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特開2024-136602案内システム、案内システム用プログラム、第1端末、及び、第2端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136602
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】案内システム、案内システム用プログラム、第1端末、及び、第2端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047758
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】317006258
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】西村 真哉
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 賢一
(72)【発明者】
【氏名】徳田 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】林 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼野 真史
(72)【発明者】
【氏名】藤本 直
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】移動するのに介助を必要とする移動制約者にとって使い勝手の良い案内システムを提供する。
【解決手段】移動制約者に乗車駅から行先駅までの列車の乗換案内を提供する案内システム100であって、移動制約者が操作する第1端末T1と、各駅にある第2端末T2とともに用いられるシステムであり、移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部32と、第1端末T1を介して移動制約者に、乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内するルート案内部33と、移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる乗車駅、行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれの第2端末T2に、移動制約者の属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を送信する受け入れ要請部34と、受け入れ要請部34による受け入れが承認されたことを第2端末T2を介して受け付ける受付部31とを備えるようにした。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動制約者に乗車駅から行先駅までの列車の乗換案内を提供する案内システムであって、
前記移動制約者が操作する第1端末と、各駅にある第2端末とともに用いられるシステムであり、
前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、
前記第1端末を介して前記移動制約者に、前記乗車駅から前記行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内するルート案内部と、
前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれの前記第2端末に、前記移動制約者の属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を送信する受け入れ要請部と、
前記受け入れ要請部による受け入れが承認されたことを前記第2端末を介して受け付ける受付部とを備えることを特徴とする案内システム。
【請求項2】
前記受け入れ要請部は、前記ルート案内部により案内された複数のルートのうちの前記移動制約者に選択されていないルートにのみ含まれる乗換駅の前記第2端末には、移動制約者の受け入れを要請しないことを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項3】
前記受け入れ要請部は、前記ルート案内部により案内された複数のルートのうちの前記移動制約者に選択されていないルートに含まれる乗換駅の前記第2端末にも、前記受け入れ要請を送信することを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項4】
前記ルート案内部が、複数のルートそれぞれを選択した場合の移動時間、乗換回数、又は、料金の少なくとも一部をも案内することを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項5】
前記ルート案内部が、移動制約者に選択された複数のルートのうち、前記乗車駅、前記行先駅、及び、前記乗換駅の全てが前記第2端末を介して受け入れを承認したルートである確定ルートを、前記第1端末を介して前記移動制約者に選択可能に案内することを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項6】
前記移動制約者が複数の前記確定ルートの中から希望する最終ルートを選択した場合に、前記受け入れ要請部は、その最終ルートに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、前記乗換駅それぞれの前記第2端末に、前記最終ルートとして選択されたことを通知するとともに、前記最終ルート以外の前記確定ルートにのみ含まれる前記乗換駅に対する受け入れ要請を取り消すことを特徴とする請求項5記載の案内システム。
【請求項7】
移動制約者が予め入力した目的地を受け付ける受付部をさらに備え、
前記乗車駅及び前記行先駅が、前記受付部により受け付けた目的地まで行くために利用される駅であることを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項8】
前記移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれていることを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項9】
前記移動制約者の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて、前記移動制約者が前記乗換駅の乗換時間に間に合うか否かを判断する判断部とをさらに備え、
前記判断部により前記移動制約者が前記乗換時間に間に合わないと判断された場合に、その乗換駅の前記第2端末には、前記受け入れ要請部から受け入れ要請が送信されないことを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項10】
前記判断部が、前記位置情報の示す位置から前記乗換駅までの距離を用いて、前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれが利用可能であるかを判断する、請求項9記載の案内システム。
【請求項11】
前記受け入れ要請部から受け入れ要請がされた後、前記判断部により利用不能であると判断されたルートにのみ含まれる前記乗換駅の前記第2端末に対しては、受け入れ要請がキャンセルされることを特徴とする請求項9記載の案内システム。
【請求項12】
前記移動制約者が前記乗車駅で列車に乗車した場合に、そのことが前記乗換駅及び前記行先駅それぞれの前記第2端末に通知されることを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項13】
移動制約者に乗車駅から行先駅までの列車の乗換案内を提供する案内システム用プログラムであって、
前記移動制約者が操作する第1端末と、前記第1端末にネットワークを介して通信可能に接続される各駅の第2端末とを利用してなるシステムに用いられるプログラムであり、
前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、
前記第1端末を介して前記移動制約者に、前記乗車駅から前記行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内するルート案内部と、
前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれの前記第2端末に、前記移動制約者の属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を送信する受け入れ要請部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする案内システム用プログラム。
【請求項14】
移動制約者が操作するものであり、前記移動制約者に乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内する第1端末であって、
前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれにある第2端末に、前記移動制約者の属性を示す属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を直接又は間接的に送信する送信部と、
受け入れが承認された場合に、その承認されたことを直接又は間接的に受信する受信部と、
その承認されたことを前記移動制約者に報知する報知部とを有することを特徴とする第1端末。
【請求項15】
移動制約者が操作する第1端末を介して選択可能に案内した乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートのうち、選択された複数のルートに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれにある第2端末であって、
前記移動制約者の属性を示す属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を受信する受信部と、
その受け入れが承認された場合に、その承認されたことを直接又は間接的に送信する送信部とを有することを特徴とする第2端末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、車椅子利用者などの移動制約者に列車の乗換案内をするための案内システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の案内システムとしては、特許文献1に示すように、端末を介して乗車駅及び行先駅を入力することで、例えば時間を優先させたルートや、金額を優先させたルートなどの複数のルートを案内するものがある。
【0003】
本願発明者は、このような案内システムを移動制約者に資するものとするべく、移動制約者が複数の中から1つのルートを選択することで、そのルートに乗車駅及び行先駅に加えて、その選択されたルートに含まれる乗換駅にも移動制約者が介助を求めていること(介助要請)が通知される構成を検討した。
【0004】
しかしながら、このような構成では、例えば1つの乗換駅が介助の受け入れを承認できなかったり、承認するまでに長時間を要したりする場合など、移動制約者は、再び別のルートを選択して、その別のルートに含まれる複数の駅に改めて介助を求めることとなり、使い勝手が良いものとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5260483号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上述した課題を解決するべくなされたものであり、移動するのに介助を必要とする移動制約者にとって使い勝手の良い案内システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明に係る案内システムは、移動制約者に乗車駅から行先駅までの列車の乗換案内を提供する案内システムであって、前記移動制約者が操作する第1端末と、各駅にある第2端末とともに用いられるシステムであり、前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、前記第1端末を介して前記移動制約者に、前記乗車駅から前記行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内するルート案内部と、前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれの前記第2端末に、前記移動制約者の属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を送信する受け入れ要請部と、前記受け入れ要請部による受け入れが承認されたことを前記第2端末を介して受け付ける受付部とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された案内システムによれば、移動制約者が候補として考えている複数のルートそれぞれに含まれる各駅に、移動制約者の属性情報とともに、受け入れ要請を送信し、その受け入れ要請が承認されたことを受け付けるので、候補として考えている複数のルートそれぞれが利用できるかを一挙に知ることができ、使い勝手の良いシステムを提供することができる。
【0009】
前記受け入れ要請部は、前記ルート案内部により案内された複数のルートのうちの前記移動制約者に選択されていないルートにのみ含まれる乗換駅の前記第2端末には、移動制約者の受け入れを要請しないことが好ましい。
このような構成であれば、利用される可能性の低い乗換駅に対する不要な要請をなくすことができる。
【0010】
別の実施態様としては、前記受け入れ要請部は、前記ルート案内部により案内された複数のルートのうちの前記移動制約者に選択されていないルートに含まれる乗換駅の前記第2端末にも、前記受け入れ要請を送信することが好ましい。
このような構成であれば、例えば事故や天候変化などのトラブルにより選択したルートの移動時間に遅延が生じると予想される場合に、選択されていないルートに含まれる乗換駅にも補助的に受け入れ要請を送信してあるので、臨機応変な対応にも準備があるという安心感を得られるとともに、別のルートの再考に役立つ。
【0011】
前記ルート案内部が、複数のルートそれぞれを選択した場合の移動時間、乗換回数、又は、料金の少なくとも一部をも案内することが好ましい。
このような構成であれば、移動制約者が種々の判断材料を参照しながら、希望に沿ったルートを選択できるようになる。
【0012】
前記ルート案内部が、移動制約者に選択された複数のルートのうち、前記乗車駅、前記行先駅、及び、前記乗換駅の全てが前記第2端末を介して受け入れを承認したルートである確定ルートを、前記第1端末を介して前記移動制約者に選択可能に案内することが好ましい。
このような構成であれば、選択された複数のルートうちのどのルートが利用可能であるかを、移動制約者に知らせることができ、移動制約者は、利用可能な確定ルートの中から希望のルートを選択して利用することができる。
【0013】
前記移動制約者が複数の前記確定ルートの中から希望する最終ルートを選択した場合に、前記受け入れ要請部は、その最終ルートに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、前記乗換駅それぞれの前記第2端末に、前記最終ルートとして選択されたことを通知するとともに、前記最終ルート以外の前記確定ルートにのみ含まれる前記乗換駅に対する受け入れ要請を取り消すことが好ましい。
このような構成であれば、受け入れてもらう駅にはそのことを通知して準備を促しつつ、受け入れが不要である駅には、受け入れが不要であることが伝わるので、不要な準備などをさせずに済む。
【0014】
移動制約者が予め入力した目的地を受け付ける受付部をさらに備え、前記乗車駅及び前記行先駅が、前記受付部により受け付けた目的地まで行くために利用される駅であることが好ましい。
このような構成であれば、目的地に応じた乗車駅や行先駅に案内することができ、利便性の向上を図れる。
【0015】
前記移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれていることが好ましい。
このような構成であれば、様々な移動制約者に資するものとなる。
【0016】
前記移動制約者の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて、前記移動制約者が前記乗換駅の乗換時間に間に合うか否かを判断する判断部とをさらに備え、前記判断部により前記移動制約者が前記乗換時間に間に合わないと判断された場合に、その乗換駅の前記第2端末には、前記受け入れ要請部から受け入れ要請が送信されないことが好ましい。
このような構成であれば、利用可能な駅にのみ受け入れ要請をすることができ、不要な要請を減らすことができる。
【0017】
前記判断部の具体的な実施態様としては、前記位置情報の示す位置から前記乗車駅までの距離を用いて、前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれが利用可能であるかを判断する態様を挙げることができる。
このような構成であれば、乗車駅までの距離を用いているので、それぞれのルートが利用可能であるかをより正確に判断することができる。
【0018】
前記受け入れ要請部から受け入れ要請がされた後、前記判断部により利用不能であると判断されたルートにのみ含まれる前記乗換駅の前記第2端末に対しては、受け入れ要請がキャンセルされることが好ましい。
このような構成であれば、移動制約者の移動中に利用することができなくなった乗換駅に対しては、受け入れ要請を自動でキャンセルすることができる。
【0019】
前記移動制約者が前記乗車駅で列車に乗車した場合に、そのことが前記乗換駅及び前記行先駅それぞれの前記第2端末に通知されることが好ましい。
このような構成であれば、移動制約者が無事に乗車駅で乗車できたか否かを、その後に利用される乗換駅や行先駅に知らせることができ、それらの駅に受け入れる準備を促すことができる。
【0020】
本発明に係る案内システム用プログラムは、移動制約者に乗車駅から行先駅までの列車の乗換案内を提供する案内システム用プログラムであって、前記移動制約者が操作する第1端末と、前記第1端末にネットワークを介して通信可能に接続される各駅の第2端末とを利用してなるシステムに用いられるプログラムであり、前記移動制約者の属性を示す属性情報を格納している属性情報格納部と、前記第1端末を介して前記移動制約者に、前記乗車駅から前記行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内するルート案内部と、前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれの前記第2端末に、前記移動制約者の属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を送信する受け入れ要請部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係る第1端末は、移動制約者が操作するものであり、前記移動制約者に乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内する第1端末であって、前記移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれにある第2端末に、前記移動制約者の属性を示す属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を直接又は間接的に送信する送信部と、受け入れが承認された場合に、その承認されたことを直接又は間接的に受信する受信部と、その承認されたことを前記移動制約者に報知する報知部とを有することを特徴とするものである。
【0022】
本発明に係る第2端末は、移動制約者が操作する第1端末を介して選択可能に案内した乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートのうち、選択された複数のルートに含まれる前記乗車駅、前記行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれにある第2端末であって、前記移動制約者の属性を示す属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を受信する受信部と、その受け入れが承認された場合に、その承認されたことを直接又は間接的に送信する送信部とを有することを特徴とするものである。
【0023】
このような案内システム用プログラム、第1端末、及び、第2端末によれば、上述した案内システムと同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0024】
本願発明によれば、移動するのに介助を必要とする移動制約者にとって使い勝手の良い案内システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願発明に係る一実施形態の介助システムの使用態様を示す概略図。
図2】同実施形態の第1端末の機能を示す機能ブロック図。
図3】同実施形態の第2端末の機能を示す機能ブロック図。
図4】同実施形態のサーバの機能を示す機能ブロック図。
図5】同実施形態の案内システムの動作を示すフローチャート。
図6】同実施形態の第1端末の表示内容を示す模式図。
図7】同実施形態の第1端末の表示内容を示す模式図。
図8】その他の実施形態のサーバの機能を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願発明の一実施形態における案内システムについて図面を参照しながら説明する。
【0027】
本実施形態の案内システム100は、移動制約者に乗車駅から行先駅までの列車の乗換案内を提供するものであり、図1に示すように、移動制約者が操作する第1端末T1と、駅係員が操作する各駅にある第2端末T2とともに用いられるシステムである。
【0028】
なお、ここでいう「移動制約者」は、視覚障がい者、聴覚障がい者、義足装着者などの障がいを持つ者のみならず、体調不良者、子ども連れ、高齢者、妊婦、子ども、松葉杖使用者、キャリーケース使用者、又は、自転車乗り込み者など、種々の理由によって移動に不自由を感じる者を含む。なお、自転車乗り込み者とは、列車に自転車とともに乗り降りする者である。
【0029】
まず、第1端末T1及び第2端末T2について簡単に説明する。
【0030】
第1端末T1は、移動制約者が保持する携帯端末や、移動制約者が利用する例えば車椅子などの用具に取付可能な端末である。
【0031】
この第1端末T1は、物理的にはCPU及びメモリなどを備えており、機能的には、図2に示すように、第1入力部11、第1送信部12、第1受信部13、及び第1報知部14を備えている。
【0032】
第2端末T2は、駅係員が保持する携帯端末や、駅係員が勤務している部屋などに備えられている端末などである。なお、各鉄道会社が列車の運行を中央管理している場合であれば、第2端末T2は、中央管理室等に配置されて一括管理されるものであっても良い。
【0033】
この第2端末T2は、物理的にはCPU及びメモリなどを備えており、機能的には、図3に示すように、第2受信部21、第2報知部22、第2入力部23、及び第2送信部24を備えている。
【0034】
上述した構成において、本実施形態の案内システム100は、図1に示すように、第1端末T1とネットワークNTを介して接続されるとともに、第2端末T2とネットワークNTを介して接続されるサーバSを備えている。
【0035】
このサーバSは、物理的にはCPU、メモリ等を備えたものであり、前記メモリに記憶されている案内システム用プログラムに従って、前記CPU及びその周辺機器が協働することにより、図4に示すように、受付部31、属性情報格納部32、ルート案内部33、受け入れ要請部34、及び位置情報取得部35としての機能を発揮するものである。
【0036】
以下、第1端末T1、第2端末T2、及びサーバSが備える各部の機能について、図5のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0037】
(属性情報の入力:図5のS1)
第1入力部11は、移動制約者の属性を示す属性情報を入力するためのものであり、例えば第1端末T1に備わるタッチパネル等を利用して構成されている。ただし、第1入力部11の具体的な構成は、タッチパネルに限らず、マウスやキーボードなどの種々の手段を利用して構わない。
【0038】
移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれており、本実施形態の第1入力部11は、図6における第1端末T1の表示内容に示すように、上述した理由を分類化した属性が入力される。
【0039】
具体的に移動制約者は、予め分類化されている複数種類の属性の中から適切なものを、第1入力部11を介して選択することができる。なお、分類化されている属性は、適宜、追加又は修正することができても構わない。
【0040】
具体的な属性情報としては、移動制約者が、視覚障がい者、聴覚障がい者、義足装着者、体調不良者、子ども連れ、高齢者、妊婦、子ども、松葉杖使用者、キャリーケース使用者、又は自転車乗り込み者であることを示す情報を挙げることができる。なお、子ども連れ、高齢者、又は子どもであることを示す属性は、移動制約者の自己判断又は保護者或いは同居者の判断で入力できるようにしても良いし、年齢制限を課したうえで入力できるようにしても良い。
【0041】
本実施形態の第1入力部11は、図6に示すように、移動制約者の属性のみならず、年齢及び性別を属性情報として入力するためにも用いられる。なお、本明細書において「性別」とは、生物学的な性を示すものに限らず、社会的又は心理的な性別(いわゆるジェンダ)を含む概念である。ただし、移動制約者は、必ずしも年齢及び性別を入力する必要はない。
【0042】
また、図示していないが、第1入力部11は、移動制約者の国籍又は使用言語を属性情報として入力するために用いられても良い。
【0043】
上述した属性情報は、移動制約者が本案内システム100を利用する前に入力する情報であり、これらの情報は、第1送信部12により第2端末T2に直接又は間接的に送信される。
【0044】
本実施形態の第1送信部12は、図2に示すように、第1入力部11に入力された属性情報をサーバSに送信するものであり、送信された属性情報は、図4に示すように、受付部31により受け付けられて属性情報格納部32に格納される。
【0045】
すなわち、属性情報格納部32は、移動制約者の属性を示す属性情報を格納しているものであり、この属性情報格納部32に属性情報が格納された後、移動制約者は、本案内システム100を用いて乗換案内を検索することができるようになる。
【0046】
(目的地の入力:図5のS2)
具体的に移動制約者は、第1入力部11を介して、出発する前に予め目的地を入力することができる。すなわち、この第1入力部11は、乗換案内を検索するために必要な検索情報を入力するためのものであり、ここでの検索情報には、図7に示すように、目的地の名称或いは住所等が含まれており、その他、出発時刻或いは到着時刻が含まれていても良い。なお、出発時刻は、移動制約者が選択した時刻であっても良いし、現在の時刻であっても良い。
【0047】
なお、移動制約者は、目的地を入力することなく、第1入力部11を介して、乗車駅及び行先駅を入力できるようにしても良い。この場合の検索情報には、上述した乗換駅の駅名、行先駅に駅名、及び、乗換駅からの出発時刻或いは行先駅への到着時刻などが含まれている。なお、出発時刻は、移動制約者が選択した時刻であっても良いし、現在の時刻であっても良い。
【0048】
このようにして、移動制約者が第1入力部11を介して検索情報を入力すると、第1送信部12が、その検索情報を第2端末T2に直接又は間接的に送信する。
【0049】
本実施形態の第1送信部12は、図2に示すように、検索情報をサーバSに送信し、その検索情報は、図4に示すように、受付部31により受け付けられる。すなわち、本実施形態の受付部31は、上述したS2において移動制約者が予め入力した目的地を受け付けるものであり、この目的地を示す検索情報は、ルート案内部33に出力される。
【0050】
(目的地までのルート検索:図5のS3)
このルート案内部33は、取得した検索情報と、例えばサーバS内のメモリに予め格納されている検索プログラムを用いて、目的地までの複数のルートを検索する。なお、移動時間としては、例えば移動制約者の属性情報や過去の移動履歴に基づいて算出されていても良い。具体的には、例えば健常者の移動速度に移動制約者の属性情報や移動履歴などから定められた低下係数を乗じた速度を用いて、移動時間が算出されていても良い。
【0051】
これらのルートには少なくとも列車の乗車駅と行先駅とが含まれており、言い換えれば、ルート案内部33により検索される乗車駅及び行先駅は、上述した受付部31により受け付けられた目的地まで行くために利用される駅である。なお、これらのルートには、徒歩やバスなどの列車以外の移動手段による移動ルートが含まれていても良い。また、複数のルートに含まれる乗車駅は必ずしも全てが同じである必要はないし、複数のルートに含まれる行先駅は必ずしも全てが同じである必要はない。
【0052】
このルート案内部33は、複数のルートそれぞれを選択した場合の移動時間、乗換回数、又は、料金の少なくとも一部をも案内するのであり、この実施形態では、移動時間、乗換回数、及び、料金のそれぞれを案内するように構成されている。
【0053】
そして、ルート案内部33は、乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートを、移動制約者に第1端末T1を介して選択可能に案内する。
【0054】
具体的にこのルート案内部33は、図4に示すように、検索した複数のルートを検索結果情報として第1端末T1に送信する。なお、この検索結果情報には、乗車駅及び行先駅の他、1又は複数の乗換駅が含まれており、さらには各駅の乗車時刻及び到着時刻が含まれていても良い。また、検索結果情報には、複数のルートそれぞれを選択した場合の移動時間、乗換回数、及び、料金も含まれている。
【0055】
第1端末T1の第1受信部13は、図2に示すように、複数のルートを示す検索結果情報を受信して、この検索結果情報に含まれる複数のルートは、第1報知部14により移動制約者に報知される。なお、報知部による方法は、第1端末T1のディスプレイへの表示による報知方法であっても良いし、音声による報知方法であっても良い。
【0056】
(希望のルートの選択:図5のS4)
移動制約者は、第1報知部14により報知された複数のルートのうち、例えば移動時間、乗換回数、又は、料金の一部又は全部を考慮して、候補となる複数のルートを第1入力部11を介して選択することができる。
【0057】
選択された複数のルートは、選択ルート情報として第1送信部12から第2端末T2に直接又は間接的に送信される。
【0058】
本実施形態の第1送信部12は、図2に示すように、第1入力部11に入力された選択ルート情報をサーバSに送信するものであり、送信された選択ルート情報は、図4に示すように、受付部31により受け付けられて、受け入れ要請部34に出力される。
【0059】
(受け入れ要請:図5のS5)
そして、受け入れ要請部34は、図4に示すように、移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる乗車駅、行先駅、及び、1又は複数の乗換駅のそれぞれの第2端末T2に、移動制約者の属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を送信する。なお、移動制約者が1つのみのルートを選択した場合であれば、受け入れ要請部34としては、その1つのルートに含まれる乗車駅、行先駅、及び、1又は複数の乗換駅のそれぞれの第2端末T2に、移動制約者の属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を送信する。
【0060】
なお、複数のルートに含まれている駅であるか否かの判断は、この実施形態では、図4に示す位置情報取得部35が、例えばGPS、IMES、ビーコン、又はWi-Fi(登録商標)などを用いて第2端末T2の位置を示す位置情報を取得することによりなされる。なお、駅係員には、自分の勤務する担当駅を登録した登録デバイスを所持させておき、この登録デバイスを利用して駅係員の担当駅を識別できるようにしても良い。
【0061】
このとき、受け入れ要請部34は、上述したルート案内部33により案内された複数のルートのうちの移動制約者に選択されていないルートにのみ含まれる乗換駅の第2端末T2には、移動制約者の受け入れを要請しない。
【0062】
つまり、図7に示すケースにおいて、案内されたルート1~4のうち、移動制約者がルート2、3、4を選択した場合には、受け入れ要請部34は、A駅、B駅、D駅、E駅、F駅、及び、G駅の第2端末T2に受け入れを要請し、C駅には受け入れ要請をしない。
【0063】
各駅では、第2端末T2の第2受信部21が、図3に示すように、受け入れ要請及び属性情報を直接又は間接的に受信し、第2報知部22が受け入れ要請を受信したことと、受信した属性情報の内容とをディスプレイに表示するなどして報知する。なお、報知の仕方はこれに限らず、振動、音などを用いた報知方法であっても構わないし、嗅覚や味覚を通じた報知方法であっても構わない。
【0064】
(各駅における受け入れの承認:図5のS6)
各駅の駅係員は、第2報知部22により報知された属性情報を考慮して、受け入れ可能な場合は第2入力部23を介して受け入れを承認することができる。
【0065】
すなわち、第2入力部23は、図3に示すように、介助の受け入れを承認することを示す情報を入力するためのものであり、例えば第2端末T2に備わるタッチパネル等を利用して構成されている。ただし、第2入力部23の具体的な構成は、タッチパネルに限らず、マウスやキーボードなどの種々の手段を利用して構わない。
【0066】
このようにして駅係員が第2入力部23を介して介助の受け入れを承認すると、第2送信部24は、受け入れ要請部34による受け入れが承認されたことを示す情報(以下、承認情報という)を第1端末T1に直接又は間接的に送信する。
【0067】
本実施形態の第2送信部24は、図3に示すように、承認情報をサーバSに送信し、その承認情報は、図4に示すように、サーバSの受付部31により受け付けられて、ルート案内部33に出力される。すなわち、本実施形態の受付部31は、受け入れ要請部34による受け入れが承認されたことを第2端末T2を介して受け付けるものである。
【0068】
(利用可能な確定ルートの案内:図5のS7)
その後、ルート案内部33が、移動制約者に選択された複数のルートのうち、乗車駅、行先駅、及び、乗換駅の全てが第2端末T2を介して受け入れを承認したルートである確定ルートを、第1端末T1を介して移動制約者に選択可能に案内する。
【0069】
より具体的に説明すると、ルート案内部33は、受付部31が受け付けた承認情報に基づいて、移動制約者に選択されたルートそれぞれに対して、そのルートに含まれる全ての乗車駅、行先駅、及び、乗換駅から承認情報が送られているか否かを判断して、全ての乗車駅、行先駅、及び、乗換駅から承認情報が送られている1又は複数のルートを利用可能な確定ルートとして確定する。その確定ルートそれぞれは、図4に示すように、確定ルート情報としてルート案内部33から第1端末T1に送信される。
【0070】
そして、第1端末T1の第1受信部13が確定ルート情報を受信すると、その確定ルート情報の示す確定ルートは、図2に示すように、第1報知部14により移動制約者に報知される。なお、第1報知部14による方法は、第1端末T1のディスプレイへの表示による報知方法であっても良いし、音声による報知方法であっても良い。
【0071】
(希望する最終ルートの選択:図5のS8)
これにより、移動制約者は、1又は複数の確定ルートを把握することができ、その中から希望する1つの確定ルートである最終ルートを第1入力部11を介して選択することができる。
【0072】
そして、移動制約者が最終ルートを選択すると、第1端末T1の第1送信部12が、選択された最終ルートに含まれる乗車駅、行先駅、及び、乗換駅の第2端末T2に選択されたことを直接又は間接的に通知する。
【0073】
本実施形態では、移動制約者が複数の確定ルートの中から希望する1つの最終ルートを選択した場合に、図2に示すように、第1送信部12が選択された最終ルートを示す最終ルート情報をサーバSに送信し、その最終ルート情報は、図4に示すように、サーバSの受付部31により受け付けられて、受け入れ要請部34に出力される。
【0074】
(最終ルートに含まれる各駅に対する最終決定通知の通知:図5のS9)
そして、受け入れ要請部34は、その最終ルート情報の示す最終ルートに含まれる乗車駅、行先駅、及び、乗換駅それぞれの第2端末T2に、最終ルートとして選択されたことを最終決定通知として通知する。
【0075】
最終ルートに含まれる各駅では、第2端末T2の第2受信部21が、最終決定通知を直接又は間接的に受信し、第2報知部22が最終決定通知を受信したことをディスプレイに表示するなどして報知する。なお、報知の仕方はこれに限らず、振動、音などを用いた報知方法であっても構わないし、嗅覚や味覚を通じた報知方法であっても構わない。
【0076】
これにより、選択された最終ルートに含まれる各駅の駅係員は受け入れの準備を開始することができ、これにより介助の受け入れ環境が整う。
【0077】
一方、受け入れ要請部34は、選択された最終ルート以外の確定ルートにのみ含まれる乗換駅に対する受け入れ要請を取り消す。具体的には、図7のケースにおいて、移動制約者が最終的にルート3を確定ルートとして選択した場合、受け入れ要請部34は、駅A、駅B、駅E、及び駅Dの第2端末T2に、確定ルートとして選択されたことを通知するとともに、駅F及び駅Gに対する受け入れ要請を取り消す。
【0078】
このように構成された案内システム100によれば、移動制約者が候補として考えている複数のルートそれぞれに含まれる各駅に、移動制約者の属性情報とともに、受け入れ要請を送信し、その受け入れ要請が承認されたことを受け付けるので、候補として考えている複数のルートそれぞれが利用できるかを一挙に知ることができ、使い勝手の良いシステムを提供することができる。
【0079】
受け入れ要請部34が、ルート案内部33により案内された複数のルートのうちの移動制約者に選択されていないルートにのみ含まれる乗換駅の第2端末T2には、移動制約者の受け入れを要請しないので、利用される可能性の低い乗換駅に対する不要な要請をなくすことができる。
【0080】
ルート案内部33が、複数のルートそれぞれを選択した場合の移動時間、乗換回数、及び、料金の少なくとも一部をも案内するので、移動制約者が種々の判断材料を参照しながら、希望に沿ったルートを選択できるようになる。
【0081】
また、ルート案内部33が、移動制約者に選択された複数のルートのうち確定ルートを、第1端末T1を介して前記移動制約者に選択可能に案内するこので、選択された複数のルートうちのどのルートが利用可能であるかを、移動制約者に知らせることができ、移動制約者は、利用可能な確定ルートの中から希望のルートを選択して利用することができる。
【0082】
移動制約者が確定ルートを選択した場合に、受け入れ要請部34が、その確定ルートに含まれる乗車駅、行先駅、及び、乗換駅それぞれの第2端末T2に、確定ルートとして選択されたことを通知するとともに、確定ルート以外のルートにのみ含まれる乗換駅に対する受け入れ要請を取り消すので、受け入れてもらう駅にはそのことを通知して準備を促しつつ、受け入れが不要である駅には、受け入れが不要であることが伝わるので、不要な準備などをさせずに済む。
【0083】
移動制約者が予め入力した目的地を受け付ける受付部31を備え、乗車駅及び行先駅が、目的地まで行くために利用される駅であるので、目的地に応じた乗車駅や行先駅に案内することができ、利便性の向上を図れる。
【0084】
移動制約者の属性情報には、当該移動制約者の移動が制約される理由を示す情報が含まれているので、様々な移動制約者に資するものとなる。
【0085】
なお、上述した案内システム100において、第1端末T1は、移動制約者が操作するものであり、移動制約者に乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートを選択可能に案内するものであって、移動制約者により選択された複数のルートそれぞれに含まれる乗車駅、行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれにある第2端末T2に、移動制約者の属性を示す属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を直接又は間接的に送信する第1送信部12と、受け入れが承認された場合に、その承認されたことを直接又は間接的に受信する第1受信部13と、その承認されたことを移動制約者に報知する第1報知部14とを有するものである。
【0086】
また、第2端末T2は、移動制約者が操作する第1端末T1を介して選択可能に案内した乗車駅から行先駅までの互いに異なる複数のルートのうち、選択された複数のルートに含まれる乗車駅、行先駅、及び、1又は複数の乗換駅それぞれにあるものであって、移動制約者の属性を示す属性情報とともに、その移動制約者の受け入れ要請を受信する第2受信部21と、その受け入れが承認された場合に、その承認されたことを直接又は間接的に送信する第2送信部24とを有するものである。
【0087】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
【0088】
例えば、受け入れ要請部34としては、前記実施形態では、図5のS4において選択されたルートに含まれる駅の第2端末T2にのみ受け入れを要請していたが、ルート案内部33により案内された全てのルートに含まれる全て駅の第2端末T2に受け入れを要請しても良い。
つまり、受け入れ要請部34としては、ルート案内部33により案内された複数のルートのうちの移動制約者に選択されていないルートに含まれる乗換駅の第2端末T2に対しても、受け入れを要請するように構成されていても構わない。
このような構成であれば、例えば事故や天候変化などのトラブルにより選択したルートの移動時間に遅延が生じると予想される場合に、選択されていないルートに含まれる乗換駅にも補助的に受け入れ要請を送信してあるので、臨機応変な対応にも準備があるという安心感を得られるとともに、別のルートの再考に役立つ。
【0089】
また、サーバSは、図8に示すように、位置情報取得部35が取得した移動制約者の位置情報を取得するとともに、その位置情報に基づいて、移動制約者が乗換駅の乗換時間に間に合うか否かを判断する判断部36をさらに備えていても良い。
【0090】
上述した構成において、判断部36により移動制約者が乗換時間に間に合わないと判断された場合に、その乗換駅の第2端末T2には、受け入れ要請部34から受け入れ要請が送信されないようにしても良い。
このような構成であれば、利用可能な駅にのみ受け入れ要請をすることができ、不要な要請を減らすことができる。
【0091】
この判断部36の具体的な態様としては、例えば位置情報の示す位置から乗換駅までの距離を用いて、移動制約者により選択された複数のルートそれぞれが利用可能であるかを判断する態様を挙げることができる。この場合の判断部36としては、乗換駅までの距離と、例えば移動制約者の属性ごとに定められている移動スピードとを用いて乗換時間に間に合うかを判断しても良いし、乗換駅までの距離と、移動制約者の過去の移動履歴に基づいて、乗換時間に間に合うかを判断しても良い。
このような構成であれば、乗車駅までの距離を用いているので、それぞれのルートが利用可能であるかをより正確に判断することができる。
【0092】
さらに、上述した判断部36を備える構成においては、受け入れ要請部34から受け入れ要請がされた後、判断部36により利用不能であると判断されたルートにのみ含まれる乗換駅の第2端末T2に対しては、受け入れ要請がキャンセルされるように構成されていても良い。
このような構成であれば、移動制約者の移動中に利用することができなくなった乗換駅に対しては、受け入れ要請を自動でキャンセルすることができる。
【0093】
本発明に係る案内システム100としては、移動制約者が乗車駅で列車に乗車した場合に、そのことが乗換駅及び行先駅それぞれの第2端末T2に通知されるものであっても良い。
このような構成であれば、移動制約者が無事に乗車駅で乗車できたか否かを、その後に利用される乗換駅や行先駅に知らせることができ、それらの駅に受け入れる準備を促すことができる。
なお、移動制約者が乗車駅で列車に乗車したか否かの判断は、図4に示す位置情報取得部35が、例えばGPS、IMES、ビーコン、又はWi-Fi(登録商標)などを用いて移動制約者が所持する第1端末T1の位置を示す位置情報を取得することによりなされる態様を挙げることができる。
【0094】
また、前記実施形態で説明した各部の機能は、必ずしも1つのサーバSに備えさせる必要はなく、複数のサーバSに分散させて備えさせても良い。
【0095】
前記各実施形態で説明した各部の機能の一部は、第1端末T1又は第2端末T2に備えさせても良い。
【0096】
前記各実施形態では、第1端末T1及び第2端末T2がサーバSを介して接続されていたが、WAN等を経由して直接接続されても良い。
【0097】
その他、本願発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
100・・・案内システム
T1 ・・・第1端末
11 ・・・第1入力部
12 ・・・第1送信部
13 ・・・第1受信部
14 ・・・第1報知部
T2 ・・・第2端末
21 ・・・第2受信部
22 ・・・第2報知部
23 ・・・第2入力部
24 ・・・第2送信部
S ・・・サーバ
31 ・・・受付部
32 ・・・属性情報格納部
33 ・・・ルート案内部
34 ・・・受け入れ要請部
35 ・・・位置情報取得部
36 ・・・判断部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8