記憶部31,51内の複数の処理部35のうち、各処理グループG内の2以上の処理部35が予め定められた順序でデータ処理フロー350に組み込み可能であってよい。
【0122】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0123】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0124】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0125】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0126】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0127】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0128】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0129】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0130】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0131】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0132】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0133】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0134】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0135】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0136】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0137】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0138】
1 フィールド機器
2 センサ装置
3 伝送部
5 生成装置
30 データ取得部
31 記憶部
32 通信部
33 選択部
34 設定部
35 処理部
36 検出部
51 記憶部
52 選択部
53 生成部
54 インストール部
300 接続部
301 データ供給部
321 アナログ出力部
322 フィールド通信部
350 データ処理フロー
351 ソフトウェア
531 設定部
532 コンパイラ
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード