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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136640
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】評価支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
   G06Q 10/0639 20230101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047808
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 知博
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報を容易に作成できるようにする技術を提供する。
【解決手段】コンピュータが、前記複数の児童を撮影した画像から、評価の対象となる対象児童の画像を抽出し、抽出された前記対象児童の複数の画像から、予め定めた評価観点別に評価用の画像を選択し、評価観点別に選択された評価用の画像を評価者に提示し、前記評価者により入力される付加情報を受け付け、前記評価観点と前記評価用の画像と前記付加情報とを関連付けた前記対象児童の評価情報を記憶装置に記録する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報の作成を支援する評価支援システムであって、
前記複数の児童を撮影した画像から、評価の対象となる対象児童の画像を抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部により抽出された前記対象児童の複数の画像から、予め定めた評価観点別に評価用の画像を選択する画像選択部と、
前記画像選択部によって評価観点別に選択された評価用の画像を評価者に提示して、前記評価者により入力される付加情報を受け付ける入力受付部と、
前記評価観点と前記評価用の画像と前記付加情報とを関連付けた前記対象児童の評価情報を記憶する評価情報記憶部と、
を有する評価支援システム。
【請求項2】
前記画像抽出部は、前記対象児童の画像として、前記対象児童が他の者と共に写っている画像を抽出する、
請求項1に記載の評価支援システム。
【請求項3】
前記評価観点は、集団生活における前記対象児童の他の者との関わり方に関する観点及び集団生活における前記対象児童の行動に関する観点のうち少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の評価支援システム。
【請求項4】
受験を行う受験児童の情報提供の要求を受け付けると、前記受験児童の評価情報の提供可否を判断する情報要求処理部と、
前記受験児童の評価情報の提供が可能である場合に、前記受験児童の受験先となる機関に対して前記受験児童の評価情報を提供する情報提供部と、
をさらに有する、請求項1~3のいずれかに記載の評価支援システム。
【請求項5】
前記情報要求処理部は、前記受験児童の保護者によって設定された提供条件に基づいて前記受験児童の評価情報の提供の可否を判断し、
前記受験児童の評価情報が前記提供条件に合致しない情報を含むと判断された場合に、前記情報提供部は、前記受験児童の評価情報のうち前記提供条件に合致しない情報にマスキングを行い、マスキングされた前記評価情報を前記受験先となる機関に提供する、
請求項4に記載の評価支援システム。
【請求項6】
付加情報の入力候補を提示することにより前記評価者による付加情報の入力を支援する評価入力部をさらに有する、
請求項1に記載の評価支援システム。
【請求項7】
前記評価入力部は、前記対象児童の環境条件に応じて前記入力候補を切り替える、
請求項6に記載の評価支援システム。
【請求項8】
複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報の作成を支援する評価支援方法であって、
コンピュータが、
前記複数の児童を撮影した画像から、評価の対象となる対象児童の画像を抽出し、
抽出された前記対象児童の複数の画像から、予め定めた評価観点別に評価用の画像を選択し、
評価観点別に選択された評価用の画像を評価者に提示し、
前記評価者により入力される付加情報を受け付け、
前記評価観点と前記評価用の画像と前記付加情報とを関連付けた前記対象児童の評価情報を記憶装置に記録する、
評価支援方法。
【請求項9】
前記複数の児童を撮影した画像から、評価の対象となる対象児童の画像を抽出するステップと、
抽出された前記対象児童の複数の画像から、予め定めた評価観点別に評価用の画像を選択するステップと、
評価観点別に選択された評価用の画像を評価者に提示するステップと、
前記評価者により入力される付加情報を受け付けるステップと、
前記評価観点と前記評価用の画像と前記付加情報とを関連付けた前記対象児童の評価情報を記憶装置に記録するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、児童の評価情報の作成や活用を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、保育現場では、保育士不足や業務の煩雑化などが深刻な問題となっており、このような課題をIT技術の導入により解決しようとする試みがなされている。例えば、特許文献1では、園内に設置したカメラで撮影された画像を整理し、画像に対しタグやコメントを付す機能や、そのデータを利用して保育日誌や保護者への連絡帳を作成する機能などを有するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、新たなデータ利活用として、園内に設置したカメラで撮影した画像を児童個別の評価に役立てるという着想を得た。例えば、小学校受験においては、学力や能力といった側面よりも、児童の行動・性格・嗜好・ふるまいなどが重視される傾向にある。とはいえ、学校側は、一度の面接の中で児童の性格や嗜好などを正しく評価することは難しい。また、低年齢の児童の場合、自分の性格や嗜好をアピールしたり表現したりすることはそもそも難しいし、面接の練習のような受験対策を行っていると、その児童の本当の姿が面接で表れないという問題もある。
【0005】
この点、特許文献1のようなシステムで収集されるデータは、児童の日頃の様子の記録であるため、児童の性格や嗜好などを客観的に評価できる材料となり得る。しかしながら、日々蓄積される膨大なデータをそのまま学校に提供するだけでは、データの活用が難しい。他方、データを活用しやすくするために、特許文献1のシステムの機能を使って、保育士が画像の整理やタグ付け・コメント付けを行うとなると、膨大な労力と時間がかかるため、現実的な運用が難しい。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報を容易に作成できるようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報の作成を支援する評価支援システムであって、前記複数の児童を撮影した画像から、評価の対象となる対象児童の画像を抽出する画像抽出部と、前記画像抽出部により抽出された前記対象児童の複数の画像から、予め定めた評価観点別に評価用の画像を選択する画像選択部と、前記画像選択部によって評価観点別に選択された評価用の画像を評価者に提示して、前記評価者により入力される付加情報を受け付ける入力受付部と、前記評価観点と前記評価用の画像と前記付加情報とを関連付けた前記対象児童の評価情報を記憶する評価情報記憶部と、を有する評価支援システムを含む。
【0008】
前記画像抽出部は、前記対象児童の画像として、前記対象児童が他の者と共に写っている画像を抽出してもよい。
【0009】
前記評価観点は、集団生活における前記対象児童の他の者との関わり方に関する観点及び集団生活における前記対象児童の行動に関する観点のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0010】
受験を行う受験児童の情報提供の要求を受け付けると、前記受験児童の評価情報の提供可否を判断する情報要求処理部と、前記受験児童の評価情報の提供が可能である場合に、前記受験児童の受験先となる機関に対して前記受験児童の評価情報を提供する情報提供部と、をさらに有してもよい。
【0011】
前記情報要求処理部は、前記受験児童の保護者によって設定された提供条件に基づいて前記受験児童の評価情報の提供の可否を判断し、前記受験児童の評価情報が前記提供条件に合致しない情報を含むと判断された場合に、前記情報提供部は、前記受験児童の評価情報のうち前記提供条件に合致しない情報にマスキングを行い、マスキングされた前記評価情報を前記受験先となる機関に提供してもよい。
【0012】
付加情報の入力候補を提示することにより前記評価者による付加情報の入力を支援する評価入力部をさらに有してもよい。
【0013】
前記評価入力部は、前記対象児童の環境条件に応じて前記入力候補を切り替えてもよい。
【0014】
本発明は、複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報の作成を支援する評価支援方法であって、コンピュータが、前記複数の児童を撮影した画像から、評価の対象となる対象児童の画像を抽出し、抽出された前記対象児童の複数の画像から、予め定めた評価観点別に評価用の画像を選択し、評価観点別に選択された評価用の画像を評価者に提示し、前記評価者により入力される付加情報を受け付け、前記評価観点と前記評価用の画像と前記付加情報とを関連付けた前記対象児童の評価情報を記憶装置に記録する、評価支援方法を含む。
【0015】
本発明は、前記複数の児童を撮影した画像から、評価の対象となる対象児童の画像を抽出するステップと、抽出された前記対象児童の複数の画像から、予め定めた評価観点別に評価用の画像を選択するステップと、評価観点別に選択された評価用の画像を評価者に提示するステップと、前記評価者により入力される付加情報を受け付けるステップと、前記評価観点と前記評価用の画像と前記付加情報とを関連付けた前記対象児童の評価情報を記憶装置に記録するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
【0016】
本発明は、上記構成や後述する構成の少なくとも一部を有する評価支援システム、評価情報生成システム、評価情報提供システム、評価システムとして捉えることができる。また、本発明は、上記処理や後述する処理の少なくとも一部を有する評価支援方法、評価情報生成方法、評価情報提供方法、評価方法として捉えてもよい。また、本発明は、コンピュータをこれらのシステムとして機能させるプログラムや、コンピュータにこれらの方法を実行させるためのプログラム、あるいは、そのようなプログラムを非一時的に記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体として捉えてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報を容易に作成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は評価支援システムの概略を示す図である。
図2図2は評価支援システムの論理構成を示すブロック図である。
図3図3は評価情報の作成処理の流れを示す図である。
図4図4はある対象児童の評価情報を作成する流れを模式的に示す図である。
図5図5は評価入力画面の例である。
図6図6は評価情報の提供処理の流れを示す図である。
図7図7は第2実施形態の評価入力画面の例である。
図8図8は環境条件による入力候補の切り替え処理の流れを示す図である。
図9図9は第3実施形態の評価情報の提供処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、複数の児童が在籍する施設において、各児童の評価情報の作成を支援する評価支援システムに関する。この評価支援システムは、施設内での日頃の集団生活における各児童のふるまいを無作為に記録し、客観的な評価情報の作成を容易化するための仕組みを提供する。評価支援システムにより作成される評価情報は、例えば、児童が進学、転園、転校、就職する際などに内申書(調査書)として受験先に提供したり、当該施設において各児童の指導教育方針を検討する際の参考資料として利用したりするなど、さまざまな活用が想定される。
【0020】
「児童」は一般的に18歳未満の者を指し、「複数の児童が在籍する施設」には、例えば、幼稚園・保育園・認定こども園などの児童施設、小学校、中学校、高等学校、養護施設、放課後児童クラブ、学習塾などが挙げられる。なかでも、評価支援システムは、未就学児から小学生程度の低年齢の児童の評価に好ましく適用することができる。その理由は、例えば、幼稚園受験や小学校受験のように、低年齢の児童を対象とする選考では、学力や能力よりも、児童の日常的なふるまいや嗜好などが重視されるからである。
【0021】
<第1実施形態>
以下では、評価支援システムを保育園に導入し、園児の評価情報を小学校受験に活用するというユースケースを例に挙げて、本発明の好ましい一実施形態を説明する。
【0022】
(システム構成)
図1は、評価支援システム1の概略を示す図である。
【0023】
評価支援システム1は、情報処理装置10と、監視カメラ11と、端末12とを備える。なお、説明の便宜のため、監視カメラ11と端末12を1台ずつしか示していないが、監視カメラ11や端末12を複数台設けてもよい。例えば、園舎の各部屋と園庭にそれぞれ監視カメラ11を設置し、保育士や職員に一人一台の端末12を持たせることも可能である。
【0024】
情報処理装置10は、画像処理や各種情報処理を担うコンピュータである。例えば、情報処理装置10は、プロセッサ(CPU)、メモリ、ストレージ、通信装置などを備える汎用のコンピュータにより構成可能であり、後述する情報処理装置10の機能は、ストレージからメモリに展開されたプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。情報処理装置10は、ローカル(保育園内)に設置されるコンピュータでもよいし、インターネット上(クラウド)に設置されるコンピュータでもよい。また、情報処理装置10は、一台のコンピュータで構成してもよいし、分散コンピューティングのように複数台のコンピュータの協働により構成してもよいし、クラウドコンピューティングのように動的に割り当てられるリソースであってもよい。あるいは、情報処理装置10の提供する機能の一部ないし全部を、FPGAやASICなどの回路、又は、専用のハードウェアにより構成してもよい。
【0025】
監視カメラ11は、園内で集団生活を行う児童らを常時(ないし継続的)に撮影するための撮像装置である。監視カメラ11の画像データ(動画でもよいし静止画でもよい)は、情報処理装置10に取り込まれる。情報処理装置10がローカルに設置されている場合は、監視カメラ11と情報処理装置10の間は有線又は無線(Wi-Fiなど)により接続されるとよく、情報処理装置10がインターネット上に存在する場合は、監視カメラ11としてネットワークカメラを利用し、監視カメラ11の画像データをインターネットを介して情報処理装置10に転送するとよい。
【0026】
端末12は、保育士や職員が利用する持ち運び可能なコンピュータである。例えば、端末12は、プロセッサ(CPU)、メモリ、ストレージ、表示装置、入力装置、通信装置などを備える汎用のコンピュータにより構成可能であり、後述する端末12の機能は、ストレージからメモリに展開されたプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。典型的にはタブレット端末やスマートフォンを端末12として利用することが好ましいが、それに限らず、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、フューチャーフォン、スマートウォッチ、スマートグラスなどを端末12として利用してもよい。端末12がカメラを内蔵する場合は、端末12の内蔵カメラを監視カメラ11と同じ用途(すなわち、園内で行動する児童らを撮影する目的)で用いてもよい。
【0027】
(評価支援システムの機能)
図2は、評価支援システム1の論理構成を示すブロック図である。
【0028】
情報処理装置10は、主な機能として、画像取込部100、画像抽出部101、画像選択部102、入力受付部103、記憶部104、情報要求処理部105、情報提供部106を有する。また、端末12は、主な機能として、評価入力部120を有する。本実施形態では、タブレット端末又はスマートフォンに評価入力アプリをインストールすることにより、端末12の評価入力部120が実現される。情報処理装置10及び端末12の機能の詳細は後述する。
【0029】
図2に示す外部装置2は、評価支援システム1が提供する評価情報提供サービスをインターネットを介して利用するコンピュータシステムである。例えば、外部装置2は、児童の受験先となる機関(小学校や、小学校から委託を受けた業者など)に設置されているシステムなどが想定される。外部装置2は、インターネットを介して評価支援システム1にアクセスし、受験児童の評価情報の閲覧や取得が可能である。
【0030】
(評価情報の作成の流れ)
図3図5を用いて、評価支援システム1による評価情報の作成処理について説明する。図3は評価情報作成処理の流れを示す図であり、図4はある対象児童の評価情報を作成する流れを模式的に示す図であり、図5は端末12に表示される評価入力画面の例である。
【0031】
ステップS30において、画像取込部100が、監視カメラ11から画像データを取り込む。この画像データは保育園内で行動する児童らを撮影した画像(動画像又は静止画像)であり、友達と遊んだり話したりする姿、一人遊びをする姿、食事や片付けなどを行う様子、保育士や保護者と接したときの様子、笑ったり泣いたり他の児童と衝突したりする様子など、日頃の集団生活における自然なふるまいが無作為に撮影されている。取り込まれた画像データは記憶部104に格納される。記憶部104には、監視カメラ11以外のカメラで撮影された画像データや園外で撮影された画像データが格納されてもよい。例えば、保育士等が手持ちのカメラやスマートフォンで撮影した画像データ、通園バスや通学バスに設置された車載カメラにより撮影された画像データ、遠足等の園外活動時に撮影さ
れた画像データなど、保育園に関連する場所又は活動のなかで児童を撮影した画像であればよい。
【0032】
ステップS31において、画像抽出部101が、記憶部104内に蓄積された画像群(すなわち、一定期間のあいだ児童らを無作為に撮影した画像群)を読み込み、それらの画像群のなかから対象児童の画像を抽出する。図4では、対象児童の画像をグレーで示している。ここで、対象児童とは、評価の対象(評価情報を作成する対象)となる児童をいう。保育園に在籍する児童全員を対象児童としてもよいし、保護者から希望のあった児童や受験先の学校から要請を受けた児童のように特定の児童のみを対象児童としてもよい。対象児童が複数の場合は、ステップS31以降の処理は対象児童ごとに実行する。本実施形態では、説明を簡単にするため、対象児童が一人であるケースを例にとり説明を続ける。
【0033】
対象児童の画像を抽出する処理には、公知の顔認識技術を利用すればよい。例えば、予め与えられた対象児童の顔画像を教師データとして機械学習した学習済みモデルを用いて、対象児童の顔を含む画像の検出が可能である。記憶部104内に蓄積された画像が動画像である場合には、フレーム毎に検出処理を行えばよい。機械学習には、ディープラーニング、サポートベクターマシンなど、いかなる学習アルゴリズムを用いてもよい。
【0034】
画像抽出部101によって抽出された対象児童の画像群は、記憶部104に格納される。対象児童の日頃の行動やふるまいを網羅的に観察することが目的に適うため、ここでは、季節、曜日、時間帯、場所、構図、シーンなどが異なる、バリエーションに富んだ多数の画像が抽出されることが望ましい。ただし、抽出した画像の数ないしデータ量が過剰である場合は、画像抽出部101が、類似する画像を削除する処理や、画像の一部をクロップする処理を行ってもよい。
【0035】
ステップS32において、画像選択部102が、画像抽出部101により抽出された対象児童の複数の画像から評価用画像を選択する。評価用画像とは、対象児童の評価に用いる画像(対象児童に評価を付すときの参考ないし根拠とする画像)である。評価観点が異なれば、評価するのに適した画像も異なり得る。したがって、画像選択部102は、予め定めた評価観点別に評価用画像を選択する。図4は、3つの評価観点のそれぞれについて1枚以上の評価用画像を選択した例を示す。なお、同じ画像が複数の評価観点の評価用画像として選択されることを許容してもよい。
【0036】
評価観点とは、画像から把握される対象児童の性質・性格・キャラクター・特徴などに関わる事項をいう。例えば、集団生活における他の者(他の児童、保育士、職員、保護者など)との関わり方に関する評価観点としては、どのようなグループないし人数で遊ぶか、他の児童にやさしく接することができているか、暴力をふるったりふるわれたりしていないか、相手によって行動に違いがあるか・・・などを挙げることができる。また、集団生活における対象児童の行動に関する観点としては、グループで遊ぶのと一人遊びのどちらが多いか、外遊びと室内遊びのどちらが多いか、よくやる遊びの種類、興味関心の高いアクティビティ、グループの中での役割・・・などを挙げることができる。これらの評価観点のいずれを任意に組み合わせて用いてもよいし、ここで例示した以外の評価観点を組み合わせてもよい。
【0037】
ところで、集団生活における他の者との関わり方や集団生活における行動を画像から把握することを考えたとき、ステップS31で抽出される対象児童の画像には、対象児童だけでなく、他の者(他の児童、保育士、職員、保護者など)が一緒に写っている画像ができるだけ含まれていることが好ましい。言い換えると、画像抽出部101は、ステップS31の処理において、対象児童が他の者と共に写っている画像を優先的に抽出することが好ましい。このような画像を評価に用いることにより、集団生活における対象児童のふる
まいや行動を正しく評価できると期待できる。
【0038】
評価用画像を選択する処理には、公知のクラス分類手法を利用すればよい。例えば、評価観点別に用意した多数のサンプル画像を教師データとして機械学習した多クラス分類器を用いて、入力画像の評価観点(クラス)ごとのスコア(確率、尤度ともいう)を計算し、スコアが最も高い評価観点(クラス)に入力画像を分類してもよい。あるいは、評価観点ごとの2クラス分類器を用いてもよい。例えば、評価観点1用の2クラス分類器であれば、評価観点1の評価に適した画像と適さない画像をそれぞれ教師データとして用意し機械学習を行う。このような2クラス分類器を用いれば、対象児童の画像群から評価観点1の評価に適した評価用画像を選び出すことが可能となる。機械学習には、ディープラーニング、サポートベクターマシンなど、いかなる学習アルゴリズムを用いてもよい。
【0039】
画像選択部102は、選択した評価用画像に対し、評価観点を表すタグを紐付ける。なお、多クラス分類の結果において、スコアの最大値が所定の下限値を下回る場合や、評価観点ごとのスコアにほとんど差がない場合には、分類結果の信頼性が低いとみなし、当該画像を削除してもよいし、又は、当該画像を「自動でタグ付けすることが困難な画像」に分類し、後から手動でタグ付けを行うようにしてもよい。あるいは、評価情報として残す画像の上限数が決まっている場合には、評価観点ごとに、スコアが上位の画像のみを残すようにしてもよい。また、一つの画像に対し複数のタグを紐付ける(つまり、一つの画像が複数の評価観点のクラスに属する)ことを許容してもよい。
【0040】
ここまでのステップS30~S32の処理は、情報処理装置10によって自動的かつ適時に実行される。これにより、記憶部104の中に、評価観点別に分類された(つまり、評価観点のタグ付けがされた)対象児童の評価用画像が蓄積されていく。
【0041】
続いて、評価者による付加情報(コメント)の入力が行われる(ステップS33)。付加情報の入力は、端末12の評価入力アプリを利用して行う。評価者は、対象児童に日常的に接している者(例えば、担任の保育士など)が好ましい。付加情報は複数名の評価者により入力されてもよいし、複数名の評価者による合議の結果が入力されてもよい。
【0042】
評価者が端末12において評価入力アプリを起動すると、評価入力部120が端末12に評価入力画面を表示する。図5に、端末12に表示される評価入力画面の例を示す。評価者が、評価入力画面の児童指定欄50に対象児童の氏名やIDなどを入力すると、その情報が評価入力部120から情報処理装置10の入力受付部103に送られる。入力受付部103は、記憶部104から対象児童の評価用画像を取り込み、端末12に送信する。評価入力画面には評価観点51と評価用画像52とが対応付けられて表示される。評価者は、評価入力画面において、表示する画像52を別の画像に切り替えたり、画像の拡大/縮小/回転を行ったりする操作が可能である。複数の画像を並べて表示・閲覧できるようにしてもよい。また、評価者は、評価入力画面において、表示する評価観点51を切り替えることができる。評価観点51を変更する操作が行われると、評価入力部120は、変更後の評価観点51に対応する評価用画像に表示を切り替える。
【0043】
評価者は、この評価入力画面を利用し、対象児童の評価用画像に対し付加情報(コメント)53を入力することができる。付加情報には、任意の自由文を入力可能である。例えば、評価者は、画像を説明ないし補完する情報、対象児童に対する評価、対象児童の性質・性格・キャラクター・特徴などに関するコメント、などを自由に記述できる。図5の例では、「〇〇くんが、友達と鬼ごっこをしているところ。〇〇くんは多人数での外遊びが大好き。」という付加情報が入力されている。なお、付加情報は、画像1つごとに入力してもよいし、複数の画像に対して入力することもできる。評価者が付加情報の入力を終え記録ボタン54を押すと、評価入力部120によって、付加情報が情報処理装置10に送
信される。
【0044】
情報処理装置10の入力受付部103は、端末12から付加情報を受け付けると(ステップS34)、評価観点のタグと画像と付加情報とを関連付け、これを対象児童の評価情報として記憶部104に登録する(ステップS35)。
【0045】
以上述べた方法によれば、保育園での対象児童の様子を画像により記録し蓄積することができる。本システムでは、監視カメラ11により自動的かつ無作為に撮影が行われるため、児童の日頃のふるまいや自然な表情・行動を記録可能である。そして、単に画像だけでなく、その画像から観察できる事柄(評価観点)や、評価者(ヒト)が入力した付加情報を画像に関連付けて一緒に記録できるため、利用価値の高い評価情報を得ることができる。
【0046】
なお、従来から、監視カメラの画像を保育や教育に利用するというシステムは提案されているが、もし従来システムで本実施形態と同様の評価情報を作成しようとするならば、画像の一枚一枚を評価者が目視で確認しながら、画像の分類や付加情報の入力を行わなければならず、膨大な労力と時間を要してしまう。近年の保育現場では、保育士不足や業務の煩雑化が問題となっているのが実情であり、児童一人一人の評価にかけられる時間には限りがある。この点、上述した本実施形態の評価支援システム1によれば、画像の撮影、対象児童の画像の抽出、評価観点ごとの評価に適した画像の選択までが自動化され、評価者は、評価観点ごとに選び出された画像をみながら付加情報(コメント)を入力するだけの作業で足りる。したがって、評価者の労力を大幅に削減することができるという利点がある。
【0047】
(評価情報の提供の流れ)
図6を用いて、評価支援システム1による評価情報の提供処理について説明する。図6は、児童の受験先からの要求にしたがい評価情報を提供するときの処理の流れを示す図である。
【0048】
まず、児童の保護者が受験先の機関(小学校など)に願書を提出する(ステップS60)。願書の提出は、願書(紙)を郵送ないし窓口に提出する方法でもよいし、インターネットを通じた電子手続による方法でもよい。願書の提出時に、保護者は、受験先が保育園から評価情報の提供を受けることに同意する旨の意思表示を行う。
【0049】
ステップS61において、受験先の外部装置2は、評価支援システム1に対し、受験児童の情報提供を要求する。この要求には、児童を特定するための情報(氏名、生年月日、性別、受験番号、児童の顔画像など)、保育園を特定するための情報(施設名、施設IDなど)などが含まれるとよい。
【0050】
ステップS62において、評価支援システム1の情報要求処理部105は、外部装置2から情報提供要求を受け付けると、当該児童の評価情報の提供可否を判断する。例えば、情報要求処理部105は、要求に含まれる児童を特定するための情報を検索条件として、記憶部104内を検索し、当該児童の評価情報が存在しているか否かを確認する。このとき、同姓同名の児童が存在する可能性を考慮し、顔画像を用いて児童の一致性をチェックしてもよい。また、情報要求処理部105は、当該児童の保護者が評価情報の外部提供に同意しているか否かも確認する(この同意は、例えば、入園時や受験時など、適宜のタイミングで保護者から取得しておくものとする。)。そして、当該児童の評価情報が存在し、かつ、保護者の同意が確認できた場合に、評価情報の提供「可」と判断する。
【0051】
評価情報の提供が可能である場合、評価支援システム1の情報提供部106は、受験先
の外部装置2に対して当該児童の評価情報を送信する(ステップS63)。
【0052】
以上述べた方法によれば、保育園内で記録・蓄積した児童の評価情報を受験に活用する仕組みを実現できる。ここで提供される評価情報は、例えば、学力テストの結果や面接での受け答えなどとは違い、日頃の集団生活における児童の自然な様子を表すものであるため、児童の普段のふるまいや嗜好などを知る上で非常に参考となる。
【0053】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態における評価入力画面の例を示している。評価入力画面以外の構成は上述した実施形態のものと同じであるため、以下では、上述した実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0054】
例えば、在園期間が数か月の児童と在園期間が数年の児童とでは、画像の蓄積量が大きく異なるため、評価用画像として選び出される画像の数に差がでる。評価用画像の数が少なすぎると、その児童を評価するための情報が不足していたり、偏っていたりする可能性があり、客観的かつ信頼性の高い評価を行うことができないおそれがある。また、例えば、ある対象児童について、他の児童と遊んでいる画像よりも一人遊びをしている画像が多い傾向がみられた場合に、在園期間が長い児童であれば、「グループよりも一人で行動することを好む性格である」という評価ができるが、もし対象児童が入園間もない時期であれば、まだ新しい環境に馴染めていないだけなのか、元々集団行動が苦手な性格なのかを判断することは難しい。
【0055】
そこで第2実施形態の評価入力画面には、図7に示すように、対象児童の在園期間の情報55を表示している。在園期間の情報55が明示的に表示されていれば、評価者が、対象児童の在園期間を考慮した評価を行うことが容易になる。例えば、在園期間が長い児童の場合であれば、多人数で遊んでいる画像が8割を超えていたら「社交的」、多人数で遊んでいる画像が2割未満であれば「内向的」と評価するのに対し、在園期間が極めて短い(例えば3か月以内)児童の場合は、多人数で遊んでいる画像が1枚でもあれば(割合にかかわらず)「社交的」又は「社交的な傾向がみられる」と評価する、というように、在園期間の長さに応じて評価の判断基準を変えてもよい。あるいは、在園期間が極めて短い場合(例:3か月以内)には、このシステムでは「入園初期のため評価無し」という評価結果を付すこととし、当該児童に対しては個別に評価を行ってもよい。
【0056】
なお、図7では、評価の際に考慮すべき環境条件の一つとして、在園期間の情報を例示したが、評価に影響を与え得る環境条件であれば、他の情報を提示することも好ましい。例えば、対象児童の国籍、母国語、家族・兄弟の構成などを示してもよい。環境条件に関する情報については、記憶部104又は児童の情報を管理している園内のサーバなどから取得してもよいし、評価を行う保育士等に入力させてもよい。
【0057】
また、図7の評価入力画面では、複数の画像52が並べて表示されている。このように複数の画像52が一覧できれば、評価者としては、対象児童の傾向を把握しやすくなる。なお、複数の画像52を並べる際に、評価入力部120は、類似する画像52同士が近くにかたまって表示されるように、画像52の並び順を制御してもよい。例えば、写っている人数の多い順又は少ない順に画像52を並べてもよい。これにより、対象児童が多人数で行動する傾向にあるか一人又は少人数で行動する傾向にあるかの把握が容易になる。あるいは、評価入力部120は、写っている人物の組み合わせが共通する画像52同士が近くなるように画像52の並び順を制御してもよい。これにより、対象児童と他の児童との関係性の把握が容易になる。あるいは、評価入力部120は、画像の撮影場所ごとに並べたり、児童が行っているアクティビティや遊びごとに並べたり、画像の撮影時期ごとに並べたりしてもよい。
【0058】
また、図7の評価入力画面では、評価入力部120が付加情報の入力候補を提示することにより評価者による付加情報の入力を支援する。具体的には、評価者により付加情報の欄がタッチないしクリックされると、評価入力部120が付加情報の入力候補のメニュー56を表示する。評価者はこのメニュー56の中から所望の入力候補を選ぶだけで簡単に付加情報の入力が行えるようになっている。これにより、評価者の入力負荷の一層の軽減が可能となる。
【0059】
なお、メニュー56に表示する入力候補の内容は、固定でもよいが、動的に切り替えてもよい。例えば、評価入力部120は、選ばれている評価観点ごとに入力候補を切り替えてもよい。あるいは、評価入力部120は、画像52から抽出ないし認識される情報に基づいて、入力候補を切り替えてもよい(例えば、特定のアクティビティを行っていることが認識された場合に、そのアクティビティに関連するコメントを入力候補の中に入れるなど)。あるいは、評価入力部120は、対象児童の属性(性別、年齢など)によって入力候補を切り替えてもよい(例えば、女児と男児でコメントの内容を変えるなど)。
【0060】
あるいは、評価入力部120は、対象児童の環境条件に応じて付加情報の入力候補を切り替えてもよい。図8に環境条件による入力候補の切り替え処理の一例を示す。図8の処理は、評価入力アプリを起動するタイミングや、評価入力画面の表示を更新するタイミングなどに実行される。この処理例においては、評価入力部120は、対象児童の母国語が保育園(施設)の公用語と異なる場合に(ステップS80のNO)、例えば、「言葉が通じないため他の児童とのコミュニケーションに消極的である」、「簡単な挨拶や意思表示ができている」のような言語習得に関するコメントを入力候補に追加する(ステップS81)。また、評価入力部120は、対象児童の在園期間が所定期間(例えば3か月)以上か否かを判定し(ステップS82)、在園期間が所定期間以上である場合は、「社交的である」、「一人遊びが好きである」のように断定的な表現のコメントに切り替え(ステップS83)、在園期間が所定期間より短い場合は、評価用画像が少なく評価の信頼性や客観性が低い可能性があるので、「社交的かもしれない」、「一人遊びを行う場面もみられる」というように、曖昧な表現のコメントに切り替える(ステップS84)。
【0061】
なお、上述した入力候補の内容や切り替え制御はあくまで一例である。例えば、在園期間が長い児童の場合は、多人数で遊んでいる画像が5割を超えていたら「社交性」や「積極性」に関連するコメントを増やし、多人数で遊んでいる画像が5割以下であれば「内向性」や「消極性」に関連するコメントを増やす一方で、在園期間が短い場合(例えば3か月以内など)は、多人数で遊んでいる画像が数枚あれば(割合にかかわらず)「社交性」や「積極性」に関連するコメントを提示する、というように、画像の内容と環境条件との組み合わせに応じて入力候補を切り替えてもよい。また、本実施形態では、端末12側で入力候補の切り替え制御を行う例を説明したが、情報処理装置10側で入力候補の切り替え制御を行っても構わない。
【0062】
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態における評価情報の提供処理の例を示している。評価情報の提供処理以外の構成は上述した実施形態のものと同じであるため、以下では、上述した実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0063】
ステップS62において、評価支援システム1の情報要求処理部105は、外部装置2から情報提供要求を受け付けると、記憶部104から、当該児童の評価情報を取得する。このとき、同姓同名の児童が存在する可能性を考慮し、顔画像を用いて児童の一致性をチェックしてもよい。また、情報要求処理部105は、当該児童の評価情報の提供条件を記憶部104から読み込む。評価情報の提供条件とは、児童の保護者が開示(情報の提供)
を許諾する範囲を定めたものであり、例えば、開示してよい評価観点、開示してよい評価内容(付加情報や画像の内容)などの条件定義を含んでよい。評価情報の提供条件は、保護者に情報提供の意向をあらかじめヒアリングするなどして、設定しておくものとする。そして、情報要求処理部105は、提供条件に基づいて当該児童の評価情報の提供可否を判断する。記憶部104から取り込まれた評価情報のすべてが提供条件に合致していれば、評価情報の提供「可」と判断し、ステップS63に進む。一方、評価情報が提供条件に合致しない情報を一つでも含むと判断された場合には、ステップS64に進む。
【0064】
ステップS64では、情報提供部106は、受験児童の評価情報のうち提供条件に合致しない情報にマスキングを行う。例えば、提供条件として、「ポジティブな評価であれば提供可であるが、ネガティブな評価であれば提供不可」というような条件定義がなされていた場合に、受験児童の評価情報の中に「他の児童に危害を与える」という付加情報が含まれていた場合には、この付加情報を評価情報から削除するか、付加情報を伏字にするなどの加工を行ってもよい。なお、情報の内容がポジティブかネガティブかの判断は、公知の自然言語処理によって行ってもよいし、あるいは、評価者が付加情報を入力する際に情報の性格を表すラベル(ポジティブかネガティブかを示すラベルなど)を付しておいてもよい。
【0065】
ステップS62において提供「可」と判断された場合は、受験児童の評価情報がそのまま外部装置2に対して送信され、提供「否」と判断された場合は、ステップS64でマスキング加工された評価情報が外部装置2に対して送信される(ステップS63)。
【0066】
なお、提供条件に合致しない情報が存在した場合に、評価支援システム1が、提供条件に合致しない情報の代わりに受験先に提供し得る代替情報を、受験児童の保護者に要求してもよい。もし代替情報が得られた場合には、情報提供部106が、評価情報のうち提供条件に合致する情報と代替情報とを外部装置2に送信すればよい。
【0067】
(その他)
上記実施形態は本発明の一適用例を説明したものにすぎず、本発明の範囲は上記実施形態のものに限定されない。例えば、上記実施形態では、評価支援システムを保育園に導入し、園児の評価情報を小学校受験に活用するというユースケースを例に挙げたが、本システムは、幼稚園・保育園・認定こども園などの児童施設、小学校、中学校、高等学校、養護施設、放課後児童クラブ、学習塾など、複数の児童が在籍する施設であればいかなる種類の施設にも適用可能である。また、評価情報として、画像と評価観点と付加情報を用いたが、これら以外の情報(例えば、児童の音声、口の動き、手話、お絵かきや工作など)を評価情報の中に含めてもよい。評価情報に含めるデータの形式は、静止画像、動画像、音声データ、テキストデータなど、情報の種類に応じて適宜選択してよい。また、評価情報の活用として、受験先への提供だけでなく、施設内での指導教育方針の検討、保護者へのフィードバックなどに活用してもよい。また、児童の発達を支援するような機関(臨床心理士などの専門家)に評価情報を提供することにより、児童に対するケアや支援に役立ててもよい。
【符号の説明】
【0068】
1:評価支援システム
10:情報処理装置
11:監視カメラ
12:端末
50:児童指定欄
51:評価観点
52:画像
53:付加情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9