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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013661
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ガス発生器
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/274 20110101AFI20240125BHJP
   B01J 7/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B60R21/274
B01J7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115920
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004086
【氏名又は名称】日本化薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127203
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】椋木 大剛
(72)【発明者】
【氏名】深渡瀬 修
【テーマコード(参考)】
3D054
4G068
【Fターム(参考)】
3D054DD04
3D054FF13
4G068DA03
4G068DA08
4G068DB26
4G068DD11
(57)【要約】
【課題】従来よりも、点火器の出力損失を低減することできるとともに小型軽量化が可能なガス発生器を提供する。
【解決手段】ガス発生器100は、ガス収容器10と、管状部材30と、点火器40とを備えている。管状部材30は、略L字状に湾曲する部材であって、略L字状の通路31を内部に有する。管状部材30は、口13に一端部が隣設され、他端部に点火器40が設けられ、当該一端部と当該他端部との間には、通路31内にピストンを構成するピストン本体部32および先鋭部33が配設されている。ピストン本体部32のうち少なくとも点火器40側の端部32aは、初期状態において通路31を閉塞する閉塞部材として機能するものであって、ピストン本体部32と一体化している。端部32aは、作動時には、ピストン本体部32とともに、口13側にスライド移動し、先鋭部33を封止部14に衝突させ、封止部14を破断させ、口13からガスを排出させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ガスが充填される、口を有するガス収容器と、
前記ガス収容器の口を封止する封止部と、
前記封止部を開放する原動力となる爆風を発生させる点火器と、
前記点火器の爆風によって前記ガス収容器の口に向かって移動し、前記封止部を破断させて開放するピストンと、
略L字状の通路を内部に有し、前記ガス収容器の口に一端部が隣設され、他端部に前記点火器が設けられ、前記一端部と前記他端部との間の前記通路内に前記ピストンが配設されており、前記点火器の爆風を前記ピストンへと導く略L字状の管状部材と、
を備え、
前記ピストンは、
ピストン本体部と、
前記ピストン本体部の前記封止部側の端部に設けられているとともに前記ガス収容器の口に隣設され、前記ガス収容器の口を破断可能な先鋭部と、
前記ピストン本体部の前記点火器側の端部に設けられているとともに前記点火器に隣設され、初期状態において前記通路を閉塞する閉塞部材と、
を有していることを特徴とするガス発生器。
【請求項2】
前記ピストン本体部および前記閉塞部材は、硬質ウレタンフォームからなり、
前記閉塞部材は、前記ピストン本体部と一体化しているものであることを特徴とする請求項1に記載のガス発生器。
【請求項3】
前記ピストン本体部は、ばねからなり、
前記閉塞部材は、前記ばねの前記点火器側の端部に固設された円盤状部材であることを特徴とする請求項1に記載のガス発生器。
【請求項4】
一端部が前記ガス収容器の口の先に接続され、他端部に前記ガス収容器の口が破断した場合にガスを噴出するガス噴出口を有する略L字状の筒状部材をさらに備え、
前記管状部材のうち少なくとも前記点火器が設けられている部分が、前記筒状部材の一端部側の側周面から突出するように前記筒状部材に設けられ、かつ、前記管状部材のうち前記筒状部材の一端部側の側周面から突出している部分以外の部分が、前記ガス収容器の口から前記ガス噴出口までガスが通過できる空間を有した状態で前記筒状部材の内部に配設されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のガス発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される乗員保護装置としてのガス発生器に関する。特に、ボトル内のガスを噴射するガス発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス発生器としては、たとえば、下記特許文献1において、高圧ガスが充填される、口を有するボトルと、該ボトルの口を封止する封止板と、該封止板を破る原動力となる爆風を発生させるイニシエータと、該イニシエータの爆風によって加速され前記封止板を打ち破るピストンと、を具備するインフレータであって、さらに、前記イニシエータの爆風を前記ピストンへと導く湾曲した通路を具備することを特徴とするものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-211346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に代表されるガス発生器については、点火器で発生する爆風によってピストンを動作させる場合について、出力損失を低減することが求められている。その理由としては、当該出力損失を低減できるのであれば、たとえば、さらに点火器の出力を小さいものとしても従来と同様の作用効果を奏することができるので、点火器を小型軽量化でき、引いては、ガス発生器自体の小型軽量化が可能となるためである。
【0005】
そこで、本発明は、従来よりも、点火器の出力損失を低減することできるとともに小型軽量化が可能なガス発生器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明のガス発生器は、高圧ガスが充填される、口を有するガス収容器と、前記ガス収容器の口を封止する封止部と、前記封止部を開放する原動力となる爆風を発生させる点火器と、前記点火器の爆風によって前記ガス収容器の口に向かって移動し、前記封止部を破断させて開放するピストンと、略L字状の通路を内部に有し、前記ガス収容器の口に一端部が隣設され、他端部に前記点火器が設けられ、前記一端部と前記他端部との間の前記通路内に前記ピストンが配設されており、前記点火器の爆風を前記ピストンへと導く略L字状の管状部材と、を備え、前記ピストンは、ピストン本体部と、前記ピストン本体部の前記封止部側の端部に設けられているとともに前記ガス収容器の口に隣設され、前記ガス収容器の口を破断可能な先鋭部と、前記ピストン本体部の前記点火器側の端部に設けられているとともに前記点火器に隣設され、初期状態において前記通路を閉塞する閉塞部材と、を有していることを特徴とする。
【0007】
(2) 上記(1)のガス発生器において、前記ピストン本体部および前記閉塞部材は、硬質ウレタンフォームからなり、前記閉塞部材は、前記ピストン本体部と一体化しているものであることが好ましい。
【0008】
(3) 上記(1)のガス発生器において、前記ピストン本体部は、ばねからなり、前記閉塞部材は、前記ばねの前記点火器側の端部に固設された円盤状部材であってもよい。
【0009】
(4) 上記(1)~(3)のガス発生器においては、一端部が前記ガス収容器の口の先に接続され、他端部に前記ガス収容器の口が破断した場合にガスを噴出するガス噴出口を有する略L字状の筒状部材をさらに備え、前記管状部材のうち少なくとも前記点火器が設けられている部分が、前記筒状部材の一端部側の側周面から突出するように前記筒状部材に設けられ、かつ、前記管状部材のうち前記筒状部材の一端部側の側周面から突出している部分以外の部分が、前記ガス収容器の口から前記ガス噴出口までガスが通過できる空間を有した状態で、前記筒状部材の内部に配設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来よりも、点火器の出力損失を低減することできるとともに小型軽量化が可能なガス発生器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)が本発明の実施形態に係るガス発生器の斜視概略図であって、(b)が(a)のガス発生器の筒状部材からガス収容器を取り外した状態を示す一部透視図である。
図2図1のガス発生器の動作を説明するための図であって、(a)が初期状態、(b)が作動途中を示す一部断面概略図である。
図3図1のガス発生器のピストンの構成を示す概略図である。
図4図1のガス発生器の変形例に係るガス発生器の動作を説明するための図であって、(a)が初期状態、(b)が作動途中を示す一部断面概略図である。
図5図4のガス発生器のピストンの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図3を参照して、本発明の実施形態に係るガス発生器100について説明する。
【0013】
ガス発生器100は、図1に示したように、ガス収容器10と、筒状部材20と、管状部材30と、点火器40と、を備えている。
【0014】
ガス収容器10は、金属(鉄、鋼など)製の円筒状をしたボトル11であって、一端部には雄ねじ部12が形成されている。雄ねじ部12の先端部には、封止部14によって封止された口13が形成されている。封止部14は、たとえば、金属製の円盤状をした封止板(厚みの一例として、鋼板であれば0.2mm~0.4mm)などであって、口13に溶接等によって取り付けられる。なお、ガス収容器10の内部には、不活性ガス等が高圧充填される。
【0015】
筒状部材20は、一端部がガス収容器10の口13の先に接続可能な第1管状部21と、第1管状部21の他端部において略直角に設けられた第2管状部22とを有した金属製または樹脂(繊維強化プラスチックなどの複合材料を含む)製の略L字状の部材である。また、筒状部材20の内部には、第1管状部21の内部と第2管状部22の内部とを連通するように、外形に沿って形成された略L字状の通路23が設けられている。第1管状部21の一端部の内壁には、雌ねじ部24が形成されており、ガス収容器10の雄ねじ部12が螺合可能となっている。また、第2管状部22の第1管状部21と反対側の端部には、ガスが噴出するガス噴出口25が形成されており、たとえば、エアバッグ(図示せず)内にガスを供給可能となっている。
【0016】
管状部材30は、略L字状に湾曲するように形成された管状の金属製または樹脂(繊維強化プラスチックなどの複合材料を含む)製の部材であって、外形に沿った略L字状の通路31を内部に有している。また、管状部材30は、ガス収容器10の口13に一端部が隣設され、他端部に点火器40が設けられ、当該一端部と当該他端部との間には、通路31内にピストンを構成するピストン本体部32および先鋭部33が配設されている。ピストン本体部32は、通路31の形状に倣って変形可能な材料(たとえば硬質ポリウレタンフォームなど)からなるものである。ピストン本体部32のうち少なくとも点火器40側の端部32aは、初期状態において通路31を閉塞する閉塞部材として機能するものであって、ピストン本体部32と一体化している。また、端部32aは、作動時には、ピストン本体部32とともに、通路31に沿ってガス収容器10の口13側にスライド移動する。先鋭部33は、図3(a)に示したように、座部33aと、座部33aの略中央部から突出するように形成された軸部33bと、軸部の先端部に設けられた尖角部33cと、を備えている。座部33aと、ピストン本体部32の口13側の端部とは、固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0017】
また、管状部材30のうち少なくとも点火器40が設けられている部分が、筒状部材20の一端部側(第1管状部21)の側周面から突出するように筒状部材20に設けられている。また、管状部材30のうち、筒状部材20の側周面から突出している部分以外の部分が、ガス収容器10の口13からガス噴出口25までガスが通過できる空間を有した状態(たとえば、管状部材30の外径が筒状部材20の通路23の径よりも小さく、管状部材30の外周壁と筒状部材20の内周壁との間に、ガスが通過できる隙間があるような状態)で、筒状部材20の内部に配設されている。
【0018】
点火器40は、一対の端子ピン41を挿通かつ保持する基枠(図示せず)と、基枠上に取付けられたスクイブカップ42(カップ状部材)とを備えており、スクイブカップ42内に挿入された端子ピン41の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むように又はこの抵抗体に接するようにスクイブカップ42内に点火薬が充填されている。抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。なお、スクイブカップ42内には、点火薬だけでなくさらに伝火薬を充填してもよいが、点火薬と同時に配置され得る伝火薬としては、ホウ素/硝酸カリウム等に代表される金属/酸化剤からなる組成物、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、又は、ホウ素/5-アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物等が用いられる。また、スクイブカップ42は、一般に金属製又は樹脂製である。
【0019】
点火器40は、作動時において、後述する衝突検知手段からの信号を伝達するコネクタ(図示せず)に接続された端子ピン41を介して、上記抵抗体に所定量の電流が流れる。この抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、この熱を受けて点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップ42の管状部材30側の端部(管状部材30の内部と接続されている部分)を破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には2ミリ秒以下である。
【0020】
次に、以上において説明したガス発生器100の作動時における動作について説明する。たとえば、本実施形態におけるガス発生器100が組み込まれたエアバッグ装置(図示せず)が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器40が作動する。点火器40が作動すると、点火薬の燃焼によって点火器40内の圧力が上昇し、これによって点火器40のスクイブカップ42先端が破裂し、火炎(爆風)が点火器40のスクイブカップ42先端から管状部材30の通路31内へと流出する。
【0021】
このようにして点火器40が作動した際に発生した火炎(爆風)は、通路31を介してピストン本体部32(ピストン)の端部32aへと導かれる。そして、図2(b)に示したように、図2(a)の初期状態から、上記火炎(爆風)によって、ピストン本体部32および先鋭部33を通路31に沿って口13の方向へ移動させる。このとき、先鋭部33の尖角部33c先端部が封止部14へ勢いよく衝突するので、封止部14が破断し、ガス収容器10の口13が開放される。その後、ガス収容器10の口13から排出されたガスが、筒状部材20内の通路23およびガス噴出口25を介して、外部(たとえばエアバッグ内)に噴出する。
【0022】
本実施形態によれば、従来よりも、点火器40が発生する火炎(爆風)をピストン本体部32が直接受けることによって、先鋭部33の推進力として効率よく利用できるので、点火器40の出力損失を従来よりも低減することできる。すなわち、従来よりも小出力の点火器40で、従来と同性能のガス発生器100とすることが可能であることから、従来と同性能のガス発生器100でありながら、従来よりも小型軽量化することが可能である。
【0023】
また、管状部材30の通路31が略L字形状に湾曲した形状となっているが、内部のピストン本体部32を、通路31の形状に倣って変形可能な硬質ポリウレタンフォーム(たとえば、硬度(硬さ)が、ショア硬度でA30以上(好ましくはA50~A70)のもの)で形成している。そのため、ピストン本体部32は、当該形状に倣ってスムーズにスライド移動可能となっている。その結果として、点火器40の出力損失をより低減することできる。なお、ピストン本体部32を硬質ポリウレタンフォームで形成している場合、端部32aに耐熱性のある材料(たとえば金属製など)からなる円盤状部材を設けてもよい。
【0024】
また、筒状部材20を略L字型形状としているので、ガス発生器100の長手方向について、筒状部材20を直線形状(単なる筒形状)とした場合よりも短いものとすることができる。したがって、筒状部材20を直線形状(単なる筒形状)とした場合よりも、ガス発生器100を小型軽量化することが可能である。
【0025】
<変形例>
以下、図4図5を参照して、本発明の変形例に係るガス発生器について説明する。なお、図4は、上記実施形態のガス発生器100の変形例に係るガス発生器の動作を説明するための図であって、(a)が初期状態、(b)が作動途中を示す一部断面概略図である。また、図4におけるガス発生器は、変形例に係る要部のみを示しており、示していない部分については、上記実施形態と同様のものであるので、説明および図示を省略する場合がある。また、特に説明しない限り、上記実施形態と機能が同様の部位には、下二桁が同じ符号を用いて、説明を省略することがある。
【0026】
本実施形態のガス発生器は、(1)ピストン本体部132が、ばねとなっている点、(2)ピストン本体部132の端部には、円盤状の閉塞部材132a(たとえば、金属製または硬質ポリウレタンフォーム製)が設けられている点で、主に第1実施形態と異なっている。
【0027】
ピストン本体部132は、図4および図5に示したように、らせん状に巻き回して形成された巻きばねである。この巻きばねは、管状部材130の通路131内に設けられた際、形状が崩れてしまわない程度(少なくとも図4(a)の形状を保持できる程度のもの)のばね定数を有したものである。また、ピストン本体部132の点火器140側の端部には、初期状態において、管状部材130の通路131を閉塞するように、閉塞部材132aが設けられている。この閉塞部材132aは、作動時における点火器140の爆風によって、ピストン本体部132側にスライド移動可能なものとなっている。また、座部133aと、ピストン本体部132の口113側の端部とは、固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。また、ピストン本体部132の点火器140側の端部と、閉塞部材132aとは、固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。なお、本変形例では巻きばねとしているが、巻きばねと同様の機能が担保できるのであれば、その他のばね部材、弾性体などでもよい。
【0028】
次に、以上において説明した本変形例に係るガス発生器の作動時における動作について説明する。たとえば、本変形例に係るガス発生器が組み込まれたエアバッグ装置(図示せず)が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器140が作動する。点火器140が作動すると、点火薬の燃焼によって点火器140内の圧力が上昇し、これによって点火器140のスクイブカップ142先端が破裂し、火炎(爆風)が点火器140のスクイブカップ142先端から管状部材130の通路131内へと流出する。
【0029】
このようにして点火器140が作動した際に発生した火炎(爆風)は、通路131を介して閉塞部材132aへと導かれる。そして、図4(b)に示したように、図4(a)の初期状態から、上記火炎(爆風)によって、閉塞部材132aを通路131に沿って口113の方向へスライド移動させ、ピストン本体部132および先鋭部133を押すことにより、ピストン本体部132および先鋭部133を通路131に沿って口113の方向へ移動させる。このとき、先鋭部133の尖角部133c先端部が封止部114へ勢いよく衝突するので、封止部114が破断し、ガス収容器110の口113が開放される。その後、上記実施形態と同様、ガス収容器110の口113から排出されたガスが、筒状部材(図示せず)内の通路(図示せず)およびガス噴出口(図示せず)を介して、外部(たとえばエアバッグ内)に噴出する。
【0030】
本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0032】
10、110 ガス収容器
11、111 ボトル
12 雄ねじ部
13、113 口
14、114 封止部
20 筒状部材
21 第1管状部
22 第2管状部
23、31、131 通路
24 雌ねじ部
25 ガス噴出口
30、130 管状部材
32、132 ピストン本体部
32a 端部
33、133 先鋭部
33a、133a 座部
33b、133b 軸部
33c、133c 尖角部
40、140 点火器
41、141 端子ピン
42、142 スクイブカップ
100 ガス発生器
132a 閉塞部材
図1
図2
図3
図4
図5